JP6693542B2 - セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム - Google Patents

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Description

本開示は、セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システムに関する。
セメントクリンカーは、石灰石、粘土、硅石、酸化鉄等を主原料として製造される。セメントクリンカーの製造では、これらの主原料の他に、各種産業副産物及び産業廃棄物等を原燃料として有効利用している。ところが、原材料の選択に応じて、セメントクリンカー中に、各種原燃料に由来するカドミウム、クロム、鉛等の重金属類が極少量混入することがある。
重金属類のうち、六価クロムは、他の重金属類とは異なり、クロム酸イオン(CrO 2−)等の安定なオキソ陰イオンの状態で存在し、高pH条件下であっても難溶性の水酸化物を形成しない。このため、六価クロムは、その溶出対策が比較的難しい重金属に分類される。六価クロムの溶出量は、特に関東ローム等の火山灰質粘性土を地盤改良の対象とした場合に多くなることが知られている。
セメントクリンカーあるいはセメントは、地盤改良材の原料として用いられることもある。地盤改良土からの六価クロムの溶出量は、土壌環境基準で0.05mg/L以下に制限されている。特許文献1では、排煙脱硫工程で得られる亜硫酸カルシウム半水和物と二水石膏を含むスラリーを乾粉化して得られる還元性せっこう組成物をセメント系固化材に配合して六価クロムを三価クロムに還元し、固化処理土を無害化する技術が提案されている。
特開2007−246306号公報
市販されている亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩は高価であるため、市販品を用いるとセメント組成物の製造原価が上がってしまう。一方で、特許文献1のように、セメント系固化材に還元性せっこう組成物を用いることは、固化処理土からの六価クロムの溶出低減に有効ではあるものの、還元性せっこう組成物を生産することが必要となる。そこで、本開示では、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物を低コストで製造することが可能なセメント組成物の製造方法及び製造システムを提供する。
本開示の一側面に係るセメント組成物の製造方法は、セメントクリンカーと亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとを配合して粉砕しセメント組成物を得る粉砕工程を有し、亜硫酸スラリーは、粉砕工程を行うセメント工場とは異なる敷地にある別工場で発生する排ガスを脱硫して得られる亜硫酸化合物を含む。
この製造方法では、別工場で発生する排ガスを脱硫して得られる亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとセメントクリンカーとを配合してセメント組成物を製造する。このように、六価クロムの溶出低減に有効な亜硫酸化合物を、別工場で発生する排ガスから得ていることから、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物を低コストで製造することができる。
亜硫酸スラリーは、排ガス中の亜硫酸ガスを吸収する脱硫工程の後、亜硫酸化合物を酸化する酸化処理工程を経ずに得られることが好ましい。亜硫酸スラリーの一部を酸化処理して亜硫酸化合物と石膏を含む石膏スラリーを得てもよい。このようにして得られた石膏スラリーをセメント組成物の製造に使用すれば、セメント組成物の製造コストを一層低減することができる。
粉砕工程では、亜硫酸スラリーとともに石膏を配合してセメント組成物を得ることが好ましい。これによって、セメント組成物の性状を柔軟に調整することができる。また、亜硫酸スラリーと石膏とセメントクリンカーとは同時に混合粉砕することが好ましい。これによって亜硫酸カルシウム塩が細かく粉砕され、六価クロムの還元作用を高めることができる。
亜硫酸スラリー中の固形分の割合は0.1〜95質量%であることが好ましい。これによって、亜硫酸スラリーの取り扱い性を良好に維持できるとともに、セメントクリンカーに適量の水分を混合して粉砕することで粉砕効率の向上を図ることができる。また、セメント組成物中に含まれる石膏が過度に半水石膏化することが抑制され、流動性及び強度発現性に優れ、長期間貯蔵しても固結し難いセメント組成物を製造できる。
上記亜硫酸スラリーは、固形分として、亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物と、硫酸カルシウムの二水和物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩と、を含有することが好ましい。このような成分を含有することによって、六価クロムの溶出を一層低減することが可能なセメント組成物を製造することができる。同様の観点から、亜硫酸スラリーは、特に亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩を含有することが好ましい。
セメント組成物を100質量部としたときに、セメントクリンカーに、亜硫酸スラリーを亜硫酸化合物の無水物換算で0.1〜20質量部配合することが好ましい。これによって、六価クロムの溶出を十分に低い水準に維持しつつ粉砕を十分に円滑に行うことができる。
亜硫酸スラリーは、排ガスに含まれる亜硫酸ガスを、Caとは異なるアルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の塩を含む水溶液に吸収させた後、カルシウム化合物を混合して得られることが好ましい。これによって、亜硫酸カルシウムによるスケーリングの影響を低減してプロセスの安定性を向上することができる。
亜硫酸スラリーは、Caとは異なるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含有する水溶性亜硫酸塩を含む工業廃水を、カルシウム化合物で処理して得られる亜硫酸カルシウムを含んでよい。これによって、亜硫酸塩の一層の有効利用を図り、セメント組成物の製造コストを一層低減することができる。
上記製造方法は、原料スラリーに亜硫酸ガスを吸収して亜硫酸スラリーを得る脱硫工程と、亜硫酸スラリーを酸化して石膏を含むスラリーを得る酸化処理工程と、を有し、亜硫酸スラリーの他部は酸化処理工程をバイパスすることが好ましい。また、脱硫工程で得られる亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO含有量を分析する分析工程を有し、SO含有量の分析結果に応じて、亜硫酸スラリーが酸化処理工程をバイパスするか否かを決定することが好ましい。これによって、亜硫酸化合物と石膏の生成量を、必要に応じて調整することが可能になる。したがって、セメント組成物の製造コストを安定的に低くすることができる。
亜硫酸スラリーの固形分の割合を30〜95質量%に調整するスラリー濃度調整工程を有することが好ましい。これによって、亜硫酸スラリーのハンドリング性を良好にしつつ搬送コストを低減することができ、またセメント組成物中に過剰な水分を持ち込むことを抑制できる。
上記製造方法では、排ガスに含まれる亜硫酸ガスから亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーを調製し、当該水溶液又はスラリーとカルシウム化合物とを混合して亜硫酸スラリーを得ることが好ましい。これによって、亜硫酸カルシウムによるスケーリングの影響を低減してプロセスの安定性を向上することができる。
上記製造方法は、セメントクリンカーの原料を粉砕するときに発生する、CaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生するCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、前記ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、並びにセメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いて前記排ガスを脱硫する原料スラリーを調製する原料スラリー調製工程を備えることが好ましい。これによって、セメント組成物の製造コストを十分に低減することができる。
上記製造方法は、排ガス又は亜硫酸スラリーを、別工場からセメント工場に搬送する搬送工程を有することが好ましい。
本開示の一側面に係るセメント組成物の製造システムは、セメントクリンカーと亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとを含む配合物を混合してセメント組成物を得る粉砕部と、粉砕部を備えるセメント工場とは異なる敷地にある別工場で発生する排ガスの少なくとも一部を脱硫して前記亜硫酸スラリーを得る脱硫部と、を備える。
この製造システムでは、別工場で発生する排ガスを脱硫して得られる亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとセメントクリンカーとを配合してセメント組成物を製造する。このように、六価クロムの溶出低減に有効な亜硫酸化合物を、別工場で発生する排ガスから得ていることから、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物を低コストで製造することができる。
上記製造システムは、亜硫酸スラリー中の固形分の割合が0.1〜95質量%であることが好ましい。これによって、スラリーの取り扱い性を良好に維持できるとともに、セメントクリンカーに適量の水分が混合されることとなり粉砕を円滑にすることができる。また、これによって、セメント組成物中に含まれる石膏が過度に半水石膏化することが抑制され、流動性及び強度発現性に優れ、長期間貯蔵しても固結し難いセメント組成物を製造できる。
亜硫酸スラリーは、固形分として、亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物と、硫酸カルシウムの二水和物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩と、を含有することが好ましい。このような成分を含有することによって、六価クロムの溶出を一層低減することが可能なセメント組成物を製造することができる。同様の観点から、亜硫酸スラリーは、特に亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩を含有することが好ましい。
上記製造システムは、原料スラリーに亜硫酸ガスを吸収して亜硫酸スラリーを得る亜硫酸スラリー調製部と、亜硫酸スラリーを酸化して石膏を含むスラリーを得る酸化処理部と、を備えることが好ましい。これによって、亜硫酸化合物と石膏の生成量を、必要に応じて調整することが可能になる。したがって、セメント組成物の製造コストを安定的に低くすることができる。
上記製造システムは、亜硫酸スラリーの固形分の割合を30〜95質量%に調整するスラリー濃度調整部を備えることが好ましい。これによって、亜硫酸スラリーの搬送コストを低減することができる。
上記製造システムは、排ガスに含まれる亜硫酸ガスを、Caとは異なるアルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の塩を含む水溶液に吸収させて亜硫酸カルシウムとは異なる亜硫酸化合物を得る第1調製部と、亜硫酸化合物とカルシウム化合物とを混合して、亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを得る第2調製部と、を有することが好ましい。これによって、亜硫酸カルシウムによるスケーリングの影響を低減して製造システムの安定性を向上することができる。
上記製造システムは、セメントクリンカーの原料を粉砕するときに発生する、CaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生するCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、前記ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、並びにセメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いて原料スラリーを調製する原料スラリー調製部を備えることが好ましい。これによって、セメント組成物の製造コストを十分に低減することができる。
上記製造システムは、排ガス又は亜硫酸スラリーを、別工場からセメント工場に搬送する搬送部を備えることが好ましい。
本開示によれば、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物を低コストで製造することが可能なセメント組成物の製造方法及び製造システムを提供することができる。
セメント組成物の製造システムの一実施形態を示す図である。 セメント組成物の製造システムの別の実施形態の示す図である。 セメント組成物の製造システムのさらに別の実施形態を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本開示の一実施形態に係るセメント組成物の製造方法は、セメントクリンカーと、亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーと、を配合して粉砕し、セメント組成物を得る粉砕工程を有する。亜硫酸スラリーは、粉砕工程を行うセメント工場とは異なる敷地にある別工場で発生する排ガスを脱硫して得られる亜硫酸化合物を含む。別工場は、亜硫酸ガスを含む排ガスを産出するプラントを備えていれば特にその設備の種類は限定されない。例えばセメント工場以外であってよく、火力発電所又は鉄鋼業のプラント(製鋼所)であってよい。このような別工場では、硫黄を含む重油又は石炭を燃焼することによって、二酸化硫黄を含む排ガスが発生する。このような排ガスの排煙脱硫工程において、例えば石灰を含む原料スラリーと排ガスとを接触させることによって、亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーを用いることができる。
粉砕工程では、セメントクリンカーと亜硫酸スラリーと石膏を配合した後、これらを含む配合物を粉砕してセメント組成物を得てもよい。別の例では、粉砕工程では、セメントクリンカーと亜硫酸スラリーと石膏の配合と粉砕を同時に行ってもよい。さらに別の例として、粉砕工程では、セメントクリンカーをある程度粉砕した後、亜硫酸スラリーと石膏を配合し、得られた配合物をさらに粉砕してもよい。
本実施形態の製造方法は、原料を焼成してセメントクリンカーを製造する焼成工程を有してもよい。セメントクリンカーの原料としては、例えば、石灰石が挙げられる。亜硫酸スラリーは、原料スラリーに排ガスに含まれる亜硫酸ガスを吸収させる脱硫工程で得ることができる。
亜硫酸スラリーに含まれる亜硫酸化合物としては、亜硫酸カルシウム(例えば半水和物)、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO )、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩、及び亜硫酸マグネシウムが挙げられる。亜硫酸スラリーにおける亜硫酸化合物(無水物換算)の含有量は、固形分全体に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
亜硫酸スラリーは亜硫酸化合物以外の成分を含んでもよい。そのような成分として、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム及び硫酸カルシウム等が挙げられる。亜硫酸スラリーは、これらの成分の少なくとも一種を含んでよい。硫酸カルシウムは、二水和物(二水石膏)、半水和物(半水石膏)、及び無水物(無水石膏)のいずれを含んでもよい。
亜硫酸スラリーが硫酸カルシウムを適量含有する場合、粉砕工程における石膏の配合を低減又は省略することができる。亜硫酸スラリーにおける硫酸カルシウム・二水和物の含有量は、固形分全体に対して例えば70質量%以下、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。上述の各成分を好適な範囲で含む亜硫酸スラリーとする観点から、そのpHは3.0〜11.0であることが好ましく、4.0〜9.0がより好ましく、5.0〜7.0がさらに好ましい。
一例において、亜硫酸スラリー中の固形分の割合は0.1〜95質量%であることが好ましい。亜硫酸スラリー中の固形分の割合は、より好ましくは1〜70質量%であり、あらに好ましくは3〜50質量%であり、特に好ましくは5〜40質量%である。このような範囲であれば、亜硫酸スラリーの取り扱い性を高水準に維持しつつ、亜硫酸スラリーとセメント組成物との混合を十分に均一にすることができる。亜硫酸スラリーを脱水、又は亜硫酸スラリーに加水して、固形分の割合を30〜95質量%に調整するスラリー濃度調整工程を有していてもよい。
脱硫工程で得られる亜硫酸スラリーの一部を空気又は酸素と接触させる酸化処理工程を行って石膏を含む石膏スラリーを得てもよい。石膏スラリーは脱水して石膏とし、これを粉砕工程で用いてもよい。亜硫酸スラリーを酸化処理する割合は、亜硫酸スラリーと石膏スラリー又は石膏との需給バランスに応じて調整してよい。これによって、セメント組成物の製造コストを一層低減することができる。
亜硫酸スラリーの他部は酸化処理工程をバイパスしてもよい。また、脱硫工程で得られる亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO含有量を分析する分析工程を備えていてよい。分析工程におけるSO含有量の分析結果に応じて、脱硫工程で得られた亜硫酸スラリーが酸化処理工程をバイパスするか否かを決定することが好ましい。これによって、亜硫酸化合物(亜硫酸カルシウム)と石膏の生成量を、亜硫酸スラリーの性状に応じて調整することが可能になる。したがって、セメント組成物の製造コストを安定的に低くすることができる。亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO濃度は例えば5〜50質量%である。
セメント製造工程で得られるセメントクリンカーは、その種類に特に制限はなく、JIS R 5210:2003「ポルトランドセメント」に規定の各種ポルトランドセメントのいずれであってもよい。本実施形態のセメント組成物によれば、十分に六価クロムの溶出を抑制できる。セメントクリンカーの全クロム量は、例えば、20mg/kg〜250mg/kgであってもよく、80mg/kg〜200mg/kgであってもよく、100〜150mg/kgであってもよい。セメント協会標準試験方法JCAS I−53−2018記載の方法に準拠して測定されるセメントクリンカーの水溶性六価クロムの量は、例えば、3〜40mg/kgであってもよく、10〜40mg/kgであってもよく、20〜30mg/kgであってもよい。
本実施形態の製造方法で製造されるセメント組成物は、JIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定のポルトランドセメントにすることができる。このようなポルトランドセメントとして、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等が挙げられる。更に、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカ質から選ばれる少なくとも1種を加えて混合セメントにしてもよい。
粉砕工程では、セメントクリンカー、亜硫酸スラリー及び必要に応じて石膏を配合して粉砕しセメント組成物を得てもよい。配合される石膏は、二水石膏、半水石膏及び無水石膏のいずれの形態であってよい。各形態の石膏は単独で配合してもよく、複数種を組み合わせて配合してもよい。セメントクリンカー、亜硫酸スラリー及び石膏の配合の順序は特に制限されず、これらのうちの2種を先に配合した後に残りの1種を配合してもよいし、3種を同時に配合してもよい。石膏の配合量は、セメントクリンカーに対して、SO換算で3〜10質量%程度としてよい。石膏は、亜硫酸スラリーの一部を酸化及び脱水して調製したものであってよい。
粉砕工程における粉砕は、ボールミル、又は竪型ミル等の仕上げミルで行ってよい。仕上げミルには、セメントクリンカー、亜硫酸スラリー、石膏、及び粉砕助剤等を導入し、粉砕しながら混合することでセメント組成物を製造する。このようにして得られるセメント組成物には、亜硫酸化合物が含まれる。したがって、セメント組成物における六価クロムの含有量を低減することができる。セメント組成物における亜硫酸化合物の含有量は、例えば0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
粉砕処理して得られるセメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは2500〜6000cm/gであり、より好ましくは3000〜5000cm/gである。ブレーン比表面積が2500cm/g以上であれば、優れた強度発現性を達成しやすくなる。他方、ブレーン比表面積が6000cm/g以下であれば、コンクリート又は固化材スラリーとして使用したときの粘性を好適な範囲に制御しやすい。
セメント組成物に含まれる石膏の形態は、二水石膏又は無水石膏(II型)であることが好ましい。セメント組成物に含まれる石膏のうち、半水石膏の割合は二水石膏と無水石膏の合量に対して90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが最も好ましい。
原料スラリーを調製する原料スラリー調製工程を有していてもよい。原料スラリー調製工程では、塩素バイパス部からの抽気ガスから得られるCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子を用いて原料スラリーを調製してもよいし、ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子を用いて原料スラリーを調製してもよい。
原料スラリーは、セメント工場で発生する無機化合物を回収して調製してもよい。このような無機化合物としては、セメントクリンカーの原料を粉砕する際に発生するCaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生したCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、並びに該ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子等が挙げられる。原料スラリーには、セメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥を配合して調製してもよい。汚泥としては、例えば、生コン工場で得られる生コンスラッジが挙げられる。
原料スラリーは、カルシウム化合物を含む無機粉末を含有してよい。原料スラリーに含まれる無機粉末全体に対してカルシウム化合物をCaOとして10〜98質量%含有することが好ましい。これによって、脱硫工程において亜硫酸ガスを十分に吸収することができる。カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、並びに石灰(消石灰及び生石灰)等が挙げられる。
別工場における排ガスのSO濃度は、例えば200〜100000ppmであってよく、1000〜20000ppmであってもよい。SOをこのような濃度で含有する排ガスを用いることによって、脱硫工程の安定性を維持しつつ、排ガスから十分な量の亜硫酸化合物を得ることができる。
脱硫工程は、セメント工場で行ってもよいし、セメント工場とは異なる敷地にある別工場において行ってもよい。脱硫工程をセメント工場で行う場合は、別工場で発生した亜硫酸ガスを含む排ガスを、例えばパイプラインでセメント工場に搬送する搬送工程を行う。セメント工場に搬送された排ガスの脱硫工程を行うことによって亜硫酸スラリーを調製することができる。一方、脱硫工程を別工場において行う場合、別工場で調製した亜硫酸スラリーを、例えばパイプライン又は船、ローリー車等を用いて搬送する搬送工程を行う。
本実施形態の製造方法は、別工場で発生する排ガスに含まれる亜硫酸ガスを原料スラリーに吸収して得られる亜硫酸スラリーを用いることから、六価クロムの溶出を低減できるセメント組成物を低コストで製造することができる。亜硫酸スラリーは排ガスの脱硫にも寄与し、また、亜硫酸化合物を乾燥させることなくスラリーのまま用いることから、脱硫及びセメント組成物の製造の一連のプロセスを簡素化することができる。また、セメント組成物の粉砕時における注水の代わりに亜硫酸スラリーを使用できること、及び、スラリー状であることから、亜硫酸化合物とセメントクリンカーとの混合性が良好となり、粉砕工程の短縮及び設備の簡素化のみならず、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物の製造コストを大幅に削減できるという利点がある。
本実施形態のセメント組成物の製造方法は、以下に説明するセメント組成物の製造システムを用いて行ってもよいし、それ以外のセメント組成物の製造システムを用いて行ってもよい。本実施形態のセメント組成物の製造方法には、以下に説明するセメント組成物の製造システムについての説明内容を適用できる。
図1は、セメント組成物の製造システムの一実施形態を示す図である。セメント組成物の製造システム300は、セメント工場100と、セメント工場100とは異なる敷地に設置される別工場200とを備える。セメント工場100は、原料を焼成してセメントクリンカーを生産するセメントキルン部10、排ガスを抽気するバイパス部12及び1つ又は複数のサイクロンを有するプレヒータ部16を備えるセメント焼成部70と、セメントクリンカーと亜硫酸スラリーとを含む配合物を粉砕してセメント組成物を得る粉砕部50とを備える。別工場200は、排ガス発生装置20と、排ガス発生装置20で発生する排ガスの少なくとも一部を脱硫して亜硫酸スラリーを得る脱硫部60と、を備える。
別工場200は、セメント焼成部70及び粉砕部50を備えるセメント工場100から地理的に離れた場所に設置されていてよい。セメント工場100と別工場200は、例えば、道路で隔てられていてもよいし、海、河川又は山地によって隔てられていてもよい。セメント工場100は、セメント焼成部70によってセメントクリンカーを製造し、これを用いてセメント組成物を製造する。一方、別工場200は、亜硫酸ガスを含む排ガスを産出する設備を備えていれば特にその業種は限定されない。例えば、セメント工場とは異なる工場であってよく、火力発電所又は鉄鋼業の工場(製鋼所)であってよい。排ガス発生装置20は、例えば、燃焼装置、ボイラー、ガスタービン、又は焼結炉であってよい。
セメント工場100のセメント焼成部70に備えられるプレヒータ部16は、原料とセメントキルン部10からの排ガスとを接触させて原料を予熱する。バイパス部12は、セメントキルン部10の窯尻10aとプレヒータ部16のボトムサイクロン(最下部にあるサイクロン)又は仮焼炉(不図示)との間から排ガスを抽気する。このバイパス部12は塩素バイパス部であってよい。セメントキルン部10で製造されたセメントクリンカーは、冷却部11において例えば40〜220℃、好ましくは80〜150℃に冷却されて、サイロ18に導入される。
別工場200に備えられる脱硫部60は、亜硫酸ガスを含む排ガスを、排ガスとカルシウム化合物を含む原料スラリーとを接触させて、亜硫酸化合物として亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを得る亜硫酸スラリー調製部30と、原料スラリーを調製する原料スラリー調製部34を備える。原料スラリー調製部34には、水と、セメント工場100に備えられる、原料(例えば石灰石)を粉砕する粉砕部82から、CaCOを主成分とする微粒子粉末とが供給される。この他に、原料スラリー調製部34には、バイパス部12から抽気ガスを例えば400℃以下、好ましくは100〜200℃に冷却して凝集する塩素化合物を含むダスト粒子、当該ダスト粒子を洗浄して得られる水洗ダスト粒子、セメント又はセメント水和物を含む汚泥(生コン工場で得られる生コンスラッジ等)が供給されてもよい(原料スラリー調製工程)。原料スラリーに配合される各原材料は、パイプライン、ローリー車又は船舶等によって、セメント工場100から別工場200に搬送されてもよいし、別工場200で発生するものを用いてもよい。
亜硫酸スラリー調製部30は例えばバブリング槽であり、原料スラリー調製部34から連続的又は断続的に供給される原料スラリーと亜硫酸ガスを含む排ガスとを接触させる。これによって、亜硫酸ガスが原料スラリーに取り込まれて、亜硫酸スラリーを得ることができる。また、大気中への放出が規制される亜硫酸ガスの有効利用を図ることができる。このように亜硫酸スラリー調製部30は、排煙脱硫部としても機能する。なお、原料スラリーと排ガスの接触手段はバブリングに限定されるものではなく、原料スラリーをスプレーする方式でもよい。
亜硫酸スラリー調製部30で調製された亜硫酸スラリーの一部は、酸化処理部41に導入され、空気と接触する。酸化処理部41では亜硫酸スラリーに含まれる亜硫酸カルシウムが酸化されて石膏を生成する。このようにして生成した石膏を含む石膏スラリーは、別工場200からセメント工場100に搬送して、粉砕部50で用いてもよいし、別の用途に用いてもよい。亜硫酸スラリー調製部30で調製された亜硫酸スラリーの他部は、酸化処理部41をバイパスして亜硫酸スラリーとして搬送部90を経由してセメント工場100に搬送されてよい。
石膏スラリーを調製せずに、亜硫酸スラリーの全量を、搬送部90を介して別工場200からセメント工場100に搬送してもよいし、亜硫酸スラリーと石膏スラリー又は石膏との需給のバランスに基づいて酸化処理する亜硫酸スラリーの量を調整してもよい。図1中、別工場200とセメント工場100との境界に示される搬送部90は、地理的に互いに離れて設置される別工場200とセメント工場100と間で流体の移送を行う移送手段であり、例えばパイプラインであってよい。別の例では、ローリー車又は船舶等であってよい。また、亜硫酸スラリーの流動性が低い場合は、水密ダンプであってもよい。
亜硫酸スラリー調製部30には、空気を導入してもよい。これによって、亜硫酸カルシウムの一部を酸化して硫酸カルシウムの二水和物を得てもよい。これによって、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムの二水和物とを含む亜硫酸スラリーを得ることができる。亜硫酸スラリーが硫酸カルシウムの二水和物を含有することによって、配合部51における石膏の配合量を低減又はなくすことができる。
亜硫酸スラリー調製部30で得られた亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO含有量を分析する分析部を備えていてよい。分析部におけるSO含有量の分析結果に応じて、亜硫酸スラリー調製部30で得られた亜硫酸スラリーが酸化処理部41をバイパスするか否かを決定することが好ましい。これによって、亜硫酸化合物(亜硫酸カルシウム)と石膏の生成量を、亜硫酸スラリーの性状に応じて調整することが可能になる。したがって、セメント組成物の製造コストを安定的に低くすることができる。亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO濃度は例えば5〜50質量%である。
別工場200から搬送部90によって搬送された亜硫酸スラリーの一部は、スラリー濃度調整部36に導入される。スラリー濃度調整部36は、脱水又は加水によって、亜硫酸スラリー中の固形分濃度を調整可能に構成される。亜硫酸スラリー中の固形分濃度は、0.1〜95質量%であってよく、30〜95質量%であってもよい。亜硫酸スラリーにおける固形分全体に対する亜硫酸化合物の含有量(無水物換算)は、例えば5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。なお、スラリー濃度調整部36は、別工場200に設置されてもよい。また、亜硫酸スラリー調製部30とスラリー濃度調整部36とを個別に設けることは必須ではない。別の実施形態では、亜硫酸スラリー調製部30において固形分濃度の調整を行ってもよい。
別工場200から搬送部90によって搬送された亜硫酸スラリーの他部は、酸化処理部42において酸化処理される。酸化処理は例えば空気をバブリングすることによって行う。このようにして亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーから石膏を含む石膏スラリーが得られる。石膏スラリーは脱水部44で脱水して固形の石膏にしてもよい。このようにして得られた石膏は配合部51に導入される。酸化処理部42及び脱水部44の両方をセメント工場100に設けることは必ずしも必要ではなく、例えば、別工場200において酸化処理部41の下流側に脱水部44を設けて、脱水後の石膏をセメント工場100に搬送して粉砕部50に導入してもよい。また、酸化処理部41で得られた石膏スラリーをセメント工場100に搬送し、セメント工場100に設けられた脱水部44に導入してもよい。
スラリー濃度調整部36において固形分濃度が調製された亜硫酸スラリーと、サイロ18に貯留されていたセメントクリンカーは、粉砕部50における配合部51に導入される。セメントクリンカーは、一旦サイロ18に貯留された後に導入されてもよいし、冷却部11から直接導入されてもよい。配合部51に導入されるセメントクリンカーの温度は、例えば80〜150℃である。
配合部51では、必要に応じて脱水部44から供給される石膏以外の石膏を配合してもよい。亜硫酸スラリーは、亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物を含有することが好ましい。この場合、セメント組成物を100質量部としたときに、セメントクリンカーに、亜硫酸スラリーを上記亜硫酸化合物の無水物換算(又は亜硫酸カルシウムの無水物換算)で好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.15〜15質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部、特に好ましくは0.25〜5質量部配合する。これによって、得られるセメント組成物における亜硫酸化合物の含有量を維持しつつ、配合物の粉砕を円滑に行うことができる。亜硫酸化合物として亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩を含む場合は、複塩における亜硫酸カルシウムが上述の質量割合で含有されてよい。セメントクリンカー100質量部に対する石膏の配合比は、SO換算で1.5〜20質量部程度であってよい。
セメントクリンカー、亜硫酸スラリー及び必要に応じて石膏を含む配合物は、セメントミル52に導入される。セメントミル52は、ボールミルであってよいし竪型ミルであってもよい。セメントミル52は、粉砕時の摩擦熱により温度が上昇する傾向にある。セメントミル52内部の温度が過剰に上昇しないようにセメントミル52内に散水することが行われる。したがって亜硫酸スラリーが適量の水分を含むことによって、セメントミル52内の過剰な温度上昇を抑制することができる。このため、亜硫酸化合物をスラリー状で配合することは、セメントミル52内への散水量の低減にも寄与する。
セメントミル52の出口におけるセメント組成物の温度は、好ましくは20℃〜180℃であり、より好ましくは40℃〜150℃であり、さらに好ましくは60℃〜90℃である。当該温度が低くなり過ぎると、亜硫酸スラリーの水分がセメント組成物と水和反応を起こし、強度発現が低下する傾向がある。一方、当該温度が高くなり過ぎると、亜硫酸カルシウムが酸化されて硫酸カルシウムに変化したり、併せて添加する二水石膏が脱水して流動性の低下を引き起こす半水石膏の量が増加したりする傾向がある。すなわち、上記温度を上述の温度範囲にすることによって、亜硫酸カルシウムの酸化を抑制しつつ、配合物の乾燥が十分な速度で進行する。また、セメントクリンカー、亜硫酸カルシウム及び石膏を十分均一に混合することができる。
本実施形態では、粉砕部50は、配合部51とセメントミル52を備えるが、これに限定されない。例えば、変形例では、セメントクリンカー、亜硫酸スラリー及び必要に応じて配合される石膏は、セメントミル52に直接導入され、セメントミル52で配合及び粉砕を行ってもよい。また、セメントクリンカーと石膏を配合部51で配合し、配合部51からセメントミル52に得られた配合物を搬送するベルトコンベア上において、配合物に亜硫酸スラリーを散布し、セメントミル52で粉砕を行ってもよい。このようにして六価クロムの溶出を低減できるセメント組成物を低コストで製造することができる。セメントミル52での粉砕で得られたセメント組成物はタンク54に貯蔵される。
別の変形例では、セメントキルン部10から導出されるセメントクリンカーのクロム含有量に応じて、セメントクリンカーに対する亜硫酸スラリーの配合比を調整する制御部を備えていてもよい。セメントクリンカーのクロム含有量は、所定の頻度でサイロ18からサンプリングして計測してもよいし、セメント焼成部70に導入される原料に含まれるクロム含有量から計算で求めてもよい。
セメント組成物の製造システム300及びその変形例、並びに後述するセメント組成物の製造システム310,320は、上述のセメント組成物の製造方法の内容に基づいて使用されてもよい。したがって、セメント組成物の製造方法で説明した内容はセメント組成物の製造システム300,310,320にも適用される。また、セメント組成物の製造システム300,310,320及びこれらの変形例の説明内容は、上述のセメント組成物の製造方法にも適用される。本開示のセメント組成物の製造システムは、亜硫酸スラリーの製造と、排ガスの脱硫を併せて行うことが可能であるうえに、亜硫酸スラリーの脱水設備等を設けたり、脱水後の固形物用の専用タンク、計量機、輸送設備を設けたりしなくてよい。このため、設備の導入コスト及び運転コストを十分に低減することができる。ただし、本開示は、このような設備を備えるものを排除するものではない。
図2は、セメント組成物の製造システムの別の実施形態を示す図である。この実施形態のセメント組成物の製造システム310は、別工場201の排ガス発生装置20から発生する亜硫酸ガスを含む排ガスを搬送部90によって搬送する点、及び、脱硫部60がセメント工場101に設けられている点で、セメント組成物の製造システム300と異なっている。その他の要素は、セメント組成物の製造システム300と同じであり、セメント組成物の製造システム300の説明内容が適用される。セメント組成物の製造システム310であれば、粉砕部82で得られるCaCOを主成分とする微粒子粉末を、セメント工場101内にある原料スラリー調製部34に導入することによって原料スラリーを調製することができる。したがって、原料スラリーの原材料を別工場201に搬送する必要がなく、搬送品目を減らすことができる。
図3は、セメント組成物の製造システムのさらに別の実施形態を示す図である。この実施形態のセメント組成物の製造システム320は、亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを調製する亜硫酸スラリー調製部30に代えて、亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーを調製する第1調製部30A及び第1調製部30Aで調製された亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーとカルシウム化合物を含む原料スラリーとを混合して亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを調製する第2調製部32を備える点で、セメント組成物の製造システム300と異なっている。その他の要素は、セメント組成物の製造システム300と同じであることから、セメント組成物の製造システム300についての説明内容が適用される。
第1調製部30Aでは、水酸化マグネシウムを含む水溶液に、別工場202の排ガス発生装置20で発生する亜硫酸ガスを含む排ガスが吸収される。これによって、亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーが得られる(水酸化マグネシウム法)。亜硫酸マグネシウムは、亜硫酸カルシウムに比べて水に対する溶解度が高いため、第1調製部30Aにおける固形分の閉塞を抑制することができる。第1調製部30Aで調製された水溶液又はスラリーには、第1調製部30Aの下流側に設けられた第2調製部32において原料スラリー調製部34からカルシウム化合物を含む原料スラリーが加えられる。これによって、第2調製部32では亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを得ることができる。この亜硫酸スラリーは、搬送部90によってセメント工場100に搬送され、セメント組成物の製造システム300と同様にして使用される。
第1調製部30Aは、排ガスが外部に放出されることを抑制するため、ある程度の気密性を維持する必要がある。このため、メンテナンス頻度を低くすることが好ましい。本実施形態では、亜硫酸塩の中で、亜硫酸カルシウムをよりも水に対する溶解度が高い亜硫酸マグネシウムをまず生成させ、その後、第2調製部32で亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを調製している。したがって、亜硫酸カルシウムのスケーリングによる第1調製部30Aのメンテナンス頻度を低減し、別工場202におけるプロセスの安定性を向上することができる。
本実施形態では、第1調製部30Aにおいて水酸化マグネシウムを用いたがこれに限定されず、亜硫酸カルシウムよりも水に対して高い溶解度を有する亜硫酸化合物を生成することが可能な塩を用いることができる。このような塩として、Ca及びMgとは異なるアルカリ土類金属又はアルカリ金属の塩を用いることが可能であり、例えば、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムが挙げられる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、セメント組成物の製造システム310のセメント工場101に、第1調製部30A及び第2調製部32を設け、亜硫酸マグネシウムから亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを調製してもよい。また別の例では、別工場に第1調製部を設け、亜硫酸マグネシウムを含むスラリー又は水溶液を搬送部でセメント工場に搬送し、セメント工場に設けられた第2調製部で亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸スラリーを調製してもよい。また、亜硫酸源として、排ガスに加えて、セメント工場又は別工場で発生するCaとは異なるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含有する水溶性亜硫酸塩を含む工業廃水を用いてもよい。亜硫酸スラリーは、このような工業廃水をカルシウム化合物で処理して得られる亜硫酸カルシウムを含んでいてもよい。
(参考例1)
市販のCaCO粉末と水とを配合して、固形分の割合が3質量%である原料スラリー(0.4L)を調製した。セメント組成物の製造装置の塩素バイパス部から抽気ガスを採取した。採取した抽気ガスは、約200℃まで冷却した後、バグフィルタでダスト粒子を除去した。ダスト粒子除去後の抽気ガスにおける二酸化硫黄の濃度は1500ppm(体積基準)であった。この抽気ガスを、原料スラリー中に吹き込んでバブリングさせ、抽気ガス中の硫黄酸化物を原料スラリーに吸収させた。これによって、亜硫酸カルシウムを含有する亜硫酸スラリーが得られた。得られたスラリーの固形分の割合は約10質量%であった。
亜硫酸スラリーの濾過を行って固形分を回収した。回収した固形分を約40℃の空気雰囲気下で乾燥させた。X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、加速電圧:30kV、電流:10mA、管球:Cu)を用いて、得られた固形分のX線パターンを測定した。X線パターンは、解析ソフトウェア(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、Topas(R))を用いてリートベルト解析を行い、CaCO、Ca(OH)、CaSO・0.5HO、及びCaSO・2HOを定量した。分析結果は表1に示すとおりであった。
(参考例2)
CaCO粉末に代えて、Ca(OH)粉末を用いて原料スラリーを調製したこと以外は、参考例1と同様にして亜硫酸スラリーを得た。参考例1と同様にして、得られた亜硫酸スラリーのX線回折を行った。分析結果は表1に示すとおりであった。
Figure 0006693542
表1に示すとおり、参考例1、2において、亜硫酸カルシウム半水和物が、それぞれ9質量%、23質量%検出された。この結果から、亜硫酸を含む排ガスを接触させた後の亜硫酸スラリーには、亜硫酸カルシウムが含まれることが確認された。このようにして得られた亜硫酸スラリーを、粉砕工程に用いることで、六価クロムの溶出を低減することが可能なセメント組成物を製造することができる。
本開示によれば、六価クロムの溶出低減に有効なセメント組成物を低コストで製造することが可能なセメント組成物の製造方法及び製造システムが提供される。
10…セメントキルン部、10a…窯尻、11…冷却部、12…バイパス部、16…プレヒータ部、18…サイロ、20…排ガス発生装置、30…亜硫酸スラリー調製部、30…亜硫酸スラリー調製部、30A…第1調製部、32…第2調製部、34…原料スラリー調製部、36…スラリー濃度調整部、41,42…酸化処理部、44…脱水部、50…粉砕部、51…配合部、52…セメントミル、60…脱硫部、70…セメント焼成部、82…粉砕部、90…搬送部、100,101…セメント工場、200,201、202…別工場、300,310,320…セメント組成物の製造システム。

Claims (22)

  1. セメントクリンカーと亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとを配合して粉砕しセメント組成物を得る粉砕工程を有し、
    前記亜硫酸スラリーは、前記粉砕工程を行うセメント工場とは異なる敷地にある別工場で発生する排ガスを脱硫して得られる亜硫酸化合物を含む、セメント組成物の製造方法。
  2. 前記亜硫酸スラリーは、前記排ガス中の亜硫酸ガスを吸収する脱硫工程の後、前記亜硫酸化合物を酸化する酸化処理工程を経ずに得られる、請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
  3. 前記粉砕工程では、石膏を配合して前記セメント組成物を得る、請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法。
  4. 前記亜硫酸スラリー中の固形分の割合が0.1〜95質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  5. 前記亜硫酸スラリーは、固形分として、
    亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物と、
    硫酸カルシウムの二水和物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩と、
    を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  6. 前記セメント組成物を100質量部としたときに、前記セメントクリンカーに、前記亜硫酸スラリーを前記亜硫酸化合物の無水物換算で0.1〜20質量部配合する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  7. 前記亜硫酸スラリーは、前記排ガスに含まれる亜硫酸ガスを、Caとは異なるアルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の塩を含む水溶液に吸収させた後、カルシウム化合物を混合して得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  8. 前記亜硫酸スラリーは、Caとは異なるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含有する水溶性亜硫酸塩を含む工業廃水を、カルシウム化合物で処理して得られる亜硫酸カルシウムを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  9. 原料スラリーに亜硫酸ガスを吸収して亜硫酸スラリーを得る脱硫工程と、
    前記亜硫酸スラリーの一部を酸化して石膏を含むスラリーを得る酸化処理工程と、を有し、前記亜硫酸スラリーの他部は前記酸化処理工程をバイパスする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  10. 前記脱硫工程で得られる前記亜硫酸スラリーの固形分に含まれるSO含有量を分析する分析工程を有し、
    前記SO含有量の分析結果に応じて、前記亜硫酸スラリーが前記酸化処理工程をバイパスするか否かを決定する、請求項9に記載のセメント組成物の製造方法。
  11. 亜硫酸スラリーの固形分の割合を30〜95質量%に調整するスラリー濃度調整工程を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  12. 前記排ガスに含まれる亜硫酸ガスから亜硫酸マグネシウムを含む水溶液又はスラリーを調製し、当該水溶液又はスラリーとカルシウム化合物とを混合して前記亜硫酸スラリーを得る、請求項11に記載のセメント組成物の製造方法。
  13. 前記セメントクリンカーの原料を粉砕するときに発生する、CaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生するCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、前記ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、並びにセメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いて前記排ガスを脱硫する原料スラリーを調製する原料スラリー調製工程を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  14. 前記排ガス又は前記亜硫酸スラリーを、前記別工場から前記セメント工場に搬送する搬送工程を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造方法。
  15. セメントクリンカーと亜硫酸化合物を含む亜硫酸スラリーとを含む配合物を混合してセメント組成物を得る粉砕部と、
    前記粉砕部を備えるセメント工場とは異なる敷地にある別工場で発生する排ガスの少なくとも一部を脱硫して前記亜硫酸スラリーを得る脱硫部と、を備える、セメント組成物の製造システム。
  16. 前記亜硫酸スラリー中の固形分の割合が0.1〜95質量%である、請求項15に記載のセメント組成物の製造システム。
  17. 前記亜硫酸スラリーは、固形分として、
    亜硫酸カルシウムの半水和物、重亜硫酸カルシウム(Ca(HSO)、及び、亜硫酸カルシウムと硫酸カルシウムとの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの亜硫酸化合物と、
    硫酸カルシウムの二水和物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩と、を含有する、請求項15又は16に記載のセメント組成物の製造システム。
  18. 原料スラリーに亜硫酸ガスを吸収して亜硫酸スラリーを得る亜硫酸スラリー調製部と、前記亜硫酸スラリーを酸化して石膏を含むスラリーを得る酸化処理部と、を備える、請求項15〜17のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造システム。
  19. 前記亜硫酸スラリーの固形分の割合を30〜95質量%に調整するスラリー濃度調整部を備える、請求項18に記載のセメント組成物の製造システム。
  20. 前記排ガスに含まれる亜硫酸ガスを、Caとは異なるアルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の塩を含む水溶液に吸収させて亜硫酸カルシウムとは異なる亜硫酸化合物を得る第1調製部と、
    前記亜硫酸化合物とカルシウム化合物とを混合して、亜硫酸カルシウムを含む前記亜硫酸スラリーを得る第2調製部と、を有する、請求項19に記載のセメント組成物の製造システム。
  21. 前記セメントクリンカーの原料を粉砕するときに発生する、CaCOを主成分とする微粒子粉末、塩素バイパス部で発生するCaO及び/又はCa(OH)を含むダスト粒子、前記ダスト粒子を水洗して得られる水洗ダスト粒子、並びにセメント及び/又はセメント水和物を含む汚泥からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いて原料スラリーを調製する原料スラリー調製部を備える、請求項15〜20のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造システム。
  22. 前記排ガス又は前記亜硫酸スラリーを、前記別工場から前記セメント工場に搬送する搬送部を備える、請求項15〜21のいずれか一項に記載のセメント組成物の製造システム。
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