JP6674349B2 - 圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラム - Google Patents

圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラムに関する。
鋼板などの被圧延材を圧延する圧延機の一形態として、1セットの圧延ロールと、その圧延ロールの両側に設けられたテンションリールと、を備えてなるシングルスタンド圧延機がある。シングルスタンド圧延機では、圧延方向に対して入側に設置された入側テンションリールから巻き出された被圧延材は、前記圧延ロールにより圧延され板厚を薄くし、圧延方向に対して出側に設置された出側テンションリールに巻き取られる。このようなシングルスタンド圧延機を用いた圧延操業では、被圧延材は、両端がテンションリールに挿入されたまま圧延方向を変えながら、通常、複数回圧延されることで製品仕様の板厚まで加工される。
シングルスタンド圧延機での圧延においても、1本の被圧延材の中で板厚の異なる製品を製造することが求められる場合がある。そのような場合、板厚変更量が少ない場合は、圧延中に上下の圧延ロール(作業ロール)の間隔であるロールギャップを変更して、出側板厚を変更することが行われる。また、板厚変更量が大きい場合は、被圧延材を長手方向で例えば板厚の厚い前半部と板厚の薄い後半部に分け、厚い方の製品厚までは前半部後半部ともに圧延し、薄い方の製品厚までは後半部のみを圧延することで板厚の異なる製品を製造することが行われている。
しかしながら、前記のような方法を用い、とくに板厚変更量が大きい場合には、後半部のみをさらに複数回圧延することとなるため、前半部と後半部の境界部で圧延を一時停止し、圧延方向を変えることが必要となる。その結果、圧延を一時停止した場所には、大きな板厚変動が発生し、被圧延材の製造歩留まりが低下する。
この製造歩留まり低下を避けるためには、板厚変更量が大きい場合にも、圧延中にロールギャップを変更して出側板厚を変更するようにしてもよい。しかしながら、その場合には、製品板厚の薄い方に合わせて圧延する回数を決定する必要があり、圧延時間が長くなり、操業効率が低下するという問題があった。
特許文献1には、タンデム圧延機において、被圧延材の製品仕様に応じて、圧延に必要なスタンド数を求め、スタンド数に余裕がある場合は溶接点通過時に圧延機スタンドを開放して不使用状態とし、またスタンド数が不足する場合は溶接点通過時に圧延機スタンドを圧下して使用状態として、必要とされる製品厚を得ることで、複数の圧延機スタンドを有効に利用することが記載されている。
特許5422032号公報
シングルスタンド圧延機において、パス数(被圧延材を圧延機で圧延する回数)を変更することは、タンデム圧延機において、圧延機のスタンド数を変更することに相当する。この意味では、特許文献1に開示された技術を用いることで、シングルスタンド圧延機においても被圧延材の製品板厚に応じてパス数を変更すればよいと考えられる。
しかしながら、シングルスタンド圧延機においては、パス数を増大させると、何度も圧延方向を変えることが必要となる。圧延方向を変えるためには、圧延機を停止する必要があり、圧延機を停止することなく圧延機の使用状態と不使用状態を切替える特許文献1に開示された技術とは異なる技術が必要となる。すなわち、実用的には、製品の製造品質を低下させることなく、製品の板厚などの仕様応じて必要となる圧延パス数に基づき、最も操業効率の高い圧延方向の変更タイミングを決定し、最短時間での圧延操業を実現する技術などが必要となる。
以上のような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、シングルスタンド圧延機での圧延において、製品の製造品質を低下させることなく、圧延操業時間を短縮することが可能な圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラムを提供することにある。
前記発明の目的を達成するために、本発明に係る圧延制御装置は、上下に配置された2つの圧延ロールを備え、前記2つ圧延ロールの間に挟まれた被圧延材に荷重をかけて前記圧延ロールを回転させつつ前記被圧延材を前記2つ圧延ロールの間を通過させることにより前記被圧延材を圧延するシングルスタンド圧延機の圧延制御装置であって、入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第1の板厚と略同じ板厚になる第2の荷重まで減少させる第1の制御と、前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を停止させる第2の制御と、前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を逆回転方向に開始させる第3の制御と、前記被圧延材にかける荷重を前記第2の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚よりも薄い第3の板厚となるような第3の荷重まで増加させる第4の制御と、を前記に記載の制御の順で実行する軽圧下板厚変更制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、シングルスタンド圧延機での圧延において、製品の製造歩留まりを低下させることなく、圧延操業時間を短縮することが可能な圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラムを提供される。
本発明の実施形態に係るシングルスタンド圧延機および圧延制御装置の全体構成の例を示した図。 圧延ロールにより行われる被圧延材の圧延現象および圧延制御に関係するパラメータの例を示した図。 圧延制御装置における左側板厚制御部の機能ブロック構成の例を示した図。 圧延制御装置における右側板厚制御部の機能ブロック構成の例を示した図。 シングルスタンド圧延機による被圧延材の圧延の圧延スケジュールの例を示した図。 圧延により得られる製品コイルの製品仕様の例を示した図であり、(a)は製品仕様(1)の例、(b)は、製品仕様(2)の例。 製品コイルを製造するための従来の一般的な圧延手順の例の前半部を示した図。 製品コイルを製造するための従来の一般的な圧延手順の例の後半部を示した図。 製品コイル製造時の走間板厚変更法に基づく圧延手順の例を示した図。 走間板厚変更法で用いられる各パスの各製品部での補正された出側板厚および圧延荷重の計算式の例をまとめて示した図。 走間板厚変更法を詳しく説明した図。 製品コイル製造時の軽圧下法に基づく圧延手順の例の前半部を示した図。 製品コイル製造時の軽圧下法に基づく圧延手順の例の後半部を示した図。 軽圧下法を詳しく説明した図。 図6に示した製品仕様(1)の製品コイル製造について、圧延手順の相違の要点を比較して示した図。 図6に示した製品仕様(2)の製品コイル製造について、圧延手順の相違の要点を比較して示した図。 本実施形態に係る圧延制御装置に含まれる圧延手順制御部の構成の例を示した図。 製品コイルパターンDB(データベース)の構成の例を示した図。 最大圧延速度Vが与えられたときの圧延速度パターンの基本形の例を示した図。 走間板厚変更法に基づく圧延手順での各パスにおける圧延速度パターンの例を示した図。 軽圧下法に基づく圧延手順での各パスにおける圧延速度パターンの例を示した図。 走間板厚変更法に基づく圧延手順での各パスにおける各リーダ部および製品部の圧延長を計算する計算式の例を示した図。 軽圧下法に基づく圧延手順での各パスにおける各リーダ部および製品部の圧延長を計算する計算式の例を示した図。 操業時間推定処理の処理フローの例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
≪1.圧延機および圧延制御装置の構成≫
図1は、本発明の実施形態に係るシングルスタンド圧延機100および圧延制御装置200の全体構成の例を示した図である。図1に示すように、本実施形態に係るシングルスタンド圧延機100は、圧延スタンドを構成する圧延ロール1、その圧延ロール1の左側に設けられた左側TR(テンションリール)3Lおよび右側に設けられた右側TR(テンションリール)3Rを主たる構成要素とする。ここで、圧延ロール1は、被圧延材2を挟んで、上側に設けられた上作業ロール1au、上中間ロール1bu、上バックアップロール1cuと、下側に設けられた下作業ロール1ad、下中間ロール1bd、下バックアップロール1cdとにより構成される。
このようなシングルスタンド圧延機100においては、圧延方向が右行の圧延は、左側TR3Lから巻き出された被圧延材2が圧延ロール1で圧延された後、右側TR3Lで巻き取られることにより行われる。また、圧延方向が左行の圧延は、右側TR3Rから巻き出された被圧延材2が圧延ロール1で圧延された後、左側TR3Lで巻き取られることにより行われる。
また、図1に示すように、シングルスタンド圧延機100には、圧延制御に必要となる様々な計測器および制御装置が設けられている。計測器としては、左側張力計4L、右側張力計4R、左側板厚計5L、右側板厚計5R、左側TR回転計7L、右側TR回転計7R、圧延荷重計8などが設けられている。
ここで、左側張力計4Lおよび右側張力計4Rは、それぞれ左側デフロール6Lおよび右側デフロール6Rに付属するように設けられ、圧延時の被圧延材2の左側および右側の張力を計測する。また、左側板厚計5Lおよび右側板厚計5Rは、圧延時の被圧延材2の入側および出側の板厚を計測する。このとき、いずれが入側になるかまたは出側になるかは、圧延方向によって変わる。また、左側TR回転計7Lおよび右側TR回転計7Rは、それぞれ左側TR3Lおよび右側TR3Rの回転量(回転数および回転角)を計測する。また、圧延荷重計8は、圧延ロール1に付属するように設けられ、圧延ロール1によって被圧延材2にかけられる荷重を計測する。
また、制御装置としては、左側TR制御装置9L、右側TR制御装置9R、ロールギャップ制御装置10、ミル速度制御装置11などが設けられている。ここで、左側TR制御装置9Lおよび右側TR制御装置9Rは、左側TR3Lおよび右側TR3Rをそれぞれ駆動する電動機を制御する。また、ミル速度制御装置11は、上作業ロール1auおよび下作業ロール1adを駆動する電動機を制御する。また、ロールギャップ制御装置10は、上作業ロール1auと下作業ロール1adとの間隙部であるロールギャップの大きさを制御する。なお、これらの制御装置は、被圧延材2が圧延されるとき、圧延制御装置200によって適宜制御される。
続いて、圧延制御装置200の構成を説明する前に、圧延ロール1により行われる被圧延材2の圧延現象について説明しておく。
図2は、圧延ロール1により行われる被圧延材2の圧延現象および圧延制御に関係するパラメータの例を示した図である。図2に示すように、圧延は、圧延ロール1の上作業ロール1auと下作業ロール1adとで被圧延材2を挟んで押し潰し、被圧延材2の板厚を減ずることにより行われる。
このとき、被圧延材2は、入側張力Tおよび出側張力Tにより引っ張られ、上作業ロール1auと下作業ロール1adとから受ける圧延荷重Pにより圧下されることで圧延され、入側板厚Hは出側板厚hとなる。なお、圧延荷重Pは、ロールギャップSにより決まる。
そして、このような圧延現象では、被圧延材2の入側速度Vは、作業ロール速度Vより遅くなり、出側速度Vは、作業ロール速度Vより速くなる。ここで、作業ロール速度Vと、入側速度Vおよび出側速度Vの関係は、図2の図中に示されているように、先進率fおよび後進率bを用いて表すことができる。そして、このとき、被圧延材2がどちら側に進んでいるかが重要であり、被圧延材2が進んでいる方向を、圧延方向と呼んでいる。また、圧延ロール1を基準として圧延方向側を出側、その逆側を入側と呼んでいる。圧延現象を考える上では、圧延方向に対して入側、出側のどちら側にあるかが重要である。
続いて、図1の説明に戻り、圧延制御装置200の構成について説明する。図1に示すように、圧延制御装置200は、圧延速度設定部18を備えている。圧延速度設定部18は、製品コイル仕様に従って圧延手順制御部20で設定される圧延手順に基づき、圧延中の被圧延材2の現在位置(圧延ロール1の直下位置)における圧延速度を計算し、その計算した圧延速度をミル速度制御装置11に出力する。ミル速度制御装置11は、受信した圧延速度に従って、上作業ロール1auおよび下作業ロール1adを駆動する電動機を制御して、作業ロール速度Vを一定に保つなどの制御を行う。なお、本明細書内では、右行圧延方向のミル速度を正方向として正の値で表し、左行圧延方向のミル速度を負方向として負の値で表すものとする。
また、圧延制御装置200は、左側張力設定部13L、右側張力設定部13R、左側張力制御部14L、右側張力制御部14R、左側張力電流変換部15Lおよび右側張力電流変換部15Rを備えている。ここで、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rは、圧延手順制御部20で設定された圧延手順に従い、被圧延材2の圧延を安定かつ効率的に行うために必要な張力を計算する。また、左側張力制御部14Lおよび右側張力制御部14Rは、左側張力計4Lおよび右側張力計4Rで計測された実測値と左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rで計算された計算値との差分値を用いて、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rで計算された張力を補正する。
この補正した張力は、被圧延材2に加えるべき張力であり、その張力は、左側TR3Lおよび右側TR3Rの回転トルクにより実現される。そこで、左側張力電流変換部15Lおよび右側張力電流変換部15Rは、前記補正した張力を、その張力に相当する電動機トルクを得るための電流値に変換する。そして、その変換した電流値を、左側TR制御装置9Lおよび右側TR制御装置9Rへ出力する。
左側TR制御装置9Lおよび右側TR制御装置9Rは、受信した電流値に基づき、左側TR3Lおよび右側TR3Rの電動機を駆動し、被圧延材2には、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rで設定された張力が加えられる。
なお、左側張力電流変換部15Lおよび右側張力電流変換部15Rは、テンションリールの機械系およびその制御モデルに基づき、張力値を電流値(電動機トルク値)に変換するが、制御モデルには誤差が含まれる。そこで、本実施形態では、左側張力制御部14Lおよび右側張力制御部14Rを介して、左側張力計4Lおよび右側張力計4Rで実測された張力値と、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rで計算された計算値との差分値などが求められる。そして、その差分値などに基づき左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rで計算された張力が補正される。したがって、本実施形態では誤差は、最小限に抑えられている。
また、圧延制御装置200は、圧延荷重設定部19、荷重制御部17、左側板厚制御部16Lおよび右側板厚制御部16Rを備えている。圧延荷重設定部19は、圧延手順制御部20で指定される圧延手順に従って、指定される板厚を実現する圧延荷重を計算する。荷重制御部17は、圧延荷重設定部19で計算された圧延荷重を、圧延荷重計8で実測した圧延荷重で補正し、ロールギャップ制御装置10へ出力する。ただし、被圧延材2の板厚は、製品品質上重要であるため、左側板厚制御部16Lおよび右側板厚制御部16Rでは、後記にて説明するような制御が行われ、その結果がロールギャップ制御装置10へ出力される圧延荷重に反映される。すなわち、荷重制御部17から出力される圧延荷重は、左側板厚制御部16Lおよび右側板厚制御部16Rでの制御結果に基づき補正されたうえで、ロールギャップ制御装置10へ入力される。
圧延手順制御部20は、被圧延材2を圧延した結果得られる製品コイルの仕様に基づき、詳細な圧延手順を決定するとともに、左側TR回転計7Lおよび右側TR回転計7Rから得られる情報に基づき、圧延中の被圧延材2の長手方向の現在位置を計算する。そして、圧延手順制御部20は、決定した圧延手順および長手方向の現在位置を、左側張力設定部13L、右側張力設定部13R、圧延速度設定部18および圧延荷重設定部19へ出力する。なお、圧延手順制御部20の構成および機能は、本実施形態を特徴づけるものであるので、別途図面を参照し、後記にて詳しく説明する。
以上のような構成を有する圧延制御装置200は、演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)と、記憶装置(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置など)とを備えてなるコンピュータにより実現される。そして、圧延制御装置200を構成する荷重制御部17をはじめとする各部の機能は、前記演算処理装置が前記記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される。
また、圧延制御装置200を実現するためのコンピュータは、1台に限定されない。圧延制御装置200は、ネットワークや通信線を介して相互に通信可能に接続された複数台のコンピュータにより実現されてもよい。
図3は、圧延制御装置200における左側板厚制御部16Lの機能ブロック構成の例を示した図であり、図4は、圧延制御装置200における右側板厚制御部16Rの機能ブロック構成の例を示した図である。図3に示すように、左側板厚制御部16Lは、フィードフォワード板厚制御部30およびフィードバック板厚制御部40を含んで構成され、また、図4に示すように、右側板厚制御部16Rも同様の構成である。なお、図3および図4では、被圧延材2の圧延方向は右行であるとしている。
図3に示すように、フィードフォワード板厚制御部30は、圧延ロール1への入側板厚計(図3の例では左側板厚計5L)により計測された入側板厚偏差ΔHを、移送時間補償部31で圧延ロール1の直下まで移送処理する。そして、その結果に、入側板厚偏差ΔHをロールギャップSに変換する変換ゲイン32および制御ゲイン33(GFF)を乗じたフィードフォワード制御を行い、その制御結果を圧延ロール1のロールギャップ制御装置10に出力する。
なお、移送処理とは、入側板厚偏差ΔHが計測された被圧延材2の位置が圧延ロール1の直下まで移送される時間TEX−MILLと、入側板厚制御用制御出力タイミングシフト量ΔTFFの差時間TFFで定まる時間補償をする処理である。また、変換ゲイン32は、塑性定数Qとミル定数Mとの比で与えられる。
図4に示すように、フィードバック板厚制御部40は、圧延ロール1からの出側の板厚計(図4の例では右側板厚計5R)によって計測された出側板厚偏差Δhに、変換ゲイン41および制御ゲイン42(GFB)を乗じる。そして、その結果を積分処理43するフィードバック制御を行い、その制御結果を圧延ロール1のロールギャップ制御装置10に出力する。なお、変換ゲイン41は、出側板厚偏差ΔhをロールギャップSに変換するゲインであり、塑性定数Qとミル定数Mとより定まる値である。
図3および図4によれば、圧延方向が右行の場合、左側板厚制御部16Lのフィードフォワード板厚制御部30には左側板厚計5Lからの信号が入力されるが、フィードバック板厚制御部40には入力される信号がない。また、圧延方向が右行の場合、右側板厚制御部16Rのフィードバック板厚制御部40には右側板厚計5Rからの信号が入力されるが、フィードフォワード板厚制御部30には入力される信号がない。これは、圧延方向が右行の場合には、左側板厚制御部16Lがフィードフォワード板厚制御を担い、右側板厚制御部16Rがフィードバック板厚制御を担っていることを意味する。
これに対し、圧延方向が左行の場合には、フィードフォワード板厚制御部30およびフィードバック板厚制御部40へ入力される信号が切り替えられる。すなわち、左側板厚制御部16Lのフィードフォワード板厚制御部30には右側板厚計5Rからの信号が入力され、また、左側板厚制御部16Lのフィードフォワード板厚制御部30には右側板厚計5Rからの信号が入力されるようになる。つまり、圧延方向が左行の場合には、左側板厚制御部16Lがフィードバック板厚制御を担い、右側板厚制御部16Rがフィードフォワード板厚制御を担うこととなる。
したがって、ロールギャップ制御装置10には、圧延方向が右行の場合には、左側板厚制御部16Lからのフィードフォワード制御出力と、右側板厚制御部16Rからのフィードバック制御出力と、により定まる信号が制御指令値として印加される。また、圧延方向が左行の場合には、左側板厚制御部16Lからのフィードバック制御出力と、右側板厚制御部16Rからのフィードフォワード制御出力と、により定まる信号が制御指令値としてロールギャップ制御装置10に印加される。
なお、図1においては、圧延ロール1の左側および右側に設けられた板厚計やテンションリールなどを、設けられた位置に応じて、左側板厚計5L、右側板厚計5R、左側TR3L、右側TR3Rなどと称している。本実施形態の場合、圧延方向によってこれらの役割が変わるので、以下では、これらを、圧延方向に応じて、適宜、入側板厚計、出側板厚計、入側TR、出側TRなどと言い換えることとする。
≪2.圧延スケジュール≫
図5は、シングルスタンド圧延機100による被圧延材2の圧延の圧延スケジュールの例を示した図である。図5において、母材厚Hは、被圧延材2の圧延ロール1での圧延操業を開始する直前の板厚であり、1パス目は1回目の圧延を示す。1回目の圧延(1パス目)では、母材厚Hを出側板厚hまで薄くし、2回目の圧延(2パス目)では、入側板厚hを出側板厚hまで板厚を薄くする。同様にして、3回目(3パス目)、4回目(4パス目)の圧延を行い、5回目の圧延(5パス目)では、入側板厚hを出側板厚hまで板厚を薄くする。また、各パスの圧延時における圧延ロール1の入側および出側の被圧延材2の張力を入側張力および出側張力とし、Tb1〜Tb5,Tf1〜Tf5と表す。
なお、これらの板厚および張力は、被圧延材2の材質や、圧延ロール1の能力(最大荷重、圧延ロール1やテンションリールを駆動する電動機の電流容量など)、圧延油(圧延時に上作業ロール1au,下作業ロール1adと被圧延材2と間の潤滑のために用いる油)などによって異なる。そこで、これらの値は、通常、圧延の操業技術者が経験により設定する。その場合、圧延現象のモデルを用いて、例えば圧延荷重を各パスで一定とするような板厚をコンピュータで求めることも可能である。また、張力に関しても、被圧延材2の応力などの測定結果から一定の法則にしたがって求めることも可能である。ここでは、圧延スケジュールに設定される板厚、張力については、何らかの手段により予め求められておくものとする。
変形抵抗は、被圧延材の材質に依存するもので、被圧延材2の硬さを表す。その値は、引っ張り試験などの機械的手段で材質ごとに実験的に求めることが可能である。さらに、上作業ロール1au,下作業ロール1adと被圧延材2との間の摩擦係数をμと表す。摩擦係数μは、上作業ロール1au,下作業ロール1adの速度や表面粗度に依存するが、ここでは、簡単のため、固定値であるとする。
シングルスタンド圧延機100における入側板厚H、出側板厚h、入側張力T、出側張力T、変形抵抗kおよび摩擦係数μが定まれば、公知の圧延荷重式を用いて必要な圧延荷重Pを求めることができる。公知の圧延荷重式としては、例えば、BLAND & FORDの式があるが、ここでは、その説明を省略するが、圧延荷重Pは、入側板厚H、出側板厚h、入側張力T、出側張力T、変形抵抗kおよび摩擦係数μの関数として表される。すなわち、圧延荷重Pは、P=P(H,h,T,T,k,μ)と表される。したがって、図5の圧延スケジュールの1パス目〜5パス目までの圧延荷重P〜Pは、図5の下部に示された圧延荷重式により計算される。
図6は、圧延により得られる製品コイルの製品仕様の例を示した図であり、(a)は製品仕様(1)の例、(b)は、製品仕様(2)の例である。これらの製品コイルは、図5に示した圧延スケジュールに従って製造されるものとする。
図6(a)に示すように、製品仕様(1)の製品コイルは、板厚hの製品部A、板厚hの製品部B、板厚hのリーダ部A、リーダ部B、リーダ部Cにより構成される。リーダ部A、リーダ部B、リーダ部Cは、例えば溶接部として使用されたり、テンションリールへの巻き付けなどの作業用に使用されたりする部分であり、顧客に納入されるときには、切り取られスクラップ処理される。また、図6(a)において、L,Lは、製品部A、製品部Bの長さを表し、LD,LD,LDは、リーダ部A、リーダ部B、リーダ部Cの長さを表す。なお、当然ながら、製品部A,Bの長さL,Lは、リーダ部A,B,Cの長さLD,LD,LDに比べはるかに大きい。
同様に、図6(b)に示す製品仕様(2)の製品コイルは、板厚hの製品部C、板厚hのリーダ部D、リーダ部Eにより構成される。そして、Lは、製品部Cの長さを表し、LD,LDは、リーダ部D、リーダ部Eの長さを表す。
≪3.製品コイル製造のための圧延手順≫
<3.1 従来の一般的な圧延手順>
図7は、製品コイルを製造するための従来の一般的な圧延手順の例の前半部を示した図である。また、図8は、同じく製品コイルを製造するための従来の一般的な圧延手順の例の後半部を示した図である。なお、図7、図8の例では、図6に示した製品仕様(1)の製品コイルを製造するものとしている。
また、図7、図8でいう括弧内の番号付きの手順は、前記製品コイルを製造するための圧延手順に含まれる下位レベルの手順を意味する。なお、括弧内に記載された手順は、以下、図9、図12、図13でも同様に下位レベルの手順を意味する。
まず、図7(手順1)に示すように、コイル(被圧延材2)の全長を母材厚H(細い破線で示した厚み位置)から1パス目の出側板厚h(太い一点鎖線で示した厚み位置)まで圧延する。次に、(手順2)では、圧延方向を変えて、コイル全長を2パス目の出側板厚hまで圧延する。これら1パス目、2パス目の圧延では、圧延中のコイルには、それぞれ圧延荷重P,Pがかけられる。なお、1パス目、2パス目など各パス目の入側板厚、出側板厚、圧延荷重などの値は、図5に示された圧延スケジュールによる。
次に、(手順3)〜(手順5)では、コイルの先端部にリーダ部Aを作成する。まず、(手順3)では、コイル先端部からコイル位置CP(1)−1まで出側板厚を3パス目の出側板厚hとする圧延を行う。次に、(手順4)では、圧延方向を変えてコイル先端部まで出側板厚を4パス目の出側板厚hとする圧延を行う。さらに、(手順5)では、圧延方向を変えてコイル先端部からコイル位置CP(1)−1まで出側板厚を5パス目の出側板厚hとする圧延を行う。
ここまでの図7に示した圧延手順でリーダ部Aが作成されたことになるので、図8(手順6)では、コイル位置CP(1)−1からコイルの後端部まで、出側板厚を3パス目の出側板厚hとする圧延を行う。なお、図8の(手順6)以降では、圧延済みのコイル部分を太い実線で示している。
続いて、(手順7)では、圧延方向を反転させて、コイルの後端部からコイル位置CP(1)−2まで、出側板厚を4パス目の出側板厚hとする圧延を行う。次に、リーダ部Bを作るために、コイル位置CP(1)−2からコイル位置CP(1)−3まで、出側板厚を5パス目の出側板厚hとする圧延を行う。最後に、リーダ部Cを作るために、コイル位置CP(1)−4からコイル後端部まで、出側板厚を5パス目の出側板厚hとする圧延を行う。
以上、図7および図8に示した一連の圧延手順により、図6に示した製品仕様(1)の製品コイルが製造される。ここで、図7の(手順3)〜(手順5)のように、3パス目のコイル先端部で3回圧延を実施し、コイル先端部の板厚をhとしてしまうのは、リーダ部A、リーダ部B、リーダ部Cの長さに比べて製品部A、製品部Bの長さが圧倒的に長いためである。つまり、(手順5)以降では、コイルを先端部まで戻す必要がなくなるので、圧延時間を短縮することができる。
図15は、図6に示した製品仕様(1)の製品コイル製造について、圧延手順の相違の要点を比較して示した図である。なお、図15に記載されている走間板厚変更法および軽圧下法については、この後、詳しく説明する。
図15において、矢印付きの太実線は、圧延対象のコイルの圧延範囲と圧延方向を示している。また、図中の逆三角印(▽)は、圧延ロール1を停止して圧下位置すなわち圧延荷重を変更することが必要な位置を表している。通常、圧延ロール1を圧下状態で停止すると、停止した位置の板厚が薄くなり、製品公差を外れる箇所(以下、このような箇所をストップマークという)となる。
従来の一般的な圧延手順では、板厚を変更する場合には、圧下状態で圧延ロール1を停止させたうえで圧下位置すなわち圧延荷重が変更される。したがって、従来の一般的な圧延手順で製品仕様(1)の製品コイルを製造すると、製品コイル内(両端を除いた箇所)の4箇所にストップマークによる板厚不良が発生する。この製品コイル内に生じたストップマークは、製品コイルの品質を劣化させる大きな原因となっている。
従って、製品コイルの品質を向上させるためには、製品コイル内にストップマークを生じさせないようにすることが重要である。そこで、ストップマークが生じることがない板厚変更方法として、以下、走間板厚変更法および軽圧下法について説明する。
<3.2 走間板厚変更法に基づく圧延手順>
図9は、製品コイル製造時の走間板厚変更法に基づく圧延手順の例を示した図である。走間板厚変更法では、出側板厚は、コイル両端部で圧延方向が反転されるときを除き、圧延ロール1を停止させることなく圧下位置すなわち圧延荷重が変更される。したがって、製品コイル内にはストップマークによる板厚不良は発生しない。
なお、図9に示した圧延手順は、図6に示した製品仕様(1)の製品コイルを製造するものであり、また、その圧延スケジュールは、図5に示した圧延スケジュールに従うものとしている。そして、ここでは、圧延ロール1の圧延能力上、図5に示された各パスの出側板厚をこれ以上薄くできないものとしている。そうすると、製品部Bの出側板厚hにあわせて4回の圧延で製品仕様(1)の製品コイルを製造することはできず、どうしても5回の圧延を行うこととなる。
(手順1)の1パス目の圧延では、圧延対象の母材コイル全長を先端部から後端部へ向けて、各製品部および各リーダ部での圧延荷重を変更しながら圧延する。このとき、製品部Aおよび製品部Bにおける出側板厚および圧延荷重については、図5の圧延スケジュールに示された出側板厚、圧延荷重よりも小さい値に補正する。図9では、製品部A、製品部Bの補正された出側板厚は、h1T1,h1T2と記載され、また、補正された圧延荷重は、P1T1,P1T2と記載されている。
(手順2)〜(手順5)の2パス目〜5パス目の圧延では、圧延方向を反転させた後、(手順1)と同様に圧延対象のコイル全長にわたって圧延荷重を変更しながら圧延する。この場合も、製品部Aおよび製品部Bにおける出側板厚および圧延荷重については、図5の圧延スケジュールに示された出側板厚、圧延荷重よりも小さい値に補正される。なお、図9では、その補正された値が、(手順2)では、h2T1,h2T2,P2T1,P2T2と、・・・(中略)・・・・、(手順5)では、h5T1,h5T2,P5T1,P5T2と記載されている。
以上のように、走間板厚変更法を用いたコイルの圧延手順では、圧延対象のコイルは、コイル全長にわたって圧延ロール1を停止させることなく、適宜出側板厚および圧延荷重が変更されながら圧延される。したがって、製品コイル内にストップマークによる板厚不良が生じないので、製品コイルの品質が向上する。
一方で、走間板厚変更法を用いたコイルの圧延手順では、各パスとも圧延対象のコイルの全長にわたって圧延され、かつ、製品部についてもリーダ部を作成するのに必要な圧延回数だけ圧延される。そのため、例えば、図6に示された製品仕様(1)の製品コイルなどでは、従来の一般的な圧延手順に比べても、全体としての圧延時間が長くなってしまうことがある。圧延時間が長くなることは、圧延の操業効率が低下することを意味する。さらに、図6に示された製品仕様(2)の製品コイルでは、製品部Cの長さがリーダ部D,Eの長さに比べ圧倒的に長くなるので、操業効率の低下がより大きくなる。
図10は、走間板厚変更法で用いられる各パスの各製品部での補正された出側板厚および圧延荷重の計算式の例をまとめて示した図である。図10において、hiT1,hiT2は(i=1,・・・,5)、iパス目の製品部A、製品部Bの補正出側板厚を表し、P2T1,P2T2は、iパス目の製品部A、製品部Bの補正圧延荷重を表している。また、圧延荷重を計算する関数としては、前記同様にBLAND & FORDの式などを用いることができる。
図11は、走間板厚変更法を詳しく説明した図であり、ここでは、図9の(手順3)の領域Aの部分の動作を例に詳細に説明する。走間板厚変更法では、圧延ロール1を運転したまま(すなわち、圧延速度一定の状態で)、圧延荷重を例えばPからP3T1に変更することで、出側板厚をhからh3T1に変更する変更する。また、この間、入側張力および出側張力は一定に保たれる。
図6に示された製品仕様(1)の製品コイルのコイル先端部からの長さまたはコイル後端部からの長さは、テンションリール(左側TR3L,右側TR3R)の積算回転数から求めることができる。例えば、製品コイルにおける製品部Aの長さをLとすると、3パス目の入側における長さは、マスフロー一定則により(h/h)・Lとなる。したがって、各パスにおける図6(a)でいうコイル位置CP(1)−1〜CP(1)−4までの長さやリーダ部A,B,Cのテーパ部長さLTなどを求めることができる。
さらに、これらの情報から圧延荷重変更などの操作開始タイミング点を作成し、入側板厚の変化に合わせて圧延荷重を変更すれば、結果として出側板厚が変更される。ここで、圧延荷重の変更時間は、各パスにおけるテーパ部の長さおよび入側速度の実績値を用いて求めることが可能である。
以上のような走間板厚変更は、必ず出側板厚<入側板厚の条件で行われ、そのときの被圧延材2(圧延対象コイル)の圧延は、塑性変形領域の状態で行われる。
<3.3 軽圧下法に基づく圧延手順>
図12は、製品コイル製造時の軽圧下法に基づく圧延手順の例の前半部を示した図である。また、図13は、同じく製品コイル製造時の軽圧下法に基づく圧延手順の例の後半部を示した図である。なお、図12、図13の例では、図6に示した製品仕様(1)の製品コイルを製造するものとしている。
軽圧下法では、被圧延材2(圧延対象コイル)を弾性変形状態にした状態で圧延方向を変更することを特徴とする。一般に、被圧延材2は、圧延状態において入側板厚Hより出側板厚hが薄くなる塑性変形状態にある。この状態で、圧延荷重、入側張力、出側張力を小さくしていくと、被圧延材2の入側板厚と出側板厚とがほぼ等しくなる弾性変形状態に移行する。弾性変形状態においては、被圧延材2は、圧延ロール1により圧下されて一時的に板厚が減少するものの、圧延ロール1の直下からはずれると板厚減少が復帰し、入側板厚と出側板厚とがほぼ同じになる。この状態を軽圧下とよび、軽圧下状態においては、圧延ロール1を停止させても被圧延材2にストップマークが付くことはない。なお、厳密にいえば、軽圧下状態でもわずかな板厚変動が発生するが、その板厚変動量は、圧延状態で圧延ロール1を停止させた場合に比較して十分小さいため無視することができる。
そこで、圧延方向を変更するのに圧延を停止する場合には、被圧延材2を弾性変形状態つまり軽圧下状態にすることにすれば、製品コイル内にストップマークが付くことはなくなる。したがって、この軽圧下法を利用すれば、製品コイルの品質を劣化させることなく、従来の一般的な圧延手順とほぼ同等の生産効率で製品コイルを製造することが可能となる。
以下、図12、図13を参照して、軽圧下法に基づく圧延手順について説明する。まず、図12の(手順1)では、コイル(被圧延材2)の全長を母材厚H(細い破線で示した厚み位置)から1パス目の出側板厚h(太い一点鎖線で示した厚み位置)まで圧延する。次に、(手順2)では、圧延方向を変えて、コイル全長を2パス目の出側板厚hまで圧延する。なお、これら1パス目、2パス目の圧延は、従来の一般的な圧延手順と同じである(図7参照)。
次に、(手順3)では、リーダ部Aを作成するために、圧延荷重Pをかけてコイルを先端部からコイル位置CP(1)−1まで圧延し、圧延荷重を圧延荷重Peまで減じたうえで、その圧延を停止する。ここで、圧延荷重Peは、出側板厚が入側板厚hとほぼ等しくなる圧延荷重であるとし、このとき、コイルの被圧延部分は、弾性変形状態となっている。次に、(手順4)では、圧延荷重Peをかけたままの状態つまりコイルの被圧延部分が弾性変形状態であるときに、圧延方向を右行に変更して圧延を再開する。さらに、圧延荷重を圧延荷重Pまで増加させてコイル先端部まで圧延する。
次に、(手順5)の圧延は、圧延方向を右行としてコイル全長を走間板厚変更に基づく圧延を行う。なお、この場合、コイル位置CP(1)−1において出側板厚hから出側板厚hへの走間板厚変更が行われる。
次に、図13の(手順6)では、圧延方向を左行に変更してコイル位置CP(1)−2まで圧延荷重Pにより出側板厚hとする圧延を行い、圧延荷重を圧延荷重Peに減じコイルの被圧延部分を弾性変形状態にしたうえで圧延を停止する。そして、(手順7)では、弾性変形状態で圧延方向を右行に変更した後、圧延荷重を圧延荷重Pまで上昇させてコイル位置CP(1)−3まで圧延する。これにより、出側板厚hのリーダ部Bが得られる。その後、圧延荷重を圧延荷重Peまで減じ、出側板厚hとする圧延をコイル位置CP(1)−4まで続ける。最後に、コイル位置CP(1)−4で走間板厚変更に基づき、出側板厚hとする圧延を後端部まで行い圧延を終了する。
なお、(手順7)のコイル位置CP(1)−3からコイル位置CP(1)−4までの圧延は、入側板厚と出側板厚が同じであることから、軽圧下での圧延ということができる。なお、この部分のコイル移動は、圧下を開放した状態、つまり上作業ロール1au,下作業ロール1adと被圧延材2とが接触しない状態で被圧延材2を左側TR3Lまたは右側TR3R巻き取ることにより行うこともできる。
図14は、軽圧下法を詳しく説明した図であり、ここでは、図12での(手順3)から(手順4)に移行するときの動作を詳細に説明した図である。図12に示すように、軽圧下方法では、(手順3)の圧延ロール1の圧延荷重Pを被圧延材2の出側板厚hが入側板厚hと同じになる圧延荷重Peまで減少(必要に応じて張力も減少)させると、圧延ロール1直下近傍の被圧延材2は弾性変形状態となる。被圧延材2が弾性変形状態となったところで、圧延ロール1による圧延を一時停止させ、圧延方向を反転させたうえで圧延を再開する。こうすることで被圧延材2(コイル)におけるストップマークの発生を抑制することができる。
なお、この軽圧下法を用いた圧延でも、圧延中の被圧延材2のコイル先端部または後端部からの位置を求めることができ、圧延荷重や入側張力、出側張力の変更開始タイミングや変更時間を計算することができる。
図15は、前記したように、図6に示した製品仕様(1)の製品コイル製造について、圧延手順の相違の要点を比較して示した図である。また、図16は、図6に示した製品仕様(2)の製品コイル製造について、圧延手順の相違の要点を比較して示した図である。
図15および図16において、矢印付きの太実線は、圧延対象のコイルの圧延範囲と圧延方向を示している。また、図中の逆三角印(▽)は、圧延ロール1を停止して圧下位置すなわち圧延荷重を変更することが必要な位置、言い換えれば、ストップマークが発生する位置を表している。また、図中の太い破線は、圧下開放の状態で圧延対象のコイルを移動させる(巻きとる)ことが可能な部分を表している。
図15および図16に示されているように、軽圧下法に基づく圧延手順には、従来の一般的な圧延手順とほぼ同等の操業効率を得ることができ、かつ、製品コイル内にストップマークによる板厚不良が生じないという特徴がある。また、走間板厚変更法に基づく圧延手順には、圧延対象のコイルを全長にわたって必要な回数圧延するため操業効率が低下し勝ちではあるが、製品コイル内にストップマークによる板厚不良が生じないという特徴がある。
しかしながら、1つの製品コイルの中に形成されるリーダ部の数などによっては、走間板厚変更法に基づく圧延手順のほうが軽圧下法に基づく圧延手順よりも操業効率がよくなる場合がある。これは、走間板厚変更法に基づく圧延手順のほうが圧延ロール1を停止させる回数が少なくて済むからである。ちなみに、図15の例では、走間板厚変更法に基づく圧延手順で順では、その停止回数は、コイル両端で停止するときの5回だけであるが、軽圧下法に基づく圧延手順では、リーダ部A,B形成時にも停止するので、合計7回となる。したがって、この停止時間や製品部A,Bの長さなどによっては、走間板厚変更法に基づく圧延手順のほうが、操業効率がよくなる場合もあると考えられる。
そこで、本実施形態に係る圧延制御装置200は、圧延対象コイルの製品コイル仕様に基づき、走間板厚変更法に基づく圧延手順および軽圧下法に基づく圧延手順それぞれの操業効率を評価し、操業効率のよい圧延手順を選択する機能を備えている。さらに、この機能により選択した圧延手順に従って、圧延対象コイルの圧延を制御する。これらの機能は、圧延制御装置200の圧延手順制御部20(図1参照)によって実現される。以下、圧延手順制御部20の詳細について説明する。
≪4.圧延手順制御部20の構成および機能≫
図17は、本実施形態に係る圧延制御装置200に含まれる圧延手順制御部20の構成の例を示した図である。図17に示すように、圧延手順制御部20は、走間板厚変更法圧延制御部21、軽圧下法圧延制御部22、長手方向位置認識部23、製品コイル製造方法選択部24などを含んで構成される。
図17において、製品コイル製造方法選択部24は、入力される製品コイル仕様について、走間板厚変更法および軽圧下法それぞれを用いた場合の圧延の操業時間を推定し、操業時間が短い方を製品コイル製造時の圧延手順として選択する。ここで、製品コイル仕様とは、例えば、図6に示された製品仕様(1)、(2)のコイル長手方向の板厚分布などの情報などをいう。また、長手方向位置認識部23は、左側TR回転計7Lまたは右側TR回転計7Rによって検出された左側TR3Lまたは右側TR3Rの回転数に基づき、被圧延材2における圧延ロール1の直下部分の長手方向位置(例えば、先端部から長さ)を算出する。
製品コイル製造方法選択部24により走間板厚変更法が選択された場合には、走間板厚変更法圧延制御部21の動作が起動される。走間板厚変更法圧延制御部21は、図9などに示された走間板厚変更法に基づく圧延手順に従って、長手方向位置認識部23で算出された圧延対象コイルの長手方向位置における圧延荷重、圧延速度、左側張力および右側張力を算出する。そして、その算出した圧延荷重、圧延速度、左側張力および右側張力を、図1にて説明した圧延荷重設定部19、圧延速度設定部18、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rへ出力する。
また、製品コイル製造方法選択部24により軽圧下法が選択された場合には、軽圧下法圧延制御部22の動作が起動される。軽圧下法圧延制御部22は、図12、図13などに示された軽圧下法に基づく圧延手順に従って、長手方向位置認識部23で算出された圧延対象コイルの長手方向位置における圧延荷重、圧延速度、左側張力および右側張力を算出する。そして、その算出した圧延荷重、圧延速度、左側張力および右側張力を、図1にて説明した圧延荷重設定部19、圧延速度設定部18、左側張力設定部13Lおよび右側張力設定部13Rへ出力する。
さらに、図17に示すように、製品コイル製造方法選択部24は、圧延手順選択部25、走間板厚変更法操業時間推定部26、軽圧下法操業時間推定部27、製品コイルパターン選択部28などのサブブロックを含んで構成される。製品コイルパターン選択部28は、例えば、製造管理者などにより入力される製品コイルの識別名称に基づき、製品コイルパターンDB50の中から、前記入力された識別名称に該当する製品コイルの長手方向の板厚分布の情報を選択する。なお、製品コイルパターンDB50の構成については、別途、図18を用いて説明する。
走間板厚変更法操業時間推定部26は、製品コイルパターン選択部28で選択された製品コイルの長手方向の板厚分布の情報に基づき、走間板厚変更法を用いた圧延手順を作成するとともに、その圧延手順に従った場合の圧延総時間(操業時間)を推定する。また、軽圧下法操業時間推定部27は、製品コイルパターン選択部28で選択された製品コイルの長手方向の板厚分布の情報に基づき、軽圧下法を用いた圧延手順を作成するとともに、その圧延手順に従った場合の圧延総時間(操業時間)を推定する。
圧延手順選択部25は、走間板厚変更法操業時間推定部26で推定された操業時間と、軽圧下法操業時間推定部27で推定された操業時間とを比較し、操業時間が短いほうの圧延手順を選択する。そして、その結果を、その結果に応じて、走間板厚変更法圧延制御部21または軽圧下法圧延制御部22へ通知する。なお、このとき、選択された製品コイルの長手方向の板厚分布の情報も併せて走間板厚変更法圧延制御部21または軽圧下法圧延制御部22へ通知される。
図18は、製品コイルパターンDB(データベース)50の構成の例を示した図である。図18に示すように、製品コイルパターンDB50は、製造される製品コイルの長手方向の板厚分布の情報を予め登録したデータベースである。すなわち、製品コイルパターンDB50には、製品コイルの長手方向の板厚分布の情報が製品コイルの識別名称に対応付けられて登録されている。また、製品コイルパターンDB50では、登録された製品コイルの長手方向の板厚分布の情報は、リーダ部の数や製品部の板厚数(異なる板厚を有する製品部の数)などで分類されている。
また、製品コイルパターン選択部28で製品コイルの長手方向の板厚分布が選択され、走間板厚変更法操業時間推定部26および軽圧下法操業時間推定部27で操業時間が推定され、さらに、圧延手順選択部25で圧延手順が選択されたものについては、その結果を製品コイルパターンDB50に登録しておいてもよい。
例えば、図18では、仕様(1)の製品コイルについては、走間板厚変更法に基づく圧延手順を選択するほうが軽圧下法に基づく圧延手順を選択するよりも操業時間が短かったことを表している。反対に、仕様(2)の製品コイルについては、軽圧下法に基づく圧延手順を選択するほうが走間板厚変更法に基づく圧延手順を選択するよりも操業時間が短かったことを表している。さらに、その選択された圧延手順についての詳細な手順情報(図9、図12、図13などに示された手順の情報)についても、併せて製品コイルパターンDB50に登録しておいてもよい。
以上のように、製品コイルパターンDB50に圧延手順の選択結果や圧延手順の詳細な情報が登録されていれば、その登録されている製品コイル仕様と同じ製品コイル仕様のコイルが圧延されるときには、改めて操業時間などを推定する必要がなくなる。よって、製品コイル製造方法選択部24を含むコンピュータの負荷を軽減することができる。
なお、以上の製品コイル製造方法選択部24の説明では、走間板厚変更法操業時間推定部26および軽圧下法操業時間推定部27は、与えられた製品コイルの長手方向の板厚分布の情報に基づき、それぞれの圧延手順を作成するとしている。ここでいう圧延手順とは、図9、図12、図13などに示されたような具体的なものを指すが、このような圧延手順は、熟練した操業技術者が介入したほうが効率的に作成できる場合が多い。そこで、走間板厚変更法操業時間推定部26および軽圧下法操業時間推定部27を実現するコンピュータプログラムは、適宜操業技術者の介入が可能なように作成されているものとする。
図19は、最大圧延速度Vが与えられたときの圧延速度パターンの基本形の例を示した図である。ここで、圧延開始の場合、圧延速度は、最大圧延速度Vに達するまで所定の加速度αで加速し、圧延停止の場合、圧延速度は、最大圧延速度Vから所定の加速度−αで減速するものとしている。この場合、圧延長lは、圧延速度パターンが表す台形の面積として計算することができる。そして、圧延開始から圧延停止までの圧延時間tは、図19の四角の枠内に示された計算式により算出することができる。
そこで、走間板厚変更法操業時間推定部26および軽圧下法操業時間推定部27は、与えられた製品コイルの長手方向の板厚分布の情報に基づき、それぞれの圧延手順を作成するときには、まず、図20、図22に示すような圧延速度パターンを作成する。ここで、図20は、走間板厚変更法に基づく圧延手順での各パスにおける圧延速度パターンの例を示した図、図21は、軽圧下法に基づく圧延手順での各パスにおける圧延速度パターンの例を示した図である。ここでは、リーダ部A,B,Cの圧延速度は、各パスともにVとし、製品部A,Bの各パスの圧延速度は、V〜Vとしている。なお、これらの圧延速度パターンは、厳密には現実の圧延時の速度パターンと異なるが、圧延時間を推定する上では問題ない。
圧延対象のコイルの圧延長は、製品コイルの納入先や、母材コイル大きさ(長さ)などによって異なるが、その圧延対象のコイルの圧延前には、どのような製品コイルを製造するかの情報が操業技術者やオペレータにより決定される。これらの情報は、図17でいう製品コイル仕様の一部であるといえ、その圧延速度などの詳細な情報は、製品仕様の識別情報に対応づけて製品コイルパターンDB50に予め登録されておくものとする。
図22は、走間板厚変更法に基づく圧延手順での各パスにおける各リーダ部および製品部の圧延長を計算する計算式の例を示した図である。また、図23は、軽圧下法に基づく圧延手順での各パスにおける各リーダ部および製品部の圧延長を計算する計算式の例を示した図である。なお、図22、図23に示された計算式の例は、図6の製品仕様(1)の製品コイルに関するものである。
一般に、被圧延材2の圧延においては、マスフロー一定則(体積一定側)が成立するため、板厚×圧延長は、圧延されても一定となる。したがって、最終的な圧延長と各パスの出側板厚がわかれば、各パスにおける圧延長を計算することができる。なお、この例では、図6の製品仕様(1)から、リーダ部A,B,Cの最終的な圧延長がLD,LD,LDであり、製品部A,Bの最終的な圧延長がL,Lであることが分かっている。また、各パスでのリーダ部A,B,C、製品部A,Bの出側板厚も分かっている。したがって、各パス、各部での圧延長を計算することができる。
以上のようにして、圧延長と各パスにおける最大圧延速度が分かれば、各パスにおける圧延時間を求めることができる。しかしながら、実際の圧延操業においては、圧延方向を変更するときには、オペレータによる機械操作やその操作結果の確認などが必要であり、それなりの時間を要する。そのため、操業時間には、この圧延方向切り替えに要する時間を考慮する必要がある。
圧延方向の切り替えは、走間板厚変更法に基づく圧延手順では、図9に示されているように、(手順1)〜(手順5)の各手順が終了したときに行われる。また、軽圧下法に基づく圧延手順では、図12、図13に示されているように、(手順1)〜(手順7)の各手順が終了したときに行われる。ただし、このうち、(手順3)および(手順6)終了時の2回は、軽圧下状態で圧延方向の切り替えが行われる。通常、軽圧下状態で行われる圧延方向の切り替え時間は、圧下状態で行われる圧延方向の切り替え時間とは異なる。
このような圧延方向の切り替え時間は、実際に行われる圧延操業での切り替え時間を測定して得ることができる。そこで、実際に得られた切り替え時間の平均的な値を、圧下状態での圧延方向切り替え時間、軽圧下状態での圧延方向切り替え時間として、製品コイルパターンDB50を含む記憶装置などに記憶しておくのがよい。
図24は、操業時間推定処理の処理フローの例を示した図である。図24に示すように、走間板厚変更法操業時間推定部26は、まず、製品コイル仕様から各圧延回数(図9でいう手順1〜手順5)での圧延長を算出する(ステップS10)。この処理は、図22および図23に示された式を用いて計算することができる。
続いて、走間板厚変更法操業時間推定部26は、各圧延回数(図9でいう手順1〜手順5)における最大速度、圧延長などに基づき、圧延時間を計算する(ステップS20)。この計算では、図20、図21に示した圧延速度パターンおよび図19に示した圧延時間を計算する式が用いられる。また、このとき、図20、図21に示した圧延速度パターンは、製品コイルパターンDB50から読み出す。
次に、走間板厚変更法操業時間推定部26は、以上のようにして求めた各回の圧延時間の合計に各回での圧延方向切り替え時間を加算することにより操業時間を算出する(ステップS30)。また、このとき、圧延方向切り替え時間は、製品コイルパターンDB50から読み出す。
なお、軽圧下法操業時間推定部27における操業時間推定処理の処理手フローも図24と同様であるので、ここではその説明を省略する。
≪4.効果≫
以上、本発明の実施形態によれば、走間板厚変更法に基づく圧延手順であっても、また、軽圧下法に基づく圧延手順であっても、製造される製品コイルにストップマークによる板厚不良が発生することはない。したがって、製品品質の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、製品コイルは、その製品コイルの製品仕様に応じて、走間板厚変更法または軽圧下法を用いた場合それぞれの場合の操業時間が推定され、操業時間が短いほうの圧延手順に従って製造される。したがって、操業時間が短縮されるので、圧延の操業効率が向上する。
≪5.補足≫
以上、本実施形態では、被圧延材の母材厚がコイルの長手方向で同一としたが、母材厚が異なる場合についても、本実施形態に係る圧延制御装置200を同様に適用することができる。
また、本実施形態では、圧延手順の選択を操業時間の推定値に基づいて実施したが、被圧延材の製品仕様に応じて必要となる板厚精度に基づき、圧延手順を選択することも可能である。一般的には、走間板厚変更法に基づく圧延手順のほうが、圧延ロール1の停止回数が少ない分、軽圧下法に基づく圧延手順よりも板厚精度がよくなる。したがって、この場合は、操業効率を犠牲にしても板厚精度がよい走間板厚変更法に基づく圧延手順を選択するか否かが、その選択の基準となる。
また、本実施形態では、シングルスタンド圧延機100を対象としたが、圧延方向を変えて圧延回数を増やすことが可能な2スタンド以上のタンデム圧延機についても、本実施形態と同様の技術を適用することができる。
また、本実施形態では、軽圧下または走間板厚変更時は、圧延荷重を変更しているが、圧延荷重を得るのに必要なロールギャップを演算し、ロールギャップを操作することで圧延荷重を変更する場合でも、同様の技術を適用することができる。
なお、本発明は、以上に説明した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態および変形例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態や変形例の構成の一部を、他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態や変形例の構成に他の実施形態や変形例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態や変形例の構成の一部について、他の実施形態や変形例に含まれる構成を追加・削除・置換することも可能である。
100 シングルスタンド圧延機
200 圧延制御装置
1 圧延ロール
2 被圧延材
1au 上作業ロール
1bu 上中間ロール
1cu 上バックアップロール
1ad 下作業ロール
1bd 下中間ロール
1cd 下バックアップロール
3L 左側テンションリール(左側TR)
3R 右側テンションリール(右側TR)
4L 左側張力計
4R 右側張力計
5L 左側板厚計
5R 右側板厚計
6L 左側デフロール
6R 右側デフロール
7L 左側TR回転計
7R 右側TR回転計
8 圧延荷重計
9L 左側TR制御装置
9R 右側TR制御装置
10 ロールギャップ制御装置
11 ミル速度制御装置(圧延速度制御装置)
13L 左側張力設定部
13R 右側張力設定部
14L 左側張力制御部
14R 右側張力制御部
15L 左側張力電流変換部
15R 右側張力電流変換部
16L 左側板厚制御装置
16R 右側板厚制御装置
17 荷重制御部
18 圧延速度設定部
19 圧延荷重設定部
20 圧延手順制御部(圧延手順制御手段)
21 走間板厚変更法圧延制御部(走間板厚変更制御手段、走間板厚変更法圧延制御手段)
22 軽圧下法圧延制御部(軽圧下厚変更制御手段、軽圧下法圧延制御手段)
23 長手方向位置認識部
24 製品コイル製造方法選択部
25 圧延手順選択部(圧延手順選択手段)
26 走間板厚変更法操業時間推定部(操業時間推定手段)
27 軽圧下法操業時間推定部(操業時間推定手段)
28 製品コイルパターン選択部
30 フィードフォワード板厚制御部
40 フィードバック板厚制御部
50 製品コイルパターンDB(データベース)

Claims (9)

  1. 上下に配置された2つの圧延ロールを備え、前記2つ圧延ロールの間に挟まれた被圧延材に荷重をかけて前記圧延ロールを回転させつつ前記被圧延材を前記2つ圧延ロールの間を通過させることにより前記被圧延材を圧延するシングルスタンド圧延機の圧延制御装置であって、
    入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第1の板厚と略同じ板厚になる第2の荷重まで減少させる第1の制御と、
    前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を停止させる第2の制御と、
    前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を逆回転方向に開始させる第3の制御と、
    前記被圧延材にかける荷重を前記第2の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚よりも薄い第3の板厚となるような第3の荷重まで増加させる第4の制御と、
    を前記に記載の制御の順で実行する軽圧下板厚変更制御手段を備えること
    を特徴とする圧延制御装置。
  2. 入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記圧延ロールを回転させたままの状態で、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚とは異なる第4の板厚となるような第4の荷重に変更する第5の制御
    を実行する走間板厚変更制御手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  3. 前記シングルスタンド圧延機の圧延ロールにより前記被圧延材を複数回圧延して、互いに板厚が異なる長手方向に区分された複数の部分からなる製品コイルの製造時の圧延手順を制御する圧延手順制御手段をさらに備え、
    前記圧延手順制御手段は、
    前記被圧延材の両端部以外の位置で前記被圧延材の圧延方向を変更する場合、前記軽圧下板厚変更制御手段を用いた制御により前記圧延方向を変更する制御を含んだ制御手順により、前記製造時の圧延を制御する軽圧下法圧延制御手段と、
    前記被圧延材の両端部以外の位置で前記被圧延材の板厚を変更する場合、前記走間板厚変更制御手段を用いた制御により前記板厚を変更する制御を含んだ制御手順により、前記製造時の圧延を制御する走間板厚変更法圧延制御手段と、
    を備えること
    を特徴とする請求項2に記載の圧延制御装置。
  4. 前記圧延手順制御手段は、
    入力された前記製品コイルの長手方向の板厚分布の製品仕様に基づき、前記軽圧下法圧延制御手段に基づく制御手順により前記製品コイルを製造した場合の第1の操業時間と、前記走間板厚変更法圧延制御手段に基づく制御手順により前記製品コイルを製造した場合の第2の操業時間を推定する操業時間推定手段と、
    前記第1の操業時間と前記第2の操業時間とを比較し、前記第1の操業時間が前記第2の操業時間より短い場合には、前記製造時の圧延手順として、前記軽圧下法圧延制御手段による圧延手順を選択し、前記第1の操業時間が前記第2の操業時間以上に長い場合には、前記製造時の圧延手順として、前記軽圧下法圧延制御手段による圧延手順を選択する圧延手順選択手段と、
    をさらに備えること
    を特徴とする請求項3に記載の圧延制御装置。
  5. 上下に配置された2つの圧延ロールを備え、前記2つ圧延ロールの間に挟まれた被圧延材に荷重をかけて前記圧延ロールを回転させつつ前記被圧延材を前記2つ圧延ロールの間を通過させることにより前記被圧延材を圧延するシングルスタンド圧延機の圧延制御装置が、
    入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第1の板厚と略同じ板厚になる第2の荷重まで減少させる第1の制御と、
    前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を停止させる第2の制御と、
    前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を逆回転方向に開始させる第3の制御と、
    前記被圧延材にかける荷重を前記第2の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚よりも薄い第3の板厚となるような第3の荷重まで増加させる第4の制御と、
    を前記に記載の制御の順で実行すること
    を特徴とする圧延制御方法。
  6. 前記圧延制御装置は、
    入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記圧延ロールを回転させたままの状態で、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚とは異なる第4の板厚となるような第4の荷重に変更する第5の制御
    をさらに実行すること
    を特徴とする請求項5に記載の圧延制御方法。
  7. 上下に配置された2つの圧延ロールを備え、前記2つ圧延ロールの間に挟まれた被圧延材に荷重をかけて前記圧延ロールを回転させつつ前記被圧延材を前記2つ圧延ロールの間を通過させることにより前記被圧延材を圧延するシングルスタンド圧延機の圧延制御装置を用いた圧延制御方法であって、
    前記圧延制御装置は、
    入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第1の板厚と略同じ板厚になる第2の荷重まで減少させる第1の制御と、前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を停止させる第2の制御と、前記被圧延材に前記第2の荷重をかけた状態で前記圧延ロールの回転を逆回転方向に開始させる第3の制御と、前記被圧延材にかける荷重を前記第2の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚よりも薄い第3の板厚となるような第3の荷重まで増加させる第4の制御と、を前記に記載の制御の順で実行する軽圧下板厚変更制御手段と、
    入側板厚が第1の板厚である被圧延材に第1の荷重をかけて前記被圧延材の出側板厚を第2の板厚にする圧延が実行されているときに、前記圧延ロールを回転させたままの状態で、前記被圧延材にかける荷重を前記第1の荷重から前記被圧延材の出側板厚が前記第2の板厚とは異なる第4の板厚となるような第4の荷重に変更する第5の制御を実行する走間板厚変更制御手段と、
    備えており、
    前記シングルスタンド圧延機の圧延ロールにより前記被圧延材を複数回圧延して、互いに板厚が異なる長手方向に区分された複数の部分からなる製品コイルの製造時の圧延手順を制御する際、
    前記被圧延材の両端部以外の位置で前記被圧延材の圧延方向を変更する場合には、前記軽圧下板厚変更制御手段を用いた制御により前記圧延方向を変更する制御を含んだ第1の圧延手順に従って前記製造時の圧延を制御し、
    前記被圧延材の両端部以外の位置で前記被圧延材の板厚を変更する場合には、前記走間板厚変更制御手段を用いた制御により前記板厚を変更する制御を含んだ第2の圧延手順に従って前記製造時の圧延を制御すること
    を特徴とする圧延制御方法。
  8. 前記圧延制御装置は、
    入力された前記製品コイルの長手方向の板厚分布の製品仕様に基づき、前記第1の圧延手順により前記製品コイルを製造した場合の第1の操業時間と、前記第2の圧延手順により前記製品コイルを製造した場合の第2の操業時間を推定する操業時間推定ステップと、
    前記第1の操業時間と前記第2の操業時間とを比較し、前記第1の操業時間が前記第2の操業時間より短い場合には、前記製造時の圧延手順として、前記第1の圧延手順を選択し、前記第1の操業時間が前記第2の操業時間以上に長い場合には、前記製造時の圧延手順として、前記第2の圧延手順を選択する圧延手順選択ステップと、
    をさらに実行すること
    を特徴とする請求項7に記載の圧延制御方法。
  9. 請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の圧延制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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