JP6649309B2 - 水処理システム及び作業媒体 - Google Patents

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Description

実施形態は、水処理システム及び作業媒体に関する。
溶質濃度の低い溶液と高い溶液とを浸透膜で隔離すると、低い濃度の溶液の溶媒は浸透膜を透過して高い濃度の溶液側に移動する。この溶媒が移動する現象を利用することにより、海水淡水化などの脱塩を行う脱塩システム、タービンを回して発電する浸透圧発電システムが知られている。また、これを利用した食品、汚泥を濃縮する濃縮システムも知られている。このとき濃度の高い側に使用されるのが作業媒体(ドロー溶液:Draw solution)で、これまで種々のものが提案されている。
ドロー溶液の溶質は、一般に食塩が用いられている。有機塩もドロー溶液の溶質として用いられている。しかしながら、有機塩のドロー溶液は水の透過流束が食塩のドロー溶液に比べて劣っている。
2種以上の溶質を混合したドロー溶液が提案されている。複数の無機塩の混合物は、相乗効果が観測されるが、無機塩とサッカロースの場合には逆効果で浸透膜を通過する流束が下がることもある。
特表2010−509540号公報
実施形態は、低コストで水を分離することができる水処理システム及び作業媒体を提供する。
実施形態に係る水処理システムは、被処理水を収容する第1チャンバーと浸透圧を誘起する作業媒体を収容する第2チャンバーとを区画する浸透膜を備える第1処理容器を有し、作業媒体が主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物と無機塩を溶質として含む水溶液であり、無機塩は、アルカリ土類金属の塩又はアンモニウム塩であり、無機塩の濃度は、0.4mol/L以上10mol/L以下である。
実施形態に係る水処理システムの概略図。 実施形態に係る溶質の化学式。 実施形態に係る水処理システムの概略図。 実施形態に係る水処理システムの概略図。 実施形態に係る水処理システムの概略図。
以下、実施形態の水処理システムと水処理システムに使用される作業媒体を説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る水処理システムを図1に示す概略図を参照して説明する。図1に示す第1実施形態に係る水処理システム100は、被処理水Aを収容する第1チャンバー13と作業媒体Bを収容する第2チャンバー14とを区画する浸透膜12を備える第1処理容器11を有する浸透圧発生器1において、作業媒体Bが浸透圧を誘起する。
このような水処理システム100によれば、第1チャンバー13内の被処理水Aと第2チャンバー14内の作業媒体Bとの間で生じる浸透圧差により第1チャンバー13内の被処理水A中の水Cが浸透膜12を透過して第2チャンバー14内の作業媒体Bに移動する。
実施形態の作業媒体Bを用いることで、第1チャンバー13内の被処理水A中の水Cを大きな透過流束で浸透膜を透過して第2チャンバー14内の作業媒体Bに移動させることが可能になる点で、実施形態の水処理システムは好ましい。実施形態の作業媒体Bは、低コストで運転することができる水処理システム、及び水処理システムに使用される。
第1処理容器11は、浸透膜12によって、第1チャンバー13と第2チャンバー14とに区画が隔てられている。第1処理容器11は、第1チャンバー13に被処理水Aを収容し、第2チャンバー14に作業媒体Bを収容する樹脂製又は金属製の容器である。
浸透膜12は、例えば正浸透膜(Forward Osmosis Membrane:FO膜)であっても逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane:RO膜)であってもよい。好ましい浸透膜は、FO膜である。
浸透膜12は、例えば酢酸セルロース膜、ポリアミド膜などを用いることができる。浸透膜は、45μm以上250μm以下の厚さを有することが好ましい。
第1チャンバー13は、被処理水Aを収容する第1処理容器11内の領域であって、浸透膜12によって区画が隔てられている。第1チャンバー13には、被処理水Aが導入排出される図示しない導入排出経路を設けてもよい。
被処理水Aは、作業媒体よりも溶質濃度の低い液体である。被処理水Aは、例えば塩水(海水等)、湖水、河川水、沼水、生活排水、産業廃水又はそれらの混合物を挙げることができる。被処理水Aが塩水の場合、塩水の塩(塩化ナトリウム)濃度は例えば、0.05%〜8%であればよい。被処理水Aは、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムなどの塩や浮遊物質含み、水以外の物質が濃縮される。
第2チャンバー14は、作業媒体Bを収容する第1処理容器11内の領域であって、浸透膜12によって区画が隔てられている。第2チャンバー13には、作業媒体Bが導入排出される図示しない導入排出経路を設けてもよい。
第1実施形態の作業媒体Bは、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物と無機塩を溶質として含む水溶液である。作業媒体Bは、水溶液であるため、水を溶媒として含む。かかる溶質を含む作業媒体Bは、高い浸透圧の誘起作用を示し、かつ、無機塩の溶質損失を抑制するため好ましい。このため、第1チャンバー13内の被処理水A中の水が浸透膜12を透過して第2チャンバー14内の作業媒体Bに移動する際、高い透過流束(Jw L/mh)を発生させることができる。
したがって、実施形態では、被処理水Aの脱塩、濃縮等の処理を効率的に実施し得る、低コストにて運転可能な水処理システムを提供できる。実施形態の水処理システムは、回転体をさらに有し、浸透圧の誘起によって、水流が生じ、水流によって回転体を回転させて発電する水処理システムとして利用することも好ましい。
作業媒体Bに含まれる溶質は浸透膜12を介して被処理水A側に漏れ出す現象があり、この溶質の損失が被処理水Aの水質低下を招き、さらには正浸透システムのランニングコストを上昇させる。
作業媒体Bに含まれる溶質の化合物に、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物と無機塩を含むと溶質逆透過流速(Js mmol/mh)を小さくできることが分かった。これは、溶液中で無機塩の金属イオンに溶解した化合物のカルボン酸基とホスホン酸基が配位することで、キレート錯体を形成し、無機塩の金属イオンが浸透膜12を透過しにくくなったと考えられる。従って、実施形態の作業溶液は、高い溶質濃度を維持することと、高い浸透圧を維持することを両立させている。
実施形態の主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物と主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物(分子)は、Cで表される。Mは、金属である。透過流速を高くするため、2≦x≦20、8≦y≦30、1≦z≦6、3≦w≦18、0≦s≦3、2≦t≦10を満たすことが好ましい。また、溶質逆透過流速を小さくするため、2≦x≦30、8≦y≦35、2≦z≦5、3≦w≦15、0≦s≦3、2≦t≦10を満たすことが好ましい。そして、透過流速を高め、かつ、溶質逆透過流速を小さくするため、2≦x≦20、8≦y≦23、2≦z≦5、3≦w≦15、0≦s≦3、2≦t≦10を満たすことが好ましい。Mで表される金属は、カルボン酸基の金属塩の金属又はホスホン酸基の金属塩の金属である。金属塩の金属は、アルカリ金属が好ましい。金属塩の金属は、Na、K、又は、Na及びKが好ましい。実施形態の溶質に含まれる元素又は構造は、液体クロマトグラフィーで分析し、それぞれのピークの化合物を分離し、NMR又は有機元素分析装置で求めることができる。
主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、図2の式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基が金属塩構造、ホスホン酸基が金属塩構造、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有する化合物であることが好ましい。図2の式(1)、(2)、(3)、(4)と(5)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基の一部又は全部は、カルボン酸基の金属塩である。図2の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)で表される構造を有する化合物ホスホン酸基の一部又は全部は、ホスホン酸基の金属塩である。溶質の化合物に含まれる側鎖の一部に塩ではないホスホン酸基やカルボン酸基が含まれていてもよい。
式(1)中のR11〜R13は、Cn12n1(n1は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖である。式(1)中のX11〜X13は、それぞれ、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかである。一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)である。図2の式(1)で表される構造を有する化合物としては、ニトリロ三酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノニ酢酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)が好ましい。図2の式(1)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有している化合物としては、ニトリロ三酢酸2Na塩、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノニ酢酸2Na塩、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)5Na塩が挙げられる。
式(2)中のR21〜R27は、Cn22n2(n2は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖である。式(2)中のX21〜X27は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかである。一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)である。一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である。図2の式(2)で表される構造を有する化合物としては、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が好ましい。図2の式(2)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有している化合物としては、ジエチレントリアミン五酢酸3Na塩、ジエチレントリアミン五酢酸5Na塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)7Na塩が挙げられる。
式(3)中のR31〜R35は、Cn32n3(n3は0から3までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、R31には水酸基があってもよく、エーテル結合を一つ以上介していてもよい。また、R32〜R35は、任意にカルボン酸基が含まれていてもよい。式(3)中のX31〜X34は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかである。一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)である。一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である。図2の式(3)で表される構造を有する化合物としては、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンジスクシン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸が好ましい。図2の式(3)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有している化合物としては、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸3Na塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸4Na塩、1,3−ジアミノ-2-プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸2Na塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸4Na塩、エチレンジアミンジスクシン酸3Na塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸5Na塩が挙げられる。
式(4)中のR41〜R49は、Cn42n4(n4は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖である。式(4)中のX41〜X46は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかである。一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)である。一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である。
式(5)中のR51〜R54は、Cn52n5(n5は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖である。式(5)中のX51〜X54は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかである。一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)である。一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である。図2の式(5)で表される構造を有する化合物としては、3−カルボキシ−3−ホスホノヘキサン二酸が好ましい。図2の式(5)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有している化合物としては、3−カルボキシ−3−ホスホノヘキサン二酸5Na塩が挙げられる。
したがって、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物は、ニトリロ三酢酸2Na塩、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノニ酢酸2Na塩、ジエチレントリアミン五酢酸3Na塩、ジエチレントリアミン五酢酸5Na塩、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸3Na塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸4Na塩、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸2Na塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸4Na塩、エチレンジアミンジスクシン酸3Na塩、3-カルボキシ−3−ホスホノヘキサン二酸5Naからなる群のうちのいずれか1種以上であることが好ましい。
したがって、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖に複数のホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)5Na塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)7Na塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸5Naからなる群のうちのいずれか1種以上であることが好ましい。
したがって、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造とホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、3−カルボキシ−3−ホスホノヘキサン二酸5Naからなる群ののうちのいずれか1種以上であることが好ましい。
金属塩の置換数はpHによって変化する。例えば、ジエチレントリアミン5酢酸の3Na塩は弱アルカリ性であり、5Na塩は強アルカリ性である。FO膜の耐性の観点から、中性付近の作業媒体Bを用いることが望ましいが、浸透圧の観点からは置換数が多いほうが好ましい。そこで、実施形態の作業媒体BのpHは、2以上12以下であることが好ましい。作業媒体BのpHは、堀場製ガラス電極式水素イオン濃度計でマニュアル記載の方法で測定することによって求められる。
主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物に含まれるカルボン酸基とホスホン酸基の総数は、5以上であることが好ましい。カルボン酸基とホスホン酸基が多く含まれることで、キレートが安定化し、溶質損失の低減の効果が顕著になる。
また、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物に含まれる塩構造のカルボン酸基と塩構造のホスホン酸基の総数は、5以上であることが好ましい。塩構造のカルボン酸基とホスホン酸基の総数が多いほど、キレートが安定化し、溶質損失の低減の効果が顕著になる。
主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物(溶質)の作業媒体B中の濃度は、0.05mol/L以上1.0mol/L未満であり、0.05mol/L以上0.6mol/L以下であることが好ましい。濃度が低すぎると、浸透圧の誘起が小さくなり好ましくない。また、濃度が高すぎると、溶質の損失が大きくなり好ましくない。より好ましい濃度範囲は、0.2mol/L以上0.6mol/L以下である。
作業媒体B中の無機塩(溶質)は、アルカリ土類金属の塩又はアンモニウム塩であることが好ましい。アルカリ土類金属のイオンやアンモニウムイオンは、溶液中で、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物との安定的なキレートを形成し、溶質損失が少なくなるという利点がある。無機塩(溶質)は、炭酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩とハロゲン元素との塩からなる群のうちのいずれか1種以上であると、低コストであるという理由で好ましい。具体的な好ましいアルカリ土類金属は、Mg,Ca、又は、Mg及びCaであり、Mgがより好ましい。具体的な好ましいハロゲン元素は、Clである。無機塩としては、スルホン酸塩又はCl塩がより好ましい。
無機塩(溶質)の作業媒体B中の濃度は、0.05mol/L以上であることが好ましい。無機塩が少なすぎると、キレート錯体の形成が少なくなってしまい、溶質損失の低減効果が少なくなってしまう。より具体的には、無機塩(溶質)の作業媒体B中の濃度は、0.4mol/L以上10.0mol/L以下が好ましく、0.4mol/L以上5.0mol/L以下がより好ましい。また、作業媒体B中の無機塩(溶質)の濃度は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物の濃度よりも高い方がキレート錯体形成の観点から好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、実施形態1の主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物の代わりにカルボン酸基の金属塩構造を有するアミノ酸を用いること以外は、第1実施形態と共通する。
アミノ酸は低分子であるため、溶質が被処理液A側に移動して、溶質損失を生じさせ易いが、無機塩と併用することで、錯体を形成する。従って、実施形態では、アミノ酸を浸透圧を誘起する溶質として用いても浸透膜12と透過しにくいという利点を有する。アミノ酸塩は、安価であるため、溶質損失の少ない実施形態の水処理システムは、ランニングコストの低減に効果的である。
カルボン酸基の金属塩構造を有するアミノ酸としては、アルギニンが挙げられる。カルボン酸基の金属塩構造を有するアミノ酸(溶質)の作業媒体B中の濃度は、1.0mol/L未満である。カルボン酸基の金属塩構造を有するアミノ酸(溶質)の作業媒体B中の濃度は、0.05mol/L以上0.4mol/L以下が好ましく、0.05mol/L以上0.4mol/L以下がより好ましい。
(第2実施形態)
次に、水処理システムの1つの例である脱塩システムを図3に示す概略図を参照して説明する。第2実施形態において、第1チャンバー13、被処理水A、第2チャンバー14、作業媒体Bと浸透膜12は、第1実施形態、第2実施形態と共通する。被処理水Aは、海水などの塩水(塩化ナトリウム水溶液)である。第2実施形態に用いられる作業媒体Bは、第1実施形態又は第2実施形態の作業媒体Bである。図3以降では、水処理システム中の被処理水、作業媒体と水の符号は示していないが、これらの符号は、図1の水処理システムと共通する。
脱塩システム200は、浸透圧発生器1と、希釈作業媒体タンク2と、逆浸透膜分離器3と、濃縮作業媒体タンク4とを備える。浸透圧発生器1、希釈作業媒体タンク2、逆浸透膜分離部3及び濃縮作業媒体タンク4は、この順序で接続されてループを形成している。浸透圧を誘起する作業媒体B(ドロー溶液)はこのループを循環する。すなわち、作業媒体Bは浸透圧発生器1、希釈作業媒体タンク2、逆浸透膜分離器3及び濃縮作業媒体タンク4をこの順番で循環する。なお、上及び下は、図面に表された方向であり、例えば、濃縮作業媒体タンク4は、希釈作業媒体タンク2の上側にあり、浸透圧発生器1は、逆浸透膜分離器3の左側にある。
被処理水タンク15は、第1チャンバー13が位置する処理容器10の上部にパイプライン101aを通して接続されている。第1ポンプ16は、パイプライン101aに設けられている。濃縮された被処理水Aを排出するためのパイプライン101bは、第1チャンバー13が位置する第1処理容器11の下部に接続されている。
逆浸透膜分離部3は、例えば気密な第2処理容器21を備えている。第2処理容器21は、例えば逆浸透膜(RO膜)22により例えば水平方向に区画され、左側に第3チャンバー23が、右側に第4チャンバー24がそれぞれ形成されている。
希釈作業媒体タンク2は、第3チャンバー23が位置する第2処理容器21の下部にパイプライン101eを通して接続されている。第3ポンプ25は、パイプライン101eに設けられている。第3チャンバー23が位置する第2処理容器21の上部は、濃縮作業媒体タンク4にパイプライン101fを通して接続されている。第4チャンバー24が位置する第2処理容器21の下部は、純水タンク26にパイプライン101gを通して接続されている。純水タンク26には、作業媒体Bを濃縮する際に逆浸透膜22を通って、第4チャンバーに移動した水(淡水)が収容される。純水タンク26には、当該純水タンク26内の純水を外部に送出して回収するためのパイプライン101hが接続されている。開閉弁27は、パイプライン101hに設けられる。例えば、純水タンク26内の純水が一定量を超えると開かれる。
濃縮作業媒体タンク4は、第2チャンバー13が位置する第1処理容器11の上部にパイプライン101cを通して接続されている。第2ポンプ17は、パイプライン101aに設けられている。第2チャンバー13が位置する処理容器10の下部は、希釈作業媒体タンク2にパイプライン101dを通して接続されている。
次に、図3に示す脱塩システム200による脱塩操作を説明する。
第1ポンプ16を駆動して被処理水A(例えば海水)を被処理水タンク15から浸透圧発生器1の第1チャンバー13内にパイプライン101aを通して供給する。海水の供給と前後して第2ポンプ17を駆動して濃縮作業媒体Bを濃縮作業媒体タンク4から浸透圧発生器1の第2チャンバー14内にパイプライン101cを通して供給する。このとき、第2チャンバー14に供給された濃縮作業媒体Bの溶質濃度は、第1チャンバー13に供給された海水の塩濃度に比べて高濃度である。このため、第1チャンバー13内の海水と第2チャンバー14内の濃縮作業媒体Bとの間で浸透圧差が生じ、海水中の水が浸透膜12を透過して第2チャンバー14内に移動する。第2チャンバー14内の濃縮作業媒体Bは、第1実施形態又は第2実施形態の溶質を含む水溶液で、高い浸透圧誘起作用を示す。このため、第1チャンバー13内の海水中の水が浸透膜12を透過して第2チャンバー14内の濃縮作業媒体Bに移動する際、高い透過流束を発生する。その結果、第1チャンバー13内の海水中の多くの水を第2チャンバー14の濃縮作業媒体Bに移動でき、塩水から水(純水)を取り出す高効率の脱塩処理を実行できる。
浸透圧発生器1において、海水中の水が第1チャンバー13から第2チャンバー14内の濃縮作業媒体Bに移動することにより、海水は濃縮海水として第1チャンバー13からパイプライン101bを通して排出され、濃縮作業媒体Bは移動した水で希釈される。
第2チャンバー14の希釈作業媒体Bは、希釈作業媒体タンク2にパイプライン101dを通して送出され、貯留される。希釈作業媒体Bが希釈作業媒体タンク2内に所定の水位まで貯まると、第3ポンプ25を駆動して希釈作業媒体タンク2内の希釈作業媒体Bを逆浸透膜分離部3の第2処理容器21の第3チャンバー23にパイプライン101eを通して所望の圧力で供給する。所望の圧力で第3チャンバー23に供給された希釈作業媒体B中の水は、逆浸透膜(RO膜)22を強制的に透過して第4チャンバー24に移動する。第3チャンバー23内の希釈作業媒体Bは、水を第4チャンバー24に移動することにより濃縮される。濃縮作業媒体Bは、第3チャンバー23から濃縮作業媒体タンク4に送出される。濃縮作業媒体タンク4内の濃縮作業媒体Bは、第2ポンプ17を駆動することにより浸透圧発生器1の第2チャンバー14内に供給され、前述したように塩水から水(純水)を取り出す脱塩処理に利用される。
他方、第4チャンバー24に移動した水(純水)は、パイプライン101gを通して純水タンク26に送出される。純水タンク26内の水が一定量を超えると、開閉弁27を開き、パイプライン101hを通して外部に送出して水を回収する。
したがって、海水の脱塩処理(純水の回収)を効率的に実施し得る、低コストにて運転可能な脱塩システムを提供できる。
なお、図3に示す脱塩システム200において、浸透圧発生器は第1処理容器11を浸透膜により水平方向に区画して第1チャンバー13、第2チャンバー14を形成したが、第1処理容器を浸透膜により上下に区画して第1チャンバー13を、第2チャンバー14を形成してもよい。
脱塩処理を行うことにより、作業媒体Bの溶質濃度が低下した場合は、濃縮作業媒体タンク4などにおいて、溶質の添加を行うことが好ましい。
図3に示す脱塩システム200において、希釈作業媒体Bの濃縮は逆浸透膜(RO膜)を備える逆浸透膜分離部で行なう場合に限らず、希釈作業媒体Bの水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
(第4実施形態)
次に、水処理システムの1つの例である濃縮システム300を図4に示す概略図を参照して説明する。第4実施形態に用いられる作業媒体Bは、第1実施形態又は第2実施形態の作業媒体Bである。
濃縮システム300は、浸透圧発生器31と、希釈作業媒体タンク32と、膜蒸留分離器33と、濃縮作業媒体タンク34とを備える。浸透圧発生器31、希釈作業媒体タンク32、膜蒸留分離器33及び濃縮作業媒体タンク34は、この順序で接続されてループを形成している。作業媒体B(ドロー溶液)はこのループを循環する。すなわち、作業媒体Bは浸透圧発生器31、希釈作業媒体タンク32、膜蒸留分離器33及び濃縮作業媒体タンク34をこの順番で循環する。
浸透圧発生器31は、例えば気密な第1処理容器41を備えている。第1処理容器41は、浸透膜42(例えば正浸透膜:FO膜)により例えば水平方向に区画され、左側に第1チャンバー43が、右側に第2チャンバー44がそれぞれ形成されている。被処理水A、例えば産業廃水等の原液を収容した被処理水タンク45は、第1チャンバー43が位置する第1処理容器41の上部にパイプライン201aを通して接続されている。第1ポンプ46は、パイプライン201aに設けられている。第1チャンバー43が位置する第1処理容器41の下部には、当該第1チャンバー43内の濃縮した原液を外部に排出するためのパイプライン201bが接続されている。
濃縮作業媒体タンク34は、第2チャンバー44が位置する第1処理容器41の上部にパイプライン201cを通して接続されている。第2ポンプ47は、パイプライン201cに設けられている。第2チャンバー44が位置する第1処理容器11の下部は、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して接続されている。
膜蒸留分離器33は、例えば気密な第2処理容器51を備えている。第2処理容器51は、例えば多孔質ラテックス膜からなる脱水膜52により例えば水平方向に区画され、左側に第3チャンバー53が、右側に第4チャンバー54がそれぞれ形成されている。
前記希釈作業媒体タンク32は、第3チャンバー53が位置する第2処理容器51の下部にパイプライン201eを通して接続されている。第1開閉弁61、熱交換器62及び第3ポンプ63は、パイプライン201eに作業媒体Bの流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。熱交換器62には、例えば排熱ガスのパイプライン201fが交差され、パイプライン201eを流れる作業媒体Bが排熱ガスと熱交換して当該作業媒体Bを加熱する。第3チャンバー53が位置する第2処理容器51の上部は、循環タンク64の上部にパイプライン201gを通して接続されている。循環タンク64は、第1開閉弁61と熱交換器62の間に位置するパイプライン201eの部位にパイプライン201hを通して接続されている。第2開閉弁65は、パイプライン201hに設けられている。
このような構成により膜蒸留分離器33の第3チャンバー53、循環タンク64及びこれらの部材を接続するパイプライン201e、201g、201hによるループが形成される。すなわち、後述する第3チャンバー53で脱水処理され、循環タンク64に貯留された希釈作業媒体Bは第2開閉弁65を開き、第3ポンプ63を駆動することにより、パイプライン201h、パイプライン201e、第3チャンバー53及びパイプライン201gを循環する、希釈作業媒体循環系を形成している。なお、希釈作業媒体Bの循環において、第1開閉弁61を閉じることにより希釈作業媒体循環系は希釈作業媒体タンク32と隔絶される。
循環タンク64は、濃縮作業媒体タンク34にパイプライン201iを通して接続されている。第4ポンプ66は、パイプライン201iに設けられている。
第1純水タンク71は、第4チャンバー54が位置する第2処理容器51の上部にパイプライン201jを通して接続されている。第4チャンバー54が位置する第2処理容器51の下部は、第2純水タンク72にパイプライン201kを通して接続されている。第3開閉弁73は、パイプライン201kに設けられ、純水の非循環時に閉じて純水を第4チャンバー54内に滞留する。第2純水タンク72は、第1純水タンク71にパイプライン201mを通して接続されている。第5ポンプ74は、パイプライン201mに設けられている。このような構成により第1純水タンク71、膜蒸留分離器33の第4チャンバー54、第2純水タンク72及びこれらの部材を接続するパイプライン201j,201k,201mによるループが形成される。すなわち、第2純水タンク72内の純水は第3開閉弁73を開き、第5ポンプ74を駆動することにより、パイプライン201m、第1純水タンク71、パイプライン201j、第4チャンバー54及びパイプライン201kを循環する、純水循環冷却系を形成している。
第2純水タンク72には、当該第2純水タンク72内の純水を外部に送出して回収するためのパイプライン201nが接続されている。第4開閉弁75は、パイプライン201nに設けられている。第4開閉弁75は、前述した純水の循環時に閉じられ、第2純水タンク75内の純水が一定量を超えると開かれる。
次に、図4に示す濃縮システム300による濃縮操作を説明する。
第1ポンプ46を駆動して被処理水Aである原液(例えば産業廃水)を被処理水タンク45から浸透圧発生器31の第1チャンバー43内にパイプライン201aを通して供給する。原液の供給と前後して第2ポンプ47を駆動して濃縮作業媒体Bを濃縮作業媒体タンク34から浸透圧発生器31の第2チャンバー44内にパイプライン201cを通して供給する。第2チャンバー44に供給された濃縮作業媒体Bは第1チャンバー43に供給された原液の濃度に比べて高濃度である。このため、第1チャンバー43内の原液と第2チャンバー44内の濃縮作業媒体Bとの間で浸透圧差が生じ、原液中の水が浸透膜42を透過して第2チャンバー44内に移動する。このとき、第2チャンバー44内の濃縮作業媒体Bは、実施形態の溶質を含む水溶液で、高い浸透圧の誘起作用を示す。このため、第1チャンバー43内の原液中の水が浸透膜32を透過して第2チャンバー44内の作業媒体Bに移動する際、高い透過流束を発生する。その結果、第1チャンバー43内の原液中の多くの水を第2チャンバー44の作業媒体Bに移動でき、原液の濃縮処理が高効率になされる。
浸透圧発生器31において、原液中の水が第1チャンバー43から第2チャンバー44内の濃縮作業媒体Bに移動することにより、原液は濃縮原液として第1チャンバー43からパイプライン201bを通して排出され、回収される。濃縮作業媒体Bは、移動した水により希釈される。
第2チャンバー44の希釈作業媒体Bは、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して送出され、貯留される。希釈作業媒体Bが希釈作業媒体タンク32内に所定量まで貯留されると、パイプライン201eに設けた第1開閉弁61を開き、パイプライン201hに設けた第2開閉弁65を閉じ、第3ポンプ63を駆動する。これにより希釈作業媒体タンク32内の希釈作業媒体Bを膜蒸留分離器33の第2処理容器51の第3チャンバー53にパイプライン201eを通して供給する。希釈作業媒体Bが第3チャンバー53に供給される間、パイプライン201eを流通する希釈作業媒体Bはパイプライン201fが交差する熱交換器62で当該パイプライン201fを流通する排熱ガスと熱交換されて加熱される。また、第2純水タンク72内の純水を第3開閉弁73を開き、第5ポンプ74を駆動することにより、純水をパイプライン201m、第1純水タンク71、パイプライン201j、第4チャンバー54及びパイプライン201kに循環させて、膜蒸留分離器33の多孔質ラテックス膜からなる脱水膜52を第4チャンバー54側から純水で冷却する。すなわち、純水循環冷却系により第4チャンバー54側の脱水膜52を冷却する。
このように加熱した希釈作業媒体Bを通して膜蒸留分離器33の第3チャンバー53にパイプライン201eを供給しながら、膜蒸留分離器33の脱水膜52を第4チャンバー54内の循環する純水で冷却することによって、第3チャンバー53内で希釈作業媒体B中の水が蒸発し、その蒸気は多孔質ラテックス膜からなる脱水膜52を透過して第4チャンバー54に移動し、循環する純水により冷却、凝縮してその中に取込まれる。すなわち、希釈作業媒体Bは第3チャンバー53内で脱水処理される。第3チャンバー53内の脱水処理された希釈作業媒体Bは、パイプライン201gを通して循環タンク64に送出され、貯留される。循環タンク64に貯留された希釈作業媒体Bは、前記脱水処理により、ある濃度まで濃縮される。
しかしながら、この程度の濃縮では濃度が低く、前述した濃縮作業媒体Bとして使用するには適切ではない。このため、脱水処理された希釈作業媒体Bが循環タンク64に一定量貯留された時点で、第2開閉弁65を開き、当該タンク64内の脱水処理された希釈作業媒体Bをパイプライン201hに流出する。同時に、第1開閉弁61を閉じ、循環タンク64、パイプライン201h、パイプライン201e、第3チャンバー53及びパイプライン201gからなる希釈作業媒体循環系を希釈作業媒体タンク32と隔絶する。
このような希釈作業媒体循環系及び純水循環冷却系において、前述した第3チャンバー53内での希釈作業媒体Bの水の蒸発、蒸気の脱水膜52の透過、第4チャンバー54への移動、及び第4チャンバー54側での循環する純水による冷却、凝縮、をなす脱水処理を複数回繰り返すことによって、希釈作業媒体Bを濃縮作業媒体Bとして使用し得る濃度にする。このような希釈作業媒体Bの循環、脱水処理後に第2開閉弁65を閉じて、濃縮作業媒体Bを循環タンク64に貯留する。第4チャンバー54に移動した水(純水)は、パイプライン201kを通して第2純水タンク72に循環する純水と共に送出される。
濃縮作業媒体Bとして使用し得る濃度の濃縮作業媒体Bを循環タンク64に貯留した後は、第5ポンプ74の駆動を停止し、第4チャンバー54への純水の循環を停止した後、第3開閉弁73を閉じる。なお、第2純水タンク72内の純水が一定量を超えると、第1開閉弁75を開き、パイプライン201nを通して外部に送出して回収される。
第4ポンプ64を駆動して循環タンク64内の濃縮作業媒体Bを濃縮作業媒体タンク34にパイプライン201iを通して送出する。濃縮作業媒体タンク34内の濃縮作業媒体Bは、前述したように原液の濃縮処理に利用するために第2ポンプ47を駆動して浸透圧発生器31の第2チャンバー44内に供給される。
したがって、浸透圧発生器31において、第1チャンバー43に原液を供給し、第2チャンバー44に濃縮作業媒体Bを供給し、原液中の水を第1チャンバー43から第2チャンバー44内の濃縮作業媒体Bに移動させて、原液を濃縮して第1チャンバー43からパイプライン201bを通して排出され、回収する。濃縮作業媒体Bは、移動した水により希釈され、その希釈作業媒体Bは希釈作業媒体タンク32に送出され、貯留される。
浸透圧発生器31による原液の濃縮操作の間、希釈作業媒体タンク32に貯留された希釈作業媒体Bは膜蒸留分離器33の第3チャンバー53を含む希釈作業媒体循環系及び膜蒸留分離器33の第4チャンバー54を含む純水循環冷却系により濃縮操作がなされ、濃縮作業媒体タンク34に送出され、第4チャンバー54に移動した水(純水)は第2純水タンク72から送出、回収される。すなわち、浸透圧発生器31による原液の濃縮操作及び膜蒸留分離器33による希釈作業媒体Bの濃縮を連続的に実行できる。
それ故、産業廃水等の原液(被処理水A)の濃縮処理及び水の回収を効率的に実施し得る、低コストにて運転可能な濃縮システム300を提供できる。
なお、図4に示す濃縮システム300において、浸透圧発生器は第1処理容器41を浸透膜により水平方向に区画して第1チャンバー43、第2チャンバー44を形成したが、第1処理容器を浸透膜により上下に区画して第1チャンバー43、第2チャンバー44を形成してもよい。
図4に示す濃縮システム300において、浸透圧発生器31の第1チャンバー43内の濃縮された被処理水A(例えば原液)をパイプライン201bを通して外部に送出、回収したが、より高濃度に濃縮された原液を得る場合には、パイプライン201bを被処理水タンク45に接続して被処理水タンク45、パイプライン201a、浸透圧発生器31の第1チャンバー43及びパイプライン201bのループを作ってもよい。この場合、浸透圧発生器31における濃縮された原液と濃縮作業媒体Bの間の浸透圧差を考慮して原液の濃縮度合を決定することが望ましい。
図4に示す濃縮システム300において、膜蒸留分離器33の脱水膜52は多孔質ラテックス膜に限らず、蒸気を透過する機能を有するものであれば如何なるものでもよい。
図4に示す濃縮システム300において、希釈作業媒体Bの濃縮は脱水膜52を備える膜蒸留分離器33で行なう場合に限らず、希釈作業媒体Bの水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る水処理システムの1つの例である循環型浸透圧発電システム400を図5に示す概略図を参照して説明する。なお、図5において図4と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。第4実施形態に用いられる作業媒体は、第1実施形態又は第2実施形態の作業媒体Bである。
第5実施形態に係る水処理システムは、循環型浸透圧発電システムである。循環型浸透圧発電システム400は、水流を発生させる浸透圧発生器31と、浸透圧発生器31で発生した水流で発電を行う回転体82を備える。
循環型浸透圧発電システム400は、水を収容する第1チャンバー43と、浸透圧を誘起する作業媒体B(ドロー溶液)を収容する第2チャンバー44と、第1チャンバーと第2チャンバーとを区画する浸透膜42と、第2チャンバー44に接続された圧力交換器81と、圧力交換器81に接続された回転体82とを備える。このような水処理システムによれば、第1チャンバー43内の水と第2チャンバー44内の作業媒体Bとの間で生じる浸透圧差により第1チャンバー44内の水が浸透膜42を透過して第2チャンバー44内の作業媒体Bに移動する。水が作業媒体Bに移動することに伴う水流により回転体82を回して発電する。
第5実施形態は、作業媒体Bが実施形態の溶質を含む水溶液で、高い浸透圧の誘起作用を示す。このため、第1チャンバー43内の水が浸透膜42を透過して第2チャンバー44内の作業媒体Bに移動する際、高い透過流束を発生させることができる。その結果、水が移動された作業媒体Bは高い圧力を持つ水流になるため、回転体82をより高い速度で回して発電することができる。したがって、回転体82を効率的に回転して発電し得る、低コストにて運転可能な水処理システムを提供できる。
回転体82は、例えばタービン、水車を用いることができる。
循環型浸透圧発電システム400は、浸透圧発生器31の第2チャンバー44が位置する第1処理容器41の下部(作業媒体B出口側)に接続したパイプライン201bにおいて、圧力交換器81及び回転体82が作業媒体Bの流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。また、第2チャンバー44が位置する第1処理容器41の上部と濃縮作業媒体タンク34とを接続するパイプライン201cにおいて、第2ポンプ47より作業媒体Bの流れ方向の下流側のパイプライン201c部分が圧力交換器81を経由して第2チャンバー44が位置する第1処理容器41の上部に接続されている。すなわち、浸透圧発生器31において水が第1チャンバー43から浸透膜42を透過して第2チャンバー44に移動したときに発生した流束を有する希釈作業媒体Bは、第2チャンバー44が位置する第1処理容器41の下部から圧力交換器81が設けられたパイプライン201bを通して流出される。この間、濃縮作業媒体タンク34から流出した濃縮作業媒体Bが流通するパイプライン201cは圧力交換器81を経由する。このため、当該濃縮作業媒体Bは、圧力交換器81で第2チャンバー44から流出する希釈作業媒体Bと圧力交換され、希釈作業媒体Bは圧力を下げ、濃縮作業媒体Bは圧力を上昇する。
なお、循環型浸透圧発電システム400において、被処理水タンク45内には水が収容される。
次に、図5に示す循環型浸透圧発電システム400による発電操作を説明する。
第1ポンプ46を駆動して水を被処理水タンク45から浸透圧発生器31の第1チャンバー43内にパイプライン201aを通して供給する。水の供給と前後して第2ポンプ47を駆動して濃縮作業媒体Bを濃縮作業媒体タンク34から浸透圧発生器31の第2チャンバー44内にパイプライン201cを通して供給する。第2チャンバー44に供給された濃縮作業媒体Bは、第1チャンバー43に供給された溶媒のみの水に対して十分に高濃度である。このため、第1チャンバー43内の水と第2チャンバー44内の濃縮作業媒体Bとの間で浸透圧差が生じ、水が浸透膜42を透過して第2チャンバー44内に移動する。このとき、第2チャンバー44内の作業媒体Bは、実施形態の溶質を含む水溶液で、高い浸透圧の誘起作用を示す。このため、第1チャンバー43内の水が浸透膜32を透過して第2チャンバー44内の作業媒体Bに移動する際、高い透過流束を発生する。その結果、第1チャンバー43内の多くの水を第2チャンバー44の濃縮作業媒体Bに移動でき、水により希釈された高い圧力を持つ希釈作業媒体Bが生成される。なお、第1チャンバー43内の水はパイプライン201bを通して排出される。
第2チャンバー44の高い圧力を持つ希釈作業媒体Bは、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して送出され、貯留される。圧力交換器81及び回転体82がパイプライン201dに作業媒体Bの流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。
このため、前述したように圧力交換器81では濃縮作業媒体タンク34からパイプライン201cを通して流れる濃縮作業媒体Bと第2チャンバー44から(回転体82を通って)パイプライン201dを通して流れる高い圧力を持つ希釈作業媒体Bとの間で圧力交換がなされ、希釈作業媒体Bの圧力を下げ、濃縮作業媒体Bの圧力を上昇させる。圧力交換により適正な圧力を持つ希釈作業媒体Bは回転体82に流れ、それを効率的に回転させて発電する。また、圧力交換により適正な圧力を持つ濃縮作業媒体Bは第2チャンバー44に供給される。
希釈作業媒体タンク32に貯留された希釈作業媒体Bは、前述した図4に示す濃縮システム300と同様に膜蒸留分離器33の第3チャンバー53を含む希釈作業媒体循環系及び膜蒸留分離器33の第4チャンバー54を含む純水循環冷却系によって濃縮される。すなわち、第3チャンバー53内で希釈作業媒体Bの水の蒸発、蒸気の脱水膜52の透過、第4チャンバー54への移動、及び第4チャンバー54側での循環する純水による冷却、凝縮をなす脱水処理を複数回繰り返すことによって、希釈作業媒体Bを濃縮作業媒体Bとして使用し得る濃度の作業媒体B(濃縮作業媒体B)として循環タンク64に貯留し、当該濃縮作業媒体Bを濃縮作業媒体タンク34に戻す。濃縮作業媒体タンク34内の濃縮作業媒体Bは、前述したように回転体82を回転させて発電するために第2ポンプ47を駆動して浸透圧発生器31の第2チャンバー44内に供給される。
従って、浸透圧発生器31による回転体82の回転による発電操作及び膜蒸留分離器33による希釈作業媒体Bの濃縮を連続的に実行できる。それ故、タービンなどの回転体82を効率的に回転して発電し得る、低コストにて運転可能な循環型浸透圧発電システム400を提供できる。
なお、図5に示す循環型浸透圧発電システム400において、浸透圧発生器は第1処理容器を浸透膜により水平方向に区画して第1チャンバー43、第2チャンバー44を形成したが、第1処理容器を浸透膜により上下に区画して第1チャンバー43、第2チャンバー44を形成してもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システム400において、浸透圧発生器31の第1チャンバー43内の水をパイプライン201bを通して外部に送出したが、パイプライン201bを被処理水タンク45に接続して被処理水タンク45、パイプライン201a、浸透圧発生器31の第1チャンバー43、パイプライン201bのループを作ってもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システム400において、膜蒸留分離器33の脱水膜52は多孔質ラテックス膜に限らず、蒸気を透過する機能を有するものであれば如何なるものでもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システム400において、希釈作業媒体Bの濃縮は脱水膜を備える膜蒸留分離器33で行なう場合に限らず、希釈作業媒体Bの水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
以下、実施例を説明する。
正浸透試験は以下の通り行った。FOセルにHTI社製CTA−ES膜をセットし、膜の活性面側に被処理水として純水を入れ、その後、支持層側に作業媒体を入れた。作業媒体を入れ終わった時間を0分とし、20分静置した。試験後、活性面側の液体の重量を測定し、液体の比重を1として試験前後の差分から透過流束(Jw)を算出した。また、試験後の活性面側の液体中の全有機炭素濃度を全有機炭素計で、陽イオン濃度をイオンクロマトグラフで測定し、溶質の損失(Js)を算出した。作業媒体に含まれる溶質とその濃度及び実験結果を表1に示す。
DTPA・5Na:ジエチレントリアミン五酢酸5Na塩
DTPMP・7Na:ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)7Na塩
表1から明らかなように複数のホスホン酸基を含む化合物をドロー溶液に用いた実施例1〜7は一般に用いられる無機塩に対して溶質の損失が非常に小さい。また、カルボン酸基を有するナトリウム塩を溶質に用いた比較例では、Js/Jwが実施例に対して劣っている。かかる特性を有する作業媒体を使用することで、浸透圧を利用した水処理システムのランニングコストを小さくすることができる。また、これらの浸透圧作用によって生じる水流を用いて発電することで、低コストに発電をすることができる。
明細書中、一部の元素は、元素記号のみで表している。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の種々の形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
A…被処理水、
B…作業媒体、
C…水
1、31…浸透圧発生器、
2、32…希釈作業媒体タンク、
3…逆浸透膜分離器、
4、34…濃縮作業媒体タンク、
11、41…第1処理容器、
12、42…浸透膜、
13、43…第1チャンバー、
14、44…第2チャンバー、
15、45…被処理水タンク、
16…第1ポンプ、
17…第2ポンプ、
21、51…第2処理容器、
22…逆浸透膜(RO膜)、
23、53…第3チャンバー、
24、54…第4チャンバー、
25…第3ポンプ、
26…純水タンク、
27…開閉弁、
33…膜蒸留分離器、
52…脱水膜、
61…第1開閉弁、
62…熱交換器、
64…循環タンク、
65…第2開閉弁、
66…第4ポンプ、
71…第1純水タンク、
72…第2純水タンク、
73…第3開閉弁、
74…第5ポンプ、
75…第4開閉弁、
81…圧力交換器、
82…回転体、
100…水処理システム、
101…パイプライン、
200…脱塩システム、
201…パイプライン、
300…濃縮システム300、
400…循環型浸透圧発電システム

Claims (12)

  1. 被処理水を収容する第1チャンバーと浸透圧を誘起する作業媒体を収容する第2チャンバーとを区画する浸透膜を備える第1処理容器を有し、
    前記作業媒体が主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物と無機塩を溶質として含む水溶液であり、
    前記無機塩は、アルカリ土類金属の塩又はアンモニウム塩であり、
    前記無機塩の濃度は、0.4mol/L以上10mol/L以下である水処理システム。
  2. 前記作業媒体中の主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物の濃度は、0.05mol/L以上1.0mol/L以下である請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、C で表され、
    前記Mは、アルカリ金属であり、x、y、z、w、sとtは、2≦x≦20、8≦y≦30、1≦z≦6、3≦w≦18、0≦s≦3、2≦t≦10を満たす請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、式(1)、(2)、(3)(4)又は(5)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有する化合物であり、
    前記式(1) 式のR11〜R13は、Cn12n1(n1は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記X11〜X13は、それぞれ、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)であり、
    前記式(2)中のR21〜R27は、Cn22n2(n2は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記X21〜X27は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(3)中のR31〜R35は、Cn32n3(n3は0から3までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(3)中のR32〜R35は、任意にカルボン酸基を含み、前記式(3)中のX31〜X34は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(4)中のR41〜R49は、Cn42n4(n4は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(4)中のX41〜X46は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(5)中のR51〜R54は、Cn52n5(n5は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(5)中のX51〜X54は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH)とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH)であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水処理システム。
  5. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、ニトリロ三酢酸2Na塩、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノニ酢酸2Na塩、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)5Na塩、ジエチレントリアミン五酢酸3Na塩、ジエチレントリアミン五酢酸5Na塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)7Na塩、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸3Na塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸4Na塩、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸2Na塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸4Na塩、エチレンジアミンジスクシン酸3Na塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸5Na、3−カルボキシ−3−ホスホノヘキサン二酸5Naからなる群のうちのいずれか1種以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  6. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物に含まれるカルボン酸基とホスホン酸基の総数は、5以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物は、アミノ酸である請求項1又は3に記載の水処理システム。
  8. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物は、アルギニンである請求項1ないし3及び7のいずれか1項に記載の水処理システム。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水処理システムは、回転体をさらに有し、
    前記浸透圧の誘起によって、水流が生じ、
    前記水流によって前記回転体を回転させて発電する水処理システム。
  10. 主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物と無機塩を溶質として含み、
    前記無機塩は、アルカリ土類金属の塩又はアンモニウム塩であり、
    前記無機塩の濃度は、0.4mol/L以上10mol/L以下であって、
    浸透圧を誘起する溶媒として用いられる作業媒体。
  11. 前記作業媒体中の主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物の濃度は、0.05mol/L以上1.0mol/L以下である請求項10に記載の浸透圧を誘起する溶媒として用いられる作業媒体。
  12. 前記主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造を有する化合物、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物、又は、主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にカルボン酸基の金属塩構造並びに主鎖、側鎖、若しくは主鎖及び側鎖にホスホン酸基の金属塩構造を有する化合物は、式(1)、(2)、(3)(4)又は(5)で表される構造を有する化合物のカルボン酸基、ホスホン酸基、又は、カルボン酸基及びホスホン酸基が金属塩構造を有する化合物であり、
    前記式(1) 式のR 11 〜R 13 は、C n1 2n1 (n1は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記X 11 〜X 13 は、それぞれ、−COOH、−P(OH) とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH) であり、
    前記式(2)中のR 21 〜R 27 は、C n2 2n2 (n2は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記X 21 〜X 27 は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH) とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH) であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(3)中のR 31 〜R 35 は、C n3 2n3 (n3は0から3までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(3)中のR 32 〜R 35 は、任意にカルボン酸基を含み、前記式(3)中のX 31 〜X 34 は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH) とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH) であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(4)中のR 41 〜R 49 は、C n4 2n4 (n4は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(4)中のX 41 〜X 46 は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH) とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH) であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基であり、
    前記式(5)中のR 51 〜R 54 は、C n5 2n5 (n5は0から2までの整数のいずれか)のアルキル鎖であり、前記式(5)中のX 51 〜X 54 は、それぞれ、H、−COOH、−P(OH) とOHからなる群のうちのいずれかであり、一分子中少なくとも2つのXは、−COOH又はP(OH) であり、一分子中少なくとも3つのXは、H以外の官能基である請求項10又は11に記載の浸透圧を誘起する溶媒として用いられる作業媒体。
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