JP6694539B1 - ラミネート紙、ラミネート紙用紙基材、紙容器およびそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端面における耐水性に優れ、製造時の加工性にも優れたラミネート紙とその製造方法、ラミネート紙用紙基材とその製造方法、および当該ラミネート紙を用いた紙容器を提供する。【解決手段】セルロースパルプを主成分とする紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有するラミネート紙であって、前記紙基材は、パルプ層を3層以上有する多層構造を有し、前記紙基材の外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比が50:50〜100:0であり、前記紙基材の内層のサイズ剤の含有率が、外層のサイズ剤の含有率よりも大きいことを特徴とするラミネート紙である。また、当該ラミネート紙の製造方法、ラミネート紙用紙基材とその製造方法、および当該ラミネート紙を用いた紙容器である。【選択図】なし

Description

本発明は、ラミネート紙とその製造方法、ラミネート紙用紙基材とその製造方法、および前記ラミネート紙を用いた紙容器に関する。
牛乳パック等に利用される液体用紙容器では、紙容器を構成する紙基材に耐水性を付与するために、種々の手法が用いられている。代表的な手法として、紙基材にサイズ剤を付与する方法や熱可塑性樹脂をラミネートする方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙を用いると、紙の表面に液体が直接接触することがないため、紙の表面に対して耐水性を付与することができる。ところが、ラミネート紙を用いて紙容器を作成すると、ラミネート紙の端面が液体に接触するため、端面から液体が浸透するという問題が発生する。ラミネート紙の端面における耐水性の向上を図るには、紙基材自体の耐水性を図る必要がある。
紙基材の端面における耐水性を付与する技術として、例えば、紙基材の端面を折り曲げるスカイブヘミング加工が知られている。また、特許文献1には、多層構造の紙容器用原紙であって、外層は針葉樹クラフトパルプ配合率が40質量%以上であり、内層は針葉樹クラフトパルプ配合率が30質量%以下である紙容器用原紙が開示されている。さらに、特許文献1には、液体が積層シートの断面から原紙に浸透することを防止するために、原料パルプの濾水度(CSF)を低い数値とする方法や、内添サイズ剤を添加する方法が開示されている。
国際公開第2010/113849号
特許文献1に開示された方法により形成された原紙は、端面における耐水性の向上にある程度の効果を有している。しかし、原料パルプの濾水度を調整する方法は、耐水性の改善効果にさらなる改良の余地を有するものである。また、内添サイズ剤を添加する方法は、一般に、紙の繊維を疎水化する作用があるため、ラミネートする際に接着が阻害されるという問題が生じる。
従来は、紙表面の親水性を向上させたり、表面の平滑性を高めラミネート適性を向上させるために、PVA(ポリビニルアルコール)を塗工する方法が用いられていた。しかし、近年は、食品接触用途の原料規制が進み、酢酸メチル等を不純物として含むPVAの使用が控えられる傾向にある。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、端面における耐水性に優れ、製造時の加工性にも優れたラミネート紙とその製造方法、ラミネート紙用紙基材とその製造方法、および当該ラミネート紙を用いた紙容器を提供することである。
本発明者らは、紙基材としてパルプ層を3層以上有する多層構造紙を用い、外層のパルプ層よりも内層のパルプ層に多くのサイズ剤を含有させると、端面における耐水性が向上し、加工性にも有効であることを見出した。また、紙基材の外層のパルプ層に広葉樹クラフトパルプを多く含有させることによって、ラミネート接着性が改善されることを見出した。本発明はこのような知見を基に完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
(1)セルロースパルプを主成分とする紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有するラミネート紙であって、前記紙基材は、パルプ層を3層以上有する多層構造を有し、前記紙基材の外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比が50:50〜100:0であり、前記紙基材の内層のサイズ剤の含有率が0.08〜1.25質量%であり、前記紙基材の外層のサイズ剤の含有率が0.04〜0.30質量%であり、前記紙基材の内層のサイズ剤の含有率が、外層のサイズ剤の含有率よりも大きいことを特徴とするラミネート紙。
(2)前記紙基材の内層の紙力増強剤の含有率が、外層の紙力増強剤の含有率よりも大きいことを特徴とする前記(1)に記載のラミネート紙。
(3)前記紙基材の内層の湿潤紙力増強剤の含有率が、外層の湿潤紙力増強剤の含有率よりも大きいことを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載のラミネート紙。
(4)前記紙基材の内層のアルミニウムの含有率が、外層のアルミニウムの含有率よりも大きいことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のラミネート紙。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のラミネート紙を用いた紙容器。
(6)液体用である前記(5)に記載の紙容器。
(7)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のラミネート紙の製造方法であって、セルロースパルプを主成分とし、パルプ層を3層以上積層する紙基材の抄紙工程と、前記紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程とを有し、前記抄紙工程において、多層抄き用抄紙機を用いて前記紙基材を抄紙することを特徴とするラミネート紙の製造方法。
(8)セルロースパルプを主成分とするラミネート紙用紙基材であって、パルプ層を3層以上有する多層構造を有し、外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比が50:50〜100:0であり、内層のサイズ剤の含有率が0.08〜1.25質量%であり、前記外層のサイズ剤の含有率が0.04〜0.30質量%であり、前記内層のサイズ剤の含有率が、前記外層のサイズ剤の含有率よりも大きいことを特徴とするラミネート紙用紙基材。
(9)前記内層における紙力増強剤、湿潤紙力増強剤およびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤の含有率が、前記外層における当該添加剤の含有率よりも大きいことを特徴とする前記(8)に記載のラミネート紙用紙基材。
(10)前記(8)または前記(9)に記載のラミネート紙用紙基材の製造方法であって、セルロースパルプを主成分とし、パルプ層を3層以上積層する抄紙工程を含み、前記抄紙工程において、多層抄き用抄紙機を用いて前記紙基材を抄紙することを特徴とするラミネート紙用紙基材の製造方法。
本発明のラミネート紙、ラミネート紙用紙基材および当該ラミネート紙を用いた紙容器は、端面における耐水性に優れ、製造時の加工性にも優れている。
本発明の実施形態について以下説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のラミネート紙は、セルロースパルプを主成分とする紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有する。熱可塑性樹脂層が積層されているため、ラミネート紙の熱可塑性樹脂層側の表面には耐水性が付与される。
本実施形態の課題である端面における耐水性は、ラミネート紙の端面から液体が浸透する現象を阻止する能力のことである。端面における耐水性は、後記するように、端面吸水指数として定量化される。
以下、ラミネート紙を構成する各素材について説明する。
[紙基材]
紙基材としては、パルプ層を3層以上有する多層構造の紙(多層紙)を用いる。各パルプ層の坪量は、同一であっても、異なっていてもよい。
なお、紙基材の外層とは多層構造の最表裏の2層のパルプ層のことであり、内層とはそれらに挟まれるパルプ層のことである。内層は1層の場合もあれば、2層以上の場合もある。
(サイズ剤)
紙基材に耐水性を付与するためには、通常、紙基材にサイズ剤を含有させる。サイズ剤としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、無水マレイン酸系、スチレンアクリル酸系、スチレンアクリル系などの公知の紙用各種サイズ剤が使用される。
本発明者らは、パルプ層を3層以上有する多層構造の紙を使用して、表裏面となる外層と、中心部の層となる内層において、サイズ剤の含有率(質量%)を変えることを検討した。その結果、内層のサイズ剤の含有率を外層のサイズ剤の含有率よりも大きくする構成としたときに、端面吸水指数は主として、内層のサイズ剤の含有率によって決定される傾向にあることを見出した。そのため、端面における耐水性を向上させるためには、内層および外層を含むすべての層のサイズ剤の含有率を増大させる必要はなく、内層のサイズ剤の含有率を増大させることが有効であることを見出した。
また、後記するように、ラミネート紙を製造する際には、紙基材の表面に熱可塑性樹脂層がラミネートされる。熱可塑性樹脂層が紙基材と強く密着するためには、紙基材の表面に極性基を有していることが好ましい。そのため、紙基材に耐水性を付与するためにサイズ剤を含有させると、紙基材表面が疎水性となり、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題が生じる。
しかし、内層のサイズ剤の含有率を外層のサイズ剤の含有率よりも大きくする構成とすると、外層のサイズ剤の含有率を小さくすることが可能となる。その結果、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題の発生を低減できることを見出した。さらに、外層のサイズ剤の含有率が小さいと、抄紙時に、製造装置に付着するサイズ剤由来の抄紙汚れが低減されることを見出した。
内層のサイズ剤の含有率は、0.08〜1.25質量%であることが好ましく、外層のサイズの含有率は、0.04〜0.30質量%であることが好ましい。
内層のサイズ剤の含有率を外層のサイズ剤の含有率よりも大きくする方法として、内層の内添サイズ剤の添加率を外層の内添サイズ剤の添加率よりも大きくしてもよいし、内層のパルプ原料としてブローク(損紙)パルプを配合してもよい。ブロークパルプはサイズ剤を添加して抄造した際に発生した損紙に限り、自己損紙であることが好ましい。ブロークパルプにサイズ剤が含有されるため、内層の内添サイズ剤の添加率を外層の内添サイズ剤の添加率よりも大きくしなくても、内層のサイズ剤の含有率が外層のサイズ剤の含有率よりも大きい状況を達成できる。
(パルプ)
紙基材はセルロースパルプを主成分とする。ここで主成分とは、紙基材を構成する成分のうち50質量%以上を占める成分をいう。セルロースパルプとしては、例えば、針葉樹材の晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹材の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)等の木材系パルプ、麻パルプ等の非木材系パルプ等が挙げられる。これらのパルプは、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。紙基材を構成するパルプとしては、品質やコストの面から、LKPであるアカシア材やユーカリ材等の木材系パルプが適している。
本発明者らは、さらに、紙基材のラミネート加工時の接着性を改良するために、紙基材を構成するパルプの種類について検討を加えた。紙基材を構成するセルロースパルプとしては、通常、広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプとが使用される。これらの内、広葉樹クラフトパルプを多く含有させることにより、地合いが向上し、表面の平滑性を高めることができ、ラミネート加工時の接着性を向上させることができることを見出した。すなわち、紙基材の外層を構成するセルロースパルプとして、広葉樹クラフトパルプを針葉樹クラフトパルプよりも多量に含有させることが好ましい。具体的には、紙基材の外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比は、50:50〜100:0である。広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比は、より好ましくは80:20〜100:0である。抄紙される前のセルロースパルプのフリーネス(csf)は、360〜640mlであることが好ましく、380〜550mlであることがより好ましい。
(紙力増強剤、湿潤紙力増強剤)
紙基材には、抄紙する際に、各種内添助剤が添加される。それらの内、紙力増強剤と湿潤紙力増強剤は、紙力増強のために添加される。これらの内添助剤は、通常、高分子物質であり、紙基材表面に多く存在すると、表面に地合いムラが生じて、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題が生じる懸念がある。
紙力増強剤の具体例としては、ポリアクリルアミド系ポリマー、澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。また、湿潤紙力増強剤の具体例としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂等が挙げられる。
そこで、上記のサイズ剤と同様に、表裏面となる外層と、中心部の層となる内層において、紙力増強剤または湿潤紙力増強剤の含有率(質量%)を変えることを検討した。その結果、内層の紙力増強剤または湿潤紙力増強剤の含有率を外層の紙力増強剤または湿潤紙力増強剤の含有率よりも大きくする構成としたときに、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題の発生を低減できることを見出した。さらに、外層の紙力増強剤または湿潤紙力増強剤の含有率が小さいと、抄紙時に、製造装置に紙力増強剤または湿潤紙力増強剤が付着して抄紙汚れを引き起こす問題も低減されることを見出した。
内層の紙力増強剤の含有率は、0.05〜1.50質量%であることが好ましく、外層の紙力増強剤の含有率は、0.00〜1.00質量%であることが好ましい。外層の紙力増強剤の含有率が1.00質量%を超えると、紙容器に成形した際に剛性が過剰となる恐れがある。
同様に、内層の湿潤紙力増強剤の含有率は、0.05〜0.85質量%であることが好ましく、外層の湿潤紙力剤の含有率は、0.00〜0.50質量%であることが好ましい。
(アルミニウム)
アルミニウムは、アルミニウム多価金属化合物として、サイズ剤の定着助剤等として紙基材に添加される。アルミニウム多価金属化合物とは、具体的には、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等である。
アルミニウムの含有量が多いほど、サイズ剤の定着性が高くなる。そこで、内層のアルミニウムの含有率(質量%)を多くすることにより、内層のサイズ剤の定着性を高くすることができ、内層から外層へサイズ剤が移行することを抑制できることを見出した。ここで、アルミニウムの含有率とは、パルプ層に添加されるアルミニウム多価金属化合物の含有率から換算して求められるアルミニウム元素の合計含有率のことを意味する。その結果、内層のアルミニウムの含有率を外層のアルミニウムの含有率よりも大きくする構成としたときに、内層のサイズ剤の含有率を外層のサイズ剤の含有率よりも大きくすることができ、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題の発生を低減できることを見出した。
内層のアルミニウムの含有率は、0.05〜0.20質量%であることが好ましく、外層のアルミニウムの含有率は、0.02〜0.10質量%であることが好ましい。
尚、例えば、アルミニウム多価金属化合物として硫酸アルミニウム(分子量342)を用いたとき、アルミニウムの含有率は、下記の式から換算することができる。
アルミニウム含有率(質量%)={硫酸アルミニウムの含有率(質量%)/342}×54
以上のように、内層におけるサイズ剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤およびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤の含有率は、外層における当該添加剤の含有率よりも大きいことが好ましい。内層と外層における添加剤の含有率が異なる多層構造の紙基材は、後記する多層抄き用抄紙機を用いて製造することができる。
紙基材には、さらに上記以外の各種内添助剤が必要に応じて適宜選択して添加される。填料は、製紙分野で一般に使用されている填料が使用可能であり、特に限定されない。その他の内添助剤としては、歩留まり向上剤、ろ水度向上剤、カチオン化澱粉などの各種澱粉類、嵩高剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、ピッチコントロール剤、防腐剤、スライムコントロール剤等が挙げられる。
紙基材の坪量は、特に限定されるものではないが、150〜500g/mとすることが好ましい。
(抄紙)
紙基材は、パルプ層を3層以上積層する抄紙工程により製造される。パルプ層を多数積層した構成の多層紙は、板紙等の製造技術として使用されており、一般的に、円網抄合わせ抄紙機、長網抄合わせ抄紙機等の多層抄き用抄紙機を使用して製造することができる。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれであってもよい。
[熱可塑性樹脂層]
熱可塑性樹脂層は、紙基材の少なくとも一方の面上に積層される。熱可塑性樹脂は、用途に応じて、結晶性樹脂と非結晶性樹脂のいずれの熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、PET、PBT等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸(PLA)、PHB、PBS、PBAT、PCL、PHBH等の生分解性樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層は、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、同種や異種の樹脂からなる複数の層として形成してもよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは、特に限定されないが、通常は、10〜50μm程度の厚さである。熱可塑性樹脂層の形成量は、特に限定されないが、5〜50g/mが好ましく、10〜30g/mがより好ましい。熱可塑性樹脂層の形成量が小さ過ぎると容器に充填した液体等が紙基材へ浸透する恐れがあり、大き過ぎると容器への成形加工適性が低下する恐れがある。
[ラミネート紙]
ラミネート紙は、紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とからなる。熱可塑性樹脂層は、紙基材の片面だけに積層されていてもよいし、紙基材の両面に積層されていてもよい。ラミネート紙は、紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程により製造される。
熱可塑性樹脂層を紙基材上にラミネートする方法としては、押出ラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、熱ラミネート法等の各種公知の方法を適宜使用することができる。熱可塑性樹脂層が単層の場合は、押出ラミネート法が好ましい。
ラミネート時には、必要に応じて、熱可塑性樹脂層または紙基材層に対してコロナ処理やオゾン処理等の酸化処理を施してもよい。これらの処理を行うことによって、熱可塑性樹脂層または紙基材層の表面に極性基が生成し、接着性を向上させることができる。これらの処理は、熱可塑性樹脂層または紙基材層のいずれか一方でもよく、両方でもよく、1回でもよく、複数回でもよい。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、坪量が150〜500g/mであることが好ましく、200〜400g/mであることがより好ましい。坪量が小さ過ぎると、紙容器に成形した際に剛性が不足する恐れがあり、坪量が大き過ぎると、原料および薬品を多量に使用するためコスト高となる恐れがある。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、厚さが200〜750μmであることが好ましい。また、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、密度が0.60〜1.20g/cmであることが好ましい。
ラミネート紙の層構成としては、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる2層構成または3層構成のラミネート紙が基本であるが、それ以外に、用途に応じて、種々の多様な層構成を形成することができる。例えば、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙上にさらに同種または異種の熱可塑性樹脂層を設けたり、熱可塑性樹脂層と熱可塑性樹脂層の間に熱可塑性樹脂以外の層を設けたり、紙基材と熱可塑性樹脂層の間に熱可塑性樹脂層以外の層を設けることもできる。熱可塑性樹脂層以外の層としては、水溶性高分子(PVA等)や、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層、アルミニウム箔(Al箔)、印刷層等がある。
[紙容器]
本実施形態のラミネート紙を用いて種々の紙容器を製造することができる。紙容器を製造する方法は、公知の方法を適宜選択して用いることができる。
[液体用紙容器]
本実施形態のラミネート紙を用いて種々の液体用紙容器を製造することができる。液体用紙容器を製造する方法は、公知の方法を適宜選択して用いることができる。
本実施形態のラミネート紙は、ラミネート加工時に接着性が低下するという問題の発生が低減され、抄紙時に内添助剤等が付着して抄紙汚れを引き起こす問題も低減され、製造時の加工性に優れている。また、当該ラミネート紙を用いた紙容器は、液体用容器としたときに、端面における耐水性に優れている。なお、本実施形態のラミネート紙に、さらに端面を折り曲げるスカイブヘミング加工を施して耐水性を向上させることもできる。
PE等の熱可塑性樹脂層を紙基材の外側および内側の両面に設けたラミネート紙を、水の沸点及び熱可塑性樹脂の融点を超える温度で加熱処理して、当該熱可塑性樹脂層を紙基材が含有する水分等によって発泡させると、断熱性を有した紙容器とすることができる。断熱性を有する紙容器は、例えば、加熱した液体・固体等や冷却された液体・固体等を内容物とする断熱性紙容器として使用することができる。
本実施形態のラミネート紙は、牛乳パック等の液体用紙容器、紙コップ、発泡カップ、アイスカップ、断熱カップ、コーヒー容器、アセプティック容器、包装容器等の紙容器のほか、包装資材、断熱資材等の各種用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
実施例および比較例に用いた材料・製造条件は以下のとおりである。
(1)パルプ
LBKP:アカシアパルプ、ユーカリパルプ
NBKP:ダグラスファー、ラジアータパイン、スギ
(2)熱可塑性樹脂
PE:日本ポリエチレン社製LDPE、品番LC522
PLA:Nature Works社製PLA,品番Ingeo PLA 2002D
(3)内添薬品
カチオン化デンプン:ピラースターチ社製P−3T
サイズ剤:星光PMC社製AD1612
紙力増強剤:荒川化学工業社製PS−NH20B
湿潤紙力増強剤:星光PMC社製WS4024
硫酸バンド:朝日化学工業社製液体硫酸バンド
以下に、紙基材およびラミネート紙について実施した測定方法を示す。なお特別な記載が無い限り、測定はJIS P8111:1998に記載の温度23℃±1℃、湿度50%±2%の環境で行った。
(1)坪量:JIS P8124:2011に準じて測定した。
(2)厚さ:JIS P8118:2014に従い、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm)に加えた際の厚さを測定した。
(3)密度:JIS P8118:2014に従い測定した。なお厚さは、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm)に加えた際の厚さを測定した。
(4)再離解パルプフリーネス
得られた紙基材をJIS P 8220:2012の方法に従って離解し、得られたパルプスラリーをJIS P 8121:2012に準拠した方法で離解フリーネスの測定を行った。測定機として、熊谷理機工業製のカナディアンフリーネステスターを用いた。
(5)繊維長・コースネス
離解して得られたパルプスラリーを0.01質量%以上0.02質量%以下になるように希釈し、希釈液を作製する。この希釈液10mlに含まれる繊維成分の投影長さを、繊維長測定装置(メッツォオートメーション社製、カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定し、離解繊維の長さ加重平均値を算出した。コースネス(繊維粗度)も、繊維長測定装置(メッツォオートメーション社製、カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定した。
[実施例1]
(紙基材)
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.05部(固形分換算)、内層に0.10部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量420g/mの紙基材を得た。ここで、全5層のパルプ層のうち、外層は第1層と第5層であり、内層は第2層、第3層および第4層である。
(熱可塑性樹脂層)
得られた紙基材の外内両面に対し、熱可塑性樹脂としてLDPE(LC522)をラミネートした。熱可塑性樹脂層のラミネートは押し出しラミネート法により、ラミネート温度を330℃、ラミネート速度を200m/分の条件で行った。熱可塑性樹脂層の厚さ、質量は表1に記載の通りとし、ラミネート紙を得た。
(紙容器)
得られたラミネート紙の表面にオフセット印刷を施したのち、必要箇所に罫線を設け、所定の形状に打ち抜き、ブランク材を得た。次に、フレームシールによりブランク材の一部の樹脂材料を溶融し、胴部を貼り合わせて、筒状のスリーブを得た。続いて、この筒状スリーブを液体充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、トップ部をシールし、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例2]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.15部(固形分換算)、内層に0.30部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量420g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例3]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.8部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.07部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量320g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例4]
外層パルプ原料としてLBKP100部、内層パルプ原料としてLBKP70部とブローク30部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.15部(固形分換算)、内層に0.15部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量320g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例5]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に1.5部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.4部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量250g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例6]
パルプ原料としてLBKP90部とNBKP10部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.05部(固形分換算)、内層に0.10部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.6部(固形分換算)、内層に0.8部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量250g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例7]
外層パルプ原料としてLBKP90部とNBKP10部、内層パルプ原料としてLBKP60部とNBKP10部とブローク30部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.05部(固形分換算)、内層に0.10部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.6部(固形分換算)、内層に0.8部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量250g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例8]
パルプ原料としてLBKP90部とNBKP10部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に1.0部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量200g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例9]
外層パルプ原料としてLBKP90部とNBKP10部、内層パルプ原料としてLBKP80部とNBKP20部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.8部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量200g/mの紙基材を得た。
得られた紙基材の外内両面に対し、熱可塑性樹脂としてPLA(Nature Works社製PLA,品番Ingeo PLA 2002D)をラミネートした。熱可塑性樹脂層のラミネートは押し出しラミネート法で、ラミネート温度を260℃、ラミネート速度を200m/分の条件で行った。熱可塑性樹脂層の厚さ、質量は表1に記載の通りとし、ラミネート紙を得た。得られたラミネート紙を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例10]
外層パルプ原料としてLBKP80部とNBKP20部、内層パルプ原料としてLBKP90部とNBKP10部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.4部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.6部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量150g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例11]
外層パルプ原料としてLBKP80部とNBKP20部、内層パルプ原料としてLBKP60部とNBKP10部とブローク30部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.4部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.25部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.6部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量150g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[実施例12]
パルプ原料としてLBKP80部とNBKP20部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.8部(固形分換算)、中層に1.0部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、中層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、中層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.5部(固形分換算)、中層に1.0部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量150g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例1]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を各層に0.2部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.05部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を各層に0.1部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量620g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例2]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を各層に0.2部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を各層に0.1部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.5部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量620g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例3]
パルプ原料としてLBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を各層に0.5部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.8部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内層に0.07部(固形分換算)、硫酸バンドを各層に0.2部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量280g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例4]
パルプ原料としてNBKP100部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を各層に0.8部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に1.5部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.4部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)、硫酸バンドを各層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量250g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例5]
パルプ原料としてLBKP10部とNBKP90部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.1部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に0.2部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に0.8部(固形分換算)、内層に0.6部(固形分換算)、硫酸バンドを各層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量250g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例6]
パルプ原料としてLBKP10部とNBKP90部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.2部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を各層に0.2部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を外層に1.0部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、硫酸バンドを各層に0.8部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量200g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例7]
外層のパルプ原料としてLBKP10部とNBKP90部、内層のパルプ原料としてLBKP20部とNBKP80部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.3部(固形分換算)、内層に0.1部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を外層に1.0部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を各層に0.3部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.8部(固形分換算)、内層に0.2部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量200g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例8]
外層のパルプ原料としてLBKP20部とNBKP80部、内層のパルプ原料としてLBKP10部とNBKP90部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に0.5部(固形分換算)、内層に0.4部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を各層に0.2部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を各層に0.3部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に0.6部(固形分換算)、内層に0.3部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量140g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
[比較例9]
パルプ原料としてLBKP20部とNBKP80部を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部(固形分換算)に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化デンプンを各層に0.45部(固形分換算)、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤を外層に1.0部(固形分換算)、内層に0.8部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を各層に0.5部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤としてポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を各層に0.5部(固形分換算)、硫酸バンドを外層に1.0部(固形分換算)、内層に0.5部(固形分換算)を添加し紙料を調整した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーでデンプンを各層間に1.0g/mずつ塗布し、サイズプレスで酸化デンプンを2.3g/m塗布し、坪量140g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例9と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
以上のようにして得られた紙基材およびラミネート紙について以下の性能評価を行った。性能評価は、◎、○または△のとき合格と判定した。評価結果を表1および表2に示した。表中、内添薬品における数値は、抄紙後の紙基材中の各パルプ層のパルプ合計100質量部に対する含有量(質量部)を表す。紙基材に含まれる各内添薬品の含有量(固形分換算)は、熱分解GC/MS分析装置(アジレント・テクノロジー株式会社)を用いた質量分析で求めた。
(ラミネート接着性)
実施例および比較例で得られたラミネート紙について、JIS K6854−3:1999に従い、熱可塑性樹脂層と紙基材間の接着強度を測定した。試験片幅25mm、接着部の長さを150mmとし、接着部の両端25mmを除く100mmの領域における剥離の程度を目視にて◎、○、△、×で評価した。剥離がみられず、十分に接着していれば◎、極一部の箇所で剥離がみられれば○、極一部の箇所で剥離がみられ、かつその剥離範囲が広い場合は△、剥離が複数箇所でみられた場合は×と評価した。
(ステキヒトサイズ度)
実施例および比較例で得られた紙基材について、JIS P8122:2004に従い、熱可塑性樹脂層をラミネートする面を上にしてステキヒトサイズ度を測定した。ステキヒトサイズ度が1000秒以上であれば◎、850秒以上であれば○、650秒以上であれば△、650秒未満の場合は×とした。
(端面吸水指数):
まず、ラミネート紙の紙基材の厚さ(μm)を測定した。次に、紙基材の表裏両面にMSパウチ(明光商会製)を貼り合わせてラミネートを行い、紙基材の表裏面からの吸水が無い状態とした。表裏面にラミネートが施された紙基材の断面が露出するように、縦(紙の流れ方向)60mm、横(紙の流れと垂直方向)90mmに切り出し、試験片を作成した。切り出した試験片の重量(g)を測定した後、23℃に調節した水に60分間浸漬した。浸漬後、試験片に付着した水を十分に拭き取った後に、試験片の重量(g)を測定した。紙基材の厚さ、浸漬前後の重量を用いて、以下の式により端面吸水指数を決定した。なお、厚さは1μmの精度、重量は0.001gの精度で測定を行った。
端面吸水指数(g/1000mm)=(((浸漬後重量−浸漬前重量)/300)/紙基材の厚さ)×1000000
実施例および比較例で得られたラミネート紙について、端面吸水指数が0.35以下であれば◎、0.40以下であれば○、0.45以下であれば△、0.45以上の場合は×とした。
(平滑性)
実施例および比較例で得られたラミネート紙について、JIS P 8155:2010に従い、熱可塑性樹脂層を有している面の王研式平滑度を測定した。王研式平滑度が250秒以上であれば◎、200秒以上であれば○、100秒以上であれば△、100秒未満であれば×とした。
(抄紙汚れの発生程度)
実施例および比較例で得た紙基材を抄造した際の抄紙汚れの発生程度を◎、○、△、×で評価した。得られた紙基材100gに相当する面積における、0.05mm以上のチリ個数を測定し、チリの数が0であれば◎、1〜2個であれば○、3〜5個であれば△、5個以上であれば×とした。
Figure 0006694539
Figure 0006694539
表1および表2の結果から分かるように、実施例1〜12のラミネート紙は、ラミネート接着性、ステキヒトサイズ度、端面吸水指数、平滑性、抄紙汚れの発生程度において、いずれの性能においても優れていた。一方、比較例1〜9のラミネート紙は、ラミネート接着性、ステキヒトサイズ度、端面吸水指数、平滑性、抄紙汚れの発生程度のいずれかの性能において劣っていた。

Claims (10)

  1. セルロースパルプを主成分とする紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有するラミネート紙であって、
    前記紙基材は、パルプ層を3層以上有する多層構造を有し、
    前記紙基材の外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比が50:50〜100:0であり、
    前記紙基材の内層のサイズ剤の含有率が0.08〜1.25質量%であり、
    前記紙基材の外層のサイズ剤の含有率が0.04〜0.30質量%であり、
    前記紙基材の内層のサイズ剤の含有率が、外層のサイズ剤の含有率よりも大きいことを特徴とするラミネート紙。
  2. 前記紙基材の内層の紙力増強剤の含有率が、外層の紙力増強剤の含有率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のラミネート紙。
  3. 前記紙基材の内層の湿潤紙力増強剤の含有率が、外層の湿潤紙力増強剤の含有率よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラミネート紙。
  4. 前記紙基材の内層のアルミニウムの含有率が、外層のアルミニウムの含有率よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラミネート紙。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラミネート紙を用いた紙容器。
  6. 液体用である請求項5に記載の紙容器。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラミネート紙の製造方法であって、
    セルロースパルプを主成分とし、パルプ層を3層以上積層する紙基材の抄紙工程と、
    前記紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程とを有し、
    前記抄紙工程において、多層抄き用抄紙機を用いて前記紙基材を抄紙することを特徴とするラミネート紙の製造方法。
  8. セルロースパルプを主成分とするラミネート紙用紙基材であって、
    パルプ層を3層以上有する多層構造を有し、
    外層における広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプの質量比が50:50〜100:0であり、
    内層のサイズ剤の含有率が0.08〜1.25質量%であり、
    前記外層のサイズ剤の含有率が0.04〜0.30質量%であり、
    前記内層のサイズ剤の含有率が、前記外層のサイズ剤の含有率よりも大きいことを特徴とするラミネート紙用紙基材。
  9. 前記内層における紙力増強剤、湿潤紙力増強剤およびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤の含有率が、前記外層における当該添加剤の含有率よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載のラミネート紙用紙基材。
  10. 請求項8または請求項9に記載のラミネート紙用紙基材の製造方法であって、
    セルロースパルプを主成分とし、パルプ層を3層以上積層する抄紙工程を含み、
    前記抄紙工程において、多層抄き用抄紙機を用いて前記紙基材を抄紙することを特徴とするラミネート紙用紙基材の製造方法。
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