JP6699250B2 - 光制御シート - Google Patents

光制御シート Download PDF

Info

Publication number
JP6699250B2
JP6699250B2 JP2016045282A JP2016045282A JP6699250B2 JP 6699250 B2 JP6699250 B2 JP 6699250B2 JP 2016045282 A JP2016045282 A JP 2016045282A JP 2016045282 A JP2016045282 A JP 2016045282A JP 6699250 B2 JP6699250 B2 JP 6699250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
control sheet
light
light control
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016045282A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017161692A (ja
Inventor
正弘 波多野
正弘 波多野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016045282A priority Critical patent/JP6699250B2/ja
Publication of JP2017161692A publication Critical patent/JP2017161692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6699250B2 publication Critical patent/JP6699250B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

本発明は、採光機能を備えた光制御シートに関する。
従来、プリズムの下側の反射面で反射させた光を、プリズムの上側の曲面で屈折させることにより、斜め上方から入射した光を上向きに採光することができる光制御シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
特表2013−514549号公報
従来、この種の光制御シートにおいては、室内に入射する光の量(採光量)をより大きくすることが望まれている。
本発明の課題は、より大きな採光量を得ることができる光制御シートを提供することである。
本発明は、以下のような手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
本発明によれば、より大きな採光量を得ることができる光制御シートを提供することができる。
第1実施形態の光制御シート1及び窓ガラス2の周辺を示す図である。 光制御シート1及び窓ガラス2を室内側から見たときの概略図である。 第1実施形態における光制御シート1の構成を説明する図である。 多面プリズム20の各部における光Lの光路を示す概念図である。 比較例1における光制御シート1Bの構成を説明する図である。 比較例2における光制御シート1Cの構成を説明する図である。 比較例3における光制御シート1Dの構成を説明する図である。 実施例及び比較例の評価結果を説明する図である。 第2実施形態における光制御シート1Aの構成を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に説明する各図は、本発明に係る光制御シートを模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜に誇張している。また、各図においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
本実施形態に記載する各部材の寸法、角度等の数値及び材料名は、実施形態としての例示であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用することができる。
本実施形態において、形状、幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行、直交、方向、向き等の用語については、その用語の厳密な意味に加えて、同様の光学的機能を奏し、ほぼ平行、直交等とみなせる程度の範囲、概ねその方向及び向きとみなせる範囲を含む。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の光制御シート1及び窓ガラス2の周辺を示す図である。図2は、光制御シート1及び窓ガラス2を室内側から見たときの概略図である。図3は、第1実施形態における光制御シート1の構成を説明する図である。
なお、図1を含む各図(図8を除く)には、XYZの座標軸を図示している。本実施形態では、光制御シート1を窓ガラス2に貼り付けた状態、即ち、光制御シート1(基材10)を鉛直に配置した状態における上下(鉛直)方向をZ方向、左右方向をX方向、厚み方向をY方向とする。ここで、上下方向(Z方向)のうち、+Z側を上向き(天井側)とし、−Z側を下向き(床側)とする。また、厚み方向(Y方向)のうち、+Y側を室内側、−Y側を室外(屋外)側とする。
図1に示すように、光制御シート1は、住宅等の窓ガラス2の室内側(+Y側)の面に貼り付けた状態で使用される。窓ガラス2に対して斜め上方から入射した太陽SNの光は、光制御シート1がなければ、窓ガラス2を透過して、下向き(−Z方向)に照射される。そのため、斜め上方から入射した太陽SNの光を室内の照明に利用することが難しい。しかし、光制御シート1が貼り付けられた窓ガラス2の場合、斜め上方から入射した太陽SNの光が、より多く上向きに(+Z方向)に採光される。そのため、斜め上方から入射した太陽SNの光を室内の照明に利用することができる。光制御シート1の採光機能については後述する。
本実施形態の光制御シート1は、図1に示すように、基材10と、複数の多面プリズム20と、を備える。
基材10は、光制御シート1の背面側(−Y側)に設けられたシート状の部材である。基材10は、例えば、光透過性の高いPET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等により形成される。
基材10の第2面(背面)10bは、接合層3を介して窓ガラス2に接合される。接合層3は、基材10と窓ガラス2とを接合する粘着剤層である。接合層3は、基材10と窓ガラス2との間を透過する光の屈折を抑制するため、これらの層と同等の屈折率を有する材料、例えば、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等により形成される。
多面プリズム20は、太陽SNからの光を採光する機能を備えた光学部材である。多面プリズム20は、図1に示すように、断面が略三角形の形状を有する。また、多面プリズム20は、図2に示すように、光制御シート1の左右方向(X方向)に直線状に延在し、全体の形状として略三角柱となるように形成されている。そして、多面プリズム20は、基材10の第1面(背面と反対側の面)10aにおいて、上下方向(Z方向)にストライプ状に複数設けられている。多面プリズム20の配列ピッチ(以下、「ピッチ」ともいう)は、およそ100μmである。
多面プリズム20は、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等により形成される。これらの部材は、上述した基材10と同等の屈折率を有する。
多面プリズム20は、図3に示すように、Z−Y平面における断面形状において、基準面21と、下側反射面22と、上側出射面23と、上側反射面24と、を備える。
基準面21は、多面プリズム20の最も背面側(−Y側)に位置する面である。多面プリズム20は、基準面21において、接合層3を介して窓ガラス2に接合される(図1参照)。
下側反射面22は、入射角が臨界角以上の光を上向き(+Z方向)に反射させる面である。ここで、入射角が臨界角以上の光とは、下側反射面22の垂線(不図示)に対する入射角が臨界角以上となる光である。下側反射面22において、入射角が臨界角未満となる光は、下側反射面22と空気との境界面で屈折し、多面プリズム20の下方に出射する。下側反射面22と基材10の垂線PHとの交差する角度αは、0°<α<12°の範囲に設定される。
上側出射面23は、下側反射面22で反射された光を上向きに出射させる面である。本実施形態の上側出射面23は、第1出射面23a及び第2出射面23bを備える。第1出射面23a及び第2出射面23bは、上側反射面24(後述)と基材10の垂線PH上における頂点Tとの間において、多面プリズム20の外側に凸状となるように形成されている。
上側出射面23は、以下のように規定される。
第1出射面23aの延長線LH1と基材10の垂線PHとの交差する角度βは、上側反射面24(後述)と基材10の第1面10aとが接する位置(点P1)から、基材10の垂線PH上における多面プリズム20の頂点Tとを結ぶ線分LH2と、基材10の垂線PHとが交差する角度θ以上且つ40°以下の角度に設定される。
上側反射面24は、入射角が臨界角以上の光を下側反射面22の側に反射する面である。ここで、入射角が臨界角以上の光とは、上側反射面24の垂線(不図示)に対する入射角が臨界角以上となる光である。上側反射面24において、入射角が臨界角未満となる光は、上側反射面24と空気との境界面で屈折し、上向きに出射する。
上側反射面24は、以下のように規定される。
上側反射面24と基材10の垂線PHとが交差する角度γは、第1出射面23aの延長線LH1と基材10の垂線PHとの交差する角度β以上となるように設定される。角度γが角度β未満であると、上側反射面24で全反射した光のほとんどが下側反射面22に入射しなくなる(下側反射面22を外れる)ためである。
また、角度γを角度β以上とした場合において、上側反射面24と隣接する第2出射面23bとが接する位置(点P2)から基材10の第1面10aまでの距離Jは、下記の式(1)の範囲に設定される。
0.7S<J<0.9S・・・(1)
ここで、係数S=P×tan(π/2−2α−arc・sin(1/n))
但し、
P:多面プリズム20のピッチ
n:多面プリズム20を構成する材料の屈折率
距離Jが0.7S未満の場合、斜め上方から入射する光のほとんどが、上側反射面24に対して入射角が臨界角未満の光となるため、入射した光のほとんどを下側反射面22に全反射させることができなくなる。また、距離Jが0.9Sを超える場合、斜め上方から上側反射面24に対して入射角が臨界角以上の光が入射しても、上側反射面24で全反射した光のほとんどは、下側反射面22に入射しなくなる(下側反射面22を外れる)。これに対して、多面プリズム20の距離Jを式(1)の範囲に設定した場合、斜め上方から上側反射面24に入射する、入射角が臨界角以上の光の多くを下側反射面22に入射させることができる。
また、角度γは、角度β以上とした場合において、下記の式(2)の範囲に設定される。
π/4−(α+arc・sin(1/n))/2
<γ<
π/4−(α+arc・sin(1/n)−arc・sin(sin(π/12)/n))/2
・・・(2)
ここで、上記の式(2)について説明する。図4は、多面プリズム20の各部における光Lの光路を示す概念図である。図4(a)は、基準面21に入射する光Lの光路を示す概念図である。図4(b)は、上側反射面24及び下側反射面22で反射する光Lの光路を示す概念図である。
以下、基準面21の垂線PH1に対して、光Lが0〜15°の範囲で入射し、且つ下側反射面22の角度αを0〜12°とした場合に、角度γが最適となる範囲について説明する。なお、ここでは、理解を容易にするため、基準面21の垂線PH1に対する光Lの入射角を、窓ガラス2の垂線に対する光Lの入射角とみなして説明する。
図4(a)に示すように、多面プリズム20の基準面21に対して、光Lが入射角A(0〜15°)で入射した場合、光Lは、基準面21で屈折し、出射角(屈折角)Bで進行する。ここで、基材10の屈折率を1とし、多面プリズム20を構成する材料の屈折率をnとすると、出射角Bは、sinB=sinA/nで表される。
多面プリズム20に入射した光Lは、図4(b)に示すように、上側反射面24に入射する。ここで、上側反射面24と光Lとの交点c1を通過する基準面21の垂線PH2と、光Lとの交差する角度をBとすると、上側反射面24と光Lとが交差する角度Cは、C=γ−Bとなる。また、上側反射面24で反射した光Lと下側反射面22との交差する角度をDとすると、D=γ+Cで表される。なお、図4(b)に示すDは、下側反射面22の角度αが0°の場合の角度である。
下側反射面22の角度αが0°の場合、下側反射面22の垂線PH3に対する光Lの入射角Eは、E=π/2−Dとなる。したがって、光Lが入射角A(0〜15°)で入射した場合に、入射角E=π/2−D>arc・sin(1/n)となるように角度γを設定すれば、下側反射面22において、光Lを上向きに反射させることができる。なお、arc・sin(1/n)は、下側反射面22の垂線に対する臨界角である。
また、下側反射面22の角度αが0°を超える場合、下側反射面22の垂線PH4に対する光Lの入射角Fは、π/2−D−αとなる。したがって、光Lが入射角A(0〜15°)で入射した場合に、入射角F=π/2−D−α>arc・sin(1/n)となるように角度γを設定すれば、下側反射面22において、光Lを上向きに反射させることができる。
次に、角度γの上限及び下限について説明する。
下側反射面22の角度αが0°を超える場合、光Lの入射角Fは、F=π/2−D−αとなる。ここに、D=(γ+C)、C=γ−Bを代入すると、F=π/2−2γ+B−αとなる。したがって、入射角F=π/2−2γ+B−α>arc・sin(1/n)となるように角度γを設定すれば、下側反射面22において、光Lを上向きに反射させることができる。上述した入射角Fの式は、更に以下のように展開できる。
π/4−γ+B/2−α/2>arc・sin(1/n)/2・・・(3)
γ<π/4+(sinA/n)/2−α/2−arc・sin(1/n)/2・・・(4)
ここで、光Lの入射角A(sinA)を、例えば15°(π/12)とすると、式(4)は、以下のような式(5)で表される。
γ<π/4−(α+arc・sin(1/n)−arc・sin(sin(π/12)/n))/2・・・(5)
上記式(5)は、角度γを規定した式(2)の上限に相当する。
なお、光Lの入射角Aが0°であれば、式(4)は、以下のような式(6)で表される。
γ<π/4−(α+arc・sin(1/n)/2・・・(6)
一方、下側反射面22の角度αが0°の場合、光Lの入射角Eは、E=π/2−Dとなる。ここに、D=(γ+C)、C=γ−Bを代入すると、E=π/2−2γとなる。したがって、入射角F=π/2−2γ+B>arc・sin(1/n)となるように角度γを設定すれば、下側反射面22において、光Lを上向きに反射させることができることになる。上述した入射角Eの式は、更に以下のように展開できる。
π/4−γ+B/2>arc・sin(1/n)/2・・・(7)
γ<π/4+(sinA/n)/2−α/2−arc・sin(1/n)/2・・・(8)
ここで、光Lの入射角A(sinA)を、例えば15°(π/12)とすると、式(8)は以下のような式(9)で表される。
γ<π/4−(α+arc・sin(1/n)−arc・sin(sin(π/12)/n))/2・・・(9)
また、光Lの入射角A(sinA)が0°であれば、出射角Bがゼロになるため、式(8)は、以下のような式(10)で表される。
γ>π/4−(α+arc・sin(1/n)/2・・・(10)
上記式(10)は、角度γを規定した式(2)の下限に相当する。
上述したように、下側反射面22の角度αが0〜12°の場合に、光Lの入射角A(sinA)が0〜15°となる範囲において、角度γをπ/4−(α+arc・sin(1/n))/2未満とした場合、上側反射面24に入射角が臨界角以上の光が入射しても、上側反射面24で全反射した光のほとんどは、下側反射面22に入射しなくなる(下側反射面22を外れる)。また、角度γがπ/4−(α+arc・sin(1/n)−arc・sin(sin(π/12)/n))/2を超える場合、上側反射面24に入射角が臨界角以上の光が入射しても、上側反射面24で全反射した光は、下側反射面22に対して臨界角未満の角度で入射する。そのため、下側反射面22に入射した光のほとんどは、上側出射面23に向けて全反射することなく、下側反射面22と空気との境界面で屈折して下向き(−Z方向)に出射してしまう。
これに対して、多面プリズム20の角度γを式(2)の範囲に設定した場合、入射角A(sinA)が0〜15°となる範囲で入射した光は、上側反射面24で全反射し、そのほとんどが下側反射面22に入射する。この光は、下側反射面22に対して臨界角以上の入射角で入射するため、下側反射面22に入射する光のほとんどを、上側出射面23に向けて全反射させることができる。そのため、光制御シート1に入射した光をより多く上向きに採光することができる。なお、上側反射面24に臨界角未満の入射角で入射した光のほとんどは、上側反射面24と空気との境界面で屈折してほぼ室内側(+Y方向)に出射する。そのため、光が下向き(−Z方向)に出射する場合に比べて、光制御シート1に入射した光を照明により有効に利用することができる。
また、多面プリズム20の頂点Tから基材10の第1面10aまでの距離Hと、多面プリズム20が基材10の第1面10aと接する底辺(基準面21)の長さBとの比率H/B(以下、「アスペクト比」ともいう)は、1.8〜2.2の範囲に設定される。多面プリズム20のアスペクト比を上記範囲とすることにより、角度γを上述した適切な角度の範囲に設定可能としつつ、より多くの採光量を得ることができる。
次に、光制御シート1に対して斜め上方から入射した太陽SNの光の進行方向を、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、太陽SNから入射した光のうち、多面プリズム20の下側反射面22に対して、入射角が臨界角以上となる光L1は、下側反射面22で全反射して、第1出射面23a又は第2出射面23bから上向きに出射する。一方、太陽SNから入射した光のうち、入射角A(sinA)が0〜15°となる範囲で入射した光L2は、上側反射面24で全反射して、下側反射面22に対して臨界角以上の入射角で入射する。この光L2は、下側反射面22で全反射して、第1出射面23a又は第2出射面23bから上向きに出射する。また、多面プリズム20の下側反射面22に対して、入射角が臨界角未満となる光L3は、下側反射面22と空気との境界面で屈折し、下側反射面22から下向きに出射する。
従来の光制御シート(例えば、特許文献1)では、光L2のように、基材10の垂線に対して小さな角度(0〜15°)で入射する光を上向きに採光することが難しい。しかし、本実施形態の光制御シート1では、光L2を上向きに採光することができるため、より大きな採光量を得ることができる。
(多面プリズムの評価)
次に、多面プリズムの形状が相違する複数の光制御シート(実施例、比較例1〜3)を作製し、採光量の評価を行った結果について説明する。図5は、比較例1における光制御シート1Bの構成を説明する図である。図6は、比較例2における光制御シート1Cの構成を説明する図である。図7は、比較例3における光制御シート1Dの構成を説明する図である。図5〜図7では、上述した実施形態と同等の構成要件には同一符号を付し、異なる構成要件については、符号に続いて「B」等の記号を付している。
なお、実施例及び比較例1〜3において、多面プリズムの底辺の長さBは同一とする。また、実施例及び比較例1〜3において、多面プリズムのX方向(図2参照)の長さ、多面プリズムの配列数、基材10の大きさ、厚み等は、すべて同一とする。
(実施例)
実施例として、上述した実施形態(図1〜図3参照)の構成による多面プリズム20を備えた光制御シート1を作製した。実施例の光制御シート1において、多面プリズムは、以下の形状に設定した。
アスペクト比(H/B)=2
角度α=8°
角度β=31.5°
角度γ=23°
ピッチP=100μm
(比較例1)
比較例1として、図5に示すように、上側反射面24の無い形状に構成された多面プリズム20Bを備えた光制御シート1Bを作製した。比較例1の多面プリズム20Bでは、実施例の上側反射面24の代わりに、上側出射面25が基材10に接している。比較例1の光制御シート1Bにおいて、多面プリズム20Bは、以下の形状に設定した。比較例1における角度γは、上側出射面25と基材10の垂線PHとが交差する角度である。
アスペクト比=2.47
角度α=8°
角度β=31.5°
角度γ=5.97°
ピッチP=100μm
比較例1の光制御シート1Bは、多面プリズム20Bのアスペクト比(H/B)において、実施形態で説明した上限値2.2を超えている。また、比較例1の光制御シート1Bは、角度γにおいて、実施形態の式(2)に示す下限値(π/4−(α+arc・sin(1/n))/2)未満である。
(比較例2)
比較例2として、図6に示すように、上側反射面24の無い形状に構成された多面プリズム20Cを備え、且つ多面プリズム20C間に平坦部Fが形成された光制御シート1Cを作製した。比較例2の光制御シート1Cにおいて、多面プリズム20Cは、以下の形状に設定した。
アスペクト比(H/B)=2.47
角度α=8°
角度β=31.5°
角度γ=5.97°
ピッチP=122μm
比較例2の光制御シート1Cは、比較例1の光制御シート1Bにおいて、ピッチPのみが異なる。比較例2の光制御シート1Cにおいて、隣接する多面プリズム20C間には、22μmの平坦部Fが形成されている。
(比較例3)
比較例3として、図7に示すように、台形状の多面プリズム20Dを備えた光制御シート1Dを作製した。比較例3の多面プリズム20Dは、比較例1及び2と同じく、上側反射面24の代わりに、上側出射面25が基材10に接している。比較例3では、台形状の上底の延長線が上側出射面25の延長線LH1となる。比較例3の光制御シート1Dにおいて、多面プリズム20Dは、以下の形状に設定した。
アスペクト比(H/B)=2
角度α=8°
角度β=90°
角度γ=8°
ピッチP=100μm
比較例3の光制御シート1Dは、角度βにおいて、実施形態で説明した上限値(40°)を超えている。また、比較例3の光制御シート1Dは、角度γにおいて、実施形態の式(2)に示す下限値(π/4−(α+arc・sin(1/n))/2)未満である。
(評価結果)
図8は、実施例及び比較例1〜3の光制御シートにおける採光量の評価結果を説明する図である。ここでは、実施例及び比較例1〜3の光制御シートを、同一の大きさ、厚みの窓ガラスに貼り付け、窓ガラスの垂線に対する光の入射角を15°、30°、45°、80°に設定し、それぞれの角度において、水平よりも上向きに採光された光量を採光量として測定した。
図8に示す採光量の数値は、入射光の光量を1としたときに、光制御シートにおいて採光された光量の割合を示している。例えば、採光量が0.49であれば、入射光の約50%が水平よりも上向きに採光されたことになる。この場合、残りの0.51の光量は、水平よりも下向きに進行したり、多面プリズムの内部で吸収されたりして、室内の照明に利用できなかった光である。このように、図8に示す採光量は、光制御シートで採光された光のうち、室内の照明に利用できる光の量を示しているため、数値が大きいほど評価が高くなる。
図8に示すように、実施例の光制御シート1は、いずれの入射角においても、大きな数値の採光量が得られた。とくに、実施例の光制御シート1は、総採光量及び最小採光量において、いずれも比較例1〜3を上回り、全体としてより大きな採光量が得られたことが確認された。
以上説明したように、本実施形態の光制御シート1は、従来の光制御シートに比べてより大きな採光量を得ることができる。とくに、本実施形態の光制御シート1は、低い高度にある太陽の光のように、基材10の垂線に対して小さな角度(例えば、15°〜30°)で入射する光の多くを上向きに採光することができる。したがって、本実施形態の光制御シート1は、室内の照明に利用できる光の採光効率をより向上させることができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態の光制御シート1Aを説明する図である。第2実施形態の光制御シート1Aの基本的な構成は、第1実施形態の光制御シート1と同じである(図1参照)。第2実施形態の光制御シート1Aでは、上述した第1実施形態と同等の構成要件に同一符号を付し、異なる構成要件については、符号に続いて「A」の記号を付している。
第2実施形態の光制御シート1Aは、図9に示すように、多面プリズム20Aの上側出射面23Aが1つの面により構成される点が第1実施形態と異なる。その他の構成は、第1実施形態と同じである。本実施形態においても、角度α、角度β、角度γ及びアスペクト比(H/B)は、第1実施形態と同じ範囲に設定される。
第2実施形態のように、多面プリズム20Aの上側出射面23Aを1つの面により構成した場合でも、角度α、角度β、角度γ及びアスペクト比を第1実施形態と同じ範囲に設定することにより、従来の光制御シートに比べてより大きな採光量を得ることができる。
ここまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形、変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載した効果に限定されない。なお、前述した実施形態及び変形形態の構成は、適宜に組み合わせることもできるが、詳細な説明は省略する。以下の説明では、第1及び第2実施形態を含めて「実施形態」という。
(変形形態)
(1)上述した実施形態では、光制御シート1に配列される各多面プリズム20の角度α、角度β、角度γ及びアスペクト比をすべて同じとした例について説明した。これに限らず、角度α、角度β、角度γ及びアスペクト比は、先に説明した望ましい範囲内であれば、配列されるそれぞれの多面プリズム20毎に異なってもよい。例えば、多面プリズム20のアスペクト比を、光制御シート1が配列される方向(Z方向)において、上から下に順に大きくしてもよいし、上から下に順に大きくしてもよい。その場合、多面プリズム20を、それぞれ異なるピッチで配列してもよい。
(2)上述した実施形態では、多面プリズム20のZ−Y平面における断面形状が、左右方向(X方向)において均等である例について説明した。これに限らず、多面プリズム20は、左右方向の位置に応じて、Z−Y平面における断面形状が相違してもよい。また、多面プリズム20は、左右方向において直線状に延在する構成に限らず、例えば、波形状であってもよい。
(3)上述した実施形態の光制御シート1において、基材10と多面プリズム20との間に、拡散作用を有する光学シートや、各種レンズ形状やプリズム形状が形成された他の光学シート等を配置してもよい。
(4)上述した実施形態において、光制御シート1を貼り付ける対象は、住宅、オフィスビル等の窓ガラスに限らず、自動車、船舶、航空機、鉄道車両等に用いられるガラスであってもよい。
1、1A 光制御シート
10 基材
10a 第1面
10b 第2面
20、20A 多面プリズム
22 下側反射面
23、23A 上側出射面
23a 第1出射面
23b 第2出射面
24 上側反射面

Claims (7)

  1. 第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有するシート状の基材と、前記基材の第1面に沿ってストライプ状に設けられた複数の多面プリズムとを備え、前記基材が略鉛直に配置される光制御シートであって、
    前記多面プリズムは、
    前記基材が略鉛直に配置された状態で、入射角が臨界角以上の光を前記下側反射面の側に反射する上側反射面と、
    前記基材が略鉛直に配置された状態で、入射角が臨界角以上の前記光を上向きに反射する下側反射面と、
    前記基材が略鉛直に配置された状態で、前記下側反射面で反射された前記光を上向きに出射する上側出射面と、を備え、
    前記上側反射面及びこれと隣接する前記上側出射面は、前記上側反射面と前記多面プリズムの前記基材の垂線上における頂点との間において内側に凹状であること、
    を特徴とする光制御シート。
  2. 請求項1に記載の光制御シートであって、
    前記上側出射面は、
    第1出射面及び第2出射面を備え
    前記上側反射面及びこれと隣接する前記上側出射面は前記第1出射面であり、
    前記第1出射面及び第2出射面は、前記上側反射面と前記多面プリズムの前記基材の垂線上における頂点との間において外側に凸状であること、
    を特徴とする光制御シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートであって、
    前記下側反射面と前記基材の垂線との交差する角度αは、0°<α<12°の範囲であること、
    を特徴とする光制御シート。
  4. 請求項に記載の光制御シートであって、
    前記上側反射面と隣接する前記上側出射面とが接する位置から前記基材の第1面までの距離Jは、
    係数S=P×tan(π/2−2α−arc・sin(1/n))
    但し、
    P:多面プリズムの配列ピッチ
    n:多面プリズムを構成する材料の屈折率
    とした場合に、0.7S<J<0.9Sの範囲であること、
    を特徴とする光制御シート。
  5. 請求項又は請求項に記載の光制御シートであって、
    前記上側反射面と前記基材の垂線とが交差する角度を角度γとするとき、
    前記角度γは、
    π/4−(α+arc・sin(1/n))/2
    <γ<
    π/4−(α+arc・sin(1/n)−arc・sin(sin(π/12)/n))/2
    の範囲であること、
    を特徴とする光制御シート。
  6. 請求項から請求項までのいずれか1項に記載の光制御シートであって、
    前記上側出射面の延長線と前記基材の垂線とが交差する角度を角度βとするとき、
    前記角度βは、
    前記上側反射面と前記基材の第1面とが接する位置から前記基材の垂線上における前記多面プリズムの頂点までを結ぶ線分と、前記基材の垂線とが交差する角度θ以上且つ40°以下であること、
    を特徴とする光制御シート。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の光制御シートであって、
    前記多面プリズムの前記基材の垂線上における頂点から前記基材の第1面までの距離Hと、前記多面プリズムが前記基材の第1面と接する底辺の長さBとの比率H/Bは、1.8〜2.2であること、
    を特徴とする光制御シート。

JP2016045282A 2016-03-09 2016-03-09 光制御シート Expired - Fee Related JP6699250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016045282A JP6699250B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 光制御シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016045282A JP6699250B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 光制御シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017161692A JP2017161692A (ja) 2017-09-14
JP6699250B2 true JP6699250B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=59854090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016045282A Expired - Fee Related JP6699250B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 光制御シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6699250B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7039352B2 (ja) 2018-03-27 2022-03-22 矢崎エナジーシステム株式会社 多段型プリズム窓
JP7043342B2 (ja) 2018-05-16 2022-03-29 矢崎エナジーシステム株式会社 多段型プリズム窓

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017161692A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5178523B2 (ja) 薄く且つ高効率の光視準デバイス
WO2011129069A1 (ja) 光学素子および照明装置
CN109388013B (zh) 投影屏幕和投影***
US9732939B2 (en) Optical member and lighting device using the same
WO2019024368A1 (zh) 全反射屏幕和投影***
CN109388012B (zh) 投影屏幕和投影***
JP2007188065A (ja) 光学素子及び照明装置
CN112180672A (zh) 一种投影屏幕
JP6699250B2 (ja) 光制御シート
EP2740994B1 (en) Light guiding system and ceiling structure
JP6146627B2 (ja) 太陽電池モジュール
CN109388014B (zh) 投影屏幕和投影***
JPWO2013058381A1 (ja) 集光装置、光発電装置及び光熱変換装置
JP5693096B2 (ja) 照明装置
JP6385959B2 (ja) 集光光学素子、及びこれを備えた集光装置
CN113050328B (zh) 前置模组和显示装置
JP6078939B2 (ja) パネル部材および光学デバイス
JP5988136B2 (ja) パネル部材、光学デバイス及び壁材
JP4572743B2 (ja) バックライト用屈折集光板
JP6733317B2 (ja) 窓照明装置
CN112180673A (zh) 一种投影屏幕
JP6245501B2 (ja) ブラインド
JP6250269B2 (ja) パネル部材および光学デバイス
CN108931836B (zh) 导光板及确定方法、背光源、显示装置、可读存储介质
JP6291267B2 (ja) 光束制御部材、発光装置および照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200108

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6699250

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees