JP6668770B2 - 触感に優れたフィルム - Google Patents
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Description
(1) KES法に従い測定される圧縮仕事量が0.015gf・cm/cm2以上1.0gf・cm/cm2以下であり、かつKES法に従い測定される摩擦係数が0.05以上0.7以下であることを特徴とする、フィルム。
(2) 前記圧縮仕事量が0.05gf・cm/cm2以上0.4gf・cm/cm2以下であることを特徴とする、(1)に記載のフィルム。
(3) 少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、1.2μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のフィルム。
(4) KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.45W/cm2以下であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム。
(5) 前記摩擦係数が0.41以上0.65以下であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6) KES法に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上6gf/(cm・deg)以下であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルム。
(7) エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選ばれる樹脂を少なくとも1種含む、(1)〜(6)のいずれかに記載のフィルム。
(8) 空孔率が20%以上90%以下であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルム。
(9) 発泡剤を含む組成物から得られることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム。
(10) 単層構成であることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載のフィルム。
(11) フィルムが、衛生材用フィルムであることを特徴とする、(1)〜(10)のいずれかに記載のフィルム。
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載のフィルムと不織布との積層体。
(13) (1)〜(11)のいずれかに記載のフィルムの製造方法であって、製造工程中でフィルムを得るために用いる組成物を発泡させ、フィルムに空孔を形成させることを特徴とする、フィルムの製造方法。
(14) (1)〜(11)のいずれかに記載のフィルムの製造方法であって、フィルムにラビング加工を施す工程を有することを特徴とする、フィルムの製造方法。
本発明のフィルムは、布のようなクッション性があり、心地良い触感を有することを特徴とする。ここでいうクッション性とは、嵩高性と柔軟性を表す指標であり、フィルムを圧縮したときの仕事量(圧縮仕事量)を尺度として表現することができる。圧縮仕事量は、Kawabata Evaluation System(以下、KES)法に従い測定することができ、詳細な測定方法については後述する。以後、KES法に従い測定した圧縮仕事量のことを、単に圧縮仕事量と記す。
本発明のフィルムは、布のようなクッション性や心地良い触感と、フィルムとしての巻き取り性、取り扱い性、後加工適性を両立させる観点から、摩擦係数が0.05以上0.7以下であることが重要である。この摩擦係数とは、フィルム表面の粗さを表す指標である。なお、摩擦係数とは、KES法に従い測定した摩擦係数をいい、その詳細な測定方法については後述する。以後、KES法に従い測定した摩擦係数のことを、単に摩擦係数と記す。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、1.2μm以上16.0μm以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される摩擦係数の変動(MMD)が、0.003以上0.07以下であることが好ましい。
フィルムの触感の心地良さ、フィルムの生産性や製膜安定性を向上させる観点からは、少なくとも一方の面において、表面粗さの変動(SMD)が1.2μm以上16.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることが好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.3μm以上10.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.06以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.4μm以上9.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.05以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.6μm以上7.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.04以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が1.8μm以上6.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.03以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.0μm以上5.5μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.025以下であることがより好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.2μm以上5.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.02以下であることがさらに好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.4μm以上4.5μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.015以下であることが特に好ましく、表面粗さの変動(SMD)が2.6μm以上4.0μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.013以下であることが最も好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムに心地良い触感を付与する観点から、KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.45W/cm2以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、布のようなせん断変形性を付与する観点から、KES法に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上6gf/(cm・deg)以下であることが好ましい。せん断変形とは、経糸と緯糸とが交差することにより構成されている布がもっとも容易に受ける変形様式であり、2次元の布が3次元の曲面を容易にカバーすることができるのはこのせん断変形に大きく依存し、せん断変形が大きい、つまり、せん断かたさが小さい布の方が人体のような曲面によりフィットし易く、着用感がよいものとなる。このせん断かたさはKES法に従い測定することができ、その測定方法については後述する。以後、KES法に従い測定したせん断かたさのことを、単にせん断かたさと記す。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限りどのような樹脂を含んでもよいが、布のようなクッション性や心地よい触感、及び布のようなせん断変形性を付与する観点から、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選ばれる樹脂を少なくとも1種含むことが好ましい。ここでエチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体を総称して、熱可塑性樹脂Aと表現する。
本発明のフィルムは、フィルムの圧縮仕事量、摩擦係数、表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、接触冷温感(Qmax)、せん断かたさを前記の好ましい範囲とする観点から、熱可塑性樹脂A以外の樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂A以外の樹脂は、本発明の効果を損なわない限り一種類であっても複数種類であってもよく、熱可塑性樹脂A以外の樹脂として、好適に用いることができるのはポリエステルである。
本発明のフィルムは、フィルムの圧縮仕事量、摩擦係数、表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、接触冷温感(Qmax)、せん断かたさを前記の好ましい範囲とする観点から、発泡剤を含む組成物から得られることが好ましい。つまり本発明のフィルムは、組成物中の発泡剤を用いて発泡させ、フィルム内に空孔を形成することで得ることが好ましい。
本発明のフィルムは空孔を有することが好ましい。そして、本発明のフィルムの空孔率は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、圧縮仕事量、摩擦係数、表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、接触冷温感(Qmax)、せん断かたさを前記の好ましい範囲とする観点から、20%以上90%以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、圧縮仕事量、摩擦係数、表面粗さの変動(SMD)、摩擦係数の変動(MMD)、接触冷温感(Qmax)、せん断かたさを前記の好ましい範囲とする観点から、充填剤を含有することが好ましい。充填剤としては、無機充填剤および/または有機充填剤を使用できるが、上記の観点から、アスペクト比の高い針状の充填剤を使用するのがより好ましい。針状の充填剤としては、ロックウール、ガラス繊維、スラグウールなどの人造鉱物繊維、ウォラストナイト、セピオライトなどの天然鉱物繊維、古紙粉砕材、衣料粉砕材、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナツ繊維などの植物繊維、絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの合成繊維が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは複数種を併用して使用することができる。これらの中でも経済性、入手容易性、製膜安定性の観点から、ロックウールを用いることが特に好ましい。
本発明のフィルムの厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、3μm以上200μm以下であることが好ましい。厚みを3μm以上とすることで、フィルムとした際のコシが強くなり、取り扱い性に優れ、また、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。厚みを200μm以下とすることで、特にインフレーション製膜法においては、自重によりバブルが安定化する。本発明のフィルムの厚みは、7μm以上150μm以下がより好ましく、10μm以上100μm以下がさらに好ましく、12μm以上50μmがさらにより好ましい。なお、フィルムの厚みは、後述の方法により測定することが可能である。
本発明のフィルムを、衛生材などの透湿性が要求される用途に使用する場合、その透湿度は、500g/(m2・day)以上であることが好ましく、700g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,000g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、2,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、3,500g/(m2・day)以上であることがさらに好ましく、4,200g/(m2・day)以上であることが特に好ましく、6,000g/(m2・day)以上であることが最も好ましい。なお、フィルムの透湿度は、後述の方法により測定することが可能である。
本発明のフィルムは、巻き取り性、取り扱い性、後加工適性の観点から、機械方向の破断点伸度が10%以上であることが好ましい。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。例えば、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、着色顔料、染料などが使用できる。
本発明のフィルムの層構成は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。すなわち、本発明のフィルムは、単層構成であっても、熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂A以外の熱可塑性樹脂、発泡剤、充填剤などの種類及び割合を変更した組成物からなるフィルムや、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエチレンイミン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィンなどからなるフィルムを積層したりして、積層構成としてもよい。但し、経済性、製膜容易性、製膜安定性の観点から、単層構成であることが好ましい。
次に、本発明のフィルムを製造する方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
上記式中のNはラビングの回数であり、Lはフィルム表面に触れているラビング布の長さ(mm)であり、Rはラビング布の厚みを含めたラビングローラーの半径(mm)であり、nはラビングローラーの回転数(rpm)であり、Vはフィルムの移動速度(mm/s)である。式M中の±の符号は、ラビングローラーをフィルムの移動方向に逆らう方向に回転させる場合には+とし、同じ方向に回転させる場合には−として計算する。ラビング布としては、番手♯30〜♯2,000の布やすりが好ましい。
このようにして得られた本発明のフィルムは、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ布のようなクッション性があり、心地良い触感を有するため、衛生材に好適に用いることができる。さらに、本発明のフィルムを不織布との積層体とすることも可能である。また、本発明の衛生材とは、本発明のフィルムを含む衛生材を指す。
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
フィルムの幅方向のセンター部からサンプルを切り出した。ウルトラミクロトームを用い、サンプル片の機械方向−厚み方向断面を観察面とするように−100℃で超薄切片を採取した。このフィルム断面の薄膜切片を、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて倍率1000倍(倍率は適宜調整可能)でフィルム断面写真を撮影し、厚みを測定した。観察箇所を10点変えて同じ測定を行い、得られた値の平均値をフィルムの厚み(μm)とした。
フィルムを30mm×40mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて前記試料の比重を測定した。測定を3回行い、得られた値の平均値をフィルムの比重(ρ)とした。
フィルムの空孔率(%)=〔(d−ρ)/d〕×100
(3)フィルムの表面粗さの変動(SMD)
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重5gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の表面粗さの変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の表面粗さの変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の表面粗さの変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの表面粗さの変動(SMD)(μm)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線を使用した。
フィルムを12cm(長手方向)×12cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、巻外面が測定面となるように試験台に取り付けた。次いで、カトーテック社製の表面特性試験機KES−SE−SR−Uを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気下にて、荷重5gf、速度1mm/secとして、測定面上で滑り子をフィルム長手方向と平行に移動させ、フィルム長手方向の摩擦係数の変動を測定した。その後、同様に滑り子をフィルム幅方向と平行に移動させ、フィルム幅方向の摩擦係数の変動を測定した。フィルム長手方向及び幅方向の摩擦係数の変動をそれぞれ3回測定し、そのすべての値の絶対値を平均した値を、そのフィルムの摩擦係数の変動(MMD)とした。なお、滑り子としては、長さ5mm、直径0.5mmのピアノ線20本を隙間なく平行に並べたものを使用した。
カトーテック社製サーモラボKES−F7IIを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、フィルムの接触冷温感(Qmax)を測定した。カトーテック社製サーモラボKES−F7IIは、フィルムを設置するための試料台と、検出器とを備えており、検出器の一面には銅薄板が貼られており、銅薄板の裏面には温度センサーが取り付けられている。試料台及び検出器にはヒーターが取り付けられており、それぞれ独立して制御装置によって温度を設定することが可能となっている。試料台にフィルムの巻外面が測定面となるように設置し、制御装置によって試料台の温度を20℃に設定し、検出器の銅薄板の温度を30℃に設定した。次いで、フィルムを設置した試料台と検出器を荷重6gf/cm2、接触面積50mm×50mmの条件で接触させると同時に、温度センサーからのセンサー出力を記録した。測定は10回行い、得られた値の平均値をフィルムの接触冷温感(Qmax)とした。
25℃、90%RHに設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208(1976)に規定された方法に従って測定した。測定は3回行い、得られた値の平均値をフィルムの透湿度(g/(m2・day))とした。なお、フィルムの透湿度はフィルムのどちら側の面から測定してもよい。
恒温槽を備えたオリエンテック社製TENSILON(登録商標) UCT−100を用いて、23℃における応力−歪み測定を行い、23℃におけるフィルムの機械方向の破断点伸度を測定した。
カトーテック社製の表面特性試験機KES−SEを用いて、フィルムを5cm(機械方向)×10cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、滑り子として標準摩擦子(指紋タイプ)を取り付け、荷重12gf、1mm/secの速度で滑り子をサンプルの表面で移動させ、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にてフィルムの巻外面の摩擦係数を測定した。機械方向、幅方向ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムの摩擦係数とした。
カトーテック社製のせん断試験機KES−FB1を用いて、フィルムを20cm(機械方向)×20cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にて、フィルムのせん断かたさ(gf/(cm・deg))を測定した。機械方向、幅方向ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムのせん断かたさとした。
カトーテック社製の自動化圧縮試験装置KES−FB3−AUTO−Aを用いて、フィルムを20cm(機械方向)×20cm(幅方向)の大きさに切取り試料とし、試験台に取り付けて、その試料を面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮速度:150sec/mm、圧縮最大荷重:10gf/cm2、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気の条件にてフィルムの圧縮仕事量(gf・cm/cm2)を測定した。フィルムの巻内面、巻外面の両面ともに測定をそれぞれ3回(合計6回)行い、そのすべてのデータの平均値をそのフィルムの圧縮仕事量とした。
任意に選定した30人を対象に触手試験を実施し、布のようなせん断変形性を有していると回答した人数により、フィルムのせん断変形性を以下のように評価した。せん断変形性は10が最も優れている。
10:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が26人以上
9:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が24人以上25人以下
8:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が22人以上23人以下
7:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が20人以上21人以下
6:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が18人以上19人以下
5:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が16人以上17人以下
4:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が14人以上15人以下
3:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が12人以上13人以下
2:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が10人以上11人以下
1:布のようなせん断変形性を有していると回答した人が9人以下
(12)フィルムのクッション性評価
任意に選定した30人を対象に触手試験を実施し、布のようなクッション性を有していると回答した人数により、フィルムのクッション性を以下のように評価した。クッション性は10が最も優れているが、2以上であれば布のようなクッション性を有したフィルムとして実用的に使用できる。
10:布のようなクッション性を有していると回答した人が26人以上
9:布のようなクッション性を有していると回答した人が24人以上25人以下
8:布のようなクッション性を有していると回答した人が22人以上23人以下
7:布のようなクッション性を有していると回答した人が20人以上21人以下
6:布のようなクッション性を有していると回答した人が18人以上19人以下
5:布のようなクッション性を有していると回答した人が16人以上17人以下
4:布のようなクッション性を有していると回答した人が14人以上15人以下
3:布のようなクッション性を有していると回答した人が12人以上13人以下
2:布のようなクッション性を有していると回答した人が10人以上11人以下
1:布のようなクッション性を有していると回答した人が9人以下
(13)DSC測定
ポリ乳酸試料を、100℃の熱風オーブン中で24時間加熱させた後に、該試料5mgをアルミニウム製受皿にセットし、セイコーインスツル社製示差走査熱量計RDC220を用いて、該試料を25℃から昇温速度20℃/分で250℃まで昇温した際の結晶融解ピークの有無を測定した。結晶融解ピークが観測されなかった場合、その試料を非晶性ポリ乳酸とした。
(A1)
エチレン−メチルメタクリレート共重合体(商品名:アクリフト WH303、住友化学工業(株)製)
[熱可塑性樹脂A以外の樹脂]
(B1)
エチレン樹脂(商品名:NUC8506、日本ユニカー(株)製)
(B2)
非晶性ポリ乳酸(商品名:Ingeo(登録商標) 4060D、Nature Works製)。
(C1)
炭酸水素ナトリウム(商品名:セルボンFE−507、永和化成工業(株)製)
[充填剤(D)]
(D1)
ロックウール(商品名:RW−150、アスペクト比40、(株)ティーディーアイ製)
[フィルムの作製]
(実施例1)
A1、C1を表1に記載の含有量でシリンダー温度145℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
表1、2又は3に記載の通りに、樹脂の種類及び含有量、発泡剤の含有量、充填剤の含有量を変更した以外は実施例1と同様にしてインフレーション法により、厚さ30μmのフィルムを得た。 次いで得られたフィルムを、実施例1と同様にしてラビング加工を行った。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1、2又は3に示した。
表2に記載の通りに、樹脂の種類及び含有量、発泡剤の含有量、充填剤の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、インフレーション法により、厚さ120μmのフィルムを得た。
表3に記載の通りに、樹脂の種類及び含有量、発泡剤の含有量、充填剤の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、インフレーション法により、厚さ30μmのフィルムを得た。比較例2〜4、6〜8についてはラビング加工を行わなかった。得られたフィルムの物性及び評価結果を表3に示した。
表における「発泡剤」の項目の「質量部」及び「充填剤」の項目の「質量部」は、樹脂全体を100質量部とした際の値として算出した。
Claims (14)
- KES法に従い測定される圧縮仕事量が0.015gf・cm/cm2以上1.0gf・cm/cm2以下であり、かつKES法に従い測定される摩擦係数が0.05以上0.7以下であることを特徴とする、フィルム。
- 前記圧縮仕事量が0.05gf・cm/cm2以上0.4gf・cm/cm2以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
- 少なくとも一方の面において、KES法に従い測定される表面粗さの変動(SMD)が、1.2μm以上16μm以下であり、かつ摩擦係数の変動(MMD)が0.003以上0.07以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルム。
- KES法に従い測定される接触冷温感(Qmax)が、0.02W/cm2以上0.45W/cm2以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- 前記摩擦係数が0.41以上0.65以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- KES法に従い測定されるせん断かたさが0.1gf/(cm・deg)以上6gf/(cm・deg)以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
- エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選ばれる樹脂を少なくとも1種含む、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
- 空孔率が20%以上90%以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム。
- 発泡剤を含む組成物から得られることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム。
- 単層構成であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のフィルム。
- フィルムが、衛生材用フィルムであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のフィルム。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のフィルムと不織布との積層体。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のフィルムの製造方法であって、製造工程中でフィルムを得るために用いる組成物を発泡させ、フィルムに空孔を形成させることを特徴とする、フィルムの製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のフィルムの製造方法であって、フィルムにラビング加工を施す工程を有することを特徴とする、フィルムの製造方法。
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