JP6667084B2 - 表面磁石型モータ - Google Patents

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Description

本発明は、SPMモータと呼ばれる表面磁石型モータに関し、特に、D字状の形状の断面を有する磁石をロータの外周に配置した表面磁石型モータに関する。
従来、ロータ外周に配置した円筒型磁石の外周面とステータの内周面とのギャップを、周方向において常に等間隔とするとともに、円筒型磁石の内周面を多角柱形状としたモータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような特許文献1のモータは、上記のようにギャップを常に等間隔とすることで、ロータの全周面にわたり最大の着磁状態とし、最大限に有効な磁力の活用を図っている。さらに、この特許文献1では、内周面の1辺が1磁極に対応するように着磁している。特許文献1では、このような構成とすることで、ロータ外周に配置される円筒型磁石によって、ロータとステータとの間に流れる磁束の密度分布を正弦波に近づけている。モータの回転が滑らかになって、コギングトルクが低減するためである。コギングトルクが低減すると、例えば、モータの効率が向上したり、動作時の騒音が抑制されたりする。このように、特許文献1では、多角柱形状の1辺に対応する磁石断面をD字状の形状とすることで、表面磁束波形を正弦波波形に近似させ、コギングトルクとともにモータ回転時の音や振動の低減を図っている。
また、断面がD字状の形状となる磁石をロータの外周に複数個配置したモータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような特許文献2のモータでは、ロータヨークにおいて開口部に規制体を有する磁石挿入部が形成されている。そして、その磁石挿入部には、規制体が磁石の被係合部に嵌め込まれるようにして磁石が挿入されている。ここで、これら磁石は、ロータヨークの外周と等しい半径の外壁面と、この外壁面の反対側で平坦な裏壁面と、外壁面周方向の両端位置において規制体が嵌り込むように切り欠いて形成された上記被係合部とを備えている。特許文献2では、このような構成により、ロータでの磁石の確実な保持を図るとともに、磁石の一部をロータの外周側に露出させ、その磁石の外壁面をステータの内面に近接させ強力なモータとしている。
また、ロータヨークの外周面に沿って、複数の円弧状の磁石を配列した表面磁石型モータであり、樹脂モールドにより、それら磁石をロータヨークの表面に固定して、ロータを構成したモータが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このような特許文献3のモータでは、磁石の外周部をロータ中心に対して真円とせず、磁石の径方向厚みを、周方向中心付近で最大となり、周方向端部において小さくなるようにしている。そして、特許文献3では、少なくとも、磁石の周方向端部の外側と、軸方向両端部とに樹脂を流しこみ、磁石をロータヨークに固定し、ロータを形成している。
また、表面磁石型モータであり、磁石の角部に面取りを施したモータが提案されている(例えば、特許文献4参照)。このような特許文献4のモータでは、ロータコアが、円筒形であり、ロータコアの外周面に対向する磁石の面もその外周面に沿った曲面である。そして、特許文献4では、磁石の周方向両端側で径方向外側の角部に、面取りが施されている。特許文献4では、このような面取りを利用して、効率よく磁束を集向させ、減磁耐力を高めている。
さらに、断面がD字状の形状となる磁石を表面に複数備え、ロータコアの外周表面に磁石を挟む突起を設けたロータが提案されている(例えば、特許文献5参照)。さらに、特許文献5のロータコアには接着剤用の溝が形成されている。
特開2008−109838号公報 特開2015−50880号公報 特開2001−298887号公報 特開2015−231253号公報 米国特許出願公開第2002/0067092号明細書
本発明の表面磁石型モータは、ステータと、このステータの内周側に回転自在に配置されるロータとを具備し、ロータの表面に複数の磁石を保持する。ステータは、ステータコアと巻線とを備える。ステータコアは、リング状のヨークと、ヨークの内周から径方向に延出し、先端部には周方向に広がるティース先端部が形成された複数のティースとを有し、ティースには巻線が巻回されている。また、ロータは、ロータコアと、シャフトと、磁石とロータ樹脂部とを備える。ここで、ロータコアが、複数の磁石を保持し、シャフトが、ロータコアの中央を貫通して延伸し、複数の磁石が、ティース先端部と所定の間隔をあけ、ロータコアの外周面に沿って周方向に等間隔で配置される。そして、ロータ樹脂部が、複数の磁石をロータコアに固定する。また、ロータコアの外周面は、複数の磁石のそれぞれの取付け位置を定める突起部を有する。ロータコアの外周面において、突起部の両側には、内側に切り欠いた溝が設けられる。
さらに、複数の磁石のそれぞれは、ロータコアの外周面に対向する第1主面と、ティース先端部に対向する第2主面とを備える。ここで、第1主面が、平面を成す平面部を含み、ティース先端部と第2主面とが、シャフトと直交する面において、互いに磁極面と同心の円弧状を成す曲面部を含む。そして、ロータ樹脂部が第2主面の周縁部を覆うように、ロータ樹脂部によって、ロータコアと複数の磁石とが一体成型されている。
このような構成によれば、複数の磁石をロータコアに確実に密着させながら、ロータとステータとの間に、正弦波に近い密度分布を備える磁束を発生させることができる。そのため、本発明によれば、高トルクで、効率が高く、騒音が低減された表面磁石型モータを得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る表面磁石型モータの断面を示す構造図である。 図2は、本実施の形態に係るSPMモータの構成の要部を模式的に示す分解斜視図である。 図3は、図2のSPMモータのX−X線における断面図である。 図4Aは、本実施の形態に係る磁石の斜視図である。 図4Bは、図4AのY−Y線における断面図である。 図5は、図4Bの拡大図である。 図6は、磁石から流れる磁束の密度分布の概要を示すグラフである。 図7Aは、ロータの構成図である。 図7Bは、ロータ本体の詳細な断面構造を示す図である。 図7Cは、軸方向から見たロータ本体での外側ロータコアと、磁石と、ロータ樹脂部の一部との構成を示す図である。 図8は、ロータコアに配置された隣り合う磁石間の詳細な構造を示す図である。 図9Aは、本実施の形態に係るロータコアでの突起部の形状と磁石の形状に基づいて、磁石が磁石保持面に密着する密着度合を説明するための図である。 図9Bは、比較例であるロータコアでの突起部の形状と磁石の形状に基づいて、磁石が磁石保持面に密着する密着度合を説明するための図である。
本発明の実施の形態における表面磁石型モータは、後述する構成により、複数の磁石をロータコアに確実に密着させるとともに、ロータとステータとの間に正弦波に近い密度分布を備える磁束を発生させている。これによって、本実施の形態の表面磁石型モータは、高トルク化および高効率化とともに、低騒音化も図っている。
つまり、上述のような技術を含む従来の手法は、次のような改善すべき点があった。すなわち、特許文献1のような手法では、正弦波に近い磁束波形が得られるものの、1つの円筒型磁石で実現しているため、極数と同じ個数の薄い箇所を含み、破損し易い。また、複合材料を用いた永久磁石とすることで強度については改善されるが、結合剤成分を含むため、磁気特性が低くなり、高トルクを目的とするモータには不向きである。
また、特許文献2のような手法でも、磁石中心付近では正弦波に近い磁束波形が得られる。ところが、磁石の両端位置において、内側に凹状に窪む被係合部を形成する必要があるため、磁石中心から離れると、磁束波形は、正弦波波形から大きく乱れた波形となってしまう。このため、例えば動作時の騒音に関しては、十分に抑えきれないという課題がある。
また、特許文献3のような手法では、磁石の外周部をロータ中心に対して真円としていないため、ステータのティース先端の磁極面と、ロータの磁石の外周面との間隔は一定ではない。このため、両者間の間隔が広い箇所では、着磁された磁束を十分生かし切れず、効率の劣化を招くことになる。さらに、ロータ回転中心から磁石外周までの距離は、磁石の周方向中心から離れるに従って小さくなる。このため、金型を用いた樹脂モールド成型を行うと、磁石外周の表面において、磁石の周方向中心付近には、紙状の薄い樹脂膜ができることになる。すなわち、成型後のロータでの磁石表面には、樹脂の薄い薄片であるいわゆるバリが張り付いたような状態となり、これが剥がれ落ちたりすることで樹脂の屑となって、回転不良などの不具合を引き起こし易くなる。
磁石は、通常、粉体状の原料をプレス成型した後、焼成されて、所望の形状に成型される。このとき、特許文献4のようなロータコアの外周面に沿った曲面を備える磁石を、高い精度で成型するのは非常に難しい。例えば、プレス成型後や焼成後などで膨張や収縮が生じると、曲面の曲率が変化してしまい、ロータコアの曲面と一致しなくなる。よって、特許文献4のように、ロータコア外周に磁石曲面を配置するような構成の場合、ばらつきによる曲率の不一致などによって、当接部分が小さくなったり、最悪の場合、点で接触したりするおそれが多分にある。そして、磁石の曲面と、これを配列するロータコアの外周面との当接部分が小さいと、磁石のガタつきが生じる場合がある。磁石のガタつきは、騒音の原因になるとともに、SPMモータの効率を低下させる。さらに、磁石の曲面とロータコアの外周面とが点で接触する場合、後のSPMモータの組立工程において、その点接触している部分には、応力が集中し易い。その結果、点接触している部分を起点にして、磁石に亀裂が生じたり破損したりする場合がある。
そこで、本実施の形態では、ロータの表面に保持される磁石において、内側の面を平面とし、外側の面をステータ側の磁極面と同心となる曲面とし、外側の面の周縁部を樹脂が覆うように、樹脂により一体成型している。これより、本実施の形態によれば、高トルク化および高効率化とともに、低騒音化も図った表面磁石型モータが実現できる。
以下、本実施の形態の表面磁石型モータについて、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る表面磁石型モータ100の断面を示す構造図である。表面磁石型モータ100は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータと呼ばれるインナロータ型のブラシレスモータである。表面磁石型モータ(以下、適宜、SPMモータと呼ぶ)100は、図1に示すように、ステータ30と、ステータ30の内周側に、シャフト21を中心にして回転自在に配置されるロータ20とを具備する。そして、ロータ20は、その外周表面に複数の永久磁石(以下、適宜、単に磁石と呼ぶ)10を保持している。
また、図2は、本実施の形態に係るSPMモータ100の構成の要部を模式的に示す分解斜視図であり、図3は、図2のSPMモータ100のX−X線における断面図である。図2では、X−X線で切断される面を一点鎖線で示している。そして、図2および図3では、要部として、ステータ30におけるステータコア31と、ロータ20におけるロータコア22および複数の磁石10とを示している。
以下、図1で示すように回転軸であるシャフト21が延伸するA1の方向を、軸方向とする。また、図3で示すように、軸方向A1と直交する面において、軸方向から見て、SPMモータ100の回転軸の中心を、中心点Cとする。そして、軸方向A1に直交する面において、図3のように、中心点Cを周回するD1の方向を周方向、中心Cから広がるD2の方向を径方向として説明する。
まず、図1に示すように、ステータ30は、ステータコア31と、巻線33とを備えている。ステータコア31は、例えば薄い鉄板を積層して構成される。このようなステータコア31に、インシュレータ32を介して巻線33が巻回される。そして、巻線33を巻回したステータコア31が、他の固定部材とともに一体にモータケース40内に固定され、概略円筒状の外形を成すステータ30が構成される。
また、図2および図3に示すように、ステータコア31は、リング状のヨーク31yと、ヨーク31yの内周面からその径方向に向かって延出する複数のティース31tとを有する。
これら複数のティース31tは、開口部であるスロット31sを互いの間に形成しながら、それぞれが周方向に等間隔に配置される。また、各ティース31tの延出した先端箇所には、延出するティース中間部31tmよりも幅広となるように、周方向に広がるティース先端部31tpが形成されている。このティース先端部31tpの内周面が、磁石10に対向する磁極面31t1となる。この磁極面31t1は、軸方向と直交する面において、中心点Cを中心とする円周上に位置する曲面となるように形成されている。このような構成のステータコア31に対し、スロット31sの開口スペースに巻線33を通しながら、ティース31tにその巻線33を巻回することで、ティース31tごとにコイルが形成される。コイルの巻き方は特に限定されず、複数のティース31t間に渡って巻線33を巻回する分布巻きであってもよいし、ティース31t一つごとに巻線33を巻回する集中巻きであってもよい。なかでも、SPMモータ100の効率を高め易い点で、集中巻きが好ましい。
また、スロット31sの個数であるスロット数は、特に限定されない。例えば、コイルが集中巻きであって、3相交流を用いてロータ20を回転させる場合、通常、スロット数は3の倍数である。上記の場合、スロット数は3以上であり、12以上であることが好ましい。なお、本実施の形態では、このスロット数が12であり、ロータ20の磁極数が10極であるブラシレスモータの例を挙げている。このような10極12スロットのブラシレスモータは、回転方向となる周方向に働く磁気吸引力が相殺されるため、コギングトルクが低減される点で好ましい。
次に、図1に示すように、このようなステータ30の内側には、ティース先端部31tpから径方向に所定の間隔をあけて、ロータ20が挿入されている。ロータ20は、シャフト21とロータ本体20bとを備えている。そして、シャフト21を中心として、そのロータ本体20bが、ロータコア22と、複数の磁石10と、ロータ樹脂部23とを備えている。
ロータコア22は、外形が略多角形状の薄い鉄板を積層して構成されている。より具体的には、本実施の形態では、図1に示すように、内側ロータコア22sと外側ロータコア22mとを含むロータコア22の構成としている。ここで、内側ロータコア22sは、内周側に配置されてシャフト21に固着され、外側ロータコア22mは、外周側に配置されて磁石10を保持する。そして、内側ロータコア22sと外側ロータコア22mとの径方向の間の箇所を、ロータ樹脂部23の一部が占めている。なお、このような本実施の形態でのロータコア22を含むロータ本体20bの構成については、以下で詳細に説明する。
このようなロータコア22の中央部において、シャフト21が、中心点Cを中心に、鉄板の積層方向、すなわち軸方向に貫通して延伸している。このようにして、シャフト21を中心とし、その周囲にロータコア22が固定されている。さらに、外形が多角形状の柱となるロータコア22の外周部においては、図2および図3に示すように、複数の磁石10が、外周面に沿って周方向にそれぞれ等間隔で配置される。特に、本実施の形態では、各ティース先端部31tpの磁極面31t1に対して、各磁石10による周方向の外周面が同心状となるような配置構成としている。また、ここで、各磁石10の外側曲面は、露出した状態で磁極面31t1に対面している。さらに、詳細については以下で説明するが、本実施の形態では、このような配置状態で、モールド樹脂を用いてロータ樹脂部23が形成されるように樹脂モールドしている。このようなモールド成型により、ロータコア22が複数の磁石10を保持するように、ロータコア22の外周面には、複数の磁石10が密着固定され、ロータ本体20bが形成される。
また、このようなロータ本体20bが締結されたシャフト21は、2つの軸受43によって回転自在に支承されている。軸受43は、複数の小径ボールを有したベアリングである。それぞれの軸受43は、その外輪が例えばステータ側をモールドするステータ樹脂45や金属製ブラケット46などに固定されている。
さらに、図1では、SPMモータ100が、プリント基板48をモータケース40内に内蔵するような一構成例を示している。プリント基板48には、駆動回路などの部品が実装されており、電源電圧や制御信号を印加する接続線なども接続されている。
以上のように構成されたSPMモータ100に対して、接続線を介して電源電圧や制御信号などを供給することにより、プリント基板48の駆動回路により巻線33が通電駆動される。巻線33が駆動されると、巻線33に駆動電流が流れ、ステータコア31から磁界が発生する。そして、ステータコア31からの磁界とロータ20の磁石10からの磁界とにより、それら磁界の極性に応じて吸引力および反発力が生じ、これらの力によってシャフト21を中心にロータ20が周方向に回転する。このように、ロータ20は、ステータ30で発生させた磁気力との相互作用により回転可能な部材であり、ロータ20の回転はシャフト21を介してモータの外部に伝達され、力学的エネルギーに変換される。
次に、本実施の形態におけるロータコア22の外周面、およびその外周面に固定される磁石10の構成について説明する。
上述したように、ロータコア22の外周面には、複数の磁石10が周方向に平行に並んで固定される。すなわち、図2に示すように、ロータコア22の外周面は、磁石10を保持するための磁石保持面220を多角状に組合せた多角柱状の形状を成している。ここで、この磁石保持面220は四角い平面である。そして、1つの磁石保持面220に対して1つの磁石10がペアとなるように互いに一対一で対応する。例えば、本実施の形態では、ロータ20の磁極数を10極としているため、ロータコア22は10角柱の形状を成しており、その外周面には、10個の磁石10が配列される。
このように、複数の磁石10は、ロータコア22の外周面を覆うように、ロータコア22の周方向に沿って規則的に並んでいる。
図4Aは、本実施の形態に係る磁石10の斜視図、図4Bは、図4AのY−Y線における断面図である。
例えば図2および図4Aに示すように、磁石10は、略矩形である2つの主面11、12と側面13と上下面14とを備える略六面体である。また、図4Bに示すように、磁石10の一方の主面(第1主面11)は、平面を成す平面部110とともに、平面部110を取り囲むように四方周縁に設けた周縁部111を備える。そして、この第1主面11が、ロータコア22の外周面、すなわち磁石保持面220に対向する。一方、他方の主面(第2主面12)は、周方向に沿って円弧状に曲がるとともに軸方向には曲がりのない曲面を成す曲面部120を備え、さらに、曲面部120を取り囲むように四方周縁に設けた周縁部121を備える。そして、この第2主面12が、ティース先端部31tpの磁極面31t1に対向する。また、磁石10の第1主面11側の周縁部111は、平面部110を囲むように面取りされていてもよい。言い換えれば、第1主面11は、平面部110以外の領域を備えていてもよい。
さらに、本実施の形態では、第2主面12もまた、曲面部120以外の領域として、周縁部121を備えた磁石10の形状としている。本実施の形態では、この周縁部121、特に、周方向両側の周縁部121であるサイド部121sを設けることで、より正弦波波形に近似させた磁束密度を得るとともに、ロータ20での磁石10の保持強度も高めている。このサイド部121sの詳細については、以下でさらに説明する。
このような形状の磁石10は、主面どうしが互いに逆の磁極となるように、図4Bでの平面部110の法線方向Nvで示す厚み方向に、着磁されている。すなわち、第1主面11と第2主面12とにおいて、一方の面がS極なら他方の面がN極となる。さらに、本実施の形態では、図2に示すように、第2主面12がS極の磁石10と、第2主面12がN極の磁石10との2種類の組合せで構成している。そして、周方向に沿って、N極とS極とが交互になるように、磁石10それぞれをロータコア22に配置している。これにより、各磁石10によって発生する磁束は、ステータコア31とロータコア22との間の空間を、おおよそ径方向に沿うとともに、磁石10ごとに磁束方向が逆となるように流れる。なお、磁石10の数とティース31tの数とは、1対1に対応していない場合がある。よって、1つの磁石10の第2主面12の全体が、1つのティース31tの磁極面31t1に対向していない場合がある。
また、第2主面12の曲面部120は、図3に示すように、軸方向と直交する面、すなわち径方向を含む面(周方向に沿った面)において、ティース先端部31tpの磁極面31t1と径方向に所定の間隔Gを隔てて、同心の円弧状を成すように曲がっている。また、以上をまとめると、本実施の形態でのSPMモータ100は、軸方向と直交する面において、ロータコア22(ひいてはSPMモータ100)の回転軸の中心点Cを中心として、内周側から外周側に向けて、シャフト21の外周面、磁石10の曲面部120、ステータコア31の磁極面31t1、ステータコア31の外周面の順に、それぞれが同心状となるような配置構成としている。
一方、第1主面11の平面部110は、周方向、軸方向とも曲がりのない、軸方向に平行な平面である。この平面部110がロータコア22の磁石保持面220に密着するように、磁石10それぞれがロータコア22の外周面に配列される。
以上のように、本実施の形態では、ロータコア22の外周面の断面を、略多角形状とし、これにより、容易な磁石10の位置決めを図っている。さらに、ロータコア22の外周面における磁石保持面220と磁石10とが、共に平面部を備える。すなわち、磁石10のプレス成型後や焼成後などにおいて、曲率が変化し易い曲面とは異なり、平面であるため、膨張や収縮が生じたとしても、その平面状態を維持し易い。このように、平面部を備えることにより、磁石10を磁石保持面220に広い面積を維持した状態で当接させることができる。これにより、従来のようなロータコアに当接する曲面を備えた磁石に比べて、容易かつ高精度に製造できる平面部110を備えた磁石10を実現している。さらに、ロータコア22の磁石保持面220に対する磁石10の当接部分を大きくすることができるため、磁石保持面220への磁石10の固定がより確実となり、磁石10のガタつきが抑制され易くなる。その結果、SPMモータ100の動作時の騒音が低減されるとともに、効率が向上する。
図5は、図4Bの拡大図である。本実施の形態での磁石10は、図5での中心角θ4で示す範囲において、上述のように曲面部120と平面部110とが互いに対応する位置に配置されている。次に、このような構成に基づく磁石10を用いたSPMモータ100の基本的な特徴について、まず、図5での中心角θ4で示す範囲でのモータ特性について説明する。
図5に示すように、中心角θ4で示す範囲において、磁石10を平面部110の法線方向Nvからみたとき、曲面部120の全部または大部分は、平面部110と重なり合っている。そのため、法線方向Nvにおける磁石の厚みは、磁石10の中央部から遠ざかるに従って減少するように、周方向に沿って変化する。具体的には、図5に示すように、D字のような断面を成し、磁石10の中央部の径方向における厚みTが最も大きく、端部に行くに従って薄い。
ここで、磁石の厚みは、その磁石によって生じる磁束の大きさに影響を与える。つまり、磁石の厚みが大きいほど、磁束が大きくなる。よって、磁石10においても、上記中央部から生じる磁束は、通常、上記端部から生じる磁束よりも大きくなる。すなわち、図6において、中央部が最も大きい正弦波の波形を実線で示すが、磁石10の磁束密度も、このような正弦波波形に近い分布をもつ。よって、ロータ20の回転が滑らかになって、コギングトルクが低減する。また、磁束密度が正弦波に近い分布を有する場合、誘起電圧の波形も正弦波に近くなる。よって、トルクの変動幅であるトルクリップルが小さくなる。すなわち、本実施の形態での磁石10は、互いに対向する曲面部120と平面部110とを備え、これによりD字状の断面形状を成している。本実施の形態では、このような磁石10の形状とし、この磁石10を用いたSPMモータ100とすることによって、高効率化とともに低騒音化を図っている。一方、磁石の厚みが一定である場合、図6において破線で示されるように、磁束密度は矩形波に近い分布をもつ。図6は、磁石10から流れる磁束の密度分布の概要を示すグラフである。
さらに、図4Bに示すように、本実施の形態では、より正弦波に近い磁束密度を実現するため、磁石10の第2主面12側において、周方向両側の周縁部121については、面取りされた形状のサイド部121sとしている。すなわち、第2主面12は、面取りによって、少なくとも曲面部120を挟持するように配置された、2つのサイド部121sを備えている。この場合、図5に示すように、サイド部121sの任意の接線L2と平面部110との成す鋭角の角度θ2が、曲面部120の任意の接線L1と平面部110との成す鋭角の角度θ1よりも大きくなるように、サイド部121sを形成している。つまり、本実施の形態では、上記のようなサイド部121sを配置することによって、磁石10の上記端部の厚みを、さらに小さくしている。言い換えると、磁石10の中央部から遠ざかるに従って減少する厚みの変化量について、図5での中心角θ4で示す範囲での変化量に比べて、中心角θ4の外側での変化量が大きくなるように、サイド部121sを利用した構成としている。さらに、別の見方をすると、図5での中心角θ4で示す範囲における中心点Cから曲面部120までの径方向の距離Dcは、一定であるのに対して、中心点Cからサイド部121sまでの径方向の距離Dsは、側面13に近づくほど小さくなる。
つまり、波状に正負ピークを繰り返す正弦波の特徴として、例えば、Sin90°のようなピーク周辺の変化量に比べて、Sin180°のような正負ピーク中間での変化量のほうが大きい。本実施の形態では、サイド部121sの厚みを薄くすることで、正弦波のピーク周辺に対応する磁石10の中央部に比べて、正弦波の正負ピーク中間に対応する磁石10の端部での厚みが薄くなる変化量を大きくし、正弦波特性に近似させている。よって、磁石10の磁束密度も、より正弦波に近くなる。
なお、サイド部121sは、平面であってもよいし、曲面であってよいし、平面および曲面を含んでいてもよい。特に、サイド部121sを平面とすることで、直線的に変化するSin180°近辺に近似させることができ、さらに、曲面に比べてより容易に加工や製造ができる。また、本実施の形態では、サイド部121sから、より周方向端部において、図4Bの端部121fで示すように、いわゆるフィレット(面取り)としての小さい曲面をさらに含めている。そして、端部を丸めることで、鋭利な角による傷や損傷などを防止している。このように、周方向において、曲面部120と曲面部120よりも径が小さいフィレットを設けた端部121fとの間に、平面のサイド部121sを設けることが好適である。
また、本実施の形態では、磁石10の磁束密度を正弦波に近づけるため、サイド部121sの周方向における幅については、もの作り上、次のように設定している。すなわち、曲面部120の中心角θ4が、第2主面12の中心角θ3の50〜80%になるように、サイド部121sの幅を設定することが好ましい。磁石10の磁束密度がより正弦波に近くなるためである。中心角θ4は、第2主面12の中心角θ3の65〜75%であることがより好ましい。すなわち、第2主面12において、曲面部120が占める周方向の長さの割合を、第2主面12の長さの半分から4分の3までの範囲とし、それ以外を両サイド部121sが占めるように構成すればよい。
なお、第2主面12の中心角θ3は、外周面に固定される磁石10の数(ロータの極数)に応じて設定される。例えば、ロータが10極を備える場合、中心角θ3はおおよそ36°(=360°/10)である。
さらに、本実施の形態では、一対の側面13について、図4Bに示すように、平面部110側の間隔よりも曲面部120側の間隔が広くなるように傾斜する平面としている。すなわち、一対の側面13は、軸方向と直交する面において、平面部110に近づくに従って、磁石10の中心方向に近くなるように傾いた形状としている。これにより、サイド部121sに加えて、この側面13によっても、磁石10での周方向端部に行くに従ってより薄くなる。本実施の形態では、このような側面13も利用して、さらに正弦波に近い磁束密度を実現している。
磁石10によって生じる磁束は、平面部110の法線方向Nvに沿って配向していることが好ましい。磁束が、磁石10の法線方向Nvの厚みに対応した大きさになり易いためである。つまり、磁石10の法線方向Nvの厚みを周方向に沿って変化させることにより、磁極面31t1に流入する磁束の大きさを、周方向に沿って変化させることができる。よって、磁石10の磁束密度の分布を、所望の形状(この場合、正弦波)に制御し易い。磁束の配向は、例えば、磁石の製造時に、磁性材料の配向をえた上で着磁することにより制御できる。
磁石10の材質は特に限定されず、SPMモータ100に用いられる従来公知の材質であればよい。例えば、磁石10としては、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等が用いられる。なかでも、コストの点では、酸化鉄を主原料とするフェライト磁石が好ましい。なお、これらの磁石は比較的割れ易い。これに対し、本実施の形態では、磁石10とロータコア22の磁石保持面220とを上述のように平面同士で当接させ、さらに、ロータ樹脂部23となるモールド樹脂を利用して磁石10を固定する構成により、磁石10の破損防止を図っている。すなわち、本実施の形態で採用した形状を用いれば、従来、点接触となっていたものを面接触とすることができる。よって、磁石10の接触面積が増えるため、安定した固定が実現できる。
次に、ロータ樹脂部23を含むロータ本体20bの詳細な構成について説明する。
図7Aは、上述のようにして構成したロータ20の構成図である。また、図7Bは、ロータコア22およびロータ樹脂部23を含むロータ本体20bの詳細な断面構造を示す図である。また、図7Cは、軸方向から見たロータ本体20bでの外側ロータコア22mと、磁石10と、ロータ樹脂部23の一部との構成を示す図である。
まず、図7Aに示すように、ロータ本体20bの中心にはシャフト21が挿入されている。また、ロータ本体20bでは、所定の箇所を樹脂によってモールド成型することでロータ樹脂部23が形成されている。
ロータ樹脂部23は、ロータ20の外部側においては、図7Aに示すように、磁石10の曲面部120を露出させた状態で、磁石間樹脂部231および端板樹脂部232を含み構成される。ここで、端板樹脂部232は、ロータ本体20bの軸方向両端部において円盤状となるように設けられ、磁石10を軸方向に挟むように配置される。また、磁石間樹脂部231は、周方向でのそれぞれの磁石10の間に設けられ、端板樹脂部232を軸方向に樹脂で繋いでいる。
さらに、本実施の形態では、図7Bに示すように、ロータコア22に、貫通孔22tが形成されている。貫通孔22tは、ロータコア22を軸方向に貫通する孔であり、径方向では、環状の形状を成している。すなわち、貫通孔22tは、ロータコア22の内部をその一方の端面から他方の端面まで円筒状の空間として延伸するように配置される。ロータ樹脂部23の樹脂は、このような貫通孔22tにも充填されており、ロータ樹脂部23の一部を成す内部樹脂部233を形成している。なお、内部樹脂部233を円筒状としているため、ロータコア22は、図1や図7Aからわかるように、内側ロータコア22sと外側ロータコア22mとに分離される。また、内部樹脂部233は、電気的に絶縁体である樹脂材料よりなる。このため、ロータコア22は、内部樹脂部233によって、内側ロータコア22sと外側ロータコア22mとが電気的に絶縁分離されている。本実施の形態では、このような構成を含めることで、ロータ20の電気的インピーダンスを高くして、軸受における電食の発生を抑制している。
以上のように、ロータ樹脂部23は、ロータコア22の両端面に配置される一対の端板樹脂部232と、ロータコア22の内部で円筒状に配置される内部樹脂部233と、ロータコア22の表面を周方向に等間隔で配置される複数本の磁石間樹脂部231とを一体に結合した構造を成している。このようなロータ樹脂部23は、例えば、次のように樹脂モールド成型することで形成されている。すなわち、ロータコア22と複数の磁石10とを、円筒状の金型内に配置する。そして、金型内に熱硬化性樹脂を充填した後、金型の熱エネルギーにより熱硬化性樹脂を硬化させる。このような工程に基づく樹脂モールド成型により、内側ロータコア22s、外側ロータコア22mおよび複数の磁石10が所定の配置状態に固定されたロータ本体20bが形成される。すなわち、両側の端板樹脂部232は、内部樹脂部233や磁石間樹脂部231を介して互いに繋がっているため、この構造によって、内側ロータコア22s、外側ロータコア22mおよびそれぞれの磁石10は、両側の端板樹脂部232に挟まれるように固定される。
本実施の形態では、このような工程で樹脂によりロータ本体20bの各部材を固定しており、ビスや接着材などを用いた固定手法に比べて、固着作業を不要とし、組立工数や組立時間の短縮化も図っている。また、本実施の形態では、金型内でロータ本体20bの各部材を樹脂で一体に結合するため、寸法精度等も容易に確保できる。さらに、本実施の形態では、内部樹脂部233および磁石間樹脂部231を介して、両側の端板樹脂部232が互いに繋がるような構造としており、これによって、軸方向の外力に対するロータコア22や磁石10の保持強度を高めている。
特に、磁石10の固定に関して詳細には、磁石10の曲面部120の周囲に設けた周縁部121を、本実施の形態では利用している。この周縁部121は、図4Aや図4Bに示すように、曲面部120に比べて、より薄くした周辺端部である。本実施の形態では、磁石10に対して、磁石10の周縁部121を隠すように、ロータ樹脂部23の樹脂が周縁部121を覆う構成としている。より具体的には、端板樹脂部232が磁石10の軸方向端部の両周縁部121を覆う。そして、磁石間樹脂部231が、図7Cに示すように、磁石10の径方向端部の両周縁部121、すなわち、サイド部121sを覆う。このように磁石10の周縁部121を樹脂で覆うことで、磁石10を外側ロータコア22mの外周面に固定している。特に、回転時においては、磁石10に対して径方向の外側への遠心力が生じるが、サイド部121sも樹脂で覆うことにより、端板樹脂部232のみによる保持と比較して、この遠心力に対する強度を高めることができる。
以上、本実施の形態では、ねじや接着剤は用いておらず、磁石10の周縁部121を樹脂止めすることでのみ、磁石10をロータコア22に固定している。例えば、外側ロータコア22mの磁石保持面220に対しても、何も介さずに磁石10の第1主面11を直接接触させている。また、このように直接接触させているため、接着剤を介在させるような手法に比べて、パーミアンスの低下を抑制でき、それに伴って効率の低下も抑制できる。
図8は、ロータコア22に配置された隣り合う磁石10間の詳細な構造を示す図である。
図8に示すように、外側ロータコア22mの外周面には、磁石10の取付け位置を定めるために、突起部221が形成されている。突起部221は、外側ロータコア22mの外周面からさらに外側に突出し、周方向に等間隔で磁石10と同じ個数となるように形成されている。このように突起部221は、複数の磁石10のそれぞれの取付け位置を定めるように配置されて、隣り合う突起部221間が磁石保持面220となる。これにより、複数の磁石10を、ロータコア22の外周面に等間隔で固定することができる。そのため、個々の磁石10からステータ30に向かって流れる磁束の密度分布の偏りが小さくなって、SPMモータ100の効率がさらに向上するとともに、騒音が低減される。このように、突起部221は、隣接する磁石保持面220同士の間に設置され、磁石10は、隣接する突起部221同士の間に固定される。
特に、本実施の形態では、ロータコア22の突起部221の形状について、その幅が先細りとなるテーパ形状としている。すなわち、図8に示すように、突起部221の周方向幅において、根元となる内周側に比べて、外周側のほうが狭くなるような形状としている。さらに、磁石10の側面13の形状も突起部221の形状に合わせており、磁石10の周方向幅において、サイド部121sから径方向に平面部110へと近づくに従って狭くなるように、側面13を形成している。本実施の形態では、このような突起部221と磁石10の側面13との形状としているため、磁石10の平面部110での周方向幅Wbに対して、隣り合う突起部221の先端部間での周方向幅Wpは、十分に広くなる。簡単に言えば、磁石10での幅Wbの底部に対して、磁石保持面220での幅Wpの外側開口を、周方向において広くなるような組合せとしている。すなわち、外側開口が広いため磁石10を磁石保持面220に容易に挿入でき、さらに、挿入後には、磁石10を磁石保持面220に密着するように配置できる。
さらに、この磁石10と磁石保持面220との密着性を高めるため、外側ロータコア22mにおいて、突起部221の根元の両側には、内側に切り欠いた溝222を設けている。次に、外側ロータコア22mに設けた溝222について説明する。図9Aは、ロータコア22での突起部の形状と磁石10の形状に基づいて、磁石10が磁石保持面220に密着する密着度合を説明するための図である。図9Bは、図9Aと比較する比較例を示している。具体的に、図9Aには、本実施の形態での溝222を設けた突起部221の周辺を示し、図9Bには、比較例として、溝を設けていない突起部921の周辺を示している。
上述したように、ロータコア22は、所望の形状の薄い鉄板を積層して構成されている。また、これら鉄板は、打抜き加工により、素材の鉄板を打抜いて、所望の形状としている。このような打抜き加工では、角部分は、通常、方形状とはならず、厳密には曲線状となる。このため、図9Bの比較例で示す突起部921から磁石保持面920にかけての角部922でも、図示するような曲線状となる。一方、磁石10やロータコア22のサイズには、どうしてもばらつきが生じる。このため、例えば、磁石10が大きくなるようにばらつくと、図9Bの比較例で示すように、磁石10の周縁部111が角部922に接触してしまう。そして、その結果、磁石10の平面部110と磁石保持面920との間には、図9Bの比較例で示すような隙間929ができてしまい、磁石10が磁石保持面220に密着しなくなる。
そこで、本実施の形態では溝222を設けることにより、比較例のような曲線状の角部922の膨らみ量を抑えている。すなわち、打抜き加工において、突起部221の根元の両側に溝222が形成されるように打抜く。これにより、溝222の形成に伴って、比較例での角部922の膨らみ量も減るように作用する。その結果、磁石10が大きくなるようにばらついたとしても、磁石10の周縁部111が突起部221の根元付近で接触するようなことはなく、図9Aに示す密着面229のように、磁石10を磁石保持面220に確実に密着させることができる。
また、上述のとおり、磁石10の固定をより確実にするために、図8に示すように、隣接する磁石10に跨るように、第2主面12側にロータ樹脂部23の磁石間樹脂部231が配置される。磁石間樹脂部231は、隣接する磁石10の向かい合う2つのサイド部121sの少なくとも一部を覆うように配置される。これにより、向かい合う2つのサイド部121sによって形成された、略三角形の断面を有する空間25の少なくとも一部が、磁石間樹脂部231によって埋められる。つまり、ステータ30とロータ20との間隔のばらつきが小さくなるため、空間25による回転負荷が抑えられ、ロータ20の回転がより滑らかになって、SPMモータ100の効率がさらに向上する。同様の観点から、磁石間樹脂部231は、上記の略三角形の空間25からはみ出さない程度に配置している。
特に、本実施の形態では、サイド部121sでの磁石10の厚みが薄くなるため、サイド部121sを設けない場合に比べて、空間25が広くなり、磁石間樹脂部231の径方向の厚みを増やすことができる。よって、磁石間樹脂部231の径方向の厚みを十分に確保できるため、遠心力のような径方向外側に働く力に対しての強度も十分に確保できる。しかも、磁石間樹脂部231の樹脂が紙状に薄くなることも防止できる。すなわち、樹脂が紙状になると、破れたり剥がれたりし易くなり、細かい樹脂の屑となってロータ20の回転を止めるなど、不具合の原因となる。これに対し、本実施の形態では、樹脂が紙状にはならないため、このような不具合も防止できる。
このように、本実施の形態では、磁石10にサイド部121sを設けた構成としているため、正弦波に近い磁束密度を実現しながら、さらに、樹脂の屑の発生を抑制しつつ、磁石間樹脂部231による磁石10の保持強度も確保できる。
本実施の形態ではロータの極数(磁石10の個数)を10極として説明したが、この極数は特に限定されない。極数が増えると、ステータに入る磁束密度の偏りが低減される。そのため、極数は、電磁力を分散させる観点から多極化していることが好ましい。また、極数とスロット数とを、適切な組合せにすることにより、コギングトルクを抑制できる。なお、極数の上限は、モータの仕様、特にモータの定格等により定まる。具体的には、極数は、例えば4極以上である。なかでも、上記の観点から、極数は8極以上であることが好ましく、10極以上であることがより好ましい。なお、図示例では、極数が10(10極)である場合を示している。ロータ20が10極であって、3相交流を用いてロータ20を回転させる場合、SPMモータ100の動作中にステータ30の内径が歪んで、ステータ30が円環振動することがある。ステータ30の円環振動は、騒音の一因になり得る。しかし、本実施の形態によれば、ステータ30の円環振動以外の騒音の原因が排除され易くなるため、結果的に、SPMモータ100の動作中における騒音は抑制される。
上記のとおり、極数は、電磁力を分散させる観点から多極化することが好ましい。一方で、磁石10の数が多くなると、取付け位置はずれ易くなるため、精度良く、多数の磁石10を、ロータコア22の外周面に取付けることは困難である。よって、極数が多い場合ほど、突起部221を設けることは、より効果的である。また、本実施の形態においては、極数が多いほど、ロータコア22の外周面は滑らかな円弧に近くなる。外周面が、磁石10の平面部110に対応する平面の磁石保持面220を備えるためである。外周面が円弧に近くなると、ロータ20の回転が滑らかになって、騒音が低減される。このように、本実施の形態に係る磁石10は、極数の多いロータ20に用いるのに特に適している。
本発明の表面磁石型モータによれば、ロータコアとステータコアとの間に、正弦波に近い密度分布を備える磁束を発生させることができる。そのため、特に、低騒音や高効率が要求される家電機器などに実装されるモータに有効である。
10 磁石
11 第1主面
12 第2主面
13 側面
14 上下面
20 ロータ
20b ロータ本体
21 シャフト
22 ロータコア
22m 外側ロータコア
22s 内側ロータコア
22t 貫通孔
23 ロータ樹脂部
25 空間
30 ステータ
31 ステータコア
31s スロット
31t ティース
31y ヨーク
31t1 磁極面
31tm ティース中間部
31tp ティース先端部
32 インシュレータ
33 巻線
40 モータケース
43 軸受
45 ステータ樹脂
46 金属製ブラケット
48 プリント基板
100 表面磁石型(SPM)モータ
110 平面部
111,121 周縁部
120 曲面部
121s サイド部
220,920 磁石保持面
221,921 突起部
222 溝
229 密着面
231 磁石間樹脂部
232 端板樹脂部
233 内部樹脂部
922 角部
929 隙間

Claims (9)

  1. ステータと、前記ステータの内周側に回転自在に配置されるロータとを具備し、前記ロータの表面に複数の磁石を保持する表面磁石型モータであって、
    前記ステータは、
    リング状のヨークと、前記ヨークの内周から径方向に延出し、先端部には周方向に広がるティース先端部が形成された複数のティースと、を有するステータコアと、
    前記ティースに巻回された巻線と、を備え、
    前記ロータは、
    前記複数の磁石を保持するロータコアと、
    前記ロータコアの中央を貫通して延伸するシャフトと、
    前記ティース先端部と所定の間隔をあけ、前記ロータコアの外周面に沿って周方向に等間隔で配置される前記複数の磁石と、
    前記ロータコアの前記外周面は、前記複数の磁石のそれぞれの取付け位置を定める突起部を有するとともに、前記突起部の両側には、内側に切り欠いた溝を設け、
    前記複数の磁石を前記ロータコアに固定するためのロータ樹脂部と、を備え、
    前記複数の磁石のそれぞれは、前記ロータコアの外周面に対向する第1主面と、前記ティース先端部に対向する第2主面と、を備え、
    前記第1主面が、平面を成す平面部を含み、
    前記ティース先端部と前記第2主面とが、互いに同心の円弧状を成す曲面部を含み、
    前記ロータ樹脂部が前記第2主面の周縁部を覆うように、前記ロータ樹脂部によって、前記ロータコアと前記複数の磁石とが一体成型されている表面磁石型モータ。
  2. 前記複数の磁石それぞれが備える、前記第1主面と側面との間に位置する周縁部は、前記ロータコアと接しない、請求項1に記載の表面磁石型モータ。
  3. 前記第2主面が、前記曲面部と、前記曲面部を挟持するように配置される2つのサイド部と、を有し、
    前記ロータの中心から前記サイド部までの径方向の距離は、前記磁石の周方向端部に近づくほど小さくなる請求項1に記載の表面磁石型モータ。
  4. 前記サイド部の任意の接線と前記平面部との成す鋭角の角度が、前記曲面部の任意の接線と前記平面部との成す鋭角の角度よりも大きい、請求項に記載の表面磁石型モータ。
  5. 前記ロータ樹脂部は、前記第2主面に対し、前記サイド部の少なくとも一部を覆うように配置されている請求項2から3のいずれか一項に記載の表面磁石型モータ。
  6. 前記平面部の法線方向に沿って磁束が配向されている、請求項1に記載の表面磁石型モータ。
  7. 前記ロータコアの前記外周面は、前記平面部に一対一で対応する磁石保持面を有する、請求項1に記載の表面磁石型モータ。
  8. 前記溝は、配置された前記複数の磁石それぞれが備える、前記第1主面と側面との間に位置する周縁部が、前記ロータコアの前記外周面が有する前記磁石保持面から前記突起部の壁面に亘って前記ロータコアの前記外周面と接触しない、請求項7に記載の表面磁石型モータ。
  9. 前記ロータの極数が10であり、
    前記ステータのスロット数が12である、請求項1に記載の表面磁石型モータ。
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