JP6646539B2 - 流体分析装置、及び流体分析装置の製造方法 - Google Patents

流体分析装置、及び流体分析装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流体分析装置、及び流体分析装置の製造方法に関する。
特許文献1記載の装置では、レーザの一方の端面から出射されたビームが測定槽内のガスを介して検波器で検出され、レーザの他方の端面から出射されたビームが基準槽内の基準ガスを介して別の検波器で検出される。このような装置によれば、2つの検波器のそれぞれから出力される信号を同時に取得することで、測定槽内のガスについて差分吸収測定を実施し、当該ガスを分析することができる。
特開昭63−165735号公報
しかしながら、特許文献1記載の装置では、レーザ、測定槽、基準槽、及び2つの検波器が別々に構成されているため、ガスの分析精度を維持しつつ、構造を単純化することは困難である。
そこで、本発明は、単純な構造で精度良く流体を分析することができる流体分析装置、及び流体分析装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の流体分析装置は、基板と、基板の表面に形成され、表面に平行な所定方向において互いに対向する第1光出射面及び第2光出射面を有する量子カスケードレーザと、表面に形成され、量子カスケードレーザと同一の層構造、及び所定方向において第1光出射面と対向する第1光入射面を有する第1量子カスケード検出器と、表面に形成され、量子カスケードレーザと同一の層構造、及び所定方向において第2光出射面と対向する第2光入射面を有する第2量子カスケード検出器と、少なくとも第2光出射面及び第2光入射面を覆い、量子カスケードレーザの発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有する樹脂部材と、を備え、第1光出射面と第1光入射面との間の第1領域には、分析対象の流体が配置される第1空間が設けられている。
この流体分析装置では、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器のそれぞれから出力される信号を同時に取得することで、分析対象の流体について差分吸収測定を実施し、当該流体を分析することができる。ここで、量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器が同一の層構造を有している。これにより、量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器が同一の量子カスケード構造を有することになるため、量子カスケードレーザの発振波長が、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器のそれぞれの検出波長に確実に重なる。また、量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器が同一の基板の表面に形成されている。これにより、量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器のそれぞれの温度が基板を介して均一化されるため、周囲温度の変化が差分吸収測定の結果に影響し難くなる。よって、この流体分析装置によれば、単純な構造で精度良く流体を分析することができる。
本発明の流体分析装置では、樹脂部材は、第2光出射面と第2光入射面との間の第2領域の全体に配置されており、第1光出射面及び第1光入射面、並びに、第1領域の全体を露出させていてもよい。これにより、樹脂部材自体を基準物質として、第1空間に配置された流体(例えば、ガス)について差分吸収測定を実施することができる。
本発明の流体分析装置では、樹脂部材は、第2光出射面と第2光入射面との間の第2領域の全体に配置されており、第1領域において第1空間を画定する第1凹部を有した状態で第1光出射面及び第1光入射面を覆っていてもよい。これにより、樹脂部材自体を基準物質として、第1空間に配置された流体(例えば、ガス、液体)について差分吸収測定を実施することができる。特に、樹脂部材が有する第1凹部によって第1空間が画定されているため、分析対象の流体が液体である場合に、当該液体を第1空間に安定的に配置することができる。
本発明の流体分析装置では、第1凹部は、基板とは反対側に開口していてもよい。これにより、分析対象の流体が液体である場合に、第1空間に当該液体をより安定的に配置することができる。
本発明の流体分析装置では、樹脂部材は、第2光出射面と第2光入射面との間の第2領域において第2空間を画定する第2凹部を有した状態で第2光出射面及び第2光入射面を覆っており、第1領域において第1空間を画定する第1凹部を有した状態で第1光出射面及び第1光入射面を覆っていてもよい。これにより、第2空間に所定の物質を配置し、当該物質を基準物質として、第1空間に配置された流体(例えば、ガス、液体)について差分吸収測定を実施することができる。特に、樹脂部材が有する第1凹部によって第1空間が画定されているため、分析対象の流体が液体である場合に、当該液体を第1空間に安定的に配置することができる。同様に、樹脂部材が有する第2凹部によって第2空間が画定されているため、基準物資となる所定の物質が液体である場合に、当該液体を第2空間に安定的に配置することができる。
本発明の流体分析装置では、第1凹部及び第2凹部のそれぞれは、基板とは反対側に開口していてもよい。これにより、分析対象の流体が液体である場合に、第1空間に当該液体をより安定的に配置することができる。同様に、基準物資となる所定の物質が液体である場合に、第2空間に当該液体をより安定的に配置することができる。
本発明の流体分析装置では、表面に平行且つ所定方向に垂直な方向における第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器のそれぞれの幅は、表面に平行且つ所定方向に垂直な方向における量子カスケードレーザの幅よりも大きくてもよい。これにより、量子カスケードレーザの第1光出射面から出射されたレーザ光を第1量子カスケード検出器の第1光入射面に効率良く入射させることができる。同様に、量子カスケードレーザの第2光出射面から出射されたレーザ光を第2量子カスケード検出器の第2光入射面に効率良く入射させることができる。
本発明の流体分析装置では、量子カスケードレーザは、分布帰還型素子として構成されており、第1光入射面は、第1光出射面と鋭角を成す位置関係となるように傾斜しており、第2光入射面は、第2光出射面と鋭角を成す位置関係となるように傾斜していてもよい。これにより、量子カスケードレーザの第1光出射面から出射されたレーザ光のうち第1量子カスケード検出器の第1光入射面で反射された光が戻り光となって第1光出射面に入射することが抑制されると共に、量子カスケードレーザの第2光出射面から出射されたレーザ光のうち第2量子カスケード検出器の第2光入射面で反射された光が戻り光となって第2光出射面に入射することが抑制される。したがって、分布帰還型素子として構成された量子カスケードレーザにおいて、戻り光の影響で発振モードが乱れるのを抑制して、安定したシングルモード発振を得ることができ、より高精度な分光計測を実施することが可能となる。
本発明の流体分析装置の製造方法は、基板の表面に、量子カスケード構造を含む積層体を形成する第1工程と、積層体にエッチング処理を施し、表面に平行な所定方向において互いに対向する第1光出射面及び第2光出射面を有する量子カスケードレーザ、所定方向において第1光出射面と対向する第1光入射面を有する第1量子カスケード検出器、並びに所定方向において第2光出射面と対向する第2光入射面を有する第2量子カスケード検出器を形成する第2工程と、表面に、量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器を覆うように、量子カスケードレーザの発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有する樹脂層を形成する第3工程と、樹脂層にエッチング処理を施し、少なくとも第2光出射面及び第2光入射面を覆う樹脂部材を形成すると共に、第1光出射面と第1光入射面との間の第1領域に、分析対象の流体が配置される第1空間を設ける第4工程と、を含む。
この流体分析装置の製造方法によれば、上述した流体分析装置を容易に且つ確実に製造することができる。特に、同一の量子カスケード構造を有する量子カスケードレーザ、第1量子カスケード検出器及び第2量子カスケード検出器を、基板の表面に高い位置精度で形成することができる。
本発明によれば、単純な構造で精度良く流体を分析することができる流体分析装置、及び流体分析装置の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の流体分析装置の平面図である。 図1の流体分析装置の側面図である。 図2のIII−IIIに沿っての断面図である。 分光エリプソメータで測定されたPAK−01の吸収係数(消衰係数)を示す図である。 図1の流体分析装置の製造方法を説明するための側面図である。 図1の流体分析装置の製造方法を説明するための側面図である。 図1の流体分析装置の製造方法を説明するための側面図である。 本発明の第2実施形態の流体分析装置の平面図である。 図8の流体分析装置の側面図である。 本発明の第3実施形態の流体分析装置の平面図である。 図10の流体分析装置の側面図である。 変形例の流体分析装置の一部分の平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、流体分析装置1Aは、基板2と、量子カスケードレーザ20(以下、「QCL20」という)と、第1量子カスケード検出器30(以下、「第1QCD30」という)と、第2量子カスケード検出器40(以下、「第2QCD40」という)と、樹脂部材3と、を備えている。基板2は、例えばInP等の半絶縁性半導体材料からなる。基板2の表面2aに垂直なZ軸方向から見た場合に、Z軸方向に垂直なY軸方向における基板2の幅は、例えば数百μm程度であり、Z軸方向及びY軸方向に垂直なX軸方向(基板2の表面2aに平行な所定方向)における基板2の長さは、例えば数mm程度である。なお、図2では、樹脂部材3のみが、図1の一点鎖線に沿っての断面で示されている。
QCL20は、基板2の表面2aに形成されている。QCL20は、X軸方向において互いに対向する第1光出射面20a及び第2光出射面20bを有している。第1光出射面20a及び第2光出射面20bは、X軸方向に垂直なYZ平面に平行である。Y軸方向におけるQCL20の幅は、例えば数μm〜数十μm程度であり、X軸方向におけるQCL20の長さ(共振器長)は、例えば数mm程度である。
図3に示されるように、QCL20は、層構造10を有している。層構造10は、活性層11、上部ガイド層12a及び下部ガイド層12b、上部クラッド層13a及び下部クラッド層13b、並びに、上部コンタクト層14a及び下部コンタクト層14bからなるリッジストライプ構造である。下部コンタクト層14bは、例えばInGaAsからなり、基板2の表面2aに形成されている。下部クラッド層13bは、例えばInPからなり、下部コンタクト層14b上に形成されている。下部ガイド層12bは、例えばInGaAsからなり、下部クラッド層13b上に形成されている。活性層11は、量子カスケード構造を有し、下部ガイド層12b上に形成されている。上部ガイド層12aは、例えばInGaAsからなり、活性層11上に形成されている。上部クラッド層13aは、例えばInPからなり、上部ガイド層12a上に形成されている。上部コンタクト層14aは、例えばInGaAsからなり、上部クラッド層13a上に形成されている。
活性層11における1周期当たりの量子カスケード構造の一例は、表1のとおりである。
Figure 0006646539
QCL20では、Y軸方向における下部コンタクト層14bの幅が、Y軸方向における基板2の幅と同一となっており、Y軸方向における下部クラッド層13b、下部ガイド層12b、活性層11、上部ガイド層12a、上部クラッド層13a及び上部コンタクト層14aの幅が、Y軸方向における基板2の幅よりも小さくなっている。これにより、Y軸方向における下部コンタクト層14bの両縁部が、Y軸方向における下部クラッド層13b、下部ガイド層12b、活性層11、上部ガイド層12a、上部クラッド層13a及び上部コンタクト層14aの両側面に対して、Y軸方向における両側に突出している。
Y軸方向における下部クラッド層13b、下部ガイド層12b、活性層11、上部ガイド層12a、上部クラッド層13a及び上部コンタクト層14aの両側面には、例えばSiNからなる絶縁膜21が形成されている。上部コンタクト層14a上には、例えばAuからなる上部電極22が形成されている。Y軸方向における下部コンタクト層14bの両縁部上には、例えばAuからなる下部電極23が形成されている。
図1及び図2に示されるように、第1QCD30は、基板2の表面2aに形成されている。より具体的には、第1QCD30は、QCL20に対してX軸方向における一方の側に位置するように、基板2の表面2aに形成されている。第1QCD30は、X軸方向においてQCL20の第1光出射面20aと対向する第1光入射面30aを有している。第1光入射面30aは、YZ平面に平行である。Y軸方向における第1QCD30の幅は、例えば数十μm程度であり、X軸方向における第1QCD30の長さは、例えば数百μm〜数mm程度である。QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの距離は、例えば数百μm程度である。
第1QCD30は、QCL20と同一の層構造10を有しており、第1QCD30の活性層11は、QCL20の活性層11と同一の量子カスケード構造を有している。第1QCD30は、QCL20の絶縁膜21、上部電極22及び下部電極23に代えて、それらに相当する絶縁膜31、上部電極32及び下部電極33を有している。
第2QCD40は、基板2の表面2aに形成されている。より具体的には、第2QCD40は、QCL20に対してX軸方向における他方の側に位置するように、基板2の表面2aに形成されている。第2QCD40は、X軸方向においてQCL20の第2光出射面20bと対向する第2光入射面40aを有している。第2光入射面40aは、YZ平面に平行である。Y軸方向における第2QCD40の幅は、例えば数十μm程度であり、X軸方向における第2QCD40の長さは、例えば数百μm〜数mm程度である。QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの距離は、例えば数百μm程度である。
第2QCD40は、QCL20と同一の層構造10を有しており、第2QCD40の活性層11は、QCL20の活性層11と同一の量子カスケード構造を有している。第2QCD40は、QCL20の絶縁膜21、上部電極22及び下部電極23に代えて、それらに相当する絶縁膜41、上部電極42及び下部電極43を有している。
第1QCD30の形状は、第2QCD40の形状と同一である。QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの距離は、QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの距離と同一である。Y軸方向(基板2の表面2aに平行且つ所定方向に垂直な方向)における第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの幅は、Y軸方向におけるQCL20の幅よりも大きい。なお、同一の特性が得られるのであれば、第1QCD30の形状と第2QCD40の形状とは、同一である必要はない。
樹脂部材3は、QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの間の第2領域R2の全体に配置されており、第2光出射面20b及び第2光入射面40aを覆っている。樹脂部材3は、QCL20の発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有している。樹脂部材3は、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30a、並びに、第1光出射面20aと第1光入射面30aとの間の第1領域R1の全体を露出させている。流体分析装置1Aでは、第1領域R1の全体が、分析対象の流体が配置される第1空間S1となっている。
以上のように構成された流体分析装置1Aは、例えば配線基板に実装された状態で、次のように使用される。すなわち、流体分析装置1Aが分析対象のガス雰囲気中に暴露され、第1空間S1に分析対象のガスが配置される。この状態で、上部電極22及び下部電極23を介してQCL20にバイアス電圧が印加され、QCL20においてレーザ発振が起こされる。これにより、QCL20の第1光出射面20aから出射されたレーザ光L1は、分析対象のガスを介して第1QCD30の第1光入射面30aに入射し、上部電極32及び下部電極33を介して第1QCD30から信号が出力される。一方、QCL20の第2光出射面20bから出射されたレーザ光L2は、樹脂部材3を介して第2QCD40の第2光入射面40aに入射し、上部電極42及び下部電極43を介して第2QCD40から信号が出力される。後段の処理回路では、分析対象のガスを分析するために、第1QCD30から出力された信号と第2QCD40から出力された信号との差分が取られる。このように、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれから出力される信号が同時に取得され、樹脂部材3自体を基準物質(リファレンス)として、第1空間S1に配置されたガスについて差分吸収測定がリアルタイムに実施される。
ここで、流体分析装置1Aでは、次の理由により、QCL20が安定して動作する。すなわち、QCL20では、Y軸方向における下部コンタクト層14bの両縁部上に下部電極23が形成されている。そのため、基板2が半絶縁性半導体材料からなっているものの、上部電極22及び下部電極23を介してQCL20にバイアス電圧が印加された際に、下部コンタクト層14bを介してQCL20の内部に電流が均一に広がり、接触抵抗の低減が実現されるからである。
なお、樹脂部材3の材料としては、例えば東洋合成工業株式会社製の「光硬化性樹脂PAK−01」を用いることが可能である。図4は、分光エリプソメータで測定されたPAK−01の吸収係数(消衰係数)を示す図である。図4に示されるように、PAK−01は、3.8〜5.5μm及び6.3〜6.5μmの波長に対して透明である。樹脂部材3の材料としてPAK−01を用いる場合、QCL20の発振波長が3.8〜5.5μm又は6.3〜6.5μmの範囲に含まれるように活性層11の量子カスケード構造を設計することで(表1に示される例は、QCL20の発振波長が6.4μmとなるように活性層11の量子カスケード構造を設計した例)、QCL20の第2光出射面20bから出射されたレーザ光L2が樹脂部材3に吸収されるのを抑制することができる。PAK−01は、例えば、二酸化炭素の吸収(波長4.3μm)、一酸化二窒素の吸収(波長4.5μm)、生体有機分子に含まれる炭素の二重結合の伸縮振動による吸収(アミドIIバンド、波長6.4μm)等を検出するに好適である。
以上説明したように、流体分析装置1Aでは、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれから出力される信号を同時に取得することで、分析対象の流体について差分吸収測定を実施し、当該流体を分析することができる。ここで、流体分析装置1Aでは、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40が同一の層構造10を有している。これにより、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40が同一の量子カスケード構造を有することになるため、QCL20の発振波長が、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの検出波長に確実に重なる。また、流体分析装置1Aでは、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40が同一の基板2の表面2aに形成されている。これにより、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの温度が基板2を介して均一化されるため、周囲温度の変化が差分吸収測定の結果に影響し難くなる。よって、流体分析装置1Aによれば、単純な構造で精度良く流体を分析することができる。
一般的に、同一の層構造を有する量子カスケードレーザ及び量子カスケード検出器においては、量子カスケード検出器の検出波長域が量子カスケードレーザの発振波長域よりも広くなる。しかし、量子カスケード検出器の検出波長域は、フォトダイオード等に比べて非常に狭く、ピーキーである。したがって、量子カスケード検出器を受光素子として用いる場合、発光素子の発振波長域との合わせ込みが難しい。それに対し、流体分析装置1Aでは、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40が、同一の層構造10を有し、同一の基板2上にモノシリックに形成されている。そのため、QCL20の発振波長域と第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの検出波長域との合わせ込みを特に行わなくても、QCL20の発振波長域が、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの検出波長域に確実に重なる。また、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの検出波長域がフォトダイオード等に比べて非常に狭いこと、並びに、サブバンド間遷移に関する選択則から第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれがZ軸方向から入射する光に対して感度を有しないことから、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれによるノイズ光の検出を抑制することができる。なお、量子カスケードレーザ及び量子カスケード検出器が同一の基板上にモノシリックに形成された例は、例えば、「Benedikt Schwarz, Peter Reininger, Daniela Ristanic, Hermann Detz,Aaron Maxwell Andrews, Werner Schrenk and Gottfried Strasser、“Monolithically integrated mid-infrared lab-on-a-chip usingplasmonics and quantum cascade structures”、NatureCommunications、Published:6/Jun/2014、Vol.5 4085(2014)」に記載されている。
また、流体分析装置1Aでは、樹脂部材3が、QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの間の第2領域R2の全体に配置されており、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30a、並びに、それらの間の第1領域R1の全体を露出させている。これにより、樹脂部材3自体を基準物質として、第1空間S1に配置された流体(例えば、ガス)について差分吸収測定を実施することができる。
また、流体分析装置1Aでは、Y軸方向における第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの幅が、Y軸方向におけるQCL20の幅よりも大きい。これにより、QCL20の第1光出射面20aから広がり角をもって出射されたレーザ光L1を第1QCD30の第1光入射面30aに効率良く入射させることができる。同様に、QCL20の第2光出射面20bから広がり角をもって出射されたレーザ光L2を第2QCD40の第2光入射面40aに効率良く入射させることができる。
次に、流体分析装置1Aの製造方法について、図5、図6及び図7を参照して説明する。まず、図5の(a)に示されるように、基板2の表面2aに、量子カスケード構造を含む積層体100を形成する(第1工程)。積層体100は、下部コンタクト層14b、下部クラッド層13b、下部ガイド層12b、活性層11、上部ガイド層12a、上部クラッド層13a及び上部コンタクト層14a(図3参照)を、分子線エピタキシー法、有機金属気相成長法等によって基板2の表面2aに順次エピタキシャル成長させることで、得られる。
続いて、図5の(b)に示されるように、積層体100にエッチング処理を施すことにより、QCL20の層構造10に相当する部分200、第1QCD30の層構造10に相当する部分300、及び第2QCD40の層構造10に相当する部分を形成する(第2工程)。各部分200,300,400の形成には、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いることが可能である。ただし、基板2の表面2aに対する垂直性に優れた第1光出射面20a、第2光出射面20b、第1光入射面30a及び第2光入射面40aを得るために、ICP等のドライエッチング技術を用いることが好ましい。なお、各部分200,300,400は、下部コンタクト層14bのうち互いの間に存在していた領域が除去されることで、互いに電気的に分離される。続いて、図6の(a)に示されるように、部分200に対しは絶縁膜21を介して上部電極22及び下部電極23を形成し、部分300に対しは絶縁膜31を介して上部電極32及び下部電極33を形成し、部分400に対しは絶縁膜41を介して上部電極42及び下部電極43を形成することにより、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40を得る(第2工程)。
続いて、図6の(b)に示されるように、基板2の表面2aに、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40を覆うように、QCL20の発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有する樹脂層500を形成する(第3工程)。樹脂層500は、例えば、スピンコートによって基板2の表面2aに紫外線硬化樹脂材を塗布した後、紫外線の照射によって当該樹脂材を硬化させることで、得られる。続いて、図7の(a)及び(b)に示されるように、樹脂層500にエッチング処理を施し、樹脂部材3を形成すると共に、QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの間の第1領域R1に第1空間S1を設ける(第4工程)。より具体的には、図7の(a)に示されるように、樹脂層500上にフォトレジスト501をパターニングし、図7の(b)に示されるように、樹脂層500に反応性イオンエッチング処理を施すことにより、樹脂部材3を形成すると共に、第1領域R1に第1空間S1を設ける。
以上の各工程を順次実施することで、流体分析装置1Aを得る。なお、以上の各工程をウェハレベルで順次実施し、最後にウェハをダイシングして複数の流体分析装置1Aを得ることが可能である。その場合、第1QCD30において第1光入射面30aと対向する端面、及び第2QCD40において第2光入射面40aと対向する端面は、ダイシング時における劈開面等の切断面であってもよい。
以上説明したように、流体分析装置1Aの製造方法によれば、流体分析装置1Aを容易に且つ確実に製造することができる。特に、同一の量子カスケード構造を有するQCL20、第1QCD30及び第2QCD40を、基板2の表面2aに高い位置精度で形成することができる。
[第2実施形態]
図8及び図9に示されるように、流体分析装置1Bは、樹脂部材3の構成において、上述した流体分析装置1Aと主に相違している。なお、図9では、樹脂部材3のみが、図8の一点鎖線に沿っての断面で示されている。
流体分析装置1Bでは、樹脂部材3は、QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの間の第1領域R1において第1空間S1を画定する第1凹部3aを有した状態で、第1光出射面20a及び第1光入射面30aを覆っている。第1凹部3aは、基板2とは反対側に開口しており、第1凹部3aの底面は、基板2の表面2aとなっている。QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの間の第2領域R2の全体に樹脂部材3が配置されている点は、上述した流体分析装置1Aの樹脂部材3と同様である。
樹脂部材3は、QCL20の上部電極22を露出させる凹部3b、第1QCD30の上部電極32を露出させる凹部3c、及び第2QCD40の上部電極42を露出させる凹部3dを更に有している。各上部電極22,32,42に対しては、対応する各凹部3b,3c,3dを介して、外部配線との電気的なコンタクトを取ることが可能である。各下部電極23,33,43に対しては、それぞれの外縁部が樹脂部材3によって覆われていないため、それぞれの外縁部を介して、外部配線との電気的なコンタクトを取ることが可能である。なお、分析対象の流体が液体である場合に、当該流体の付着等を防止するために、各上部電極22,32,42に対する外部配線との電気的なコンタクト、及び各下部電極23,33,43に対する外部配線との電気的なコンタクトを取った後に、各凹部3b,3c,3d及び下部電極23,33,43を樹脂部材で覆いうこと(つまり、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれを全体的に樹脂部材で覆うこと)が好ましい。
以上説明したように、流体分析装置1Bによれば、上述した流体分析装置1Aと同様に、単純な構造で精度良く流体を分析することができる。
また、流体分析装置1Bでは、樹脂部材3が第2領域R2の全体に配置されているだけでなく、樹脂部材3が、第1領域R1において第1空間S1を画定する第1凹部3aを有した状態で、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30aを覆っている。これにより、樹脂部材3自体を基準物質として、第1空間S1に配置された流体(例えば、ガス、液体)について差分吸収測定を実施することができる。
特に、流体分析装置1Bでは、樹脂部材3が有する第1凹部3aによって第1空間S1が画定されており、第1凹部3aが基板2とは反対側に開口しているため、分析対象の流体が液体である場合に、マイクロピペット等を用いて当該液体を第1空間S1に安定的に配置することができる。また、分析対象の流体として液体を第1空間S1に配置した場合にも、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30aが樹脂部材3によって覆われているため、電気的な絶縁性を確保することができる。更に、微量のサンプルでの分析が可能であるため、例えば、唾液、血液、汗、尿等を分析する場合に、被験者への負担を軽減することができる。
[第3実施形態]
図10及び図11に示されるように、流体分析装置1Cは、樹脂部材3の構成において、上述した流体分析装置1Aと主に相違している。なお、図11では、樹脂部材3のみが、図10の一点鎖線に沿っての断面で示されている。
流体分析装置1Cでは、樹脂部材3は、QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの間の第1領域R1において第1空間S1を画定する第1凹部3aを有した状態で、第1光出射面20a及び第1光入射面30aを覆っている。第1凹部3aは、基板2とは反対側に開口しており、第1凹部3aの底面は、基板2の表面2aとなっている。更に、樹脂部材3は、QCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの間の第2領域R2において第2空間S2を画定する第2凹部3eを有した状態で、第2光出射面20b及び第2光入射面40aを覆っている。第2凹部3eは、基板2とは反対側に開口しており、第2凹部3eの底面は、基板2の表面2aとなっている。
樹脂部材3は、QCL20の上部電極22を露出させる凹部3b、第1QCD30の上部電極32を露出させる凹部3c、及び第2QCD40の上部電極42を露出させる凹部3dを更に有している。各上部電極22,32,42に対しては、対応する各凹部3b,3c,3dを介して、外部配線との電気的なコンタクトを取ることが可能である。各下部電極23,33,43に対しては、それぞれの外縁部が樹脂部材3によって覆われていないため、それぞれの外縁部を介して、外部配線との電気的なコンタクトを取ることが可能である。なお、分析対象の流体が液体である場合に、当該流体の付着等を防止するために、各上部電極22,32,42に対する外部配線との電気的なコンタクト、及び各下部電極23,33,43に対する外部配線との電気的なコンタクトを取った後に、各凹部3b,3c,3d及び下部電極23,33,43を樹脂部材で覆いうこと(つまり、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれを全体的に樹脂部材で覆うこと)が好ましい。
以上説明したように、流体分析装置1Cによれば、上述した流体分析装置1Aと同様に、単純な構造で精度良く流体を分析することができる。
また、流体分析装置1Cでは、樹脂部材3が、第1領域R1において第1空間S1を画定する第1凹部3aを有した状態で、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30aを覆っている。更に、樹脂部材3が、第2領域R2において第2空間S2を画定する第2凹部3eを有した状態で、QCL20の第2光出射面20b及び第2QCD40の第2光入射面40aを覆っている。これにより、第2空間S2に所定の物質を配置し、当該物質を基準物質として、第1空間S1に配置された流体(例えば、ガス、液体)について差分吸収測定を実施することができる。
一例として、第1空間S1を画定する第1凹部3aに、所定の溶媒及び所定の溶質からなる溶液を配置し、第2空間S2を画定する第2凹部3eに、当該所定の溶媒のみからなる溶液(すなわち、当該所定の溶質が除かれた溶液)を配置すれば、当該所定の溶媒の影響を除いた当該所定の溶質のみの吸収特性を評価することができる。
特に、流体分析装置1Cでは、樹脂部材3が有する第1凹部3aによって第1空間S1が画定されており、第1凹部3aが基板2とは反対側に開口しているため、分析対象の流体が液体である場合に、マイクロピペット等を用いて当該液体を第1空間S1に安定的に配置することができる。同様に、樹脂部材3が有する第2凹部3eによって第2空間S2が画定されており、第2凹部3eが基板2とは反対側に開口しているため、基準物資となる所定の物質が液体である場合に、マイクロピペット等を用いて当該液体を第2空間S2に安定的に配置することができる。また、分析対象の流体として液体を第1空間S1に配置した場合にも、QCL20の第1光出射面20a及び第1QCD30の第1光入射面30aが樹脂部材3によって覆われているため、電気的な絶縁性を確保することができる。同様に、基準物質となる所定の物質として液体を第2空間S2に配置した場合にも、QCL20の第2光出射面20b及び第2QCD40の第2光入射面40aが樹脂部材3によって覆われているため、電気的な絶縁性を確保することができる。更に、微量のサンプルでの分析が可能であるため、例えば、唾液、血液、汗、尿等を分析する場合に、被験者への負担を軽減することができる。
以上、本発明の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、QCL20、第1QCD30及び第2QCD40のそれぞれの層構造10は、上述したものに限定されない。また、層構造10における活性層11の量子カスケード構造も、上述したものに限定されない。
一例として、上述した各実施形態において、層構造10に回折格子層を設けて、QCL20を分布帰還(DFB:Distributed Feedback)型素子として構成してもよい。そのような構成によれば、QCL20においてシングルモード発振を得て、より高精度な分光計測を実施することができる。
その場合、図12の(a)及び(b)に示されるように、第1QCD30の第1光入射面30aがQCL20の第1光出射面20aと鋭角を成す位置関係となるように、第1QCD30の第1光入射面30aを傾斜させることが好ましい。同様に、第2QCD40の第2光入射面40aがQCL20の第2光出射面20bと鋭角を成す位置関係となるように、第2QCD40の第2光入射面40aを傾斜させることが好ましい。これにより、レーザ光L1のうち第1QCD30の第1光入射面30aで反射された光L1aが戻り光となってQCL20の第1光出射面20aに入射することが抑制されると共に、レーザ光L2のうち第2QCD40の第2光入射面40aで反射された光L2aが戻り光となってQCL20の第2光出射面20bに入射することが抑制される。したがって、戻り光の影響でDFBによる発振モードが乱れるのを抑制して、QCL20において、安定したシングルモード発振を得ることができる。
図12の(a)及び(b)に示される例では、第1QCD30の第1光入射面30a及び第2QCD40の第2光入射面40aのそれぞれが、Z軸方向に垂直なXY平面と直角を成し且つX軸方向に垂直なYZ平面と45°を成すように傾斜している。傾斜した第1光入射面30aを有する第1QCD30、及び傾斜した第2光入射面40aを有する第2QCD40は、フォトリソグラフィー技術を用いて積層体100にエッチング処理を施すことで、形成することができる。
上述したように、QCL20の第1光出射面20aと第1QCD30の第1光入射面30aとの距離、及びQCL20の第2光出射面20bと第2QCD40の第2光入射面40aとの距離は、それぞれ、例えば数百μm程度である。そのため、第1QCD30の第1光入射面30a及び第2QCD40の第2光入射面40aのそれぞれに、例えば誘電体多層膜からなる無反射コーティングを施すことは極めて困難である。したがって、第1QCD30の第1光入射面30a及び第2QCD40の第2光入射面40aのそれぞれを傾斜させることは、DFB型素子として構成されたQCL20において、安定したシングルモード発振を得る上で、極めて重要である。
なお、図12の(a)に示されるように、光L1a及び光L2aが互いに同じ側に逃げるように、第1QCD30の第1光入射面30a及び第2QCD40の第2光入射面40aのそれぞれを傾斜させてもよい。或いは、図12の(b)に示されるように、光L1a及び光L2aが互いに異なる側に逃げるように、第1QCD30の第1光入射面30a及び第2QCD40の第2光入射面40aのそれぞれを傾斜させてもよい。
1A,1B,1C…流体分析装置、2…基板、2a…表面、3…樹脂部材、3a…第1凹部、3e…第2凹部、10…層構造、20…QCL(量子カスケードレーザ)、20a…第1光出射面、20b…第2光出射面、30…第1QCD(第1量子カスケード検出器)、30a…第1光入射面、40…第2QCD(第2量子カスケード検出器)、40a…第2光入射面、100…積層体、500…樹脂層、R1…第1領域、R2…第2領域、S1…第1空間、S2…第2空間。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に形成され、前記表面に平行な所定方向において互いに対向する第1光出射面及び第2光出射面を有する量子カスケードレーザと、
    前記表面に形成され、前記量子カスケードレーザと同一の層構造、及び前記所定方向において前記第1光出射面と対向する第1光入射面を有する第1量子カスケード検出器と、
    前記表面に形成され、前記量子カスケードレーザと同一の層構造、及び前記所定方向において前記第2光出射面と対向する第2光入射面を有する第2量子カスケード検出器と、
    少なくとも前記第2光出射面及び前記第2光入射面を覆い、前記量子カスケードレーザの発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有する樹脂部材と、を備え、
    前記第1光出射面と前記第1光入射面との間の第1領域には、分析対象の流体が配置される第1空間が設けられている、流体分析装置。
  2. 前記樹脂部材は、
    前記第2光出射面と前記第2光入射面との間の第2領域の全体に配置されており、
    前記第1光出射面及び前記第1光入射面、並びに、前記第1領域の全体を露出させている、請求項1記載の流体分析装置。
  3. 前記樹脂部材は、
    前記第2光出射面と前記第2光入射面との間の第2領域の全体に配置されており、
    前記第1領域において前記第1空間を画定する第1凹部を有した状態で前記第1光出射面及び前記第1光入射面を覆っている、請求項1記載の流体分析装置。
  4. 前記第1凹部は、前記基板とは反対側に開口している、請求項3記載の流体分析装置。
  5. 前記樹脂部材は、
    前記第2光出射面と前記第2光入射面との間の第2領域において第2空間を画定する第2凹部を有した状態で前記第2光出射面及び前記第2光入射面を覆っており、
    前記第1領域において前記第1空間を画定する第1凹部を有した状態で前記第1光出射面及び前記第1光入射面を覆っている、請求項1記載の流体分析装置。
  6. 前記第1凹部及び前記第2凹部のそれぞれは、前記基板とは反対側に開口している、請求項5記載の流体分析装置。
  7. 前記表面に平行且つ前記所定方向に垂直な方向における前記第1量子カスケード検出器及び前記第2量子カスケード検出器のそれぞれの幅は、前記表面に平行且つ前記所定方向に垂直な前記方向における前記量子カスケードレーザの幅よりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項記載の流体分析装置。
  8. 前記量子カスケードレーザは、分布帰還型素子として構成されており、
    前記第1光入射面は、前記第1光出射面と鋭角を成す位置関係となるように傾斜しており、
    前記第2光入射面は、前記第2光出射面と鋭角を成す位置関係となるように傾斜している、請求項1〜7のいずれか一項記載の流体分析装置。
  9. 基板の表面に、量子カスケード構造を含む積層体を形成する第1工程と、
    前記積層体にエッチング処理を施し、前記表面に平行な所定方向において互いに対向する第1光出射面及び第2光出射面を有する量子カスケードレーザ、前記所定方向において前記第1光出射面と対向する第1光入射面を有する第1量子カスケード検出器、並びに前記所定方向において前記第2光出射面と対向する第2光入射面を有する第2量子カスケード検出器を形成する第2工程と、
    前記表面に、前記量子カスケードレーザ、前記第1量子カスケード検出器及び前記第2量子カスケード検出器を覆うように、前記量子カスケードレーザの発振波長に対する光透過性、及び電気絶縁性を有する樹脂層を形成する第3工程と、
    前記樹脂層にエッチング処理を施し、少なくとも前記第2光出射面及び前記第2光入射面を覆う樹脂部材を形成すると共に、前記第1光出射面と前記第1光入射面との間の第1領域に、分析対象の流体が配置される第1空間を設ける第4工程と、を含む、流体分析装置の製造方法。
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