JP6689394B2 - 電動機及びそれを備えた圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁性能を重視した電動機及びそれを備えた圧縮機に関する。
従来の電動機の駆動部は、円環状の固定子と、この固定子の内周側に回転自在に配置された回転子とで構成されている。固定子は磁性体である複数の鉄心で形成されており、鉄心には絶縁体である絶縁部材が係合される。絶縁部材には電流が流れる巻線が巻装される。
このような電動機は、回転子が回転することによって軸受等が摺動し、金属同士が擦れ合うことで摩耗粉等の異物が発生する。その異物が電動機の巻線や鉄心などの絶縁状態を低下させる。そのため、異物対策を行った電動機が提案されている。
異物対策機構を搭載した電動機の一例として、電動機の巻線にワニスを含浸させるものが一般的に知られている(たとえば、特許文献1を参照)。この電動機は、巻線をワニスでコーティングすることで、異物で巻線が傷つくのを防ぎ、表面の絶縁性を向上させている。
また、電動機の巻線をバランサカバーの係合凹部で覆っている構造が知られている(たとえば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載の電動機は、樹脂でバランサカバーを形成することで巻線を覆うことができ、巻線への異物の付着を防いでいる。
特開2013−172518号公報 特開2014−173525号公報
このように従来、巻線等への異物の付着や堆積を防止する対策がとられているが、特許文献1に記載されているようなワニスによる巻線の保護では、巻線後にワニスを含浸し固着させるための時間や手間が余計にかかるため、加工費やワニスの材料費によりコストアップしてしまう。
また、特許文献2に記載されているようなバランサカバーを搭載した圧縮機の場合、形状が複雑であるため、電動機の冷却に影響を及ぼす可能性がある。
さらに、一般的に磁石などにより、金属摩耗粉を吸着させる構造をとることもあるが、アルミや銅などの非磁性金属では吸着することができず、電動機の絶縁性能が低下することもある。
本発明に係る電動機及びそれを備えた圧縮機は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電動機の軸受等の摺動部によって発生した異物が電動機の巻線や鉄心に付着することで絶縁性能が低下することを防止し、絶縁距離を確保して、電動機の故障を抑制することを目的とするものである。
本発明に係る電動機は、磁性体で形成された鉄心を有する複数の固定子を円環形状に配置した固定子ユニットと、前記固定子ユニットの軸方向で前記鉄心の端部に配置された絶縁部材と、前記絶縁部材に巻回される巻線と、前記鉄心と前記巻線とを絶縁する絶縁フィルムと、を有し、前記絶縁フィルムは、前記鉄心と前記絶縁部材との間に固定されており、前記鉄心は、前記絶縁部材が前記絶縁フィルムを介して係合する溝形状のスロット部を有し、前記絶縁部材は、前記巻線が巻回される基部と、前記スロット部に前記絶縁フィルムを介して係合する脚部と、を有し、前記脚部は、前記固定子ユニットの内周側に形成された内周脚部と、前記固定子ユニットの外周側に形成された外周脚部と、前記内周脚部の一端側と前記外周脚部の一端側とを接続する中央脚部と、により構成され、前記内周脚部と、前記中央脚部と、前記外周脚部とは、断面U字形状となるよう連続して形成され、前記内周脚部には、前記絶縁フィルムが挿通される溝部が形成され、前記内周脚部は、前記固定子ユニットの内周側に形成された内周面部と、前記固定子ユニットの周方向に形成された第1側面部と、を有し、前記溝部は、前記内周面部と前記第1側面部とを貫通するように形成されたものである。
本発明に係る電動機及びそれを備えた圧縮機によれば、鉄心や巻線の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性が向上する。
本発明の実施の形態1に係る圧縮機100の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子ユニット35を上側から見た上面図である。 本発明の実施の形態1に係る鉄心50を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る上部絶縁部材60を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る上部絶縁部材60を固定子31の内周面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る下部絶縁部材70を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る下部絶縁部材70を固定子31の内周面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る絶縁フィルム80の平面図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31の巻線55を除いた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31を内周側から見た平面図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31を上方側から見た上面図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31の水平方向断面図(図14におけるB−B断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31の鉛直方向断面図(図13におけるA−A断面図)である。 図13のスロット部周りにおける部分拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の部分斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の内周側から見た部分斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の部分上面図である。 本発明の実施の形態2に係る固定子31の水平方向断面図である。 本発明の実施の形態2に係る上部絶縁部材60の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機100の概略構成を示す縦断面図である。
本実施の形態に係る圧縮機100は、たとえば、空気調和装置、冷蔵庫、冷凍機、自動販売機、給湯器などに用いられる冷凍サイクル装置の構成要素の一つとなるものである。 圧縮機100は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して吐出する流体機械である。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の寸法の関係及び形状などが実際のものとは異なる場合がある。本実施の形態では、圧縮機100として、スクロール圧縮機を例に挙げて説明する。また、図面におけるX方向及びY方向は、同一平面上(たとえば、水平面上)の方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向であり、たとえば鉛直方向を示している。
[圧縮機100について]
図1に示すように、圧縮機100は、冷媒を圧縮する圧縮室11を含む圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機部30と、圧縮機構部10及び電動機部30を収容する圧力容器40と、を備えている。圧縮機構部10には、圧縮室11で圧縮された冷媒を吐出する吐出口3が形成されている。圧力容器40は、たとえば、円筒状の胴部42、胴部42の上側に開口に圧入される上部容器41、及び、胴部42の下側の開口に圧入される下部容器43によって構成されている。圧力容器40には、外部の冷媒を圧力容器40内に吸入する吸入管44と、圧縮された冷媒を圧力容器40外に吐出する吐出管45と、が接続されている。
圧縮機100は、圧力容器40内に設けられ、固定スクロール21上に配置されたチャンバー4を備えている。チャンバー4には、圧縮機構部10の吐出口3から吐出された冷媒が溜められる凹状部4Aが形成されている。凹状部4Aは、Z方向における下側から上側に向かって凹むように形成されている。凹状部4Aの中央部には、Z方向に延びる吐出口4Bが形成されている。ここで、吐出口3と凹状部4Aは連通し、凹状部4Aと吐出口4Bとは連通している。このため、圧縮室11で圧縮された冷媒は、吐出口3、凹状部4A及び吐出口4Bを介して後述する吐出マフラー7Aに吐出される。
また、圧縮機100は、圧力容器40内に設けられ、チャンバー4上に配置された吐出弁5及び弁押さえ6を備えている。なお、吐出弁5及び弁押さえ6は、その一端側の部分が、たとえばボルトなどで構成される固定部材8によってチャンバー4上に固定されている。以下では、吐出弁5、弁押さえ6及び固定部材8を吐出弁機構20と総称する。つまり、吐出弁機構20は、吐出弁5、弁押さえ6及び固定部材8を備えている。
圧縮機100は、圧力容器40内に配置され、チャンバー4上に配置された吐出マフラー7A及び吐出マフラー7Bを備えている。吐出マフラー7A及び吐出マフラー7Bは、吐出マフラー7Aの上側に、吐出マフラー7Bがかぶさるように設けられている。吐出マフラー7Aは、その下面及びチャンバー4の上面などの間に、吐出口4Bを介して冷媒が吐出される空間を形成している。吐出マフラー7Aには、たとえば複数の穴(図示省略)が形成されており、この複数の穴を介して吐出マフラー7A側から吐出マフラー7B側に冷媒が流出する。吐出マフラー7Bは、その下面及び吐出マフラー7Aの上面などの間に、吐出マフラー7A側から冷媒が流出する空間を形成している。また、吐出マフラー7Bにも、穴(図示省略)が形成されており、この穴を介して冷媒が圧力容器40内の空間に流出する。吐出マフラー7Bから流出した冷媒は、吐出管45を介して圧縮機100から吐出される。
圧縮機構部10は、電動機部30により駆動されることで、吸入管44から吸入したガス冷媒を圧縮室11内で圧縮し、吐出口3を介して吐出マフラー7A内の空間に吐出する機能を有している。圧縮機構部10は、固定スクロール21と、揺動スクロール22とを有している。
固定スクロール21は、圧力容器40内に固定支持されている第1のフレーム46にボルトなどによって固定されている。固定スクロール21は、台板部23と、台板部23の一方の面(本実施の形態では、下面)に立設されたインボリュート曲線形状の突起である渦巻歯25と、を有している。また、固定スクロール21の中央部には、圧縮室11内で圧縮されて高圧となったガス冷媒を吐出する吐出口3が形成されている。吐出口3の出口側(台板部23の他方の面側)には、冷媒の吐出圧力に応じて吐出口3を開閉するとともに冷媒の逆流を防ぐ吐出弁機構20が設けられている。
揺動スクロール22は、第1のフレーム46によって回転自在に支持されている。揺動スクロール22は、図示省略のオルダム継手により、固定スクロール21に対して自転運動することなく公転旋回運動(揺動運動)を行うようになっている。揺動スクロール22は、台板部24と、台板部24の一方の面(本例では、上面)に立設されたインボリュート曲線形状の突起である渦巻歯26と、を有している。また、台板部24の他方の面(スラスト面)の略中心部には、中空円筒形状の揺動スクロールボス部27が形成されている。揺動スクロールボス部27には、後述する回転軸33の上端に設けられた偏心軸部33aが嵌入される。
固定スクロール21と揺動スクロール22とは、渦巻歯25と渦巻歯26とを互いに噛み合わせるようにして嵌合し、圧力容器40内に装着される。渦巻歯25と渦巻歯26との間には、圧縮室11が形成される。圧縮室11は、揺動スクロール22が揺動運動することで渦巻歯25と渦巻歯26との相対的な位置関係が変わり、それによって容積が変化する。
第1のフレーム46は、第1のフレーム46内に設けられた図示省略のスラストプレート上で、揺動スクロール22が摺動可能なように、揺動スクロール22を支持するものである。第1のフレーム46の上部は、固定スクロール21により閉じられており、第1のフレーム46の下部には、回転軸33を回転自在に保持する軸受が設けられており、鉄系の磁性材料で構成されている。
電動機部30は、圧力容器40に固定された固定子31と、固定子31に対して回転自在に取り付けられ、固定子31に通電されることにより回転駆動される回転子32と、を有している。回転子32の中心には、回転軸33が取り付けられている。回転軸33の上端には、揺動スクロールボス部27と回転自在に嵌合する偏心軸部33aが形成されている。電動機部30が回転軸33を介して揺動スクロール22を駆動することにより、圧縮機構部10でガス冷媒が圧縮されるようになっている。
圧力容器40内における電動機部30の下方には、第2のフレーム47が固定されている。第2のフレーム47は、ボールベアリング48を圧力容器40内で支える機能を有している。第2のフレーム47の中心部には、回転軸33の下端を回転自在に支持するためのボールベアリング48の外輪が圧入固定されている。
上記の構成を有する圧縮機100において、電動機部30の固定子31に通電されると、回転子32と回転子32に取り付けられた回転軸33とが回転する。回転軸33が回転することによって、揺動スクロール22が固定スクロール21に対して揺動運動を行う。これにより、固定スクロール21の渦巻歯25と揺動スクロール22の渦巻歯26との間に形成された圧縮室11の容積が連続的に変動する。この際、圧縮室11の容積が増大すると、圧縮室11内の圧力が圧力容器40内(吸入空間内)の圧力よりも低下し、圧力容器40内の冷媒が圧縮室11に吸入される。その後、揺動スクロール22の揺動運動によって圧縮室11の容積が縮小していくと、圧縮室11内に吸入された冷媒が圧縮され、圧縮室11内の圧力が上昇する。圧縮室11内の圧力が予め設定された圧力より高くなると、圧縮された冷媒は、吐出弁機構20の吐出弁5を押し上げ、吐出マフラー7A内の空間に吐出される。
[固定子31及び鉄心50の概略構成]
以下、固定子ユニット35の中心軸JをZ方向(鉛直方向)とした状態で説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る固定子ユニット35を上側から見た上面図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る鉄心50を示した斜視図である。
図2に示すように、固定子ユニット35は、複数の固定子31を円環形状に連結することで構成されている。各固定子31は、コアとなる複数個の鉄心50と鉄心50に集中巻された巻線55とで概略構成されている。
この鉄心50は、複数枚の鉄板を積層して構成されている。鉄心50は、断面が略T字型形状をしており、外周部を構成する円弧状のコアバック部51とコアバック部51の内周面側から内周方向に突出した複数のティース部52とで構成されている。更にティース部52は、巻線55が後述する上部絶縁部材60及び下部絶縁部材70を介して巻きつけられるティース基部52aと、鉄心50の内周側でティース基部52aから周方向に突設された一対のティース先端部52bとから構成されている。鉄心50は、水平方向の断面において、コアバック部51及びティース先端部52bの幅寸法より狭く形成されたティース基部52aにより凹形状のスロット部53を有している。
複数の鉄心50のコアバック部51を円周方向に連結することで、コアバック部51同士が円環状に繋がり、固定子ユニット35は円筒状に構成される。この状態において、隣り合うティース部52の間に巻線55が通過するスロット部53が2つ連通して形成されることとなる。固定子ユニット35は、円筒形状の中心軸JをZ方向(鉛直方向)に向けた状態で圧力容器40内に収納される。
[上部絶縁部材60について]
図4は、本発明の実施の形態1に係る上部絶縁部材60を示した斜視図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る上部絶縁部材60を固定子31の内周面側から見た斜視図である。
上部絶縁部材60は、鉄心50の上部に配置される部材である。上部絶縁部材60は、巻線55と鉄心50との絶縁がなされるように、ポリブチレンテレフタラート(PBT)で構成されるものである。
上部絶縁部材60は、巻線55が巻回される基部61と、基部61の外周側に形成される外周壁部62と、基部61の内周側に形成される内周壁部63とにより大きく構成されている。
基部61は、水平方向に配置され、基部61の両端部からZ方向(鉛直方向)に垂下して形成される一対の中央脚部69を有している。
内周壁部63の下方には、一対の内周脚部64がZ方向(鉛直方向)に延設されている。
外周壁部62には、上部に接続端子を圧入するためのスロット62aと、配線を挟持する配線挟持部62bとが設けられている。また、外周壁部62の下方には、一対の外周脚部65がZ方向(鉛直方向)に延設されている。
内周脚部64と、中央脚部69と、外周脚部65とは、下面視において角度を有して接続され、略U字形状の断面となっている。内周脚部64と、中央脚部69と、外周脚部65とは、本発明の脚部に相当する。
内周脚部64は、互いに段差を有する第1内周脚部64aと第2内周脚部64bとで構成されている。第1内周脚部64aは、内周壁部63の下部から下方に延設されており、第2内周脚部64bは、第1内周脚部64aの下部から下方に延設されている。第2内周脚部64bは、第1内周脚部64aよりも薄肉に形成されており、段差部66が水平方向に形成される。
また、中央脚部69も同様に、互いに段差を有する第1中央脚部69aと第2中央脚部69bとで構成されている。第1中央脚部69aは、基部61の両端部から下方に延設されており、第2中央脚部69bは、第1中央脚部69aの下部から下方に延設されている。第2中央脚部69bは、第1中央脚部69aよりも薄肉に形成されており、段差部66が水平方向に形成される。
外周脚部65は、互いに段差を有する第1外周脚部65aと第2外周脚部65bとで構成されている。第2外周脚部65bは、第1外周脚部65aの下部から下方に延設されている。第2外周脚部65bは、第1外周脚部65aよりも薄肉に形成されており、段差部66が水平方向に形成される。
段差部66は、内周脚部64、中央脚部69、外周脚部65に渡って水平方向に連続して形成されている。よって、第2内周脚部64bと第2中央脚部69bと第2外周脚部65b(本発明の第1脚部に相当する)は、第1内周脚部64aと第1中央脚部69aと第1外周脚部65aと(本発明の第2脚部に相当する)に対して凹部形状を有している。
なお、巻線55は、接続端子を介して配線に接続され、U、V、W相の電源端子に接続される。また、U、V、W相はジャンパー線を介して電気的に接続されている。
[下部絶縁部材70について]
図6は、本発明の実施の形態1に係る下部絶縁部材70を示した斜視図である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る下部絶縁部材70を固定子31の内周面側から見た斜視図である。
下部絶縁部材70は、鉄心50の下部に配置される部材である。下部絶縁部材70は、巻線55と鉄心50との絶縁がなされるように、ポリブチレンテレフタラート(PBT)で構成されるものである。
下部絶縁部材70は、巻線55が巻回される基部71と、基部71の外周側に形成される外周壁部72と、基部71の内周側に形成される内周壁部73とにより大きく構成されている。
基部71は、水平方向に配置され、基部71の両端からZ方向(鉛直方向)に形成される一対の中央脚部79を有している。
内周壁部73の上方には、一対の内周脚部74がZ方向(鉛直方向)に延設されている。
外周壁部72の上方には、一対の外周脚部75がZ方向(鉛直方向)に延設されている。
内周脚部74と、中央脚部79と、外周脚部75とは、上面視において角度を有して接続され、略U字形状の断面となっている。内周脚部74と、中央脚部79と、外周脚部75とは、本発明の脚部に相当する。
内周脚部74は、互いに段差を有する第1内周脚部74aと第2内周脚部74bとで構成されている。第1内周脚部74aは、内周壁部73の上部から上方に延設されており、第2内周脚部74bは、第1内周脚部74aの上部から上方に延設されている。第2内周脚部74bは、第1内周脚部74aよりも薄肉に形成されており、段差部76が水平方向に形成される。
また、中央脚部79も同様に、互いに段差を有する第1中央脚部79aと第2中央脚部79bとで構成されている。第1中央脚部79aは、基部71の両端部から上方に延設されており、第2中央脚部79bは、第1中央脚部79aの上部から上方に延設されている。第2中央脚部79bは、第1中央脚部79aよりも薄肉に形成されており、段差部76が水平方向に形成される。
外周脚部75は、互いに段差を有する第1外周脚部75aと第2外周脚部75bとで構成されている。第2外周脚部75bは、第1外周脚部75aの上部から上方に延設されている。第2外周脚部75bは、第1外周脚部75aよりも薄肉に形成されており、段差部76が水平方向に形成される。
段差部76は、内周脚部74、中央脚部79、外周脚部75に渡って水平方向に連続して形成されている。
[絶縁フィルム80について]
図8は、本発明の実施の形態1に係る絶縁フィルム80の平面図である。
絶縁フィルム80は、図8に示すように、四隅の同一方向に4つの突設部81を有する略矩形形状の薄膜フィルムで形成されている。また、突設部81の間に形成された一対の係合辺部82を有している。絶縁フィルム80は、上部絶縁部材60と下部絶縁部材70とによって鉄心50に対し挟持されて固定される。そして、巻線55と鉄心50との絶縁がなされるように、例えば厚さ0.25mmのポリエチレンテレフタラート(PET)で構成されるものである。
[固定子31の構造]
図9は、本発明の実施の形態1に係る固定子31の巻線55を除いた状態の斜視図である。
図10は、本発明の実施の形態1に係る固定子31の斜視図である。
図11は、本発明の実施の形態1に係る固定子31を内周側から見た平面図である。
図12は、本発明の実施の形態1に係る固定子31を上方側から見た上面図である。
図9〜12に示すように固定子31は、上述した鉄心50と、上部絶縁部材60と、下部絶縁部材70と、2枚の絶縁フィルム80と、により構成されている。
鉄心50の上部には、上部絶縁部材60が取り付けられている。また、鉄心50の下部には、下部絶縁部材70が取り付けられている。
鉄心50に、上部絶縁部材60を取り付ける際には、上部絶縁部材60の中央脚部69と内周脚部64と外周脚部65とを、鉄心50のスロット部53に係合させる。
鉄心50に、下部絶縁部材70を取り付ける際には、下部絶縁部材70の中央脚部69と内周脚部74と外周脚部75とを、鉄心50のスロット部53に係合させる。
この際、ティース先端部52bは、上部絶縁部材60の第1内周脚部64a、及び、下部絶縁部材70の第1内周脚部74aに当接する。
絶縁フィルム80は、鉄心50と上部絶縁部材60との間に一方の係合辺部82が挟持された形状で固定される。また、絶縁フィルム80は、鉄心50と下部絶縁部材70との間に他方の係合辺部82が挟持された形状で固定される。
すると、2枚の絶縁フィルム80における4箇所の両端部は、図10、11に示すようにティース部52から水平方向に延設された形状で保持されることとなる。
よって、鉄心50のティース部52は、上面と下面とを上部絶縁部材60と下部絶縁部材70とで覆われ、さらに両側面を絶縁フィルム80により覆われた状態となり、巻線55と完全に絶縁される。
次に、固定子31における断面構造について説明する。
図13は、本発明の実施の形態1に係る固定子31の水平方向断面図(図14におけるB−B断面図)である。
図14は、本発明の実施の形態1に係る固定子31の鉛直方向断面図(図13におけるA−A断面図)である。
固定子31は、鉄心50のスロット部53内に、上部絶縁部材60の中央脚部69と内周脚部64と外周脚部65とが係合した状態で鉄心50と上部絶縁部材60とが固定された構成となっている。そして、水平方向の断面で見ると、図13に示すように、鉄心50のスロット部53内に、絶縁フィルム80が配置されている。絶縁フィルム80は、スロット部53と上部絶縁部材60の第2中央脚部69b、第2内周脚部64b、第2外周脚部65bとの間に挟持されて固定されている。
絶縁フィルム80は、図14に示す鉛直方向の断面のように第1中央脚部69aと第2中央脚部69bとの肉厚の差から生じる段差部66の段差寸法と同一の厚さ寸法を有している。また、段差部66は、内周脚部64や、外周脚部65にも連続して形成されている。よって、絶縁フィルム80は、鉄心50のスロット部53と上部絶縁部材60の第2中央脚部69b、第2内周脚部64b、第2外周脚部65bとの間に係合し隙間なく配置されている。
また、絶縁フィルム80には突設部81が形成されているため、図14に示すように巻線55を超える位置まで絶縁フィルム80が立ち上がり、隣り合う固定子31の巻線55同士が接触することを防止することができる。
絶縁フィルム80は、可とう性を有するため、図13に示すように鉄心50のスロット部53に沿う形状で折れ曲がり収納されている。また、隣接する鉄心50の隙間では、4枚の絶縁フィルム80が圧着して配置される。このとき、隣接する内周脚部64間の距離寸法をL1とし、絶縁フィルム80の厚さ寸法をtとすると、L1=4×tの関係となるように固定子ユニット35が構成されている。また、隣接する外周脚部65間の距離寸法をL2とし、絶縁フィルム80の厚さ寸法をtとすると、L2=4×tの関係なるように固定子ユニット35が構成されている。
なお、上部絶縁部材60を例に絶縁フィルム80の固定構造を説明したが、下部絶縁部材70においても、同様の構造により絶縁フィルム80を鉄心50に固定している。
次に、上部絶縁部材60及び下部絶縁部材70の内周脚部64、74の断面形状について説明する。
図15は、図13のスロット部周りにおける部分拡大図である。
図15に示すように、鉄心50の周方向の第2側面部50aを通る第1仮想面M1と、ティース先端部52bの外周側の外周面部52cを通る第2仮想面M2との成す角度をθ1とする。また、上部絶縁部材60の内周脚部64における内周面部64eを通る第3仮想面M3と、内周脚部64における周方向の第1側面部64fを通る第4仮想面M4との成す角度をθ2とする。第1仮想面M1は、固定子ユニット35の中心軸Jを通過する仮想面である。
ここで、内周脚部64の内周面部64eと第1側面部64fとの交線を、絶縁フィルム80を折り曲げる際の支点の集合として折曲げ稜線部67とし、上記角度θ2を折曲げ稜線の角度θ2と定義する。
また、上記角度θ1をティース先端角度θ1と定義する。
このとき、θ1とθ2との角度の差が5°以内(好ましくはθ1=θ2)の関係が成り立つようにティース先端部52bの外周側の外周面部52cと、上部絶縁部材60の内周脚部64における内周面部64e及び第1側面部64fとが構成されている。
例えば、θ1=θ2となる場合、第2仮想面M2と第3仮想面M3とが平行になっていれば、第1仮想面M1と第4仮想面M4との配置も平行となる。
絶縁フィルム80はこの折曲げ稜線部67で折れ曲がり、一方はティース先端部52bと第2内周脚部64bとの間に挟持され、他方は第2内周脚部64bに隣接する固定子31の絶縁フィルム80との間に挟持される構成となる。
このような絶縁フィルム80の構成において、折曲げ稜線の角度θ2をティース先端角度θ1よりも大きくすると、絶縁フィルム80の曲げによる反発力が弱くなり、上部絶縁部材60の内周脚部64と絶縁フィルム80との間の隙間は小さくなるが、隣接する内周脚部64同士が干渉してしまい、固定子31を円環状に形成することができない。
一方、折曲げ稜線の角度θ2をティース先端角度θ1よりも小さくすると、絶縁フィルム80の曲げによる反発力が強くなるとともに、上部絶縁部材60の内周脚部64とティース先端部52bの外周面部52cとの間の隙間が拡大することから、絶縁フィルム80の周囲に隙間が形成される。
このことから、本発明では折曲げ稜線の角度θ2とティース先端角度θ1との角度の差が5°以内(好ましくはθ1=θ2)となるように構成し、上部絶縁部材60の内周脚部64と絶縁フィルム80との間に隙間が形成されないようにしている。
なお、折曲げ稜線部67の先端にRを付ける場合には、折曲げ稜線部67の先端の曲率半径rを絶縁フィルム80の厚さtと同じになる(r=t)ように構成すると折曲げ稜線部67と絶縁フィルム80との間に隙間が形成されにくくなる。
また、上述の説明では、固定子ユニット35における隣接する内周脚部64同士の距離Lを絶縁フィルム80の厚さ寸法tの4倍の値としているが、4倍未満、たとえば絶縁フィルム80の厚さ寸法tの1.6倍で構成してもよい。隣接する内周脚部64同士の距離L1、及び、隣接する外周脚部65間の距離寸法L2を短くし、絶縁フィルム80をつぶすことで、上部絶縁部材60や下部絶縁部材70と絶縁フィルム80との隙間を小さくし、より異物の滞留を抑制することが可能になる。
また、隣接する内周脚部64同士の距離Lは、隣接する折曲げ稜線部67同士の距離と定義してもよい。
なお、上部絶縁部材60を例に絶縁フィルム80の固定構造を説明したが、下部絶縁部材70においても、同様の構造により絶縁フィルム80を鉄心50に固定している。
次に、隣接する固定子31同士を固定子ユニット35として組んだ際の絶縁フィルム80の外観について説明する。
図16は、本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の部分斜視図である。
図17は、本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の内周側から見た部分斜視図である。
図18は、本発明の実施の形態1に係る固定子31を固定子ユニット35として組んだ際の部分上面図である。
固定子31を固定子ユニット35として組んだ際には、図16〜18に示すように、絶縁フィルム80が上部絶縁部材60の内周脚部64を支点として固定子ユニット35の内周側から外周側に折れ曲がる形状となる。そして、隣接する固定子31の絶縁フィルム80同士が4枚重なって、それぞれの巻線55の間に挟まり絶縁する。
以上のように、上部絶縁部材60と絶縁フィルム80との隙間、及び、下部絶縁部材70と絶縁フィルム80との隙間を小さくするように構成しているので、これらの隙間に異物が滞留することを抑制することができる。特に、回転子32側に近い上部絶縁部材60、及び、下部絶縁部材70の内周側で絶縁フィルム80と内周脚部64、74との間に隙間が発生しないように構成したため、回転子32の回転によって固定子ユニット35側に飛散する鉄粉等の異物が滞留することがない。よって、鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
実施の形態1に係る電動機は、
(1)磁性体で形成された鉄心50を有する複数の固定子31を円環形状に配置した固定子ユニット35と、固定子ユニット35の軸方向で鉄心50の端部に配置された絶縁部材と、絶縁部材に巻回される巻線55と、鉄心50と巻線55とを絶縁する絶縁フィルム80と、を有し、絶縁フィルム80は、鉄心50と絶縁部材との間に固定されたものである。
このように電動機を構成することで、絶縁フィルム80を鉄心50と絶縁部材との間に隙間なく固定することができる。よって、異物が隙間に滞留することを抑制して鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(2)鉄心50が、絶縁部材が絶縁フィルム80を介して係合する溝形状のスロット部53を有し、絶縁部材は、巻線55が巻回される基部61、71と、スロット部53に絶縁フィルム80を介して係合する脚部をと、を有するものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(3)脚部に、絶縁フィルム80が当接する凹部が形成されるものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(4)脚部として、鉄心50が当接する第1脚部と、絶縁フィルム80が当接し第1脚部よりも薄肉に形成された第2脚部とを有するものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(5)第1脚部と第2脚部との肉厚寸法の差が、絶縁フィルム80の厚さ寸法と同一となるように構成されるものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(6)脚部が、固定子ユニット35の内周側に形成された内周脚部64、74と、固定子ユニット35の外周側に形成された外周脚部65、75と、内周脚部64、74の一端側と外周脚部65、75の一端側とを接続する中央脚部69、79と、により構成され、内周脚部64、74と、中央脚部69、79と、外周脚部65、75とは、断面U字形状となるよう連続して形成されたものである。
このように絶縁部材に脚部を形成することで、絶縁フィルム80が絶縁部材の脚部と鉄心50のスロット部53との間に隙間なく係合する。よって、異物が隙間に滞留することを抑制して鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(7)内周脚部64、74が、固定子ユニット35の内周側に形成された内周面部64e、74eと、固定子ユニット35の周方向に形成された第1側面部64f、74fと、を有し、鉄心50は、円弧形状のコアバック部51と、コアバック部51の内周側に形成されたティース部52と、ティース部52に形成され内周脚部64、74が係合するティース先端部52bと、を有し、ティース先端部52bは、固定子ユニット35の外周側に形成された外周面部52cを有し、コアバック部51は、固定子ユニット35の周方向に形成された第2側面部50aを有し、ティース先端部52bの外周面部52cとコアバック部51の第2側面部50aとの成す角度をθ1とし、内周脚部64、74の内周面部64e、74eと第1側面部64f、74fとの成す角度をθ2とすると、θ1とθ2との角度の差は5°以内となるものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(8)内周脚部64、74が、固定子ユニット35の内周側に形成された内周面部64e、74eと、固定子ユニット35の周方向に形成された第1側面部64f、74fと、を有し、鉄心50は、円弧形状のコアバック部51と、コアバック部51の内周側に形成されたティース部52と、ティース部52に形成され内周脚部64、74が係合するティース先端部52bと、を有し、ティース先端部52bは、固定子ユニット35の外周側に形成された外周面部52cを有し、コアバック部51は、固定子ユニット35の周方向に形成された第2側面部50aを有し、ティース先端部52bの外周面部52cとコアバック部51の第2側面部50aとの成す角度をθ1とし、内周脚部64、74の内周面部64e、74eと第1側面部64f、74fとの成す角度をθ2とすると、θ1とθ2とは同じ値となるものである。
このように固定子31を構成することで、絶縁フィルム80と絶縁部材の内周脚部64、74との間の隙間をさらに小さくすることが可能となる。よって、異物が隙間に滞留することを抑制して鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(9)隣接する複数の固定子31の絶縁部材同士の距離が、絶縁フィルム80の厚さの4倍となるものである。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(10)隣接する複数の固定子31の絶縁部材同士の距離が、絶縁フィルム80の厚さの4倍未満となるものである。
このように構成することで、絶縁部材同士の隙間に絶縁フィルム80を2枚隙間なく配置することが可能となる。よって、異物が隙間に滞留することを抑制して鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
また、実施の形態1に係る電動機は、
(11)絶縁フィルム80が、固定子ユニット35の周方向の両端部に軸方向に突設した突設部81を有するものである。
このように構成することで、絶縁フィルム80が固定子ユニット35の軸方向に延設され、隣接する巻線55同士が接触することを防止することができ、絶縁距離を保つことができる。
また、実施の形態1に係る圧縮機100は、(1)〜(11)における電動機を搭載したものである。
よって、電動機の鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い圧縮機100を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る電動機は、基本構造を実施の形態1に係る電動機と同一として構成されるが、上部絶縁部材60及び下部絶縁部材70の構造が異なる。
図19は、本発明の実施の形態2に係る固定子31の水平方向断面図である。
図20は、本発明の実施の形態2に係る上部絶縁部材60の斜視図である。
実施の形態2に係る上部絶縁部材60では、内周脚部64に絶縁フィルム80を抑えるための抑え突起部68が形成されている。
図19、20に示すように抑え突起部68は内周脚部64に絶縁フィルム80を挿通させるための溝部68aを形成するために設けられた突起である。抑え突起部68の形状は、たとえば水平方向の断面が三角形状となっている。溝部68aの幅寸法は、絶縁フィルム80の厚さ寸法tと同一の長さとなっている。
また、内周脚部64は、固定子ユニット35の内周側に形成された内周面部64eと、固定子ユニット35の周方向に形成された第1側面部64fと、を有し、溝部68aは、内周面部64eと第1側面部64fとを貫通するように形成されている。
このように内周脚部64に絶縁フィルム80を折り曲げた際に絶縁フィルム80を抑えるための抑え突起部68が形成されているため、絶縁フィルム80と内周脚部64との間に隙間が形成されることがない。実施の形態1と同様に、特に、回転子32側に近い上部絶縁部材60、及び、下部絶縁部材70の内周側で絶縁フィルム80と内周脚部64、74との間に隙間が発生しないように構成したため、回転子32の回転によって固定子ユニット35側に飛散する鉄粉等の異物が滞留することがない。よって、鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
実施の形態2に係る電動機は、
(1)磁性体で形成された鉄心50を有する複数の固定子31を円環形状に配置した固定子ユニット35と、固定子ユニット35の軸方向で鉄心50の端部に配置された絶縁部材と、絶縁部材に巻回される巻線55と、鉄心50と巻線55とを絶縁する絶縁フィルム80と、を有し、絶縁フィルム80は、鉄心50と絶縁部材との間に挟まることで固定され、絶縁部材には、絶縁フィルム80が挿通される溝部が形成されたものである。
また、実施の形態2に係る電動機は、
(2)磁性体で形成された鉄心50を有する複数の固定子31を円環形状に配置した固定子ユニット35と、固定子ユニット35の軸方向で鉄心50の端部に配置された絶縁部材と、絶縁部材に巻回される巻線55と、鉄心50と巻線55とを絶縁する絶縁フィルム80と、を有し、絶縁フィルム80は、鉄心50と絶縁部材との間に挟まることで固定され、内周脚部64、74には、絶縁フィルム80が挿通される溝部が形成されたものである。
また、実施の形態2に係る電動機は、
(3)内周脚部が、固定子ユニット35の内周側に形成された内周面部64e、74eと、固定子ユニット35の周方向に形成された第1側面部64f、74fと、を有し、溝部68aは、内周面部64e、74eと第1側面部64f、74fとを貫通するように形成されたものである。
このように電動機を構成することで、絶縁フィルム80を鉄心50と絶縁部材の内周脚部64、74との間に隙間なく固定することができる。よって、異物が隙間に滞留することを抑制して鉄心50や巻線55の絶縁距離を保つことが可能となり、信頼性の高い電動機を得ることができる。
3 吐出口、4 チャンバー、4A 凹状部、4B 吐出口、5 吐出弁、6 弁押さえ、7A 吐出マフラー、7B 吐出マフラー、8 固定部材、10 圧縮機構部、11 圧縮室、20 吐出弁機構、21 固定スクロール、22 揺動スクロール、23 台板部、24 台板部、25 渦巻歯、26 渦巻歯、27 揺動スクロールボス部、30 電動機部、31 固定子、32 回転子、33 回転軸、33a 偏心軸部、35 固定子ユニット、40 圧力容器、41 上部容器、42 胴部、43 下部容器、44 吸入管、45 吐出管、46 第1のフレーム、47 第2のフレーム、48 ボールベアリング、50 鉄心、50a 第2側面部、51 コアバック部、52 ティース部、52a ティース基部、52b ティース先端部、52c 外周面部、53 スロット部、55 巻線、60 上部絶縁部材、61 基部、62 外周壁部、62a スロット、62b 配線挟持部、63 内周壁部、64 内周脚部、64a 第1内周脚部、64b 第2内周脚部、64e 内周面部、64f 第1側面部、65 外周脚部、65a 第1外周脚部、65b 第2外周脚部、66 段差部、67 折曲げ稜線部、68 抑え突起部、68a 溝部、69 中央脚部、69a 第1中央脚部、69b 第2中央脚部、70 下部絶縁部材、71 基部、72 外周壁部、73 内周壁部、74 内周脚部、74a 第1内周脚部、74b 第2内周脚部、74e 内周面部、74f 第1側面部、75 外周脚部、75a 第1外周脚部、75b 第2外周脚部、76 段差部、79 中央脚部、79a 第1中央脚部、79b 第2中央脚部、80 絶縁フィルム、81 突設部、82 係合辺部、100 圧縮機。

Claims (10)

  1. 磁性体で形成された鉄心を有する複数の固定子を円環形状に配置した固定子ユニットと、
    前記固定子ユニットの軸方向で前記鉄心の端部に配置された絶縁部材と、
    前記絶縁部材に巻回される巻線と、
    前記鉄心と前記巻線とを絶縁する絶縁フィルムと、を有し、
    前記絶縁フィルムは、前記鉄心と前記絶縁部材との間に固定されており、
    前記鉄心は、前記絶縁部材が前記絶縁フィルムを介して係合する溝形状のスロット部を有し、
    前記絶縁部材は、前記巻線が巻回される基部と、前記スロット部に前記絶縁フィルムを介して係合する脚部と、を有し、
    前記脚部は、前記固定子ユニットの内周側に形成された内周脚部と、前記固定子ユニットの外周側に形成された外周脚部と、前記内周脚部の一端側と前記外周脚部の一端側とを接続する中央脚部と、により構成され、
    前記内周脚部と、前記中央脚部と、前記外周脚部とは、断面U字形状となるよう連続して形成され、
    前記内周脚部には、前記絶縁フィルムが挿通される溝部が形成され、
    前記内周脚部は、前記固定子ユニットの内周側に形成された内周面部と、前記固定子ユニットの周方向に形成された第1側面部と、を有し、
    前記溝部は、前記内周面部と前記第1側面部とを貫通するように形成された電動機。
  2. 前記鉄心は、円弧形状のコアバック部と、該コアバック部の前記内周側に形成されたティース部と、該ティース部に形成され前記内周脚部が係合するティース先端部と、を有し、
    前記ティース先端部は、前記固定子ユニットの外周側に形成された外周面部を有し、
    前記コアバック部は、前記固定子ユニットの周方向に形成された第2側面部を有し、
    前記ティース先端部の前記外周面部と前記コアバック部の第2側面部との成す角度をθ1とし、前記内周脚部の前記内周面部と前記第1側面部との成す角度をθ2とすると、θ1とθ2との角度の差は5°以内となる請求項に記載の電動機。
  3. 前記鉄心は、円弧形状のコアバック部と、該コアバック部の前記内周側に形成されたティース部と、該ティース部に形成され前記内周脚部が係合するティース先端部と、を有し、
    前記ティース先端部は、前記固定子ユニットの外周側に形成された外周面部を有し、
    前記コアバック部は、前記固定子ユニットの周方向に形成された第2側面部を有し、
    前記ティース先端部の前記外周面部と前記コアバック部の第2側面部との成す角度をθ1とし、前記内周脚部の前記内周面部と前記第1側面部との成す角度をθ2とすると、θ1とθ2とは、同じ角度となる請求項に記載の電動機。
  4. 前記脚部には、前記絶縁フィルムが当接する凹部が形成される請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機。
  5. 前記脚部は、前記鉄心が当接する第1脚部と、前記絶縁フィルムが当接し前記第1脚部よりも薄肉に形成された第2脚部とを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機。
  6. 前記第1脚部と前記第2脚部との肉厚寸法の差は、前記絶縁フィルムの厚さ寸法と同一となる請求項に記載の電動機。
  7. 隣接する前記複数の固定子の前記絶縁部材同士の距離は、前記絶縁フィルムの厚さの4倍となる請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機。
  8. 隣接する前記複数の固定子の前記絶縁部材同士の距離は、前記絶縁フィルムの厚さの4倍未満となる請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機。
  9. 前記絶縁フィルムは、前記固定子ユニットの周方向の両端部において前記軸方向に突設した突設部を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電動機を搭載した圧縮機。
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