JP6648679B2 - 冷却システム - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、エンジン及びモータを駆動源とする車両の冷却システムに関する。
特許文献1には、エンジン及びモータを駆動源とする車両の冷却システム(車両用暖房装置)が開示されている。
エンジンの作動時には、冷却液(熱媒体)がモータを通らずにエンジンを通り、エンジンの熱を熱源とする暖房が行われる。一方、エンジンの停止時には、弁が切り替えられて、冷却液がエンジンを通らずにモータを通り、モータの熱とヒータの熱を熱源とする暖房が行われる。
特開平11−334347号公報
ヒータとして電気ヒータを用いる場合、車両に搭載された電池の電力を使用する。上記した従来の冷却システムでは、主としてエンジン停止時に電気ヒータが使用される。特に、EV走行モード中に信号待ちなどで車両が停車する場合、電力変換装置(たとえばインバータ)やモータの発熱が減少するため、電気ヒータの作動時間が長くなり、燃費が低下するという問題がある。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、エンジン及びモータを駆動源とする車両の冷却システムにおいて、暖房要求を満たしつつ燃費を向上することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつである冷却システムは、エンジン(1)及びモータ(2)を駆動源とする車両の冷却システムであって、
エンジンを通って、第1冷却液を循環させる第1流路(11)と、
第1冷却液が流入しないように第1流路に対して独立して設けられ、直流電源とモータとの間で電力変換を行う電力変換装置(3)及びモータの少なくとも一方を通って、第2冷却液を循環させる第2流路(12)と、
第1冷却液及び第2冷却液が流入しないように第1流路及び第2流路に対して独立して設けられ、車両の室内に温風を送るためのヒータコア(51)を通って、第3冷却液を循環させる第3流路(13)と、
第1冷却液、第2冷却液、及び第3冷却液の間の熱交換を提供する熱交換器(14)と、
ヒータコアの上流側において、車両に搭載された電池の電力により第3冷却液を加熱する電気ヒータ(15)と、
第1流路に設けられ、閉状態において熱交換器側への第1冷却液の流れを遮断し、開状態において熱交換器側への第1冷却液の流れを許容する第1バルブ(16)と、
第2流路に設けられ、閉状態において熱交換器側への第2冷却液の流れを遮断し、開状態において熱交換器側への第2冷却液の流れを許容する第2バルブ(17)と、
第2冷却液の温度及び熱交換器と電気ヒータの間における3冷却液の温度をそれぞれ検出する温度センサ(20,21)と、
電気ヒータの動作状態と第1バルブ及び第2バルブの開閉状態を制御する制御部(22)と、
を備え、
暖房要求が入力されると、制御部は、
エンジンの作動時において、第1バルブを開状態に制御し、
エンジンの停止時において、第2バルブを開状態に制御するとともに、
第2バルブを開状態に制御する期間において、第3冷却液の温度が暖房要求を満たすための目標温度以上である第1条件と、第2冷却液の温度が所定の閾値温度よりも高い温度である第2条件の両方を満たす場合、第1バルブを開状態に制御し、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たさない場合、第1バルブを閉状態に制御し、第1条件を満たさない場合、電気ヒータへの通電を許可する。
この冷却システムによれば、エンジン停止時に第2冷却液を熱交換器側に流す。これにより、第2冷却液の熱が第3冷却液に伝わる。このように、暖房に、電力変換装置及びモータの少なくとも一方の熱を利用するため、電気ヒータの作動時間を短縮できる。
また、第1条件及び第2条件を満たす場合、すなわち第2冷却液に余熱がある場合、熱交換器側に第1冷却液を流す。これにより、第2冷却液の余熱が第1冷却液に伝わる。このように、電力変換装置及びモータの少なくとも一方の廃熱を、放熱によって捨てるのではなく、第1冷却液に蓄熱する。したがって、信号待ちなどで、モータや電力変換装置の発熱が減少して第2冷却液の温度が降下する場合でも、第1冷却液に蓄えられた熱により、電気ヒータの作動時間を短縮できる。以上により、暖房要求を満たしつつ、従来よりも燃費を向上することができる。
第1実施形態に係る車両の冷却システムを示す図である。 ECUが実行する冷却液の切替処理を示すフローチャートである。 エンジン作動時における冷却液の流れを示す図である。 EV走行モードにおいて、第2冷却液に余熱がない状態の冷却液の流れを示す図である。 EV走行モードにおいて、第2冷却液に余熱がある状態の冷却液の流れを示す図である。 冷却システムの動作形態の一例を示すタイムチャートである。 ECUが実行する異常検出処理を示すフローチャートである。 冷却システムの動作形態の一例を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、車両の冷却システムについて説明する。
本実施形態の車両は、走行用の駆動源としてエンジン1及びモータ2を備えたハイブリッド車両である。図1に示すように、この車両の冷却システム10は、第1流路11、第2流路12、第3流路13、熱交換器14、電気ヒータ15、第1バルブ16、第2バルブ17、第3バルブ18、温度センサ19〜21、及びECU(Electronic Control Unit)22を備えている。
第1流路11は、エンジン1を冷却するために、第1冷却液を循環させる流路である。第2流路12は、モータ2及び図示しない直流電源(車載バッテリ)とモータ2との間で電力変換を行うPCU(Power Control Unit)3の少なくとも一方を冷却するために、第2冷却液を循環させる流路である。本実施形態の第2流路12は、モータ2及びPCU3の両方を冷却するために第2冷却液を循環させる。PCU3が電力変換装置に相当し、インバータや昇圧コンバータなどを有している。第3流路13は、車室内を暖房するために、第3冷却液を循環させる流路である。第1冷却液、第2冷却液、第3冷却液は、それぞれ第1冷却水、第2冷却水、第3冷却水とも称される。
第1流路11には、第1冷却液を循環させるために、電動のウォーターポンプ30が設けられている。ウォーターポンプ30より吐出された第1冷却液は、エンジン1内のウォータージャケットに送られる。エンジン1の下流において、第1流路11は、2つの流路に分岐されている。この分岐点に、第1バルブ16が設けられている。
第1流路11は、エンジン1を通る共通流路11a、分岐された流路の一方である冷却流路11b、他方である熱交換流路11cを有している。共通流路11aにおける第1バルブ16とは反対の端部には、冷却流路11b及び熱交換流路11cが連なっている。第1バルブ16は、冷却流路11b及び熱交換流路11cそれぞれに流れる第1冷却液の流量を調整可能な弁である。第1バルブ16は、冷却流路11b及び熱交換流路11cのそれぞれに対し、閉状態において第1冷却液の流れを遮断し、少なからず開とされた開状態において第1冷却液の流れを許容する。第1バルブ16は、ECU22によって制御可能なバルブ(たとえば電磁弁)である。第1バルブ16は、共通流路11aから入る第1冷却液を2方向に分割して流すことが可能な流量調整弁である。
以下においては、便宜上、第1バルブ16のうち、冷却流路11bに対する第1冷却液の遮断/許容をする部分を第1バルブ16の上側と示し、熱交換流路11cに対する第1冷却液の遮断/許容をする部分を第1バルブ16の下側と示す。たとえば、第1バルブ16の下側を閉状態にすると、共通流路11aから熱交換流路11c(熱交換器14)への第1冷却液の流れが遮断されることとなる。
共通流路11aには、ウォーターポンプ30が設けられている。ウォーターポンプ30は、エンジン1の上流側に設けられている。共通流路11aにおいて、エンジン1よりも下流側には、第1冷却液の温度である水温T1を検出するために、温度センサ19が配置されている。温度センサ19は、エンジン1と第1バルブ16の間に設けられている。
冷却流路11bには、第1冷却液を放熱により冷却するためのラジエータ31が設けられている。第1バルブ16の上側が開状態に制御されると、エンジン1を通過した第1冷却液は、第1バルブ16を通じて冷却流路11b側に流れる。そして、ラジエータ31により冷却された第1冷却液が、冷却流路11b及び共通流路11aを通じて、ウォーターポンプ30に戻るようになっている。図1では、冷却流路11bにおける第1冷却液の流れを実線矢印で示している。
熱交換流路11cは、該熱交換流路11cの一部として、熱交換器14を構成する第1熱交換部14aを有している。第1バルブ16の下側が熱交換流路11cに対して開状態に制御されると、エンジン1を通った第1冷却液は、第1バルブ16を通じて熱交換流路11c側に流れる。そして、第1熱交換部14aを通った第1冷却液は、熱交換流路11c及び共通流路11aを通じて、ウォーターポンプ30に戻るようになっている。図1では、熱交換流路11cにおける第1冷却液の流れを実線矢印で示している。
第2流路12は、第2冷却液が第1冷却液及び第3冷却液と混ざらないように、第1流路11及び第3流路13に対して独立して設けられている。第2流路12には、第2冷却液を循環させるために、電動のウォーターポンプ40が設けられている。ウォーターポンプ40より吐出された第2冷却液は、モータ2及びPCU3を通過する。本実施形態では、モータ2、PCU3の順に通過するが、PCU3を先に通過する配置としてもよい。モータ2及びPCU3の下流において、第2流路12は、2つの流路に分岐されている。この分岐点に、第2バルブ17が設けられている。
第2流路12は、モータ2及びPCU3を通る共通流路12a、分岐された流路の一方である冷却流路12b、他方である熱交換流路12cを有している。共通流路12aにおける第2バルブ17とは反対の端部には、冷却流路12b及び熱交換流路12cが連なっている。第2バルブ17は、冷却流路12b及び熱交換流路12cそれぞれに流れる第2冷却液の流量を調整可能な弁である。第2バルブ17は、冷却流路12b及び熱交換流路12cのそれぞれに対し、閉状態において第2冷却液の流れを遮断し、少なからず開とされた開状態において第2冷却液の流れを許容する。第2バルブ17も、ECU22によって制御可能なバルブである。第2バルブ17は、共通流路12aから入る第2冷却液を2方向に分割して流すことが可能な流量調整弁である。
以下においては、便宜上、第2バルブ17のうち、冷却流路12bに対する第2冷却液の遮断/許容をする部分を第2バルブ17の上側と示し、熱交換流路12cに対する第2冷却液の遮断/許容をする部分を第2バルブ17の下側と示す。たとえば、第2バルブ17の下側を閉状態にすると、共通流路12aから熱交換流路12c(熱交換器14)への第2冷却液の流れが遮断されることとなる。
共通流路12aには、ウォーターポンプ40が設けられている。ウォーターポンプ40は、モータ2の上流側に設けられている。共通流路12aにおいて、モータ2及びPCU3よりも下流側には、第2冷却液の温度である水温T2を検出するために、温度センサ20が配置されている。温度センサ20は、PCU3と第2バルブ17の間に設けられている。
冷却流路12bには、第2冷却液を放熱により冷却するためのラジエータ41が設けられている。第2バルブ17の上側が開状態に制御されると、モータ2及びPCU3を通過した第2冷却液は、第2バルブ17を通じて冷却流路12b側に流れる。そして、ラジエータ41により冷却された第2冷却液が、冷却流路12b及び共通流路12aを通じて、ウォーターポンプ40に戻るようになっている。図1では、冷却流路12bにおける第2冷却液の流れを実線矢印で示している。
熱交換流路12cは、該熱交換流路12cの一部として、熱交換器14を構成する第2熱交換部14bを有している。第2バルブ17の下側が熱交換流路12cに対して開状態に制御されると、モータ2及びPCU3を通った第2冷却液は、第2バルブ17を通じて熱交換流路12c側に流れる。そして、第2熱交換部14bを通った第2冷却液は、熱交換流路12c及び共通流路12aを通じて、ウォーターポンプ40に戻るようになっている。図1では、熱交換流路12cにおける第2冷却液の流れを実線矢印で示している。
第3流路13は、第3冷却液が第1冷却液及び第2冷却液と混ざらないように、第1流路11及び第2流路12に対して独立して設けられている。第3流路13には、第3冷却液を循環させるために、電動のウォーターポンプ50が設けられている。第3流路13は、該第3流路13の一部として、熱交換器14を構成する第3熱交換部14cを有している。本実施形態では、第3熱交換部14cの下流側に、ウォーターポンプ50が配置されている。
第3流路13には、第3バルブ18が設けられている。第3バルブ18は、閉状態で第3冷却液の流れを遮断し、開状態で第3冷却液の流れを許容する開閉弁である。第3バルブ18は、ECU22によって開閉制御が可能なバルブである。第3バルブ18は、ヒータコア51の上流に配置される。本実施形態では、第3バルブ18が、ウォーターポンプ50の下流側に設けられている。
また、第3流路13には、ヒータコア51、電気ヒータ15、及び温度センサ21が設けられている。ヒータコア51は、車室内に温風を送るために、第3冷却液と車室内に送り出される空気とを熱交換する。ヒータコア51は、図示しない送風機などとともに、ヒータユニットを構成している。本実施形態では、第3バルブ18の下流側にヒータコア51が配置されている。第3バルブ18が閉状態となることで、ヒータコア51への第3冷却液の流れが遮断される。
電気ヒータ15は、第3流路13において、ヒータコア51よりも上流側に設けられている。電気ヒータ15は、車載バッテリの電力の供給を受けて発熱し、第3冷却液を加熱する。電気ヒータ15の通電は、ECU22により制御される。本実施形態では、電気ヒータ15が、ヒータコア51と第3バルブ18の間に設けられている。
温度センサ21は、電気ヒータ15よりも上流側における第3冷却液の温度である水温T3を検出する。本実施形態では、温度センサ21が、熱交換器14を構成する第3熱交換部14cとウォーターポンプ50との間に設けられている。
このように構成される第3流路13では、第3冷却液が、第3熱交換部14c、温度センサ21、ウォーターポンプ50、第3バルブ18、電気ヒータ15、ヒータコア51の順に通過して循環される。図1では、第3冷却液の流れを実線矢印で示している。
熱交換器14は、第1冷却液、第2冷却器、及び第3冷却液の間の熱交換を提供する。熱交換器14は、上記したように、第1流路11の一部をなす第1熱交換部14a、第2流路12の一部をなす第2熱交換部14b、及び第3流路13の一部をなす第3熱交換部14cを有して構成されている。第1熱交換部14a、第2熱交換部14b、及び第3熱交換部14cは、第1冷却液と第3冷却液との間の熱交換が可能であり、第2冷却液と第3冷却液との間の熱交換が可能であり、且つ、第2冷却液と第1冷却液との間の熱交換が可能となるように配置されている。図1では、便宜上、第1熱交換部14aと第2熱交換部14bの間に第3熱交換部14cを配置した図としている。
ECU22は、制御部に相当する。ECU22は、マイコンを有している。マイコンは、CPU、ROM、RAM、レジスタ、及びI/Oポートなどを備えたマイクロコンピュータである。マイコンにおいて、CPUが、RAMやレジスタの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された制御プログラム、バスを介して取得した各種情報などに応じて所定の処理を実行する。また、この処理で得られた信号を出力する。このようにして、マイコンは、各種機能を実行する。本実施形態では、ECU22が、車両を統合的に制御するハイブリッドECUとして構成されている。冷却システム10を制御する機能は、ECU22の機能の一部である。
ECU22には、各種センサの検出信号、外部ECUからの信号、スイッチ類からの信号などが入力される。ECU22は、これら入力信号に基づいて、電気ヒータ15、第1バルブ16、第2バルブ17、第3バルブ18、及びウォーターポンプ30,40,50を制御する。すなわち、冷却システム10を制御する。
具体的には、ECU22に、温度センサ19〜21の検出信号として水温T1,T2,水温T3が入力される。また、ECU22に、図示しない温度センサの検出信号として車外の温度である外気温T4が入力されるとともに、図示しないエアコンECUの出力信号としてユーザの暖房要求を示す信号が入力される。図1では、便宜上、電気ヒータ15、第1バルブ16、第2バルブ17、及び第3バルブ18に対してのみ、ECU22の出力信号を示す実線矢印を示している。
次に、図2〜図5に基づき、ECU22が実行する冷却システム10の制御処理のうち、冷却液の切替処理について説明する。ECU22は、該ECU22の電源が投入された状態で、図2に示す処理を所定の周期(たとえば65ms)で繰り返し実行する。第1バルブ16の下側、第2バルブ17の下側、及び第3バルブ18は、電源投入直後において初期的に閉状態とされる。
図2に示すように、先ずECU22は、暖房要求があるか否かを判定する(ステップS10)。ユーザがたとえばスイッチを操作すると、エアコンECUに暖房要求が入力され、エアコンECUは、ECU22に暖房要求があることを示す信号を出力する。当該信号が入力されると、ECU22は、ユーザの暖房要求があると判定する。
暖房要求ありと判定すると、ECU22は、エンジン1が作動中か否かを判定する(ステップS12)。換言すれば、エンジン走行モードであるか否かを判定する。ECU22は、たとえばエンジン回転数に基づいて、エンジン1が作動中か否かを判定する。エンジン回転数は、他のECU、たとえば図示しないエンジンECUから取得してもよいし、ECU22が算出してもよい。
エンジン1が作動中と判定すると、ECU22は、第1バルブ16の下側が開状態、第2バルブ17の下側が閉状態、第3バルブが開状態となるように、第1バルブ16、第2バルブ17、及び第3バルブ18を制御する(ステップS14)。すなわち、第1冷却液が共通流路11aから熱交換流路11c側に流れて第1熱交換部14aを通過し、第2冷却液が共通流路12aから熱交換流路12c側に流れず、且つ、第3冷却液が第3流路13を循環するように、制御する。そして、所定の処理を終了する。
図3は、ステップS14の処理を実行した状態、すなわちエンジン作動時の冷却液の流れを示している。第1冷却液は、実線矢印で示すように、ウォーターポンプ30から、エンジン1、第1バルブ16、第1熱交換部14a(熱交換器14)の順に通過し、ウォーターポンプ30に戻る経路で循環する。第2冷却液は、第2バルブ17の下側で遮断され、共通流路12aから熱交換流路12c側に流れない。第3冷却液は、実線矢印で示すように、ウォーターポンプ50から、第3バルブ18、電気ヒータ15、ヒータコア51、第3熱交換部14c(熱交換器14)の順に通過し、ウォーターポンプ50に戻る経路で循環する。
エンジン作動時において、エンジン1の熱により第1冷却液の温度は高くなる(たとえば90℃程度)。このため、熱交換器14において、第1冷却液の熱が第3冷却液に伝わる。第1冷却液により温められた第3冷却液は、第3流路13内を循環し、ヒータコア51にて車室内に送り出される空気と熱交換される。このように、エンジン1の熱を利用して、車室内に温風を送ることができる。一方、第1冷却液の熱は第2冷却液に伝わらないため、熱交換により、モータ2やPCU3が過熱状態となるのを防ぐことができる。
なお、エンジン作動時において、ECU22は、エンジン1が過度に熱くならないように、第1バルブ16の上側を制御する。ECU22は、たとえば水温T1に応じた開度(流量)となるように、第1バルブ16の上側を制御する。ECU22は、共通流路11aから、冷却流路11b及び熱交換流路11cの両方に第1冷却液が流れるように、第1バルブ16を制御する。第2バルブ17の上側の制御については特に限定されない。たとえば水温T2に応じた開度(流量)となるように制御する。
一方、ステップS12でエンジン1が作動しておらず停止中である、すなわちモータ2によるEV走行モードであると判定すると、次いでECU22は、第2バルブ17の下側が開状態、第3バルブが開状態となるように、第2バルブ17及び第3バルブ18を制御する(ステップS16)。すなわち、第2冷却液が共通流路12aから熱交換流路12c側に流れて第2熱交換部14bを通過し、且つ、第3冷却液が第3流路13を循環するように、制御する。第1バルブ16の下側については、開閉状態が維持される。
ステップS16の処理が終了すると、次いでECU22は、外気温T4に応じて、目標温度Ttgを設定する(ステップS18)。目標温度Ttgは、電気ヒータ15を使用しなくても、第3冷却液が暖房要求を満たせるまで温まっているかの判断基準である。ECU22は、外気温T4が低いほど、目標温度Ttgとして高い温度を設定する。たとえば外気温T4が5℃の場合、外気温T4が15℃の場合よりも高い温度を設定する。外気温T4と目標温度Ttgとの対応関係は、たとえばマップや関数として予めメモリに記憶されている。
次いでECU22は、第3冷却液の水温T3が目標温度Ttg以上との第1条件を満たすか否かを判定する(ステップS20)。水温T3が目標温度Ttg以上の場合、ECU22は、電気ヒータ15を使用せずとも、第2冷却液の熱により暖房要求を満たせると判断する。一方、水温T3が目標温度Ttg未満の場合、ECU22は、第2冷却液の熱だけでは暖房要求を満たすには不十分であると判断する。
水温T3が目標温度Ttg未満であると判定すると、ECU22は、第1バルブ16の下側を閉状態に制御する(ステップS22)。すなわち、第1冷却液が、共通流路11aから熱交換流路11c側に流れないようにする。
次いでECU22は、車載バッテリから電気ヒータ15への電力の供給を許可する。すなわち、電気ヒータ15をオン状態にする(ステップS24)。そして、一連の処理を終了する。通電により電気ヒータ15は発熱し、第3冷却液が加熱される。このように、第2冷却液の熱のみによって暖房要求を満たせない場合には、電気ヒータ15を使用する。なお、ステップS22,S24の処理の順番を入れ替えてもよい。
一方、ステップS20において、水温T3が目標温度Ttg以上であると判定すると、ECU22は、EV走行中の停車か否かを判定する(ステップS26)。すなわち、EV走行モードのまま停車状態となっているか否かを判定する。停車か否かは、モータ2やPCU3の作動状態に基づき、判定することができる。停車ではないと判定すると、ECU22は、第2冷却液の水温T2が所定の閾値Tthよりも高いとの第2条件を満たすか否かを判定する(ステップS28)。閾値Tthは、第2冷却液の熱を、第1冷却液にも伝えてもよいのか、すなわち蓄熱してもよいのかの判断基準である。閾値Tthは、予めメモリに記憶されている。
水温T2が閾値Tth以下であると判定すると、ECU22は、ステップS22同様、第1バルブ16の下側を閉状態に制御する(ステップS30)。そして、一連の処理を終了する。
水温T2が閾値Tthよりも高いと判定すると、ECU22は、第2冷却液の水温T2が、第1冷却液の水温T1よりも高いか否かを判定する(ステップS32)。水温T2が水温T1以下であると判定すると、ECU22は、ステップS30の処理を実行し、一連の処理を終了する。
図4は、ステップS22,S30の処理を実行した状態の冷却液の流れを示している。第1冷却液は、第1バルブ16の下側で遮断され、共通流路11aから熱交換流路11c側に流れない。第2冷却液は、実線矢印で示すように、ウォーターポンプ40から、モータ2、PCU3、第2バルブ17、第2熱交換部14b(熱交換器14)の順に通過し、ウォーターポンプ40に戻る経路で循環する。第3冷却液は、実線矢印で示すように、図3同様に循環する。
モータ2及びPCU3が作動すると、第2冷却液の温度は、エンジン作動時の第1冷却液の温度より低いものの、高くなる。熱交換器14において、第2冷却液の熱が第3冷却液に伝わると、第2冷却液により温められた第3冷却液は、ヒータコア51にて車室内に送り出される空気と熱交換される。このように、モータ2及びPCU3の熱を利用して、車室内に温風を送ることができる。
なお、EV走行モードにおいて、ECU22は、モータ2及びPCU3が過度に熱くならず、且つ、第3冷却液への熱伝達が可能なように、第2バルブ17の上側を制御する。ECU22は、たとえば水温T2に応じた開度(流量)となるように、第2バルブ17の上側を制御する。ECU22は、共通流路12aから、冷却流路12b及び熱交換流路12cの両方に第2冷却液が流れるように、第2バルブ17を制御する。第1バルブ16の上側の制御については特に限定されない。たとえば水温T1に応じた開度(流量)となるように制御する。
一方、ステップS32において、水温T2が水温T1よりも高いと判定すると、ECU22は、第1バルブ16の下側を開状態に制御する(ステップS34)。図5は、ステップS34の処理を実行した状態の冷却液の流れを示している。
図5に示すように、第2冷却液は、図4同様に、ウォーターポンプ40から、モータ2、PCU3、第2バルブ17、第2熱交換部14b(熱交換器14)の順に通過し、ウォーターポンプ40に戻る経路で循環する。第3冷却液は、実線矢印で示すように、図3同様に循環する。さらに、第1冷却液が、実線矢印で示すように、ウォーターポンプ30から、エンジン1、第1バルブ16、第1熱交換部14a(熱交換器14)の順に通過し、ウォーターポンプ30に戻る経路で循環する。
このように、電気ヒータ15を使用せずとも第3冷却液の水温T3が暖房要求を満たし、さらに第2冷却液に余熱がある場合には、第2冷却液の余熱を第1冷却液に伝えるように制御する。したがって、従来であればラジエータにより放熱してしまう熱、すなわちモータ2及びPCU3の廃熱を、第1冷却液に蓄熱することができる。
なお、ステップS32の処理を省略し、ステップS28にて水温T2が閾値Tthよりも高いと判定すると、ステップS34の処理を実行するようにしてもよい。この場合、水温T2が水温T1よりも高ければ、第2冷却液の熱が第1冷却液に伝わることとなる。しかしながら、水温T1が水温T2よりも高い場合、第1冷却液の熱が第2冷却液に伝わり、第2冷却液の温度が上昇することとなる。よって、ステップS32の処理を実行するとよい。
ステップS26において停車中であると判定すると、ECU22は、水温T1,T2のそれぞれと目標温度Ttgとを比較し(ステップS36)、水温T2が目標温度Ttg未満であるか否かを判定する(ステップS38)。水温T2が目標温度Ttg未満の場合、第3冷却液から第2冷却液への伝熱を抑制する、すなわち電気ヒータ15のロスを低減するために、第2バルブ17の下側を閉状態に制御する(ステップS40)。すなわち、第2冷却液が、共通流路12aから熱交換流路12c側に流れないようにする。
次いでECU22は、水温T1が目標温度Ttg未満であるか否かを判定する(ステップS42)。なお、ステップS38において、水温T2が目標温度Ttg未満ではないと判定した場合にも、ステップS42の処理を実行する。水温T1が目標温度Ttg未満の場合、第3冷却液から第1冷却液への伝熱を抑制する、すなわち電気ヒータ15のロスを低減するために、上記したステップS30の処理を実行する。すなわち、第1バルブ16の下側を閉状態に制御する。水温T1が目標温度Ttg以上の場合、ステップS30の処理を実行することなく、一連の処理を終了する。
また、ステップS10で、暖房要求なしと判定すると、ECU22は、第3バルブ18を閉状態に制御する(ステップS44)。これにより、第3流路13において第3冷却液の循環が停止する。これにより、ヒータコア51に第3冷却液が流れて、車室内に温風が送り出されるのを抑制することができる。すなわち、ユーザの違和感を抑制することができる。
次いで、ECU22は、第2バルブ17の下側を開状態に制御する(ステップS46)。これにより、共通流路12aから熱交換流路12c側に第2冷却液が流れ、第2冷却液が第2熱交換部14b(熱交換器14)を通過する。
そして、ECU22は、異常検出処理を実行する(ステップS48)。異常検出処理については、後述する。異常検出処理の実行後、一連の処理を終了する。
図6は、こうした冷却システム10の動作態様の一例を示している。
時刻t1の前にエンジン走行モードからEV走行モードに切り替わっており、時刻t1において、水温T2は、モータ2及びPCU3の作動により上昇過程にある。時刻t1の直前において、水温T3は、目標温度Ttgより高い温度となっている。水温T1は、時刻t1において、エンジン1の停止により下降過程にある。時刻t2の時点で、水温T1は水温T2よりも低くなっている。ECU22は、水温T2が所定値となるように、第2バルブ17を制御する。具体的には、冷却流路11b側と熱交換流路11c側との流量分配を制御する。図6では、目標温度Ttgが一定の場合を示している。
時刻t1において、暖房要求が入力されると、第3バルブ18が開状態となる。これにより、第2冷却液の熱が第3冷却液に伝わる。第2冷却液により温められた第3冷却液は、ヒータコア51に流れて熱交換される。水温T3は、目標温度Ttgよりも高い値に保持されるため、電気ヒータ15はオフ状態のままである。
時刻t2において、水温T2が閾値Tthに到達すると、第1バルブ16の下側が開状態となる。これにより、第1冷却液が熱交換器14側に流れる。熱交換器14において、第2冷却液の熱が第1冷却液に伝わり、水温T1が上昇に転ずる。なお、第1バルブ16の下側が開状態となるのは、上記したように、第2冷却液の余熱を第1冷却液に伝えてもよい条件を満たした場合である。よって、電気ヒータ15を使わなくとも、水温T3は保持される。また、モータ2及びPCU3の廃熱が第1冷却液に蓄熱される。水温T2は、時刻t3になる前に、所定値となる。
時刻t3において、車両がたとえば信号待ちでEV走行モードのまま停車状態となると、モータ2及びPCU3の発熱が減少し、水温T2は降下する。また、水温T1,T3も降下する。しかしながら、上記したように、第1冷却液に蓄熱していた分、水温T3の降下は緩やかとなる。第1冷却液、第2冷却液、及び第3冷却液間で熱交換されるため、水温T2の降下も緩やかとなる。
時刻t4において、水温T1が目標温度Ttgまで降下すると、第1バルブ16の下側が閉状態となる。これにより、第1流路11において、熱交換器14側への第1冷却液の流れが遮断される。すなわち、第2冷却液や第3冷却液の熱が、第1冷却液に伝わらない状態となる。
時刻t5において、水温T3が目標温度Ttgまで降下すると、電気ヒータ15がオン状態となり、発熱する。これにより、第3冷却液が加熱され、水温T3が目標温度Ttgで保持される。なお、水温T1が目標温度Ttgまで降下する前に、水温T3が目標温度Ttgまで降下する場合、電気ヒータ15の通電とともに第1バルブ16の下側が閉状態となる。また、水温T3が目標温度Ttgまで降下する前に、水温T2が目標温度Ttgまで降下する場合、電気ヒータ15の通電の前に、第2バルブ17の下側が閉状態となる。
次に、図7に基づき、ECU22が実行する異常検出処理(ステップS48の処理)について説明する。
図7に示すように、先ずECU22は、第1バルブ16、第2バルブ17、及び第3バルブ18の開閉状態を変更してから、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS50)。すなわち、水温T1,T2,T3が安定したかどうかを判定する。
各バルブ16,17,18の変更タイミングは、上記したステップS14,S22,S30,S34,S44,S46と、後述するステップS68である。所定時間は、各バルブ16,17,18で同じ値としてもよいし、バルブ16,17,18ごとに個別に設定してもよい。所定時間が経過していないと判定すると、一連の処理を終了する。
一方、所定時間が経過したと判定すると、ECU22は、水温T3と水温T2の差分の絶対値が、あらかじめ設定された所定値A以上であるか否かを判定する(ステップS52)。上記したステップS44,S46の処理により、第3冷却液のヒータコア51への流れが遮断され、且つ、第2冷却液と第3冷却液との間で熱交換がなされるため、温度センサ20,21がともに正常の場合、所定時間が経過した時点で水温T3は水温T2とほぼ等しくなる。すなわち、差分の絶対値が所定値A未満となる。差分の絶対値が所定値A未満の場合、温度センサ20,21がともに正常として、一連の処理を終了する。
差分の絶対値が所定値A以上の場合、温度センサ20,21の少なくとも一方に故障が生じている虞がある。たとえば温度センサ20に異常が生じている場合、PCU3の温度が過度に高くなる虞がある。そこで、差分の絶対値が所定値A以上の場合、ECU22は、PCU3に出力制限をかける(ステップS54)。ECU22は、PCU3の発熱量が小さくなるように、PCU3の制御に制限をかける。ECU22は、たとえばインバータを構成する各スイッチの制御を、PWM制御から矩形制御に切り替えるようにする。また、昇圧を一時的に抑えるようにする。
次いでECU22は、エンジン1が停止状態にあるか否かを判定する(ステップS56)。停止状態にない、すなわち作動中であると判定すると、一連の処理を終了する。停止状態にあると判定すると、次いでECU22は、ステップS58の処理を実行する。このように、エンジン1の停止時のみに以降の処理を実行するため、ユーザに違和感を与えることはない。
ステップS58において、ECU22は、第1バルブ16の下側が開状態となっているか否かを判定する。第1バルブ16の下側が開状態であれば、ステップS50を経ることで、熱交換により、水温T1が水温T2,T3とほぼ同じ温度となっているからである。
閉状態であると判定すると、ECU22は、水温T1が所定の温度Tb以下であるか否かを判定する(ステップS60)。すなわち、第1冷却液の温度が、モータ2やPCU3に影響を与えない温度であるか否かを判定する。たとえば温度Tbとして、予め60℃が設定されている。
水温T1が温度Tb以下の場合、ECU22は、第1バルブ16の下側を開状態に制御し(ステップS62)、一連の処理を終了する。水温T1が温度Tbよりも高い場合、第1バルブ16の下側を開状態にすることなく、一連の処理を終了する。
ステップS58において、第1バルブ16の下側が開状態と判定すると、次いでECU22は、温度センサ20,21のいずれに故障が生じたのかを特定するために、水温T1,T2,T3の比較処理を実行する(ステップS64)。
温度センサ20,21のうちの故障センサを特定するには、たとえば水温T1,T2の差分の絶対値である第1絶対値と、水温T1,T3の差分の絶対値である第2絶対値を用いればよい。温度センサ19,20,21がいずれも正常の場合、ステップS50の所定時間が経過した時点で、水温T1,T2,T3は互いにほぼ等しくなる。したがって、第1絶対値及び第2絶対値のいずれも、0に近い値となる。また、第1絶対値と第2絶対値も互いにほぼ等しい値となる。すなわち、第1絶対値と第2絶対値との差分の絶対値である第3絶対値も、0に近い値となる。
本実施形態では、第1絶対値及び第2絶対値のそれぞれと第1所定値(たとえば5℃)とを比較するとともに、第3絶対値と第2所定値(たとえば10℃)とを比較する。そして、ステップS64の結果より、故障センサを特定できるか否かを判定する(ステップS66)。
上記した第3絶対値が第2所定値以上、第1絶対値が第1所定値以上、且つ、第2絶対値が第1所定値未満の場合、水温T2が異常、すなわち温度センサ20が故障センサであると特定できる。また、第3絶対値が第2所定値以上、第1絶対値が第1所定値未満、且つ、第2絶対値が第1所定値以上の場合、水温T3が異常、すなわち温度センサ21が故障センサであると特定できる。それ以外の場合、故障センサを特定できないため、ECU22は、PCU3に制限をかけた状態で走行を継続するように制御する(ステップS68)。そして、一連の処理を終了する。
ステップS66において、故障センサを特定できると判定すると、次いでECU22は、水温T2が異常であるか否か、すなわち故障センサが温度センサ20であるか否かを判定する(ステップS70)。水温T2に異常があると判定すると、ECU22は、フェールセーフ処理としてT2異常処理を実行し(ステップS72)、一連の処理を終了する。
ECU22は、水温T2が異常と判定すると、たとえば故障が生じたことをユーザに通知する。また、水温T3で水温T2を推定する制御に切り替えるとともに、水温T3を水温T1で監視しつつ、PCU3の出力制限を解除する。これにより、PCU3が過度に高くなるのを抑制しつつ走行を継続することができる。また、水温T2に代えて水温T1により水温T3の異常、すなわち温度センサ21の故障を監視しつつ、走行を継続することができる。ECU22は、予め記憶された所定の関数やマップに基づき、水温T3から水温T2を推定する。
ステップS70において、水温T2に異常なしと判定すると、ECU22は、水温T3が異常であるか否か、すなわち故障センサが温度センサ21であるか否かを判定する(ステップS74)。水温T3が異常と判定すると、ECU22は、フェールセーフ処理としてT3異常処理を実行し(ステップS76)、一連の処理を終了する。水温T3に異常なしと判定すると、ステップS68の処理を実行し、一連の処理を終了する。
ECU22は、水温T3に異常があると判定すると、たとえば故障が生じたことをユーザに通知する。また、水温T3を水温T1で監視しつつ、PCU3の出力制限を解除する。水温T3に代えて水温T1により水温T2の異常、すなわち温度センサ20の故障を監視しつつ、走行を継続することができる。これにより、温度センサ20が故障して、PCU3の温度が過度に高くなるのを抑制することができる。
図8は、こうした冷却システム10の動作態様の一例を示している。
時刻t10よりも前から、EV走行モードとなっている。時刻t10まで、第1バルブ16の下側が閉状態、第2バルブ17の下側が開状態、第3バルブ18が開状態となっている。また、電気ヒータ15がオン状態となっている。
時刻t10において、暖房要求ありから暖房要求なしに切り替わると、第3バルブ18が閉状態となる。これにより、ヒータコア51に第3冷却液が流れなくなる。また、電気ヒータ15がオフ状態となる。時刻t10の時点で、水温T1はTd℃、水温T2は温度Tdよりも高いTe℃、水温T3は、(Te−α)℃となっている。水温T1は、時刻t11までTd℃である。水温T2,T3は、時刻t11以降も上記した温度で一定である。
第3バルブ18を開状態としてから所定時間経過した時刻t11において、水温T3と水温T2との差分の絶対値は所定値A以上となっている。図8では、差分を両端矢印で示している。これにより、PCU3に出力制限がかかる。また、閉じていた第1バルブ16の下側が開状態となる。第1バルブ16の下側が開状態となることで、第2冷却液の熱が伝わり、第1冷却液の水温T1が上昇する。第1バルブ16の下側を開状態としてから所定時間経過する前、すなわち時刻t12となる前に、水温T1は、Te℃で安定する。
時刻t12において、水温T1,T2,T3の比較処理がなされる。本来であれば、熱交換により、水温T1,T2,T3は互いにほぼ等しくなるが、図8の例では、水温T3が水温T1,T2と異なっており、異常と判定される。すなわち、温度センサ21が故障していると判定される。そして、所定のフェールセーフ処理(T3異常処理)が実行され、PCU3の出力制限が解除される。
次に、本実施形態に係る冷却システム10の効果について説明する。
本実施形態の冷却システム10によれば、エンジン停止中のEV走行モードにおいて、暖房要求があると、第2冷却液を熱交換器14側に流す。これにより、第2冷却液の熱が第3冷却液に伝わる。このように、暖房に、モータ2及びPCU3の熱を利用するため、電気ヒータ15の作動時間を短縮できる。
また、第3冷却液の水温T3が目標温度Ttg以上であり、且つ、第2冷却液の水温T2が閾値Tthよりも高い場合、すなわち第2冷却液に余熱がある場合、熱交換器14側に第1冷却液を流す。これにより、第2冷却液の余熱が第1冷却液に伝わる。このように、モータ2及びPCU3の廃熱を、ラジエータ41の放熱によって捨てるのではなく、第1冷却液に蓄熱する。したがって、信号待ちなどでEV走行モードのまま停車し、これにより水温T2が降下する場合でも、第1冷却液に蓄えられた熱により、第3冷却液の温度降下の勾配を緩やかにすることができる。したがって、電気ヒータ15の作動時間を短縮できる。このため、従来よりも燃費を向上することができる。
特に本実施形態では、第3冷却液の水温T3が目標温度Ttg以上であり、第2冷却液の水温T2が閾値Tthよりも高い場合でも、水温T2が第1冷却液の水温T1以下の場合には、熱交換器14側に第1冷却液が流れないようにする。したがって、第1冷却液の熱が第2冷却液に伝わるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、エンジン1の作動時において、第2バルブ17の下側を閉状態に制御する。これにより、第1冷却液の熱が第2冷却液に伝わり、モータ2やPCU3の温度が高くなるのを抑制することができる。
ところで、外気温T4が低いほうが、一般的に暖房要求を満たすために必要な熱量が高くなる。本実施形態では、目標温度Ttgを外気温T4に応じて設定する。具体的には、外気温T4が低いほど目標温度Ttgとして高い温度を設定する。したがって、第2冷却液の熱のみで賄えるのか、電気ヒータ15を使用するのかを、精度良く判断することができる。
また、本実施形態では、暖房要求のないタイミングで、第2バルブ17の下側を開状態、第3バルブ18を閉状態とし、水温T3と水温T2の差分の絶対値が所定値A以上の場合には、所定値A未満の場合よりもPCU3の生じる発熱量が小さくなるように、PCU3の出力に制限をかける。このように、暖房要求のないときに、第2冷却液と第3冷却液とを熱交換して、水温T2,T3が互いに等しくなるようにする。したがって、差分の絶対値に基づいて、温度センサ20,21の異常を検出することができる。また、異常を検出した場合にPCU3に出力制限をかけるため、温度センサ20に異常が生じていたとしても、PCU3の温度が過度に高くなるのを抑制することができる。すなわち、温度センサ20の故障にともなってPCU3が故障するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、PCU3の出力に制限をかけた後、エンジンが停止し、第1バルブ16の下側が開状態の場合、水温T1,T2,T3を比較する。これにより、温度センサ20,21のいずれに故障が生じたかを特定することができる。したがって、修理しやすくなる。また、適切なフェールセーフ処理を実行することができるため、ロバスト性を向上することもできる。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
第2冷却液がモータ2及びPCU3の両方を通過するように第2流路12が設けられる例を示したが、これに限定されない。第2冷却液がモータ2及びPCU3の少なくとも一方を通過するように設けられればよい。第2冷却液がPCU3のみを通過するように設けられた第2流路12を採用することもできる。
外気温T4に応じて目標温度Ttgが設定される例を示したが、これに限定されない。目標温度Ttgを、外気温T4によらず、一定値としてもよい。
1…エンジン、2…モータ、3…PCU、10…冷却システム、11…第1流路、11a…共通流路、11b…冷却流路、11c…熱交換流路、12…第2流路、12a…共通流路、12b…冷却流路、12c…熱交換流路、13…第3流路、14…熱交換器、14a…第1熱交換部、14b…第2熱交換部、14c…第3熱交換部、15…電気ヒータ、16…第1バルブ、17…第2バルブ、18…第3バルブ、19,20,21…温度センサ、22…ECU、30,40,50…ウォーターポンプ、31,41…ラジエータ、51…ヒータコア

Claims (5)

  1. エンジン(1)及びモータ(2)を駆動源とする車両の冷却システムであって、
    前記エンジンを通って、第1冷却液を循環させる第1流路(11)と、
    前記第1冷却液が流入しないように前記第1流路に対して独立して設けられ、直流電源と前記モータとの間で電力変換を行う電力変換装置(3)及び前記モータの少なくとも一方を通って、第2冷却液を循環させる第2流路(12)と、
    前記第1冷却液及び前記第2冷却液が流入しないように前記第1流路及び前記第2流路に対して独立して設けられ、前記車両の室内に温風を送るためのヒータコア(51)を通って、第3冷却液を循環させる第3流路(13)と、
    前記第1冷却液、前記第2冷却液、及び前記第3冷却液の間の熱交換を提供する熱交換器(14)と、
    前記ヒータコアの上流側において、前記車両に搭載された電池の電力により前記第3冷却液を加熱する電気ヒータ(15)と、
    前記第1流路に設けられ、閉状態において前記熱交換器側への前記第1冷却液の流れを遮断し、開状態において前記熱交換器側への前記第1冷却液の流れを許容する第1バルブ(16)と、
    前記第2流路に設けられ、閉状態において前記熱交換器側への前記第2冷却液の流れを遮断し、開状態において前記熱交換器側への前記第2冷却液の流れを許容する第2バルブ(17)と、
    前記第2冷却液の温度及び前記熱交換器と前記電気ヒータの間における前記第3冷却液の温度をそれぞれ検出する温度センサ(20,21)と、
    前記電気ヒータの動作状態と前記第1バルブ及び前記第2バルブの開閉状態を制御する制御部(22)と、
    を備え、
    暖房要求が入力されると、前記制御部は、
    前記エンジンの作動時において、前記第1バルブを開状態に制御し、
    前記エンジンの停止時において、前記第2バルブを開状態に制御するとともに、
    前記第2バルブを開状態に制御する期間において、前記第3冷却液の温度が暖房要求を満たすための目標温度以上である第1条件と、前記第2冷却液の温度が所定の閾値温度よりも高い温度である第2条件の両方を満たす場合、前記第1バルブを開状態に制御し、前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方を満たさない場合、前記第1バルブを閉状態に制御し、前記第1条件を満たさない場合、前記電気ヒータへの通電を許可する冷却システム。
  2. 前記制御部は、前記エンジンの作動時において、前記第1バルブを開状態に制御するとともに前記第2バルブを閉状態に制御する請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記制御部は、前記車両の外部の温度に応じて、前記目標温度を設定する請求項1又は請求項2に記載の冷却システム。
  4. 閉状態において前記第3流路を遮断する第3バルブ(18)をさらに備え、
    前記第3冷却液の温度を検出する温度センサは、前記第3バルブよりも上流に設けられ、
    前記第2流路は、少なくとも前記電力変換装置を通って、前記第2冷却液を循環させ、
    前記制御部は、暖房要求が入力されないときに、前記第2バルブを開状態及び前記第3バルブを閉状態に制御するとともに、前記第3冷却液の温度と前記第2冷却液の温度との差分の絶対値が所定値以上の場合には、前記所定値未満の場合よりも前記電力変換装置の生じる発熱量が小さくなるように、前記電力変換装置の出力に制限をかける請求項1〜3いずれか1項に記載の冷却システム。
  5. 前記第1冷却液の温度を検出する温度センサ(19)をさらに備え、
    前記制御部は、前記電力変換装置に出力制限をかけた後、前記エンジンが停止しており、前記第1バルブが開状態の場合に、前記第1冷却液の温度、前記第2冷却液の温度、及び前記第3冷却液の温度を比較して、前記第2冷却液の温度を検出する温度センサ及び前記第3冷却液の温度を検出する温度センサのいずれに故障が生じたかを判定する請求項4に記載の冷却システム。
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