JP6693418B2 - 質量流量制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、質量流量制御装置に関する発明であり、これに限定されるものではないが、流体の圧力又は差圧の測定値に基づいて質量流量を制御する質量流量制御装置に関する。
質量流量制御装置(マスフローコントローラ)は、少なくとも、流体の流量を測定する流量計、流体の流量を制御する流量制御弁、これらを制御する制御回路及びその他の部品によって構成された制御機器である。質量流量制御装置は、例えば、半導体の製造プロセスにおいてチャンバー内に供給されるガスの質量流量を制御することなどを目的として広く使用されている。
質量流量制御装置において用いられる流量計にはさまざまな形式のものがある。半導体の製造プロセスにおけるガスの質量流量を制御することを目的として使用される質量流量制御装置においては、熱式流量計又は圧力式流量計が主に用いられている。流量計によって計測されるガスの流量は、測定されるガスの圧力の影響を受けやすい。例えば、流量計の上流側のガスの圧力が急激に変化した場合などにおいては、流量を正確に測定することが困難となる。このため、流量を正確に測定して制御することを目的として、流量計の上流側のガスの圧力を一定に保持するための機構を備えた質量流量制御装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、流体が流入する入り口側の圧力の変動を検知し、検知結果に基づいて流量用センサ(センサユニット)の上流側の流体の圧力が一定になるように制御を行うことを特徴とする流体の流量制御装置の発明が開示されている。特許文献1には、発明の実施形態として、流量用センサの上流側に圧力制御機構(圧力制御ユニット)が設けられた流量制御装置の構成例が記載されている。この圧力制御機構は、圧電素子にて圧力の変動をモニターして検知し、管の経路を変動させて圧力の調整を行っている。
また、例えば、特許文献2には、流量制御弁と流量センサとを有するマスフローコントローラであって、流量制御弁の上流側に配置された圧力制御弁と、圧力制御弁と流量制御弁の間に配置された圧力センサと、圧力センサの出力をフィードバックすることで圧力制御弁を制御する制御部とを有することを特徴とするマスフローコントローラの発明が開示されている。特許文献2の図1には、発明の実施形態として、熱式流量計を用いたマスフローコントローラの実施例が記載されている。
特許文献2の図4には、従来のマスフローコントローラを用いた半導体製造ラインの例が記載されている。この図に記載された半導体製造ラインにおいては、複数のガスが複数のラインに供給されている。各ガス供給ラインにおいて、上流側から下流側に向かってガスボンベ、機械式の調圧器、ゲージ、フィルタ及びマスフローコントローラがこの順に配管によって接続されている。機械式の調圧器は、安定した流量のガスを供給するために設けられたものである。
さらにまた、例えば、特許文献3には、流量制御弁と、流量検出手段と、流量制御弁の上流側に配置される圧力制御弁と、圧力制御弁と流量制御弁との間に配置される圧力検出手段とを備えたマスフローコントローラであって、流量検出手段が、流路内を流れる流体における差圧を検出するように構成されたマスフローコントローラの発明が開示されている。特許文献3の図1には、発明の実施形態として、特許文献2に開示されたマスフローコントローラの熱式質量流量計を圧力式質量流量計に置き換えた構成が記載されている。
特開平10−207554号公報 特開2003−280745号公報 特開2004−157719号公報
上記特許文献1乃至3に開示された発明は、いずれも、流量計の上流側に圧力検出手段(圧力センサ)及び圧力制御手段(圧力制御弁など)を設けることにより流量計の上流側のガスの圧力を一定に保つことができるという点で、流量の測定精度の向上に貢献するものである。
しかしながら、従来技術における圧力制御手段は、いずれも、圧力検出手段によって検知された圧力を制御量(controlled variable)とするいわゆる能動的制御(active control)である。したがって、圧力を制御量とする能動的制御と、流量計で検知された流量を制御量とする能動的制御と、の2つの能動的制御が1台の質量流量制御装置の中で同時に行われることになり、複数の能動的制御が相互に影響し合う(又は干渉する)ことが避けられない。このため、なんらかの理由で流量計の上流側のガスの圧力に変動が生じた場合、元の圧力に回復するまでに時間がかかるという課題が存在する。
上記の課題の例として、流量計に圧力式流量計を用いる場合について、より具体的に説明する。圧力式流量計による流量の測定は、例えば、圧力式流量計の上流側の圧力(以下「P1」という。)と下流側の圧力(以下「P2」という。)との差圧ΔPに流量が比例することなどを利用して行われる。流量制御弁の開度を能動的に制御して流量に比例する差圧ΔPを目標値に近づけようとした場合、圧力制御手段によるP1を一定の値に制御する機能が不十分であったり、制御に遅れが生じたりすると、P2の変化に影響されてP1も変化する。
そうすると、差圧ΔPを目標値に制御することができても、制御の前後における圧力P1の変化によって流量が目標値からずれてしまう。このずれを補正するためには、例えば、使用するガス種について、差圧ΔPと流量との関係を異なるP1の値ごとに予め測定しておくなどの対策が必要となり、データの取得に膨大な時間と工数がかかる。
一方、流量を測定するガスの圧力を一定に保つことを目的として、例えば、特許文献2の図4に記載されているように、ガスボンベと質量流量制御装置との間に機械式の調圧器を設けることなどが考えられる。機械式の調圧器は、下流側の圧力を予め設定された値に保持するいわゆる受動的制御(passive control)を行う。このため、上記の構成によれば、マスフローコントローラの内部のガスの圧力を元の圧力まで迅速に回復させることができると思われる。
しかしながら、特許文献2の図4に記載されている従来の半導体製造ラインにおいては、機械式の調圧器と質量流量制御装置内の流量計との間にゲージ、フィルタ及び配管などが存在している。これらの部材及び配管が有する流体抵抗並びに内部を流れているガスの容量は、圧力制御を行う上で無視することができない程度に大きい。このため、機械式の調圧器によってガスの圧力が調整されたとしても、流量計の位置におけるガスの圧力がその調整された圧力に到達するまでに長時間を要することは避けられない。
本発明は、従来の質量流量制御装置が有する上記諸課題に鑑みてなされたものであり、流量計の上流側の圧力P1が変動した場合であっても、これを元の圧力に瞬時に回復させることができ、これにより流量計が測定する流量の測定精度を高めることができる質量流量制御装置の提供を目的としている。
本発明に係る質量流量制御装置は、流量計と、流量計の上流側に隣接して配置される機械式調圧弁と、流量計の下流側に配置される流量制御弁と、を備える。
この構成において、流体の流量は、流量計によって計測された流量を制御量として流量制御弁の開度を変更することにより能動的に制御される。一方、流量計の内部の流体の圧力は、その上流側に配置された機械式調圧弁によって受動的に制御される。したがって、従来技術のように、2つの能動的制御が相互に干渉することはない。
また、機械式調圧弁は、流量計の上流側に隣接して配置されているので、機械式調圧弁による圧力調整の結果は流量計の内部の圧力に瞬時に反映される。したがって、流量計の内部の圧力が変動した場合に、同圧力が元の圧力に戻るまでに要する時間が従来技術と比べて短い。
本発明の好ましい実施の形態において、機械式調圧弁は、質量流量制御装置の基部(ベース)の中に埋設される。この構成によれば、同じく基部に埋設される流量計のより近くに機械式調圧弁を配設することができるので、好ましい。また、機械式調圧弁を基部に埋設することにより、機械式調圧弁を基部の上面に配設する場合と比べて、基部の上面のスペースに余裕が生じるので、そこに他の部材を設置したり、質量流量制御装置全体の小型化を図ったりすることができる。
本発明に係る質量流量制御装置は、複数の能動的制御が相互に干渉することがなく、また、機械式調圧弁による圧力調整の結果が流量計の内部の圧力に瞬時に反映されるので、流量計の内部の圧力を迅速かつ安定に制御することができる。これにより、流量計が計測する流体の圧力を常に一定に保持することができるので、流量計の測定精度が高まり、ひいては質量流量制御装置による流量制御の精度を高めることができる。
ところで、例えば、以下に列挙するような場合には、質量流量制御装置の内部に流体が封入されたまま質量流量制御装置の運転が停止される。
(1)オペレータの操作により質量流量制御装置の運転が停止されたとき。
(2)停電などの事故により質量流量制御装置への供給電力が遮断されたとき。
(3)質量流量制御装置の運転中に電源回路の故障などにより流量制御弁への印加電圧が0(ゼロ)になったとき(一般的なノーマル・クローズ型の流量制御弁の場合)。
(4)質量流量制御装置の運転中に圧電素子の破損などにより流量制御弁の開動作ができなくなったとき(一般的なノーマル・クローズ型の流量制御弁の場合)。
上記のうち(1)及び(2)の場合は、それぞれオペレータの操作及び事故からの復旧により質量流量制御装置の運転を再開することが可能である。しかしながら、(3)及び(4)の場合は、それぞれ電源回路及び圧電素子の故障を修理したり質量流量制御装置を交換したりしない限り、質量流量制御装置の運転を再開することは不可能である。即ち、これらの場合は、例えばガスの供給ラインなどから質量流量制御装置を取り外す必要が生じる。
一方、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどにおいては、例えば腐食性ガスなどの有害ガスがプロセスガスとして用いられる場合がある。このような有害ガスが内部に封入されたまま質量流量制御装置を取り外して分解修理を行う場合、質量流量制御装置の分解に伴って有害ガスが外部に漏れ出す虞がある。このため、有害ガスに対する備えがない場所では質量流量制御装置を分解修理することができない。
そこで、上記このような場合に備えて、質量流量制御装置の内部に封入されたガスを安全に排出させるための分岐配管を質量流量制御装置よりも上流側又は下流側のガスの流路に設けることが知られている。一般的には、このような分岐配管を介して、例えば真空ポンプ等を使用して、質量流量制御装置を取り外す前に質量流量制御装置の内部からガスを排出させることができる。
ところが、本発明に係る質量流量制御装置は、上述したように機械式調圧弁を備える。詳しくは後述するように、機械式調圧弁は、調圧室の圧力が所定の設定圧力よりも低いときは弁体と弁座との間に隙間ができて開弁し、調圧室の圧力が設定圧力よりも高いときは弁体と弁座との間の隙間がなくなって閉弁するように構成されている。従って、上述したように質量流量制御装置に何等かの異常が生じたなどの理由により質量流量制御装置の運転が停止したときに調圧室の圧力が設定圧力よりも高いと、機械式調圧弁は閉じている。
上記の場合、機械式調圧弁と流量制御弁とによって区切られた流体の流路の一部(以降、「封鎖空間」を称呼される場合がある。)が形成され、この封鎖空間に流体が封入される。封鎖空間の体積は、典型的には0.5cm以上、1.0cm以下である。
上記のような状態のままでは、上述したように分岐配管を介して真空ポンプ等を使用して上流側又は下流側の分岐配管を減圧しても、質量流量制御装置の内部に封入された流体を排出させることはできない。
そこで、本発明のもう1つの好ましい実施の形態に係る質量流量制御装置は、前記機械式調圧弁を強制的に開弁させるための強制開弁機構を更に備える。これによれば、強制開弁機構によって機械式調圧弁を強制的に開弁させた状態において、例えば上述したように分岐配管を介して真空ポンプ等を使用して上流側又は下流側の分岐配管を減圧することにより、質量流量制御装置を取り外す前に質量流量制御装置の内部から流体を排出させることができる。
なお、機械式調圧弁の具体例としては、前記質量流量制御装置における流体の流路の一部を構成する調圧室と、前記調圧室の内部領域と前記流路の外部領域とを隔てるダイアフラムと、を備え、前記調圧室内の前記流体の圧力が所定の設定圧力よりも低いときに前記ダイアフラムの少なくとも一部が前記調圧室側に変位することによって開弁するように構成されたものを挙げることができる。
質量流量制御装置が上記のような構成を有する機械式調圧弁を備える場合、前記強制開弁機構は、外部からの操作により前記ダイアフラムの少なくとも一部を前記調圧室側に変位させる部材を備える。これによれば、当該部材によりダイアフラムの少なくとも一部を機械的に調圧室側に変位させて機械式調圧弁を強制的に開弁させ、質量流量制御装置の内部から流体を排出させることができる。
更に、強制開弁機構は流体の流路の外部領域に配設されていることが好ましい。これによれば、流体の流路の密閉性を保つためのシール構造などを省略して、強制開弁機構をより簡潔な構成とすることができる。
加えて、上述した強制開弁機構によって機械式調圧弁を強制的に開弁させるときの開度は、質量流量制御装置の(通常の)運転時における当該機械式調圧弁の最大開度よりも大きいことが好ましい。これによれば、機械式調圧弁を強制的に開弁させて質量流量制御装置の内部から流体を排出させるときの排出効率を高めて排出に要する時間を短縮したり、真空ポンプによる排気における到達真空度を高めたりすることができる。
本発明に係る質量流量制御装置の構成例を示す模式図である。 本発明に係る機械式調圧弁の一の実施例を示す断面図である。 本発明に係る機械式調圧弁の他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る質量流量制御装置の実装例を示す側面図である。 本発明の他の実施例に係る質量流量制御装置が備える機械式調圧弁及び強制開弁機構を示す断面図である。 図5に示した機械式調圧弁が強制開弁機構によって開弁される様子を示す断面図である。 本発明の他の実施例に係る質量流量制御装置の実装例を示す側面図である。 図7に示した質量流量制御装置の(A)平面図及び(B)底面図である。
本発明を実施するための形態を、図を用いて詳細に説明する。なお、ここで説明する実施の形態は本発明の実施の形態を例示するものにすぎず、本発明の実施の形態はここに例示する形態に限られない。
図1は、本発明に係る質量流量装置の構成例を示す模式図である。流体(液体又はガス)は、図の左側から質量流量制御装置1に流入し、右側から流出する。本発明に係る質量流量制御装置1は、流量計2と、機械式調圧弁3と、流量制御弁4と、を備える。機械式調圧弁3は、流量計2の上流側に隣接して配置される。流量制御弁4は、流量計2の下流側に配置される。流量制御弁4は、弁4b及び弁4bを開閉するための圧電素子4aを備える。
流量計2としては、流体の流量を計測する機能を有する公知の流量計を用いることができる。上述したように、半導体の製造プロセスにおいてガスの質量流量を制御することを目的として使用される質量流量制御装置においては、熱式流量計又は圧力式流量計が主に用いられている。熱式流量計は、流路から分岐したセンサチューブの上流側及び下流側にセンサワイヤをそれぞれ設けて流体を間接的に加熱し、流体の流動による熱の移動に伴って発生するセンサワイヤ間の温度差を利用して流量を計測するものである。
圧力式流量計は、流路の中間にノズル、オリフィス、及び層流素子などの流体抵抗を設け、例えば、流体抵抗の上流側の圧力P1と下流側の圧力P2との差圧ΔPに流量が比例することなどを利用して流量を計測するものである。圧力式流量計において、圧力の測定は、P1及びP2のそれぞれについて別個の圧力測定手段を用いて行ってもよいし、P1とP2との差圧を測定することができる差圧測定手段を用いて行ってもよい。圧力又は差圧の測定には、公知の圧力センサ又は差圧センサを用いることができる。
図1に例示された流量計2は、流体抵抗として層流素子2aを備え、層流素子2aの上流側の圧力P1及び下流側の圧力P2をそれぞれ別個の圧力センサ2b及び2cによって測定するように構成されている。圧力式流量計によって計測される流量は体積流量なので、例えば、P1とP2の平均値などを用いてこれを質量流量に換算することができる。圧力センサ2b及び2cの代わりに1個の差圧センサを用いてΔPを測定する場合には、差圧センサとは別に圧力センサを設けて圧力式流量計の位置における流体の圧力を測定し、この圧力を用いて体積流量を質量流量に換算することができる。
本発明に係る質量流量制御装置において、流量計には公知のさまざまな形式の流量計を用いることができる。しかし、中でも、圧力式流量計は、上流側の圧力の変動が流量の計測の精度に直接的に影響を与えるものである。したがって、本発明による圧力調整の効果が最大限に発揮されるのは、流量計に圧力式流量計を用いた場合である。ただし、圧力式流量計以外の流量計(例えば熱式流量計など)においても、圧力式流量計の場合ほどではないにしても、上流側の圧力の変動が計測の精度に影響を与えるので、本発明の効果は圧力式流量計を用いた場合に限定されるものではない。
流量計の上流側の圧力が変動する要因としては、例えば、質量流量制御装置にガスを供給しているガス供給ラインのガスの圧力(以下「P0」という。)がなんらかの原因により変動することなどが考えられる。図1に示した質量流量制御装置1においては、P0の変動を監視することを目的として、機械式調圧弁の上流側に圧力センサ5が配置されている。また、質量流量制御装置に供給されるガスの温度Tを測定する温度センサ6も同じ位置に配置されている。
機械式調圧弁3は、電気的な手段を用いることなく機械的な動作だけで圧力の調整を行うことができる調圧弁(圧力レギュレータ)である。機械式調圧弁3は、機械式調圧弁3の上流側の圧力(P0)及び機械式調圧弁3の下流側の圧力(P1)が想定された範囲内で変動しても、下流側の圧力(P1)を常に予め設定された一定の値に維持する作用を有する。このため、ガス供給ラインのガスの圧力P0が変動したり、質量流量制御装置の作用による流量制御に伴って流量計の下流側の圧力P2が変動したりした場合であっても、P0又はP2の変動の影響によってP1が変動することを未然に防止することができる。
機械式調圧弁3による調圧作用につき、図2を用いてさらに詳しく説明する。図2は、本発明に係る機械式調圧弁の一の実施例を示す断面図である。ガス供給ラインから質量流量制御装置1に供給されたガスは、流体入口3aから機械式調圧弁3の内部に流入する。ガスは、弁体3cと弁座3dとの間の隙間を通って調圧室3fに入り、その後、流体出口3kから流量計2に向かって流出する。
弁体3cは、弁スプリング3bの弾性力により弁座3dの方向に押し下げられている。弁体3cと弁座3dとの間の隙間の大きさは、弁体3を下から押し上げているステム3eの上下の動きにより調整される。ステム3eの底部はダイアフラム3gの上面に載置されている。ダイアフラム3gの下面にはダイアフラム押さえ3hが配置されており、ダイアフラム押さえ3hの底部は調圧スプリング3iによって支えられている。調圧スプリング3iの位置は、調整ねじ3jによって上下方向に調整することができる。
調圧室3fの圧力P1が設定圧力PSよりも低いときは、流体がダイアフラム3gを押し下げる力が弱いので、調整スプリング3iの弾性力により、ダイアフラム押さえ3h、ステム3e及び弁体3cは、弁スプリング3bの弾性力及び圧力P0に抗して上方向に突き上げられる。その結果、弁体3cと弁座3dとの間に隙間ができるので、流体が流体入口3aから入って調圧室3fを経て流体出口3kから流出する。
調圧室3fの圧力P1が設定圧力PSよりも高いときは、弁スプリング3bの弾性力及び圧力P0に加えて、流体がダイアフラム3gを押し下げる力が働くので、ダイアフラム押さえ3h、ステム3e及び弁体3cは調整スプリング3iの弾性力に抗して下方向に変位する。その結果、弁体3cと弁座3dとの間の隙間がなくなるので、流体の流動が遮断される。
このように、機械式調圧弁3は、ダイアフラム3gが受ける調圧室3fの圧力P1が設定圧力PSより低いときは流体が流れ、高いときは流体が流れないように作用する。その結果、P1は設定圧力PSに等しくなるまで調整される。なお、設定圧力PSは、調整ねじ3jの位置によって変更することができる。ドライバなどを使って調整ねじ3jをねじ込むと、調圧スプリング3iの弾性力が高まるので、設定圧力PSは高圧側にシフトする。逆に、調整ねじ3jを緩めると、設定圧力PSは低圧側にシフトする。
上記の機械式調圧弁3による圧力P1の調圧作用は、ダイアフラム3gの上下の動きと連動するステム3eの上下の動きによって直接的にもたらされるものである。そのため、P1が変動して設定圧力PSと異なる値になったときは、調整作用が速やかに働き、P1は直ちにPSと等しくなるまで調整される。この調整作用は、調圧室3fの圧力P1と設定圧力PSとの差に基づいて遂行されるため、P1の変動の原因がP0の変動又はP2の変動のいずれであるかにかかわらず、迅速に作用する。
本発明に係る質量流量制御装置における機械式調圧弁による調圧作用は、受動的制御であるともいえる。ここで、「受動的」とは、「他から動作を受ける立場にあること。うけみ。」(新明解国語辞典より)をいう。本発明に係る機械式調圧弁3において、ダイアフラム3gは、調圧室3fの圧力P1の変動を受ける立場にある。そして、圧力P1の変動を検知する手段(ダイアフラム3g)の変位がそのまま弁体3cと弁座3dとの間の隙間の調整に利用される。したがって、機械式調圧弁の調圧作用は、全体として受動的制御であるといえる。
これに対し、従来技術に係る圧力制御手段は、能動的制御であるともいえる。ここで、「能動的」とは、「積極的に他にはたらきかけること。」(新明解国語辞典より)をいう。従来技術においては、圧力検出手段(圧力センサ)によって検出される圧力P1が設定圧力PSに等しくなるように、圧力制御手段(圧力制御弁)を積極的に作動させる。ここで、圧力検出手段と圧力制御手段とは、全く別個の機能をもたらす部材として互いに独立して構成されている。したがって、従来技術に係る圧力制御手段は、全体として能動的制御であるといえる。
受動的制御と能動的制御とでは、圧力P1の変動に対する応答速度が異なる。すなわち、本発明に係る機械式調圧弁のような受動的制御においては、圧力検出手段と圧力制御手段とが一体不可分に構成されているので、圧力P1の変動が間髪を入れず圧力制御手段(機械式調圧弁)の動作に反映される。それに対し、従来技術に係る圧力制御手段のような能動的制御においては、圧力検出手段と圧力制御手段とが互いに独立して構成されており、流体の流路における位置も異なっている。加えて、圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて圧力制御手段を作動させる。その結果、圧力制御手段による圧力制御の結果が圧力検出手段の出力に反映されるまでに時間の遅れが生じる。
また、受動的制御と能動的制御とでは、他の能動的制御から受ける影響(干渉)の度合いが異なる。すなわち、本発明に係る機械式調圧弁のような受動的制御においては、流量制御弁による能動的制御の結果として流体の圧力が変動しても、その変動した圧力は機械式調圧弁の作用により直ちに元の圧力に復元される。
それに対し、従来技術に係る圧力制御手段のような能動的制御においては、流量制御弁による質量流量の能動的制御の結果として流体の圧力が変動した場合、その圧力変動を解消すべくもう一つの能動的制御である圧力制御手段が作用して圧力を元の圧力に復元しようとする。しかし、能動的制御においては、受動的制御に比べて、より長い時間を圧力調整に要する。したがって、その間に圧力の変動によってもたらされた流量の変動を調整すべく流量制御弁による能動的制御が再び作用する。そのように、2つの能動的制御が互いに影響(干渉)し合うため、最終的に圧力と流量とが安定するまでに要する時間が長くなる。
本発明において、機械式調圧弁3は、流量計2の上流側に隣接して配置される。ここで、「隣接して」とは、機械式調整弁3と流量計2との間に他の構成部品が存在せず、両者が互いに配管部材によって直接接合されていることをいう。機械式調整弁3と流量計2とを接合する配管部材は、できるだけ短くすることが好ましい。
機械式調圧弁3を流量計2の上流側に隣接して配置することにより、両者の間の流体抵抗及び流体の体積が小さくなるので、機械式調圧弁3の調圧室3fの圧力を設定圧力PSと等しくなるように調整した結果が流量計2の内部の圧力に直ちに反映される。それにより、流量計2の内部の圧力が常に設定圧力PSと等しくなるように維持されるので、流量計2による流量測定の精度が高まる。また、流量計の上流側の圧力P1の変動を想定して膨大な流量用のデータを用意する必要がなくなる。
機械式調圧弁3において、ダイアフラム3gの下面は質量流量制御装置1が設置された環境における外気と連通している。そのため、調整ねじ3jを用いて設定圧力PSを調整したときの大気圧と、実際に質量流量制御装置1を使用するときの大気圧とが異なる場合は、機械式調圧弁3によって調整される調圧室3fの圧力P1が設定圧力PSからずれることになる。それを防止するには、例えば、質量流量制御装置1が使用される場所の標高が予め分かっているときに、製造地との標高差を勘案して設定圧力PSの調整を行うなどの対策を講じることができる。
機械式調圧弁による圧力調整機能を実施例として示すと、例えば、図2に示す構造の機械式調圧弁の場合、設定圧力PSを0.05MPa(50kPa)に設定し、ガス供給ラインの圧力P0を0.10MPaから0.30MPaの間で変動させたとき、機械式調圧弁の下流側の圧力P1の変動は50±5kPaの範囲内であった。圧力式流量計の上流側の圧力変動がこの範囲内であれば、流量の測定精度に問題はない。
図3は、本発明に係る機械式調圧弁の他の実施例を示す断面図である。ここに示された他の実施例において、機械式調圧弁の基本的な構造は図2に例示された実施例と同じである。大きく異なる点は、図2の実施例に示した弁体3cとステム3eとが分離した構造に代えて、両者が一体となった弁体3c’を採用したことである。この弁体c’は、下部が細長い棒状に構成されており、その先端がダイアフラム3gの上面と接するようになっている。この構成により、ダイアフラム3gの上下の動きが直接弁体3c’に伝わるので、より迅速な圧力調整が可能となる。
また、図3の弁体3c’と弁座3d’との接触面は平面でなく円錐形の一部によって構成されている。さらに、調圧室3fのダイアフラム3gから遠い側の径を小さくすることにより、調圧室3fの体積を図2の場合よりも減少させている。これらの構成により、流体入口3aから調圧室3fへ流体が流れるときの流体抵抗が低減されるので機械式調圧弁3の開閉動作がスムーズになると共に、弁体よりも下流側の流体の体積が少なくなるので、機械式調圧弁による調圧の結果が流量計2の圧力により早く反映される。
機械式調圧弁において、弁体3cと弁座3dとの間の隙間に異物が挟まると弁体が完全に閉じなくなり、圧力調整機能が損なわれるので、問題となる。それを防止するには、例えば、機械式調圧弁の上流側(必要に応じで下流側にも)に異物を除去するためのフィルタを設けることなどが好ましい。フィルタとしては、メッシュ式のもの、多孔質の焼結金属フィルタなど、公知のフィルタを用いることができる。
図4は、本発明に係る質量流量制御装置の実装例を示す側面図である。この実装例においては、質量流量制御装置1の基部7の中に流路8が設けられており、基部7の上面に流量計2の圧力センサ2b及び2c、流量制御弁4並びに圧力センサ5兼温度センサ6が載置されている。また、基部7の中に流量計2の構成物品である層流素子2aと、機械式調圧弁3とがそれぞれ埋設されている。基部7の上面に載置された部品は、ケース9によって覆われている。
この実装例のように、機械式調圧弁3の全体を基部7の中に埋設することにより、機械式調圧弁3を基部7の上面に載置するためのスペースが不要となるので、質量流量制御装置1全体のサイズをよりコンパクトにすることができる。また、質量流量制御装置1全体のサイズを変更することなく、不要となったスペースに他の部品(例えば図4の圧力センサ5兼温度センサ6など)を実装することができる。
図5は、本発明の他の実施例に係る質量流量制御装置が備える機械式調圧弁及び強制開弁機構を示す断面図である。ここに示された機械式調圧弁の基本的な構造は図3に例示された実施例と同じである。大きく異なる点は、ここに示された質量流量制御装置1が機械式調圧弁3を強制的に開弁させるための強制開弁機構10を更に備えることである。
この例において、強制開弁機構10は、止めねじ10aと、くさび10bと、ピンスプリング10cと、ピン10dと、によって構成され、これらの各部材は、くさび収容穴11aとピン収容穴11bとからなる強制開弁機構収容穴11に収容されている。ピン10dは、ピンスプリング10cの弾性力によって側方に向かって付勢されており、質量流量制御装置1の通常の運転時においては、図5に示されているように、ダイアフラム3gなどの動きを妨げない。
止めねじ10aは、くさび収容穴11aの内壁に形成されたねじ溝と勘合する。機械式調圧弁3を強制的に開弁させるときには、止めねじ10aは、収容穴11aにねじ込まれることによって、くさび10bの上端部と接触しながら上方から下方へと変位する。これにより、くさび10bは、図6に示した白抜きの矢印によって表されているように、ピン10dの側方端部に接触しながら上方から下方へと変位する。
くさび10bが上記のように上方から下方へと変位すると、ピン10dは、斜線の矢印によって表されているように、ダイアフラム押さえ3hの底面に接触しながら側方から調圧スプリング3iの軸方向に向かって変位する。その結果として、ピン10dは、黒塗りの矢印によって表されているように、ダイアフラム押さえ3hを上方に押し上げる。
上記のようにして上方に押し上げられたダイアフラム押さえ3hはダイアフラム3gを押し上げ、ダイアフラム3gは弁体3c’を押し上げる。その結果、図6の破線の丸印によって示したように、弁体3c’と弁座3d’との間に隙間が生じる。即ち、機械式調圧弁3が強制的に開弁される。
上記のように、ここに示された質量流量制御装置1によれば、強制開弁機構10によって機械式調圧弁3を強制的に開弁させることができる。従って、前述したように質量流量制御装置1の運転が停止したときに機械式調圧弁3と流量制御弁4とによって区切られた流体の流路8の一部(封鎖空間)に流体が封入されても、真空ポンプ等を使用して機械式調圧弁3の上流側の分岐配管(図示せず)の内部を減圧することにより、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどから質量流量制御装置1を取り外す前に封鎖空間から流体を排出させることができる。なお、ここに示された質量流量制御装置1における封鎖空間の体積は0.7cmである。
強制開弁機構10を構成する止めねじ10a、くさび10b、ピンスプリング10c及びピン10dの材料は、上記のように機械式調圧弁3を強制的に開弁させることができる強度、硬度及び耐摩耗性などを備える限り、特に限定されない。なお、ここに示された質量流量制御装置1におけるくさび10b及びピン10dの材料としては、ポリアセタールを採用した。
また、上記に示された質量流量制御装置1においては、くさび10bを上方に付勢する機構は設けていない。従って、機械式調圧弁3を強制的に開弁させた後に止めねじ10aを緩めても、くさび10bは上方に戻らず、その結果、ピン10dもまた側方に戻らない。即ち、上記に示された質量流量制御装置1においては、一度機械式調圧弁3を強制的に開弁させると、その後は機械式調圧弁3が開弁されたままとなる。しかしながら、くさび10bを上方に付勢する機構を設けて、機械式調圧弁3を強制的に開弁させた後に止めねじ10aを緩めることにより、機械式調圧弁3を閉弁されることができるようにしてもよい。
更に、前述したように、強制開弁機構10は流体の流路8の外部領域に配設されていることが好ましい。これによれば、ここに示された質量流量制御装置1のように、流体の流路8の密閉性を保つためのシール構造などを省略して、強制開弁機構10をより簡潔な構成とすることができる。
加えて、強制開弁機構10によって機械式調圧弁3を強制的に開弁させるときの開度は、前述したように、質量流量制御装置1の(通常の)運転中に機械式調圧弁3によって調圧室3fの圧力P1を設定圧力PSに調整する動作(以降、「調圧動作」と称呼される場合がある。)ときの機械式調圧弁3の最大開度(弁開口部の断面積)よりも大きいことが好ましい。これによれば、強制開弁機構10によって機械式調圧弁3を強制的に開弁させて質量流量制御装置1の内部から流体を排出させるときの排出効率を高めて排出に要する時間を短縮したり、真空ポンプによる排気における到達真空度を高めたりすることができる。
ところで、強制開弁機構の具体的な構成は、上記実施例に限定されるものではなく、機械式調圧弁を強制的に開弁させて、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどから質量流量制御装置を取り外す前に封鎖空間から流体を排出させることができる限り、如何なる構成を有していてもよい。
しかしながら、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなど、複数のプロセスガスを使用する用途においては、一般的に、複数の質量流量制御装置が基部(ベース)上に並列して配置される。更に、当該技術分野においては、質量流量制御装置の大きさ及び形状は、例えば質量流量制御装置同士の互換性の維持及び/又は設置面積(footprint)の極小化などを目的として、規格が統一されている。このため、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどに組み込まれた状態においては、個々の質量流量制御装置の側面及び底面には触れることができない。
従って、機械式調圧弁の構造上は、その底面に配設された調整ねじをねじ込んで調圧スプリングの弾性力を高めることにより機械式調圧弁を強制的に開弁させることが可能であるものの、実用上は、このような手法によって機械式調圧弁を強制的に開弁させることは不可能である。
上記に鑑みれば、強制開弁機構は、基部内の限られたスペースに収容され、且つ、強制開弁機構の操作部(例えば、上記実施例における止めねじ10a及びくさび収容穴11aなど))は、基部の上面に載置された部品の間などに設けることができるように、コンパクトに構成されることが好ましい。
そこで、本実施例においては、上記のようにコンパクトに構成された強制開弁機構を備える質量流量制御装置の具体例につき、添付図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の他の実施例に係る質量流量制御装置の実装例を示す側面図である。図8は、図7に示した質量流量制御装置の(A)平面図及び(B)底面図である。但し、図8において、ケース9は省略されている。また、図7及び図8の何れにおいても、強制開弁機構10及び強制開弁機構収容穴11は基部7の内部に設けられているが、説明のために敢えて表示されている。
図7に示したように、くさび収容穴11aは、基部7の上面における部品が載置されていない領域に形成されており、その中に、止めねじ10a及びくさび10bが収容されている。これにより、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどに質量流量制御装置1が組み込まれたままの状態にて、止めねじ10aを操作して、強制開弁機構10を動作させることができる。なお、図7に示した点線の四角形は、図5及び図6に示した機械式調圧弁3及び強制開弁機構10の描画領域に該当する。
次に、図8に示したように、ピン収容穴11bは、機械式調圧弁3の中心に向かって斜めに形成されている。従って、止めねじ10a及びくさび収容穴11a(図示せず)は、基部7の中央部ではなく、角部に近い位置に設けられている。これは、強制開弁機構10を構成するこれらの部材及び収容穴が、基部7の内部に形成された流路8と干渉することを避けることを目的とした配置である。なお、図8に示した一点鎖線A−A’は、図5及び図6に示した機械式調圧弁3及び強制開弁機構10の断面に該当する。従って、図5及び図6には、流体出口3kが描かれていない。
以上のような構成により、本実施例に係る質量流量制御装置1においては、例えば半導体製造装置のガス供給ラインなどに組み込まれたままの状態にて、基部7の上面における部品が載置されていない領域に形成されたくさび収容穴11aに止めねじ10aをねじ込むことにより、強制開弁機構10を動作させて、機械式調圧弁3を強制的に開弁させることができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでも無い。
1 質量流量制御装置
2 流量計
2a 層流素子
2b 圧力センサ(P1)
2c 圧力センサ(P2)
3 機械式調圧弁
3a 流体入口
3b 弁スプリング
3c、3c’ 弁体
3d、3d’ 弁座
3e ステム
3f 調圧室
3g ダイアフラム
3h ダイアフラム押さえ
3i 調圧スプリング
3j 調整ねじ
3k 流体出口
4 流量制御弁
4a 圧電素子
4b 弁
5 圧力センサ(P0)
6 温度センサ
7 基部
8 流路
9 ケース
10 強制開弁機構
10a 止めねじ
10b くさび
10c ピンスプリング
10d ピン
11 強制開弁機構収容穴
11a くさび収容穴
11b ピン収容穴

Claims (9)

  1. 流量計と、前記流量計の上流側に隣接して配置される機械式調圧弁と、前記流量計の下流側に配置される流量制御弁と、を備える質量流量制御装置において、
    前記機械式調圧弁の全体が質量流量制御装置の基部の中に埋設されていることを特徴とする、
    質量流量制御装置。
  2. 前記機械式調圧弁の上流側に圧力センサ(5)を備える、請求項1に記載の質量流量制御装置。
  3. 前記流量計が圧力式流量計である、
    請求項1又は請求項2に記載の質量流量制御装置。
  4. 前記圧力式流量計が上流側の圧力センサ(2b)と下流側の圧力センサ(2c)とを備える、
    請求項3に記載の質量流量制御装置。
  5. 前記圧力式流量計が上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を計測する差圧センサを備える、
    請求項3に記載の質量流量制御装置。
  6. 前記機械式調圧弁を強制的に開弁させる強制開弁機構を更に備える、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の質量流量制御装置。
  7. 前記機械式調圧弁は、
    前記質量流量制御装置における流体の流路の一部を構成する調圧室と、
    前記調圧室の内部領域と前記流路の外部領域とを隔てるダイアフラムと、
    を備え、
    前記機械式調圧弁は、前記調圧室内の前記流体の圧力が所定の設定圧力よりも低いときに前記ダイアフラムの少なくとも一部が前記調圧室側に変位することによって開弁するように構成されており、
    前記強制開弁機構は、外部からの操作により前記ダイアフラムの少なくとも一部を前記調圧室側に変位させる部材を備える、
    請求項6に記載の質量流量制御装置。
  8. 前記強制開弁機構が前記流体の前記流路の外部領域に配設されている、
    請求項7に記載の質量流量制御装置。
  9. 前記強制開弁機構によって前記機械式調圧弁を強制的に開弁させるときの開度が、前記質量流量制御装置の運転時における前記機械式調圧弁の最大開度よりも大きい、
    請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の質量流量制御装置。
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