JP6667171B2 - Al含有フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

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本発明は、高温環境で使用されるAl含有フェライト系ステンレス鋼に関する。
高温環境で使用されるステンレス鋼としては、例えば特許文献1ないし5に示すように、Tiを添加したAl含有フェライトステンレス鋼、または、NbおよびTiを複合添加したAl含有フェライトステンレス鋼が知られている。
このようなAl含有フェライトステンレス鋼では、Tiの添加や、NbおよびTiの複合添加により、CおよびNが固定されて、加工性や耐酸化性等が改善されている。
特許第5544106号公報 特許第3474829号公報 特許第4236503号公報 特許第5645417号公報 特開2015−78415号公報
しかしながら、上述の特許文献1ないし5のように、Tiを添加したAl含有フェライトステンレス鋼、および、NbおよびTiを複合添加したAl含有フェライトステンレス鋼では、Ti含有量が多くなりすぎると、鋼の外層側にTiを含むFe−Cr系酸化物が生成されて、Al系酸化物(Al皮膜)が均一に形成されにくく、耐高温酸化性が低下する可能性がある。
また、耐高温酸化性を向上させるために、Alを多量に添加しすぎると、加工性が低下してしまう。
また、例えば、排ガス経路部材、燃料電池システムおよび発熱体等の材料として高温環境での使用を考慮すると、高温強度が高い方が好ましいが、Tiを多量に添加しても、高温強度は向上しにくい。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、耐高温酸化性、高温強度および加工性に優れたAl含有フェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
請求項1に記載されたAl含有フェライト系ステンレス鋼は、C:0.025質量%以下、Si:0.1質量%以上1.0質量%以下、Mn:0.8質量%以下、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、Ni:0.5質量%以下、Cr:15.0質量%以上23.0質量%以下、Al:2.0質量%以上4.0質量%以下、N:0.025質量%以下、Nb:0.1質量%以上0.6質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼表面のマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVaとし、鋼の厚み方向中央部のマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVbとすると、HVa−HVb≧30であり、700℃での0.2%耐力が100MPa以上であるものである。
請求項2に記載されたAl含有フェライト系ステンレス鋼は、請求項1記載のAl含有フェライト系ステンレス鋼において、Mo:0.05質量%以上0.5質量%以下、V:0.05質量%以上0.5質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.5質量%以下、Zr:0.05質量%以上0.5質量%以下、B:0.005質量%以下およびREM:0.001質量%以上0.05質量%以下の少なくとも1種を含有するものである
本発明によれば、Nbが添加されているとともに、HVa−HVb≧30であり、かつ、700℃での0.2%耐力が100MPa以上であるため、耐高温酸化性、高温強度および加工性を向上できる。
(a)は本実施例の鋼表面の酸化物を示す写真であり、(b)は比較例の鋼表面の酸化物を示す写真である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について詳細に説明する。
一実施の形態に係るAl含有フェライト系ステンレス鋼は、0.025質量%以下のC(炭素)、0.1質量%以上1.0質量%以下のSi(ケイ素)、0.8質量%以下のMn(マンガン)、0.05質量%以下のP(リン)、0.01質量%以下のS(硫黄)、0.5質量%以下のNi(ニッケル)、15.0質量%以上23.0質量%以下のCr(クロム)、2.0質量%以上4.0質量%以下のAl(アルミニウム)、0.025質量%以下のN(窒素)、0.1質量%以上0.6質量%以下のNb(ニオブ)を含有し、残部がFe(鉄)および不可避的不純物からなる。
また、必要に応じて、0.05質量%以上0.5質量%以下のMo(モリブデン)、0.05質量%以上0.5質量%以下のV(バナジウム)、0.05質量%以上0.5質量%以下のCu(銅)、0.05質量%以上0.5質量%以下のZr(ジルコニウム)、0.005質量%以下のB(ホウ素)および0.001質量%以上0.05質量%以下のREM(希土類元素)の少なくとも1種を含有してもよい。
Cは、高温強度、特にクリープ特性を向上させる作用を奏する元素であるが、C含有量が高くなると、加速酸化が発生しやすくなる。また、Alを含有するフェライト系ステンレス鋼においてC含有量が高くなると、スラブやホットコイルの靭性が低下し、製造性が低下する。したがって、加速酸化や製造性の低下の観点から、C含有量は、0.025質量%以下とする。
Siは、赤スケールの生成を抑制する作用を有し、この作用を奏するには0.1質量%以上含有させる必要がある。一方、Siを1.0質量%を超えて過剰に添加すると、靭性および加工性を低下させる可能性がある。したがって、Si含有量は、0.1質量%以上1.0質量%以下とする。
Mnは、高温酸化、特にスケール剥離を抑制する作用を奏する元素であるが、Mn系酸化物を生成して、緻密なAl酸化物層の形成を阻害するため、0.8質量%を超えて過剰に添加すると、耐高温酸化性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、Mn含有量は、0.8質量%以下とする。
Pは、耐高温酸化性および熱延板の靭性に悪影響を及ぼす。したがって、Pの含有量は、0.05質量%以下とする。
Sは、鋼中に不可避的に含まれる成分であり、Al皮膜の形成を著しく阻害するため、できるだけ含有量を低減することが好ましい。したがって、S含有量は、0.01質量%以下とする。
Niは、加工性の低下を防止する作用を奏する元素であるが、0.5質量%を超えて過剰に添加すると、オーステナイト相の析出によって熱疲労特性が低下する可能性がある。したがって、Ni含有量は、0.5質量%以下とする。
Crは、耐高温酸化性を向上させる元素として基本的かつ有効な元素であり、良好な耐高温酸化性を得るためには、15.0質量%以上添加する必要がある。一方、Crを23.0質量%を超えて過剰に添加すると、スラブやホットコイルの靭性を低下させる可能性がある。したがって、Cr含有量は、15.0質量%以上23.0質量%以下とする。
Alは、Crと同様に耐高温酸化性およびCr蒸発を抑制するために最も重要な元素であり、耐高温酸化性を向上させるために、鋼表面に緻密なAl系酸化物を形成するには、2.0質量%以上含有させる必要がある。一方、Alを4.0質量%を超えて過剰に添加すると、スラブやホットコイルの靭性を低下させる可能性や、製品加工時の二次加工脆性温度を上昇させる可能性がある。したがって、Al含有量は、2.0質量%以上4.0質量%以下とする。
Nは、高温強度およびクリープ特性を向上させる作用を奏する元素であるが、鋼中のAlと結合しAlNを形成して加速酸化の起点となる。したがって、耐高温酸化性の向上のために、N含有量は、0.025質量%以下とする。
Nbは、鋼中のCやNと結合して靭性を著しく向上させる作用を奏する。また、Nbを添加すると、高温強度が向上するとともに、Al皮膜の形成を促進し、かつ、酸化皮膜が成長する過程で生じる応力を緩和させて、材料の変形を防止する。これらの作用を奏するには、Nbを0.1質量%以上添加する必要がある。一方、Nbを0.6質量%を超えて過剰に添加すると、靭性が低下する可能性がある。したがって、Nb含有量は、0.1質量%以上0.6質量%以下とする。
Moは、高温強度を向上させる作用を奏する元素であり、その作用を奏するには0.05質量%以上添加する必要がある。一方、Moを0.5質量%を超えて過剰に添加すると、鋼材を硬質化し靭性を低下させる可能性がある。したがって、Moを含有させる場合のMo含有量は、0.05質量%以上0.5質量%以下とする。
Vは、加工性および溶接部靭性を向上させる作用を奏する元素であり、その作用を奏するには0.05質量%以上添加する必要がある。一方、Vを0.5質量%を超えて過剰に添加すると靭性が低下する可能性がある。したがって、Vを含有させる場合のV含有量は、0.05質量%以上0.5質量%以下とする。
Cuは、高温強度を向上させる作用を奏する元素であり、その作用を奏するには0.05質量%以上添加する必要がある。一方、Cuを0.5質量%を超えて過剰に添加すると、耐高温酸化性や熱間加工性の低下を招く可能性がある。したがって、Cuを含有させる場合のCu含有量は、0.05質量%以上0.5質量%以下とする。
Zrは、酸化皮膜強度を向上させて耐高温酸化性を向上させる作用を奏する元素であり、その作用を奏するには0.05質量%以上添加する必要がある。一方、Zrを0.5質量%を超えて過剰に添加すると、鋼が硬質化して低温靭性の低下を招く可能性がある。したがって、Zrを含有させる場合のZr含有量は、0.05質量%以上0.5質量%以下とする。
Bは、耐二次加工脆性および耐酸化性を向上させる作用を奏する元素であるが、0.005質量%を超えて過剰に添加すると、粒界に優先的にボライドが生成するため、耐二次加工脆性が低下する可能性がある。したがって、Bを含有させる場合のB含有量は、0.005質量%以下とする。
REMは、耐高温酸化性を向上させる作用を奏する。すなわち、LaおよびCe等のREMは、Al酸化皮膜を安定化させ、また、マトリックスと酸化皮膜との密着性を改善することにより、耐高温酸化性を向上させる。また、このような作用を奏するには、REMを0.001質量%以上添加する必要がある。一方、REMを0.05質量%を超えて過剰に添加すると、熱間加工性および靭性を低下させる可能性があるとともに、加速酸化の起点となる介在物が生成しやすくなって耐高温酸化性を低下させる可能性がある。したがって、REMを含有させる場合のREM含有量は、0.001質量%以上0.05質量%以下とする。
なお、基本的にはTi(チタン)は無添加であるが、Tiを添加する場合には上限を0.03質量%とする。
ここで、耐酸化性を向上するには、均一で層状のAl系酸化物(Al)を生成することが重要であり、均一で層状のAlを生成するには、鋼の表面にある程度の歪を付与してCrおよびAlの拡散速度を高める必要がある。すなわち、鋼の表面に歪を付与することで、加熱時に歪を駆動力としてCrおよびAlが拡散しやすく、早期に均一な層状のAlが生成される。
そして、表面に歪が付与されると鋼の表面の硬さが上昇するため、ステンレス鋼において、歪が付与されて硬化した鋼表面の硬さと鋼の板厚中央部の硬さと差を、CrおよびAlの拡散速度を高めるために表層に付与する歪の目安とする。
具体的には、鋼表面をマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVaとし、板厚中央部をマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVbとすると、HVa−HVb<30では、鋼の表層への歪の付与によるCrおよびAlの拡散速度の向上作用を十分に確保できない可能性がある。したがって、Al含有フェライト系ステンレス鋼では、HVa−HVb≧30となるように、表面に歪が付与されている。
なお、鋼の表面に歪を付与するには、例えば仕上研磨設備において、研磨紙(エメリー紙)♯80〜♯1200を用い、圧下圧力5kg/cm以上で研磨する方法等がある。また、ショットブラストやスキンパス等でも同様に歪を付与することができる。
また、Tiを添加すると、Tiを含む複合酸化物(Fe,Cr,Ti系の酸化物)が生成しやすくなり、このTiを含む複合酸化物によって鋼の表層におけるAlの均一生成が阻害されてしまい、耐高温酸化性が低下する。
これに対して、Nbは酸化物を生成しにくいため、Alの均一生成に悪影響がなく、CrおよびAlの拡散速度も上昇させる作用も奏する。
そして、1000℃で300時間の加熱により鋼の最外層側に生成された酸化物は、表面積5mmにおいて、EDX定量分析で測定したFe、Cr、TiおよびNbの合計の濃度が10.0質量%を超えると、Fe、CrおよびTiの酸化物によってAlの均一生成が阻害される可能性がある。したがって、上記Fe、Cr、TiおよびNbの合計の濃度を10.0質量%以下とする。
なお、鋼の最外層側に生成された酸化物におけるFe、Cr、TiおよびNbの濃度は、酸化物としての質量ではなく、各金属単体としての質量に基づくものである。また、具体的にはEDX分析した結果であり、Fe、Cr、TiおよびNb以外に酸素等も含まれている。
上記一実施の形態のAl含有フェライト系ステンレス鋼によれば、上記各元素の含有量の範囲内で成分を調整しTiを添加せずに、Nbを単独添加することにより、Ti添加鋼のようなFe、CrおよびTiを含む酸化物の生成が抑制されて、純度の高いAlが均一な層状に生成されやすくなるため、耐高温酸化性を向上できるとともに、Tiを添加する場合に比べて高温強度も向上できる。
特に、1000℃で300時間の加熱により鋼の最外層側に生成された酸化物において、表面積5mmでのEDX定量分析において測定したFe、Cr、TiおよびNbの合計の濃度を10.0質量%以下とすることにより、純度の高いAlが均一な層状に生成されやすくなる。
また、HVa−HVb≧30であることにより、表面に付与された歪によってCrおよびAlの拡散速度の向上でき、Alが均一な層状に生成されやすくなるため、耐高温酸化性を向上できる。
このように上記一実施の形態に係るAl含有フェライト系ステンレス鋼は、耐高温酸化性および高温強度が良好であるため、例えば自動車排ガス部材、バーナー燃焼筒、暖房器具であるチムニー、熱電気の発熱体、燃料電池の改質器、筐体および配管等、500℃以上で耐高温酸化性および耐Cr蒸発性が要求される用途に好適である。
以下、本実施例および比較例について説明する。
まず、表1に示す組成のステンレス鋼を製造し、仕上研磨設備において、研磨紙(エメリー紙)♯80〜♯1200を用い、圧下圧力5kg/cm以上で研磨を行って鋼表面に歪を付与した。また、鋼表面に歪を付与した後、鋼表面および鋼の板厚中央部の硬さをマイクロビッカース0.1kgで測定して、鋼表面の硬さと鋼の板厚中央部の硬さとの差(ΔHV)を算出した。
各鋼の組成、および、鋼表面に歪を付与した後のΔHVを表1に示す。なお、表1ではΔHV≧30のものを○で示し、ΔHV<30のものを×で示す。
これら各鋼について、1000℃で300時間の加熱した後、表面積5mmにおいてEDX定量分析を行い、最外層側に生成された酸化物におけるFe、Cr、TiおよびNbの濃度を測定した。
EDX定量分析では、SEM−EDX装置を用い、加速電圧15kV、電流70〜80μAおよび分析時間100秒とした。
このEDX定量分析による濃度の測定結果を表2に示す。なお、表2では、EDX定量分析にて測定したFe、Cr、TiおよびNbの合計の濃度が10質量%以下のものを○で示し、合計の濃度が10質量%を超えたものを×で示す。
また、本実施例である鋼種No.1およびTiを添加した比較例である鋼種No.14の鋼表面における酸化物を観察した。鋼種No.1の鋼表面の酸化物の写真を図1(a)に示し、鋼種No.14の鋼表面の酸化物の写真を図1(b)に示す。
表1の各鋼について、高温酸化性を評価するために、1000℃で300時間の加熱した後の酸化増量を測定した。
酸化増量の測定では、板厚1.0mmの鋼板から、端面は切削加工を施した25mm×35mmの試験片を作製した。その試験片をエレマ電気炉に収容した後、大気雰囲気下、炉内温度1000℃で300時間の連続酸化試験を実施した。そして、連続酸化試験前後における試験片の質量変化を測定し、酸化増量とした。
この酸化増量の測定結果を表2に示す。なお、表2では、酸化増量が0.40mg/cm以下のものを耐高温酸化性が良好であると評価して○で示し、酸化増量が0.40mg/cmを超えたものを耐高温酸化性が不十分である評価して×で示す。
さらに、表1の各鋼について、高温強度を評価するために、700℃での0.2%耐力を測定した。この700℃での0.2%耐力の測定結果を表2に示す。なお、表2では、700℃での0.2%耐力が100MPa以上のものを高温強度が良好であると評価して○で示し、700℃での0.2%耐力が100MPa未満のものを高温強度が不十分であると評価して×で示す。
また、表1の各鋼について、加工性(深絞り性)を深絞り試験装置で評価した。
この加工性の評価では、板厚1.0mmの鋼板から、ポンチ径φ40mm/R8、ダイス径φ42.5mm、ポンチ速度10mm/分で絞り加工を施した。そして、試験片のブランク径をAとし、ポンチ径をBとし、絞り比をCとすると、C=A/Bの式に基づいて絞り比を算出した。
この絞り比の測定結果を表2に示す。なお、表2では、絞り比が2.00以上のものを加工性が良好であると評価して○で示し、絞り比が2.00未満のものを加工性が不十分であると評価して×で示す。
表2に示すように、本実施例である鋼種No.1ないし12のいずれも、耐高温酸化性(酸化増量)、高温強度(700℃での0.2%耐力)および加工性(深絞り性)が良好であった。また、図1(a)に示すように、鋼種No.1の鋼表面には、Alが形成されていた。
これに対して、比較例である鋼種No.13は、Al含有量が低いため、耐高温酸化性および高温強度の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.14ないし16は、加工性の目標値を満たしているが、Nb無添加であるため、高温強度の目標値を満たさず、また、Tiを添加しているため耐高温酸化性の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.17は、Nbを添加しているため高温強度の目標値は満たすが、Al含有量が低いため耐高温酸化性の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.18は、Nb無添加であるため、高温強度の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.19および20は、Al含有量が高いため、加工性の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.21は、Al含有量が高いため加工性の目標値を満たさず、また、Nb無添加であるため、高温強度の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.22は、ΔHVが30未満で、かつ、鋼表面の酸化物におけるFe、Cr、NbおよびTiの合計濃度が10質量%を超えているため、耐高温酸化性の目標値を満たさなかった。
比較例である鋼種No.23は、ΔHVが30以上であるが、Nbが無添加でTiを添加しているため、耐高温酸化性および高温強度の目標値を満たさなかった。

Claims (2)

  1. C:0.025質量%以下、Si:0.1質量%以上1.0質量%以下、Mn:0.8質量%以下、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、Ni:0.5質量%以下、Cr:15.0質量%以上23.0質量%以下、Al:2.0質量%以上4.0質量%以下、N:0.025質量%以下、Nb:0.1質量%以上0.6質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    鋼表面のマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVaとし、鋼の厚み方向中央部のマイクロビッカース0.1kgで測定した硬さをHVbとすると、HVa−HVb≧30であり、
    700℃での0.2%耐力が100MPa以上である
    ことを特徴とするAl含有フェライト系ステンレス鋼。
  2. Mo:0.05質量%以上0.5質量%以下、V:0.05質量%以上0.5質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.5質量%以下、Zr:0.05質量%以上0.5質量%以下、B:0.005質量%以下およびREM:0.001質量%以上0.05質量%以下の少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のAl含有フェライト系ステンレス鋼
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