JP6659961B2 - マグネシウム合金基体、電子機器及び耐食性被膜の形成方法 - Google Patents

マグネシウム合金基体、電子機器及び耐食性被膜の形成方法 Download PDF

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本発明はマグネシウム合金基体、電子機器及び耐食性被膜の形成方法に関するものであり、例えば、携帯電話やノートパソコン等の電子機器等の使用される耐食性被膜を設けたマグネシウム合金基体、電子機器及び耐食性被膜の形成方法に関するものである。
ノートパソコン等の電気製品の筐体内部は機械駆動部や電源等の内部部品を配置する構造を持つ。このような電子機器は、外部から受ける衝撃や圧力等から内部構造を保護する必要があるため、筐体には機械的強度が要求される。さらに、電子機器の中でも持ち運ぶ事を想定したモバイル機器の場合、筐体材料には前記機械的強度の他、軽さも要求される。
従来の金属筐体は鉄、アルミニウム合金のプレス加工品や切削加工品が多く用いられてきたが、近年は軽量かつ高剛性であるマグネシウム合金をプレス加工したものが使用されるようになってきた。プレス加工用のマグネシウム合金としてはAZ31Bが上市されており、その他にはリチウムを含有するマグネシウム合金が開発されている(例えば、特許文献1参照)。これらの材料は鉄やアルミニウム合金と比較すると非常に活性なため、耐食性に劣る。
そこで、マグネシウム合金の耐食性を向上させるため、酸化防止被膜を表面に形成する。被膜は生産性やコスト、外観等により厚さが約0.5μm〜20μm前後で形成される。被膜の種類としてはメッキ、化成処理、陽極酸化等が有る。
例えば、金属メッキ(例えば、非特許文献1参照)、化成処理(例えば、特許文献2或いは特許文献3参照)、或いは、亜鉛拡散膜(例えば、特許文献4参照)等の筐体表面に被膜を形成し、表面の耐食性を向上される方法が提案されている。
特開平09−041066号公報 特開平10−040369号公報 特開2009−221507号公報 特開2000−160320号公報
アルミニウム研究会誌No.9,p.121(1993)
しかし、上述の金属メッキや亜鉛拡散膜等でマグネシウム合金表面に被膜形成を行っても必ずしも十分な耐食性を得られないという問題がある。鋭意研究の結果、これは、マグネシウム合金の表面に新たな金属層もしくは金属化合物層の被膜を形成する際に、マグネシウム合金表面の被膜の密着性を向上させずに、被膜形成を行うためであるとの結論に至った。
したがって、マグネシウム合金基体、電子機器及び耐食性被膜の形成方法において、マグネシウム合金基体の耐食性を従前以上に向上することを目的とする。
一つの態様では、マグネシウム合金基体は、マグネシウム合金からなる基体と、前記基体の表面に設けたケイ酸ナトリウムと前記マグネシウム合金との反応生成物であるSi及びOを主要成分とする第1の被膜と、前記第1の被膜の表面に設けたSi及びFを主要成分とするフルオロケイ酸ナトリウムの反応生成物からなる第2の被膜とを有する。
他の態様では、電子機器は、上述のマグネシウム合金基体を、電子機器筐体として用いている。
さらに、他の態様では、耐食性被膜の形成方法は、マグネシウム合金からなる基体をケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して、前記マグネシウム合金と前記ケイ酸ナトリウムとの反応物からなる第1の被膜を形成する工程と、前記第1の被膜を形成した前記基体をフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して第2の被膜を形成する工程とを有する。
一つの側面として、マグネシウム合金基体の耐食性を従前以上に向上することが可能になる。
本発明の実施の形態のマグネシウム合金基体の説明図である。 本発明の実施の形態の耐食性被膜の形成工程のフロー図である。 本発明の実施例1の耐食性被膜の形成工程のフロー図である。 本発明の実施例1を適用するノートパソコンを示す概略斜視図である。 フロントカバー形状にプレス加工した状態の説明図である。 バックカバー形状にプレス加工した状態の説明図である。 アッパーカバー形状にプレス加工した状態の説明図である。 ロアカバー形状にプレス加工した状態の説明図である。
ここで、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、マグネシウム合金基体の表面のMg等のアルカリ金属イオンと反応する無機化合物の耐食性被膜を形成することにより、耐食性を向上させることを見いだした。図1は、マグネシウム合金基体の説明図であり、図2は耐食性被膜の形成工程の説明図である。図1(a)に示すように、本発明の実施の形態のマグネシウム合金基体は、マグネシウム合金からなる基体11の表面に設けたケイ酸ナトリウム(NaSiO,NaSiO)とマグネシウム合金との反応生成物であるSi及びOを主要成分とする第1の被膜12を設ける。この第1の被膜12はマグネシウム合金との反応生成物であるので基体11との密着性が良好になる。この第1の被膜12の表面に設けたSi及びFを主要成分とするフルオロケイ酸ナトリウム(NaSiF)を用いた反応生成物からなる第2の被膜13を設ける。
この場合、図1(b)に示すように、第2の被膜13は、第1の被膜が形成されていない第1の被膜11のピンホール部14における基体11の表面を覆うようにしても良い。
マグネシウム合金としては、Mgが最大成分の合金であれば良く、Mg(90wt%)、Li(9wt%)、Zn(1wt%)のようなリチウムを含有している合金やAZ91{Mg(90wt%)、Al(9wt%)、Zn(1wt%)}のようなLiを含まないマグネシウム合金でも良い。なお、軽量化のためには、Liを含むマグネシウム合金が望ましい。
このような、耐食性被膜を設けたマグネシウム合金基体は、携帯電話やノート型PC等の電子機器用の筐体として好適である。
このような耐食性被膜を形成するためには、図2に示すように、まず、マグネシウム合金からなる基体11をケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して、マグネシウム合金とケイ酸ナトリウムとの反応物からなる第1の被膜12を形成する。この第1の被膜12は、Si及びOを主成分とするが、基体11の構成元素であるMg(Li)やケイ酸ナトリウムの成分であるNaを若干含んでいる。
次いで、第1の被膜12を形成した基体11をフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して第2の被膜13を形成する。この第1の被膜12は、Si及びFを主成分とするフッ化物被膜であるが、基体11の構成元素であるMg(Li)やOやフルオロケイ酸ナトリウムの成分であるNaを若干含んでいる。通常は、第1の被膜12の形成工程と、第2の被膜13の形成工程との間に、第1の被膜12を形成したマグネシウム合金基体11を水洗したのち乾燥する工程を設ける。
ケイ酸ナトリウムとしては、オルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)或いはメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)のいずれかを用いれば良くこれらを混合したものを用いても良い。オルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)は、水溶液中でNaSiOの水和物を形成する。
ケイ酸ナトリウム水溶液におけるケイ酸ナトリウムの濃度は、3wt%〜10wt%の範囲が好適であり、薄すぎると被膜形成の時間がかかりすぎてスループットが低下する。フルオロケイ酸ナトリウム水溶液におけるフルオロケイ酸ナトリウムの濃度が、0.5wt%〜3wt%の範囲が好適である。なお、フルオロケイ酸ナトリウムは水に溶けにくく、20℃において水100mlに対して0.67g程度溶ける。
このマグネシウム合金の耐食性処理は、プレス加工などを行う前の板材に提供することも可能であるが、プレスなどの機械加工後に耐食性被膜の形成を行うことが好ましい。また、浸漬温度、時間を変えることで耐食被膜の厚さを変えることができる。さらに,本耐食性処理被膜の上に他の化成処理、メッキ処理等を行う事も可能である。
本発明の実施の形態によれば、マグネシウム合金の表面にケイ酸ナトリウムとの反応生成物及びフルオロケイ酸ナトリウムの反応生成物からなる複数の化成処理膜を形成することで、従前より耐食性に優れたマグネシウム合金耐食性被膜を得ることができる。
次に、本発明の実施例1の耐食性被膜の形成工程を説明するが、その前に、耐食性の評価方法を説明する。
Figure 0006659961
表1は、サンプルに対する温湿度サイクル試験条件の説明図であり、この1サイクル24時間の試験を5サイクル繰り返す。
この温湿度サイクル試験後、JIS K5400に規定されている五番目試験によるJIS評点と表面状態を分光色彩計(コニカミノルタ製CM−5)により10点計測し温湿度試験前との色差(ΔE)により評価し表2に示す評価を付けた。評価3以上を合格とした。
Figure 0006659961
次に、図3を参照して、本発明の実施例1の耐食性被膜の形成工程を説明する。まず、
a.マグネシウム合金として、Mg(90wt%)、Al(9wt%)、Zn(1wt%)のAZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。ここでは、脱脂処理において脱脂処理用アルカリ系薬液としてグランダファイナーMG−15SX+グランダファイナー添加剤F21を用いる。次いで、
c.80℃の5wt%オルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)水溶液に1分間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点10点、ΔEは2となり評価5点であった。なお、工程cで形成される被膜の厚さは1.0μm程度であり、工程eで形成される被膜の厚さは0.5μm程度である。
図4乃至図7は、実施例1の耐食性被膜を適用するノートパソコンの説明図である。図4はノートパソコンを示す概略斜視図である。ノートパソコン20は、本体21の表面の少なくとも一部が筐体22により覆われている。筐体22は、液晶モニタ部の液晶パネル27を支持するフロントカバー23、バックカバー24と、本体21を支持するアッパーカバー25とロアカバー26とからなる。図5はフロントカバー形状にプレス加工した状態の説明図であり、図6はバックカバー形状にプレス加工した状態の説明図であり、図7はアッパーカバー形状にプレス加工した状態の説明図であり、図8はロアカバー形状にプレス加工した状態の説明図である。これらのカバーの全て或いはその内の一部に対して耐食性被膜を形成してノートパソコンを形成する。
次に、本発明の実施例2を説明するが、実施例1の工程cにおけるオルトケイ酸ナトリウムをメタケイ酸ナトリウムに変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)水溶液に1分間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点10点、ΔEは3となり評価5点であった。
次に、本発明の実施例3を説明するが、実施例1の工程cにおけるオルトケイ酸ナトリウムをオルトケイ酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムとの混合物に変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%ケイ酸ナトリウム(オルトケイ酸ナトリウム50wt%+メタケイ酸ナトリウム50wt%)水溶液に1分間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点10点、ΔEは3となり評価5点であった。
次に、本発明の実施例4を説明するが、実施例1の工程cにおけるオルトケイ酸ナトリウム水溶液への浸漬時間を30秒に変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%オルトケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点9点、ΔEは7となり評価4点であった。
次に、本発明の実施例5を説明するが、実施例1の工程eにおけるフルオロケイ酸ナトリウム水溶液への浸漬時間を15秒に変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%オルトケイ酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に15秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点9点、ΔEは11となり評価3点であった。
次に、本発明の実施例6を説明するが、実施例1の工程cにおけるオルトケイ酸ナトリウム水溶液の濃度を3wt%に変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の3wt%オルトケイ酸ナトリウムに30秒間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点8点、ΔEは7となり評価3点であった。
次に、本発明の実施例7を説明するが、実施例1の工程eにおけるフルオロケイ酸ナトリウム水溶液の濃度を3wt%に変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、AZ91合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%オルトケイ酸ナトリウムに30秒間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の3wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点8点、ΔEは5となり評価3点であった。
次に、本発明の実施例8を説明するが、実施例1の工程aにおけるマグネシウム合金の組成におけるAlをLiに変えた以外は同様の条件で製造した。即ち、まず、
a.マグネシウム合金として、Mg(90wt%)、Li(9wt%)、Zn(1wt%)の合金を用い、ノートPCの筐体形状にプレス加工を行う。次いで、
b.プレス加工後に50×100mmの形状に切り出したサンプルをアルカリ溶液で脱脂処理する。次いで、
c.80℃の5wt%オルトケイ酸ナトリウムに30秒間浸漬する。次いで、
d.水洗及び乾燥を行う。次いで、
e.60℃の1wt%のフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬する。次いで、f.水洗及び乾燥を行う。
このように耐食性被膜を形成したサンプルを上述の耐食性試験にかけた後の耐食性評価結果はJIS評点10点、ΔEは2となり評価5点であった。
ここで、本発明の各実施例との対比のために比較例を説明する。
(比較例1)マグネシウム合金としてAZ91合金を用い、脱脂のみを行い耐食性被膜の形成を行わず耐食性試験を行った。耐食性被膜が形成されていないことからJIS評点は評価せず、ΔEのみで評価を行った結果、ΔEは37となり、評価1点となった。
(比較例2)比較例1で作成したサンプルに亜鉛メッキを行い、耐食性試験を行った結果、JIS評点は3店、ΔEは22となり、評価は1点となった。
本発明の各実施例においては、まず、ケイ酸ナトリウムをMg合金に含まれるアルカリ金属であるMgやLiと反応させてSi及びOを主成分とする基体との密着性が良好な第1の耐食性被膜を形成する。次いで、この第1の耐食性被膜の上にフッ化物系の第2の耐食性被膜を形成しているので、JISの耐食性試験をクリアすることができる。
ここで、実施例1乃至実施例8を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)マグネシウム合金からなる基体と前記基体の表面に設けたケイ酸ナトリウムと前記マグネシウム合金との反応生成物であるSi及びOを主要成分とする第1の被膜と前記第1の被膜の表面に設けたSi及びFを主要成分とするフルオロケイ酸ナトリウムの反応生成物からなる第2の被膜とを有するマグネシウム合金基体。
(付記2)前記第2の被膜が、前記第1の被膜が形成されていない前記第1のピンホール部における前記基体の表面を覆っている付記1に記載のマグネシウム合金基体。
(付記3)前記マグネシウム合金がリチウムを含有している付記1または付記2に記載のマグネシウム合金基体。
(付記4)付記1乃至付記3のいずれか1に記載のマグネシウム合金基体を、電子機器筐体として用いた電子機器。
(付記5)マグネシウム合金からなる基体をケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して、前記マグネシウム合金と前記ケイ酸ナトリウムとの反応物からなる第1の被膜を形成する工程と、前記第1の被膜を形成した前記基体をフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して第2の被膜を形成する工程とを有する耐食性被膜の形成方法。
(付記6)前記第1の被膜の形成工程と、前記第2の被膜の形成工程との間に、前記第1の被膜を形成した前記マグネシウム合金基体を水洗したのち乾燥する工程を有する付記5に記載の耐食性被膜の形成方法。
(付記7)前記ケイ酸ナトリウムが、オルトケイ酸ナトリウム或いはメタケイ酸ナトリウムのいずれか、また、それらの混合物である付記5または付記6に記載の耐食性被膜の形成方法。
(付記8)前記マグネシウム合金がリチウムを含有している付記5乃至付記7のいずれか1に記載の耐食性被膜の形成方法。
(付記9)前記ケイ酸ナトリウム水溶液におけるケイ酸ナトリウムの濃度が、3wt%〜10wt%である付記5乃至付記8のいずれか1に記載の耐食性被膜の形成方法。
(付記10)前記フルオロケイ酸ナトリウム水溶液におけるフルオロケイ酸ナトリウムの濃度が、0.5wt%〜3wt%である付記5乃至付記9のいずれか1に記載の耐食性被膜の形成方法。
(付記11)前記マグネシウム合金からなる基体が、ケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬する工程の前に、電子機器用の筐体としてプレス加工されている付記5乃至付記10のいずれか1に記載の耐食性被膜の形成方法。
11 基体
12 第1の被膜
13 第2の被膜
14 ピンホール部
20 ノートパソコン
21 本体
22 筐体
23 フロントカバー
24 バックカバー
25 アッパーカバー
26 ロアカバー
27 液晶パネル

Claims (5)

  1. マグネシウム合金からなる基体と
    前記基体の表面に設けたケイ酸ナトリウムと前記マグネシウム合金との反応生成物であるSi及びOを主要成分とする第1の被膜と、
    前記第1の被膜の表面に設けたSi及びFを主要成分とするフルオロケイ酸ナトリウムの反応生成物からなる第2の被膜と
    を有するマグネシウム合金基体。
  2. 前記第2の被膜が、前記第1の被膜が形成されていない前記第1のピンホール部における前記基体の表面を覆っている請求項1に記載のマグネシウム合金基体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のマグネシウム合金基体を、電子機器筐体として用いた電子機器。
  4. マグネシウム合金からなる基体をケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して、前記マグネシウム合金と前記ケイ酸ナトリウムとの反応物からなる第1の被膜を形成する工程と、
    前記第1の被膜を形成した前記基体をフルオロケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬して第2の被膜を形成する工程と
    を有する耐食性被膜の形成方法。
  5. 前記マグネシウム合金からなる基体が、ケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬する工程の前に、電子機器用の筐体としてプレス加工されている請求項4に記載の耐食性被膜の形成方法。
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