JP6675190B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
このような背凭れ部を備えた椅子は、利用者が椅子の後方を通る際に、背凭れ部の上端部を手摺代わりに掴むことがある。その結果、背凭れ部の表皮材の上端部が汚れてしまうことがある。
また、手摺が背凭れから後方にオーバーハングしていると、椅子の後方の空間が狭められ、椅子へのアクセス性が損なわれることもある。
この発明に係る椅子は、利用者が着座可能な座部と、前記座部の後部又は後方に配された背凭れ部と、前記背凭れ部の上端部よりも後方、かつ前記上端部よりも下方で、前記背凭れ部に形成された上向きの支持面と、前記支持面によって下方から支持され、利用者の手を支持するための上面を有する手摺部材と、を備える。
さらに、手摺部材は、背凭れ部に形成された支持面によって下方から支持されるので、手摺部材に手をついた利用者が体重を掛けても、手摺部材の取付強度が不足することもなく、利用者を確実に支持することができる。
このような構成によれば、手摺部材に作用した荷重が支持面に伝わるため、手摺部材における荷重支持性能が向上する。
このように、手摺部材を、鉛直上方を向く支持面によって支持することで、利用者が手をつきやすく、しかも利用者を確実に支持することができる。
これにより、手摺部材を、斜め上方を向く支持面によって支持することで、利用者が手をつきやすく、しかも利用者を確実に支持することができる。
これにより、椅子の後方を通る利用者は、斜め上方に延びた延長部を掴むこともでき、利便性が高まる。また、延長部は、背凭れ部の上端部から斜め後方に延びるため、椅子に着座した利用者からすると、背凭れ部に凭れかかった状態でも、首や頭部、肩等が手摺部材に干渉することがない。また、他の利用者が椅子の後方から手摺部材に手をついても、着座した利用者の頭部に触れるのを防ぐことができる。
これにより、手摺部材に作用した荷重が背凭れに伝わりにくくなる。例えば、椅子の後方に位置する利用者がバランスを崩す等して手摺部材に不意に大きな荷重をかけてしまった場合であっても、椅子に着座した利用者には、背凭れを介して荷重がかかったことが伝わりにくい。
これにより、開口部に、指等を掛けることができ、手摺部材を確実に保持することができる。
これにより、手摺部材が背凭れ部の背面よりも後方に突出するのを抑え、椅子の後方のスペースが狭まるのを防ぐことができる。
また、手摺部材が背凭れ部の背面よりも後方に突出するのを抑えることで、手摺部材に利用者が手をつくことで作用する荷重を、背凭れ部に形成された支持面で確実に支持することができる。
このように、背凭れ部の背面の幅方向側縁に至る領域に、第一面よりも前方に位置する第二面を設けることで、椅子の後方を通る際に、利用者の下肢や車椅子等が背凭れ部の背面に干渉するのを抑えることができる。
これにより、背凭れ部の背面は、幅方向側方に行くほど、第二面が第一面よりも前方に位置する。従って、椅子の後方を利用者が通る際のアクセス性を高めることができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る椅子の構成を示す図であり、椅子を斜め後方から見た斜視図である。図2は、上記椅子の内部構造を示す斜視図である。
以下の説明において、ベンチ(椅子)10に利用者が着座した状態で、利用者が正面を向く方向を前方、その反対方向を後方または背面側、前方と後方とを結ぶ方向に水平面内で直交する方向を幅方向と適宜称する。以下、第一実施形態のベンチ10を符号10A、第二実施形態のベンチ10を符号10Bで示す。
図1に示すように、ベンチ10Aは、座部20と、背凭れ部30と、を備えている。
この実施形態では、背凭れ部30の背面30rの中央部30cは、床面Fに直交する鉛直面(第一面)30Vによって形成されている。これに対し、切欠き面37は、上方から下方に向かって漸次前方に傾斜しつつ、鉛直面30V側から幅方向外方に向かって漸次前方に傾斜する傾斜面30Fによって形成されている。
このように、プレート部材40の支持面39Aを、背凭れ部30の上端部30tよりも後方、かつ上端部30tよりも下方に設けることで、ベンチ10Aに着座した利用者が背凭れ部30に凭れかかった状態でも、首や頭部、肩等がプレート部材40に干渉し難い。また、他の利用者がベンチ10Aの後方からプレート部材40に手をついても、着座した利用者の頭部に触れるのを抑えることができる。
さらに、プレート部材40は、背凭れ部30に形成された支持面39Aによって下方から支持されるので、プレート部材40に手をついた利用者が体重を掛けても、プレート部材40の取付強度が不足することもなく、利用者を確実に支持することができる。
このようにして、ベンチ10Aによれば、着座した使用者にとっては、着座感が損なわれるのを抑えつつ、プレート部材40を強固に取り付けることが可能となる。
このように、プレート部材40を、鉛直上方を向く支持面39Aによって支持することで、利用者が手をつきやすく、しかも利用者を確実に支持することができる。
これにより、プレート部材40が背凭れ部30の背面30rよりも後方に突出するのを抑え、ベンチ10Aの後方のスペースが狭まるのを防ぐことができる。
また、プレート部材40が背凭れ部30の背面30rよりも後方に突出するのを抑えることで、プレート部材40に利用者が手をつくことで作用する荷重を、背凭れ部30に形成された支持面39Aで確実に支持することができる。
このように、背凭れ部30の背面30rの幅方向側方に、鉛直面30Vよりも前方に位置する切欠き面37を設けることで、ベンチ10Aの後方を通る際に、利用者の下肢や車椅子等が背凭れ部30の背面30rに干渉するのを抑えることができる。したがって、ベンチ10Aにおいて、アクセス性を高めることができる。
これにより、背凭れ部30の背面30rは、幅方向側方に行くほど、切欠き面37が鉛直面30Vよりも前方に位置する。従って、ベンチ10Aの後方を利用者が通る際のアクセス性を高めることができる。
これにより、背凭れ部30の上部では、前後方向の厚さを確保することができ、座部20に着座する利用者にとって、背凭れ部30にもたれ掛かったときの着座感を損なうのを抑えることができる。このように、着座感を確保しつつ、ベンチ10Aの後方を他の利用者が通る際のアクセス性を高めることができる。
次に、本発明にかかる椅子の第二実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二実施形態においては、上記第一実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の第二実施形態に係る椅子の構成を示す図であり、椅子を斜め後方から見た斜視図である。図4は、上記椅子の内部構造を示す斜視図である。
図3に示すように、ベンチ10Bは、座部20と、背凭れ部30と、を備えている。
プレート部材50は、下端部51bから上方に向かって漸次前方に傾斜する下部プレート部51と、下部プレート部51の上端部51aから上方に向かって漸次後方に傾斜する上部プレート部(延長部)52と、を一体に有している。このようにして、プレート部材50は、下部プレート部51と上部プレート部52とが、その後面側において鈍角θdをなして曲折している。
このように、プレート部材50の支持面39Bを、背凭れ部30の上端部30tよりも後方、かつ上端部30tよりも下方に設けることで、ベンチ10Bに着座した利用者が背凭れ部30に凭れかかった状態でも、首や頭部、肩等がプレート部材50に干渉し難い。また、他の利用者がベンチ10Bの後方からプレート部材50に手をついても、着座した利用者の頭部に触れるのを抑えることができる。
さらに、プレート部材50の下部プレート部51は、背凭れ部30に形成された支持面39Bによって斜め下方から支持されるので、下部プレート部51に手をついた利用者が体重を掛けても、下部プレート部51の取付強度が不足することもなく、利用者を確実に支持することができる。
このようにして、ベンチ10Bによれば、着座した使用者にとっては、着座感が損なわれるのを抑えつつ、プレート部材50を強固に取り付けることが可能となる。
これにより、下部プレート部51を、斜め上方を向く支持面39Bによって支持することで、利用者が手をつきやすく、しかも利用者を確実に支持することができる。
これにより、ベンチ10Bの後方を通る利用者は、斜め上方に延びた上部プレート部52を掴むこともでき、利便性が高まる。また、ベンチ10Bの後方を通る他の利用者が下部プレート部51に手をついても、その斜め上方が上部プレート部52によってカバーされるため、着座した利用者の頭部に触れるのを防ぐことができる。
また、上部プレート部52は、背凭れ部30の上端部30tから斜め後方に延びるため、ベンチ10Bに着座した利用者からすると、背凭れ部30に凭れかかった状態でも、首や頭部がプレート部材50に干渉し難い。また、ベンチ10Bの後方を通る他の利用者が上部プレート部52に手をついても、着座した利用者の頭部に触れるのを防ぐことができる。
これにより、下部プレート部51が背凭れ部30の背面30rよりも後方に突出するのを抑え、ベンチ10Bの後方のスペースが狭まるのを防ぐことができる。
また、下部プレート部51が背凭れ部30の背面30rよりも後方に突出するのを抑えることで、下部プレート部51に利用者が手をつくことで作用する荷重を、背凭れ部30に形成された支持面39Bで確実に支持することができる。
上記第一、第二実施形態では、プレート部材40,50を、支持面39A,39B上に直接載置して設けるようにしたが、これに限らない。
例えば、図5に示すように、手摺部材60を、一端60aを背凭れ部30の支持面39Aに突き当て、他端60bを背凭れ部30の上端部30tよりも後方かつ下方で支持面39Aよりも上方の位置に突き当てて設ける。これにより、手摺部材60の下面60cと、その下方の支持面39Aとの間には、空間Sが形成される。
また、手摺部材60の上面60tは、後方に向かって下方に傾斜して形成されている。
これにより、開口部61に、利用者が指等を掛けることができ、手摺部材60を確実に保持することができる。
また、手摺部材70の上面70tは、鉛直上方に向いて形成されている。
これにより、開口部71に、利用者が指等を掛けることができ、手摺部材70を確実に保持することができる。
なお、本発明の椅子は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、ベンチ10の全体的な形状や構造は、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、上記実施形態では、背凭れ部30が、座部20の後端部に支持されて設けられているが、これに限らず、背凭れ部30は、座部20の後端部に、脚部材27等の脚に支持されて設けられていてもよい。
さらに、背凭れ部30は、座部20の後端部に限らず、座部20の後部又は座部20の後方に設けられているのであればよく、その位置や取付構造について、何ら限定するものではない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
20 座部
30 背凭れ部
30V 鉛直面(第一面)
30c 中央部
30e 幅方向測縁
30r 背面
30t 上端部
37 切欠き面(第二面)
39A、39B 支持面
40 プレート部材(手摺部材)
40r 後端部
40t 上面
50 プレート部材(手摺部材)
51 下部プレート部
51r 後端部
51t 上面
52 上部プレート部(延長部)
60,70 手摺部材
60t,70t 上面
61,71 開口部
S 空間
Claims (4)
- 利用者が着座可能な座部と、
前記座部の後部又は後方に配された背凭れ部と、
前記背凭れ部の上端部よりも後方、かつ前記上端部よりも下方で、前記背凭れ部に形成された上向きの支持面と、
前記支持面によって下方から支持され、利用者の手を支持するための上面を有する手摺部材と、
を備え、
前記支持面は、前記背凭れ部の上端部よりも低い位置に、水平面内に位置して形成され、
前記支持面によって支持された前記手摺部材は、上面が鉛直上方を向いて設けられている椅子。 - 利用者が着座可能な座部と、
前記座部の後部又は後方に配された背凭れ部と、
前記背凭れ部の上端部よりも後方、かつ前記上端部よりも下方で、前記背凭れ部に形成された上向きの支持面と、
前記支持面によって下方から支持され、利用者の手を支持するための上面を有する手摺部材と、
を備え、
前記支持面は、前記背凭れ部の上端部よりも後方において、後方に向かって下方に延びて斜め上方を向く傾斜面とされ、
前記支持面によって支持された前記手摺部材は、上面が斜め上方を向いて設けられている椅子。 - 利用者が着座可能な座部と、
前記座部の後部又は後方に配された背凭れ部と、
前記背凭れ部の上端部よりも後方、かつ前記上端部よりも下方で、前記背凭れ部に形成された上向きの支持面と、
前記支持面によって下方から支持され、利用者の手を支持するための上面を有する手摺部材と、
を備え、
前記手摺部材は、前記手摺部材の下面と前記支持面との間に空間を形成した状態で支持され、
前記手摺部材は、前記空間へ連通する開口部を備える椅子。 - 利用者が着座可能な座部と、
前記座部の後部又は後方に配された背凭れ部と、
前記背凭れ部の上端部よりも後方、かつ前記上端部よりも下方で、前記背凭れ部に形成された上向きの支持面と、
前記支持面によって下方から支持され、利用者の手を支持するための上面を有する手摺部材と、
を備え、
前記手摺部材の後端部は、前記背凭れ部の背面の鉛直上方、または前記背面よりも前方に位置するよう形成されている椅子。
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