以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。図中において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の長手方向に沿った方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の短手方向に沿った方向を示している。Zによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向を示している。
まず、本実施形態の組電池100を図1〜図16を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る組電池100を示す斜視図である。図2は、図1に示される組電池100から上部加圧板151と下部加圧板152および左右の側板153を分解してバスバカバー140を取り付けた状態の積層体100S全体を露出させた状態を示す斜視図である。図3は、図2に示される積層体100Sからバスバカバー140を取り外し、かつ、積層体100Sを電池群100Gとバスバユニット130に分解して示す斜視図である。図4は、図3に示されるバスバユニット130を分解して示す斜視図である。図5は、第1セルサブアッシ100M(3組毎に並列接続する単電池110)のアノード側電極タブ113Aと第2セルサブアッシ100N(3組毎に並列接続する単電池110)のカソード側電極タブ113Kをバスバ131によって接合する状態を模式的に分解して示す斜視図である。図6(A)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた状態を示す斜視図、図6(B)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付ける前の状態を示す斜視図である。図7は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を示す斜視図である。図8(A)は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131を接合した状態の要部を断面で示す斜視図、図8(B)は、図8(A)を側方から示す側面図である。図9は、図8(B)中に示す領域9を拡大した側面図である。図10(A)はバスバホルダ132の斜視図、図10(B)はアノード側バスバ131Aおよびカソード側バスバ131Kの斜視図、図10(C)は図10(A)中に示す領域10Cの拡大図である。図11(A)および図11(B)は、バスバカバー140の斜視図である。図12(A)は図11(A)中に示す領域12Aの拡大図、図12(B)は図11(B)中に示す領域12Bの拡大図、図12(C)は図12(B)の12C−12C線に沿う断面図である。図13(A)は電池群100Gにバスバカバー140を取り付ける際の要部を示す斜視図、図13(B)は電池群100Gにバスバカバー140を取り付ける際の図10(C)中に示す領域13Bに対応する部分の拡大図、図13(C)は電池群100Gにバスバカバー140を取り付けた状態の図10(C)に示す領域13Bに対応する部分の拡大図である。図14は、バスバカバー140を取り付けた状態の電池群100Gの正面図である。図15(A)は図14中に示す領域15Aの拡大図、図15(B)は図15(A)の15B−15B線に沿う断面図である。図16(A)は電圧検出用素子140Pを保持部140Qに保持させる際の要部を示す斜視図、図16(B)は保持部140Qの底面図、図16(C)は図16(B)の16C−16C線に沿う断面図である。
なお、図1に示される状態おいて、左手前側を組電池100全体および各構成部品の「前面側」といい、右手奥側を組電池100全体および各構成部品の「背面側」といい、右手前側および左手奥側を組電池100全体および各構成部品の左右の「側方側」という。
図1および図2に示すように、組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層した電池群100Gを含む積層体100Sを有する。組電池100はさらに、積層体100Sの前面側に取り付けられるバスバカバー140と、単電池110の積層方向に沿ってそれぞれの単電池110を加圧した状態において積層体100Sを収容する筐体150と、を有する。図3に示すように、積層体100Sは、電池群100Gと、電池群100Gの前面側に取り付けられ複数個のバスバ131を一体的に保持するバスバユニット130と、を有する。バスバカバー140は、バスバユニット130を被覆して保護する。図4に示すように、バスバユニット130は、複数個のバスバ131と、複数個のバスバ131をマトリクス状に一体的に取り付けるバスバホルダ132と、を有する。複数のバスバ131のうち、アノード側の終端にはアノード側ターミナル133を取り付け、カソード側の終端にはカソード側ターミナル134を取り付けている。
本実施形態の組電池100は、概説すれば、発電要素111を含み扁平に形成した電池本体110Hと、電池本体110Hから導出した電極タブ113と、を備えた単電池110を、厚み方向に複数枚積層してなり、電極タブ113の先端部113dが単電池110の積層方向Zに沿って屈折されている電池群100Gを有する。また、組電池100は、電圧検出用の端子部131dを備えるとともに、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113dに向かい合うように配置し、先端部113d同士を電気的に接続する平板状のバスバ131と、電池群100Gに取り付けられ、バスバ131を覆う絶縁性材料で形成されたバスバカバー140と、をさらに有する。バスバカバー140は、電圧検出用の端子部131dに接合され、単電池110の電圧を検出する電圧検出用素子140Pと、電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qと、当該バスバカバー140の厚み方向に貫通して形成され、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所に臨む第3開口140R(開口部に相当)と、を有する。以下、本実施形態の組電池100について詳述する。
図5に示すように、電池群100Gは、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第1セルサブアッシ100Mと、電気的に並列接続した別の3つの単電池110からなる第2セルサブアッシ100Nと、をバスバ131によって直列に接続して構成している。
第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nは、単電池110の電極タブ113の先端部113dの屈折方向を除いて同一の構成である。具体的には、第2セルサブアッシ100Nは、第1セルサブアッシ100Mに含まれる単電池110の天地を逆転させたものである。但し、第2セルサブアッシ100Nの電極タブ113の先端部113dの屈折方向は、第1セルサブアッシ100Mの電極タブ113の先端部113dの屈折方向と、同一になるように積層方向Zの下方の側に揃えている。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けている。
単電池110は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池に相当する。単電池110は、図6および図8に示すように、発電要素111を一対のラミネートフィルム112によって封止した電池本体110Hと、発電要素111に電気的に接続され電池本体110Hから外部に導出された薄板状の電極タブ113と、を備えている。
発電要素111は、正極と負極をセパレータで挟持したものを複数枚積層して構成している。発電要素111は、外部から電力の供給を受けて充電した上で、外部の電気デバイスに対して放電しつつ電力を供給する。
ラミネートフィルム112は、絶縁性を備えたシートによって金属箔の両側を覆って構成している。一対のラミネートフィルム112は、発電要素111を積層方向Zに沿った両側から被覆して、その四辺を封止している。一対のラミネートフィルム112は、図6に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの間から外部に向かって、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kを導出させている。
ラミネートフィルム112は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、第1スペーサ121の一対の連結ピン121iをそれぞれ挿通させている。一方、ラミネートフィルム112は、短手方向Yに沿った他端部112bの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、一対の連結ピン122iをそれぞれ挿通させている。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの上方に向かって折り曲げて形成している。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの下方に向かって折り曲げて形成してもよい。
電極タブ113は、図6、図8、および図9に示すように、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kから構成し、それぞれ一対のラミネートフィルム112の一端部112aの間から互いに離間した状態において外部に向かって延在している。アノード側電極タブ113Aは、発電要素111中のアノード側の構成部材の特性に合わせて、アルミニウムからなる。カソード側電極タブ113Kは、発電要素111中のカソード側の構成部材の特性に合わせて、銅からなる。
電極タブ113は、図8および図9に示すように、電池本体110Hと隣接する基端部113cから先端部113dにかけてL字状に形成している。具体的には、電極タブ113は、その基端部113cから長手方向Xの一方に沿って延在している。一方、電極タブ113の先端部113dは、積層方向Zの下方に沿って屈折して形成している。電極タブ113の先端部113dの形状は、L字形状に限定されない。電極タブ113の先端部113dは、バスバ131と対面するように面状に形成している。電極タブ113は、先端部113dをさらに延在させ、その延在部分を基端部113cに沿って電池本体110H側に折り返すようにして、U字形状に形成してもよい。一方、電極タブ113の基端部113cは、波状に形成したり湾曲形状に形成したりしてもよい。
各々の電極タブ113の先端部113dは、複数枚積層した単電池110において、図5および図8に示すように、積層方向Zの下方に揃えて屈折させている。ここで、組電池100は、図5に示すように、電気的に並列接続した3つの単電池110(第1セルサブアッシ100M)と、電気的に並列接続した別の3つの単電池110(第2セルサブアッシ100N)を、直列に接続している。したがって、3つの単電池110毎に、その単電池110の天地を入れ替えて、単電池110のアノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの位置を、積層方向Zに沿って交差させるようにしている。
但し、3つの単電池110毎の天地を単純に入れ替えただけでは、電極タブ113の先端部113dの位置が積層方向Zに沿った上下方向にばらついてしまうため、全ての単電池110の電極タブ113の先端部113dの位置が揃うように調整して屈折させている。
図5の下方に図示した第1セルサブアッシ100Mは、図中の右側にアノード側電極タブ113Aを配置し、図中の左側にカソード側電極タブ113Kを配置している。一方、図5の上方に図示した第2セルサブアッシ100Nは、図中の右側にカソード側電極タブ113Kを配置し、図中の左側にアノード側電極タブ113Aを配置している。
このように、アノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの配置が異なっていても、単電池110の電極タブ113の先端部113dは積層方向Zに沿った下方に屈折している。また、各々の電極タブの113の先端部113dは、図3に示すように、積層体100Sの同一面の側に配設している。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面に位置する単電池110には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。
一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、図3、図5、および図8に示すように、積層した単電池110の間に配設している。第1スペーサ121は、図6に示すように、単電池110の電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aに沿って配設している。第2スペーサ122は、図6に示すように、ラミネートフィルム112の他端部112bに沿って配設している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた上で、積層方向Zに沿って複数枚積層する。一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。以下、第1スペーサ121の構成について説明した後に、第2スペーサ122の構成について第1スペーサ121の構成と比較しつつ説明する。
第1スペーサ121は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿って長尺な直方体形状から形成している。第1スペーサ121は、その長手方向(短手方向Y)の両端に載置部121Mおよび121Nを備えている。
第1スペーサ121は、図8(B)に示すように、単電池110に取り付けた状態で積層したとき、一の第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの上面121aと、当該一の第1スペーサ121の上方に配設された他の第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの下面121bが、当接する。
第1スペーサ121は、図7および図8(B)に示すように、複数枚積層する単電池110の相対的な位置決めを行うために、一の第1スペーサ121の上面121aに備えられた位置決ピン121cと、他の第1スペーサ121の下面121bに開口し位置決ピン121cの位置に対応した位置決穴121dを、嵌合させる。
第1スペーサ121は、図7に示すように、積層方向Zに沿って連結する複数の組電池100同士を連結するボルトを挿通するためにロケート孔121eを、積層方向Zに沿って載置部121Mおよび121Nにそれぞれ開口している。
第1スペーサ121は、図6(B)および図7に示すように、載置部121Mおよび121Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いたように形成している。当該切り欠いた部分は、第1スペーサ121の長手方向(単電池110の短手方向Y)に沿って第1支持面121gおよび第2支持面121hを備えている。第1支持面121gは、第2支持面121hよりも積層方向Zに沿って高く形成し、かつ、単電池110側に位置している。
第1スペーサ121は、図6に示すように、第1支持面121gによって、電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aを載置して支持している。第1スペーサ121は、第1支持面121gの両端から上方に突出した一対の連結ピン121iを備えている。
第1スペーサ121は、図8および図9に示すように、電極タブ113にバスバ131と反対側から当接して単電池110の電極タブ113の先端部113dを支持する支持部121jを、第2支持面121hと隣接し、積層方向Zに沿った側面に備えている。第1スペーサ121の支持部121jは、バスバ131と共に電極タブ113の先端部113dを挟持して、先端部113dとバスバ131が互いに十分に当接するようにしている。
第2スペーサ122は、図6および図7に示すように、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の一部を単電池110の短手方向Yに沿って削除した構成に相当する。具体的には、第2スペーサ122は、第1スペーサ121の第2支持面121hおよび第1支持面121gを支持面122kに置き換えて構成している。具体的に、第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、載置部122Mおよび122Nを備えている。第2スペーサ122は、載置部122Mおよび122Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いた部分に、支持面122kを備えている。支持面122kは、ラミネートフィルム112の他端部112bを載置して支持している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、位置決ピン122c、位置決穴、ロケート孔122e、および連結ピン122iを備えている。
バスバユニット130は、図3および図4に示すように、バスバ131を一体的に複数備えている。バスバ131は、導電性を備えた金属からなり、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113d同士を電気的に接続する。バスバ131は、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。
バスバ131は、一の単電池110のアノード側電極タブ113Aとレーザ溶接するアノード側バスバ131Aと、積層方向Zに沿って隣り合う他の単電池110のカソード側電極タブ113Kとレーザ溶接するカソード側バスバ131Kを、接合して一体的に構成している。
アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4および図8に示すように、同一の形状からなり、それぞれL字状に形成している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、天地を反転させて重ね合わせている。具体的には、バスバ131は、アノード側バスバ131Aの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分と、カソード側バスバ131Kの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分を接合して、一体化している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4に示すように、短手方向Yの一端から長手方向Xに沿って側部131cを備えている。側部131cは、バスバホルダ132に接合する。
アノード側バスバ131Aは、アノード側電極タブ113Aと同様に、アルミニウムからなる。カソード側バスバ131Kは、カソード側電極タブ113Kと同様に、銅からなる。異なる金属からなるアノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、超音波接合によって互いに接合している。
バスバ131は、図5に示すように、組電池100が例えば3つの単電池110を並列接続したものを複数組にわたって直列接続して構成されたものである場合、アノード側バスバ131Aの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ溶接する。同様に、バスバ131は、カソード側バスバ131Kの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ溶接する。
但し、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中右上に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のアノード側の終端に相当し、アノード側バスバ131Aのみから構成している。このアノード側バスバ131Aは、電池群100Gの最上部の3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ接合する。同様に、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中左下に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のカソード側の終端に相当し、カソード側バスバ131Kのみから構成している。このカソード側バスバ131Kは、電池群100Gの最下部の3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ接合する。
バスバホルダ132は、図3に示すように、複数のバスバ131を、複数枚積層した各々の単電池110の電極タブ113に対面するようにマトリクス状に一体的に保持している。バスバホルダ132は、絶縁性を備えた樹脂からなり、枠状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、単電池110の電極タブ113を支持している方の第1スペーサ121の長手方向の両側に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の支柱部132aをそれぞれ備えている。一対の支柱部132aは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの側面に嵌合する。一対の支柱部132aは、積層方向Zに沿って視認した場合にL字状であって、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。バスバホルダ132は、第1スペーサ121の長手方向の中央付近に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の補助支柱部132bを離間させて備えている。一対の補助支柱部132bは、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、積層方向Zに沿って隣り合うバスバ131の間にそれぞれ突出する絶縁部132cを備えている。絶縁部132cは、短手方向Yに沿って延在した板状に形成している。各々の絶縁部132cは、支柱部132aと補助支柱部132bとの間に水平に備えている。絶縁部132cは、積層方向Zに沿って隣り合う単電池110のバスバ131の間を絶縁することによって放電を防止する。
バスバホルダ132は、それぞれ独立して形成した支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを互いに接合して構成してもよいし、支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを一体的に成形して構成してもよい。
アノード側ターミナル133は、図3及び図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのアノード側の終端に相当する。
アノード側ターミナル133は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中右上に位置するアノード側バスバ131Aに接合する。アノード側ターミナル133は、導電性を備えた金属板からなり、短手方向Yに沿って視認した場合、中央部133aを基準にして、一端部133bと他端部133cを積層方向Zに沿って異なる方向に屈折させた形状からなる。一端部133bは、アノード側バスバ131Aにレーザ接合する。他端部133cは、その中央に開口した孔133d(ネジ溝を含む)に、外部の入出力端子を接続させる。
カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのカソード側の終端に相当する。カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中左下に位置するカソード側バスバ131Kに接合する。カソード側ターミナル134は、アノード側ターミナル133と同様の構成からなる。
図10(B)に示すように、アノード側バスバ131A(カソード側バスバ131K)は、電圧検出用の端子部131dを備える。本実施形態において、電圧検出用の端子部131dは、アノード側バスバ131A(カソード側バスバ131K)の長手方向の両端部131eのうちの一の端部に形成されている。電圧検出用の端子部131dは、アノード側バスバ131A(カソード側バスバ131K)と一体をなした状態において、アノード側バスバ131A(カソード側バスバ131K)の長手方向の端部131eから延出された形状を備える。
図10(A)および図10(C)に示すように、バスバホルダ132は、アノード側バスバ131A(カソード側バスバ131K)が備える電圧検出用の端子部131dを支持する支持部132dを備える。支持部132dは、バスバホルダ132の補助支柱部132bの側面から、積層方向Zに交差する方向に突出した形状を備える。
バスバカバー140は、図1〜図3に示すように、電池群100Gに取り付けられる。バスバカバー140は、バスバユニット130を被覆することによって、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。さらに、バスバカバー140は、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を外部に臨ませて、各々の単電池110の発電要素111に充放電をさせる。バスバカバー140は、絶縁性材料からなる。本実施形態において、バスバカバー140は、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
バスバカバー140は、図3に示すように、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。バスバカバー140は、その側面140aの上端140bと下端140cを長手方向Xに沿って屈折した形状からなり、バスバユニット130に嵌合させる。
バスバカバー140の側面140aは、図2および図3に示すように、バスバユニット130に備えられたアノード側ターミナル133に対応する位置に、当該アノード側ターミナル133よりも若干大きい矩形状の孔からなる第1開口140dを備えている。同様に、バスバカバー140の側面140aは、バスバユニット130に備えられたカソード側ターミナル134に対応する位置に、当該カソード側ターミナル134よりも若干大きい矩形状の孔からなる第2開口140eを備えている。
図11〜図16を参照して、バスバカバー140についてさらに詳述する。
図11および図12に示すように、バスバカバー140は、単電池110の電圧を検出する電圧検出用素子140Pと、当該電圧検出用素子を保持する保持部140Qと、当該バスバカバー140の厚み方向に貫通して形成される第3開口140R(開口部に相当)と、を備える。バスバカバー140の厚み方向は、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、単電池110の長手方向Xに対応する。
電圧検出用素子140Pは、電圧検出用の端子部131dに接合される。本実施形態では、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとは、レーザ溶接によって接合される。
図13および図14に示すように、保持部140Qは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する。電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置とは、換言すれば、図14に示すように、バスバカバー140を当該バスバカバー140の取り付け方向から平面視した際に、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに重なる位置である。バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられることによって、電圧検出用素子140Pが、電圧検出用の端子部131dに配置される。なお、図13(B)および図13(C)では、バスバカバー140の側面140aを省略している。
図15(A)に示すように、第3開口140Rは、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所140fに臨んでいる。別の言い方をすれば、第3開口140Rは、バスバカバー140を当該バスバカバー140の取り付け方向から平面視した際に、接合箇所140fが当該第3開口140Rの輪郭の内部に含まれるように開口している。
図12(C)および図15(B)に示すように、保持部140Qは、バスバ131が備える電圧検出用の端子部131dに電圧検出用素子140Pを押し付ける一対の加圧部140Sを備える。
本実施形態において、保持部140Qは、図12(B)、図12(C)および図15(B)に示すように、電圧検出用素子140Pを挟んで対向する位置において、バスバカバー140の側面140aから突出している一対の縦壁140gを備える。縦壁140gは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバカバー140の側面140aからバスバ131が備える電圧検出用の端子部131dに向かう方向に突出している。縦壁140gは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバカバー140の側面140aからバスバ131が備える電圧検出用の端子部131dとの間に亘って延伸している。
本実施形態において、一対の加圧部140Sは、図12(C)および図15(B)に示すように、一対の縦壁140gから互いに近づく方向に突出している。一対の加圧部140Sは、電圧検出用素子140Pにおいて、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態においてバスバ131の電圧検出用の端子部131dに当接する面とは反対側の面に当接する加圧面140Saを備える。加圧面140Saは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、電圧検出用素子140Pをバスバ131が備える電圧検出用の端子部131dに向かって押圧する。
本実施形態では、保持部140Qは、図16に示すように、電圧検出用素子140Pが保持部140Qから脱落するのを防止する脱落防止部140Uを備える。脱落防止部140Uの形態は、電圧検出用素子140Pが保持部140Qから脱落するのを防止できる限りにおいて限定されない。本実施形態において、脱落防止部140Uは、電圧検出用素子140Pに当接して加圧部140Sとの間において電圧検出用素子140Pを挟持する。電圧検出用素子140Pは、加圧部140Sと脱落防止部140Uとの間に挟持されることによって、保持部140Qからの脱落が防止される。
図11および図12に示すように、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pに接続され、当該電圧検出用素子140Pからの信号を伝達する信号線140Tをさらに有する。
信号線140Tの形態は、電圧検出用素子140Pからの信号を伝達し得る限りにおいて限定されない。本実施形態において、信号線140Tは、長尺状の金属からなる部材と、当該部材を被覆する絶縁性の材料からなる被覆材と、から構成される長尺状の部材である。
信号線140Tと電圧検出用素子140Pとの接続の形態は、当該信号線140Tが当該電圧検出用素子140Pからの信号を伝達し得る限りにおいて特に限定されない。本実施形態において、信号線140Tと電圧検出用素子140Pとの接続は、コネクタ140Taを介して行われる。コネクタ140Taは、信号線140Tと電圧検出用素子140Pとを、導電可能な状態で接続する。
信号線140Tは、電圧検出用素子140Pの各々に接続されている。電圧検出用素子140Pの各々に接続された信号線140Tは、バスバカバー140の短手方向の中央付近において束になっている。バスバカバー140の短手方向は、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、単電池110の短手方向Yに対応する。
バスバカバー140は、上端140bにおいて、当該バスバカバー140の短手方向の中央付近に第4開口140hを備える。図14に示すように、バスバカバー140の短手方向の中央付近において束になった信号線140Tは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、第4開口140hを通過してバスバカバー140から取り出される。
図10(A)および図10(B)に示すように、バスバホルダ132は、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバカバー140が備える信号線140Tを収容する収容部132fを備える。本実施形態において、収容部132fは、バスバホルダ132の一対の補助支柱部132b同士の間に形成されている。
収容部132fは、補助支柱部132bにおいて、収容部132f側の側面とは反対側の側面において、当該収容部132fに連通する開口部132gを備える。図13(B)および図13(c)に示すように、信号線140Tは、当該信号線140Tの一部を開口部132gに通過させた状態において収容部132fに収容される。
上述したように、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qを備える。そして、保持部140Qは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けるのと同時に電圧検出用の端子部131dに電圧検出用素子140Pを配置できる。さらに、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所140fに臨む第3開口140Rを備える。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けた状態において、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合できる。その結果、治具を別途用意して電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに固定する作業を行うことなく、電圧検出用素子140Pをバスバ131に接合できる。
また、上述したように、電極タブ113の先端部113dは単電池110の積層方向Zに沿って屈折されている。これにより、電極タブ113の先端部113d同士を電気的に接続するバスバ131の形状を平板形状にすることができる。具体的には、電極タブ113の先端部113dとバスバ131とは、当該電極タブ113の先端部113dとバスバ131との間において電流を流れ易くするために面接触することが好ましい。しかしながら、単電池110を厚み方向に複数枚積層した電池群100Gにおいて、電極タブ113の先端部113dが単電池110の積層方向Zに沿って屈折されていない場合、バスバ131を屈折させなければ電極タブ113の先端部113dとバスバ131とを面接触させることができない。
一方、本実施形態では、電極タブ113の先端部113dが単電池110の積層方向Zに沿って屈折されていることによって、バスバ131を屈折させなくても電極タブ113の先端部113dに面接触させることができる。これにより、バスバ131を平板形状にすることができる。その結果、電圧検出用の端子部131dにおいて電圧検出用素子140Pに当接する面の面積がより大きくなるように、電圧検出用の端子部131dをバスバ131の長手方向の端部131eから延出させることが容易になる。電圧検出用の端子部131dにおいて電圧検出用素子140Pに当接する面の面積がより大きくなることによって、電圧検出用の端子部131dへの電圧検出用素子140Pの配置が容易になる。
また、上述したように、保持部140Qは、電圧検出用素子140Pをバスバ131が備える電圧検出用の端子部131dに押し付ける加圧部140Sを備える。これにより、電圧検出用素子140Pをバスバ131に接合する際に、電圧検出用素子140Pをバスバ131に十分に接触させることができる。そのため、電圧検出用素子140Pとバスバ131との接合品質が向上する。
また、上述したように、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pに接続され、当該電圧検出用素子140Pからの信号を伝達する信号線140Tをさらに有する。これにより、バスバカバー140を組電池100に取り付けるのと同時に、電圧検出用素子140Pからの信号を伝達する信号線140Tの配線も完了できる。
筐体150は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向に沿って加圧した状態において収容している。上部加圧板151および下部加圧板152によって、電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111を挟持しつつ加圧することによって、発電要素111に適正な面圧を与える。
上部加圧板151は、図1と図2に示すように、電池群100Gの積層方向Zに沿った上方に配設している。上部加圧板151は、積層方向Zに沿って下方に突出した加圧面151aを、中央に備えている。加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を下方に押圧する。上部加圧板151は、短手方向Yに沿った両側から、長手方向Xに沿って延在した保持部151bを備えている。保持部151bは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121N、または第2スペーサ122の載置部122Mおよび122Nを被覆する。保持部151bの中央には、第1スペーサ121の位置決穴121dまたは第2スペーサ122の位置決穴122dと積層方向Zに沿って連通するロケート孔151cが開口している。ロケート孔151cは、組電池100同士を連結するボルトを挿通する。上部加圧板151は、十分な厚みを備えた金属板からなる。
下部加圧板152は、図1と図2に示すように、上部加圧板151と同一の構成からなり、上部加圧板151の天地を逆転させている。下部加圧板152は、電池群100Gの積層方向Zに沿った下方に配設している。下部加圧板152は、積層方向Zに沿って上方に突出した加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を上方に押圧する。
一対の側板153は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向Zの上下から挟持しつつ加圧している上部加圧板151および下部加圧板152が互いに離間しないように、上部加圧板151および下部加圧板152の相対位置を固定する。側板153は、矩形状の金属板からなり、積層方向Zに沿って起立している。一対の側板153は、上部加圧板151および下部加圧板152に対して電池群100Gの短手方向Yの両側からレーザ溶接によって接合する。各々の側板153は、上部加圧板151と当接している上端153aの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。同様に、各々の側板153は、下部加圧板152と当接している下端153bの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。一対の側板153は、電池群100Gの短手方向Yの両側を被覆して保護する。
つぎに、組電池100の製造方法を図17〜図25を参照しつつ説明する。
組電池100の製造方法(製造工程)は、組電池100を構成する部材を積層する積層工程(図17)、組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程(図18)、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程(図19)、バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程(図20〜図23)、バスバカバー140に電圧検出用素子140Pを保持させる工程、バスバカバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程(図24)、および電圧検出用素子140Pをバスバ131の電圧検出用の端子部131dに接合する工程(図25)を備えている。
組電池100を構成する部材を積層する積層工程について図17を参照しつつ説明する。
図17は、本実施形態に係る組電池100の製造方法を示す図であって、組電池100を構成する部材を載置台701に対して順に積層している状態を模式的に示す斜視図である。
積層工程に用いる載置台701は、板状に形成し、水平面に沿って設けている。載置台701は、順に積層する下部加圧板152、第1セルサブアッシ100M、第2セルサブアッシ100N、および上部加圧板151の長手方向Xおよび短手方向Yに沿った相対的な位置を合わせる位置決め用のロケートピン702を備えている。ロケートピン702は、載置台701の上面701aに、所定の間隔を隔てて4本起立している。4本のロケートピン702の互いの間隔は、例えば、上部加圧板151の4隅に備えられたロケート孔152cの互いの間隔に対応している。ロボットアーム、ハンドリフタ、および真空吸着タイプのコレット等を用いて、組電池100を構成する部材を積層する。
積層工程では、図17に示すように、ロボットアームによって、下部加圧板152を、その四隅に設けたロケート孔152cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、載置台701の上面701aに載置する。次に、ロボットアームによって、第1セルサブアッシ100Mを、その構成部材の第1スペーサ121および第2スペーサ122に備えたロケート孔がロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、下部加圧板152に積層する。同様に、ロボットアームによって、第2セルサブアッシ100Nと第1セルサブアッシ100Mを、交互に3組ずつ積層する。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。その後、ロボットアームによって、上部加圧板151を、その四隅に設けたロケート孔151cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、第1セルサブアッシ100Mに積層する。
組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程について図18を参照しつつ説明する。
図18は、図17に引き続き、組電池100の構成部材を上方から押圧している状態を模式的に示す斜視図である。
加圧工程に用いる加圧治具703は、板状に形成し水平面に沿って設けた加圧部703aと、円柱形状に形成し加圧部703aの上面に起立させて接合した支持部703bを備えている。支持部703bは、積層方向Zに沿って駆動する電動ステージや油圧シリンダを連結している。加圧部703aは、支持部703bを介して、積層方向Zに沿って下方および上方に移動する。加圧部703aは、当接した積層部材を加圧する。
加圧工程では、図18に示すように、加圧治具703の加圧部703aは、支持部703bに連結した電動ステージが駆動することによって、上部加圧板151に当接しつつ積層方向Zの下方に沿って降下する。下方に沿って押圧された上部加圧板151と、載置台701に載置された下部加圧板152によって、電池群100Gを挟持しつつ加圧する。電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111は、適正な面圧が与えられる。加圧工程は、次の第1接合工程が完了するまで継続する。
側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程について図19を参照しつつ説明する。
図19は、図18に引き続き、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第1接合工程に用いる押板704は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してそれぞれ押圧して、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152にそれぞれ密着させる。押板704は、金属からなり、長尺な板形状に形成している。押板704は、本体704aに長手方向に沿って直線状のスリット704bを開口している。押板704は、積層方向Zに沿って、その短手方向を起立させている。押板704は、本体704aによって側板153を押圧しつつ、スリット704bによって溶接用のレーザ光L1を通過させる。
レーザ発振器705は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する光源である。レーザ発振器705は、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザから構成する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、光ファイバーやミラーによって光路を調整し、集光レンズによって集光した状態において、側板153の上端153aと下端153bに対して照射する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、ハーフミラーによって分岐させて、側板153の上端153aおよび下端153bに対して同時に照射する構成としてもよい。
第1接合工程では、図19に示すように、レーザ発振器705が、押板704によって押圧された側板153の上端153aに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と上部加圧板151を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。同様に、レーザ発振器705は、押板704によって押圧された側板153の下端153bに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と下部加圧板152を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。
バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程について図20〜図23を参照しつつ説明する。
図20は、図19に引き続き、電池群100Gにバスバユニット130の一部の部材を取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。図21は、図20に引き続き、バスバユニット130のバスバ131を単電池110の電極タブ113に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。図22は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131をレーザ接合している状態の要部を断面で示す側面図である。図23は、図21および図22に引き続き、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134をアノード側バスバ131Aおよびカソード側バスバ131Kに対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第2接合工程では、図19から図20に示すように、載置台701が、図中の反時計回りに90°回転して、電池群100Gの電極タブ113とレーザ発振器705を対面させる。さらに、各々のバスバ131が一体的に保持されたバスバホルダ132を、ロボットアームによって、電池群100Gの対応する電極タブ113に当接させつつ押圧し続ける。さらに、図21および図22に示すように、レーザ発振器705は、バスバ131にレーザ光L1を照射して、バスバ131と電極タブ113の先端部113dをシーム溶接またはスポット溶接して接合する。その後、図23に示すように、アノード側ターミナル133を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、アノード側の終端に相当するアノード側バスバ131A(図4中右上)に接合する。同様に、カソード側ターミナル134を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、カソード側の終端に相当するカソード側バスバ131K(図4中左下)に接合する。
バスバ131の電圧検出用の端子部131dに接合される電圧検出用素子140Pを保持させる工程では、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けたときに、当該バスバカバー140に保持した電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持させる(図13および図14参照)。
バスバカバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程について図24を参照しつつ説明する。
図24は、図23に引き続き、バスバカバー140をバスバユニット130に取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。
実装工程では、ロボットアームを用いて、バスバカバー140の上端140bと下端140cをバスバユニット130に嵌合させつつ、バスバカバー140をバスバユニット130に取り付ける。バスバカバー140の上端140bと下端140cは、バスバユニット130に対して接着剤によって接合してもよい。バスバカバー140は、第1開口140dからアノード側ターミナル133を外部に臨ませ、かつ、第2開口140eからカソード側ターミナル134を外部に臨ませる。バスバカバー140によってバスバユニット130を被覆して、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。
電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合する工程について図25を参照しつつ説明する。
図25は、図24に引き続き、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合している状態を示す斜視図である。
電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合する工程では、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けた状態において、当該バスバカバー140ーの厚み方向に貫通する第3開口140Rを通してレーザを照射することによって、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合する。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けた状態において、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合できる。製造が完了した組電池100は、載置台701から取り外して、電池性能等を検査する検査工程に搬出する。
図17〜図25を参照しつつ説明した組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が担う半自動機、または工程全般を作業者が担うマニュアル機のいずれの形態によって具現化してもよい。
上述した本実施形態に係る組電池100および組電池用のバスバカバー140並びに組電池100の製造方法によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態に係る組電池100および組電池100の製造方法は、発電要素111を含み扁平に形成した電池本体110Hと、電池本体110Hから導出した電極タブ113と、を備えた単電池110を、厚み方向に複数枚積層してなり、電極タブ113の先端部113dが単電池110の積層方向Zに沿って屈折されている電池群100Gを有する。また、組電池100および組電池100の製造方法は、電圧検出用の端子部131dを備えるとともに、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113dに向かい合うように配置し、先端部113d同士を電気的に接続する平板状のバスバ131と、電池群100Gに取り付けられ、バスバ131を覆う絶縁性材料で形成されたバスバカバー140と、をさらに有する。バスバカバー140は、電圧検出用の端子部131dに接合され、単電池110の電圧を検出する電圧検出用素子140Pと、電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qと、当該バスバカバー140の厚み方向に貫通して形成され、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所に臨む第3開口140Rと、を有する。
このように構成した組電池100および組電池100を製造する方法によれば、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qを備える。そして、保持部140Qは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けるのと同時に電圧検出用の端子部131dに電圧検出用素子140Pを配置できる。さらに、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所140fに臨む第3開口140Rを備える。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けた状態において、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合できる。その結果、治具を別途用意して電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに固定する作業を行うことなく、電圧検出用素子140Pをバスバ131に接合できる。従って、電圧検出用素子のバスバへの取り付け作業を効率的に行うことができる組電池および組電池の製造方法を提供できる。
また、本実施形態に係る組電池100において、保持部140Qは、電圧検出用素子140Pをバスバ131に押し付ける加圧部140Sを備える。
このように構成した組電池100によれば、電圧検出用素子140Pをバスバ131に接合する際に、電圧検出用素子140Pをバスバ131に十分に接触させることができる。これにより、電圧検出用素子140Pとバスバ131との接合品質が向上する。従って、電圧検出用素子のバスバへの取り付けを確実に行うことができる。
また、本実施形態に係る組電池100において、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pに接続され、当該電圧検出用素子140Pからの信号を伝達する信号線140Tをさらに有する。
このように構成した組電池100によれば、バスバカバー140を組電池100に取り付けるのと同時に、電圧検出用素子140Pからの信号を伝達する信号線140Tの配線も完了できる。これにより、電圧検出用素子のバスバへの取り付け作業をさらに効率的に行うことができる。
また、本実施形態に係るバスバカバー140は、単電池110を複数枚積層してなる電池群100Gに取り付けられて、異なる単電池110の電極タブ113を電気的に接続する平板状のバスバ131を覆う、絶縁性材料で形成された組電池用のバスバカバー140である。本実施形態に係るバスバカバー140は、バスバ131が備える電圧検出用の端子部131dに接合され、単電池110の電圧を検出する電圧検出用素子140Pと、電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qと、を有する。本実施形態に係るバスバカバー140は、当該バスバカバー140の厚み方向に貫通して形成され、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所140fに臨む第3開口140Rをさらに有する。
このように構成したバスバカバー140によれば、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pを保持する保持部140Qを備える。そして、保持部140Qは、バスバカバー140が電池群100Gに取り付けられている状態において、電圧検出用素子140Pが電圧検出用の端子部131dに配置される位置において電圧検出用素子140Pを保持する。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けるのと同時に電圧検出用の端子部131dに電圧検出用素子140Pを配置できる。さらに、バスバカバー140は、電圧検出用素子140Pと電圧検出用の端子部131dとの接合箇所に臨む第3開口140Rを備える。これにより、バスバカバー140を電池群100Gに取り付けた状態において、電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに接合できる。そのため、治具を別途用意して電圧検出用素子140Pを電圧検出用の端子部131dに固定する作業を行うことなく、電圧検出用素子140Pをバスバ131に接合できる。従って、電圧検出用素子のバスバへの取り付け作業を効率的に行うことができる組電池用のバスバカバーを提供できる。
以上、実施形態を通じて組電池および組電池用のバスバカバー並びに組電池の製造方法を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。