JP6688072B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液体口腔用組成物に関する。
従来より、歯面に付着した歯垢又は歯石の除去効果や、う蝕防止効果、着色汚れの除去効果等、種々の性能を発揮し得る液体口腔用組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、pHが8以上12以下であるアルカリ性の口腔洗浄剤が開示されており、かかる洗浄剤が高いバイオフィルムの除去効果を発揮している。このように、アルカリ性領域であれば、歯垢又は歯石の除去やバイオフィルムの除去等、口腔内における洗浄性能を高めることができる。
一方、液体口腔用組成物に香料を配合する際、かかる香料の溶解又は分散を促進するうえで、一般にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤が用いられている。例えば、かかるノニオン界面活性剤や香料に加え、特許文献2には、イミダゾリニウムベタイン型等の両性界面活性剤等を含む泡状口腔用組成物が開示されている。また、特許文献3には、カルボン酸型両性界面活性剤等を含む泡沫状となる口腔用組成物が開示されており、pHを3〜9の範囲に調整することも記載されている。
特開2008−1657号公報 特開平11−130647号公報 特開平10−87457号公報
しかしながら、こうしたポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤は、アルカリ性領域においては、エステル結合が加水分解されることが知られており、また、ポリオキシエチレン鎖を有する界面活性剤は溶解し難くなることも知られているだけでなく、風味が低下するおそれもある。そのため、口腔内における洗浄性能を高めるべく、液体口腔用組成物をアルカリ性領域に調整しつつ、香料の含有量を増大させようとするにあたり、上記特許文献2〜3の組成物では、いずれも香料や併用する界面活性剤の量的関係に関する検討が不十分であるため、ノニオン界面活性剤の安定性が損なわれて香料を良好に溶解又は分散させることが困難となり、依然として改善の余地がある。
したがって、本発明は、洗浄性能が高められるアルカリ性領域でありながら、安定かつ充分な量で香料を含有することのできる液体口腔用組成物に関する。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、香料と両性界面活性剤とを特定の量比としつつ、ノニオン界面活性剤を両性界面活性剤に対して特定の量で用いることにより、アルカリ性領域であっても、充分な量の香料を安定に含有することのできる液体口腔用組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、及び(C):
(A)両性界面活性剤、
(B)香料 0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)のみ、或いは
香料 0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)と、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、β−グリチルレチン酸、及びアズレンから選ばれる1種又は2種以上の油溶性薬効成分(b−2)、
(C)水 55質量%以上98質量%以下
を含有し、ノニオン界面活性剤の含有量が成分(A)の含有量に対して1倍未満であり、成分(b−1)と成分(A)との質量比((b−1)/(A))が0.1以上1.7以下であり、成分(B)が成分(b−2)を含む場合における成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))が0.005以上0.2以下であり、かつ
25℃におけるpHが8以上11以下である液体口腔用組成物に関する。
本発明の液体口腔用組成物によれば、25℃におけるpHが8以上11以下なるアルカリ性領域であっても、製造直後から低温保存後に至るまで、充分な量の香料を安定に含有することができる。また、こうした良好な安定性を確保したまま特定の油溶性薬効成分も含有することができ、所望の薬効も作用させることが可能であるとともに、透明性又は半透明性の外観を付与することも可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(A)として、両性界面活性剤を含有する。かかる成分(A)を含有し、かつ後述するように成分(A)とノニオン界面活性剤や成分(B)とが特定の量的関係を有することにより、製造直後から低温保存後に至るまで、成分(B)を充分な量で良好に溶解又は分散させつつ、高い安定性を確保することができる。
成分(A)の両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル−N−イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン;ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン;N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の長鎖アルキルイミダゾリンベタイン塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、低温での析出物の発生を効果的に抑制する観点、及び使用感の観点から、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン、及びアルキルスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインがより好ましく、アルキルの炭素数が2〜5であるヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインがさらに好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインがよりさらに好ましい。
成分(A)の含有量は、ノニオン界面活性剤の含有量が制限されるpHがアルカリ性の液体口腔用組成物においても香料を良好に溶解又は分散させる観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.2質量%以上であり、低温での析出物の発生を有効に抑制する観点、及び低温保存後においても高い安定性を保持する観点から、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、良好な使用感を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.2〜1.5質量%であり、より好ましくは0.3〜1.2質量%であり、さらに好ましくは0.4〜1質量%である。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(B)として、香料を0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)のみ含有するか、或いは香料を0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)と、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、β−グリチルレチン酸、及びアズレンから選ばれる1種又は2種以上の油溶性薬効成分(b−2)とを含有する。すなわち、本発明の液体口腔用組成物中において、成分(b−1)の香料は、特定の油溶性薬効成分である成分(b−2)を含有するか否かにかかわらず、後述する成分(b−1)と成分(A)との間で特定の質量比を有することとも相まって、常に0.2質量%以上1.5質量%以下もの高含有量でありながら、良好に溶解又は分散している。
香料(b−1)としては、ペパーミント油、スペアミント油、シナモン油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、セージクラリー油、ナツメグ油、ファンネル油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、バジル油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ジンジャ−油、グレープフルーツ油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、レモンバーム油、ピメントベリー油、パルマローザ油、オリバナム油、パインニードル油、ペチグレン油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油等の天然香料成分、及びこれら天然香料成分を加工処理した香料成分;メントール、プレトール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、シトロネリルアセテート、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、シトロネロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビルアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、カンファー、ラクトン、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料成分;ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料成分が挙げられる。
成分(b−1)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物がアルカリ性であっても、良好な香味等をもたらしつつ溶解性又は分散性を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、0.2質量%以上であって、好ましくは0.3質量%以上であり、例えば泡吐出容器から吐出された泡状の液体口腔用組成物であっても香味を有効に感じさせる観点から、より好ましくは0.4質量%以上であり、1.5質量%以下であって、好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。そして、成分(b−1)の含有量は、0.2質量%以上1.5質量%以下であって、好ましくは0.3〜1.2質量%であり、より好ましくは0.4〜1質量%である。
成分(b−1)と成分(A)との質量比((b−1)/(A))は、成分(b−1)の良好な香味等をもたらす観点から、0.1以上であって、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.3以上であり、さらに良好な香味等をもたらす観点から、好ましくは0.4以上であり、成分(b−1)を良好に溶解又は分散させる観点から、1.7以下であって、好ましくは1.5以下であり、低温での析出物の発生を有効に抑制する観点、及び低温保存後においても高い安定性を保持する観点から、より好ましくは1.2以下であり、よりさらに好ましくは1以下である。そして、成分(b−1)と成分(A)との質量比((b−1)/(A))は、0.1以上1.7以下であって、好ましくは0.2〜1.5であり、良好な香味等をもたらしつつ低温での析出物の発生を有効に抑制する観点、及び低温保存後においても高い安定性を保持する観点から、より好ましくは0.3〜1.2であり、さらに好ましくは0.4〜1である。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(B)として、成分(b−1)の香料とともに、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、β−グリチルレチン酸、及びアズレンから選ばれる1種又は2種以上の油溶性薬効成分(b−2)を含有することができる。本発明の液体口腔用組成物であれば、製造直後から低温保存後に至るまで、充分な量の成分(b−1)を安定に含有することができるため、後述する成分(b−2)と成分(A)との間で特定の質量比を有することとも相まって、上記特定の油溶性薬効成分である成分(b−2)をも安定に含有して所望の薬効を得ることができる。成分(b−2)の油溶性薬効成分は、低温保存後の安定性の観点から、トリクロサン、β−グリチルレチン酸、及びアズレンから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、トリクロサン及びβ−グリチルレチン酸から選ばれる1種又は2種であることがさらに好ましく、β−グリチルレチン酸であることが好ましい。
このように、成分(B)が成分(b−1)とともに成分(b−2)を含む場合における、成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))は、成分(b−2)の有効性を確保する観点から、0.005以上であって、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上であり、さらに好ましくは0.03以上である。また、成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))は、成分(b−1)と成分(b−2)の双方の溶解性又は分散性を確保する観点から、0.2以下であって、好ましくは0.15以下であり、より好ましくは0.1以下である。そして、成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))は、0.005以上0.2以下であって、好ましくは0.01〜0.15であり、より好ましくは0.02〜0.1であり、さらに好ましくは0.03〜0.1である。
本発明の液体口腔用組成物において、ノニオン界面活性剤の含有量は、成分(A)の含有量に対して1倍以下である。このように、成分(A)の含有量に対してノニオン界面活性剤の含有を制限することにより、アルカリ性領域においてエステル結合が加水分解されることが知られており、また、ポリオキシエチレン鎖を有する界面活性剤は溶解し難くなることが知られているノニオン界面活性剤に左右されることなく、製造直後から低温保存後に至るまで充分な量の成分(b−1)を安定に含有させることができる。
ノニオン界面活性剤の含有量は、アルカリ性領域におけるエステル結合の加水分解を抑制し、界面活性剤の溶解性の低下を抑制し、或いは成分(b−1)を良好に溶解又は分散を向上させる観点から、成分(A)の含有量に対して1倍未満であって、好ましくは0.5倍以下であり、成分(b-2)の口腔内の粘膜や歯肉等への吸着性を高める観点から、より好ましくは0.2倍以下である。また、ノニオン界面活性剤の含有量は、同様の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、ノニオン界面活性剤を含有しないのが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(C)として、水を55質量%以上98質量%以下含有する。本発明における成分(C)の水とは、液体口腔用組成物に配合した精製水やイオン交換水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、液体口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。かかる成分(C)の水を含有することにより、各成分を良好に分散又は溶解させて口腔内で良好に拡散させつつ、良好な外観と使用感を保持することができる。
成分(C)の含有量は、良好な外観と使用感を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、55質量%以上であって、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、良好な外観と使用感を確保する観点、本発明の液体口腔用組成物を泡吐出容器に充填した際に、良好な泡質と容器からの吐出性を保持する観点、及び本発明の液体口腔用組成物が成分(b−2)を含有する場合には、かかる成分(b−2)の口腔内での吸着性を高める観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、98質量%以下であって、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の泡吐出容器入り液体口腔用組成物中に、55質量%以上98質量%以下であって、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは65〜85質量%である。
本発明の液体口腔用組成物は、泡吐出容器に充填した際に良好な吐出性を保持する観点から、20℃において液体のポリオール(D)を含有するのが好ましい。かかる成分(D)としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及び平均分子量1000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及び平均分子量1000以下のポリエチレングリコールから選ばれる2種以上のポリオールを用いるのが好ましく、グリセリン、プロピレングリコール、及びブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましく、グリセリン、及びプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種を用いることが好ましい。なお、上記ポリエチレングリコールの平均分子量とは、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ)により測定される質量平均分子量を意味する。
成分(D)として用いるポリエチレングリコールの質量平均分子量は、本発明の液体口腔用組成物を泡吐出容器に充填した際、泡吐出容器の多孔質部材の目詰まりを有効に防止する観点から、1000以下であって、好ましくは850以下であり、良好な泡質の観点から、好ましくは200以上であり、より好ましくは400以上である。
成分(D)の含有量は、泡吐出容器に充填した際に良好な吐出性を保持する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、低温における粘度上昇を抑制する観点から、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは32質量%以下である。なお、平均分子量1000以下のポリエチレングリコールの含有量は、低温における粘度上昇を抑制する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、含有しないものであってもよい。
本発明の液体口腔用組成物において、成分(b−1)による良好な香味等を確保しつつ、刺激性を低減する観点から、エタノールの含有を制限するのが好ましく、エタノールの含有を制限しても各成分の溶解性又は分散性を確保することができる。かかるエタノールの含有量は、成分(b−1)の含有量に対し、好ましくは15倍以下であり、より好ましくは10倍以下であり、さらに好ましくは5倍以下であり、3倍以下であってもよい。また、エタノールの含有量は、同様の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、エタノールを含有しないのが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物において、各成分の溶解性又は分散性を確保しつつ、透明性又は半透明性の外観を付与する観点、及び泡吐出容器に充填した際に良好な吐出性を保持する観点から、研磨性粉体の含有を制限するのが好ましい。かかる研磨性粉体としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、吸油量が50〜150mL/100gの研磨性シリカ、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なお、吸油量とは、シリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101−13−2(2004年制定)に基づく方法により、吸収される煮あまに油の量により特定する。
研磨性粉体の含有量は、製造直後から低温保存後に至るまで、各成分の溶解性又は分散性を確保する観点、及び透明性又は半透明性の外観を付与する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、研磨性粉体を含有しないのが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、洗浄性能が高められるアルカリ性領域とする観点から、25℃におけるpHが8以上11以下であり、好ましくは8.5以上であり、より好ましくは9以上であり、好ましくは10.8以下であり、より好ましくは10.5以下である。
なお、本発明の液体口腔用組成物の25℃におけるpHを上記範囲に調整する上で、pH調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、炭酸塩や重炭酸塩;水酸化カリウムや水酸化ナトリウム;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩、重炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウムが好ましい。この場合、pH調整剤の含有量は、液体口腔用組成物のpHを安定化させる観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.15〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.18〜1質量%であり、よりさらに好ましくは0.2〜0.8質量%である。
本発明の液体口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分のほか、例えば、アルキル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤;アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム等の粘結剤;保存剤;顔料;色素等を適宜含有させることができる。なかでもアルキル硫酸エステル塩の含有量は、製造直後から低温保存後に至るまで良好な安定性を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.01質量%以下であり、或いはアルキル硫酸エステル塩を含有しなくともよい。
本発明の液体口腔用組成物は、泡状で口腔内へ適用することにより、優れた使用感を実感しながら、口腔内の隅々まで上記液体口腔用組成物を行き渡らせる観点から、泡吐出容器に充填されてなるのが好ましい。かかる泡吐出容器は、吐出口を備えていればよく、ノンエアゾールタイプの容器であってもエアゾールタイプの容器であってもよい。本発明の液体口腔用組成物を使用する際には、泡吐出容器が備える吐出口から、内容物である上記液体口腔用組成物を口腔内へ直接吐出して、吐出口を経由した液体口腔用組成物を泡状で口腔内へ適用することができる。
ノンエアゾールタイプの容器とは、圧縮ガス等の噴射剤が不要の常圧容器であり、かかる容器としては、例えば、スクイズタイプの容器とポンプタイプの容器が挙げられる。これらの容器は、内容物が吐出口を経由する際に良好に泡状の組成物を形成する観点、及び形成された泡が良好な保持性や均質性を有し、使用感等を高める等の観点から、いずれも容器本体から吐出口に至るまでの内容物の流路中に、メッシュや複数の小孔を設けた多孔質部材を介在させてなる容器であるのが好ましい。
スクイズタイプの容器とは、変形可能な容器本体に位置する胴部をスクイズ変形させることにより、必要に応じて多孔質部材を経由させながら、ヘッドスペース内から圧送される空気と内容物を混合して泡を形成させ、かかる泡を吐出口から吐出させるものである。具体的には、例えば、特開平7−215352号公報、実開昭58−174272号公報、及び実開昭62−42787号公報に記載の容器等を用いることができる。
ポンプタイプの容器とは、吐出口を有する泡吐出器に備えられたポンプヘッドを押し込むことにより、必要に応じて多孔質部材を経由させながら、外部から流入する空気と内容物を混合して泡を形成させ、かかる泡を吐出口から吐出させるものである。通常、外部から空気を流入させるための空気シリンダーと、内容物の流路となる液シリンダーを備えるとともに、ポンプヘッドの押し込みにより圧送される空気と内容物とを混合させるための混合室を備える。具体的には、例えば、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び実開平3−7963号公報に記載の容器等を用いることができる。
エアゾールタイプの容器とは、噴射剤として圧縮ガスを充填してなる容器であり、吐出口から内容物が吐出される際、バルブ機構を介してガスを取り込みながら泡が形成される。用いる圧縮ガスとしては、炭酸ガスを90質量%以上含有するガスであるのが好ましい。
これら泡吐出容器のなかでも、使用性の観点、すなわち吐出口から内容物を口腔内へ直接吐出しやすい観点、及び利便性や携帯性にも優れる観点から、スクイズ容器が好ましく、容器本体から吐出口に至るまでの内容物の流路中に、#90〜#305のメッシュを備える容器がより好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(B)を安定に溶解又は分散することができるため、透明又は半透明であって、着色されていてもよい。透明又は半透明であるとは、具体的には、液体口腔用組成物を光路長10mmのセルに充填した際における吸収波長550nmの光の透過率が80%以上であることを意味し、かかる透過率は、さらに90%以上であることが好ましい。なお、セルとしては、石英セルを用いる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜14、比較例1〜3]
表1に示す処方にしたがって、25℃におけるpHを10に調整した液体口腔用組成物を製造し、以下の方法にしたがって、各評価を行った。
結果を表1に示す。
また、本発明の液体口腔用組成物において、成分(b−1)の香料として用い得る具体的な香料を表2〜4に示す。なお、実施例1〜10、比較例1〜2では、表3に示す香料を用いた。
《安定性の評価》
得られた各液体口腔用組成物をガラス瓶に充填し、充填直後と−5℃で一週間保存した後との双方について、ガラス瓶の外側から内容物の液体口腔用組成物を目視により観察し、以下の基準にしたがって評価した。
A:透明で均一であった
B:多少白濁していたものの、均一であった
C:白濁していたものの、析出物までは確認されなかった
D:析出物が確認された
Figure 0006688072
Figure 0006688072
Figure 0006688072
Figure 0006688072
表1の結果によれば、成分(b−1)と成分(A)との質量比((b−1)/(A))が1.7を超える比較例1、及び成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))が0.2を超える比較例2〜3に比して、成分(B)として成分(b−1)のみを含有する実施例1〜7、及び成分(b−1)と成分(b−2)の双方を含有する実施例8〜14は、いずれも製造後に、香料、或いは香料と特定の油溶性薬効成分とを安定に含有し、透明性を良好に保持しており、実施例1〜2、4〜7、8〜11は、低温保存後においても、香料、或いは香料と特定の油溶性薬効成分とを安定に含有し、透明性を良好に保持できることがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、及び(C):
    (A)ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン、及びアルキルスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上の両性界面活性剤、
    (B)香料 0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)のみ、或いは
    香料 0.2質量%以上1.5質量%以下(b−1)と、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、β−グリチルレチン酸、及びアズレンから選ばれる1種又は2種以上の油溶性薬効成分(b−2)、
    (C)水 55質量%以上98質量%以下
    を含有し、ノニオン界面活性剤の含有量が1質量%以下であって成分(A)の含有量に対して1倍未満であり、成分(b−1)と成分(A)との質量比((b−1)/(A))が0.1以上1.7以下であり、成分(B)が成分(b−2)を含む場合における成分(b−2)と成分(A)との質量比((b−2)/(A))が0.005以上0.2以下であり、かつ
    25℃におけるpHが8.5以上11以下である液体口腔用組成物。
  2. エタノールの含有量が、3質量%以下である請求項1に記載の液体口腔用組成物。
  3. 研磨性粉体の含有量が、0.1質量%以下である請求項1又は2に記載の液体口腔用組成物。
  4. さらに、20℃において液体のポリオール(D)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  5. 泡吐出容器に充填されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  6. 透明又は半透明である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
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