JP6682920B2 - 人工石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、泥土およびスラグを利用して製造される人工石の製造方法に関する。特に、所望の強度に達するまでの養生期間が短い人工石の製造方法に関する。
泥土は、土粒子と水とを含み、その含水比が高いものであり、たとえば、航路、泊地、河川等の浚渫により生ずる浚渫土、あるいは、掘削等の建設工事で排出される建設排土等が例示される。泥土は、含水比が高いため、軟弱であり、ダンプトラック等に山積みして搬送するのが困難であり、その上を人が歩けない程度の流動性を有する状態となっている。そのため、土木用途等に再利用することが困難であり、泥土を有効活用する技術が求められている。
このような技術として、たとえば、特許文献1から4に示すように、泥土に、高炉スラグ微粉末等の結合材と、製鋼スラグ等の骨材と、を添加して、水和反応により石材と同程度の強度と有する人工石を製造する方法が提案されている。このようにして製造された人工石は、護岸、裏込め、埋め立て等の港湾工事および魚礁等の海域環境修復事業に活用されている。
特開2011−93751号公報 特開2011−93752号公報 特開2011−246336号公報 特開2012−12287号公報
水和反応により得られる人工石は養生され、養生期間が1ヶ月程度で最終的な強度に達する。しかしながら、上述したような用途に用いられる場合、10mから数十m規模のピットに、泥土、製鋼スラグ等の原料を投入して混合することにより硬化させ、その後、養生途中の人工石を適宜所定の大きさ(たとえば、直方体形状)に分割して、別の場所に移送し、さらに養生、保管等される。したがって、養生途中の人工石を分割するには、最終的な強度に達している必要はなく、所定の形状に容易に分割できる程度の強度(以降、初期強度ともいう)まで硬化していればよい。
しかしながら、原料配合を同一にした場合であっても、人工石の強度の発現にバラツキが生じ、初期強度に達するまでの時間が遅延する(人工石の固化が遅延する)という問題があった。人工石の固化が遅延すると、初期強度に達するまで、人工石を移送できないため、人工石の製造能力が低下してしまう。
強度の発現のバラツキは、泥土に用いられる浚渫土等を採取した場所の違いに依存する傾向にあった。また、泥土の混合割合が高くなるほど、人工石の固化が遅延する傾向にあった。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされ、短期間で所望の初期強度を確実に発現させることができる人工石の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、人工石の固化メカニズムについて詳細に検討した結果、泥土が採取される場所によって、泥土に含まれる土粒子が有するアルカリ吸着性能が異なるので、このアルカリ吸着性能を破過させてから、水和反応を生じさせる結合材を添加・混合することにより、人工石の強度を確実に発現させ、しかも固化を遅延させることなく、短期間で所望の初期強度が得られることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の態様は、
(1)泥土とアルカリ供給材とを混合して予備混合物を得てから、前記予備混合物と結合材とを混合して、混合物を得て、水和反応により、前記混合物を硬化させて人工石を得ることを特徴とする人工石の製造方法である。
(2)前記結合材が、高炉スラグ微粉末であることを特徴とする(1)に記載の人工石の製造方法である。
(3)前記アルカリ供給材が、製鋼スラグであることを特徴とする(1)または(2)に記載の人工石の製造方法である。
(4)前記予備混合物と前記結合材との混合時に、前記アルカリ供給材を添加することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の人工石の製造方法である。
(5)前記混合物における前記泥土の含有割合が40vol%以上70vol%以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の人工石の製造方法である。
(6)前記泥土の含水比が70%以上250%以下であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の人工石の製造方法である。
(7)前記泥土が浚渫土であることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の人工石の製造方法である。
(8)前記人工石を得てからの養生期間が10日における前記人工石の一軸圧縮強度が5.0N/mm2以上であることを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の人工石の製造方法である。
本発明によれば、短期間で所望の初期強度を確実に発現させることができる人工石の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る人工石の製造方法の製造工程を示す工程図である。 図2は、本実施形態に係る人工石の製造方法において、土粒子のアルカリ吸着特性を説明するための図である。 図3は、浚渫土が採取された場所および時点と、最大吸着アルカリ量と、の関係を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例および比較例について、人工石の養生日数と、人工石の一軸圧縮強度と、の関係を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
(人工石の製造方法)
本実施形態に係る人工石の製造方法は、図1に示すように、まず、泥土と、アルカリ供給材と、を混合して予備混合物を得る。その後、得られた予備混合物に結合材を添加して混合し、混合物を得て、混合物中において水和反応を生じさせることにより、混合物が固化した人工石を得る。本実施形態に係る人工石の製造方法によれば、固化遅延を生じさせることなく、所望の初期強度を速やかに達成することができる。以下、本実施形態に係る人工石の製造方法について詳細に説明する。
(原料)
原料としては、泥土、アルカリ供給材および結合材が用いられる。泥土は、少なくとも粘土質の土粒子と水とを含み、高い含水比を示し、ダンプトラック等に山積みして搬送するのが困難であり、その上を人が歩けない程度の流動性を有する状態を示すものである。具体的な含水比としては、本実施形態では、70〜250%であることが好ましい。なお、泥土の含水比は、泥土に含まれる水と土粒子との質量比率(水/土粒子)から求められる。
泥土としては、浚渫土、建設排土等が挙げられる。浚渫土は、港湾、河川、運河等の航路や泊地を拡げる目的や、河川、湖沼、ダム等の水底や海底の汚泥・底質汚染を除去する目的等を含めて、総じて浚渫により発生する土である。また、建設排土は、掘削等の建設工事で排出される土である。
アルカリ供給材は、泥土および後述する結合材にアルカリ成分を供給する原料である。予備混合では、泥土に含まれる土粒子のアルカリ吸着能力を破過させるために、アルカリ成分を供給する。
アルカリ供給材としては、製鋼スラグ、消石灰、セメント等が挙げられるが、本実施形態では、製鋼スラグを用いる。製鋼スラグとしては、転炉スラグ、予備処理スラグ、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、電気炉還元スラグ、電気炉酸化スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグ等のいずれか1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
アルカリ供給材の粒径は細かい方が好ましい。アルカリ供給材の表面積が大きいほど、泥土に含まれる土粒子のアルカリ吸着が促進されるからである。本実施形態では、アルカリ供給材の粒径は5mm以下であることが好ましい。
結合材としては、高炉スラグ微粉末や、各種セメント類が挙げられる。このうち、高炉スラグ微粉末は、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収した高炉スラグを微粉砕して得られる。具体的には、溶融状態のスラグに加圧水を噴射するなどして急激に冷却した水砕スラグを微粉砕して得られる。この水砕スラグ微粉末の比表面積は、一般に、3000〜8000cm2/g程度である。高炉スラグ微粉末は、ポルトランドセメントと混合されて、A−C種の高炉スラグセメントとして利用されているが、単独でも、潜在水硬性を有しており、硬化までに時間はかかるが、結合材としてのコストパフォーマンスは優れているので、本発明には適している。
(製造工程)
図1に示すように、本実施形態では、結合材を添加せずに、まず、泥土とアルカリ供給材とを混合して予備混合物を得る。このようにすることにより、泥土の土粒子が有するアルカリ吸着能力を破過させることができる。
図2に示すように、泥土に含有される粘土質の土粒子は、その表面がマイナスに帯電しており陽イオン(H+、Mg2+、Al3+等)を吸着している。このとき、アルカリ供給材から溶出したアルカリ成分を含む水のイオン成分(Ca2+、OH-)と接触すると、表面に吸着していた陽イオンのうち、Ca2+より親和力の小さい陽イオンと、Ca2+とがイオン交換され、Ca2+が吸着される。解離したOH-は、中和反応(H++OH-→H2O)や、水酸化物の析出反応(Mg2++2OH-→Mg(OH)2)により消費される。
従来、泥土と製鋼スラグと高炉スラグ微粉末とを混合して人工石を製造する場合、これらの原料を混合する順番については特に考慮されておらず、泥土と結合材である高炉スラグ微粉末とを混合してから、アルカリ刺激のために製鋼スラグを添加するのが一般的であった。固化が生じる水和反応を起こさせるために、まず、水分を含む泥土と、水和反応を生じさせるSi、Al等の非晶質を含む高炉スラグ微粉末等の結合材と、を混合することが好ましいと考えられていたためだと思われる。
しかしながら、泥土と高炉スラグ微粉末との混合物に、製鋼スラグを添加した場合、製鋼スラグから供給されるアルカリ成分は、泥土のアルカリ吸着に優先的に消費される結果、泥土のアルカリ吸着性能を破過するまでは、水和反応による固化を促進するアルカリ刺激が十分ではないため、固化遅延が生じて、搬出可能な初期強度に達するまでの時間が長くなり、生産効率が低下する欠点があった。
しかも、上記のアルカリ吸着特性は、泥土によって異なり、たとえば、浚渫土に関しては、その採取場所、採取時期等によって異なる。図3に浚渫土が採取された場所におけるアルカリ吸着能力の測定結果を示す。図3から明らかなように、最大アルカリ吸着量は、浚渫土が採取された場所により3〜4倍程度異なっており、また、E地点においては、採取時期の違いによる差異も生じている。
このようなアルカリ吸着特性の違いにより、採取場所或いは時期の異なる浚渫土等の泥土に対して、製鋼スラグおよび高炉スラグ微粉末を同一量配合しても、浚渫土のアルカリ吸着性能が破過するまでに必要なアルカリ成分量が浚渫土によって異なるため、アルカリ刺激が有効に作用し始める時期が異なってしまう。その結果、固化が促進される程度も異なることになり、所望の初期強度が発現するまでの期間にバラツキが生じてしまうと考えられる。
そこで、本実施形態では、上述したように、まず、泥土とアルカリ供給材とを混合して、予備混合物とすることにより、速やかに図2に示すような泥土のアルカリ吸着能力を破過させることにした。そして、該予備混合物中の泥土のアルカリ吸着能力が破過した後に、結合材を添加・混合して混合物を得る。この混合物中では、アルカリ供給材からのアルカリ供給が、泥土のアルカリ吸着に消費されることなく、高炉スラグ微粉末の水和反応に対するアルカリ刺激に消費される。その結果、混合物の固化反応が促進され、速やかに所望の初期強度を有する人工石が得られる。また、アルカリ吸着能力の違いに起因する初期強度に達するまでの期間のバラツキも抑制可能である。
予備混合物と結合材とを混合して得られる混合物における泥土の含有割合は、体積割合で、40vol%以上70vol%以下であることが好ましい。泥土の含有割合が大きいほど、初期強度に達するまでの養生期間が長くなる傾向にあるので、泥土の含有割合が40vol%以上である場合に、本発明により得られる効果が大きくなる。泥土の含有割合が70vol%を超えると、アルカリ供給材および結合材の含有割合が少なくなり、人工石に必要な強度が得られなくなる恐れがある。
上記の混合物におけるアルカリ供給材の含有割合は、体積割合で、10vol%以上50vol%以下であることが好ましい。アルカリ供給材の含有割合が、10vol%未満では波過および高炉スラグ微粉末に対するアルカリ刺激剤としての作用が不十分となりがちであり、50vol%を超えると硬化に伴う製鋼スラグの膨張が大きくなり、人工石に必要な強度が得られなくなる恐れがある。
上記の混合物における結合材の含有割合は、体積割合で、15vol%以上50vol%以下であることが好ましい。結合材の含有割合が、15vol%未満では結合力不足となりがちであり、50vol%を超えても、人工石の強度が飽和する恐れがある。
なお、上記の混合物には、泥土に含まれる水以外に、泥土の含水比の調整、混合物の流動性の確保、混合物を型等に流し込む際の作業性の確保等を目的として、水分が添加されていてもよい。この場合、泥土に含まれる水と添加された水分との合計量から求められる泥土の含水比が上述した範囲内であることが好ましい。
予備混合における混合方法としては、特に制限されない。市販のミキサーを用いてもよいし、人工石を大量に効率よく製造する場合には、数十m規模のピットに原料を投入して、ショベルカー等を用いて混合することができる。また、予備混合における泥土とアルカリ供給材との混合時間は、実験室レベルでの配合量と実機レベルでの配合量との違いにも影響されるが、均一に混合されていれば特に制限されない。例えば、2軸強制練りミキサーによれば、通常90秒程度以上であれば十分である。
予備混合物と結合材とを混合して混合物を得る場合についても、上記の予備混合における混合方法および時間が適用可能である。
なお、予備混合および混合のいずれか一方あるいは両方の作業時において、泥土の含水比の調整、混合物の流動性の確保、混合物を型等に流し込む際の作業性の確保等を目的として、水分を添加してもよい。
(人工石)
初期強度に達した人工石は、必要に応じて、所定の形状に分割されたり、別の場所に搬送され、さらに最終的な強度に達するまで養生される。上述した方法により製造される人工石は、短期間の養生で所望の初期強度を呈することができる。人工石は山積みにされて養生、保管等される場合があるので、本実施形態では、10日間養生後の一軸圧縮強度が5.0N/mm2以上であることが好ましい。
また、養生終了後の人工石の最終的な強度としては、一軸圧縮強度が9.8N/mm2以上であることが好ましい。
なお、形状は特に制限されず、用途に応じて適宜決定すればよい。港湾工事、海域環境改善工事等に用いられる場合には、たとえば、直方体等の形状とされ、1個当たり数百kg程度の重量とされる。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、泥土と結合材とアルカリ供給材との混合順序を明確に規定している。すなわち、まず、泥土とアルカリ供給材とを予備混合して予備混合物を得ている。この予備混合物中では、アルカリ供給材から供給されるアルカリ成分が、泥土の土粒子表面に吸着している陽イオンとイオン交換され、アルカリ成分が土粒子表面に吸着する。この反応が進行すると、予備混合物に含まれる泥土の土粒子のアルカリ吸着能力が破過される。
続いて、予備混合物に結合材を添加・混合して混合物を得る。結合材が添加されると、混合物中で水和反応が生じるが、アルカリ供給材から供給されるアルカリ成分は、土粒子のアルカリ吸着に消費されず、結合材へのアルカリ刺激が十分に確保されるため、水和反応による固化が速やかに促進される。
その結果、土粒子のアルカリ吸着に起因する固化遅延が生じないため、速やかに初期強度を発現させることができる。したがって、人工石の製造効率を高めることができる。
さらに、土粒子のアルカリ吸着能力は、泥土が採取された場所等により異なるが、予備混合時にアルカリ吸着能力を破過させるため、アルカリ吸着能力が異なっていても、予備混合物と結合材との混合時にはアルカリ刺激が一様に生じるため、強度の発現のバラツキを吸収することができる。
(変形例)
上記の実施形態では、予備混合時に配合されるアルカリ供給材が、土粒子のアルカリ吸着能力を破過させるようアルカリ成分を供給し、さらに、予備混合物と結合材との混合において添加される結合材に対してアルカリ刺激が十分に生じるようアルカリ成分を供給している。換言すれば、予備混合時に配合されるアルカリ供給材は、土粒子のアルカリ吸着能力を破過させ、かつ結合材へのアルカリ刺激を生じさせるのに十分なアルカリ成分量を有している。
しかしながら、予備混合時に配合されるアルカリ供給材は、土粒子のアルカリ吸着能力を破過させる程度のアルカリ成分量を最低限有していればよく、予備混合物と結合材との混合時において、アルカリ刺激を生じさせるのに必要なアルカリ成分量を有するアルカリ供給材をさらに添加してもよい。すなわち、予備混合物と結合材との混合時にも、アルカリ供給材を追加して添加してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例)
泥土としては、港湾での浚渫により回収された浚渫土(含水比97%、湿潤密度1.32g/cm3)を用いた。アルカリ供給材としては、大分製鐵所で回収した製鋼スラグであって、密度2.88g/cm3 、粒径5mm以下のものを用いた。結合材としては、JIS A 6206に規定されたコンクリート用高炉スラグ微粉末4000(比表面積4000cm2/g)を用いた。
浚渫土と製鋼スラグおよび高炉スラグ微粉末の性状、さらにこれらの混合物の性状と割合を表1に示す。
まず、浚渫土と製鋼スラグとを、2軸強制練りミキサーを用いて120秒間混合し、予備混合物を得た。別途測定したアルカリ吸着能力試験から、破過のための時間を1時間取った後、得られた予備混合物に、高炉スラグ微粉末および所定量の海水を加えて、2軸強制練りミキサーを用いて120秒間混合し、混合物を得た。表1に示すように、得られた混合物において、浚渫土の体積割合は60.0vol%、製鋼スラグの体積割合は11.9vol%、高炉スラグ微粉末の体積割合は22.6vol%であった。
この混合物を、モールドに詰めて成形し、これを温度20℃の湿潤条件下で10日間養生させて、φ50mm×高さ100mmの試験用人工石を得た。得られた試験用人工石については、養生開始から5日および10日経過した時点で、1000kN耐圧圧縮試験機を用いて一軸圧縮強度を測定した。結果を表2と図4に示す。
(比較例)
比較例として、実施例の浚渫土、製鋼スラグおよび高炉スラグ微粉末を用いて、混合する順序を以下のようにして混合物を得た。比較例では、まず、浚渫土、高炉スラグ微粉末および所定量の海水を、2軸強制練りミキサーを用いて120秒間混合し、予備混合物を得た。その後直ちに、得られた予備混合物に、製鋼スラグを加えて、2軸強制練りミキサーを用いて120秒間混合し混合物を得た。表1に示すとおり、得られた混合物において、浚渫土の体積割合は60vol%、製鋼スラグの体積割合は11.9vol%、高炉スラグ微粉末の体積割合は22.6vol%で、実施例と全く同じであり、異なるのは、高炉スラグ微粉末を混合した後に、製鋼スラグを添加する順序および破過のための時間をとったことのみである。
得られた混合物を実施例と同じ方法で成形、養生して試験用人工石を作成し、養生期間45日まで、実施例と同様の方法により、圧縮強度を測定した。得られた試験用人工石については、養生開始から6日、12日、38日および45日経過した時点で、1000kN耐圧圧縮試験機を用いて一軸圧縮強度を測定した。結果を表2と図4に示す。
表2および図4より、実施例では、速やかに一軸圧縮強度が上昇し、10日目には、一軸圧縮強度が6N/mm2を超え、所定の形状に容易に分割できる程度の強度(初期強度)を上回った。これに対し、比較例では、配合と、混合直後の性状が同じであり、混合する順序が異なるのみであるにもかかわらず、養生期間が10日を超え、12日の時点においても圧縮強度は0.15N/mm2に留まっており、一軸圧縮強度がほとんど上昇しなかった。これは、比較例では、製鋼スラグから供給されるアルカリ成分が浚渫土の土粒子のアルカリ吸着に優先的に使用され、高炉スラグ微粉末へのアルカリ刺激が十分ではなく、固化遅延が生じたためと推察される。
最終的な強度については、実施例と比較例とで差はないと考えられるが、搬出可能となる初期強度を達成するのに要する養生期間について、実施例では5日程度であるのに対し、比較例では1か月程度を要しており、大きな差があることが確認できた。したがって、本発明を採用することにより、人工石の製造効率を顕著に向上させることができる。

Claims (7)

  1. 泥土とアルカリ供給材としての製鋼スラグとを混合して予備混合物を得てから、前記予備混合物と結合材とを混合して、混合物を得て、水和反応により、前記混合物を硬化させて人工石を得ることを特徴とする人工石の製造方法。
  2. 前記結合材が、高炉スラグ微粉末であることを特徴とする請求項1に記載の人工石の製造方法。
  3. 前記予備混合物と前記結合材との混合時に、前記アルカリ供給材を追加添加することを特徴とする請求項1または2に記載の人工石の製造方法。
  4. 前記混合物における前記泥土の含有割合が40vol%以上70vol%以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の人工石の製造方法。
  5. 前記泥土の含水比が70%以上250%以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の人工石の製造方法。
  6. 前記泥土が浚渫土であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の人工石の製造方法。
  7. 前記人工石を得てからの養生期間が10日における前記人工石の一軸圧縮強度が5.0N/mm以上であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の人工石の製造方法。
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