JP6647794B2 - トルクレンチ - Google Patents

Description

本発明は、トルクレンチ、特にトルクがロッドを介してハンドルとレンチ要素との間で伝達される形式のトルクレンチに関する。

しばしば、明確な量のトルクで締結部材を締める必要がある又は締めることが好ましいことがある。例えば、切削インサートをねじで工具ホルダに締結する際、インサートが不十分なトルクで締結されると、緩んで離れて落ちたり、破損したり、あるいは、動いて工作物を傷つけたりする可能性がある。きつく締めすぎると、インサート又は締結部材を損傷し、その結果、工具ホルダに対するインサートの位置付けが不正確になる可能性がある。

切削インサートを工具ホルダに締結するために、異なる工具及び異なる切削インサートは異なるトルク量で締める必要がある。これらの工具及びインサートの各々のために異なるトルクレンチを用意することはコスト高になる可能性がある。更に、多くの従来のトルクレンチは、切削工具に使用される締結部材を締めるためには不都合な形状及びサイズを持つ。例えば、トルクレンチは、小さい空間において便利に使用するには大きすぎる可能性がある。

特許文献１に示されるものなど、先行技術のトルクレンチは操作のための余地が限定される特定の環境での使用を困難にする珍しい形状を有する傾向がある。例えば、特許文献１のトルクレンチは、大きいプロフィル及び長いハンドルを有し、小さい空間での特定の用途においての使用に適さない。更に、特許文献１に示すようなレンチは、複数の部品を含み、製造を困難にする可能性がある。特許文献２に示されるようなもっと小さいレンチでも、かなりの数の部品を含む傾向があり、製造を困難にする可能性がある。

特許文献１に示されるものなど、先行技術のトルクレンチは操作のための余地が限定される特定の環境での使用を困難にする珍しい形状を有する傾向がある。例えば、特許文献１のトルクレンチは、大きいプロフィル及び長いハンドルを有し、小さい空間での特定の用途においての使用に適さない。更に、特許文献１に示すようなレンチは、複数の部品を含み、製造を困難にする可能性がある。特許文献２に示されるようなもっと小さいレンチでも、かなりの数の部品を含む傾向があり、製造を困難にする可能性がある。

欧州特許第１１１２８１８号明細書 独国特許第２０２０１３１０２６８２号明細書

従って、締結部材に対して所望のレベルより高くないトルクを一貫して与えることができるトルクレンチを提供することが望まれる。また、締結部材又は切削工具に対してトルクを与えるために便利な小さい形状で構成できることも望まれる。更に、トルクレンチが低コストで提供できるように構成が単純であることが望まれる。

本発明の１つの形態によれば、トルクレンチは、ロッドと、ロッドに取り付けられたレンチ要素と、ロッドに同軸にかつ回転不能に配置されたギアであって、複数の歯を有するギアと、を備え、トルクレンチは、中にロッド及びギアが少なくとも部分的に配置されるキャビティを備えるハウジングと、ばねの自由端がギアと係合する状態でハウジングに固定されたばねを備えるキャビティの中の板ばね配列体とを備え、板ばね配列体が、第１レベルを下回るトルクがレンチ要素に与えられたときハウジングに対するギア及びロッドの回転を防止し、かつ第１レベルを上回るトルクがレンチ要素に与えられたときハウジングに対するギア及びロッドの回転を許容することを特徴とする。

主張する構造体は、僅かな構成部品しか持たず、最小限の複雑さであり、低コストでのトルクレンチの製造を容易にする。更に、トルクレンチは、薄いプロフィルの形状で製造でき、小さい空間の多様な用途に使用できるようにする。

本発明の１つの実施形態によれば、ギアはロッドに取り付けられる。このような構造は、レンチの製造を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、レンチ要素は雄型キーを備える。このような構造は、特に、切削インサートを工具ホルダに締結するためにねじを締める際に有益である。

本発明の１つの実施形態によれば、ギアの歯は非対称形である。このような構造は、一方向に回したときのみ締まるトルクレンチの提供を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ギアの歯は、右回り側と左回り側とを有し、左回り側は右回り側より鋭い傾斜を有する。このような構造は、右回りに回したとき設定されたトルクまで締まり、かつ緩めたとき即ち左回りに回したとき、より高いトルクを与えられるようにするトルクレンチの提供を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ギアの歯の一方の側は、レンチが第１方向へ回されたときばねに実質的に直角を成す力をばねに加え、ギアの歯の別の側は、レンチが第１方向と逆の第２方向へ回されたときばねの長さに実質的に平行の力をばねに加える。このような構造は、締付けトルクより１０〜４０倍大きい解除トルクを有するトルクレンチの提供を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ばねは、固定縁と自由縁とを有するプレートを備える。このような構造は、構成部品が単純でかつ低コストのトルクレンチの製造を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ばねは平板である。このような構造は、構成部品が単純でかつ低コストのトルクレンチの製造を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ばねの表面の平面は、ばねが弛緩状態のときロッドの中心軸からオフセットする。このような構造は、オフセットの量を変更することによって単純に、トルクレンチによって与えることができるトルク量の調節を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、板ばね配列体は、ばねと上部及び下部ばねホルダとを備え、上部及び下部ばねホルダは、動かないようにキャビティの中に配置され、板ばね配列体のばねの自由縁は、ばねの上縁と下縁との間に配置され、ばねはそれぞれ上縁及び下縁から延びる上部耳及び下部耳を有する。上部耳及び下部耳は、動かないようにそれぞれ上部及び下部ばねホルダの開口部の中に配置される。このような構造は、ロッド上のギアに対するばねの位置付けが異なるように上部及び下部ばねホルダの開口部の場所を変更することによって単純に、トルクレンチによって与えることができるトルク量の調節を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、キャビティの内部形状は、ばねホルダが動かないようにキャビティの中に配置されるように、ばねホルダの周囲の形状と合致する。このような構造は、同じキャビティ形状を有するハウジングの中で異なるばねホルダを単純に用いることによって、異なるレベルのトルクを与えることができる異なるトルクレンチの提供を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ギアは、ロッドに対して軸方向に不動であり、上部ばねホルダと下部ばねホルダとの間に延びるので、ロッドはハウジングに対して軸方向に不動である。このような構造は、単純で容易な製造法でトルクレンチの複数の構成部品を相互に固定する便利な方法を与える。

本発明の１つの実施形態によれば、板ばね配列体は、上部ばねホルダと下部ばねホルダとの間にかつギアの両側に配置された２つのばねを備える。このような構造は、単一のばねを使用する場合より大きいトルク量をトルクレンチによって与えることができるトルクレンチの設計を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、２つのばねは回転対称である。このような構造は、各ばねが撓むために同じ力量を必要とすることができるので、トルクレンチの設計を容易にする。

本発明の１つの実施形態によれば、ハウジングは、キャビティを形成する上部カバーと、キャビティの中に板ばね配列体を保持するように上部カバーに取付け可能な下部カバーとを備える。このような構造は、単純で容易な製造法で、トルクレンチの複数の構成部品を相互に固定する便利な方法を与える。

本発明の特徴及び利点は、図面と一緒に下の詳細な説明を読むことによって理解できる。図面において、同様の参照番号は同様の要素を指す。

本発明の１つの実施形態に従ったトルクレンチの斜視図である。 図１Ａのトルクレンチの正面図である。 図１Ａのトルクレンチの側面図である。 図１Ａのトルクレンチの平面図である。 図１Ｃの１Ｅ−１Ｅに沿って見た断面図である。 図１Ｂの１Ｆ−１Ｆに沿って見た断面図である。 ばねが撓んでいる状態の図１Ｆの図である。 図１Ｂの１Ｈ−１Ｈに沿って見た断面図である。 図１Ｆの一部の拡大図である。 本発明の１つの実施形態に従ったトルクレンチの分解図である。 本発明の１つの実施形態に従ったレンチがトルク限界までどのように締めるのかを示す断面図である。 本発明の１つの実施形態に従ったレンチがトルク限界までどのように締めるかを示す断面図である。 図３Ａ〜３Ｂのレンチが、トルクが与えられた物品をどのように緩めるかを示す断面図である。 図３Ａ〜３Ｂのレンチが、トルクが与えられた物品をどのように緩めるかを示す断面図である。 本発明の別の実施形態に従ったトルクレンチの斜視図である。 図４Ａのトルクレンチの正面図である。 図４Ａのトルクレンチの側面図である。 図４Ｂの４Ｄ−４Ｄに沿って見た断面図である。 本発明の別の実施形態に従ったトルクレンチの上面図である。 図５Ａの５Ｂ−５Ｂに沿って見た断面図である。 本発明の別の実施形態に従ったトルクレンチの平面図である。 図６Ａの６Ｂ−６Ｂに沿って見た断面図である。

本発明の１つの実施形態に従ったトルクレンチ２１を図１Ａ〜１Ｉに示す。トルクレンチは、ロッド２３と、ロッドに取り付けられたレンチ要素２５と、ロッドと同軸にかつ回転不能に配置され複数の歯２９（図１Ｆ〜１Ｇ、１Ｉ及び２）を有するギア２７（図１Ｅ〜１Ｇ、１Ｉ及び２）と、を備える。トルクレンチ２１は、更に、キャビティ３３を備えるハウジング３１（図１Ｅ〜１Ｈ）を備え、キャビティの中に、ロッド２３及びギア２７が少なくとも部分的に配置される。

板ばね配列体は、キャビティの中に配置され、ばねの自由縁３９（例えば、図１Ｆ及び２）がギア２７と係合する状態でハウジング３１に固定されたばね３７（図１Ｆ、１Ｇ、１Ｉ及び２）を備える。板ばね配列体は、第１レベルを下回るトルクがレンチ要素２５に与えられたときハウジング３１に対するギア２７及びロッド２３の回転を防止し、かつ第１レベルを上回るトルクがレンチ要素に与えられたときハウジングに対するギア及びロッドの回転を許容する。これは、図１Ｆ及び１Ｇに示すように、トルクをレンチ要素に与えることによって可能になる。トルクは、ロッド２３を介してギア２７へ伝達されるので、ギアの歯２９はばね３７の自由縁３９に押し付けられる。レンチ要素に与えられるトルクが図１Ｇに示すようにばね３７を変形させるのに充分になるまで、レンチ要素に与えられるトルクは、ハウジング３１へ伝達される。ハウジング３１は、トルクレンチ２１のハンドルとして機能でき、使用者がハウジングにトルクを与えると、トルクは、ばね３７を介してギア及びロッド２３へ、更にレンチ要素２５へ伝達され、従って締付け又は緩めの対象の締結部材又はその他の物体へ伝達される。

ギア２７は、例えばロッドと一体的に成形することによってロッド２３に取り付けられ、又は位置決めねじ、接着剤、溶接、はんだ付け又はこれに類するものなど任意の適切な手段によってギアの中央開口部を貫通するロッドに固定されることによって、ロッド２３に取り付けられる。図示するレンチ要素２５は、雄型キーを備えるが、ソケット又は開放端レンチなど、他の形式のレンチ要素を設置できる。レンチ要素２５は、ロッド２３の端部４１に形成でき、ロッドと一体的に形成でき、又は任意の適切な手段によってロッドの端部に取り付けできる。

ギア２７の歯２９は対称形にすることができるが、例えば図１Ｉに示すように、通常、レンチを右回りに回したとき締付けが容易であるように非対称である。歯２９が図１Ｆ、１Ｇ及び１Ｉに示すように非対称である場合、ギアの歯は、右回り側４３及び左回り側４５（図１Ｉ）を持つことができ、左回り側は、右回り側より鋭い傾斜を有する。レンチが右回りに回された時ばね３７とギア２７がトルクを与えるためにどのように機能し、レンチが左回りに回されたとき緩めるためにどのように機能するかについて、図３Ａ〜３Ｄを参照して説明する。

板ばね配列体のばね３７は、固定縁４７と自由縁３と９を有するプレートを備えることができる。ばね３７を形成する材料は、通常、金属であるが、レンチによって伝達できるトルクのレベルを変更するために別の材料が望ましい可能性がある。通常、ばね３７は、平板の形式であるが、ばねは、要望又は必要に応じて別の多様な形状を持つことができる。例えば、レンチ２１が伝達できるトルクのレベルを変更するために湾曲形が望ましい可能性がる。

図１Ｆに示すように、ばね３７が平坦な場合、ばねの表面の平面Ｐは、ばねが弛緩状態のとき、ロッド２３の中心軸Ａからオフセットできる。ロッド２３の中心軸Ａからのばね３７の表面の表面Ｐのオフセット量の増減は、それ以上のトルクを伝達できないようにばね３７を撓ませるためにレンチ２１へ与える必要があるトルク量を変更できる。オフセット量を減少すると、通常、伝達できるトルク量を増大する傾向がある。オフセット量を増減するとき、機能性を維持するために、ギア２７の寸法も調節しなければならない。オフセットの別の機能は、レンチが緩め方向へ回されたとき撓まないようにすることによって、締結部材の緩めを容易にすることである。これについては、下で図３Ａ〜３Ｄに関連して更に詳細に説明する。

図１Ｅ、１Ｈ及び２において示すように、板ばね配列体は、ばね３７と、上部及び下部ばねホルダ４９及び５１とを備えることができる。上部及び下部ばねホルダ４９及び５１は、例えばキャビティの内部形状と合致する又はキャビティの表面の一部によって保持できる周囲形状を有するばねホルダによって、動かないようにキャビティ３の中に配置される。上部及び下部ばねホルダ４９及び５１は、同一のものとすることができる。板ばね配列体のばね３７の自由縁３９は、ばねの上縁５３と下縁５５（図２）との間に配置され、ばねは、それぞれ上縁及び下縁からばねの固定縁４７まで延びる上部耳５７及び下部耳５９（図２）を持つことができる。上部耳５７及び下部耳５９は、動かないようにそれぞれ上部ばねホルダ４９及び底部ばねホルダ５１（図１Ｈは底部ばねホルダ５１の開口部を示すが、下部ばねホルダは上部ばねホルダと同一とすることができる）の開口部６３の中に配置できるので、ハウジング３１に対してばね３７の固定縁４７を固定できる。異なるレンチにおいて異なる場所に開口部６３を有する異なるばねホルダ４９及び５１を使用して、ロッド２３の軸Ａからのばね３７の表面の平面Ｐの異なるオフセット量を与えることができる。このようにして、同じハウジング３１、ロッド２３、ギア２７及びばね３７を異なるスプリングホルダ４９及び５１に使用して、異なるレベルまでトルクを与えることができるトルクレンチを提供できる。ばねホルダ４９及び５１は、ハウジング３１に対して非常に安定したばね３７の取付けを容易にすることが分かっている。取付けが安定していれば、それだけ、トルクはばねのたわみのみに起因し、それによって、正確なレベルまでトルクを与えることができるようにし、かつレンチのサイズを最小限に抑えることができるようにする。図示するようにＳ字形のばねホルダ４９及び５１を設置することによって、ばねホルダを作るために使用される材料の量を最小限に抑えながら、レンチに対して堅固な感覚を与えることができる。

ギア２７は、ロッド２３に対して軸方向に不動とすることができ、ロッドがハウジング３１に対して軸方向に不動であるように、ギアは上部ばねホルダ４９と下部ばねホルダ５１との間の距離全体に延在できる。ロッド２３は、ロッドとギア２７がハウジングに対して回転できるように、上部ばねホルダ４９及び下部ばねホルダ５１の孔４９’及び５１’（図１Ｅ）及びハウジング３１のキャビティ３３を形成する上部カバー６９及び下部カバー７１（図１Ｅ及び２）の孔６５および６７（図１Ｅ）を貫通できる。上部カバー６９及び下部カバー７１は、板ばね配列体をキャビティの中に保持する。異なる板ばね配列体を設置することによって、同じハウジングを用いて、異なるレベルまでトルクを与えることができるトルクレンチを提供できる。

図１Ａ〜２に示す実施形態において、板ばね配列体は、上部ばねホルダ４９と下部ばねホルダ５１との間にかつギア２９の両側に配置された２つのばね３７を備える。２つのばね３７は、回転対称とすることができる。但し、図３Ａ〜３Ｄに示すように、レンチ２１’は単一のばね３７’（図１Ｄ）を持つことができる。２つのばねを設置することによって、単一のばねを持つレンチより高いレベルでトルクを制限するトルクレンチの提供を容易にできる（ばねが同一タイプと想定して）。いずれにしても、ギア２９に対してばね３７又は３７’を位置付ける様式によって、トルクレンチが狭い空間で使用するのに非常に適するように薄いプロフィルを有するトルクレンチの提供を容易にする。付加的ばねを設置できるように、例えばより広い又は円形ハウジングなど異なる形状のハウジングを用意することによって、２つを超えるばねを持つレンチを提供できる。

図３Ａ〜３Ｂは、レンチを右回りに回したとき、ばね３７が図３Ｂに示す位置まで撓んでレンチがトルク伝達限界に達するまで、レンチがどのように締付け作業を実施できるかを示す。図３Ｃ〜３Ｄは、レンチを左回りに回したとき、レンチがどのように緩め作業を実施できるかを示す。図３Ａにおいて、ハウジング３１が図示するように右回りに回されて締結部材などの物品にトルクが与えられたとき、力Ｆは、ばね３７の端３９を介してギア２７の歯２９の左回り側４５へ加えられる。力Ｆは、実質的にばね３７に対して直角を成す。力Ｆが、ギア２７の歯２９がハウジングに対して回転できる点を越えてたわみに抵抗できるばね３７の能力を上回った時、レンチのトルク限界に到達する。レンチのトルク限界は、ビーム理論に基づいてばね３７を撓ませるために必要なトルク量を計算することによって設定できる。

トルクが与えられた締結部材などの物品を緩めるには、レンチを図３Ｃ〜３Ｄに示すように左回りに回す。この場合、ギアの歯２９の右回り面４３はばね３７の端部３９へ向かって回り、力Ｆ１は、締付けのときとは異なる方向からばねに衝突する。この方向は、図３Ｃに示すようにほぼばねの長さの方向である。言い換えると、力Ｆ１は、ばね３７の長さに実質的に平行である。典型的には、力Ｆ１とばねの長さの方向との間に形成される角度（図示せず）は、５°以下でなければならず、より好ましくは２.５°以下である。力Ｆ１を加えると、図３Ｄに示すようにばね３７のバックリングを生じる傾向がある。従って、力Ｆと異なり、力Ｆ１は、ばね３７の撓みを生じない。それによって、ねじを緩める際ずっと大きい力を与えることができる。バックリングは、実用的には、レンチの通常の使用においては生じず、図３Ｄにおいては力Ｆ１の効果を例示するためにのみ示す。

図４Ａ〜５Ｂは、ハンドル又は好ましくは図４Ａ〜４Ｂに点線で示すように従来のラッチハンドル７３”と一緒に使用できる２つの実施形態を示す。図５Ａ〜５Ｂは、レンチの上部カバー６９”に雄型ドライブ接続体７５”が設置されることを除いて、図１Ａ〜１Ｉに示すレンチ２１と実質的に同じレンチ２１”を示す。ロッド２３”は、雄型ドライブ接続体７５”内部のキャビティ７７”（図５Ｂ）の中まで延びることができる。雄型ドライブ接続体７５”はラッチハンドルの雌型ドライブ接続体７９”と噛み合う。図６Ａ〜６Ｂは、ハンドル又はラッチハンドル（図６Ａ〜６Ｂには図示せず）と一緒に使用できるレンチ２１”’の別の実施形態を示すが、この実施形態において、ロッド２３”’の上端は上部カバー６９”’の凹部８１”’（図６Ｂ）の中に受け入れられ、雄型ドライブ接続体７５”’は中実である。図５Ａ〜６Ｂに示す実施形態は、てこ作用を与えるためにハウジング３１のみを使用することによって与えることができるトルク力を上回るトルク力を与える必要がある場合に特に有益である可能性がある。いくつかの事例において、図１Ａ〜１Ｉに示す２つを上回る数のばねを設置すると有益である可能性があり、長方形ではなくより丸味のあるあるいは完全な円形のハウジングを用意すると有益である場合がある。図１Ａ〜１Ｉのハウジング３１は、長方形で図解するが、任意の所望の形状を持つことができる。

本出願において、「含む」などの用語の使用は無制限のものであり、「備える」などの用語と同義であることを意図し、他の構造体、材料又は行為の存在を除外しない。同様に、「できる」などの用語の使用は無制限であり、構造、材料又は行為が必要でないことを想定することを意図し、前記の用語を使用しないことは、構造、材料又は行為が必須であると想定することを意図しない。構造、材料又は行為が必須であると見なされる場合、そのように特定される。

本発明について、好ましい実施形態に従って図解し説明したが、請求項において示される本発明の主旨から逸脱することなく変更及び修正を加えられるものとする。

２１、２１’、２１”、２１”’ トルクレンチ
２３、２３”、２３”’ ロッド
２５ レンチ要素
２７ ギア
２９ 歯
３１ ハウジング
３３ キャビティ
３７、３７’ ばね

Claims (12)

1. トルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）であって、
   ロッド（２３、２３”、２３”’）と、
   前記ロッド（２３、２３”、２３”’）に取り付けられたレンチ要素（２５）と、
   前記ロッド（２３、２３”、２３”’）に同軸にかつ回転不能に配置されたギア（２７）であって、該ギア（２７）が複数の歯（２９）を有する、ギアと、
   を備えたトルクレンチにおいて、
   キャビティ（３３）を備える長方形状のハウジング（３１）であって、前記キャビティ（３３）内に前記ロッド（２３、２３”、２３”’）及び前記ギア（２７）が少なくとも部分的に配置されるハウジング（３１）と、
   前記キャビティ（３３）内の板ばね配列体であって、ばね（３７、３７’）の自由縁（３９）が前記ギア（２７）に係合する状態で前記ハウジング（３１）に固定されたばね（３７、３７’）を備える板ばね配列体と、
   を備え、
   前記板ばね配列体が、第１レベルを下回るトルクが前記レンチ要素（２５）に与えられたとき前記ハウジング（３１）に対する前記ギア（２７）及び前記ロッド（２３、２３”、２３”’）の回転を防止し、かつ、前記第１レベルを上回るトルクが前記レンチ要素（２５）に与えられたとき前記ハウジング（３１）に対する前記ギア（２７）及び前記ロッド（２３、２３”、２３”’）の回転を許容するものであり、
   前記ばね（３７、３７’）が、固定縁（４７）と前記自由縁（３９）とを有する平板であり、
   前記トルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）は、前記ロッド（２３、２３”、２３”’）に対して垂直な断面において長方形状の前記ハウジング（３１）の対向する一方の組の辺の長さが対向する他方の組の辺の長さよりも長い形状を有し、
   前記ギア（２７）の前記歯（２９）の一方の側（４５）が、前記レンチが第１方向へ回されたとき前記ばね（３７）に実質的に直角を成す力を前記ばね（３７）に加え、前記ギア（２７）の前記歯（２９）の別の側（４３）が、前記レンチが前記第１方向と逆の第２方向へ回されたとき前記ばね（３７）の長さに実質的に平行の力を前記ばね（３７）に加える、
   ことを特徴とするトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
2. 前記ギア（２７）が前記ロッド（２３、２３”、２３”’）に取り付けられることを特徴とする請求項１に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
3. 前記レンチ要素（２５）が雄型キーを備えることを特徴とする請求項１又は２に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
4. 前記雄型キーが前記ロッド（２３、２３”、２３”’）の端部（４１）に形成されることを特徴とする請求項３に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
5. 前記ギア（２７）の前記歯（２９）が非対称形であることを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
6. 前記ギア（２７）の前記歯（２９）が右回り側（４３）と左回り側（４５）とを有し、前記左回り側（４５）が前記右回り側（４３）より鋭い傾斜を有することを特徴とする請求項１〜５の何れか一項に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
7. 前記ばね（３７、３７’）の表面の平面（Ｐ）が前記ばねが弛緩状態のとき前記ロッド（２３、２３”、２３”’）の中心軸（Ａ）からオフセットすることを特徴とする請求項１〜６の何れか一項に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
8. 前記板ばね配列体が、前記ばね（３７、３７’）と、上部及び下部ばねホルダ（４９、５１）とを備え、前記上部及び下部ばねホルダ（４９、５１）が動かないように前記キャビティ（３３）の中に配置され、前記板ばね配列体の前記ばね（３７、３７’）の前記自由縁（３９）が前記ばね（３７、３７’）の上縁と下縁（５３、５５）との間に配置され、前記ばね（３７、３７’）が、それぞれ前記上縁及び下縁（５３、５５）から延びる上部耳及び下部耳（５７、５９）を有し、前記上部耳及び下部耳（５７、５９）が動かないようにそれぞれ前記上部及び下部ばねホルダ（４９、５１）の開口部（６３）の中に配置されることを特徴とする請求項１〜７の何れか一項に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
9. 前記ギア（２７）が、前記ロッド（２３、２３”、２３”’）に対して軸方向に不動であり、前記上部及び下部ばねホルダ（４９、５１）の間に延びるので、前記ロッド（２３、２３”２３”’）が前記ハウジング（３１）に対して軸方向に不動であることを特徴とする請求項８に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
10. 前記板ばね配列体が、前記上部及び下部ばねホルダ（４９、５１）の間にかつ前記ギア（２７）の両側に配置された複数のばね（３７）を備えることを特徴とする請求項８又は９に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。
11. 前記複数のばね（３７）が回転対称であることを特徴とする請求項１０に記載のトルクレンチ（２１）。
12. 前記ハウジング（３１）が、前記キャビティ（３３）を形成する上部カバーと、前記キャビティ（３３）の中に前記板ばね配列体を保持するように前記上部カバーに取付け可能な下部カバーとを備えることを特徴とする、請求項１〜１１の何れか一項に記載のトルクレンチ（２１、２１’、２１”、２１”’）。