JP6646556B2 - コンタクト露光装置 - Google Patents
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Description
それでも、最近では、ラインアンドスペース(L/S)で100μm以下の微細な回路を形成するための露光をコンタクト露光装置で行いたいという要望が多くなってきている。この理由の一つはコストにある。投影露光装置は、結像レンズを含む投影光学系が必要になるため、非常に高価なシステムになり易い。一方、コンタクト露光装置では、平行光を照射するための光学系は必要になるものの、投影露光装置の光学系ほど高価ではなく、安価な装置コストとなる。このようなことから、より微細な回路形成においてもコンタクト露光装置を使用したいという要望が強くなってきており。例えばL/Sで10〜50μm程度の微細回路をコンタクト露光で実現したいという要望がある。
このように表面に凹凸が存在している基板に対してコンタクト露光をする場合、凹になっている部分ではマスクは基板に密着できない。この場合、ミクロンオーダーの露光であるため、マスクが基板から100μmも浮いている箇所では、光の回折や拡散によって像が結ばず、パターンの転写ができないという問題が生じる。
即ち、加圧シートは気体の封入によって膨張するものであるため、ある程度丸みを帯びた形状で膨張する。したがって、マスクも加圧シートにならって丸みを帯びて膨らむ。一方、表面に微細な凹凸はあるものの基板は全体としては平板状である。丸みを帯びて膨らんだマスク及び加圧シートを平板状の基板に押し当てて密着させようとすると、マスク及び加圧シートには縮む部分とそれほど縮まない部分が形成される。この結果、マスクを通して露光がされる際、マスクのパターンのスケールが場所によって異なる状態で露光がされることになり、転写されるパターンの位置合わせ精度(重ね合わせ精度)が低下してしまう。
基板に押し当てた際にマスクの伸縮がないようにするには、マスクをリジッドな支持体に貼り付けしたり、リジッドなガラス製のマスクを使用したりことが考えられる。このようなリジッドなマスクは、マスク流体加圧方式が採用できないので、密着させるための方式としては、マスクと基板との間の空間を真空排気する真空密着が採用される。しかしながら、リジッドなマスクを真空密着により基板に密着させても、凹の部分ではマスクは基板に密着せず、光の回折により像が結ばないという問題は解消されない。
基板が載置されるテーブルと、
基板に対してテーブルとは反対側においてマスクを保持するマスクホルダーと、
テーブルに載置された基板とマスクホルダーに保持されたマスクとの間を真空排気して両者を密着させるマスク側真空排気系と、
テーブルの側から基板を加圧してマスクに密着させるテーブル側加圧機構と
を備えており、
テーブル側加圧機構は、テーブルの表面を覆う加圧シートと、テーブルの表面に形成された孔を通して気体を供給する加圧用給気系とを備えており、
加圧シートは、周縁がテーブルに対して封止された状態で設けられており、基板が載置された状態で加圧用給気系により気体が供給された際に基板に向けて膨らんで基板を押圧することが可能な柔軟性を有するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記基板を押圧する際の前記加圧シートを伸張した状態とする伸張手段が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記伸張手段は、前記加圧シートを前記テーブルに真空吸着させるシート側真空排気系を備えた手段であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記加圧シートには、前記シート側真空排気系によって吸引されて前記基板が吸着される孔が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記加圧シートは枠体に張られた状態で設けられており、枠体は前記テーブルに対して着脱自在であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記加圧シートの張力を高めるための段差が前記テーブルの加圧シートに覆われた部分に設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6いずれかの構成において、前記マスク側真空排気系及び前記加圧用給気系の動作を制御するコントローラが設けられており、コントローラは、前記マスク側真空排気系を動作させた後に前記加圧用給気系を動作させるものであるという構成を有する。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、基板を押圧する際の加圧シートを伸張した状態とする伸張手段が設けられているので、加圧シートの弛みによる凹凸が基板に影響してパターンが歪んでしまう問題が防止される。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、伸張手段が加圧シートをテーブルに真空吸着させるシート側真空排気系を備えた手段であるので、機械的な構成に比べて簡略化する。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、加圧シートにシート側真空排気系によって吸引されて基板が吸着される孔が設けられているので、シート側真空排気系を利用して基板が真空吸着される。このため、基板の位置ずれが生じさせないようにすることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、加圧シートを交換するのが容易となる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、加圧シートの張力が高められるので、弛みで生じる加圧シートの皺が基板に転写される問題をより効果的に防止できる。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、マスク側真空排気系が動作した後に加圧用給気系が動作するので、空気溜まりができてしまってマスク側真空排気系による真空排気が不十分になってしまう問題が生じない。
図1に示すコンタクト露光装置は、テーブル1と、露光対象である基板Sを搬送してテーブル1に載置する搬送系2と、転写すべきパターンが描かれたマスクMを保持するマスクホルダー3と、マスクMを介して基板Sに光を照射する露光系4とを備えている。
露光系4の詳細は図示を省略するが、光源41と、光源41からの光を平行光にしてマスクMに照射する光学系42とを含んでいる。光学系42は、コリメータレンズを含む。
図1に示すように、真空シール7には、内部空間を給排するシール給排系71が設けられている。シール給排系71は、真空シール7内に給気して真空シール7を膨らませたり、内部を排気して真空シール7を収縮させたりするためのガス給排系である。
そして、加圧用給気孔13及び給気溝14を覆うようにして加圧シート61がテーブル1に取り付けられている。加圧シート61はフレキシブルなシートであり、例えばPETのような樹脂製のシートとなっている。加圧シート61は、後述するように、基板Sに向けて膨らんで基板Sを押圧することが可能な柔軟性を有するものである。PET等の樹脂製のシートを加圧シート61として使用する場合、厚さは100〜200μm程度で良い。
尚、図1及び図2に示すように、シート枠体611は、真空シール7よりも小さい寸法である。シート枠体611の固定箇所は、真空排気孔12よりも内側の箇所となっている。
図1に示すように、加圧用給気孔13には、加圧用給気系62が接続されている。加圧用給気系62は、この実施形態ではドライエアのような圧縮空気を供給する系である。加圧用給気系62は、給気圧力を調整する不図示の圧力調整バルブを含む。
この実施形態では、加圧シート61を基板Sとテーブル1との間に設けつつも、基板Sの真空吸着を可能にするため、図1中拡大して示すように加圧シート61に孔610を開けた構成を採用している。加圧シート61は、給気された際に風船のように膨張して基板Sを押圧するものであるので、本来的には孔の無いものであり、孔610を開けることは、本来の目的と矛盾する。しかしながら、発明者の着眼では、孔610を開けたとしても基板Sを押圧する際には基板Sが孔610を塞ぐので、加圧シート61の機能が損なわれることはない。発明者は、このような着眼のもと、加圧シート61に孔(以下、シート孔という。)610を開けて基板Sの真空吸着を可能にする構造を想到するに至った。
まず、テーブル1は所定の待機位置に位置している。基板Sは、搬送系2によって搬送され、図3(1)に示すようにテーブル1に載置される。この際、切替バルブ132は排気位置となっており、シート側真空排気系8により加圧シート61はテーブル1に予め真空吸着されている。したがって、載置された基板Sは、シート孔610を通した真空排気により真空吸着される。この際、基板Sがシート孔610を通した真空排気により真空吸着されると、その結果として、シート孔610は基板Sにより塞がれる。尚、基板Sを載置する際には、載置動作を安定化させるため、シート側真空排気系8による真空吸引を一時的に弱めたり停止したりする場合がある。
次に、テーブル駆動機構11が動作してテーブル1を所定距離上昇させる。この結果、図3(2)に示すように、テーブル1上の真空シール7がマスクMに接触する。尚、真空シール7は、予めシール給排系71により給気されて膨らんだ状態となっている。
この状態で、マスク側真空排気系5が動作し、マスクMと基板Sとの間が真空排気される。この結果、マスクMと基板Sとが真空密着する。真空シール7は、真空排気により若干つぶれた状態となる。
尚、加圧用給気系62による基板Sの押圧は、基板S及びマスクMを全体に押し上げるように作用するから、マスクMが若干上方にシフトし、真空シール7はつぶれた状態から少し膨らむ場合があり得る。
そして、基板S及びマスクMが所定位置に位置した状態で露光系4が動作し、光源41からの光がマスクMを介して基板Sに照射されて露光が行われる。所定時間の露光の後、露光系4の動作が停止する。
次に、切替バルブ132を給気位置から排気位置に変更し、シート側真空排気系8を動作させ、加圧シート61及び基板Sをテーブル1に真空吸着する。この状態で、テーブル駆動機構11が動作し、テーブル1を所定距離下降させる。この結果、テーブル1は待機位置に戻る。そして、シート側真空排気系8の動作が停止し、不図示のベントバルブが開かれて加圧用給気孔13に連通する配管は大気圧に戻る。
上記動作を繰り返すうちに、加圧シート61は膨張と収縮を繰り返すので、摩耗することがある。この場合は、シート枠体611ごと加圧シート61を取り外して交換する。
また、ガラスマスクMのようなリジッドなマスクMを使用することができるので、マスクMの像の伸縮の問題はなく、転写されるパターンのスケール精度が低下したり、転写位置の精度が低下したりする問題はない。
さらに、テーブル1の側からのマスクMへの基板Sの押圧は、加圧シート61で形成された空間内への給気により行われるので、寸法及び又は形状の異なる基板Sに対しても特に構成の変更は不要であり、極めて簡便である。即ち、最も大きな寸法の基板Sをカバーする大きさの加圧シート61を設けておくだけで足りる。
上記実施形態において、基板SはPET製のようなフレキシブルなシートであっても良く、エポキシ樹脂(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)製のようなリジッドなものであっても良い。
また、加圧シート61を真空吸着により伸張させる構成が採用される場合、加圧用給気系62とは別系統の排気系が採用されても良い。この場合、加圧用給気孔13とは別に真空排気系が設けられ、切り替えて動作するようシーケンスプログラムがプログラミングされる。
11 テーブル駆動機構
12 真空排気孔
13 加圧用給気孔
132 切替バルブ
14 給気溝
2 搬送系
21 コンベア
21 移送ハンド
221 吸着パッド
3 マスクホルダー
31 マスク駆動機構
4 露光系
41 光源
42 光学系
5 マスク側真空排気系
6 テーブル側加圧機構
61 加圧シート
610 シート孔
611 シート枠体
62 加圧用給気系
7 真空シール
71 シール給排系
8 シート側真空排気系
Claims (7)
- マスクと基板とを密着させた状態とし、光源からの光をマスクを介して基板に照射することでマスクのパターンを基板に露光するコンタクト露光装置であって、
基板が載置されるテーブルと、
基板に対してテーブルとは反対側においてマスクを保持するマスクホルダーと、
テーブルに載置された基板とマスクホルダーに保持されたマスクとの間を真空排気して両者を密着させるマスク側真空排気系と、
テーブルの側から基板を加圧してマスクに密着させるテーブル側加圧機構と
を備えており、
テーブル側加圧機構は、テーブルの表面を覆う加圧シートと、テーブルの表面に形成された孔を通して気体を供給する加圧用給気系とを備えており、
加圧シートは、周縁がテーブルに対して封止された状態で設けられており、基板が載置された状態で加圧用給気系により気体が供給された際に基板に向けて膨らんで基板を押圧することが可能な柔軟性を有するものであることを特徴とするコンタクト露光装置。 - 前記基板を押圧する際の前記加圧シートを伸張した状態とする伸張手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコンタクト露光装置。
- 前記伸張手段は、前記加圧シートを前記テーブルに真空吸着させるシート側真空排気系を備えた手段であることを特徴とする請求項2記載のコンタクト露光装置。
- 前記加圧シートには、前記シート側真空排気系によって吸引されて前記基板が吸着される孔が設けられていることを特徴とする請求項3記載のコンタクト露光装置。
- 前記加圧シートは枠体に張られた状態で設けられており、枠体は前記テーブルに対して着脱自在であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のコンタクト露光装置。
- 前記加圧シートの張力を高めるための段差が前記テーブルの加圧シートに覆われた部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のコンタクト露光装置。
- 前記マスク側真空排気系及び前記加圧用給気系の動作を制御するコントローラが設けられており、コントローラは、前記マスク側真空排気系を動作させた後に前記加圧用給気系を動作させるものであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のコンタクト露光装置。
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