JP6666754B2 - 対空表示用マーキングフィルムの施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マーキングフィルム及びマーキングフィルムの施工方法に関する。
従来、車や電車、ショーウィンドウなどに対し、マーキング用の粘着シートであるマーキングフィルムを貼り付け、広告、装飾、案内等を表示させることが行われている。マーキングフィルムは、塗装に比べデザインの統一性・量産性・施工の簡便性に優れ、「貼る塗料」として普及している。
一方、建物の屋上や屋根などに、建物名や、学校名、緊急離着陸場マーク(Hマーク)、緊急救助用スペースマーク(Rマーク)等を表示させることが行われている。建物の屋上や屋根などに建物名等が表示されることで、上空からの施設識別が容易となる。これらの表示は、対空表示、ヘリコプターサイン、ヘリサイン、ランドマークサイン等と呼ばれ、災害時に上空からの救助・物資運搬等を行う際の目印として活用される。従来、対空表示は、蛍光顔料等を含有する塗料等により施行されている(特許文献1)。
特開2014−037484号公報
建造物の性質上、屋上やベランダ等では高い防水性が求められ、これらの防水処理には、トップコートと呼ばれるコーティング塗料が用いられる場合がある。一般的に、トップコートは樹脂及び溶媒を含有する組成物である。
建物の屋上や屋根などに、マーキングフィルムを用いて対空表示を設置しようと試みた場合、屋上等にマーキングフィルムを貼付する際、防水性及び耐候性等を付与させることを目的とし、マーキングフィルムにトップコートを塗布することが求められる場合がある。しかし、マーキングフィルムに対してトップコートを塗布すると、マーキングフィルムにしわが発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、トップコート等に含まれる有機溶媒に接しても、しわが発生し難いマーキングフィルム、及びマーキングフィルムの施工方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、トップコートに含まれる溶媒をマーキングフィルムが吸収して体積伸長するために、マーキングフィルムにおいてしわが発生してしまうとの考えを得た。そこで本発明者らは、マーキングフィルムの最外層に、フッ素系樹脂を含む耐溶媒層を設けることにより、トップコートに接した際のしわの発生が低減されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の通りである。
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の側に設けられた第1の粘着剤層と、
前記基材フィルムと前記第1の粘着剤層との間に設けられた再帰反射層と、
前記基材フィルムの他方の側に最外層として設けられ、フッ素系樹脂を含む耐溶媒層と、
前記耐溶媒層と前記基材フィルムとの間に設けられた第2の粘着剤層と、
前記耐溶媒層と前記第2の粘着剤層との間に設けられ、アクリル系樹脂を含む中間層と、を備えるマーキングフィルムの施工方法であって、
前記マーキングフィルムの前記第1の粘着剤層を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を前記耐溶媒層上に塗布することを含み、
前記有機溶媒が、101.3kPaで100℃以上の沸点を有し、
前記被着体が、建造物の屋上、屋根、バルコニー、又はベランダであり、
ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサイン等の対空表示用として使用される、対空表示用マーキングフィルムの施工方法。
)前記基材フィルムがアクリル系樹脂及び/又は塩化ビニル系樹脂を含む、前記()に記載の対空表示用マーキングフィルムの施工方法
)前記有機溶媒が、アルキルベンゼン及びアルケニルベンゼンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む、前記(1)又は(2)に記載の対空表示用マーキングフィルムの施工方法
本発明によれば、トップコート等に含まれる有機溶媒に接しても、しわが発生し難いマーキングフィルム、及びマーキングフィルムの施工方法の提供を目的とする。
本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの施工方法を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムの施工方法を説明する模式図である。 実施例において、マーキングフィルムの耐溶媒性についての測定結果を示す写真である。
≪マーキングフィルム≫
[第1実施形態]
本発明のマーキングフィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の側に設けられた粘着剤層と、前記基材フィルムの他方の側に設けられた耐溶媒層と、を備え、
前記耐溶媒層は、フッ素系樹脂を含み、最外層として設けられたものであり、
前記粘着剤層を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を前記耐溶媒層上に塗布することを含む施工方法に使用されるものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るマーキングフィルム1の断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るマーキングフィルム1は、基材フィルム10と、基材フィルム10の一方の側に設けられた第1の粘着剤層20と、基材フィルム10の他方の側に設けられた耐溶媒層30と、を備える。耐溶媒層30は、マーキングフィルム1の最外層として設けられている。なお、剥離シート40は、マーキングフィルムの使用時に剥離されるものであり、本発明のマーキングフィルムにおける必須の構成ではない。
(基材フィルム)
本実施形態に係るマーキングフィルム1の基材フィルム10の材質としては、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等の樹脂が挙げられる。
基材フィルム10は、アクリル系樹脂及び/又は塩化ビニル系樹脂を含むことが好ましい。
アクリル系樹脂は、透明性が高く、優れた耐候性を発揮するという利点を有する。塩化ビニル系樹脂は、安価でかつ加工が比較的容易であり、また、優れた耐候性を発揮するという利点を有する。しかし、これらの樹脂は、有機溶媒を含む組成物に接すると、しわが発生し易い。
本実施形態のマーキングフィルム1には、耐溶媒層30が設けられているので、有機溶媒を含む組成物に接し、基材フィルム10としてこれらの樹脂が用いられていても、しわが発生し難い。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を有する重合体である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。
アクリル系樹脂としては特に制限はないが、上記のアクリル系樹脂を構成する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、(メタ)アクリル酸エステルと、当該(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルを主体とする共重合体の場合、(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位の量は、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
アクリル系樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アクリル系樹脂は、他の樹脂と併用することができる。他の樹脂としては、アクリル系樹脂と相溶性の樹脂が好ましい。アクリル系樹脂と他の樹脂とを併用する場合、他の樹脂の配合量は、アクリル系樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは、5〜30質量部である。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル由来の繰り返し単位を有する重合体である。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体であってもよいし、塩化ビニルと、当該塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。共重合体としては、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体等の塩化ビニルを主体とする共重合体;等が挙げられる。塩化ビニルを主体とする共重合体において、塩化ビニル由来の繰り返し単位の量は、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
塩化ビニル系樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、塩化ビニル系樹脂は、他の樹脂と併用することができる。他の樹脂としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性の樹脂が好ましい。塩化ビニル系樹脂と他の樹脂とを併用する場合、他の樹脂の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは、5〜30質量部である。
基材フィルム10は、単層からなってもよいし、複層からなってもよい。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
基材フィルム10の厚さは、50〜1000μmであることが好ましく、100〜800μmであることが好ましく、さらには150〜400μmであることが好ましい。基材フィルム10の厚さが50μm以上であることにより、所望の強度を発揮することが可能となる。また、基材フィルム10の厚さが800μm以下であることにより、マーキングフィルムを無駄に厚くすることなく、歩行者の歩行等に邪魔にならないものとすることができる。
基材フィルムの厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
(耐溶媒層)
本実施形態に係るマーキングフィルム1の耐溶媒層30は、フッ素系樹脂を含む。
耐溶媒層30が、フッ素系樹脂を含むことにより、基材フィルム10に溶媒が浸透することを、フッ素系樹脂が防止すると考えられる。そのため、マーキングフィルム1は、有機溶媒を含む組成物に接しても、しわが発生し難くされている。
フッ素系樹脂は、分子内にフッ素を含有するフッ素含有単量体由来の繰り返し単位を有する重合体である。
フッ素系樹脂としては、フッ素含有単量体の単独重合体であってもよいし、フッ素含有単量体と、当該フッ素含有単量体と共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。共重合体において、フッ素含有単量体の繰り返し単位の量は、全繰り返し単位中、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましい。
フッ素系樹脂としては特に制限はないが、上記のフッ素系樹脂を構成する重合性モノマーとしては、分子内にフッ素を含有するオレフィンが好ましく、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
耐溶媒層30は、単層からなってもよいし、複層からなってもよいが、複層の場合、最外層にはフッ素系樹脂が含まれているものとする。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
耐溶媒層30の厚さは、0.1〜150μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。
耐溶媒層の厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
(第1の粘着剤層)
本実施形態に係るマーキングフィルム1における第1の粘着剤層20は、該層の表面が被着体に貼付されることで、マーキングフィルム1を被着体に貼付可能である。
第1の粘着剤層20の組成は特に限定されることなく、公知の粘着剤によって構成することができる。
第1の粘着剤層20における粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。中でも、マーキングフィルム1として好適な粘着力、耐久性等を発揮し得るアクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤は、重合体構成モノマー成分として、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分等を含有するアクリル系重合体(共重合体の概念を含む)を主成分とする粘着剤組成物から構成することが好ましい。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの各成分を重合体構成モノマー成分として含むことにより、アクリル系重合体の粘着力、凝集力等が向上する。また、このようなアクリル系重合体は、通常、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより所望の物性を有する粘着剤組成物を得ることができる。
このような粘着剤組成物には、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものを用いてもよいが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のより優れた第1の粘着剤層20を形成することができる。
架橋型粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
上記粘着剤組成物は、アクリル系重合体以外にも、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤を含有してもよい。
第1の粘着剤層20の厚さは、特に限定されないが、20〜150μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。
第1の粘着剤層の厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
(剥離シート)
本実施形態に係るマーキングフィルム1に使用される剥離シート40としては、特に限定されることなく、公知の剥離シートを使用することができる。
剥離シート40が第1の粘着剤層20から剥離され、第1の粘着剤層20が露出されると、第1の粘着剤層20を被着体に貼付することが可能となる。
剥離シート40としては、グラシン紙、上質紙等の紙基材にポリエチレンフィルムを貼り合せたポリエチレンラミネート紙にシリコーン等の剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離シート40の厚さは、通常10〜250μm程度であり、好ましくは20〜200μm程度である。また、剥離シート40における剥離剤の厚さは、通常0.05〜5μmであり、好ましくは0.1〜3μmである。
剥離シートの厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
(添加剤)
上記の基材フィルム10、第1の粘着剤層20、耐溶媒層30において、上記の樹脂以外にも、各種添加剤が含有されてもよい。添加剤としては、例えば着色剤が挙げられる。
マーキングフィルム1は着色されていてもよい。したがって、例えば、マーキングフィルム1には、着色剤が含まれていてもよい。
着色剤は、例えば、基材フィルム10に含有されてもよい。着色された基材フィルムは、基材フィルムの原料となる樹脂組成物に着色剤を配合し、これをフィルム成形することで製造することができる。
着色剤は、例えば、第1の粘着剤層20に含有されてもよい。着色された第1の粘着剤層は、粘着剤層の原料となる組成物に着色剤を配合し、これをフィルム成形することで製造することができる。
着色剤は、例えば、耐溶媒層30に含有されてもよい。着色された耐溶媒層は、耐溶媒層の原料となる組成物に着色剤を配合し、これをフィルム成形することで製造することができる。
着色は、基材フィルム10に印刷が施されることで基材フィルム内に施されてもよい。又は、着色は、基材フィルム10上に形成された印刷層(不図示)として施されてもよい。印刷層は、例えば、基材フィルム10に対し、着色剤を含むインクによる印刷が施されることで形成される。インクは、基材フィルム10に含浸されていてもよいし、基材フィルム上に堆積していてもよい。
着色剤としては、有機顔料、無機顔料、または染料が使用できる。顔料は蛍光顔料であってもよく、染料は蛍光染料であってもよい。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、ハンザエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ等が用いられる。橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKM等が用いられる。赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピロゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が用いられる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が用いられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等が用いられる。緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が用いられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が用いられる。体質顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が用いられる。
また、染料としては、例えば、塩基性染料、酸性染料、分散染料、直接染料等が用いられる。このような染料としては、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等が例示される。
着色剤の配合量は、例えば基材フィルム10中、0〜50質量%であることが好ましく、特に5〜40質量%であることが好ましい。
着色剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(用途)
本発明のマーキングフィルムは、後述する本発明のマーキングフィルムの施工方法において、好適に用いられる。
本実施形態のマーキングフィルム1は、第1の粘着剤層20を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を耐溶媒層30上に塗布することを含む施工方法に使用されるものである。
マーキングフィルムに塗布される当該組成物としては、樹脂及び有機溶媒を含有するものが挙げられ、例えば、トップコートと呼ばれるコーティング用の塗料が挙げられる。トップコートは建造物の防水処理に用いられている。したがって、マーキングフィルムに塗布される当該組成物は防水処理剤であってもよい。
当該組成物中の樹脂の割合としては、例えば、当該組成物は樹脂を0.1〜95質量%含有していてもよく、1〜50質量%含有していてもよく、10〜30質量%含有していてもよい。
当該組成物中の有機溶媒の割合としては、例えば、当該組成物は有機溶媒を5〜99質量%含有していてもよく、10〜80質量%含有していてもよく、20〜70質量%含有していてもよい。
なお、これらの成分の合計は100質量%を超えない。
当該組成物に含有されてもよい樹脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
当該組成物に含有されてもよい有機溶媒としては、アルキルベンゼン及びアルケニルベンゼンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が挙げられる。
アルキルベンゼンとしては、ベンゼン環の一つ以上の水素原子がアルキル基で置換されたものである。アルキルベンゼンとしては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、トリアルキルベンゼン、テトラアルキルベンゼン等が例示される。
上記のアルキルベンゼンが有するアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。上記のアルキルベンゼンが有するアルキル基の炭素数は、炭素数1〜12であってもよく、炭素数1〜6であってもよく、炭素数1〜4であってもよい。
アルキルベンゼンとしては、トルエン、エチルベンゼン、クメン、キシレン、トリメチルベンゼン等が挙げられる。
アルケニルベンゼンとしては、ベンゼン環の一つ以上の水素原子がアルケニル基で置換されたものである。アルケニルベンゼンとしては、モノアルケニルベンゼン、ジアルケニルベンゼン、トリアルケニルベンゼン、テトラアルケニルベンゼン等が例示される。
上記のアルケニルベンゼンが有するアルケニル基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。上記のアルキルベンゼンが有するアルキル基の炭素数は、炭素数2〜12であってもよく、炭素数2〜6であってもよく、炭素数2〜4であってもよい。
アルケニルベンゼンとしては、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
当該組成物に含有されてもよい有機溶媒としては、101.3kPaで100℃以上の沸点を有する化合物が挙げられ、101.3kPaで100℃以上200℃以下の沸点を有する化合物であってもよく、101.3kPaで130℃以上200℃以下の沸点を有する化合物であってもよく、101.3kPaで150℃以上200℃以下の沸点を有する化合物であってもよい。
例えば、トルエンの101.3kPaにおける沸点は約110℃であり、クメンの101.3kPaにおける沸点は約152℃であり、1,2,3-トリメチルベンゼンの101.3kPaにおける沸点は約176℃である。
係る性質を有する有機溶媒は蒸発し難い。そのため、係る性質を有する有機溶媒がマーキングフィルム上に塗布され、屋外において自然乾燥されると、長時間にわたりマーキングフィルムが有機溶媒に接することとなり、マーキングフィルムにしわを生じさせる要因となりやすい。
上記に代表される有機溶媒が基材フィルム10に接すると、マーキングフィルムにしわを生じさせる要因となりやすい。しかし、本実施形態のマーキングフィルム1は、耐溶媒層30を備えるので、マーキングフィルム1が有機溶媒に接しても、マーキングフィルム1にしわを生じ難くすることができる。
本実施形態のマーキングフィルム1が貼付される被着体は、特に限定されるものではないが、建造物であることが好ましく、建造物の屋外面にあたる屋上、屋根、バルコニー、ベランダ、外壁であることがより好ましい。マーキングフィルム1が対空表示、ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサインとして用いられる場合、被着体は、屋上又は屋根であることがさらに好ましく、屋上であることが特に好ましい。被着体の材質としては、コンクリートが好ましい。
本実施形態のマーキングフィルム1は屋外用として使用されることが好ましい。ここで屋外用とは、屋外の被着体の表面に貼付されるものをいう。
本実施形態のマーキングフィルム1は、対空表示、ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサインとして好適に使用可能である。特に、建造物の屋根又は屋上に設けられる対空表示、ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサインとして好適に使用可能である。
本実施形態のマーキングフィルム1によれば、トップコート等の有機溶媒を含む組成物に接しても、しわが発生し難い。そのため、マーキングフィルム1は、第1の粘着剤層20を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を耐溶媒層30上に塗布することを含む施工方法に、好適に使用可能である。本実施形態のマーキングフィルム1は、トップコート等の有機溶媒を含む組成物を用いた防水処理にも耐えうるので、係る防水処理が求められる屋上等の場所に用いられた場合にも、しわが生じ難く、マーキングフィルムの美観を良好なものとすることができる。
(マーキングフィルムの厚さ)
本発明のマーキングフィルム1の厚さは、80〜1500μmであることが好ましく、100〜500μmであることがより好ましい。
マーキングフィルム1の厚さは、マーキングフィルムの使用時の形態で測定されるものとし、例えば剥離シート40はマーキングフィルムの厚さに含めないこととする。マーキングフィルムの厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
[第2実施形態]
図2は、本実施形態に係るマーキングフィルム2の断面図である。図2に示すように、本実施形態に係るマーキングフィルム2は、第1実施形態のマーキングフィルム1が、さらに第2の粘着剤層22を備えたものである。
マーキングフィルム2は、基材フィルム10と、第1の粘着剤層20と、耐溶媒層30と、第2の粘着剤層22と、を備える。基材フィルム10の一方の側には、第1の粘着剤層20が設けられ、基材フィルム10の他方の側には、耐溶媒層30と第2の粘着剤層22とが設けられている。耐溶媒層30は、マーキングフィルム1の最外層として設けられている。なお、剥離シート40は、本発明のマーキングフィルムにおける必須の構成ではない。
上記第1実施形態のマーキングフィルム1と同様の構成を有する部分については詳細な説明を省略する。
(第2の粘着剤層)
第2の粘着剤層22は、耐溶媒層30と基材フィルム10とを接着するためのものであり、したがって、その両者に対して所望の接着力を発揮する粘着剤から構成される。
第2の粘着剤層22としては、上記の第1の粘着剤層20において例示したものが挙げられる。第2の粘着剤層22と第1の粘着剤層20の構成は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(中間層)
マーキングフィルム2は、さらに中間層32を備えていてもよい。
図3は、マーキングフィルム2の変形例であるマーキングフィルム2aの断面図である。図3に示すように、中間層32は、耐溶媒層30と第2の粘着剤層22との間に設けられている。
中間層32は、耐溶媒層30と第2の粘着剤層22の接着を向上させるために設けられたものであり、第2の粘着剤層22の中間層32に対する接着性が良好となる材料から構成され、例えば上記基材フィルム10で例示したものと同様のものが挙げられる。
透明性及び接着性の観点から、中間層32はアクリル系樹脂を含むことが好ましい。例えば、第2の粘着剤層22がアクリル系粘着剤によって構成される場合、中間層32はアクリル系樹脂を含むことが好ましい。アクリル系樹脂としては、上記基材フィルム10で例示したものと同様のものが挙げられる。
中間層32は、単層からなってもよいし、複層からなってもよい。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
中間層32の厚さは、5〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、25〜65μmであることがさらに好ましい。
中間層の厚さは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
中間層32には、添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、上記の(添加剤)で例示した着色剤が挙げられる。
耐溶媒層30はフッ素系樹脂を含む。そのため、第2の粘着剤層22との接着性を弱めてしまう場合があるが、マーキングフィルム2aでは中間層32が設けられていることにより、耐溶媒層30と第2の粘着剤層22の接着性を所望の性能に向上させることが容易となる。
[第3実施形態]
図4は、本実施形態に係るマーキングフィルム3の断面図である。図4に示すように、本実施形態に係るマーキングフィルム3は、上記のマーキングフィルム2aが、さらに再帰反射層50を備えたものである。
マーキングフィルム3は、基材フィルム10と、第1の粘着剤層20と、耐溶媒層30と、中間層32と、第2の粘着剤層22と、再帰反射層50と、を備える。基材フィルム10の一方の側には、第1の粘着剤層20と再帰反射層50とが設けられ、基材フィルム10の他方の側には、耐溶媒層30と中間層32と第2の粘着剤層22とが設けられている。耐溶媒層30は、マーキングフィルム1の最外層として設けられている。なお、剥離シート40は、本発明のマーキングフィルムにおける必須の構成ではない。
上記第2実施形態のマーキングフィルム2aと同様の構成を有する部分については詳細な説明を省略する。
再帰反射層50は、ガラスビーズ51と、封入層52と、金属層53と、を備える。封入層52はガラスビーズ51を封入している。封入層52と金属層53は、基材フィルム10の側からこの順に積層されている。
再帰反射とは、入射した光が再び入射方向へ帰る反射の現象である。マーキングフィルム3に対して耐溶媒層30側に配置された光源から照射された光は、耐溶媒層30、中間層32、第2の粘着剤層22及び基材フィルム10を透過してガラスビーズ51に達し、ガラスビーズ51内で屈折及び金属層53で反射され、再びこれら基材フィルム10等を透過して、光源の方向へと再帰する。
封入層の材質としては、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等の樹脂が挙げられる。
金属層53としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレススチール等の鉄合金、銅等が挙げられる。
なお、上記の再帰反射層においては、ガラスビーズを備えたものを例示したが、再帰反射層は再帰反射を可能とするものであればよい。例えば、再帰反射層としては、ガラスビーズの代わりにマイクロプリズムを備えたものであってもよい。
これらの再帰反射層は公知であり、市販の再帰反射材を再帰反射層として用いることができる。
マーキングフィルムが再帰反射層を備えることで、光が照射された際、マーキングフィルムの視認性を格段に向上させることができる。再帰反射層は、例えば夜間に、ヘッドライトやサーチライトから照射された光を再帰反射して、夜間のマーキングフィルムの視認性を高めることができる。
(マーキングフィルムの製造方法)
マーキングフィルムの製造は、公知の方法によって製造することができる。本発明に係るマーキングフィルムの製造方法は、基材フィルムの一方の側に耐溶媒層を形成し、前記基材フィルムの他方の側に粘着剤層を形成するものである。
まず、本発明に係るマーキングフィルムの製造方法について、以下、マーキングフィルム2aの製造方法を例に説明する。
本実施形態のマーキングフィルム2aの製造方法は、基材フィルム10の一方の側に耐溶媒層30を形成し、基材フィルム10の他方の側に第1の粘着剤層20を形成させるものである。
例えば、最初に、耐溶媒層30及び中間層32を製膜する。例えば、耐溶媒層30を構成する樹脂を加熱溶融させた耐溶媒層用組成物と、中間層32を構成する樹脂を加熱溶融させた中間層用組成物とを調製し、両方の組成物をTダイ法により共押出し成形することで、耐溶媒層30及び中間層32の積層体を得てもよい。例えば、耐溶媒層がフッ素系樹脂を含み、中間層がアクリル系樹脂を含む場合、フッ素系樹脂を含む耐溶媒層用樹脂組成物と、アクリル系樹脂を含む中間層用組成物を共押出し成形することで、耐溶媒層30及び中間層32の積層体を得てもよい。
次に、第2の粘着剤層22を用意する。例えば、適当な剥離シートの上に、第2の粘着剤層22を構成する粘着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する粘着剤組成物を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって剥離シートの剥離処理面に当該粘着剤組成物を塗布して乾燥させ第2の粘着剤層22を得る。
次に、第2の粘着剤層22の露出面と、上記で製造した耐溶媒層30及び中間層32の積層体の中間層32の露出面とを圧着させ、耐溶媒層30、中間層32及び第2の粘着剤層22がこの順に積層された積層体Aを得る。
次に、第1の粘着剤層20を用意する。例えば、剥離シート40の上に、第1の粘着剤層20を構成する粘着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する粘着剤組成物を調製し、塗工機によって剥離シート40の剥離処理面に当該粘着剤組成物を塗布して乾燥させ第1の粘着剤層20及び剥離シート40の積層体Bを得る。
最後に、前記積層体Aの剥離シートを剥がして第2の粘着剤層を露出させ、基材フィルム10に圧着し、基材フィルム10の一方の側に、耐溶媒層30、中間層32及び第2の粘着剤層22を形成させる。また、基材フィルム10の他方の側に、上記で製造した積層体Bの、第1の粘着剤層20の露出面を圧着させる。これにより、基材フィルム10の他方の側に、第1の粘着剤層20及び剥離シート40を形成させる。以上の方法により、マーキングフィルム2aを製造することができる。
次に、本発明に係るマーキングフィルムの製造方法について、以下、マーキングフィルム3の製造方法を例に説明する。
本実施形態のマーキングフィルム3の製造方法は、基材フィルム10の一方の側に耐溶媒層30を形成し、基材フィルム10の他方の側に第1の粘着剤層20を形成させるものである。
まず、上記のマーキングフィルム2aの製造方法と同様にして積層体Aを得る。
次いで、再帰反射層50を含む再帰反射材を用意する。再帰反射材は、マーキングフィルム3における基材フィルム10、再帰反射層50、第1の粘着剤層20及び剥離シート40を備えるものを用いればよく、市販の再帰反射材を用いることができる。
再帰反射材の基材フィルム10の露出面と、上記で製造した積層体Aの第2の粘着剤層22の露出面とを圧着させる。これにより、基材フィルムの一方の側に耐溶媒層30を形成し、基材フィルム10の他方の側に第1の粘着剤層20が形成される。以上の方法により、耐溶媒層30、中間層32、第2の粘着剤層22、基材フィルム10、再帰反射層50、第1の粘着剤層20、剥離シート40がこの順に積層されたマーキングフィルム3を製造することができる。
≪マーキングフィルムの施工方法≫
本発明のマーキングフィルムの施工方法は、本発明のマーキングフィルムの前記粘着剤層を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を前記耐溶媒層上に塗布することを含む。
マーキングフィルムの施工方法における、マーキングフィルム、被着体、有機溶媒を含む組成物としては、上記の≪マーキングフィルム≫で例示したものが挙げられる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のマーキングフィルムの施工方法を、以下、マーキングフィルム1の施工方法を例に説明する。
図5は、本実施形態のマーキングフィルムの施工方法を説明する模式図である。本実施形態に係るマーキングフィルム1を施工するには、一例として、マーキングフィルム1から剥離シート40を剥離して第1の粘着剤層20を露出した状態にし、当該第1の粘着剤層20が被着体Xの表面に接触するように、マーキングフィルム1を所望の被着体に載置して圧着し、被着体Xにマーキングフィルム1を貼付する(図5(a))。次いで、耐溶媒層上に有機溶媒を含む組成物C1を塗布する(図5(b))。該組成物C1には、有機溶媒の他に防水性能等を発揮させる樹脂が含まれる。
次いで、塗布された該組成物C1を乾燥させて、該組成物から有機溶媒を除去する。すると該組成物に含有された樹脂を含む塗膜R1によりマーキングフィルム1がコーティングされる(図5(c))。ここで有機溶媒は組成物C1から完全に除去されていなくてもよいが、該組成物C1が硬化して塗膜R1となる程度に除去されるものとする。
マーキングフィルム1が被着体Xに貼付された状態で、該組成物C1が耐溶媒層30及び被着体Xの両方に接していることが好ましい。これにより、有機溶媒を含む組成物C1によってマーキングフィルム1と被着体Xの両方がコーティングされ、該組成物C1に起因する防水性等の性能が向上される。
有機溶媒を含む組成物C1からは、時間の経過とともに有機溶媒が揮発していく。マーキングフィルム1の耐溶媒層に有機溶媒を含む組成物C1が接している時間は、0.1時間〜10時間程度であってもよく、1時間〜5時間程度であってもよい。
なお、本実施形態においては、被着体Xにマーキングフィルム1を貼付してから、耐溶媒層30上に有機溶媒を含む組成物C1を塗布することを例示したが、被着体Xにマーキングフィルム1を貼付する前に、予めマーキングフィルム1の耐溶媒層30上に有機溶媒を含む組成物C1を塗布しておき、該組成物C1が塗布されたマーキングフィルム1を被着体Xに貼付してもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態のマーキングフィルムの施工方法を、以下、マーキングフィルム1の施工方法を例に説明する。第1実施形態のマーキングフィルムの施工方法と重複する事柄について詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態のマーキングフィルムの施工方法を説明する模式図である。本実施形態に係るマーキングフィルム1を施工するには、一例として、まず、被着体Xの表面に有機溶媒を含む組成物C2を塗布する(図6(a))。該組成物C2には、有機溶媒の他に防水性能等を発揮させる樹脂が含まれる。次いで、塗布された該組成物C2を乾燥させて、該組成から有機溶媒を除去する。すると該組成物に含有された樹脂を含む塗膜R2により被着体Xがコーティングされる。ここで有機溶媒は組成物C2から完全に除去されていなくてもよいが、該組成物C2が硬化して塗膜R2となる程度に除去されるものとする。
マーキングフィルム1から剥離シート40を剥離して第1の粘着剤層20を露出した状態にする。樹脂を含む塗膜R2によりコーティングされた被着体Xの塗膜R2面に接触するように、マーキングフィルム1を所望の被着体に載置して圧着し、被着体Xにマーキングフィルム1を貼付する。次いで、耐溶媒層30上に有機溶媒を含む組成物C1を塗布する(図6(b))。該組成物C1には、有機溶媒の他に防水性能等を発揮させる樹脂が含まれる。
次いで、塗布された該組成物C1を乾燥させて、該組成から有機溶媒を除去する。すると塗膜R1及び上記の樹脂を含む塗膜R2によりマーキングフィルム1がコーティングされる(図6(c))。
組成物C1、C2において、これらに添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、上記の(添加剤)で例示した着色剤が挙げられる。組成物C2には着色剤が含有されていることが好ましい。組成物C2に着色剤が含有されることで、マーキングフィルムを施工した際にマーキングフィルムに背景色を与えることができる。
組成物C1と組成物C2の組成は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。着色剤は組成物C2にのみ含まれ、組成物C1には含まれていないことが好ましい。この場合、形成された塗膜R2は着色されており、塗膜R1は、マーキングフィルムが視認可能な程度に透明であることが好ましい。係る構成により、塗膜R2及びマーキングフィルム1による表示を形成することができる。
マーキングフィルム1は優れた耐溶媒性を有する。そのため、上記の実施形態のマーキングフィルムの施工方法によれば、有機溶媒を含む組成物に起因する防水性等の性能を付与することができ、有機溶媒を含む組成物が塗布された場合であっても、マーキングフィルムにしわを生じさせ難く、マーキングフィルムの美観を良好なもとすることができる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。符号を有する部材については、図4を参照するものとする。
<マーキングフィルムの作製>
〔実施例1〕
アクリル系溶剤型粘着剤[主剤:アクリル酸エステル共重合体溶液(固形分40質量%、モノマー比 アクリル酸ブチル95質量部 アクリル酸5質量部、質量平均分子量 500,000)100質量部、及び架橋剤:イソシアネート系架橋剤溶液(固形分75質量%)0.5質量部の混合物]を調整し、乾燥後の厚さが30μmになるようにナイフコーターによって剥離シートに塗布し、90℃で1分間乾燥させ、第2の粘着剤層22を形成した。
こうして形成された第2の粘着剤層22の露出面と、厚さ50μmのフッ素系樹脂層(耐溶媒層30)及びアクリル系樹脂層(中間層32)の2層フィルムの中間層32面とを重ねあわせて圧着し、耐溶媒層30及び中間層32の2層フィルムと、第2の粘着剤層22との積層体を得た。
再帰反射材(厚み約200μm)を用意し、再帰反射材へ光が入射される側の最外層として再帰反射材に積層された基材フィルム10(アクリル系樹脂)の表面に、上記で製造した積層体の第2の粘着剤層22を貼りあわせて圧着し、実施例1のマーキングフィルムを得た。再帰反射材は、アクリル系樹脂のフィルムである基材フィルム10と、再帰反射層50と、第1の粘着剤層20と、剥離シート40とがこの順に積層されたものである。再帰反射層は、ガラスビーズ51、封入層52、及び金属層53を備えたものである。
〔比較例1〕
上記の再帰反射材に、耐溶媒層30及び中間層32の2層フィルムと、第2の粘着剤層22との積層体を貼りあわせず、上記の再帰反射材のみを比較例1のマーキングフィルムとした。
〔試験例1〕(耐溶媒性の測定)
上記の実施例および比較例で作製したマーキングフィルムに対して耐溶媒性を測定した。
各マーキングフィルムの第1の粘着剤層を、被着体(メラミン塗装板)面に貼付した後、貼付されたマーキングフィルム上に、トップコート(ウレタン系樹脂20質量%、トルエン80質量%)を塗布し、0.5時間放置し、放置後のマーキングフィルムの様子を肉眼で観察し、マーキングフィルムに生じたしわの様子を評価した。結果を表1及び図7に示す。
実施例1のマーキングフィルムは、優れた耐溶媒性を有することが明らかとなった。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明のマーキングフィルムは、屋上又は屋根に貼付される、対空表示、ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサインとして、好適に用いることができる。
1,2,2a,3…マーキングフィルム、10…基材フィルム、20…第1の粘着剤層、22…第2の粘着剤層、30…耐溶媒層、32…中間層、40…剥離シート、50…再帰反射層、51…ガラスビーズ、52…封入層、53…金属層、C1,C2…組成物、R1,R2…塗膜、X…被着体

Claims (3)

  1. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムの一方の側に設けられた第1の粘着剤層と、
    前記基材フィルムと前記第1の粘着剤層との間に設けられた再帰反射層と、
    前記基材フィルムの他方の側に最外層として設けられ、フッ素系樹脂を含む耐溶媒層と、
    前記耐溶媒層と前記基材フィルムとの間に設けられた第2の粘着剤層と、
    前記耐溶媒層と前記第2の粘着剤層との間に設けられ、アクリル系樹脂を含む中間層と、を備えるマーキングフィルムの施工方法であって、
    前記マーキングフィルムの前記第1の粘着剤層を被着体に貼付し、有機溶媒を含む組成物を前記耐溶媒層上に塗布することを含み、
    前記有機溶媒が、101.3kPaで100℃以上の沸点を有し、
    前記被着体が、建造物の屋上、屋根、バルコニー、又はベランダであり、
    ヘリコプターサイン、ヘリサイン、又はランドマークサイン等の対空表示用として使用される、対空表示用マーキングフィルムの施工方法。
  2. 前記基材フィルムがアクリル系樹脂及び/又は塩化ビニル系樹脂を含む、請求項に記載の対空表示用マーキングフィルムの施工方法
  3. 前記有機溶媒が、アルキルベンゼン及びアルケニルベンゼンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む請求項1又は2に記載の対空表示用マーキングフィルムの施工方法
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