JP6691734B2 - 医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムに関する。
X線診断装置を用いた血液の灌流(Perfusion)検査では、被検体に投与された造影剤の濃度を定量的に測定することが重要となる場合がある。特に、組織のPerfusion検査では、造影剤の濃度を領域ごとに定量化することが必要である。
そこで、造影剤の濃度を精度よく推定するために、散乱X線、Beam Hardening、呼吸性の動き、X線管に供給される管電流とX線の照射時間の積(mAs)の変動等の影響を抑制するための様々な補正が行われている。また、各種補正を実行するために、事前にキャリブレーションが行われている。
特開2008−136800号公報
本発明は、より簡易かつ高精度に造影剤の濃度を定量的に評価できるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係る医用画像処理装置は、画像取得部とデータ処理部とを備える。画像取得部は、異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを取得する。データ処理部は、前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成する。前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める。
また、本発明の実施形態に係るX線診断装置は、撮影系とデータ処理部とを備える。撮影系は、異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを撮影する。データ処理部は、前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成する。前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める。
また、本発明の実施形態に係る医用画像処理プログラムは、コンピュータを、画像取得部及びデータ処理部として機能させる。画像取得部は、異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを取得する。データ処理部は、前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成する。前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める。
本発明の第1の実施形態に係るX線診断装置及び医用画像処理装置の構成図。 ファントムの形状を球形状とした場合におけるX線の透過距離を示す図。 ファントムの大きさを異なるサイズとする場合の例を示す図。 ファントムを支持するタイプのファントムセットの構造例を示す図。 ファントムを収納するタイプのファントムセットの構造例を示す図。 ファントムを連結するタイプのファントムセットの構造例を示す図。 ファントムを移動させることが可能なタイプのファントムセットの構造例を示す図。 複数のファントムの不適切な配置例を示す図。 複数のファントムの不適切な重なりを回避できるようにした配置例を示す図。 複数のファントムを人体の体表に取付ける方法の例を説明する図。 X線吸収率が互いに異なる5つの球形のファントムを被検体に取付けて撮影されたX線造影画像の例を示す図。 ファントムの画素値と補正関数の関係を示すグラフ。 造影剤の濃度の真値と画素値としての造影剤の濃度の測定値との関係を示すグラフ。 複数のファントムで構成されるファントムセットを動かす例を示す図。 複数のファントムで構成されるファントムセットを複数の位置に配置した例を示す図。 造影剤の濃度の真値とX線画像データの画像信号値との間における関係を示すグラフの一例を示す図。 図1に示すX線診断装置及び医用画像処理装置の動作及び処理の流れを示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るX線診断装置及び医用画像処理装置の機能を説明する図。
本発明の実施形態に係る医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムについて添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るX線診断装置及び医用画像処理装置の構成図である。
X線診断装置1は、撮影系2、制御系3及びデータ処理系4を備えている。撮影系2は、X線照射部5、X線検出器6、駆動機構7及び寝台8を有する。制御系3は、高電圧発生装置9及び撮影位置制御装置10を有する。
X線照射部5は、X線管を備え、寝台8にセットされた被検体Oを挟んでX線検出器6と対向配置される。X線照射部5及びX線検出器6は、駆動機構7の駆動によって相対位置を維持しながら被検体Oに対する角度及び相対位置を変えることができる。具体的には、回転機能を備えたC型アームの両端にX線照射部5及びX線検出器6が固定される。そして、X線照射部5は、X線管により被検体Oに向けて所定の角度からX線を照射し、被検体Oを透過したX線をX線検出器6で検出できるように構成される。
また、寝台8の天板の傾斜及び位置を駆動機構7によって調整することができる。X線照射部5及びX線検出器6の被検体Oに対する角度を調整するのみならず、天板の角度を調整することによっても、被検体Oに対するX線の照射方向を変えることができる。
更に、寝台8にセットされた被検体Oの近傍には、被検体Oに造影剤を注入するための造影剤注入装置11が設けられる。また、被検体Oの近傍には、所定の濃度の造影剤を模擬したファントムPが設置される。
制御系3の高電圧発生装置9は、X線照射部5のX線管に高電圧を印加することによって、所望のエネルギを有するX線を被検体Oに向けて照射させる装置である。撮影位置制御装置10は、駆動機構7に制御信号を出力して制御する装置である。すなわち、X線照射部5及びX線検出器6の回転角度及び位置並びに寝台8の天板の傾斜及び位置は、撮影位置制御装置10から駆動機構7に出力される制御信号によって制御される。
データ処理系4は、入力装置12、表示装置13、A/D(analog to digital)変換器14及び医用画像処理装置15を有する。すなわち、X線診断装置1には、医用画像処理装置15が内蔵される。但し、同様な機能を有する独立した医用画像処理装置を、ネットワークを介してX線診断装置1に接続するようにしても良い。X線診断装置1に内蔵される医用画像処理装置15又はX線診断装置1とネットワークを介して接続される医用画像処理装置は、コンピュータに医用画像処理プログラムを読み込ませて構築することができる。但し、回路を用いてもよい。
医用画像処理プログラムは、ワークステーション等の汎用コンピュータを医用画像処理装置15として利用できるように情報記録媒体に記録してプログラムプロダクトとして流通させることもできる。もちろん、情報記録媒体を介さずにネットワーク経由で医用画像処理プログラムをコンピュータにダウンロードすることもできる。
医用画像処理装置15は、X線画像取得部16及びデータ処理部17を有する。また、データ処理部17は、補正関数決定部17A、画像補正部17B、濃度補正情報取得部17C、濃度-画素値変換情報保存部17D及び表示処理部17Eを有する。従って、医用画像処理プログラムは、コンピュータを、X線画像取得部16及びデータ処理部17として機能させるプログラムである。
X線画像取得部16は、X線検出器6からA/D変換器14を通じてデジタル化されたX線検出データを取り込んで、必要なデータ処理を行うことによりX線画像データを生成する機能を有する。従って、被検体Oに造影剤が注入された状態で収集されたX線検出データに基づいてX線画像データを生成すれば、X線造影画像データが得られる。
特に、被検体Oは、造影剤が注入された状態で互いにX線吸収率が異なる3つ以上の複数のファントムPとともに撮影系2で撮影することができる。この場合、互いにX線吸収率が異なる3つ以上の複数のファントムPを含む被検体OのX線造影画像データが撮影系2によって撮影される。このため、X線画像取得部16においても、互いにX線吸収率が異なる3つ以上の複数のファントムPを含む被検体OのX線造影画像データが取得される。
データ処理部17は、X線画像取得部16において取得されたX線画像データに必要なデータ処理を施して表示用のX線画像データを生成する機能を有する。特に、データ処理部17は、複数のファントムPに対応するX線造影画像データの画素値に基づいて求められる非線形関数を用いたX線造影画像データの補正を行うことによって、被検体Oの補正後のX線造影画像データを生成する機能を有している。
補正関数決定部17Aは、複数のファントムPに対応するX線造影画像データの画素値に基づいて、X線造影画像データの補正用の非線形関数を求める機能を有する。非線形関数としては、高次関数、対数関数又は指数関数が挙げられる。実用的かつ良好な精度で、X線造影画像データを補正する観点からは、非線形関数を、3次式、4次式又は5次式とすることが適切である。そこで、以降では、非線形関数が4次式の場合について説明する。
ここで、ファントムPの特徴について説明する。ファントムPは、少なくとも3つの値を有する異なる濃度の造影剤を模擬した画素値の校正(キャリブレーション)用の被検体である。
従って、ファントムPは、異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なるX線吸収率を有する3つ以上の複数の物体と、複数の物体を被検体OとともにX線画像の撮影領域にセットするための器具とを用いて構成することができる。尚、異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率を有する各物体自体をファントムPと称することもできる。このため、以降では、異なるX線吸収率を有する各物体をそれぞれファントムPと称し、異なるX線吸収率を有する複数の物体と複数の物体を撮影領域にセットするための器具とによって構成される構造体をファントムセットと称して区別する。
図2は、ファントムPの形状を球形状とした場合におけるX線の透過距離を示す図である。
X線診断装置1では撮影系2が回転するため、X線照射部5から多方向にファントムPの撮影が行われることになる。従って、図2に示すように、ファントムPを球形とすれば、X線の照射角度θに関わらず、ファントムPの中心位置を透過するX線の透過距離dはファントムPの直径dと同じ長さとなる。つまり、ファントムPを球形とすれば、X線をどの方向から照射しても、ファントムPの中心位置におけるX線の透過距離dを一定にすることができる。このため、ファントムPを球形状とすることが好適である。
そこで、以降では、ファントムPの形状を球形として説明する。この場合、球形状を有する複数のファントムPの各中心位置におけるX線造影画像データの画素値に基づいて当該X線造影画像データの補正用の非線形関数を求めることができる。
ファントムPを球形とする場合、ファントムPの直径を2mmから10mm程度とすることが適切である。これは、ファントムPの大きさが小さ過ぎると散乱線の影響が過剰になり、逆にファントムPの大きさが大き過ぎると散乱線の影響が過少になるためである。更に、ファントムPの大きさは、撮影の対象となる物体と同等な大きさとすることが望ましい。例えば、心臓の冠状動脈の太さは2mmから4mmである。また、心筋の厚さは10mm程度である。
従って、ファントムPの大きさを同一にすることがデータ処理の簡易化に繋がるが、既知である限りファントムPの直径を撮影部位のサイズに応じて互いに異なる長さにしてもよい。
図3は、ファントムPの大きさを異なるサイズとする場合の例を示す図である。
例えば図3(A)に示すように、模擬する造影剤の濃度に応じてファントムPの大きさを変えることができる。臨床上、高い濃度を有する造影剤が血管に注入される。注入された造影剤は細血管及び毛細血管を通じて組織に至る過程で拡散する。これにより、造影剤の濃度が低くなる。そこで、濃度が高い造影剤を模擬するファントムPの大きさを小さくし、濃度が低い造影剤を模擬するファントムPの大きさを大きくすることができる。これにより、拡散によって体積が増加する程、濃度が低くなる造影剤をX線吸収率が異なる複数のファントムPで模擬することができる。
別の例として図3(B)に示すように、撮影部位のサイズに合わせてファントムPの大きさを決定する方法もある。撮影部位が心臓であれば、300-370[mgI/ml]の最も濃度が高い造影剤が2mmから4mm程度の直径を有する冠状動脈に注入される。そして、直径が1mm程度の細血管で造影剤の濃度が100-300[mgI/ml]に薄まる。更に、造影剤が10mm程度の厚さを有する心筋に到達すると、造影剤の濃度が100[mgI/ml]以下となる。
そこで、100[mgI/ml]よりも高い濃度を模擬するファントムPの直径を2mmから4mm程度の直径の範囲において濃度が高い程、大きい直径とし、100[mgI/ml]以下の濃度を模擬するファントムPの直径を10mm程度とすることができる。これにより、冠状動脈に注入され、心臓に到達する造影剤をX線吸収率が異なる複数のファントムPで模擬することができる。
このように、ファントムセットの構成要素となる複数のファントムPは、造影剤の濃度に対応する異なるX線吸収率及び造影剤が流入する撮像部位のサイズの少なくとも一方に応じたサイズを有する複数の物体で構成することができる。
次に、複数のファントムPと複数のファントムPをセットするための器具とで構成されるファントムセットの構造例について説明する。
図4は、ファントムPを支持するタイプのファントムセットの構造例を示す図である。
図4(A)に示すような平板状の支持体、図4(B)に示すような人体の表面にフィットするように湾曲した板状の支持体、図4(C)に示すようなフレキシブルなシート状の支持体、或いは図4(D)に示すような縁のある板状の支持体に、複数のファントムPを貼付けることによってファントムセットを構成することができる。すなわち、ファントムPの支持体として、ファントムPをセットするための器具を構成することができる。もちろん、ファントムPの移動を抑止するための凹みや仕切りを設けた支持体としての機能を器具に備えてもよい。尚、ファントムPをセットするための器具は、非X線吸収体とみなせる材料で構成される。
図5は、ファントムPを収納するタイプのファントムセットの構造例を示す図である。
ファントムPをセットするための器具は、図5(A)に示すような有底の筒状の収納体、図5(B)に示すような可撓性を有し、両端が閉口した筒状の収納体、図5(C)に示すような長い袋状の収納体或いは図5(D)に示すような開閉機能を有する収納体など、様々な構造を有する収納体とすることもできる。
図6は、ファントムPを連結するタイプのファントムセットの構造例を示す図である。
ファントムPをセットするための器具は、図6(A)に示すように連結された複数のファントムPをセットするための糸状部材或いは図6(B)に示すように間隔を空けて複数のファントムPを連結するための糸状部位とすることもできる。
図4、図5及び図6に例示されるように、ファントムPをセットするための器具の構造は、複数のファントムPを乗せる構造、複数のファントムPを収納する構造又は複数のファントムPを連結する構造とすることができる。また、ファントムPをセットするための器具の構造を、複数のファントムPを可動性を有する状態でセットするための構造とすることもできる。複数のファントムPを移動できれば、異なる位置で複数のファントムPの撮影を行うことが可能となる。
図7は、ファントムPを移動させることが可能なタイプのファントムセットの構造例を示す図である。
図7(A)に示すように回転可能な板状の器具に複数のファントムPを固定することができる。この場合、図7(B)に示すように、回転中心から離れた位置に複数のファントムPを固定すれば、ファントムPの移動距離を長くすることができる。
別の例として、図7(C)に示すような円筒状の器具、図7(D)に示すような湾曲した円筒状の器具或いは図7(E)に示すようなドーナツ型の円筒状の器具の内部を複数のファントムPが移動するようにしてもよい。更に、別の例として図7(F)に示すように多数の溝を設けた器具に複数のファントムPをセットし、器具を傾けることにより球形の複数のファントムPを転がして移動させることもできる。
図7(A), (B)に示すように複数のファントムPを固定した板状の器具を回転させる場合には、ベアリングを構成要素として手で所定の位置に回転できるようにすることができる。或いは、モータ等の動力源をベアリングに接続して自動的に板状の器具が回転するようにしてもよい。
一方、図7(C), (D), (E)に示すように、筒状の器具の内部で複数のファントムPを移動させる場合には、図6に示すように複数のファントムPを糸状部材で連結し、カテーテルの操作と同様な要領で各ファントムPの位置を変えることができる。或いは、複数のファントムPを連結せずに筒状の器具の内部に挿入し、注射器等によって液体を流し込むことによって、各ファントムPを動かすこともできる。もちろん、筒状の器具を傾斜させ、慣性力によって複数のファントムPを転がして移動させてもよい。
複数のファントムPに要求される好適な条件としては、X線の照射方向において少なくともファントムPの中心位置が重ならないことが挙げられる。
図8は、複数のファントムPの不適切な配置例を示す図である。
図8(A)に示すように、板状の器具の上に、設置面に垂直な方向に複数のファントムPを配置すると、X線が複数のファントムPを透過することになるため不適切である。また、複数のファントムPを、板状の器具の設置面に垂直でない方向に配置したとしても、C型アーム等の駆動機構7の駆動によってX線の照射方向は変わり得るため、不適切な配置となる場合がある。
そこで、ファントムPをセットするための器具を、X線の透過方向となり得る方向において少なくとも複数のファントムPの中心位置が互いに同一直線上とならないように計算された空間位置で、複数のファントムPを保持するように構成することが重要である。
図9は、複数のファントムPの不適切な重なりを回避できるようにした配置例を示す図である。
図9(A)に示すように、C型アームの実用的な傾斜角度θと、ファントムPの直径dとから、ファントムPの投影方向においてファントムP同士が重ならないためのファントムP間の距離Lを幾何学的に計算することができる。そして、図9(B)の一点鎖線で示される範囲の外側となるように他のファントムPを配置すれば、適切な間隔で複数のファントムPをセットすることが可能となる。すなわち、C型アームを回転させても、X線の照射方向においてファントムP同士が重ならないように配置することができる。
上述のように複数のファントムPを保持した器具は、人体の体表にできるだけ接近させて取付けることが補正精度を向上させる観点から適切である。そこで、ファントムPをセットするための器具の構造を、複数のファントムPを被検体Oとしての人体上にセットするための構造とすることが望ましい。
図10は、複数のファントムPを人体の体表に取付ける方法の例を説明する図である。
寝台8の天板にセットされる被検体Oとしての人体は、掛け布(ドレープ)で覆われる。そこで、図10(A)に示すようにドレープの外側に複数のファントムPを保持する器具を設置し、器具を寝台8のレールにゴム等で固定することができる。或いは、図10(B)に示すように、複数のファントムPを保持する器具を粘着テープ等でドレープに貼付けることもできる。更に別の例として、図10(C)に示すようにドレープに面ファスナ等で開閉できるように設けられた開閉式のポケットに、複数のファントムPを保持する器具を収納することもできる。
このようなファントムPの取付方法によって、ファントムPを人体に接近させた状態で滑らないように固定することができる。複数のファントムPを被検体Oである人体に取付けて撮影すると、複数のファントムPに対応するX線造影画像データの画素値に基づくX線造影画像データの補正関数を補正関数決定部17Aにおいて求めることが可能となる。
図11は、X線吸収率が互いに異なる5つの球形のファントムPを被検体Oに取付けて撮影されたX線造影画像の例を示す図である。
X線吸収率が互いに異なる複数のファントムPを被検体Oとともに造影撮影すると、図11に示すように、各ファントムPがX線吸収率に応じた互いに異なる画素値で描出される。そうすると、各ファントムPに対応する画素値に基づいてX線造影画像データの補正関数を求めることが可能となる。
補正関数を4次式とする場合には、式(1)で補正関数を表すことができる。
τρd = a0+a1{ln(I)}+a2{ln(I)}2+a3{ln(I)}3+a4{ln(I)}4 (1)
但し、式(1)においてτは造影剤の質量減弱係数[cm2/g]、ρは造影剤の濃度[g/cm3]、dは補正対象となる画素に対応する球状領域の直径[cm]、Iは補正前におけるX線造影画像データの画素値、a0, a1, a2, a3, a4は係数である。
式(1)に示す各係数a0, a1, a2, a3, a4は、造影剤の濃度ρに対応するX線吸収係数と質量減弱係数τが既知の複数のファントムPの画素値に基づいて計算することができる。補正関数が4次式であれば、求めるべき係数a0, a1, a2, a3, a4の数は5つである。従って、少なくともX線吸収係数が互いに異なる5つのファントムPの画素値I1, I2, I3, I4, I5が計測できれば、式(2-1)、式(2-2) 、式(2-3)、式(2-4)及び式(2-5)で示す連立方程式を解くことにより、補正関数の係数a0, a1, a2, a3, a4を求めることができる。
τρ1d = a0+a1{ln(I1)}+a2{ln(I1)}2+a3{ln(I1)}3+a4{ln(I1)}4 (2-1)
τρ2d = a0+a1{ln(I2)}+a2{ln(I2)}2+a3{ln(I2)}3+a4{ln(I2)}4 (2-2)
τρ3d = a0+a1{ln(I3)}+a2{ln(I3)}2+a3{ln(I3)}3+a4{ln(I3)}4 (2-3)
τρ4d = a0+a1{ln(I4)}+a2{ln(I4)}2+a3{ln(I4)}3+a4{ln(I4)}4 (2-4)
τρ5d = a0+a1{ln(I5)}+a2{ln(I5)}2+a3{ln(I5)}3+a4{ln(I5)}4 (2-5)
図12はファントムPの画素値と補正関数の関係を示すグラフである。
図12において横軸は補正関数による補正後の値τρを示し、縦軸は補正関数による補正前における画素値の自然対数値ln(I)を示す。5つのファントムPの画素値I1, I2, I3, I4, I5の各自然対数値と、各ファントムPが模擬する造影剤の濃度ρ12345と質量減弱係数τの積に相当する補正値τρ1, τρ2, τρ3, τρ4, τρ5に対応する位置にプロットすると、図12に示すようになる。そうすると、各プロット点を通る4次関数が補正関数となる。
図13は造影剤の濃度の真値と画素値としての造影剤の濃度の測定値との関係を示すグラフである。
図13において横軸は造影剤として用いられるヨウ素(Iodine)の濃度[mgI/ml]を示し、縦軸はX線管の管電圧を一定として撮影されたX線造影画像データの相対画素値の自然対数値を示す。
また、図13中の曲線に用いられる線種の違いはSID(source image distance)の違いを示し、図13中のプロット図形の違いは被検体Oの体厚の違いを示す。尚、SIDは、X線照射部5に備えられるX線管の焦点とX線検出器6の検出面との間における距離として定義される。
図13に示すように、造影剤の濃度が同一であってもX線画像データの画像信号値は、被検体Oの体厚及びSIDに依存して変化する。従って、造影剤の濃度を正確に求めるためには、被検体Oの体厚やSID等のX線造影画像データの画像信号値に影響を与える要因を、画像信号値から除去する補正が必要である。画像信号値に影響を与える要因としては、被検体Oの体厚及びSIDの他、散乱線、Beam Hardening、mAsの変動、呼吸性の変動が挙げられる。
そこで、図12に示すように複数のファントムPに対応する画像信号値と造影剤の濃度値とをプロットすれば、被検体Oの体厚、SID、散乱線、Beam Hardening、mAsの変動及び呼吸性の変動等の各要因が反映された、造影剤の濃度と画像信号値との関係式を取得することができる。このため、得られる関係式を、画像信号値から造影剤の定量的な濃度値を求めるための補正関数として用いることができる。
つまり、複数のファントムPに対応する画像信号値と造影剤の濃度値との関係に基づいて、造影剤の濃度の測定値として観測される画像信号値から造影剤の濃度の真値を求めるための3次以上の逆関数を補正関数として求めることができる。尚、mAsの変動及び呼吸性の変動等の時間的な変動も補正する場合には、補正関数の各係数も時間的に変動することになる。
図12及び図13に示すように補正関数の曲率は一定とはならない。また、造影剤の濃度を高精度に求めることが要求される濃度範囲が局所的となる場合がある。そこで、補正関数を十分な精度で求めるためにプロット点を不等間隔にすることもできる。すなわち、不等間隔で分布する複数のX線吸収率に対応するファントムPの各画素値に基づいて非線形関数を求めることができる。
実用的な造影剤の濃度に対応するファントムPのX線吸収率は0〜370[mgI/ml]程度である。また、心臓に造影剤を投与する場合には、0〜100[mgI/ml]の濃度範囲において高い精度が要求される。そこで、例えば0〜100[mgI/ml]の濃度範囲ではファントムPの濃度間隔を狭くし、100[mgI/ml]の濃度範囲ではファントムPの濃度間隔を広くすることができる。
特に、上述の例のように5次式として補正関数を推定する場合には、係数を求めるための造影剤の複数の濃度値を不等間隔とすることが精度向上に繋がる場合がある。また、複数のファントムPのうちの1つのファントムPのX線吸収率を、0[mgI/ml]とすることが精度維持の観点から好都合である。
また、ファントムPの数は補正関数の次数及び求めるべき係数の数に応じて決定されるが、3〜8個程度が適当である。これは、ファントムPの数が少ないと、補正関数の次数が小さくなり補正精度の低下に繋がる一方、ファントムPの数が過剰であると、撮影領域内に占めるファントムPの面積が広くなり撮影部位の視認性の低下に繋がるためである。上述のように補正関数は3次式、4次式又は5次式とすることが精度上適切である。このため、実用的には、ファントムPの数を5個程度とすることが適切である。
そこで、以降では、ファントムPの数が5個の場合を例に説明する。
上述のように造影剤の濃度が一定であっても、被検体Oの体厚に依存して画像信号値が変化する。特に、Beam Hardeningの影響は、体厚にも依存して変化する。従って、体厚が一定とみなせる腹部等の撮影を行う場合には、体厚の違いによる造影剤の濃度の誤差が無視できるが、体厚が一定とみなせない撮影部位を撮影する場合には、体厚に応じた画像信号値の補正が望ましいことになる。
例えば、頭部、肺、下肢等の撮影部位では、体厚の違いが顕著である。また、腹部であっても、X線の照射方向が変われば、被検体O内におけるX線の透過距離が不均一となる。
そこで、撮影領域を複数の領域に分割し、領域ごとに異なる補正関数を求めることができる。そのためには、複数のファントムPで構成されるファントムセットを移動させて複数フレームのX線造影画像データを収集するか、或いは複数のファントムPで構成されるファントムセットを複数の位置に配置して1フレーム以上のX線画像データを収集すればよい。
図14は複数のファントムPで構成されるファントムセットを動かす例を示す図である。
図14に示すようにX線画像データのフレームごとに複数のファントムPで構成されるファントムセットの位置を変えることができる。そうすると、複数のファントムPで構成されるファントムセットが互いに異なる領域に配置された状態で複数フレームのX線画像データを取得することができる。そして、取得された複数フレームのX線画像データに基づいて異なる領域に対応する複数の非線形関数を補正関数として求め、複数の非線形関数を用いた異なる領域ごとの補正を行うことができる。
この場合、ファントムセットの構造は、図7に例示されるように複数のファントムPを動かせる構造とされる。そして、X線の照射方向において被検体Oの体厚が異なるとみなせる複数の領域に複数のファントムPを順次移動させてX線撮影が行われる。ファントムPの移動は、回転移動、並進移動又はランダムな移動など、任意の移動とすることができる。
尚、X線の照射方向において被検体Oの体厚が異なるとみなせる全ての領域にファントムセットを移動させずに一部の領域のみにファントムセットを移動させてX線画像データを収集するようにしてもよい。その場合、ファントムセットを移動させた領域についてのみ、ファントムPの画素値に基づいて補正関数を求めることができる。そして、ファントムセットの移動対象とならなかった領域に対応する補正関数は、ファントムセットの移動対象となった領域に対応する複数の補正関数から補間によって求めることができる。
つまり、全ての領域にファントムセットを移動させてX線撮影を行わなくても、必要な領域にファントムセットを移動させてX線撮影を行えば、計算によって全ての領域に対応する補正関数を求めることができる。この場合、領域の数よりも少ないフレーム数のX線画像データの画素値に基づいて、全ての領域に対応する補正関数が求められることになる。
図15は複数のファントムPで構成されるファントムセットを複数の位置に配置した例を示す図である。
図15に示すように複数のファントムPで構成されるファントムセットがそれぞれ互いに異なる領域に配置された状態で、1フレームのX線画像データを取得することができる。そうすると、取得された1フレームのX線画像データに基づいて異なる領域に対応する複数の非線形関数を補正関数として求め、複数の非線形関数を用いた異なる領域ごとの補正を行うことが可能となる。
ファントム群の配置位置は、上述のようにX線の照射方向において被検体Oの体厚が異なるとみなせる複数の領域内とすることが適切である。そこで、例えば、医師が注目する臓器上の位置に、注目部位の視認性を損なわないように複数のファントムPを配置することができる。また、注目部位の視認性を確保するために、小さいサイズのファントムPを設置することが望ましい。
ルーチン検査の場合には、X線画像上において注目領域とならない位置が概ね定まる。そこで、複数のファントムPを設置するための器具の構造を、複数のファントムPが被検体Oの注目領域以外の領域に配置されるような構造とすることが好適である。
上述のように単一又は複数の補正関数が求められると、X線造影画像データの補正が可能となる。尚、時間的な撮影条件の変動による影響を補正する場合には、時系列の複数フレームのX線画像データに基づいて共通の領域について時系列の複数の補正関数が取得される。
画像補正部17Bは、補正関数決定部17Aにおいて4次式等の非線形関数として求められた補正関数を用いてフレームごとにX線造影画像データを補正する機能を有する。すなわち、ファントムセットを1箇所に配置し、画像化領域を分割せずに補正関数が求められた場合には、画像化領域の全ての画素値が補正関数により補正される。一方、ファントムセットが異なる位置に配置された単一フレーム又は複数フレームのX線画像データから複数の領域に対応する複数の補正関数が求められた場合には、各領域内における全ての画素値がそれぞれ当該領域に対応する補正関数によって補正される。
また、画像化領域に共通の時系列の補正関数が求められた場合や、複数の領域に対応する複数の補正関数がダイナミックに繰返し求められた場合には、時間方向にも補正関数による画素値の補正が行われる。
これにより、被検体Oの体厚、SID、散乱線、Beam Hardening、mAsの変動及び呼吸性の変動等の画像信号値に影響を与える要因の影響が除去された信号値を、全ての画素位置について求めることができる。このため、補正関数の値τρや造影剤の濃度ρを画素値とするX線造影画像データを、補正後のX線造影画像データとして診断に供することができる。
ところで、現実には、造影剤の濃度に相当するファントムPのX線吸収率には誤差が存在する。また、X線吸収率の誤差を極力小さくしようとすると、ファントムPの製造コストが増加する。加えて、ファントムPの材質によってはX線吸収率に経時変化が生じる恐れもある。このため、ファントムPのX線吸収率に誤差が存在することを前提として補正関数を求めることが望ましい。
そこで、濃度補正情報取得部17Cには、ファントムPが模擬する造影剤の濃度の誤差を補正するための情報を取得する機能が備えられる。ファントムPのX線吸収率の誤差を校正するための情報は、予め取得された造影剤の濃度とX線画像データの画素値との間における関係を示す関数又はテーブル等の情報とすることができる。
図16は造影剤の濃度の真値とX線画像データの画像信号値との間における関係を示すグラフの一例を示す図である。
図16において横軸は造影剤の濃度の真値を示し、縦軸はX線撮影によって画像信号値として測定された造影剤の濃度の測定値である。実際に異なる濃度を有する造影剤をX線撮影すると、図16に示すような造影剤の濃度の真値と画像信号値との関係を示すプロットデータが得られる。このため、フィッティング等の近似手法によって画像信号値から造影剤の濃度の真値を求めるためのテーブル又は関数を取得することができる。
具体的な例として、直径が10mm程度の注射器で異なる濃度を有する造影剤を吸い取ってX線撮影すれば、図16に示すようなプロットデータを得ることができる。
濃度補正情報取得部17Cにおいて求められた、造影剤の濃度の真値と画像信号値との関係を示す情報は、濃度-画素値変換情報保存部17Dに保存することができる。そして、補正関数決定部17Aは、補正関数の決定に先立って、濃度-画素値変換情報保存部17Dに保存された情報を参照することによって各ファントムPのX線吸収率を校正するように構成される。つまり、補正関数決定部17Aでは、予め取得された造影剤の濃度とX線画像データの画素値との間における関係を示す情報に基づいて、複数のファントムPのX線吸収率における誤差の影響が補正された非線形関数を補正関数として求めることができる。
ファントムPのX線吸収率における誤差を校正する場合には、事前に造影剤をX線撮影した際の管電圧等の撮影条件と同一の撮影条件で、校正対象となるファントムPがX線撮影される。そうすると、ファントムPが描出されたX線画像データの画像信号値に基づいてファントムPのX線吸収率の真値を求めることができる。すなわち、濃度-画素値変換情報保存部17Dに保存された画像信号値とX線吸収率との変換情報に基づいて、ファントムPの画像信号値をX線吸収率に変換することができる。
このようなX線造影画像データの校正用のファントムP自体の校正を行うことによって、ファントムPのX線吸収率が厳密に正確でなくても、高精度なX線造影画像データ用の補正関数を求めることができる。例えば、X線吸収率が100[mgI/ml]として流通しているファントムPのX線吸収率が実際には105[mgI/ml]であったとしても、正確にX線造影画像データ用の補正関数を求めることができる。つまり、精度がラフで安価なファントムPを用いて補正関数を求めることが可能となる。
尚、ファントムPのX線吸収率の校正は、造影検査前又は定期的なタイミングで実行することができる。
表示処理部17Eは、X線画像取得部16において取得されたX線画像データ又は画像補正部17Bにおいて補正されたX線造影画像データなど、医用画像処理装置15において取得されたX線画像データに必要な表示処理を施して表示用の2次元(2D: two dimensional)のX線画像データを生成する機能と、生成した表示用の2D X線画像データを表示装置13に出力する機能を有する。
次にX線診断装置1及び医用画像処理装置15の動作及び作用について説明する。
図17は、図1に示すX線診断装置1及び医用画像処理装置15の動作及び処理の流れを示すフローチャートである。
まずステップS1において、被検体O上にX線吸収率が互いに異なる複数のファントムPが設置される。具体例として5つの球形のファントムPを保持する器具がX線撮影の視野内となるように被検体Oにセットされる。好適には、X線を想定され得る照射方向から照射した場合に撮影視野内となる位置に、複数のファントムPを備えたファントムセットが被検体Oの診断や治療時において配置される。
次に、ステップS2において、X線造影画像の撮影が実行される。そのために、寝台8の天板に被検体Oがセットされる。そして、撮影位置制御装置10からの制御信号によって駆動機構7が駆動する。これにより、X線照射部5及びX線検出器6の回転角度及び位置並びに寝台8の天板の傾斜及び位置が撮影部位に合わせて調整される。このとき、検査対象となる臓器等の部位とともに複数のファントムPも撮影視野内となるように、X線照射部5及びX線検出器6の回転角度及び位置並びに寝台8の天板の傾斜及び位置が制御される。
一方、造影剤注入装置11から被検体Oに造影剤が注入される。そして、複数のファントムPを含む被検体OのX線画像データが収集される。X線画像データの収集は、制御系3による制御下における撮影系2の動作及びデータ処理系4におけるデータ処理によって実行される。具体的には、高電圧発生装置9からX線照射部5のX線管に高電圧が印加される。このため、X線照射部5からX線が複数のファントムPを含む被検体Oの撮影領域に向けて曝射される。そして、被検体Oを透過したX線がX線検出器6で検出される。
そうするとX線検出器6からX線検出信号がA/D変換器14を介して医用画像処理装置15に出力される。これにより、医用画像処理装置15のX線画像取得部16において、デジタル化されたX線画像データが取得される。
撮影期間において被検体Oには造影剤が注入されているため、X線画像データは、X線造影画像データとなる。従って、血管が黒く描出されたX線造影画像データが生成される。このX線造影画像データには、複数のファントムPも描出される。各ファントムPは、異なる造影剤の濃度を模擬しているため、異なる濃さで描出される。
次に、ステップS3において、補正関数決定部17Aは、X線造影画像データから各ファントムPをそれぞれ自動検出する。各ファントムPの自動検出は、X線造影画像データの画素値に基づく輪郭の抽出処理及びファントムPの既知の形状情報に基づくテンプレートマッチング等の画像認識によって行うことができる。従って、各ファントムPの形状が球形であれば、X線造影画像データの画素値に対する閾値処理によってそれぞれ抽出された2D領域と円形領域とのパターンマッチングによって各ファントムPを自動認識することができる。
次に、ステップS4において、補正関数決定部17Aは、認識された各ファントムPの画素値の最大値をそれぞれ測定する。各ファントムPが球形であれば、各ファントムPの中心位置における画素値が最大値となる。
尚、各ファントムPが占める2D領域内の複数の位置において画素値を測定し、複数の位置における画素値に基づく補間処理によって各ファントムPが占める2D領域の中心における画素値を高精度に求めるようにしてもよい。
これにより、複数のファントムPの画素値の最大値が代表値として取得される。取得された複数のファントムPの画素値は、各ファントムPが模擬する造影剤の濃度に対応する画像信号値となる。換言すれば、各ファントムPのX線吸収率を、X線造影画像データの画像信号値として測定することができる。
次に、ステップS5において、補正関数決定部17Aは、複数のファントムPの画像信号値に基づいて非線形の補正関数を決定する。具体例として、式(1)に示すようなX線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定するための4次関数が求められる。補正関数の各係数については、式(2-1)、式(2-2) 、式(2-3)、式(2-4)及び式(2-5)で示すような、各ファントムPの画素値とX線吸収係数とをパラメータとする連立方程式を解くことにより求めることができる。
尚、X線造影画像データの画像化領域を複数の領域に分割し、領域ごとに補正関数を決定するようにしてもよい。その場合には、図14に例示されるように、複数のファントムPで構成されるファントムセットを動かして複数フレームのX線造影画像データが撮影される。或いは、図15に例示されるように、複数のファントムPで構成されるファントムセットを複数の位置に配置して少なくとも1フレーム以上のX線造影画像データが撮影される。
また、動画データとして時系列のX線造影画像データを撮影する場合には、時相ごとに補正関数を求めるようにしてもよい。その場合においても、画像化領域を複数の領域に分割して補正関数を決定することができる。この場合、複数の時相及び複数の領域に対応する複数の補正関数が決定されることになる。
次に、ステップS6において、画像補正部17Bは、補正関数を用いてX線造影画像データの全画素値を補正する。この結果、SID等の画像信号値に影響を与える要因による信号値の変動分が補正された画素値が、全ての画素位置について造影剤の濃度として取得される。そして、補正後の造影剤の濃度又は補正後の造影剤の濃度に対応する値を画素値とするX線造影画像データを表示対象とすることができる。
次に、ステップS7において、補正後のX線造影画像が表示される。具体的には、補正関数による補正値又は補正値の比例値や対数値等の補正値に対応する値が画像補正部17Bから表示処理部17Eに与えられる。そうすると、表示処理部17Eは、補正値又は補正値に対応する値を画素値とする2D X線造影画像データに必要な表示処理を施して表示装置13に出力する。これにより、表示装置13には、造影剤の濃度が定量的に輝度表示されたX線造影画像が表示される。
尚、X線造影検査に先だって、濃度-画素値変換情報保存部17Dに保存された造影剤の濃度の真値と画像信号値との関係を示す情報に基づいて、各ファントムPのX線吸収率を校正するようにしてもよい。造影剤の濃度の真値と画像信号値との関係を示す情報については、所定の濃度を有する造影剤を実際にX線撮影することによって観測された造影剤の濃度に対応する画像信号値に基づいて、濃度補正情報取得部17Cにより予め取得しておくことができる。
つまり以上のようなX線診断装置1は、異なる造影剤の濃度を模擬した複数のファントムPをX線造影撮影の対象となる被検体Oとともに撮影し、複数のファントムPの画像信号値に基づいてX線造影画像データの画素値の校正を行うようにしたものである。また、医用画像処理装置15は、X線造影画像データの校正を行うために、ファントムPの画像信号値に基づいて、X線造影画像データの画像信号値から定量的な造影剤の濃度値を求めるための補正関数を決定するようにしたものである。一方、複数のファントムP及び各ファントムPをセットするための器具で構成されるファントムセットは、被検体OとともにX造影撮影された場合に、X線造影画像データの画像信号値を定量的な造影剤の濃度値に変換するための補正関数を求めることができるようにしたものである。
このため、X線診断装置1及び医用画像処理装置15によれば、X線造影画像データの画像信号値を極めて簡易に補正することによって、造影剤の濃度の定量化を図ることができる。
特に、X線診断装置1では、X線CT (computed tomography)装置とは異なり、画像信号値の変動要因となる散乱線の線量やBeam Hardening等を精度良く推定することが非常に困難である。これは、X線診断装置1によって撮影される元データが2D画像データであることに加え、撮影系2に対する被検体Oの相対位置が撮影中に変更される場合があるためである。例えば、寝台8が10cm移動しただけでも、X線検出器6に入射する散乱線の線量は無視できない程度に変化する。
これに対して、X線診断装置1及び医用画像処理装置15では、撮影対象となるX線造影画像データ中に被検体Oとともに描出されるファントムPの画像信号値を用いて各画素位置における画像信号値が補正される。すなわち、X線造影画像データの撮影条件と同一の撮影条件下において取得され、同様な誤差が重畳するファントムPの画像信号値に基づいてX線造影画像データに重畳する誤差が補正される。このため、管電圧やSID等の無数のバリエーションを有する撮影条件に対応する膨大な補正用のテーブルを事前に準備することなく、良好な精度で定量的な造影剤の濃度を求めることができる。
また、X線撮影中に管電圧、管電流、管電流のパルス幅、寝台8の位置等の撮影条件が変動したり、被検体Oの呼吸によって体厚が変動したりしても、変動による影響を補正することができる。例えば、X線管に印加される管電圧がフレーム間において時間的に変動する場合であっても、管電圧の変動による画像信号値の変動分を良好な精度で補正することができる。同様に、管電流やパルス幅がフレーム間において変化しても、管電流及びパルス幅の変動による画像信号値の変動分を良好な精度で補正することができる。
また、撮影前に予め準備した補正テーブルや補正関数によって画像信号値を補正する場合には、寝台8の位置や被検体Oの呼吸による体厚の変動による影響を補正することは非現実的であったが、X線造影画像データ中におけるファントムPの画像信号値を用いれば、正確な補正が可能である。更に、造影剤が腎臓での排出が追いつかない程度に短時間で投与されることによって、被検体Oの体内に造影剤が蓄積された場合であっても、特殊な補正を行うことなく、蓄積された造影剤の影響を補正することができる。
(第2の実施形態)
図18は本発明の第2の実施形態に係るX線診断装置及び医用画像処理装置の機能を説明する図である。
第2の実施形態におけるX線診断装置及び医用画像処理装置では、画像補正部が、補正関数を求めるために用いられた複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データに限らず、補正関数を用いて他のX線画像データの補正を行うことができるように構成されている点が第1の実施形態におけるX線診断装置1及び医用画像処理装置15と相違する。第2の実施形態におけるX線診断装置及び医用画像処理装置の他の構成及び作用については第1の実施形態におけるX線診断装置1及び医用画像処理装置15と実質的に異ならない。このため、画像補正部の機能についてのみ図面を参照して説明する。
第2の実施形態におけるデータ処理部は、複数のファントムに対応するX線造影画像データの各画素値に基づいて求められる非線形関数を用いた、X線造影画像データと異なる他のX線画像データの補正を行うことによって、被検体の補正後のX線造影画像データを生成できるように構成されている。従って、撮影系及びX線画像取得部では、図18に示すように、複数のファントムを含む被検体の第1のX線画像データと、複数のファントムを含まない被検体の第2のX線画像データとが取得される。そして、補正関数決定部では、第1のX線画像データに基づいて非線形関数が補正関数として求められる。一方、画像補正部では、非線形関数を用いて第1のX線画像データに加え、第2のX線画像データの補正を行うことによって、被検体の補正後のX線画像データを生成することができる。
尚、第1のX線画像データの撮影位置と同一の撮影位置における前記第2のX線画像データを取得することが現実的である。すなわち、同一の被検体に対して撮影系及び撮影位置を固定して繰返しX線画像データを収集する場合であれば、撮影条件の変化は無視できる。このため、2フレーム以降の所望のフレームのX線画像データを収集する際に、ファントムを撤去することができる。
実用的な例として、差分処理用のマスク画像データを第1のX線画像データとして収集した後、ライブ画像データとして時系列の複数フレームの第2のX線画像データを連続収集し、各フレームの第2のX線画像データと第1のX線画像データとの間における差分画像データを生成する場合が挙げられる。典型的には、マスク画像データの収集と、ライブ画像データの収集との間における間隔は、1秒程度である。そこで、マスク画像データの収集の際には、ファントムを撮影し、ライブ画像データの撮影の際にはファントムを除去することができる。
また、撮影目的によっては、10分程度の間隔を空けて複数フレームのX線画像データを収集する場合もある。そのような場合においても、撮影間の期間においてファントムを除去することができる。尚、撮影部位における動きや撮影系の移動等の相対的な変化がなければ、撮影間隔に依らず、2フレーム目以降の任意のフレームのX線画像データの収集の際にファントムを除外することができる。
もちろん、第1の実施形態と同様に、画像化領域を分割して補正関数を求めることもできる。また、複数のファントムを含む被検体の第1のX線画像データを複数フレーム分収集する場合であれば、複数のファントムの位置を変えて複数フレームの第1のX線画像データを収集するようにすることもできる。
以上のような第2の実施形態におけるX線診断装置及び医用画像処理装置によれば、第1の実施形態における効果と同様な効果に加え、ファントムの設置によって観察が困難となる領域を最小限に抑えることができるという効果が得られる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1 X線診断装置
2 撮影系
3 制御系
4 データ処理系
5 X線照射部
6 X線検出器
7 駆動機構
8 寝台
9 高電圧発生装置
10 撮影位置制御装置
11 造影剤注入装置
12 入力装置
13 表示装置
14 A/D変換器
15 医用画像処理装置
16 X線画像取得部
17 データ処理部
17A 補正関数決定部
17B 画像補正部
17C 濃度補正情報取得部
17D 濃度-画素値変換情報保存部
17E 表示処理部
P ファントム
O 被検体

Claims (7)

  1. 異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを取得する画像取得部と、
    前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成するデータ処理部と、
    を備え、
    前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める、医用画像処理装置。
  2. 前記データ処理部は、球形状を有する複数のファントムの各中心位置における画素値に基づいて前記非線形関数を求めるように構成される請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 前記データ処理部は、不等間隔で分布する複数のX線吸収率に対応する各画素値に基づいて前記非線形関数を求めるように構成される請求項1又は2記載の医用画像処理装置。
  4. 前記データ処理部は、前記非線形関数として3次式、4次式又は5次式を求めるように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記データ処理部は、予め取得された造影剤の濃度とX線造影画像データの画素値との間における関係を示す情報に基づいて、前記複数のファントムのX線吸収率における誤差の影響が補正された非線形関数を求めるように構成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  6. 異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを撮影する撮影系と、
    前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成するデータ処理部と、
    を備え、
    前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める、X線診断装置。
  7. コンピュータを、
    異なる造影剤の濃度に対応するX線吸収率と同等な、互いに異なる前記X線吸収率を有する3つ以上の複数のファントムを含む被検体のX線造影画像データであって、当該複数のファントムは、前記被検体と重なり、かつ、互いに異なる位置に配置されているX線造影画像データを取得する画像取得部、及び
    前記複数のファントムの前記X線吸収率及び前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素値に基づいて求められる、造影剤の濃度の真値とX線造影画像データの画素値との関係を示す非線形関数を用いて、前記X線造影画像データの画素値から造影剤の濃度の真値を推定し、前記推定された造影剤の濃度の真値に対応する値を前記X線造影画像データの画素値とする補正を行うことによって、前記被検体の補正後のX線造影画像データを生成するデータ処理部、
    として機能させ、
    前記データ処理部は前記複数のファントムの前記位置に対応する前記X線造影画像データの各画素における前記被検体の体厚を一定とみなして前記非線形関数を求める、医用画像処理プログラム。
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