JP6676664B2 - 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置 - Google Patents

吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6676664B2
JP6676664B2 JP2017565856A JP2017565856A JP6676664B2 JP 6676664 B2 JP6676664 B2 JP 6676664B2 JP 2017565856 A JP2017565856 A JP 2017565856A JP 2017565856 A JP2017565856 A JP 2017565856A JP 6676664 B2 JP6676664 B2 JP 6676664B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
composite sheet
tension
hole
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017565856A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018042556A1 (ja
Inventor
慎一 石川
慎一 石川
翔大 杷野
翔大 杷野
宜秀 石川
宜秀 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uni Charm Corp
Original Assignee
Uni Charm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uni Charm Corp filed Critical Uni Charm Corp
Publication of JPWO2018042556A1 publication Critical patent/JPWO2018042556A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6676664B2 publication Critical patent/JP6676664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06CFINISHING, DRESSING, TENTERING OR STRETCHING TEXTILE FABRICS
    • D06C29/00Finishing or dressing, of textile fabrics, not provided for in the preceding groups

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置に関する。
従来、尿などの***物を吸収する使い捨ておむつ等の吸収性物品の製造ラインでは、吸収性物品に通気性を付与する等の目的で、搬送方向に連続する連続シートに複数の貫通孔を形成する処理が行われることがある。そして、その形成方法の一例として、特許文献1には、回転するロールの外周面に突出形成された複数の押し込み部材を上記連続シートに対して厚さ方向に押し込むことが開示されている。
特開2003−171866号
一方、同製造ラインでは、次のような複合シートに複数の貫通孔を形成することも考えられる。すなわち、複合シートは、先ず、搬送方向に連続する第1不織布と、複合シートの厚さ方向に第1不織布に重なって配されつつ搬送方向に連続する第2不織布と、を有する。そして、これら第1不織布と第2不織布との間には、搬送方向に伸長状態で同搬送方向に沿った複数の弾性部材が、搬送方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されつつ、少なくとも第1不織布又は第2不織布に固定されている。
しかし、かかる複合シートに押し込み部材を押し込んで貫通孔を形成すると、第1及び第2不織布において押し込み部材で押し退けられた繊維が貫通孔の縁部に過度に偏在したり、同縁部で繊維同士が過度に強固に交絡等して、これにより、複合シートは、貫通孔の形成処理の影響が過度に残った不適正状態になり得る。そして、かかる不適正状態で複合シートに更に加工をする場合には、当該加工が不安定になる等して、加工精度が悪化する恐れがある。
また、上記のような貫通孔の縁部の繊維の過度な偏在等は、貫通孔の縁部での触り心地の悪化も招き得るが、そのままの状態で搬送方向の下流の複数の加工工程を経て、おむつが製造されると、最終的に肌触りの悪いおむつが製造される恐れがある。
この点につき、上記のような貫通孔の縁部の不具合を改善する方法として、加工工程よりも搬送方向の上流側の位置で、複合シートの貫通孔の縁部の繊維をほぐすことが有効であるものと考えられる。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複合シートに形成された貫通孔の縁部の繊維が所定の加工工程に到達する前に、当該縁部の繊維を速やかにほぐすことにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する方法であって、
前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送工程と、
前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔形成工程で前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与工程と、
前記CD方向張力付与工程で前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工工程と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法である。
また、
所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する装置であって、
前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送装置と、
前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成装置と、
前記貫通孔形成装置が前記複合シートに前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与装置と、
前記CD方向張力付与装置が前記複合シートに前記CD方向の前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工装置と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、複合シートに形成された貫通孔の縁部の繊維が所定の加工工程に到達する前に、当該縁部の繊維を速やかにほぐすことができる。
吸収性物品の一例としての3ピースタイプの使い捨ておむつ1をパンツ型状態において腹側から見た概略斜視図である 展開状態の同おむつ1を肌側から見た概略平面図である。 図2中のIII−III断面図である。 腹側帯部材31を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。 図5Aは、第1実施形態に係る通気孔hを厚さ方向の非肌側から見た概略拡大図であり、図5Bは、図5A中のB−B断面図である。 製造ラインでなされる各種処理を説明するための同ラインの概略平面図である。 通気孔形成工程S50へ搬送される直前の中間製品1mの概略平面図である。 通気孔形成工程S50を通過直後の中間製品1mの概略平面図である。 図8Aは、腹側糸ゴム切断工程S80へ搬送される直前の腹側帯部材の連続体31aの概略平面図であり、図8Bは、同工程S80を通過中及び通過後の腹側帯部材の連続体31aの概略平面図である。 一部の構成を縦断面視で示す通気孔形成装置50の概略側面図である。 図9中のX−X矢視の概略拡大図である。 中間ロール55の外周面におけるピン部材55pの配置パターンの説明図である。 上流側ロール51の外周面における穴部51hの配置パターンの説明図である。 図13Aは、図11中のXIIIa部の拡大図であり、図13Bは、図13A中のB−B矢視図である。 図14Aは、CD方向張力付与装置60を拡大して示す概略平面図であり、図14Bは、図14A中のB−B矢視図である。 図15Aは、腹側用カッター装置80の概略側面図であり、図15Bは、図15A中のB−B矢視図である。 第2実施形態の製造方法の概略説明図である。 第3実施形態の製造方法の概略説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する方法であって、
前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送工程と、
前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記貫通孔形成工程で前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与工程と、
前記CD方向張力付与工程で前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工工程と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法である。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、上記の張力付与位置は、搬送方向において上記貫通孔形成処理位置と上記の加工工程で加工を行う位置との間に位置している。よって、貫通孔形成工程で複合シートに形成された貫通孔の縁部の繊維が上記の加工工程に到達する前に、当該縁部の繊維を、上記張力付与位置で付与されるCD方向の張力に基づいて速やかにほぐすことができる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側には、前記加工工程を複数有し、
前記貫通孔形成処理位置と、前記複数の加工工程のうちで前記貫通孔形成処理位置に最も近い加工工程の位置との間に、前記CD方向張力付与工程の前記張力付与位置が位置しているのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、上記貫通孔形成処理位置の直近下流の位置で複合シートにCD方向の張力を付与する。よって、上記貫通孔形成処理位置よりも下流側に位置する複数の加工工程のうちで最上流の加工工程から、複合シートの状態を、その貫通孔の縁部の繊維がほぐれた適正状態にすることができる。そして、これにより、当該最上流の加工工程から高い加工精度で複合シートに加工を行うことができる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記CD方向張力付与工程の前記張力付与位置よりも前記搬送方向の上流側の位置には、前記複合シートに別部材を固定する別部材固定工程が存在しないのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、別部材を固定する前に複合シートにCD方向の張力を付与する。よって、別部材の固定後にCD方向の張力を付与する場合に起こる不具合、すなわち、上記張力を別部材が受けてしまうことで当該張力が複合シートに伝達し難くなって、同シートの貫通孔の縁部の繊維をほぐす作用が低下してしまうことを有効に防ぐことができる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記第1不織布及び前記第2不織布は、どちらも熱可塑性樹脂繊維を含み、
前記貫通孔形成工程では、前記搬送方向に沿って回転する前記第1回転体の外周面に突出形成された前記押し込み部材が、前記搬送方向に沿って回転する前記第2回転体の外周面の穴部に挿入される際に、前記押し込み部材が前記複合シートに押し込まれて前記貫通孔を形成し、
前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの少なくとも一方の回転体は、加熱されているとともに、前記回転体によって前記複合シートは加熱されており、
前記CD方向張力付与工程では、前記回転体によって加熱される前の前記複合シートの温度よりも高温の状態で、前記複合シートに前記CD方向の前記張力を付与するのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、複合シートの温度が高温の状態で複合シートにCD方向の張力を付与する。よって、同シートの貫通孔の縁部の繊維が軟化した状態で同繊維をほぐすことができて、これにより、当該繊維をほぐし易くなる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記張力付与位置での前記複合シートの前記CD方向の寸法は、前記貫通孔形成処理位置での前記複合シートの前記CD方向の寸法以上であるのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、CD方向張力付与工程の上記張力付与位置での複合シートのCD方向の寸法を、貫通孔形成工程の上記貫通孔形成処理位置での複合シートのCD方向の寸法以上にしている。よって、上記貫通孔形成処理位置から上記張力付与位置へと搬送される間に、搬送用の張力起因で縮小し得る複合シートのCD方向の寸法を、少なくとも貫通孔が形成される際のCD方向の寸法まで拡大することができる。そして、これにより、CD方向張力付与工程では複合シートにCD方向の張力を確実に付与することができて、その結果、複合シートの貫通孔の縁部の繊維を確実にほぐすことができる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記押し込み部材の前記CD方向の寸法よりも、前記張力付与位置での前記貫通孔の前記CD方向の寸法の方が大きくなるように、前記CD方向張力付与工程では前記CD方向の前記張力を付与するのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、押し込み部材のCD方向の寸法よりも、上記張力付与位置での貫通孔のCD方向の寸法の方が大きくなるように、CD方向張力付与工程では複合シートに対してCD方向の張力を付与する。よって、貫通孔形成工程の上記貫通孔形成処理位置からCD方向張力付与工程の上記張力付与位置へと複合シートが搬送される間に、搬送用の張力起因で縮小し得る複合シートのCD方向の寸法を、少なくとも貫通孔が形成される際のCD方向の寸法まで拡大することができる。そして、これにより、CD方向張力付与工程では複合シートにCD方向の張力を確実に付与することができて、その結果、複合シートの貫通孔の縁部の繊維を確実にほぐすことができる。
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の上流側に、前記複合シートに前記CD方向に張力を付与するCD方向張力付与工程を別途有し、
前記貫通孔形成工程では、前記CD方向の前記張力が付与された状態で前記複合シートに前記貫通孔が形成されるのが望ましい。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、複合シートは弾性部材を有しており、また、複合シートが搬送方向に搬送される際には、搬送用の張力として複合シートには、搬送方向に沿った方向に張力が付与される。よって、当該搬送用の張力で複合シートが搬送方向に伸長される分だけ、同シートはCD方向に収縮し得る。そして、この収縮によって、複合シートの繊維が全体としてCD方向の端側から中央側へと寄ってしまい、その結果、複合シートは、繊維分布の密度がCD方向に関して偏った状態になる。そして、そのような疎密を有した不適正な状態で複合シートに貫通孔を形成すると、貫通孔の形成が不安定となって、貫通孔の形成精度が低下し得るが、この点につき、上記の製造方法によれば、複合シートにCD方向の張力が付与された状態で複合シートに貫通孔を形成する。よって、貫通孔の形成時には、複合シートは、繊維分布の密度がCD方向に関して偏った不適正状態から、当該密度の偏りが縮小された適正状態へと変更されていて、これにより、貫通孔の形成精度を高めることができる。
また、
所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する装置であって、
前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送装置と、
前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成装置と、
前記貫通孔形成装置が前記複合シートに前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与装置と、
前記CD方向張力付与装置が前記複合シートに前記CD方向の前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工装置と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造装置である。
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造装置によれば、前述した製造方法の場合と同様の作用効果を奏することができる。
===第1実施形態===
第1実施形態の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法及び製造装置は、例えば、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の製造ラインで使用される。図1は、使い捨ておむつ1の一例としての3ピースタイプのおむつ1をパンツ型状態において腹側から見た概略斜視図である。また、図2は、展開状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図であり、図3は、図2中のIII−III断面図である。
このおむつ1は、図1のパンツ型状態において、互いに直交する三方向として上下方向と横方向と前後方向とを有している。そして、以下では、このパンツ型状態において上下方向の上側及び下側のことを、それぞれ「胴回り開口側」及び「股下側」とも言い、また、前後方向の前側及び後側のことを、それぞれ「腹側」及び「背側」とも言う。
一方、図2及び図3の展開状態においては、おむつ1は、互いに直交する三方向として縦方向と横方向と厚さ方向とを有している。そして、以下では、この展開状態において縦方向の一方側及び他方側のことをそれぞれ「腹側」及び「背側」とも言い、また、厚さ方向の一方側及び他方側のことをそれぞれ「肌側」及び「非肌側」とも言う。
ちなみに、横方向については、パンツ型状態と展開状態とで互いに同じ意味である。また、展開状態の縦方向は、パンツ型状態の上下方向に沿っているとともに、展開状態の厚さ方向は、パンツ型状態の前後方向に沿っている。
更に、図2及び図3の展開状態では、おむつ1に伸縮性を付与するための後述の弾性部材たる糸ゴム16,35,45による収縮力が全く無いものと仮想して広がった状態のおむつ1を示している。
このおむつ1は所謂3ピースタイプであることから、図2の展開状態において、第1部品として、***物を吸収する吸収性本体10を有し、第2部品として腹側帯部材31を有し、第3部品として背側帯部材41を有している。詳しくは、腹側帯部材31と背側帯部材41とが縦方向に間隔をあけて平行に並んだ状態において、これら両者31,41同士の間に吸収性本体10が掛け渡されつつ、同吸収性本体10の縦方向の各端部10ea,10ebがそれぞれ最寄りの帯部材31,41に接合固定されていて、その外観形状は平面視略H形状をなしている。
そして、この略H形状の展開状態から、吸収性本体10の縦方向の所定位置CL10(縦方向におけるおむつ1の中央位置CL1に相当する位置)を折り位置として同吸収性本体10が二つ折りされるとともに、この二つ折りの状態において互いに対向する帯部材31,41同士が横方向の各端部31e,41eにて溶着等で接合されると、これら帯部材31,41同士が環状に繋がって、これにより、図1に示すような胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成されたパンツ型状態のおむつ1となる。
なお、図2及び図3の展開状態においては、吸収性本体10は、平面視略長方形状をなしている。そして、吸収性本体10の長手方向は、縦方向に沿うように配されている。また、吸収性本体10は、吸収体11と、同吸収体11を肌側から覆って設けられたトップシート13と、同吸収体11を非肌側から覆って設けられたバックシート15と、を備えている。
吸収体11は、液体吸収性の吸収性コア11cと、同コア11cの外周面を被覆する不図示のティッシュペーパー等のコアラップシートと、を有する。吸収性コア11cは、所定の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。液体吸収性素材としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を例示できる。
トップシート13は、吸収体11から縦方向及び横方向に突出するような平面サイズの不織布等の液透過性のシートである。また、バックシート15も、吸収体11から縦方向及び横方向に突出するような平面サイズのシートであり、その一例としては、図3のような二層構造のラミネートシート15が挙げられる。すなわち、当該ラミネートシート15は、肌側に、ポリエチレンフィルム(PE)やポリプロピレンフィルム(PP)等の液不透過性の防漏シート15aを有し、非肌側には、不織布製の外装シート15bを有している。
そして、これらトップシート13とバックシート15との間に吸収体11を挟んだ状態において、吸収体11から縦方向及び横方向に突出した部分でこれら両シート13,15同士が例えば額縁状に接着や溶着等で接合されることにより、吸収性本体10が形成されている。なお、バックシート15は、外装シート15bを有さずに、防漏シート15aだけを有していても良い。
また、この図2の例にように、吸収性本体10における吸収体11よりも横方向の外側の各部分10LGには、それぞれ縦方向に伸縮するレッグギャザーLGを設けても良い。かかるレッグギャザーLGは、脚回り開口LHの一部を構成する。また、レッグギャザーLGの伸縮性の付与は、上記の各部分10LGに、それぞれ縦方向に沿って弾性部材としての糸ゴム16を縦方向に伸長した状態で固定することでなされる。なお、このレッグギャザーLGに加えて、更に、横漏れを防止する目的で、吸収性本体10における横方向の両側に防漏壁部として所謂立体ギャザー(不図示)を設けても良い。
一方、図2に示すように、腹側帯部材31は、不織布32,33を素材とした平面視略矩形形状のシート部材である。この例では、図3に示すように、ホットメルト接着剤で不織布32,33を二枚重ねに接合することで腹側帯部材31は形成されている。そして、図2及び図3に示すように、腹側帯部材31の横方向の中央部が、吸収性本体10における縦方向の腹側の端部10eaに非肌側から重ねられて接合されている。
また、背側帯部材41も、腹側帯部材31と同様に、不織布42,43を素材とした平面視略矩形形状のシート部材であり、この例では、図3に示すように、ホットメルト接着剤で不織布42,43を二枚重ねに接合することで背側帯部材41は形成されている。そして、図2及び図3に示すように、背側帯部材41の横方向の中央部が、吸収性本体10における縦方向の背側の端部10ebに非肌側から重ねられて接合されている。
なお、以下で説明する内容は、腹側帯部材31及び背側帯部材41の両者について共通の内容である。そのため、ここでは、両者を代表して腹側帯部材31についてのみ説明し、背側帯部材41については、対応する部材の符号を括弧書きで示すのみとする。
図2及び図3に示すように、腹側帯部材31(41)に係る2枚の不織布32,33(42,43)同士の間には、横方向に沿った弾性部材として複数本の糸ゴム35,35…(45,45…)が縦方向に並んで介挿されつつ、横方向に伸長下で同不織布32,33(42,43)にホットメルト接着剤で接合固定されている。そして、これにより、腹側帯部材31(41)には横方向の伸縮性が付与されている。
また、この例では、図2に示すように、腹側帯部材31(41)において吸収性コア11cと重なる部分の少なくとも一部(例えば、横方向の中央部)については、吸収体11の皺の発生を防ぐ等の目的で、糸ゴム35(45)が非連続とされている。そして、これにより、この部分については伸縮性が付与されていない。
すなわち、図4の腹側帯部材31を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図に示すように、腹側帯部材31(41)を、縦方向に二つの領域AU,ADに区分し、そして、縦方向において胴回り開口BH側に位置する領域AUのことを「上部領域AU」と言い、股下側に位置する領域ADのことを「下部領域AD」と言った場合に、前者の上部領域AUには、吸収性本体10の吸収性コア11cが概ね重なっていない。そのため、当該上部領域AUには、横方向の略全長に亘って伸縮性が付与されている。すなわち、当該上部領域AUには、横方向の略全長に亘って糸ゴム35,35…(45,45…)が設けられている。
一方、後者の下部領域ADについては、その横方向の中央領域ADcに吸収性本体10の吸収性コア11cが重なっていることから、当該中央領域ADcの中央部には糸ゴム35,35…が配置されておらず、これにより、同中央領域ADcの中央部には、横方向の伸縮性がほぼ無い非伸縮領域ALが存在している。但し、この中央領域ADcの両側に位置する各端側領域ADe,ADeには、吸収性コア11cが概ね重ならないことから、当該端側領域ADe,ADeには糸ゴム35,35…(45,45…)が配置されていて、これにより、同端側領域ADe,ADeは、上記の非伸縮領域ALよりも高い伸縮性を有した伸縮領域AH,AHとなっている。なお、このような非伸縮領域AL及び伸縮領域AHを下部領域ADに形成することの実現は、上記の中央部を横方向に横断して配された糸ゴムの連続体35a(45a)(図8A及び図8Bを参照)を、当該中央部で切断することによりなされているが、かような切断処理については後述する。
また、かかる糸ゴム35(45)の繊度としては、例えば、400dtex〜1000dtexを例示でき、また、糸ゴム35(45)の具体例としては、LYCRA(商標)などを例示できる。但し、何等これに限らない。
更に、この例では、図3に示すように、2枚の不織布32,33(42,43)のうちで厚さ方向の非肌側に位置する不織布33(43)の平面サイズは、肌側に位置する不織布32(42)から縦方向の外側に突出するようなサイズとされている。そして、前者の不織布33(43)において突出する部分が、縦方向の内側に折り返されていて、この折り返し部33B(43B)が後者の不織布32(42)の縦方向の端部32Le(42Le)を肌側から覆っているが、何等これに限らない。
また、図2及び図4に示すように、上記の腹側帯部材31(41)における横方向の両側には、上記の端側領域ADeを含め、吸収性本体10が重ね合わせられていない部分31s(41s)(以下、吸収性本体非存在部分31s(41s)とも言う)が存在しているが、当該吸収性本体非存在部分31s(41s)には、その通気性を良くする目的で、同非存在部分31s(41s)を貫通する複数の通気孔h(h)が所定の配置パターンで離散的に形成されていて、これにより、これら通気孔h(h)は、通気孔hの一群たる通気孔群Gh31(Gh41)をなしている。すなわち、この例では、吸収性本体非存在部分31s(41s)において縦方向に隣り合う糸ゴム35,35(45,45)同士の間の位置に、それぞれ、複数の通気孔h,h…(h,h…)が横方向に所定の形成ピッチで並んで形成されていて、これにより、これら通気孔h,h…(h,h…)は、横方向に沿った通気孔列Rh31(Rh41)をなしている。また、縦方向に隣り合う通気孔列Rh31,Rh31(Rh41,Rh41)同士は、互いに上記形成ピッチの半値だけ横方向にずれている。そして、これにより、これら通気孔h,h…(h,h…)は、概ね千鳥配置で配された通気孔群Gh31(Gh41)をなしている。但し、何等これに限らない。例えば、通気孔h,h…(h,h…)が、格子配置で形成されていても良い。
更に、この例では、各通気孔h,h…は、例えば直径が0.2mm〜3mmの正円を目標の開口形状として形成されているが、形成精度の問題で正円になっていない通気孔h,h…も存在する。そして、そのような非正円形状の通気孔hの直径は、通気孔hの周方向の位置に応じて変動しているが、かかる変動する直径についても、例えば0.2mm〜3mmの範囲に入っている。よって、各通気孔hは、所期の通気性を速やかに奏することができる。但し、通気孔hの目標の開口形状は、何等上述の正円に限らない。例えば、正三角形や正方形などの多角形でも良い。
また、図5Aに、通気孔hを厚さ方向の非肌側から見た概略拡大図を示し、図5Bには、図5A中のB−B断面図を示すが、これら図5A及び図5Bを参照してわかるように、通気孔hの縁部heにはバリBが突出している。つまり、同縁部heは、不織布32,33(42,43)において後述のピン部材55pで押し退けられた繊維が密集して存在していていることから、当該縁部heは、他の部分よりも繊維が多く存在する偏在部分となっているとともに、同縁部heは、構成繊維同士が強固に交絡した高交絡強度部分となっている。そして、かかる偏在や交絡強度が過大になると冒頭に説明したような不具合を起こし得る。そのため、後述するおむつ1の製造ラインでは、当該縁部heの繊維をほぐす工程S60(図6)を設けていて、これにより、このおむつ1では、上記縁部heでの繊維の偏在等が緩和されている。
更に、この例では、腹側帯部材31に係る2枚の不織布32,33及び背側帯部材41に係る2枚の不織布42,43の何れも、スパンボンド不織布が使用されている。但し、何等これに限らず、SMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等の別の種類の不織布を用いても良い。また、この例では、不織布の構成繊維として熱可塑性樹脂の代表例のポリプロピレン(PP)の単独繊維を用いているが、何等これに限らない。例えば、ポリエチレン(PE)などの他の熱可塑性樹脂の単独繊維を用いても良いし、更には、PE及びPPの鞘芯構造などの複合繊維を用いても良い。
このようなおむつ1は、製造ラインで製造される。同ラインでは、おむつ1の中間製品1mが、所定の搬送方向に沿って搬送されている(搬送工程に相当)。そして、かかる搬送中に、同中間製品1mには種々の処理が施され、各処理が施される度に、順次中間製品1mの形態が変化していって、最終的に図1のようなおむつ1が完成する。
なお、以下では、製造ラインの幅方向のことを「CD方向」とも言う。また、この例では、CD方向は水平方向に沿っている。そして、この製造ラインでは、このCD方向と直交する平面内の任意の方向を搬送方向として中間製品1mは搬送されている。すなわち、搬送方向は、鉛直な上下方向と水平な前後方向との両者で規定される方向を向いている。なお、ここで言う「上下方向」及び「前後方向」は、それぞれ、前述のおむつ1の説明で用いた「上下方向」及び「前後方向」とは直接的には関係しない別の方向である。
また、中間製品1mの搬送は、ベルトコンベアや搬送ローラー等の適宜な搬送装置でなされる。よって、特段の説明が無い限りは、これらの搬送装置によって、中間製品1mが搬送方向に搬送されているものとする。なお、ベルトコンベアの一例としては、駆動周回する無端ベルトを搬送面として有した通常のベルトコンベアや、無端ベルトの外周面に吸着機能を有したサクションベルトコンベア等を挙げることができる。
図6は、製造ラインでなされる各種処理を説明するための同ラインの概略平面図である。製造ラインは、通気孔形成工程S50(貫通孔形成工程に相当)と、CD方向張力付与工程S60と、スリット工程S70(加工工程に相当)と、間隔形成工程S75(加工工程に相当)と、腹側糸ゴム切断工程S80(加工工程に相当)と、背側糸ゴム切断工程S90(加工工程に相当)と、吸収性本体取り付け工程S100(加工工程及び別部材固定工程に相当)と、二つ折り工程S110(加工工程に相当)と、サイドシール工程S120(加工工程に相当)と、切断工程S130(加工工程に相当)と、を有している。そして、これらの各工程S50〜S130を行う各位置が、搬送方向の上流側から下流側へと、この順番で並んで位置している。
図7Aは、通気孔形成工程S50へ搬送される直前の中間製品1mの概略平面図であり、図7Bは、通気孔形成工程S50を通過直後の中間製品1mの概略平面図である。
図7A及び図7Bを対比してわかるように、この通気孔形成工程S50では、腹側帯部材31及び背側帯部材41の両者の基材となる中間製品1mに対して前述の通気孔h,h…(貫通孔に相当)を形成する。ここで、この製造ラインでは、中間製品1mは、所謂横流れの搬送形態で搬送されている。すなわち、おむつ1の横方向が搬送方向を向き縦方向がCD方向を向いた姿勢で中間製品1mは搬送されている。そのため、図7Aに示すように、上工程から通気孔形成工程S50に送られる時点の中間製品1mの形態は、概ね、複数の腹側帯部材31,31…が横方向に連続してなる腹側帯部材の連続体31aと、複数の背側帯部材41,41…が横方向に連続してなる背側帯部材の連続体41aとがCD方向に一体に繋がってなる一つのシート状部材30mfとなっている。
より正確には、このシート状部材30mfは、腹側帯部材31の不織布32の縦方向の寸法と背側帯部材41の不織布42の縦方向の寸法との加算値に相当するCD方向の大きさを有しつつ搬送方向に連続する連続不織布30mf1(第1不織布に相当)と、腹側帯部材31の不織布33の縦方向の寸法と背側帯部材41の不織布43の縦方向の寸法との加算値に相当するCD方向の大きさを有しつつ搬送方向に連続する連続不織布30mf2(第2不織布に相当)と、を有している。そして、これらの連続不織布30mf1,30mf2は、厚さ方向に重ね合わせられた二枚重ねの状態でホットメルト接着剤で接合されている。また、これら連続不織布30mf1,30mf2同士の間には、前述の複数の糸ゴム35,45となるべき複数の糸ゴムの連続体35a,45aが、搬送方向に伸長状態で搬送方向に沿って連続しつつ、CD方向に並んだ状態で介挿されて各連続不織布30mf1,30mf2に固定されている。更に、2枚の連続不織布30mf1,30mf2のうちの一方の連続不織布30mf2は、もう一方の連続不織布30mf1よりもCD方向のサイズが大きくなっていて、これにより、前者たる一方の連続不織布30mf2は、後者たるもう一方の連続不織布30mf1からCD方向の両側に突出する部分30mf2p1,30mf2p2を有している。そして、かかる各突出する部分30mf2p1,30mf2p2が、それぞれCD方向の内側に折り返されていて、これにより、前述の折り返し部33B,43Bに相当する部分が形成されている。
そして、この通気孔形成工程S50では、このようなシート状部材30mf(複合シートに相当)たる図7Aの中間製品1mに対して、図7Bに示すようにCD方向の一方側の領域に腹側帯部材31の一対の通気孔群Gh31,Gh31をそれぞれ搬送方向に製品ピッチP1で繰り返し形成し、また、他方側の領域には背側帯部材41の一対の通気孔群Gh41,Gh41をそれぞれ搬送方向に製品ピッチP1で繰り返し形成する。なお、ここで言う製品ピッチP1は、図2の展開状態における腹側帯部材31及び背側帯部材41の横方向の全長L31,L41と概ね同値である。
次のCD方向張力付与工程S60では、図6に示すように、中間製品1mとして通気孔hが形成済みの上記シート状部材30mfに対してCD方向に張力を付与する。そして、この張力によって、通気孔hの縁部heの繊維をほぐして、これにより、通気孔hの縁部heの繊維の過度な偏在などといったシート状部材30mfに残存する通気孔hの形成処理の影響を小さくした適正状態で当該シート状部材30mfを以降のスリット工程S70等の各種工程S70〜S130へ送る。その結果、これら各工程S70〜S130でなされる加工の精度を高めることができる。なお、シート状部材30mfに対するCD方向の張力の付与についてはCD方向張力付与装置60によってなされ、これについては後述する。
次のスリット工程S70では、同図6に示すように上記のシート状部材30mfをCD方向に二分割して、これにより、糸ゴムの連続体35aが未切断状態の腹側帯部材の連続体31aと、糸ゴムの連続体45aが未切断状態の背側帯部材の連続体41aとを生成する。
次の間隔形成工程S75では、中間製品1mとしての腹側帯部材の連続体31aと背側帯部材の連続体41aとを、それぞれ、CD方向の外側にそれぞれ移動する。そして、これにより、これら連続体31a,41a同士のCD方向の間に、図2の展開形状のおむつ1における腹側帯部材31と背側帯部材41との間の縦方向の間隔Ldに相当する大きさの間隔を形成する。
次の腹側糸ゴム切断工程S80では、上記の腹側帯部材の連続体31aが通過する際に、同連続体31aにおける非伸縮領域ALに対応する領域AL1で糸ゴムの連続体35aを切断し、これにより、腹側帯部材の連続体31aに非伸縮領域ALを形成する。詳しくは次の通りである。
先ず、この腹側帯部材の連続体31aにおいては、図8Aの概略平面図に示すように、CD方向の一方側の領域が、前述の腹側帯部材31における上部領域AUに相当し、他方側の領域が、同じく下部領域ADに相当している。そして、この時点では、どちらの領域にも、糸ゴムの連続体35aが搬送方向に沿って当該搬送方向に伸長した状態で配されている。但し、上部領域AUに相当する前者の一方側の領域には、糸ゴムの連続体35aが搬送方向の全長に亘ってホットメルト接着剤で固定されているが、下部領域ADに相当する後者の他方側の領域には、糸ゴムの連続体35aが固定されている固定領域AH1と、固定されていない非固定領域AL1とが、搬送方向に存在している。そして、この非固定領域AL1は、搬送方向に製品ピッチP1で且つ搬送方向に前述の非伸縮領域ALの大きさで存在している。
よって、図8Bの右部に示すように、この非固定領域AL1の所定位置PCで糸ゴムの連続体35aを切断すると、糸ゴムの連続体35aにおける下流側の端部35aedが同連続体35aから切り離される。すると、切り離された糸ゴム35における上流側の部分35euが、その下流側に位置する固定領域AH1の方へと収縮する。また、上記の切断に基づいて糸ゴムの連続体35aにおける新たな下流側の端部となった部分35aednは、その上流側に位置する固定領域AH1の方へ収縮する。そして、これにより、図8Bの左部に示すように、非固定領域AL1は、糸ゴム35が存在しない状態となって、結果、当該非固定領域AL1が、前述の非伸縮領域ALとなる。一方、同図8Bに示すように、固定領域AH1には、ホットメルト接着剤での固定に基づいて、上記の切り離された糸ゴム35及び上記新たな下流側の端部となった部分35aednがそれぞれ留まるので、当該糸ゴム35によって当該固定領域AH1には伸縮性が付与される。そして、これにより、当該固定領域AH1は、前述の伸縮領域AHとなる。
次の背側糸ゴム切断工程S90では、図6に示す上記背側帯部材の連続体41aが通過する際に、同連続体41aにおける非伸縮領域ALに対応する領域AL1で糸ゴムの連続体45aを切断し、これにより、背側帯部材の連続体41aに非伸縮領域ALを形成する。なお、この切断による非伸縮領域ALの形成処理は、腹側帯部材の連続体31aに対してなされた上述の切断処理と概ね同じである。よって、その説明については省略する。
次の吸収性本体取り付け工程S100では、上記の各糸ゴム切断工程S80,S90から中間製品1mとして送られる各帯部材の連続体31a,41a同士に、不図示の別工程で生成された単票状の吸収性本体10を掛け渡して固定し、これにより、中間製品1mを、図2の略H形状に展開されたおむつ1H,1H…が連続してなる略梯子状のおむつの連続体1Haの形態にする。
次の二つ折り工程S110では、中間製品1mたる略梯子状のおむつの連続体1Haを、腹側帯部材の連続体31aと背側帯部材の連続体41aとが厚さ方向の上下に重なるように二つ折りする。
次のサイドシール工程S120では、二つ折り工程S110で上下に重ねられた腹側帯部材の連続体31aと背側帯部材の連続体41aとを、おむつ1の横方向の端部31e,41eに相当する位置で溶着してサイドシール部SSを形成し、これにより、二つ折り状態に固定する。そして、その結果、中間製品1mは、複数のパンツ型のおむつ1,1…が横方向に繋がってなるパンツ型のおむつの連続体1aの形態となる。
そうしたら、最後の切断工程S130では、中間製品1mとしてのパンツ型のおむつの連続体1aを各サイドシール部SSで切断して、これにより、パンツ型のおむつ1が製造される。
以下、各工程S50〜S100についてより詳しく説明するが、ここで、二つ折り工程S110以降の各工程S110〜S130については、適宜、周知な方法で実現可能なことは明らかなので、これ以上の説明はしない。
<<<通気孔形成工程S50>>>
通気孔形成工程S50には、シート状部材30mfに通気孔hを形成する通気孔形成装置50(貫通孔形成装置に相当)が配置されている。図9は、一部の構成(上流側ロール51及び下流側ロール58)を縦断面視で示す同装置50の概略側面図であり、図10は、図9中のX−X矢視の概略拡大図である。
図9に示すように、通気孔形成装置50は、CD方向に沿った回転軸回りに駆動回転する3本のロール51,55,58を有する。すなわち、搬送方向の上流側から下流側へと、上流側ロール51、中間ロール55、及び下流側ロール58の順番で各ロール51,55,58が並んで配置されている。また、中間ロール55は、上流側ロール51及び下流側ロール58の両者と、互いの外周面が対向するように各ロール51,58に近接配置されている。そして、通気孔形成装置50へ中間製品1mとして送られた上記のシート状部材30mfは、これら3本のロール51,55,58の回転動作に基づいて、略Ω形状の搬送ルートで搬送される。すなわち、先ず、シート状部材30mfは、当該上流側ロール51に巻き付いた状態となる円弧状の第1搬送ルートR51で搬送され、次に、中間ロール55に巻き付いた状態となる円弧状の第2搬送ルートR55で搬送され、最後に、下流側ロール58に巻き付いた状態となる円弧状の第3搬送ルートR58で搬送される。そして、しかる後に、シート状部材30mfは、下流側ロール58から離れて次工程のCD方向張力付与工程S60へと送出される。
なお、上流側ロール51と中間ロール55とは、上流側ロール51の回転方向Dc51における所定位置P51で最接近しているが、この最接近位置P51が、第1搬送ルートR51から第2搬送ルートR55へと切り替わる位置である。同様に、中間ロール55と下流側ロール58とは、中間ロール55の回転方向Dc55における所定位置P55で最接近しているが、この最接近位置P55が、第2搬送ルートR55から第3搬送ルートR58へと切り替わる位置である。
中間ロール55は、外周面に突出形成された複数のピン部材55p,55p…(押し込み部材)を有する。各ピン部材55p,55p…は、先端側が先細り形状の部材である。すなわち、図10に示すように、この例では、ピン部材55pは、先端側に円錐部55paを有し、根元側に円錐部55paの底面と同径の円柱部55pbを一体に有している。また、上流側ロール51の外周面は、ピン部材55p,55p…を挿入可能な穴部51h,51h…を有している。すなわち、穴部51hは、ピン部材55pが挿入される範囲において、ピン部材55pの円錐部55paの直径よりも大きな直径を有している。そして、上記の最接近位置P51において、一つの穴部51hにピン部材55pが一つだけ挿入されるように、各穴部51hは各ピン部材55pに対応して形成されている。
よって、図9の上流側ロール51上に位置するシート状部材30mfにおいて通気孔hを形成すべき形成対象部分が上記最接近位置P51を通過する際には、図10に示すように、上流側ロール51の各穴部51hに、対応するピン部材55pが挿入されることにより、ピン部材55pは、シート状部材30mfにおける上記形成対象部分に円滑に押し込まれて、これにより、当該形成対象部分に通気孔hが速やかに貫通形成される。
ちなみに、この例では、上述のように最接近位置P51で通気孔hが形成されることから、以下では、最接近位置P51のことを通気孔形成処理位置P51(貫通孔形成処理位置に相当)とも言う。
また、図10中の要部拡大図に示すように、この通気孔hの形成の際には、シート状部材30mfを構成する二枚の連続不織布30mf1,30mf2が、ピン部材55pによって厚さ方向に押し込められる。すると、通気孔hの縁部heには、ピン部材55pによって押し退けられた連続不織布30mf1の繊維と連続不織布30mf2の構成繊維とが一緒に密集して存在していて、これにより、当該縁部heは、他の部分よりも構成繊維が多い偏在部分となっており、また、構成繊維同士が強固に交絡等した高交絡強度部分となっている。そして、かかる偏在や交絡強度が過大な場合には、通気孔hの縁部heでの触り心地が悪化するし、また、当該通気孔hの形成後にシート状部材3mfに別の加工を施す場合には、上記のような通気孔hの形成処理の影響が過度に残った不適正状態でシート状部材30mfを加工することになることから、加工精度の悪化を招き得る。そこで、この製造方法及び製造装置では、前述のCD方向張力付与工程S60を設けている。つまり、同工程S60では、シート状部材30mfに形成された通気孔hの縁部heの繊維をほぐし、しかる後に、同シート状部材30mfを各加工工程S70〜S130へ送るようにしている。なお、このCD方向張力付与工程S60の詳細については後述する。
ところで、図10の円錐部55paの頂角は、例えば20°〜45°の範囲から選択され、この例では36°である。また円錐部55paの高さは、例えば3mm〜8mmの範囲から選択され、この例では、4.6mmである。但し、何等これに限らない。更に、この例では、穴部51hの縁部が面取りされているが、何等これに限らず、つまり、面取りされていなくても良い。
また、この例では、図9の中間ロール55は、一回転につき図7Bのようにおむつ二つ分の通気孔群Gh31,Gh31,Gh31,Gh31,Gh41,Gh41,Gh41,Gh41を形成するように、周長が前述の製品ピッチP1の略2倍に相当する長さの大径ロールとされている。一方、図9の上流側ロール51は、一回転につき図7Bのおむつ一つ分の通気孔群Gh31,Gh31,Gh41,Gh41を形成可能なように、周長が略製品ピッチP1に相当する長さの小径ロールとされている。但し、何等これに限らない。
図11は、中間ロール55の外周面におけるピン部材55pの配置パターンの説明図であり、図12は、上流側ロール51の外周面における穴部51hの配置パターンの説明図である。なお、何れの図も、各ロール55,51の外周面を平面上に展開して示している。また、図11では、図の錯綜を防ぐ目的で後述の受け部55rを不図示としている。
図11に示すように、ピン部材55pは、前述のシート状部材30mfに形成される通気孔群Gh31,Gh41に対応させて設けられている。すなわち、図7Bに示すように、シート状部材30mfにおけるCD方向の一方側の領域には、おむつ一つにつき腹側帯部材31用に一対の通気孔群Gh31,Gh31が形成されるべきであることから、図11に示すように、中間ロール55の外周面におけるCD方向の一方側の領域には、通気孔群Gh31と同じ千鳥配置で複数のピン部材55pを有したピン部材群G55p1,G55p1が、回転方向Dc55に一対並んで設けられている。同様に、シート状部材30mfにおいてCD方向の他方側の領域には、おむつ一つにつき背側帯部材41用の一対の通気孔群Gh41,Gh41が形成されるべきであることから、中間ロール55の外周面におけるCD方向の他方側の領域には、通気孔群Gh41と同じ千鳥配置で複数のピン部材55pを有したピン部材群G55p2,G55p2が回転方向Dc55に一対並んで設けられている。
また、この例では、前述のように、中間ロール55は一回転でおむつ二つ分の通気孔hを形成することから、回転方向Dc55に並ぶ上記一対のピン部材群G55p1,G55p1(G55p2,G55p2)を1セットのピン部材群セットSG55p1(SG55p2)とした場合に、中間ロール55の外周面には、回転方向Dc55に180°の等ピッチで2セットのピン部材群セットSG55p1,SG55p1(SG55p2,SG55p2)が並んで設けられている。
更に、図13Aに、図11中のXIIIa部の拡大図を示し、図13Bには、図13A中のB−B矢視図を示すが、ここで、前者の図13Aに示すように、この中間ロール55の外周面において隣り合うピン部材55p,55p同士の間の位置には、ピン部材55pとは別体の受け部55rが突出形成されている。そして、図13Bに示すように、この受け部55rは、先端に、中間ロール55の回転半径方向Dr55の外方を向いた頂面55rtを有した略円柱体である。よって、シート状部材30mfは、ピン部材55p以外に当該受け部55rでも受け止められて保持される。そのため、シート状部材30mfを、全体として、中間ロール55の回転半径方向Dr55の適正な位置に安定して保持可能となる。また、このとき、同受け部55rは上記頂面55rtでシート状部材30mfの一方の面を貫通せずに受け止めるが、このことも、シート状部材30mfを上記の適正な位置に安定して保持することに有効に寄与する。
また、この例では、図13Aに示すように、かかる受け部55rは、ピン部材55pの周囲の四カ所にそれぞれ設けられていて、これにより、シート状部材30mfを確実に受け止め可能としているが、何等上記の四カ所に限らない。例えば、配置スペースを確保できない場合には、これより少なくても良いし、逆に配置スペースを確保できる場合には、これより多くても良い。
更に、この図13Bの例では、受け部55rの頂面55rtの位置は、ピン部材55pの頂点の位置よりも中間ロール55の回転半径方向Dr55の内方に位置している。そして、これにより、ピン部材55pによる通気孔hの貫通形成処理を、受け部55rが邪魔することを防止している。なお、ここで望ましくは、受け部55rの頂面55rtは、ピン部材55pの円錐部55paの底面の近傍に位置していると良く、例えば、当該頂面55rtは、回転半径方向Dr55の位置に関して上記底面の位置を中心とする±2mmの範囲に入っていると良い。そして、この例では、当該頂面55rtは、円錐部55paの底面と一致している。よって、受け部55rは、ピン部材55pの通気孔hの貫通形成処理を概ね邪魔せずにシート状部材30mfを確実に受け止めることができる。そして、これにより、ピン部材55pは、シート状部材30mfに対して速やかに通気孔hを形成可能となる。
また、この例では、受け部55rの頂面55rtは正円形状とされていて、その直径は、例えば2mm〜5mmの範囲から選択されているが、何等これに限らない。例えば、正三角形や正方形などの多角形でも良いし、これら以外の形状でも良い。
一方、図12に示すように、上流側ロール51の外周面の穴部51hは、ピン部材55pに対応させて設けられている。すなわち、図11に示すように、中間ロール55の外周面におけるCD方向の一方側の領域には一対のピン部材群G55p1,G55p1が回転方向Dc55に並んで設けられていることから、これに対応させて、上流側ロール51の外周面におけるCD方向の一方側の領域には、千鳥配置で複数の穴部51hを有した穴部群G51h1,G51h1が、回転方向Dc51に並んで一対設けられている。同様に、図11に示すように、中間ロール55の外周面におけるCD方向の他方側の領域には一対のピン部材群G55p2,G55p2が回転方向Dc55に並んで設けられていることから、これに対応させて、上流側ロール51の外周面におけるCD方向の他方側の領域には、千鳥配置で複数の穴部51hを有した穴部群G51h2,G51h2が、回転方向Dc51に一対並んで設けられている。
但し、前述のように上流側ロール51は、一回転でおむつ一つ分の通気孔hの形成に関与することから、回転方向Dc51に並ぶ上記一対の穴部群G51h1,G51h1(G51h2,G51h2)を1セットの穴部群セットSG51h1(SG51h2)とした場合に、上流側ロール51の外周面には、かかる穴部群セットSG51h1(SG51h2)が1セットだけ設けられている。
なお、場合によっては、図9の中間ロール55の内部に電熱ヒーター等の加熱装置(不図示)を内蔵させて、これにより、中間ロール55のピン部材55pを加熱しても良い。そして、このようにすれば、加熱されたピン部材55pに基づいて、シート状部材30mfの連続不織布30mf1,30mf2の構成繊維たる熱可塑性樹脂繊維を軟化させることができる。よって、当該ピン部材55pをシート状部材30mfに押し込む際に当該繊維を周囲に押し退け易くなって、これにより、通気孔hを形成し易くなる。
ちなみに、加熱の目安としては、例えば、ピン部材55pの温度が、上記の熱可塑性樹脂の軟化点以上融点未満にすることが挙げられる。軟化点については、JISK7196(熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法)のTMA(熱機械分析)で求めることができる。また、融点については、JISK7121(プラスチックの転移温度測定方法)のDSC(示差走査熱量測定)において融解ピーク温度として求めることができる。
他方、図9の下流側ロール58の構成は、概ね上流側ロール51のそれと同じである。例えば、下流側ロール58の外周面には、上流側ロール51の外周面の穴部群G51h1,G51h2と同仕様の穴部群G58h1,G58h2が設けられている。そして、これにより、シート状部材30mfを中間ロール55から受け取る際に、これら穴部群G58h1,G58h2の各穴部58hには、中間ロール55のピン部材55pが円滑に挿入されて、これにより、シート状部材30mfに形成された通気孔hの形状を大きく崩すことなく、当該シート状部材30mfを受け取り可能である。
<<<CD方向張力付与工程S60>>>
図6に示すように、CD方向張力付与工程S60では、上工程の通気孔形成工程S50から送られる通気孔hを形成済みのシート状部材30mfに対してCD方向の両側に張力を付与する。そして、これにより、シート状部材30mfの通気孔hの縁部heの繊維をほぐす。
かかるCD方向の張力の付与は、CD方向張力付与装置60によってなされる。図14Aは、CD方向張力付与装置60を拡大して示す概略平面図であり、図14Bは、図14A中のB−B矢視図である。
図14Aに示すように、CD方向張力付与装置60は、CD方向の両側にそれぞれ位置調整機構60A,60Aを有する。そして、各位置調整機構60A,60Aは、それぞれ、シート状部材30mfにおいて対応するCD方向の各端部30mfe,30mfeの位置を調整する。
なお、各位置調整機構60A,60Aは、互いにCD方向の中心線CLに関して鏡像関係にあり、その基本構造は概ね同じである。よって、以下では、一方の位置調整機構60Aについてのみ説明する。
図14A及び図14Bに示すように、位置調整機構60Aは、例えば、シート状部材30mfのCD方向の端部30mfeを厚さ方向の両側から挟み込むべく互いの外周面を対向させて配されて従動回転する上下一対のニップローラー60Ru,60Rdと、これら上下一対のニップローラー60Ru,60Rdを、搬送方向及びCD方向の両者を有する平面内で支持軸C60A回りに旋回駆動するアクチュエータ60dと、同ニップローラー60Ru,60Rdの直近下流に配されて上記端部30mfeのCD方向の位置を計測して計測信号を出力する光電管などのセンサー60sと、センサー60sからの計測信号に基づいて上記のアクチュエータ60dを制御する不図示のコントローラと、を有する。
そして、計測信号が、目標位置よりもCD方向の一方側に上記端部30mfeが位置していることを示している場合には、コントローラは、計測信号が示す実際の位置と目標位置との偏差に所定のゲインを乗算してなる制御量でアクチュエータ60dを制御し、これにより、上下一対のニップローラー60Ru,60Rdの送り出し方向Dr60を、現在の送り出し方向Dr60よりも上記制御量に対応する分だけCD方向の他方側に向ける。一方、計測信号が、目標位置よりもCD方向の他方側に上記端部30mfeが位置していることを示している場合には、コントローラは、同様に、計測信号が示す実際の位置と目標位置との偏差に所定のゲインを乗算してなる制御量でアクチュエータ60dを制御し、これにより、上下一対のニップローラー60Ru,60Rdの送り出し方向Dr60を、現在の送り出し方向Dr60よりも上記制御量に対応する分だけCD方向の一方側に向ける。そして、これを所定の制御周期で繰り返し行うことによって、シート状部材30mfの端部30mfeはCD方向の目標位置に位置するようになる。
なお、かかる目標位置は、シート状部材30mfにCD方向の張力が付与されるような位置に予め設定されている。すなわち、この例では、シート状部材30mfは、搬送方向に沿った糸ゴムの連続体35a,35a…(45a,45a…)を有しているとともに、同シート状部材30mfには、搬送用の張力が搬送方向に沿って付与されている。そのため、この搬送用の張力に起因してシート状部材30mfはCD方向に幅縮みをする。つまり、搬送に伴ってCD方向の寸法が縮小する。そして、この例では、この縮小した状態でのシート状部材30mfの各端部30mfeの位置よりも、CD方向の外側の位置に上記の目標位置は設定されている。よって、各端部30mfeが目標位置に位置するように調整することで、シート状部材30mfにはCD方向の張力が付与される。
また、この例では、上述のように、上下一対のニップローラー60Ru,60Rdが、シート状部材30mfのCD方向の端部30mfeを厚さ方向の両側から挟み込みつつ上記の旋回動作をすることでシート状部材30mfにCD方向の張力を付与する。そのため、請求項に係る「張力付与位置」、すなわち「シート状部材30mfにCD方向の張力を付与する位置」は、上下一対のニップローラー60Ru,60Rdがシート状部材30mfを挟み込む位置たるニップ位置P60と概ね同じ位置である。そのため、以下では、このニップ位置P60のことを「張力付与位置P60」とも言う。
ここで、望ましくは、上記の目標位置の調整により、シート状部材30mfのCD方向の寸法の大小関係を次のように設定すると良い。すなわち、CD方向張力付与工程S60に係る上記張力付与位置P60でのシート状部材30mfのCD方向の寸法L30mfk(図14A)が、通気孔形成工程S50に係る前述の通気孔形成処理位置P51でのシート状部材30mfのCD方向の寸法L30mfh以上になるようにすると良い。そして、このようにすれば、通気孔形成処理位置P51から張力付与位置P61へと搬送される間に、縮小し得るシート状部材30mfのCD方向の寸法を、少なくとも通気孔hが形成される際のCD方向の寸法L30mfhまで拡大することができる。そして、これにより、CD方向張力付与工程S60ではシート状部材30mfにCD方向の張力を確実に付与することができて、その結果、シート状部材30mfの通気孔hの縁部heの繊維を確実にほぐすことができる。
また、上記の目標位置の調整を、以下を目安に行っても良い。すなわち、図10のピン部材55pの円錐部55paのCD方向の最大寸法L55paよりも、張力付与位置P60での通気孔hのCD方向の寸法の方が大きくなるように、上記の目標位置を設定しても良い。そして、このようにしても、通気孔形成工程S50からCD方向張力付与工程S60へと搬送される間に、縮小し得るシート状部材30mfのCD方向の寸法を、少なくとも通気孔hが形成される際のCD方向の寸法L30mfhまで拡大することができる。よって、CD方向張力付与工程S60ではシート状部材30mfにCD方向の張力を確実に付与することができて、その結果、シート状部材30mfの通気孔hの縁部heの繊維を確実にほぐすことができる。
一方、この例では、図6に示すように、当該CD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60は、加工工程に相当する前述の各工程S70〜S130のうちで通気孔形成工程S50の通気孔形成処理位置P51に最も近い加工工程S70たるスリット工程S70の位置と、当該通気孔形成処理位置P51との間に設けられている。そして、これにより、通気孔形成処理位置P51の直近下流の位置で、通気孔hが形成済みのシート状部材30mfに対してCD方向の張力が付与される。よって、当該通気孔形成処理位置P51よりも下流側に位置する加工工程S70〜S130のうちで最上流の加工工程S70から、シート状部材30mfの状態を、通気孔hの縁部heの繊維がほぐされた適正状態にすることができる。そのため、当該最上流の加工工程S70たるスリット工程S70を始めとしてその下流に位置する全ての加工工程S75〜S130において高い加工精度でシート状部材30mfに加工を行うことができる。
また、図9を参照して前述した中間ロール55(第1回転体に相当)が、前述のような加熱装置で加熱された加熱ロールである場合には、当該中間ロール55によってシート状部材30mfも加熱されるが、その場合には、次のようになっているのが望ましい。すなわち、CD方向張力付与工程S60においてなされるシート状部材30mfへのCD方向の張力の付与は、シート状部材30mfの温度が、中間ロール55で加熱される前の温度よりも高温の状態にある時になされると良い。
そして、このようになっていれば、シート状部材30mfの通気孔hの縁部heの繊維が軟化した状態で同繊維をほぐすことができて、これにより、当該繊維をほぐし易くなる。なお、中間ロール55に代えて又は中間ロール55に加えて、図9の上流側ロール51(第2回転体に相当)又は下流側ロール58が、電熱ヒーター等の加熱装置(不図示)で加熱された加熱ロールであっても良い。そして、このようにしても、これらロール51,58でシート状部材30mfを加熱することができて、これにより、上述と同様の作用効果を奏することができる。
<<<スリット工程S70>>>
図6に示すように、スリット工程S70では、上工程のCD方向張力付与工程S60から送られるシート状部材30mfを、CD方向の一方側の領域と他方側の領域との境界位置BL(図7B)において二分割する。そして、これにより、糸ゴムの連続体35aが未切断状態の腹側帯部材の連続体31aと、糸ゴムの連続体45aが未切断状態の背側帯部材の連続体41aとが、CD方向に並んだ状態で生成される(図6)。
かかる二分割処理は、図6の周知のスリッター装置70を用いて実施可能である。すなわち、同装置70は、例えば上下一対の円盤状の回転刃を有し、そして、回転刃の外周縁の刃先でもって上記のシート状部材30mfをCD方向に二分割するが、かような装置70は周知である。よって、これ以上の説明については省略する。
<<<間隔形成工程S75>>>
図6に示すように、間隔形成工程S75では、上工程のスリット工程S70から送られる腹側帯部材の連続体31aと背側帯部材の連続体41aとを、それぞれ、CD方向の外側にそれぞれ移動して、これにより、これら連続体31a,41a同士のCD方向の間に、図2の展開形状のおむつ1における腹側帯部材31と背側帯部材41との間の縦方向の間隔Ldに相当する大きさの間隔を形成する。
なお、かかる腹側帯部材の連続体31aのCD方向の外側への移動及び背側帯部材の連続体41aのCD方向の外側への移動については、それぞれ、上記移動を考慮した搬送経路に沿って複数の搬送ローラー(不図示)を配置することにより実現可能であり、その内容については上記の記載から想到可能である。そのため、これ以上の説明については省略する。
<<<腹側糸ゴム切断工程S80>>>
腹側糸ゴム切断工程S80においては、上工程の間隔形成工程S75から送られる図8Aの腹側帯部材の連続体31aに対して、図8Bに示すように、非伸縮領域ALに対応する非固定領域AL1では、糸ゴムの連続体35aを切断する一方、伸縮領域AHに対応する固定領域AH1では、糸ゴムの連続体35aを切断しない。そして、これにより、腹側帯部材の連続体31aに非伸縮領域ALと伸縮領域AHとが形成される。なお、非伸縮領域ALに対応する領域AL1は、搬送方向におむつ1の製品ピッチP1で現れる。よって、かかる切断処理は、腹側帯部材の連続体31aに対しておむつ1の製品ピッチP1で行われる。
この切断処理は、腹側用カッター装置80によって行われる。図15Aは、同カッター装置80の概略側面図であり、図15Bは、図15A中のB−B矢視図である。
腹側用カッター装置80は、互いの外周面81ua,81daを対向させつつ、CD方向に沿った回転軸回りに駆動回転する上下一対のロール81u,81dを有する。そして、上ロール81uの外周面81uaのカッターブロック84には、図8Bの所定位置PC,PC…に対応させて複数のカッター刃C,C…が突出形成されており、下ロール81dの外周面81daは、カッター刃C,C…を受けるべく平滑面とされている。また、これらロール81u,81dは、腹側帯部材の連続体31aの搬送動作と連動して回転するように制御されていて、これにより、非伸縮領域ALに対応する前述の非固定領域AL1が通過する度に、同非固定領域AL1にカッターブロック84が対向するようにカッターロール81uは回転する。そして、これにより、これら一対のロール81u,81dの外周面81ua,81da同士の間を、図8Aの非伸縮領域ALに対応する非固定領域AL1が通過する度に、同非固定領域AL1は、カッターロール81uのカッターブロック84のカッター刃C,C…とアンビルロール81dの外周面81daとで押圧される。そして、押圧された各位置PCで各糸ゴムの連続体35a,35a…がそれぞれ切断される。
<<<背側糸ゴム切断工程S90>>>
図6に示すように、背側糸ゴム切断工程S90においては、上工程の間隔形成工程S75から送られる背側帯部材の連続体41aに対して、図8A及び図8Bを参照して説明したのと同様の切断処理を行う。すなわち、非伸縮領域ALに対応する領域AL1では、糸ゴムの連続体45aを切断し、伸縮領域AHに対応する領域AH1では、糸ゴムの連続体45aを切断しない。そして、これにより、背側帯部材の連続体41aに非伸縮領域ALと伸縮領域AHとが形成される。なお、上述からわかるように、かかる切断処理は、前述の腹側糸ゴム切断工程S80と概ね同じであり、また、当該切断処理を行う図6の背側用カッター装置90の構成も、腹側用カッター装置80のそれと同じである。そのため、ここでは、その詳細な説明については省略する。
<<<吸収性本体取り付け工程S100>>>
吸収性本体取り付け工程S100においては、図6に示すように、上工程の各糸ゴム切断工程S80,S90から中間製品1mとして送られる各帯部材の連続体31a,41a同士に、不図示の別工程で生成された単票状の吸収性本体10を掛け渡して固定し、これにより、中間製品1mを、図2の略H形状に展開されたおむつ1H,1H…が連続してなる略梯子状のおむつの連続体1Haの形態にする。
なお、かかる吸収性本体10の取り付け処理の実現については、例えば、外周面に吸収性本体10を吸着保持する複数の保持部を回転方向に製品ピッチP1で並んで有した回転ドラム(不図示)を使用してなすことができ、かかる回転ドラムは周知である。そのため、詳細な説明については省略する。
===第2実施形態===
図16は、第2実施形態の製造方法の概略説明図である。
前述の第1実施形態では、図6に示すように、CD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60が、搬送方向において通気孔形成工程S50とスリット工程S70との間に位置していたが、この第2実施形態では、図16に示すように、CD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60が、スリット工程S70よりも下流側に位置している。そして、このスリット工程S70よりも下流側の位置では、シート状部材30mfは、腹側帯部材の連続体31aと背側帯部材の連続体41aとに分断されていていることから、これら各連続体31a,41aに対して、それぞれCD方向張力付与工程S60,S60が設けられている点で主に相違する。そして、これ以外の点については概ね前述の第1実施形態と同じである。よって、同じ構成については同じ符号を付して、その説明については省略する。
図16に示すように、この第2実施形態では、腹側帯部材の連続体31a用のCD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60は、搬送方向において腹側糸ゴム切断工程S80と吸収性本体取り付け工程S100との間に位置しており、他方、背側帯部材の連続体41a用のCD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60は、搬送方向において背側糸ゴム切断工程S90と吸収性本体取り付け工程S100との間に位置している。そして、各張力付与位置P60,P60には、それぞれ、CD方向張力付与装置60,60が設けられている。すなわち、腹側帯部材の連続体31a用のCD方向張力付与装置60は、それぞれ、CD方向の両側に前述と同様に位置調整機構60A,60Aを有しており、同機構60A,60Aによって腹側帯部材の連続体31aにはCD方向の張力が付与される。同様に、背側帯部材の連続体41a用のCD方向張力付与装置60も、それぞれ、CD方向の両側に位置調整機構60A,60Aを有しており、同機構60A,60Aによって背側帯部材の連続体41aにはCD方向の張力が付与される。そして、これら位置調整機構60A,60A…の構成は、前述の第1実施形態で説明したものと同じである。よって、詳細な説明については省略する。
なお、この図16の第2実施形態及び図6の第1実施形態のどちらの場合も、CD方向張力付与工程S60の張力付与位置P60よりも搬送方向の上流側の位置には、腹側帯部材及び背側帯部材の各連続体31a,41a又はシート状部材30mfに対して吸収性本体10等の別部材を固定する工程が存在していない。つまり、これら第2及び第1実施形態では、当該別部材が固定される前に、通気孔hを形成済みの各連続体31a,41a又はシート状部材30mfに対してCD方向の張力を付与するようになっている。
そのため、これら第2及び第1実施形態によれば、かかる別部材の固定後にCD方向の張力を付与する場合に起こる不具合、すなわち、上記張力が別部材に受けられてしまうことで当該張力が各連続体31a,41a又はシート状部材30mfに伝達し難くなって、通気孔hの縁部heの繊維をほぐす作用が低下してしまうことを有効に防ぐことができる。
ちなみに、場合によっては、図16に示す第2実施形態の製造ラインが、腹側帯部材の連続体31a用及び背側帯部材の連続体41a用の各CD方向張力付与工程S60,S60だけでなく、図6の第1実施形態で述べたシート状部材30mf用のCD方向張力付与工程S60を有していても良い。
===第3実施形態===
図17は、第3実施形態の製造方法の概略説明図である。
前述の第1実施形態では、図6に示すように、通気孔形成工程S50の通気孔形成処理位置P51よりも搬送方向の下流側にのみ、CD方向張力付与工程S60が設けられていて、上流側には設けられていなかったが、この第3実施形態では、図17に示すように、下流側だけでなく上流側にも同工程S60が設けられている点で主に相違する。そして、これ以外の点については概ね前述の第1実施形態と同じである。よって、同じ構成については同じ符号を付して、その説明については省略する。
図17に示すように、この第3実施形態では、通気孔形成工程S50の通気孔形成処理位置P51よりも搬送方向の上流側の位置に、前述の第1実施形態で説明したのと概ね同構成のCD方向張力付与装置60が配置されている。すなわち、同装置60は、CD方向の両側に、それぞれ前述と略同構成の位置調整機構60A,60Aを有していて、これらの位置調整機構60A,60Aにより、通気孔hを未形成のシート状部材30mfに対してCD方向の張力が付与される。そして、これにより、通気孔形成工程S50の通気孔形成処理位置P51では、CD方向の張力が付与された状態でシート状部材30mfに通気孔hが形成される。
ここで、このように通気孔hを形成する際にシート状部材30mfにCD方向の張力を付与している方が、通気孔hの形成精度を高めることができる。詳しくは次の通りである。
先ず、既述のように、シート状部材30mfは糸ゴムの連続体35a,45aを有しており、また、当該シート状部材30mfが搬送方向に搬送される際には、搬送用の張力としてシート状部材30mfには、搬送方向に沿った方向に張力が付与される。そのため、当該搬送用の張力でシート状部材30mfが搬送方向に伸長される分だけ、同シート状部材30mfは幅縮みし得る。つまり、CD方向に収縮し得る。すると、この収縮に基づいて、シート状部材30mfの繊維が全体としてCD方向の端側から中央側へと寄ってしまい、その結果、シート状部材30mfは、繊維分布の密度(g/cm)がCD方向に関して偏った状態になる。例えば、CD方向の中央部の密度の方が端部のそれよりも高い状態となる。そして、そのような疎密を有した不適正状態のシート状部材30mfに通気孔hを形成すると、通気孔hの形成処理が不安定となって、通気孔hの形成精度が低下し得る。しかし、この点につき、この第3実施形態の製造方法によれば、シート状部材30mfにCD方向の張力が付与された状態でシート状部材30mfに通気孔hを形成する。よって、通気孔hの形成時には、シート状部材30mfは、繊維分布の密度がCD方向に関して偏った不適正状態から、当該密度の偏りが縮小された適正状態へと変更されていて、これにより、通気孔hの形成精度を高めることができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、連続する弾性部材の一例として糸ゴムの連続体35a,45aを例示したが、何等これに限らない。例えば、帯ゴムの連続体でも良い。
上述の実施形態では、図10中の要部拡大図に示すように、中間ロール55のピン部材55pは、円錐部55paと円柱部55pbとを有していたが、何等これに限らない。例えば、円錐部55paに代えて三角錐や四角錐等の断面多角形の錐状部を有しても良いし、円柱部55pbに代えて三角柱や四角柱等の断面多角形の柱状部を有していても良い。
上述の実施形態では、図9に示すように中間製品1mとしてのシート状部材30mfを、通気孔形成工程S50の通気孔形成装置50の上流側ロール51及び中間ロール55にそれぞれ巻き付けていたが、何等これに限らない。すなわち、上流側ロール51及び中間ロール55のどちらにも巻き付けずに各ロール51,55同士の間にシート状部材30mfを通すようにしても良い。
上述の実施形態では、吸収性物品の一例として3ピースタイプの使い捨ておむつ1を例示したが、何等これに限らない。例えば、2ピースタイプの使い捨ておむつの材料となるシート状部材を製造する際に、本発明のシート状部材の製造方法及び製造装置を適用しても良い。ちなみに、2ピースタイプの使い捨ておむつとは、例えば腹側部と股下部と背側部とを有した外装シートを第1部品として有し、同外装シートの肌側面に固定される吸収性本体10を第2部品として有するタイプのおむつのことである。そして、その場合には、上述の外装シートの連続シートが二枚重ねの不織布で形成されていて、当該二枚重ねの不織布に孔部を形成したり、二枚重ねの不織布同士の間の弾性部材を切断する際に、本発明のシート状部材の製造方法及び製造装置を使用することになる。
更に言えば、この2ピースタイプのおむつが、所謂テープ式の使い捨ておむつであっても良い。なお、テープ式の使い捨ておむつとは、着用者の胴部を腹側から覆う上記腹側部と、同胴部を背側から覆う上記背側部とを連結するのに、ファスニングテープを用いるタイプのおむつのことである。
また、更に言えば、吸収性物品は、何等使い捨ておむつ1に限らない。すなわち、不織布を材料として製造される吸収性物品であれば、その製造の際に、本発明のシート状部材の製造方法及び製造装置を適用可能である。そのため、この吸収性物品の概念には、尿取りパッドや生理用ナプキン等も含まれる。
上述の実施形態では、図6及び図16のCD方向張力付与工程S60で使用されるCD方向張力付与装置60の一例として、CD方向の両側に、それぞれシート状部材30mfの各端部30mfe,30mfeの位置を調整する2つの位置調整機構60A,60Aを有した装置を例示したが、何等これに限らない。例えば、同装置60として、ロールクラウンがマイナスクラウン(凹形状)ロール、すなわち、CD方向の中央部の直径がCD方向の両端部の直径よりも小径のロール(不図示)を使用しても良い。そして、その場合に、同ロールは、CD方向に沿った回転軸回りに回転可能に支持されているとともに、同ロールの外周面にシート状部材30mfが巻き付けられるが、そうすると、ロールにおけるCD方向の中央部と両端部との間の周速差に基づいてシート状部材30mfはCD方向の両側に引っ張られて、これにより、同シート状部材30mfにはCD方向の張力が付与されることになる。
上述の実施形態では、スリット工程S70、腹側糸ゴム切断工程S80、及び背側糸ゴム切断工程S90の各位置よりも搬送方向の上流側に通気孔形成工程S50の位置が設定されていたが、何等これに限らない。例えば、スリット工程S70の位置、又は、腹側糸ゴム切断工程S80及び背側糸ゴム切断工程S90の各位置よりも搬送方向の下流側に通気孔形成工程S50の位置が設定されていても良い。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)、
1a おむつの連続体、1Ha 略梯子状のおむつの連続体、
1m 中間製品、
10 吸収性本体、
10LG 部分、10ea 端部、10eb 端部、
11 吸収体、11c 吸収性コア、
13 トップシート、15 バックシート、
15a 防漏シート、15b 外装シート、
16 糸ゴム、
30mf シート状部材(複合シート)、30mfe 端部、
30mf1 連続不織布(第1不織布)、30mf2 連続不織布(第2不織布)、
30mf2p1 部分、30mf2p2 部分、
31 腹側帯部材、31a 腹側帯部材の連続体、
31e 端部、
31s 吸収性本体非存在部分、
32 不織布、32Le 端部、
33 不織布、33B 折り返し部、
35 糸ゴム(弾性部材)、35eu 部分、
35a 糸ゴムの連続体(弾性部材)、35aed 端部、35aedn 部分、
41 背側帯部材、41a 背側帯部材の連続体、
42 不織布、42Le 端部、
43 不織布、43B 折り返し部、
45 糸ゴム(弾性部材)、
45a 糸ゴムの連続体(弾性部材)、
50 通気孔形成装置(貫通孔形成装置)、
51 上流側ロール(第2回転体)、51h 穴部、
55 中間ロール(第1回転体)、
55p ピン部材(押し込み部材)、55pa 円錐部、55pb 円柱部、
55r 受け部、55rt 頂面、
58 下流側ロール、58h 穴部、
60 CD方向張力付与装置、60A 位置調整機構、
60Ru ニップローラー、60Rd ニップローラー、
60d アクチュエータ、60s センサー、
70 スリッター装置、
80 腹側用カッター装置、
81u カッターロール、81ua 外周面、
81d アンビルロール、81da 外周面、
84 カッターブロック、
90 背側用カッター装置、
h 通気孔(貫通孔)、he 縁部、C カッター刃、B バリ、
AH 伸縮領域、AH1 固定領域、
AL 非伸縮領域、AL1 非固定領域、
AU 上部領域、AD 下部領域、ADc 中央領域、ADe 端側領域、
BH 胴回り開口、LH 脚回り開口、LG レッグギャザー、
CL1 中央位置、CL10 所定位置、CL 中心線、C60A 支持軸、
SS サイドシール部、
PC 所定位置、TC 痕跡、BL 境界位置、
Gh31 通気孔群、Rh31 通気孔列、
Gh41 通気孔群、Rh41 通気孔列、
G51h1 穴部群、G51h2 穴部群、
G55p1 ピン部材群、G55p2 ピン部材群、
G58h1 穴部群、G58h2 穴部群、
SG51h1 穴部群セット、SG51h2 穴部群セット、
SG55p1 ピン部材群セット、SG55p2 ピン部材群セット、
R51 第1搬送ルート、R55 第2搬送ルート、R58 第3搬送ルート、
P51 最接近位置(通気孔形成処理位置、貫通孔形成処理位置)、P55 最接近位置、
P60 挟み込み位置(張力付与位置)、
S50 通気孔形成工程(貫通孔形成工程)、
S60 CD方向張力付与工程、
S70 スリット工程(加工工程)、
S75 間隔形成工程(加工工程)、
S80 腹側糸ゴム切断工程(加工工程)、
S90 背側糸ゴム切断工程(加工工程)、
S100 吸収性本体取り付け工程(別部材固定工程、加工工程)、
S110 二つ折り工程(加工工程)、
S120 サイドシール工程(加工工程)、
S130 切断工程(加工工程)、

Claims (8)

  1. 所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する方法であって、
    前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送工程と、
    前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔形成工程で前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与工程と、
    前記CD方向張力付与工程で前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工工程と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側には、前記加工工程を複数有し、
    前記貫通孔形成処理位置と、前記複数の加工工程のうちで前記貫通孔形成処理位置に最も近い加工工程の位置との間に、前記CD方向張力付与工程の前記張力付与位置が位置していることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記CD方向張力付与工程の前記張力付与位置よりも前記搬送方向の上流側の位置には、前記複合シートに別部材を固定する別部材固定工程が存在しないことを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記第1不織布及び前記第2不織布は、どちらも熱可塑性樹脂繊維を含み、
    前記貫通孔形成工程では、前記搬送方向に沿って回転する前記第1回転体の外周面に突出形成された前記押し込み部材が、前記搬送方向に沿って回転する前記第2回転体の外周面の穴部に挿入される際に、前記押し込み部材が前記複合シートに押し込まれて前記貫通孔を形成し、
    前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの少なくとも一方の回転体は、加熱されているとともに、前記回転体によって前記複合シートは加熱されており、
    前記CD方向張力付与工程では、前記回転体によって加熱される前の前記複合シートの温度よりも高温の状態で、前記複合シートに前記CD方向の前記張力を付与することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記張力付与位置での前記複合シートの前記CD方向の寸法は、前記貫通孔形成処理位置での前記複合シートの前記CD方向の寸法以上であることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記押し込み部材の前記CD方向の寸法よりも、前記張力付与位置での前記貫通孔の前記CD方向の寸法の方が大きくなるように、前記CD方向張力付与工程では前記CD方向の前記張力を付与することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
    前記貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の上流側に、前記複合シートに前記CD方向に張力を付与するCD方向張力付与工程を別途有し、
    前記貫通孔形成工程では、前記CD方向の前記張力が付与された状態で前記複合シートに前記貫通孔が形成されることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
  8. 所定方向に連続する複合シートから複数の貫通孔が形成されたシート状部材を製造する装置であって、
    前記所定方向に連続する第1不織布と、前記複合シートの厚さ方向に前記第1不織布に重なって配されつつ前記所定方向に連続する第2不織布との間に、前記所定方向に伸長状態で前記所定方向に沿った複数の弾性部材が、前記所定方向と交差するCD方向に並んだ状態で介挿されて固定された前記複合シートを、前記所定方向を搬送方向として搬送する搬送装置と、
    前記複合シートにおいて前記CD方向に隣り合う前記弾性部材同士の間の位置に前記厚さ方向に押し込み部材を押し込むことにより、前記複合シートに前記厚さ方向に貫通する前記貫通孔を形成する貫通孔形成装置と、
    前記貫通孔形成装置が前記複合シートに前記貫通孔を形成する貫通孔形成処理位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに前記CD方向の張力を付与するCD方向張力付与装置と、
    前記CD方向張力付与装置が前記複合シートに前記CD方向の前記張力を付与する張力付与位置よりも前記搬送方向の下流側の位置において、前記複合シートに加工を行う加工装置と、を有することを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造装置。
JP2017565856A 2016-08-31 2016-08-31 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置 Active JP6676664B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/075492 WO2018042556A1 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018042556A1 JPWO2018042556A1 (ja) 2019-06-24
JP6676664B2 true JP6676664B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=61300254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017565856A Active JP6676664B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6676664B2 (ja)
CN (1) CN109642381B (ja)
BR (1) BR112019003961B1 (ja)
EA (1) EA037820B1 (ja)
WO (1) WO2018042556A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7326013B2 (ja) * 2019-04-26 2023-08-15 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP7458714B2 (ja) * 2019-05-20 2024-04-01 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品、及び吸収性物品の製造方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01256956A (ja) * 1988-04-08 1989-10-13 Shinkiyokutou Sangyo Kk 生理吸収具の表面材の製造方法
US5573719A (en) * 1994-11-30 1996-11-12 Kimberly-Clark Corporation Process of making highly absorbent nonwoven fabric
JPH08299725A (ja) * 1995-04-29 1996-11-19 Ichikawa Woolen Textile Co Ltd 集塵用濾過布の製造方法
US5628097A (en) * 1995-09-29 1997-05-13 The Procter & Gamble Company Method for selectively aperturing a nonwoven web
EG21758A (en) * 1997-11-14 2002-02-27 Procter & Gamble Absorbent article having improved viscous fluid bodily waste mangement properties
JP3895921B2 (ja) * 2000-12-25 2007-03-22 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ての***物処理用着用物品
EP1425143B1 (de) * 2001-07-03 2005-03-16 Corovin GmbH Vliesperforierungsvorrichtung nebst verfahren
JP3886466B2 (ja) * 2003-03-13 2007-02-28 花王株式会社 吸収性物品の表面シート
JP3978406B2 (ja) * 2003-04-24 2007-09-19 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ておむつ
JP4361397B2 (ja) * 2004-03-04 2009-11-11 花王株式会社 複合シート及びその製造方法
JP5386123B2 (ja) * 2008-07-31 2014-01-15 ユニ・チャーム株式会社 吸収体の製造装置及び製造方法
MY163620A (en) * 2010-11-30 2017-10-13 Kao Corp Disposable diaper and method for making same

Also Published As

Publication number Publication date
CN109642381A (zh) 2019-04-16
EA201990584A1 (ru) 2019-07-31
WO2018042556A1 (ja) 2018-03-08
EA037820B1 (ru) 2021-05-25
JPWO2018042556A1 (ja) 2019-06-24
BR112019003961B1 (pt) 2022-05-31
BR112019003961A2 (pt) 2019-05-21
CN109642381B (zh) 2021-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6134877B1 (ja) 吸収性物品に係る不織布への貫通孔の形成方法、及び形成装置
JP4871237B2 (ja) パンツ型吸収性物品
JP4757182B2 (ja) 吸収性物品
JP6134876B1 (ja) 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置
JP6244495B1 (ja) 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置
JP2019150716A (ja) 吸収性物品
JP6676664B2 (ja) 吸収性物品に係るシート状部材の製造方法、及び製造装置
WO2013065449A1 (ja) 展開型の使い捨ておむつ
US20130020736A1 (en) Stretching apparatus and method of manufacturing absorbent article
KR102419798B1 (ko) 흡수성 물품 및 팬티형 흡수성 물품의 제조 방법
JP6559262B2 (ja) 吸収性物品に係るシート状部材の孔部形成装置、及び孔部形成方法
JP6343588B2 (ja) 吸収性物品の製造方法、及び製造装置
CN213130310U (zh) 层叠体、吸收性物品以及层叠体的制造装置
WO2021020171A1 (ja) 吸収性物品用シート部材製造方法、及び、吸収性物品
JP6018164B2 (ja) 吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置
JP6438845B2 (ja) 吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置
WO2024006723A1 (en) Absorbent articles and methods and apparatuses for making absorbent articles with frangible pathways
JP5089268B2 (ja) 弾性部材の取付方法
JP2019137016A (ja) 積層不織布シート、積層不織布シートの製造方法および使い捨て吸収性物品
JP2019136435A (ja) 不織布シート、不織布シートの製造方法および使い捨て吸収性物品
JP2018033530A (ja) パンツ型吸収性物品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6676664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250