JP6696088B2 - 無摺動弁およびその組み付け方法 - Google Patents
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Description
弁箱2は、第1弁箱7と第2弁箱8とに分割構成されている。第1弁箱7は、弁体3を収容する基体部9と、流路6の他方側に流路軸心O1を中心として形成され相手側の配管フランジに接続されるフランジ部10と、流路軸心O1との直交方向である弁棒軸心O2を中心として延設し一方の弁棒4を支承する筒状の弁棒支持部11と、弁棒軸心O2を中心として延設し他方の弁棒5を支承する筒状の弁棒支持部12と、を備えている。弁棒支持部11の先端には、後述するスラスト受け部材48を取り付けるためのフランジ部13が形成され、弁棒支持部12の先端には、蓋部材42を取り付けるためのフランジ部14が形成されている。また、第1弁箱7には、流路6の一方側に流路軸心O1を中心として形成されたボール弁挿入開口部15と、流路6の他方側に流路軸心O1を中心として形成された雌ねじ部16と、が形成されている。ボール弁挿入開口部15の径L2は、後述する一対の弁体受け部材32,33の外端同士の距離L3よりも小さくボール弁31の直径L1よりも大きい。
弁体3は、中心を貫く貫通孔30が形成された球状のボール弁31と、ボール弁31と一体回転するようにボール弁31および弁棒4,5に組み付けられる一対の弁体受け部材32,33とを備えて構成されている。なお、弁体受け部材32,33はボール弁31を挟んで互いに対称形である。弁体受け部材32は、弁棒軸心O2を中心とした短円柱状を呈しており、弁棒4の連結ピン60を挿通させるべく弁棒軸心O2方向に貫通した連結溝59が形成されている。弁体受け部材32の一端面における連結溝59の両脇には、弁棒軸心O2方向視して、弁棒軸心O2を中心に弧を描く略半月状の嵌合凸部34,34が突設されている。一方、ボール弁31の外周面には、弁棒軸心O2を中心とした円形を呈し、弁体受け部材32の一端面と当接する平面部35が形成されている。平面部35には、前記嵌合凸部34,34と嵌合する同心円状の嵌合凹部36が形成されている。嵌合凹部36の内径は嵌合凸部34,34の弧の径よりも若干大きい寸法である。
弁棒4は、弁棒支持部11の内周面に軸受38を介して回転可能に支承される。軸受38と弁棒4との間にはシール部材39が介設されている。弁棒4は、一端に連結ピン60が形成され、他端にレバー取付軸部40が形成されている。弁棒5も弁棒支持部12の内周面に軸受38を介して回転可能に支承され、軸受38と弁棒5との間にシール部材39が介設されている。弁棒5の一端も弁棒4と同様に連結ピン60が形成されている。弁棒5の他端側は、フランジ部14にボルト41で締結される蓋部材42により塞がれる。
通常、ボール弁は全開状態或いは全閉状態で使用されるため、弁体が中間開度で保持される構造とはなっていない。これに対し、本実施形態の無摺動弁1は、弁体3を中間開度状態で保持可能な中間開度保持機構43を備えている。中間開度保持機構43は、第1弁箱7と操作用のレバー44との間に介設されるばね部材としてのサラばね45と、弁棒4に対するレバー44の弁棒軸心O2方向の取付位置を変位させてサラばね45の弾性復元力を調整するばね調整部46と、を有して構成されている。
連結機構56は、弁体受け部材32,33にそれぞれ弁棒軸心O2との直交方向に沿って形成される連結溝59と、弁棒4,5にそれぞれ形成され、連れ回り可能な断面形状を有して連結溝59に遊嵌される連結ピン60と、を備えている。連結ピン60は、弁棒4,5の各一端側において互いに平行な一対の平面部を有した断面形状からなる。連結ピン60は、弁体受け部材32,33にそれぞれ形成された連結溝59に、連結ピン60の平面部が連結溝59の溝側面を押圧することで弁体3を連れ回り可能、かつ連結溝59に沿って移動可能に遊嵌されている。連結ピン60の先端は連結溝59を貫通して、前記したようにボール弁31のガイド溝37に連れ回り可能かつ弁棒軸心O2との直交方向に直線移動可能に遊嵌される。これにより、弁棒4,5と弁体受け部材32,33とボール弁31とが一体回転可能に、かつ、弁棒4,5に対して弁体受け部材32,33およびボール弁31が弁棒軸心O2との直交方向に移動可能に構成される。
付勢部材57は、連結溝59の内部に配置されたばね部材からなる。本実施形態では、ばね部材を圧縮コイルばね61としている。連結ピン60の一対の周面部にはそれぞれ有底のばね収容穴62が形成されている。一対の圧縮コイルばね61A,61Bは、一端がばね収容穴62の穴底部に当接し他端が連結溝59の溝端面に当接するように、各ばね収容穴62に圧縮状態で収容される。圧縮コイルばね61Aの付勢力と圧縮コイルばね61Bの付勢力とのバランスにより、弁体3は常に中立位置P1に位置するように付勢される。中立位置P1は弁棒軸心O2上の位置である。弁体3が中立位置P1にあるとき、弁体3と弁座18との間には図1に示すように隙間Tが形成される。
押し付け機構58は、位置調整可能に弁箱2に螺合された位置調整ボルト63と、弁体受け部材32,33にそれぞれ突設され位置調整ボルト63の先端に当接するボス部64と、を備えて構成されている。ボス部64は、弁体受け部材32,33の各外周面に緩曲面状に突設されている。弁箱2(第1弁箱7および第2弁箱8)には、この一対のボス部64に対応するように一対の位置調整ボルト63が螺合されている。第2弁箱8の外部に臨む位置調整ボルト63のボルト頭端面には、工具(マイナスドライバ等)を差し込むための溝が形成されている。工具により位置調整ボルト63の螺合位置を調整することで、位置調整ボルト63の先端がボス部64を押し付ける力、すなわち弁体3を弁座18に押し付ける力が調整される。位置調整ボルト63と弁箱2との間にはシール部材65が介設される。
図1および図4(a)に示すように、無摺動弁1が開状態のとき、弁体3は圧縮コイルばね61Aの付勢力と圧縮コイルばね61Bの付勢力とのバランスにより中立位置P1に位置している。この状態では、位置調整ボルト63の先端とボス部64とは接触しておらず、弁体3と弁座18との間に隙間Tが形成されている。この隙間Tは、無摺動弁1がほぼ全閉状態となって位置調整ボルト63の先端がボス部64を押し付けるまで形成され続ける。これにより、無摺動弁1の開閉動作に伴って弁体3が弁座18に摺動することが無くなるので、弁座18の摩耗を低減でき、弁座18のメンテナンス頻度や交換頻度を少なくできる。
弁箱2に対する弁体3および弁棒4,5の組み付け方法は以下の工程を伴う。
(1)弁棒4と弁体受け部材32と圧縮コイルばね61A,61Bとを組み付けて弁棒アセンブリを作成する。同様に弁棒5と弁体受け部材33と圧縮コイルばね61A,61Bとを組み付けて弁棒アセンブリを作成する。なお、軸受38は第1弁箱7に嵌合させておく。
(2)前記一対の弁棒アセンブリをボール弁挿入開口部15から第1弁箱7の内部に入れて弁棒4,5をそれぞれ弁棒支持部11,12に支持させる。
(4)第2弁箱8を第1弁箱7に組み付け、位置調整ボルト63を取り付ける。
2 弁箱
3 弁体
4,5 弁棒
6 流路
7 第1弁箱
8 第2弁箱
11,12 弁棒支持部
15 ボール弁挿入開口部
18 弁座
19 弁座押え部材
31 ボール弁
32,33 弁体受け部材
34 嵌合凸部
35 平面部
36 嵌合凹部
37 ガイド溝
43 中間開度保持機構
45 サラばね
46 ばね調整部
48 スラスト受け部材
56 連結機構
57 付勢部材
58 押し付け機構
59 連結溝
60 連結ピン
61 圧縮コイルばね
62 ばね収容穴
63 位置調整ボルト
64 ボス部
O1 流路軸心
O2 弁棒軸心
P1 中立位置
Claims (5)
- 弁座が設けられた弁箱と、前記弁箱内の流路を開閉する弁体と、前記弁体を回転させる弁棒と、を備えた無摺動弁であって、
前記弁棒に対して前記弁体を連れ回り可能かつ弁棒軸心との直交方向に直線移動可能に連結する連結機構と、
前記弁体を前記直交方向における中立位置に付勢する付勢部材と、
前記弁箱と前記弁体との間で設けられ、前記弁体が閉じるとき前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体を前記弁座に押し付ける押し付け機構と、
を備え、
前記弁体は、ボール弁と、当該ボール弁と一体回転するようにボール弁および前記弁棒に組み付けられる一対の弁体受け部材と、を備え、
前記弁箱は、ボール弁挿入開口部を有した第1弁箱と、一方の流路端開口部が形成され、前記ボール弁挿入開口部の内周壁に内嵌する第2弁箱と、を備え、
前記連結機構は、前記弁体受け部材に前記直交方向に沿って形成される連結溝と、前記弁棒に形成され、連れ回り可能な断面形状を有して前記連結溝に遊嵌される連結ピンと、を備え、
前記付勢部材は、前記連結ピンのばね収容穴に収容されて一端が当該ばね収容穴の穴底部に当接し他端が前記連結溝の溝端面に当接するばね部材であることを特徴とする無摺動弁。 - 弁座が設けられた弁箱と、前記弁箱内の流路を開閉する弁体と、前記弁体を回転させる弁棒と、を備えた無摺動弁であって、
前記弁棒に対して前記弁体を連れ回り可能かつ弁棒軸心との直交方向に直線移動可能に連結する連結機構と、
前記弁体を前記直交方向における中立位置に付勢する付勢部材と、
前記弁箱と前記弁体との間で設けられ、前記弁体が閉じるとき前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体を前記弁座に押し付ける押し付け機構と、
を備え、
前記弁体は、ボール弁と、当該ボール弁と一体回転するようにボール弁および前記弁棒に組み付けられる一対の弁体受け部材と、を備え、
前記弁箱は、ボール弁挿入開口部を有した第1弁箱と、一方の流路端開口部が形成され、前記ボール弁挿入開口部の内周壁に内嵌する第2弁箱と、を備え、
前記押し付け機構は、位置調整可能に前記弁箱に螺合された位置調整ボルトと、前記弁体受け部材に突設され前記位置調整ボルトの先端に当接するボス部と、を備えていることを特徴とする無摺動弁。 - 他方の流路端開口部が形成され、前記第1弁箱に取り付けられて前記弁座の抜けを阻止する弁座押え部材を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無摺動弁。
- 弁座が設けられた弁箱と、前記弁箱内の流路を開閉する弁体と、前記弁体を回転させる弁棒と、を備えた無摺動弁の組み付け方法であって、
前記無摺動弁は、
前記弁棒に対して前記弁体を連れ回り可能かつ弁棒軸心との直交方向に直線移動可能に連結する連結機構と、
前記弁体を前記直交方向における中立位置に付勢する付勢部材と、
前記弁箱と前記弁体との間で設けられ、前記弁体が閉じるとき前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体を前記弁座に押し付ける押し付け機構と、
を備え、
前記弁体は、ボール弁と、当該ボール弁と一体回転するようにボール弁および前記弁棒に組み付けられる一対の弁体受け部材と、を備え、
前記弁箱は、ボール弁挿入開口部を有した第1弁箱と、一方の流路端開口部が形成され、前記ボール弁挿入開口部の内周壁に内嵌する第2弁箱と、を備え、
前記連結機構は、前記弁体受け部材に前記直交方向に沿って形成される連結溝と、前記弁棒に形成され、連れ回り可能な断面形状を有して前記連結溝に遊嵌される連結ピンと、を備え、
前記付勢部材は、前記連結ピンのばね収容穴に収容されて一端が当該ばね収容穴の穴底部に当接し他端が前記連結溝の溝端面に当接するばね部材であり、
前記弁棒と前記弁体受け部材と前記ばね部材とを組み付けて弁棒アセンブリを作成する
第1工程、
前記弁棒アセンブリを前記第1弁箱の内部に入れる第2工程、
前記ボール弁を前記ボール弁挿入開口部から前記第1弁箱の内部に入れて前記弁棒アセンブリと組み付ける第3工程、
前記第2弁箱を前記第1弁箱に組み付ける第4工程、
をその順序で行うことを特徴とする無摺動弁の組み付け方法。 - 前記弁棒アセンブリは、前記連結ピンの先端が前記連結溝を貫通して前記弁体受け部材から突出し、
前記ボール弁の周面には、前記直交方向に沿って形成され前記連結ピンの先端が遊嵌するガイド溝が形成され、
前記第3工程において、前記ボール弁を、前記ガイド溝に前記連結ピンの先端を遊嵌させつつ前記第1弁箱の内部に入れ、前記ボール弁と前記弁体受け部材とを凹凸嵌合させることを特徴とする請求項4に記載の無摺動弁の組み付け方法。
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