JP5772026B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、パワーローラ11を支持する支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸(軸部)23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、ラジアルニードル軸受99を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図3の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の変速比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の界面をトラクション面と称し、本明細書中では、便宜上、パワーローラ11の周面11aをトラクション面と称することがある)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスクとの間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
従来、パワーローラ11のトラクション面に対する潤滑油の供給は、例えば特許文献1〜3等に開示されるように、トラニオンに形成され且つパワーローラ11のトラクション面へと延びる油路を通じて行なわれている。
特開2007−154952号公報 特開2010−25280号公報 特開平8−28646号公報
しかしながら、パワーローラは高速で回転するので、パワーローラに向けて潤滑油を吐出して接触させても、潤滑油が回転するパワーローラに直ぐに弾かれてしまう。そのため、パワーローラを十分に冷却するためには大量の潤滑油をパワーローラに向かって吐出する必要がある。
一般に、潤滑油量は入力トルクとエンジン回転数とに比例するため、入力トルクが大きくなると、潤滑油量が増大する。したがって、高トルク領域、すなわち、伝達動力が大きい領域では、潤滑油量が多くなり、油の撹拌抵抗による動トルクが大きくなってしまう。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、パワーローラに向けて吐出される潤滑油量を多くすることなく、パワーローラを効率的に且つ効果的に冷却できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し且つ前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、前記トラニオンは、前記パワーローラを支持する支持板部と、該支持板部の前記枢軸の軸方向の両端部にそれぞれ前記パワーローラ側に折れ曲がって設けられ且つ前記パワーローラを間に挟んだ状態で互いに内側面を対向させるとともに外側面に前記枢軸が設けられた一対の折れ曲がり壁部とを有し、前記一対の折れ曲がり壁部には、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へと潤滑油を吐出させるための潤滑油穴が設けられ、前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して前記出力側ディスクへと伝達される動力の大きさに応じて前記パワーローラのトラクション面に対する潤滑油の吐出方向が変えられ
伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記低トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向に向かうことを特徴とする。
この請求項1に記載の発明においては、潤滑油量が入力トルクとエンジン回転数とに比例することに鑑み、入力側ディスクからパワーローラを介して出力側ディスクへと伝達される動力の大きさに応じてパワーローラのトラクション面に対する潤滑油の吐出方向が変えられるようになっているので、パワーローラに向けて吐出(噴出)される潤滑油量を多くすることなく、パワーローラを効率的に且つ効果的に冷却(潤滑)できる。
また、低トルク領域において潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向がパワーローラの回転方向に向かうようになっている(パワーローラの回転順目に潤滑する)ため、油の撹拌抵抗による動トルクを低減できる。
また、請求項2に記載の発明は、回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し且つ前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンは、前記パワーローラを支持する支持板部と、該支持板部の前記枢軸の軸方向の両端部にそれぞれ前記パワーローラ側に折れ曲がって設けられ且つ前記パワーローラを間に挟んだ状態で互いに内側面を対向させるとともに外側面に前記枢軸が設けられた一対の折れ曲がり壁部とを有し、前記一対の折れ曲がり壁部には、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へと潤滑油を吐出させるための潤滑油穴が設けられ、前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して前記出力側ディスクへと伝達される動力の大きさに応じて前記パワーローラのトラクション面に対する潤滑油の吐出方向が変えられ、
伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記高トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向と逆の方向に向かうことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記高トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向と逆の方向に向かうことを特徴とする。
請求項2または請求項3に記載の発明においては、高トルク領域においては、冷却性能を重視して、潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向がパワーローラの回転方向と逆の方向に向かうようになっている(パワーローラの回転順目の逆から潤滑を吐出する)ので、潤滑相対速度(パワーローラ回転速度に対する潤滑油の吐出速度)が速くなり、冷却効果を更に高めることができる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、パワーローラに向けて吐出される潤滑油量を多くすることなく、パワーローラを効率的に且つ効果的に冷却できる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図である。 (a)は図1のトロイダル型無段変速機の低トルク領域での潤滑油の吐出方向を示すトラクション面付近の平面図、(b)は図1のトロイダル型無段変速機の高トルク領域での潤滑油の吐出方向を示すトラクション面付近の平面図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の特徴は、トラクション面に対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図3および図4と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1には、本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図が示されている。前述した従来構造と同様に、本実施形態のトロイダル型無段変速機のトラニオン15も、パワーローラ11を支持する支持板部16と、支持板部16の枢軸14の軸方向の両端部にそれぞれパワーローラ11側に折れ曲がって設けられ且つパワーローラ11を間に挟んだ状態で互いに内側面を対向させるとともに外側面に枢軸14が設けられた一対の折れ曲がり壁部20,20とを有する。そして、一対の折れ曲がり壁部20,20には、ディスク2,3との間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラ11のトラクション面11aへと潤滑油を吐出させるための複数の潤滑油穴200a,200bが設けられている。具体的には、本実施形態において、トラニオン15の各折れ曲がり壁部20,20には、枢軸14,14の中心軸を挟んだ両側に一対の潤滑油穴200a,200bが設けられており、これらの潤滑油穴200a,200bは、パワーローラ11のトラクション面11aに向けて開口している。特に、本実施形態では、第1の潤滑油穴200aがパワーローラ11の回転方向に向けて開口しており、一方、第2の潤滑油穴200bがパワーローラ11の回転方向と逆の方向に向けて開口している。また、一方の折れ曲がり壁部20に設けられる第1の潤滑油穴200aは、パワーローラ11を挟んで他方の折れ曲がり壁部20に設けられる第2の潤滑油穴200bと対向するとともに、一方の折れ曲がり壁部20に設けられる第2の潤滑油穴200bは、パワーローラ11を挟んで他方の折れ曲がり壁部20に設けられる第1の潤滑油穴200aと対向している。
また、それぞれの潤滑油穴200a,200bへ向けて潤滑油を供給するための潤滑油供給手段は以下のようになっている。すなわち、図1に示されるように、トラニオン15の一方の枢軸14に一体に接合された駆動ロッド29に油路29aが設けられ、この油路29aによってトラニオン15側に潤滑油が供給されるようになっている。そして、油路29aは、トラニオン15の駆動ロッド29側の枢軸14から該枢軸14と一体に形成された一方の折れ曲がり壁部20へと延びて対応する第1および第2の潤滑油穴200a,200bに通じる第1の接続油路210に連通しており、また、第1の接続油路210には、支持板部16を貫通して駆動ロッド29と反対側の枢軸14へと至るとともに該枢軸14と一体に形成された他方の折れ曲がり壁部20へと延びて対応する第1および第2の潤滑油穴200a,200bに通じる第2の接続油路220が連通している。この場合、第1の接続油路210には、これに対応する第1および第2の潤滑油穴200a,200bへの潤滑油の流れを切り換える切換弁(図示せず)が介挿入され、また、第2の接続油路220にも、これに対応する第1および第2の潤滑油穴200a,200bへの潤滑油の流れを切り換える切換弁(図示せず)が介挿入される。
また、本実施形態では、図2に矢印で示されるように、入力側ディスク2からパワーローラ11を介して出力側ディスク3へと伝達される動力の大きさに応じて、パワーローラ11のトラクション面11aに対する潤滑油の吐出方向が変えられるようになっている。具体的には、本実施形態のトライダル型無段変速機は、伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有しており、低トルク領域では、図2の(a)に示されるように、各折れ曲がり壁部20,20の第1の潤滑油穴200aから潤滑油が吐出され(潤滑油の吐出方向がパワーローラ11の回転方向に向かい)、一方、高トルク領域では、図2の(b)に示されるように、各折れ曲がり壁部20,20の第2の潤滑油穴200bから潤滑油が吐出される(潤滑油の吐出方向がパワーローラ11の回転方向と逆の方向に向かう)ようになっている。そして、潤滑油のこのような吐出方向の切換え制御は、図示しない制御装置を介して前述した切換弁(図示せず)を切り換えることにより行なわれる。
以上説明したように、本実施形態によれば、潤滑油量が入力トルクとエンジン回転数とに比例することに鑑み、入力側ディスク2からパワーローラ11を介して出力側ディスク3へと伝達される動力の大きさに応じてパワーローラ11のトラクション面11aに対する潤滑油の吐出方向が変えられるようになっているので、パワーローラ11に向けて吐出(噴出)される潤滑油量を多くすることなく、パワーローラを効率的に且つ効果的に冷却(潤滑)できる。特に、本実施形態では、低トルク領域において潤滑油穴200(200a)からの潤滑油の吐出方向がパワーローラ11の回転方向に向かうようになっている(パワーローラ11の回転順目に潤滑する)ので、油の撹拌抵抗による動トルクを低減できる。また、本実施形態では、高トルク領域においては、冷却性能を重視して、潤滑油穴200(200b)からの潤滑油の吐出方向がパワーローラの回転方向と逆の方向に向かうようになっている(パワーローラ11の回転順目の逆から潤滑を吐出する)ので、潤滑相対速度(パワーローラ回転速度に対する潤滑油の吐出速度)が速くなり、冷却効果を更に高めることができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
11a トラクション面
14 枢軸
15 トラニオン
16 支持板部
20 折れ曲がり壁部
200a,200b 潤滑油穴

Claims (3)

  1. 回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し且つ前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンは、前記パワーローラを支持する支持板部と、該支持板部の前記枢軸の軸方向の両端部にそれぞれ前記パワーローラ側に折れ曲がって設けられ且つ前記パワーローラを間に挟んだ状態で互いに内側面を対向させるとともに外側面に前記枢軸が設けられた一対の折れ曲がり壁部とを有し、
    前記一対の折れ曲がり壁部には、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へと潤滑油を吐出させるための潤滑油穴が設けられ、
    前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して前記出力側ディスクへと伝達される動力の大きさに応じて前記パワーローラのトラクション面に対する潤滑油の吐出方向が変えられ
    伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記低トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向に向かうことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し且つ前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンは、前記パワーローラを支持する支持板部と、該支持板部の前記枢軸の軸方向の両端部にそれぞれ前記パワーローラ側に折れ曲がって設けられ且つ前記パワーローラを間に挟んだ状態で互いに内側面を対向させるとともに外側面に前記枢軸が設けられた一対の折れ曲がり壁部とを有し、
    前記一対の折れ曲がり壁部には、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へと潤滑油を吐出させるための潤滑油穴が設けられ、
    前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して前記出力側ディスクへと伝達される動力の大きさに応じて前記パワーローラのトラクション面に対する潤滑油の吐出方向が変えられ、
    伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記高トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向と逆の方向に向かうことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 伝達動力が相対的に小さい低トルク領域と相対的に大きい高トルク領域とを有し、前記高トルク領域では、前記潤滑油穴からの潤滑油の吐出方向が前記パワーローラの回転方向と逆の方向に向かうことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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