JP6661959B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機として、図8および図9に記載されているものが知られている。
このダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図8および図9に示すように構成されている。図8に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転可能に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転可能に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された中間壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
図8に示すように、出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転可能に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図9参照)が回転可能に挟持されている。
図8中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図8の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。図9に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図9においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図9の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転可能に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図9の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ(シリンダボディ)31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図9で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、ローディングカム式の押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動可能に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図9の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、ローディングカム式の押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図9の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、トロイダル型無段変速機において、ローディングカムを採用する場合、押圧装置による押圧力を支持する軸受が必要である。この軸受は、入力軸とともに回転しながら入力軸とローディングカムの相対的な揺動運動を支持する。なぜならば、トロイダル無段変速において、通過トルク変動が起こるとローディングカムの角度変化が発生するためである。
また、トロイダル型無段変速の押圧装置による押圧力は、数kN程度と大きく軸受接触部は高面圧となる。よって、軸受の転動体と内外輪との接触部(軸受接触部)においてフレッチングなどの損傷が起こる懸念があり、潤滑性を向上させることが必要である。
しかしながら、図10に示すように、入力側ディスク2から遠い側(図10において右側)において、ローディングカム46と入力軸1の端部201との間の隙間が大きくなって、潤滑油の排出量が大きくなると軸受接触部S1,S2に十分な潤滑油が供給されない懸念がある。特に高回転条件では、内輪側の軸受接触部S1への潤滑油の供給が不足になると考えられる。
なお、図10において、符号210は軸受、210aは軸受の内輪、210bは軸受の外輪、符号210cは転動体を示している。矢印Aは潤滑油の流れを示している。
そこで、軸受接触部への潤滑油の供給不足を補うことができるトロイダル型無段変速機の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
このトロイダル型無段変速機では、入力軸の端部とローディングカムとの間の隙間から排出される潤滑油の排出量が、入力軸の端部とローディングカムとの間の隙間に供給される潤滑油の供給量よりも少なくなるように、入力軸の端部とローディングカムとの間の隙間を調整することによって、入力軸の端部とローディングカムとの間に油溜まりを形成している。そして、この油溜まりによって軸受接触部への潤滑油の供給不足を補うようにしている。
特開2005−308166号公報
ところで、特許文献1に記載の従来のトロイダル型無段変速機では、入力軸の端部とローディングカムとの間の隙間を調整することによって、入力軸の端部とローディングカムとの間に油溜まりを形成しているが、前記隙間から潤滑油の一部が排出されるので、油溜まりの潤滑油量が十分でない場合があり、そのため、押圧装置による押圧力を支持する軸受の接触部、つまり軸受の転動体と内外輪との接触部(軸受接触部)への潤滑油の供給量が十分でない場合がある。特に高回転条件では、軸受の転動体と内輪との接触部である内輪側の軸受接触部への潤滑油の供給が十分でなくなる。
このように、軸受接触部への潤滑油の供給が十分でないと、当該軸受接触部においてフレッチングなどの損傷が起こる懸念があり、潤滑性を向上させることが必要である。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、押圧装置による押圧力を支持する軸受の軸受接触部への潤滑油の供給量を十分に確保できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、軸と、この軸にそれぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転可能に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクを互いに近づけ合う方向に押圧する押圧装置とを備え、この押圧装置が、ローディングカムと、このローディングカムのカム面と前記第1ディスクのカム面との間で転動自在に保持された転動体とを有し、
前記軸の端部と前記ローディングカムとの間に、スラスト荷重を支承するための軸受が設けられているトロイダル型無段変速機において、
前記軸の端部と前記ローディングカムとの間に、少なくとも前記軸受の転動体と軌道輪との接触部である軸受接触部を含むような油充填部を形成するための油充填部形成部材が設けられていることを特徴とする。
本発明においては、軸の端部とローディングカムとの間に、少なくとも前記軸受の転動体と軌道輪との接触部である軸受接触部を含むような油充填部を形成するための油充填部形成部材が設けられているので、軸受接触部への潤滑油の供給量を十分に確保できる。したがって、当該軸受接触部におけるフレッチングなどの損傷の発生を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記軸の端部に、前記油充填部形成部材の少なくとも一部を構成する略円錐環状の構成部材がその小径側を前記軸の長手方向中央側に向けて前記軸と同軸に設けられ、
前記構成部材の内側に内輪側の前記軸受接触部が位置し、
前記構成部材の小径側の内径の半分の値が、内輪側の前記軸受接触部の半径よりも小さくなっていてもよい。
このような構成部材は、例えば軸受の転動体を保持する保持器によって構成されるが、これに限らず、他の部材で構成してもよい。
このような構成によれば、油充填部形成部材の少なくとも一部を構成する構成部材の内側に内輪側の軸受接触部が位置し、構成部材の小径側の内径の半分の値が、前記軸受接触部の半径よりも小さいので、軸受接触部は、油充填部に充填されている潤滑油内に確実に存在する。したがって、軸受接触部への潤滑油の供給量を確実かつ十分に確保できる。
本発明によれば、押圧装置による押圧力を支持する軸受の軸受接触部への潤滑油の供給量を十分に確保できる。
本発明の第1の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、(a)は押圧装置の半断面図、(b)は軸受の保持器の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置の半断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、(a)はその押圧装置の半断面図、(b)は押圧装置の第1変形例を示す要部の断面図、(c)は押圧装置の第2変形例を示す要部の断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置の半断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置の半断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置の半断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、(a)は押圧装置の半断面図、(b)は軸受の保持器の斜視図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の押圧装置の半断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明の特徴は、入力軸の端部とローディングカムとの間に設けられている軸受を含む油充填部の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図8〜図10と同一の符号を付してその説明を省略ないし簡略化でする。
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12を示すもので(a)は半断面図、(b)は軸受の保持器の斜視図である。
押圧装置12は、図1(a)に示すように、図示しない駆動軸とともに回転するローディングカム46と、図示しない保持器により転動可能に保持された複数個のカムローラ(ころ)48とから構成されている。ローディングカム46の片側面(図1の左側面)には、円周方向に亙る凹凸(波状部)であるカム面46aが形成され、入力側ディスク2の外側面(図1の右側面)にも、同様の形状を有するカム面2dが形成されている。
また、入力軸1には軸方向穴230が設けられ、入力軸1の端部(図1(a)において右端部)201には、軸方向穴230に対して垂直な油穴232,233が入力軸1の軸方向に離間して設けられている。
軸方向穴230に供給される油(潤滑油)の一部は、油穴232を通して入力側ディスク2とローディングカム46との間の隙間に供給され、この隙間に供給された油は入力軸1の回転に伴う遠心力によりカムローラ48へと供給されるようになっている。
また、軸方向穴230に供給される油(潤滑油)の一部は、油穴233を通して入力軸1の右端部201とローディングカム46との間に供給されるようになっている。
ローディングカム46は、円板状に形成されており、カム面46aを有する円板状のカム板46bと、このカム板46bの中央部に設けられた円筒状の軸部46cとを備えており、軸部46cに入力軸1の右端部が挿通されている。
軸部46cの内周面と入力軸1の右端部の外周面との間には、アンギュラ型の玉軸受(軸受)210が介挿されている。この軸受210は、内輪側の軌道輪(内輪)210aと、外輪側の軌道輪210bと、これら軌道輪210a,210b間に設けられた球状の転動体210cとから構成されている。
内輪210aは、入力軸1の端部(右端部)201の外周面に断面円弧状に形成されている。
外輪210bは、ローディングカム46の軸部46cの内周面に断面円弧状に形成され、この外輪210bと内輪210aとは、入力軸1の軸方向に対して傾斜する方向に対向して配置されている。そして、この内輪210aと外輪210bに沿って転動体210cが転動するようになっている。
また、ローディングカム46は、図示しない駆動軸に結合しており、この駆動軸の回転によって回転されるようになっている。
また、ローディングカム46の軸部46cの入力ディスク2側の端面と、入力側ディスク2の内径側の端面との間には、押圧力(予圧)を付与する皿ばね49が設けられている。
また、入力軸1の右端部201の外周面と、ローディングカム46の軸部46cの内周面との間には、少なくとも軸受210の転動体210cと内輪210aとの接触部である内輪側の軸受接触部S1を含むような油充填部221を形成するための油充填部形成部材222が設けられている。
油充填部形成部材222は、軸受210の転動体210cを保持する保持器(構成部材)223と、シール部材224とを備えている。
保持器(構成部材)223は、図1(b)に示すように、油充填部形成部材222の一部を構成するもので、略円錐環状に形成され、その外周壁223aは外側に凸となるような断面略円弧状に形成されている。この外周壁223aには、周方向に沿って所定間隔で複数の円状の保持穴223bが設けられ、各保持穴223bに転動体210cが挿入されて、保持されるようになっている。
また、保持器223の小径側の開口部には、保持器223の軸方向と直交する方向でかつ内側に突出するリング状の鍔部223cが形成されている。保持器223の大径側の開口部には、リング状でかつ保持器223の軸方向に延出する延出部223dが形成されている。
そして、このような保持器223は、図1(a)に示すように、小径側を入力軸1の長手方向中央側(図1(a)において左側)に向けて入力軸1と同軸にして、当該入力軸1の右端部201の外周部に設けられている。
この状態において、保持器223の小径側の鍔部223cは入力軸1の右端部201の外周面に当接している。この鍔部223cの当接位置は、前記油穴233の開口より左側、つまり油穴233の開口より入力軸1の長手方向中央側における右端部201の外周面である。逆に言えば、油穴233の開口は入力軸1の軸方向において、軸受210側に位置している。
したがって、油穴233から供給される潤滑油は、保持器223の内側に供給され、鍔部223cによって保持器223の内側に回収されるようになっている。
また、保持器223の大径側の延出部223dの先端部は、ローディングカム46の軸部46cの内周面と入力軸1の右端部201の外周面との間に設けられた略リング状のリング状部材225に当接されている。
さらに、保持器(構成部材)223の小径側の内径の半分の値であるrは、内輪側の軸受接触部S1の半径r1より小さくなっている。半径r1は、転動体201cと内輪210aとの接触部のうち、断面円弧状の内輪210aの周方向略中央部における半径を採用しているが、転動体201cと内輪210aとの接触部のうち、最も半径が小さくなる部分における半径を採用してもよい。
入力軸1およびローディングカム46は、運転時は回転しているので、油穴233から供給された潤滑油は、ローディングカム46の半径方向外側に移動して、保持器223の内側および軸受接触部S2に油充填部221が形成されるが、r1>r2であるので、内輪側の軸受接触部S1および外輪側の軸受接触部S2が油充填部221内に存在することになる。なお、外輪側の軸受接触部S2には、保持穴223bと転動体210cとの間の隙間から潤滑油が供給されるようになっている。
油充填部形成部材222の一部を構成するシール部材224は、ゴムなどの弾性部材によって形成されたリング状の部材である。ローディングカム46の軸部46cの、入力ディスク2から遠い側(反入力側ディスク側)内周面には、嵌合溝が形成されており、この嵌合溝にシール部材224の外周部が嵌め込まれている。シール部材224の内周部は軸部46cの内側に突出しており、その先端部が入力軸1の右端部201の外周面に密接し、さらに、シール部材224の前記油充填部221側を向く側面はリング状部材225に当接されている。これによって、反入力側ディスク側において、入力軸1の右端部201とローディングカム46との間の隙間から潤滑油が排出されるのを防止している。
なお、シール部材224をローディングカム46の軸部46cの内周部に取り付ける代わりに、入力軸1の右端部201の外周部に取り付けてもよい。以下の他の実施の形態においても同様である。
また、シール部材224は、潤滑油の漏れがある程度許容できる場合は金属材料など、他の材料で形成してもよい。以下の他の実施の形態においても同様である。
さらに、シール部材224は、入力側ディスク側において、入力軸1の右端部201とローディングカム46との間に設けてもよいし、当該シール部材224は、入力側ディスク側および反入力側ディスク側の少なくとも一方の側において、入力軸1の右端部201とローディングカム46との間に設ければよい。
以上、本実施の形態によれば、入力軸1の右端部201とローディングカム46との間に、少なくとも軸受210の転動体210cと、内輪210aおよび外輪210bとの接触部である軸受接触部S1,S2を含むような油充填部221を形成するための油充填部形成部材(保持器223とシール部材224)222が設けられているので、軸受接触部S1,S2への潤滑油の供給量を十分に確保できる。したがって、当該軸受接触部S1,S2におけるフレッチングなどの損傷の発生を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、入力軸1の右端部201に、油充填部形成部材222の一部を構成する略円錐環状の構成部材(保持器)223がその小径側を入力軸1の長手方向中央側に向けて当該入力軸1と同軸に設けられ、構成部材223の内側に内輪側の軸受接触部S1が位置し、構成部材223の小径側の内径の半分の値r1が、内輪側の軸受接触部S1の半径r2よりも小さいので、軸受接触部S1は、油充填部221に充填されている潤滑油内に確実に存在する。したがって、軸受接触部S1への潤滑油の供給量を確実かつ十分に確保できる。
(第2の実施の形態)
図2は第2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12の半断面図である。
なお、本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
この図に示すトロイダル型無段変速機が図1に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、ローディングカム46の軸部46cの入力側ディスク1側の内周部を内径側に延出して延出部46dとした点である。
この延出部46dの先端部は入力軸1の右端部201の外周面に若干の隙間をもって近接している。また、延出部46dには、円環状の傾斜面46eが形成されている。この傾斜面46eは軸部46cの径方向外側に向かうほど軸受210側に近付くように傾斜している。また、油穴233の開口位置は、入力軸1の軸方向において、延出部46dの先端部より軸受210側である。
したがって、本実施の形態では油穴233から供給される潤滑油は、延出部46dの傾斜面46eより入力軸1の右端部側に向けて移動し、保持器223の内側に回収されるようになっている。
また、ローディングカム46の延出部46dの半分の値であるrは、内輪側の軸受接触部S1の半径r1より小さくなっている。入力軸1およびローディングカム46は、運転時は回転しているので、油穴233から供給された潤滑油は、ローディングカム46の半径方向外側に移動して、傾斜面46eと保持器223との間、保持器223の内側および軸受接触部S2に油充填部221が形成されるが、r1>r2であるので、内輪側の軸受接触部S1および外輪側の軸受接触部S2が油充填部221内に存在することになる。
なお、本実施の形態における延出部46dと第1の実施の形態における保持器223の鍔部223cとは潤滑油を回収するという同じ役割を果たすため、置き換え可能である。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られるのは言うまでもない。
(第3の実施の形態)
図3は第3の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12の半断面図である。
なお、本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図3に示すトロイダル型無段変速機が図1に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、前記シール部材224に加えて、さらにシール部材226を設けた点である。
すなわち、図3(a)に示すように、油充填部形成部材222の一部を構成するシール部材226は、ゴムなどの弾性部材によって形成されたリング状の部材である。ローディングカム46の軸部46cの、入力側ディスク2側に近い内周面には、嵌合溝が形成されており、この嵌合溝にシール部材226の外周部が嵌め込まれている。シール部材226の内周部は軸部46cの内側に突出しており、その先端部が入力軸1の右端部201の外周面に、油穴233の開口より入力軸1の長手方向中央側(図3において左側)において当接されている。これによって、入力軸1の右端部201の左側の内周面とローディングカム46との間の隙間から潤滑油が排出されるのを防止している。
なお、シール部材226をローディングカム46の軸部46cの内周部に取り付ける代わりに、入力軸1の右端部201の外周部に取り付けてもよい。
また、2つのシール部材224,226を設ける場合、入力軸1の右端部201またはローディングカム46の軸部46cのどちらか一方に2つのシール部材224,226を設けてもよいし、入力軸1の右端部201またはローディングカム46の軸部46cのそれぞれに1つずつシール部材224とシール部材226を設けてもよい。
入力軸1の右端部201またはローディングカム46の軸部46cのどちらか一方に2つのシール部材224,226を設ける場合、例えば図3(b)に示すように、ローディングカム46の軸部46cに2つの嵌合溝を形成し、一方の嵌合溝にシール部材224を嵌め込み、他方の嵌合溝にシール部材226を嵌め込んでもよいし、図示は省略するが、入力軸1の右端部に2つの嵌合溝を形成し、一方の嵌合溝にシール部材224を嵌め込み、他方の嵌合溝にシール部材226を嵌め込んでもよい。
このようにすれば、同一部品に遠心油圧が発生するため、入力側ディスク2の押圧力には影響しない。よって、遠心油圧による過押し付けを防ぐときに有効である。
一方、入力軸1の右端部201またはローディングカム46の軸部46cのそれぞれに1つずつシール部材224とシール部材226を設ける場合、例えば図3(c)に示すように、入力軸1の右端部201に嵌合溝を形成し、この嵌合溝にシール部材224を嵌め込むとともに、ローディングカム46の軸部46cに嵌合溝を形成し、この嵌合溝にシール部材226を嵌め込んでもよいし、図示は省略するが、入力軸1の右端部201に嵌合溝を形成し、この嵌合溝にシール部材226を嵌め込むとともに、ローディングカム46の軸部46cに嵌合溝を形成し、この嵌合溝にシール部材224を嵌め込んでもよい。
このようにすれば、遠心油圧が発生するため、入力側ディスク2の押圧力が増加する。よって、予圧としてまたはカムによる推力の不足分として遠心油圧を利用することができる。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果が得られる他、2つのシール部材224,226によって油充填部221を密封できるので、第1および第2の実施の形態に比して、軸受210からの潤滑油漏れを少なくでき、ポンプロスの低減と効率向上が期待できる。
(第4の実施の形態)
図4は第4の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12の半断面図である。
なお、本実施の形態において、図3に示す第3の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
この図に示すトロイダル型無段変速機が図3に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、2つのシール部材224,226によって油充填部221を密封するとともに、この油充填部221にグリースを封入した点である。
本実施の形態では、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、油充填部221にグリースを封入したので、図3に示すような、油穴233を入力軸1に形成する必要がなく、このため入力軸1の耐力向上とコスト低減に貢献できる。
(第5の実施の形態)
図5は第5の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12の半断面図である。
なお、本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
この図に示すトロイダル型無段変速機が図1に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、潤滑油の排出を抑制し、油充填部221を構成するための金属材料等で形成された円盤状部材240を設けた点である。
すなわち、ローディングカム46の軸部46cの右端面から突出するリング状の突出部46fの内周面には、ドーナツ円盤状の円盤状部材240が嵌め込まれている。ままた、突出部46fの内周面でかつ円盤状部材240より軸方向外側には、嵌合溝が周方向に沿って形成されており、この嵌合溝に止め輪241が嵌め込まれている。この止め輪241は円盤状部材240に軸方向外側から当接しており、これによって、円盤状部材240は軸方向の位置決めがなされている。なお、この円盤状部材240は、軸部46cにおいて入力側ディスク2側に設けてもよい。
本実施の形態では、円盤状部材240と保持器223とによって油充填部形成部材222が構成されている。
また、円盤状部材240の内径の半分の値をr3とすると、r1>r2、r1>r3となるように、r3が設定されている。このように設定することによって、内輪側の軸受接触部S1と外輪側の軸受接触部S2が油充填部221内に存在することになる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機が備えていたシール部材224は設けられていない。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、円盤状部材240によって油充填部221内の潤滑油の排出を抑制できるとともに、シール部材224を使用していないので、第1の実施の形態に比して、フリクションロスの低減を図ることができるとともに、トロイダル型無段変速機に必要な押圧装置12による押圧力を適切に付与することができる。
(第6の実施の形態)
図6は第6の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12の半断面図である。
なお、本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
この図に示すトロイダル型無段変速機が図1に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、図1に示す保持器223の形状を変更して保持器250とした点である。
すなわち、保持器250は、延出部223dがさらに入力軸1の軸方向右端部側に延ばされ、この延出部223dの端部にドーナツ盤状の円盤部223eが入力軸1と同軸に形成されている。この円盤部223eによって入力軸1の右端部201の右端面の外周部が覆われている。そして、このような保持器250の内側が油充填部221となっている。したがって、本実施の形態では、油充填部221を形成するための油充填部形成部材222は保持器250によって構成されている。
また、円盤部223eの内径をr3とすると、r1>r2、r1>r3となるように、r3が設定されている。このように設定することによって、内輪側の軸受接触部S1と外輪側の軸受接触部S2が油充填部221内に存在することになる。
また、本実施の形態では、保持器250は組立性の確保のため、分割型とされている。例えば、延出部223dと円盤部223eとが別体に構成され、延出部223dの端部に円盤部223eが接合されている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機が備えていたシール部材224は設けられていない。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、保持器250の円盤部223eによって油充填部221内の潤滑油の排出を抑制できるとともに、シール部材224を使用していないので、第1の実施の形態に比して、フリクションロスの低減を図ることができるとともに、トロイダル型無段変速機に必要な押圧装置12による押圧力を適切に付与することができる。
(第6の実施の形態)
図7は第7の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12を示すもので(a)はその半断面図、(b)は保持器の斜視図である。
なお、本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
この図に示すトロイダル型無段変速機が図1に示すトロイダル型無段変速機と異なる点は、図1に示す保持器223の形状を変更して保持器260とした点である。
すなわち、保持器260は、図7(b)に示すように、油充填部形成部材222を構成するもので、円筒状の円筒部260aと、この円筒部260aに同軸に当該円筒部260aと一体的に形成された略円錐環状の外周壁260bと、この外周壁260bと同軸にかつ当該外周壁260bと一体的に形成された鍔部260cとを備えている。
円筒部260aの肉厚は、図7(a)に示すように、反入力側ディスク2側において、ローディングカム46の軸部46cの内周面と入力軸1の右端部201の外周面との間の隙間とほぼ等しいか若干小さめに設定されている。
外周壁260bは外側に凸となるような断面略円弧状に形成されている。この外周壁260bには、周方向に沿って所定間隔で複数の円状の保持穴260dが設けられ、各保持穴260dに転動体210cが挿入されて、保持されるようになっている。
鍔部260cは、保持器260の軸方向と直交する方向でかつ内側に突出するようにして外周壁260bの開口縁部に形成されている。この鍔部260cの外径はローディングカム46の軸部46cの入力側ディスク2側の内径とほぼ等しいか若干小さめに設定され、内径は入力軸1の右端部201の入力側ディスク2側の外径とほぼ等しいか若干大きめに設定されている。
そして、このような保持器260は、図7(a)に示すように、鍔部260cを入力軸1の長手方向中央側(図7(a)において左側)に向けて入力軸1と同軸にして、当該入力軸1の右端部201の外周部に設けられている。
この状態において、鍔部260cの外周面は、入力側ディスク2側において、ローディングカム46の軸部46cの内周面に当接され、内周面は入力軸1の右端部201の外周面に当接されている。
また、円筒部260aは、反入力側ディスク2側において、ローディングカム46の軸部46cの内周面と入力軸1の右端部201の外周面との間の隙間に挿入され、円筒部260aの外周面はローディングカム46の軸部46cの内周面に当接され、内周面は入力軸1の右端部201の外周面に当接されている。したがって、保持器260の内側が油充填部221となっており、当該油充填部221は保持器260の円筒部260aと鍔部260cとによって封鎖されている。
さらに、保持器260の鍔部260cの内径の半分の値であるrは、内輪側の軸受接触部S1の半径r1より小さくなっている。このようにr1とr2を設定することによって、内輪側の軸受接触部S1と外輪側の軸受接触部S2とは油充填部221内に存在するようになっている。
本実施の形態によれば、保持器260が油充填部形成部材222を構成しているので、軸受接触部S1,S2への潤滑油の供給量を十分に確保できる。したがって、当該軸受接触部S1,S2におけるフレッチングなどの損傷の発生を抑制できる。
また、保持器260の円筒部260aおよび鍔部260cによって油充填部221内の潤滑油の排出を抑制できるとともに、シール部材224を使用していないので、第1の実施の形態に比して、フリクションロスの低減を図ることができるとともに、トロイダル型無段変速機に必要な押圧装置12による押圧力を適切に付与することができる。
なお、第1〜第7実施の形態では、入力側ディスク2を押圧装置12によって押圧する場合を例にとって説明したが、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は出力側ディスクを押圧装置12によって押圧する場合にも適用できる。
さらに、本実施の形態では本発明を、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はダブルキャビティ式フルトロイダル型無段変速機にも適用でき、さらに、シングルキャビティ式のハーフトロイダル型やフルトロイダル型のトロイダル型無段変速機にも適用できる。
1 入力軸(軸)
2 入力側ディスク(第1ディスク)
2a カム面
3 出力側ディスク(第2ディスク)
11 パワーローラ
12 押圧装置
46 ローディングカム
46a カム面
48 転動体
201 入力軸の端部
210 軸受
210a 内輪
210b 外輪
210c 転動体
221 油充填部
222 油充填部形成部材
223 保持器(構成部材)
250,260 保持器
S1 軸受接触部
S2 軸受接触部

Claims (1)

  1. 軸と、この軸にそれぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転可能に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクを互いに近づけ合う方向に押圧する押圧装置とを備え、この押圧装置が、ローディングカムと、このローディングカムのカム面と前記第1ディスクのカム面との間で転動自在に保持された転動体とを有し、
    前記軸の端部と前記ローディングカムとの間に、スラスト荷重を支承するための軸受が設けられているトロイダル型無段変速機において、
    前記軸の端部と前記ローディングカムとの間に、少なくとも前記軸受の転動体と軌道輪との接触部である軸受接触部を含むような油充填部を形成するための油充填部形成部材が設けられ
    前記軸の端部に、前記油充填部形成部材の少なくとも一部を構成する略円錐環状の構成部材がその小径側を前記軸の長手方向中央側に向けて前記軸と同軸に設けられ、
    前記構成部材の内側に内輪側の前記軸受接触部が位置し、
    前記構成部材の小径側の内径の半分の値が、内輪側の前記軸受接触部の半径よりも小さくなっており、
    前記ローディングカムの軸部の前記第1ディスク側の内周部を内径側に延出するとともに、先端部が前記軸の端部の外周面に隙間をもって近接する延出部を有し、
    前記延出部に、前記軸部の径方向外側に向かうほど前記軸受側に近付くように傾斜する円環状の傾斜面が形成され、
    前記軸の端部に設けられて、前記軸の端部と前記ローディングカムとの間に油を供給する油穴の開口位置が、前記軸の軸方向において、前記延出部の先端部より前記軸受側であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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