JP6646535B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両用ブレーキ装置に負圧ブースタとして用いられる気圧式倍力装置に関する。
一般に、車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に気圧式倍力装置が設けられている。この種の気圧式倍力装置としては、入力ロッドに連結されたプランジャと、プランジャに当接可能に配置された可動部材と、入力ロッドがプランジャと可動部材とを移動させることにより、変圧室に作動気体を導入して定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させる弁手段と、この圧力差によってパワーピストンに生じた推力が作用する出力ロッドと、出力ロッドからの反力の一部を入力ロッドに伝達するためのリアクション部材とを備えている。また、可動部材の外周側には、可動部材に係合する係合部材と、係合部材と相対移動して係合部材と可動部材との係合を解除する係合解除部材とを備えている。
この場合、係合部材は、急制動時等に入力ロッドが速く押込まれると、可動部材に係合することにより可動部材の移動を規制する。これにより、入力ロッドの戻し時に可動部材とプランジャとの間に隙間を形成させている。その結果、入力ロッドには、リアクション部材からの反力が作用しないので、入力ロッドの押込み状態を長く維持することができ、弁手段を長く開放して出力を増加させている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2005/0126385号明細書
ところで、従来技術による気圧式倍力装置では、ブレーキ解除時(入力ロッドの戻し時)で弁手段が閉じた場合に、係合解除部材が係合部材と可動部材との係合を解除すると、リアクション部材からの反力が可動部材へ一気に解放されるので、可動部材が速い速度でプランジャに衝突して打音(異音)が発生する虞がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ブレーキ解除時に異音が発生するのを抑制した気圧式倍力装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、定圧室と変圧室とに画成されたハウジング内に配置され、前記定圧室と前記変圧室との圧力差により変位するパワーピストンと、前記パワーピストンに連結され前記ハウジング内を移動するバルブボディと、一端側がブレーキペダルに連結され他端側が前記バルブボディ内に向けて延びる入力ロッドと、前記バルブボディ内に配置され前記入力ロッドに連結されるプランジャと、前記バルブボディ内で前記プランジャの軸方向他端側に当接可能に配置された可動部材と、前記入力ロッドが前記プランジャと前記可動部材とを移動させることにより、前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と前記変圧室との間に圧力差を発生させる弁手段と、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力が作用する出力ロッドと、前記出力ロッドからの反力の一部を前記可動部材および前記プランジャを介して前記入力ロッドに伝達するリアクション部材と、を備えた気圧式倍力装置に適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記可動部材の外周側に摺動可能に配置され、該可動部材が前記バルブボディに対して相対移動したときに該可動部材に係合する係合部材と、前記バルブボディ内で軸方向に相対移動可能に設けられ、前記係合部材に接触することにより該係合部材と前記可動部材との係合を解除する係合解除部材と、前記係合解除部材と前記バルブボディとの間に配置される第1のシール部材と、前記係合解除部材と前記可動部材との間に配置される第2のシール部材と、を備え、前記バルブボディには、前記定圧室と前記バルブボディ内とを連通する連通路が形成され、前記バルブボディ内は、前記入力ロッドの他端側が位置し前記変圧室と連通される第1の室と、該第1の室と前記第1,第2のシール部材により画成され前記バルブボディに形成される前記連通路により前記定圧室と連通される第2の室とからなり、前記可動部材は、一端側が前記第1の室内に位置し他端側が前記第2の室内に位置している。
本発明によれば、ブレーキ解除時に異音が発生するのを抑制することができる。
本発明の実施形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。 図1中のバルブボディ、可動部材、係合部材、係合解除部材等を拡大して示す断面図である。 図2中の可動部材、係合部材、係合解除部材等を拡大して示す断面図である。 急ブレーキ操作時の作動状態を示す断面図である。 急ブレーキ操作を解除したときの作動状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態による気圧式倍力装置として、車両用ブレーキ装置に適用される気圧式倍力装置を例に挙げ、図1ないし図5に従って詳細に説明する。
図1において、気圧式倍力装置1は、その外殻を構成するハウジング2を有し、該ハウジング2は、車両(図示せず)の前側寄りに位置するフロントシェル3と、その後側に位置するリヤシェル4とにより構成されている。これらシェル3,4は、その外周側で互いに気密状態に固着され、ハウジング2の内部に室(後述の定圧室Aと変圧室B)を画成している。
ハウジング2のフロントシェル3には、前壁3Aの中央部にマスタシリンダ(図示せず)の一部を収納するための筒状凹部3Bが形成されている。ここで、フロントシェル3の筒状凹部3Bには、前記マスタシリンダとの間を気密にシールする環状のシール部材(図示せず)が設けられている。このシール部材は、ハウジング2内の定圧室Aを外部の大気に対して気密状態にシールするものである。
一方、リヤシェル4には、車両ボディ(図示せず)への取付面となる後壁4Aの中央部から軸方向外向きに後方筒部4Bが突設されている。また、リヤシェル4には、後方筒部4Bの軸方向(長さ方向)途中部位に環状の段差部4Cが設けられている。この段差部4Cには、後述する入力ロッド21の押動操作解除時に後述のストップキー29が図1に示すように当接し、これによって、バルブボディ6およびプランジャ28の戻り位置が規制される。
ハウジング2内には、ダイヤフラム等からなるパワーピストン5が設けられている。このパワーピストン5は、外周側がフロントシェル3とリヤシェル4との間に固着され、内周側が後述のバルブボディ6に固着されている。これにより、フロントシェル3とパワーピストン5との間の空間は、定圧室Aとなっている。一方、リヤシェル4とパワーピストン5との間は、変圧室Bとなっている。即ち、フロントシェル3とリヤシェル4との間に形成されるハウジング2内の空間は、パワーピストン5により定圧室Aと変圧室Bとに画成されている。
バルブボディ6は、パワーピストン5に連結されハウジング2内を軸方向に移動するものである。このバルブボディ6は、例えば高強度の樹脂材料を用いて形成され、リヤシェル4の後方筒部4B内に挿通されている。そして、バルブボディ6は、前端側(他端側)がパワーピストン5に連結され、リヤシェル4の後方筒部4B内を延びる第1のボディ7と、第1のボディ7の前端側に位置して第1のボディ7内に挿入(嵌合)された第2のボディ16とにより構成されている。第1のボディ7と第2のボディ16とは、パワーピストン5の変位に連動して一緒にハウジング2内を軸方向に変位する。
第1のボディ7は、前端側(他端側)がハウジング2内でパワーピストン5の内周側に連結(固着)され後方筒部4Bに沿って延びる大径部7Aと、大径部7Aに接続されリヤシェル4の後方筒部4Bからハウジング2の外部に延出された小径部7Bと、大径部7Aおよび小径部7Bの径方向内側に設けられた内側突出部7Cと、内側突出部7Cの後端側に形成された環状の弁座部7Dとを含んで構成されている。この場合、大径部7Aと小径部7Bとは、第1のボディ7の外殻を構成している。
大径部7Aの内周側は、軸方向後側に向けて窪む第2のボディ挿入凹部8となっている。この第2のボディ挿入凹部8には、後述の第2のボディ16が挿入される。また、大径部7Aには、第2のボディ挿入凹部8よりも径方向外側に位置して、前,後方向に延びる第1の連通路9が形成されている。この第1の連通路9は、周方向に離間して複数個形成され、前端側が定圧室Aに常時連通し、後端側が小径部7B側に向けて軸方向に延びている。
図2に示すように、第1のボディ7には、内側突出部7Cの後端側で第1の連通路9の開口端側(後端側)が開口する位置に環状の弁座部7Dが形成されている。弁座部7Dは、後述のポペット弁体22、プランジャ28の当接部28Cと共に弁手段としての弁機構10を構成している。弁機構10は、ポペット弁体22がプランジャ28の当接部28Cおよび/または第1のボディ7の弁座部7Dに離着座することにより、変圧室Bを定圧室Aに連通,遮断させるため後述の如く開,閉弁するものである。即ち、第1の連通路9は、定圧室Aに常時連通し、弁機構10により変圧室Bに連通,遮断される。
また、小径部7Bの内周側は、後端側が外部に連通した大気導入孔11となっている。一方、内側突出部7Cの内周側は、前記大気導入孔11よりも前側に位置して大気導入孔11に連通したプランジャ挿通孔12となっている。大気導入孔11とプランジャ挿通孔12との間には、環状の弁座部7Dが段付状に形成されている。また、プランジャ挿通孔12は、段付孔として形成され、後述のプランジャ28が前,後方向に移動可能に挿通されている。
内側突出部7Cの内周側は、プランジャ挿通孔12の前側に位置する部位が前,後方向(軸方向)に貫通した係合解除部材挿通孔13となっている。この係合解除部材挿通孔13は、前端側が第2のボディ挿入凹部8(係合部材挿入凹部18)に連通し、後端側がプランジャ挿通孔12に連通している。係合解除部材挿通孔13には、後述の係合解除部材36が挿通されている。また、係合解除部材36の内側には、後述のプランジャ28の軸部28Bと可動部材34の当接部34Aとが挿通されている。
また、内側突出部7Cには、係合解除部材挿通孔13の軸方向中央部に位置して径方向外側に向けて窪む環状の周溝が形成されている。この周溝には、後述の第1のシール部材38が嵌合される。この場合、係合解除部材挿通孔13のうち第1のシール部材38よりも後側は、本発明の第1の室Cを構成している。一方、係合解除部材挿通孔13のうち第1のシール部材38よりも前側、かつ後述の係合部材挿入凹部18と可動部材挿入孔20とは、本発明の第2の室Dを構成している。
そして、内側突出部7Cには、係合解除部材挿通孔13よりも径方向外側に位置して軸方向に延びる有底状のばね挿通穴14が形成されている。このばね挿通穴14には、後述の付勢ばね37が挿通される。そして、内側突出部7Cの前端側は、後述の係合部材35が載置(当接)される係合部材載置部7C1となっている。この係合部材載置部7C1は、第2のボディ挿入凹部8の底部を構成している。
キー挿入孔15は、小径部7Bの前端側に位置して小径部7Bを径方向に貫通している。このキー挿入孔15は、リヤシェル4の段差部4Cに対応する位置に形成され、後述のストップキー29が挿入されている。キー挿入孔15の前,後方向の長さ寸法は、ストップキー29の前,後方向の長さ寸法(厚さ)よりも大きく形成され、径方向外側端が変圧室Bに連通し、径方向内側端がプランジャ挿通孔12に連通している。従って、キー挿入孔15は、ストップキー29が挿通されると共に、変圧室Bとプランジャ挿通孔12とを連通させる他の連通路としても機能している。
第2のボディ16は、第1のボディ7に形成された第2のボディ挿入凹部8に嵌合し、両者は一体化されている。この第2のボディ16は、パワーピストン5の変位に連動して第1のボディ7と一緒に前,後方向(軸方向)に移動する。第2のボディ16は、第2のボディ挿入凹部8内で前側に位置する大径部16Aと、大径部16Aに接続され第2のボディ挿入凹部8の後側に位置する小径部16Bと、小径部16Bの前側から径方向内側に向けて突出する内側突出部16Cとにより構成されている。
大径部16Aの内周側は、軸方向後側に向けて窪む出力ロッド挿入凹部17となっている。この出力ロッド挿入凹部17には、後述の出力ロッド30のフランジ部30Aとリアクション部材33とが挿入される。小径部16Bの内周側は、軸方向前側に向けて窪む係合部材挿入凹部18となっている。この係合部材挿入凹部18には、後述の係合部材35の自由端(係合片35B)側が挿入される。また、小径部16Bと第1のボディ7の大径部7Aとの間には、シール部材19が設けられている。小径部16Bの後端側は、第2のボディ16が第2のボディ挿入凹部8に挿入された状態で、後述する係合部材35の固定端35Aに当接している。これによって、係合部材35は、第1のボディ7と第2のボディ16との間に固定されている。
また、小径部16Bには、径方向に貫通する第2の連通路16Dが周方向に離間して複数個形成されている。この第2の連通路16Dは、径方向内側端が後述の係合部材挿入凹部18に連通し、径方向外側端が第1の連通路9に連通している。これにより、小径部16B内(係合部材挿入凹部18と可動部材挿入孔20)は、定圧室Aに常時連通され、大気圧よりも低い圧力に保持された第2の室Dとなっている。第2の連通路16Dは、本発明の連通路を構成している。
内側突出部16Cの中央部には、前,後方向(軸方向)に貫通する可動部材挿入孔20が形成されている。この可動部材挿入孔20は、前端側が出力ロッド挿入凹部17に連通し、後端側が係合部材挿入凹部18に連通している。そして、可動部材挿入孔20には、後述の可動部材34が挿入される。
入力ロッド21は、一端側(後端側)がリヤシェル4の後方筒部4Bから外部に突出し、他端側(前端側)が第1のボディ7の小径部7B内に挿入して設けられている。この入力ロッド21の前端側には、球形部21Aが一体形成され、この球形部21Aは、後述のプランジャ28にカシメ等の手段を用いて連結されている。そして、入力ロッド21は、後端側(突出端側)が車両のブレーキペダル(図示せず)に連結され、ブレーキ操作時には図1中の矢示E方向に押動操作される。
ポペット弁体22は、第1のボディ7の小径部7Bの大気導入孔11内に設けられている。このポペット弁体22は、弾性材料によって略筒状に形成され、その後端側(一端側)は後述の戻しばね24等により小径部7Bの内周壁(大気導入孔11)に押付けられて固定されている。そして、ポペット弁体22の前端側は、図2に示すように弱ばね23により第1のボディ7の弁座部7Dに向けて常時付勢されている。これにより、弁機構10の一部を構成するポペット弁体22は、後述するプランジャ28の当接部28Cと第1のボディ7の弁座部7Dとに離着座するものである。
戻しばね24は、大気導入孔11内に位置して第1のボディ7の小径部7Bと入力ロッド21との間に設けられている。この戻しばね24は、第1のボディ7に対して入力ロッド21を矢示F方向に向けて常時付勢している。これにより、入力ロッド21に対する押動操作(ブレーキ操作)の解除時には、バルブボディ6がハウジング2内を図1に示す初期位置(後述のストップキー29により規制された位置)に戻るまで、入力ロッド21が戻しばね24により矢示F方向に押圧される。
ここで、リヤシェル4の後方筒部4Bには、その開口端側に環状のシール部材25が設けられている。このシール部材25は、第1のボディ7の小径部7Bの外周面に摺接し、後方筒部4Bの開口端と小径部7Bとの間をシールしている。即ち、シール部材25は、後方筒部4Bの開口端と小径部7Bとの間で変圧室Bを外部の大気に対して気密にシールするものである。
フィルタ26は、大気導入孔11内に位置して第1のボディ7の小径部7Bの後端側に装着されている。このフィルタ26は、ハウジング2(リヤシェル4)の外部から小径部7B内(大気導入孔11)に導入される作動気体としての空気を清浄化し、ハウジング2内にダスト等が侵入するのを防止するものである。
保護ブーツ27は、第1のボディ7の小径部7Bの突出端側を外部のダスト等から保護するものである。この保護ブーツ27は、弾性材料により蛇腹状の筒体として形成され、その後端側(一端側)は入力ロッド21の軸方向中間部に取付けられている。保護ブーツ27の前端側(他端側)は、リヤシェル4の後方筒部4Bの開口端(先端)側に取付けられ、後方筒部4B内を摺動する小径部7Bの外周面を外部のダスト等から保護している。
プランジャ28は、第1のボディ7のプランジャ挿通孔12に摺動変位可能に挿嵌されている。このプランジャ28は、バルブボディ6(第1のボディ7)内に配置され入力ロッド21の球形部21Aに連結されている。ここで、プランジャ28は、段付筒状に形成された段付筒部28Aと、該段付筒部28Aから係合解除部材挿通孔13内に向けて突出した軸部28Bとにより構成されている。段付筒部28A内には、入力ロッド21の球形部21Aが着脱可能に固定されている。これによりプランジャ28は、入力ロッド21と一体に図1中の矢示E,F方向に変位する構成となっている。
図2に示すように、段付筒部28Aの後端側には、第1のボディ7の弁座部7Dよりも小径に形成された環状弁座としての当接部28Cが一体に設けられている。この当接部28Cは、ポペット弁体22に離着座することにより小径部7B(大気導入孔11)内の大気圧を他の連通路であるキー挿入孔15側に導入したり、大気導入を遮断したりするものである。
プランジャ28の当接部28Cは、第1のボディ7の弁座部7Dおよびポペット弁体22と共に弁手段としての弁機構10を構成している。プランジャ28の当接部28Cは、ポペット弁体22に離着座することにより小径部7Bの大気導入孔11内の大気圧に対する変圧室Bの連通,遮断を制御する。
また、ポペット弁体22が第1のボディ7の弁座部7Dに離着座することにより、定圧室Aに対する変圧室Bの連通,遮断を制御するものである。即ち、弁機構10は、入力ロッド21がプランジャ28と後述の可動部材34とを移動させることにより、変圧室Bに作動気体を導入して定圧室Aと変圧室Bとの間に圧力差を発生させるものである。
軸部28Bには、キー挿入孔15に対応する位置に環状溝28Dが形成されている。この環状溝28Dには、後述のストップキー29が係合状態で取付けられている。また、軸部28Bの前端側は、係合解除部材挿通孔13内に位置して後述の可動部材34に当接している。
ストップキー29は、プランジャ28の戻り位置を規制するもので、このストップキー29は、略長方形の平板を用いて形成され、第1のボディ7のキー挿入孔15を介してプランジャ28の環状溝28Dに遊嵌状態で係合されている。そして、ストップキー29の端部は、第1のボディ7から径方向外側に向けて一定寸法だけ突出し、リヤシェル4の段差部4Cに当接可能となっている。
即ち、入力ロッド21に対する押動操作の解除時に、ストップキー29は、リヤシェル4の段差部4Cに当接することにより、バルブボディ6およびプランジャ28の戻り位置を図1、図2に示すように規制するものである。なお、リヤシェル4には、前記段差部4Cに替えて別体のストッパ部材(図示せず)を設け、このストッパ部材に対してストップキー29の端部を当接させる構成としてもよい。
出力ロッド30は、入力ロッド21の押動操作力を倍力した状態で外部に出力するための部材である。即ち、出力ロッド30は、弁機構10によってパワーピストン5に生じた推力が作用するものである。出力ロッド30には、軸方向の一側に大径のフランジ部30Aが設けられている。出力ロッド30は、フランジ部30Aが後述のリアクション部材33を介して第2のボディ16の出力ロッド挿入凹部17に嵌合することによりバルブボディ6に組付けられている。
そして、出力ロッド30は、入力ロッド21への押動操作時にバルブボディ6と一緒に図1中の矢示E方向に大きな出力をもって押動される。即ち、出力ロッド30の前端側は、フロントシェル3の筒状凹部3Bに向けて軸方向に突出し、入力ロッド21の押動操作力を倍力した力(出力)で前記マスタシリンダのピストン(図示せず)を軸方向に押圧する構成となっている。
ばね受31は、第2のボディ挿入凹部8の前端側(開口端側)に設けられている。このばね受31は、第2のボディ挿入凹部8と出力ロッド挿入凹部17とを施蓋し、その径方向中央部には出力ロッド30が軸方向に挿通されている。ばね受31の径方向外側端部には、戻しばね32が設けられている。この戻しばね32は、ばね受31とフロントシェル3の筒状凹部3Bとの間に配設され、バルブボディ6を図1中の矢示H方向に常時付勢するものである。
リアクション部材33は、第2のボディ16の出力ロッド挿入凹部17内に配設されている。このリアクション部材33は、弾性変形可能なゴム等の弾性材料を用いて円板状に形成され、第2のボディ16の内側突出部16Cと出力ロッド30のフランジ部30Aとの間に設けられている。そして、リアクション部材33は、後述の如く定圧室Aと変圧室Bとの間に発生した圧力差により、バルブボディ6に生じた推力(矢示G方向の推力)を出力ロッド30に伝達する。
このとき、リアクション部材33は、バルブボディ6からの推力に従って弾性変形し、出力ロッド30からの反力を、フランジ部30Aを介して受承すると共に、反力の一部を後述の可動部材34とプランジャ28とを介して入力ロッド21側に伝達し、前記ブレーキペダル側の運転者に踏み応えを与えるものである。
可動部材34は、バルブボディ6内でプランジャ28の軸方向他端側(前端側)に当接可能に配置されている。この可動部材34は、例えば樹脂材料または金属材料からなり、第2のボディ16の可動部材挿入孔20に摺動可能に挿入されている。可動部材34は、入力ロッド21からの押動操作力がプランジャ28を介して伝達され、可動部材挿入孔20内を摺動変位してリアクション部材33を弾性変形させるように押圧する。そして、可動部材34は、軸方向の後端側に位置してプランジャ28に当接する当接部34Aと、該当接部34Aの軸方向前端側に接続され外周側に環状の段差部34B1が形成された摺動軸部34Bとを含んで構成されている。即ち、可動部材34は、後端側(一端側)が第1の室C内に位置し前端側(他端側)が第2の室Dに位置している。
当接部34Aは、後述の係合解除部材36内に位置してプランジャ28の軸部28Bの前端側(前端面)に当接している。摺動軸部34Bは、後端側が係合部材挿入凹部18内に位置して、前端側が可動部材挿入孔20内に摺動可能に挿入されている。即ち、可動部材34は、可動部材挿入孔20内を軸方向に移動することにより、前端側がリアクション部材33に当接可能であると共に、後端側がプランジャ28に当接可能となっている。そして、当接部34Aの外周面には、後述の第2のシール部材39が嵌合される環状の周溝が形成されている。
摺動軸部34Bの後端側の外周面には、段差部34B1が形成されている。この段差部34B1は、係合部材挿入凹部18内に位置して摺動軸部34Bの外周側に形成されている。段差部34B1には、可動部材34が軸方向前側に向けて所定の距離だけ相対移動したときに、後述の係合部材35が係合する。また、摺動軸部34Bの前端側の外周面は、第2のボディ16の可動部材挿入孔20内を摺動変位する構成となっている。
係合部材35は、可動部材34の外周側に摺動可能に配置されている。この係合部材35は、例えば金属材料により後端側から前端側に向けて縮径する環状体として形成され、外周側が固定端35Aとなり、内周側が自由端からなる複数の係合片35Bとして形成されている。係合部材35の固定端35Aは、第1のボディ7に形成された第2のボディ挿入凹部8の底部側に固定されている。即ち、係合部材35の固定端35Aは、第1のボディ7の内側突出部7Cの前端側に位置する係合部材載置部7C1に載置され、第2のボディ16の小径部16Bとの間で挟持されている。
この場合、係合部材35の固定端35Aは、第1のボディ7と第2のボディ16との間に挟持状態で固定されている。一方、係合部材35の自由端となる各係合片35Bは、径方向内側に向けて弾性変形可能に付勢され、可動部材34の外周側に摺接可能となっている。係合部材35は、バルブボディ6と一緒に軸方向に移動する構成となっている。
図4に示すように、係合部材35の各係合片35Bは、可動部材34がバルブボディ6に対して相対移動したときに可動部材34に係合する。具体的には、ブレーキペダル(図示せず)が急に踏まれて入力ロッド21が図1中の矢示E方向に押動操作されたことに伴い可動部材34がプランジャ28に押動されたときに、可動部材34は、係合部材35の各係合片35Bに対して軸方向前側(矢示E方向)に摺動変位する。そして、可動部材34が軸方向前側に所定の距離を移動すると、係合部材35の各係合片35Bが縮径するように変位し、可動部材34の段差部34B1に係合する。
これにより、可動部材34は、軸方向後側(図1中の矢示F方向)への移動が係合部材35により規制される。このとき、リアクション部材33からの反力は、プランジャ28ないし入力ロッド21に伝達されない。従って、入力ロッド21の押動操作が解除されても、プランジャ28の当接部28Cとポペット弁体22との開口を保つことができるので、出力を増加させることができる。
係合解除部材36は、第1のボディ7内で軸方向に相対移動可能に設けられている。この係合解除部材36は、例えば金属材料または樹脂材料等により円筒状のスリーブとして形成され、係合解除部材挿通孔13内に挿通されている。スリーブからなる係合解除部材36内には、プランジャ28の前端側と可動部材34の当接部34Aとが軸方向に相対移動可能に挿通されている。そして、係合解除部材36は、後端側がストップキー29に当接され、前端36B側が可動部材34と係合部材35(各係合片35B)との間に入込むことが可能になっている(図2、図3参照)。
係合解除部材36の後端36Aは、第1のボディ7のばね挿通穴14に設けられた付勢ばね37により、ストップキー29に向けて常時付勢されている。これにより、係合解除部材36は、バルブボディ6および係合部材35に対して相対移動する。即ち、係合解除部材36は、係合部材35と相対移動して係合部材35の各係合片35Bと可動部材34の段差部34B1との係合を解除するものである。
具体的には、入力ロッド21の押動操作が解除されて、入力ロッド21が軸方向後側(図1中の矢示F方向)に移動すると、プランジャ28の当接部28Cがポペット弁体22を押圧する。これにより、変圧室Bが第1の連通路9とキー挿入孔15とを介して定圧室Aと連通するので、変圧室Bと定圧室Aとの圧力差が徐々に小さくなる。その結果、戻しばね32の付勢力によりバルブボディ6が軸方向後側に移動するので、それに伴い係合部材35も軸方向後側に移動する。
一方、係合解除部材36は、ストップキー29がリヤシェル4の段差部4Cに当接しているのでその移動が規制されている。このため、係合解除部材36の前端36Bは、可動部材34と係合部材35の各係合片35Bとの間に入込んで接触し、係合部材35の各係合片35Bを径方向外側に向けて押圧する。これにより、可動部材34と係合部材35の各係合片35Bとの係合状態が解除され、可動部材34がリアクション部材33からの反力により軸方向後側へと移動する。
第1のシール部材38は、係合解除部材36と第1のボディ7との間に配置されている。この第1のシール部材38は、例えばゴム等の樹脂材料からなるOリング、Uパッキン等として形成され、第1のボディ7の内周側に設けられている。第1のシール部材38は、第1のボディ7の内側突出部7Cの周溝に嵌合され、係合解除部材36の外周面に当接している。即ち、第1のシール部材38は、係合解除部材36と第1のボディ7との間を気密的に閉塞している。
第2のシール部材39は、係合解除部材36と可動部材34との間に配設されている。この第2のシール部材39は、例えばゴム等の樹脂材料からなるOリング、Uパッキン等として形成され、可動部材34の外周側に設けられている。第2のシール部材39は、可動部材34の周溝に嵌合され、係合解除部材36の内周面に当接している。即ち、第2のシール部材39は、可動部材34と係合解除部材36との間に摺動抵抗を付与すると共に、係合解除部材36と可動部材34との間を気密に封止している。
ここで、第1のシール部材38と第2のシール部材39とにより、バルブボディ6内は、プランジャ挿通孔12を介して変圧室Bと連通される第1の室Cと、定圧室Aと連通される第2の室Dとにより画成されている。即ち、バルブボディ6内は、入力ロッド21の前端側(他端側)が位置し変圧室Bと連通される第1の室Cと、第1の室Cと第1,第2のシール部材38,39により画成され第2のボディ16に形成された第2の連通路16Dにより定圧室Aと連通される第2の室Dとからなっている。
換言すると、第1の室Cは、ストップキー29と第1,第2のシール部材38,39との間に形成され、第2の室Dは、第1,第2のシール部材38,39と第2のボディ16との間に形成されている。これにより、可動部材34は、後端側(一端側)が第1の室C内に位置し前端側(他端側)が第2の室Dに位置している。
そして、第2のシール部材39に作用する第1の室Cからの圧力は、第2の室Dからの圧力よりも大きくなる。これにより、リアクション部材33から可動部材34に作用する反力は、第1の室Cからの圧力により抑制される。さらに、第2のシール部材39は、係合解除部材36との間で摺動抵抗を付与している。従って、可動部材34は、従って、可動部材34は、係合解除部材36が可動部材34と係合部材35との係合を解除したときに、プランジャ28に向けて緩やかに移動するので、可動部材34とプランジャ28との接触(衝突)により発生する接触音(異音)を小さくすることができる。
負圧導入管40は、フロントシェル3の前壁3Aに設けられている。この負圧導入管40は、図1に示すようにフロントシェル3の前壁3Aから突出するパイプ等からなり、エンジンの吸気マニホールドに逆止弁(いずれも図示せず)等を介して接続されている。そして、負圧導入管40は、エンジンの作動時に吸気マニホールド内で発生した負圧を定圧室A内へと導くことにより、定圧室A内を大気圧よりも低い圧力に保持するものである。また、負圧導入管40は、定圧室Aから第1の連通路9と第2の連通路16Dとを介して第2の室D内に負圧を導くことにより、第2の室D内を大気圧よりも低い圧力に保持する。
また、フロントシェル3の前壁3Aには、マスタシリンダをフロントシェル3に固定するための固定ボルト41が設けられている。リヤシェル4の後壁4Aには、リヤシェル4を含めてハウジング2全体を車両のエンジンルーム内壁等に取付ける取付ボルト42が設けられている。ここで、固定ボルト41と取付ボルト42とは連結ロッド43を介して一体に形成されている。
第1の実施形態による気圧式倍力装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、これにより入力ロッド21が矢示E方向に押動され、プランジャ28と可動部材34とは入力ロッド21と一体に変位する。そして、プランジャ28の変位により環状の当接部28Cが、第1のボディ7の弁座部7Dとの当接によって追従を規制されたポペット弁体22から離座すると、大気導入孔11内から大気圧がキー挿入孔15を介して変圧室B内に導入され、定圧室Aと変圧室Bとの間に圧力差が発生する。
このため、バルブボディ6は、定圧室Aと変圧室Bとの間の圧力差によってパワーピストン5に生じた推力で図1中の矢示G方向に前進する。このときの推力は、バルブボディ6からリアクション部材33を介して出力ロッド30に伝達され、出力ロッド30からの出力は瞬間的に上昇する。そして、入力ロッド21への入力(ペダル踏力)が増大するに応じて出力も一定の倍力比で増大することになる。
ここで、通常のブレーキ操作では、可動部材34の移動距離が小さいので、係合部材35の各係合片35Bが可動部材34の段差部34B1に到達しない。即ち、通常のブレーキ操作では、係合部材35の各係合片35Bが可動部材34の段差部34B1に係合しないので、軸方向後側への移動を規制しない構成となっている。
また、ブレーキ操作を解除したときには、入力ロッド21が戻しばね24とリアクション部材33からの反力により矢示F方向に押戻される。これに伴ってプランジャ28も同方向に引っ張られるので、プランジャ28の当接部28Cは、ポペット弁体22に着座し、変圧室Bを外部の大気に対して遮断することになる。また、このときにプランジャ28は、プランジャ28の当接部28Cを介してポペット弁体22を弱ばね23に抗して矢示F方向に押圧し、第1のボディ7の弁座部7Dからポペット弁体22を強制的に離座させる。
この結果、定圧室Aと変圧室Bとが第1の連通路9、キー挿入孔15等を介して互いに連通することになり、定圧室A内の負圧が変圧室B側に導入される。これによって、定圧室Aと変圧室Bとがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。そして、出力ロッド30は、バルブボディ6と共に戻しばね32により矢示H方向に押戻され、最終的には図1に示す如く、ストップキー29がリヤシェル4の段差部4Cに当接した状態で、プランジャ28の最終戻り位置が規制される。
これにより、パワーピストン5、バルブボディ6、入力ロッド21、および出力ロッド30等は、図1に示す初期位置に復帰する。また、可動部材34は、バルブボディ6の矢示H方向への移動とリアクション部材33の反力とにより初期位置に復帰する。そして、ポペット弁体22は、このときに第1のボディ7の弁座部7Dとプランジャ28の当接部28Cとに着座し、変圧室Bを定圧室Aと同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
次に、急ブレーキ操作(急制動)時の作動について図2ないし図5を参照して説明する。
急ブレーキ操作(急制動)時には、入力速度(ブレーキペダルの踏込速度)が大きく、バルブボディ6に対するプランジャ28および可動部材34の相対移動量が大きくなる。この場合、可動部材34は、段差部34B1が係合部材35の各係合片35Bを越えて軸方向前側に向けて移動する。そして、可動部材34は、リアクション部材33を強く押圧する。
そして、バルブボディ6は、上述した通常のブレーキ操作と同様に、定圧室Aと変圧室Bとの差圧と入力ロッド21の押動操作力とにより軸方向前側(矢示G方向)へと移動する。この場合、係合部材35は、バルブボディ6と一緒に軸方向前側へと移動する。一方、係合解除部材36は、付勢ばね37によりストップキー29に押圧(固定)されているので移動しない。
従って、係合解除部材36は、前端36B側が係合部材35の各係合片35Bに対して後方側に位置する。即ち、係合解除部材36の前端36B側は、可動部材34と係合部材35の各係合片35Bとの間から外れることになる。この場合、係合部材35の各係合片35B側は、径方向内側に向けて付勢されているので、可動部材34の段差部34B1よりも後方側の外周面に当接する。
そして、ブレーキ操作を解除したときには、入力ロッド21が戻しばね24により矢示F方向に押戻され、これに伴ってプランジャ28も同方向に引っ張られる。この場合、可動部材34は、係合部材35の各係合片35Bが可動部材34の段差部34B1に係合しているので、軸方向後側への移動が規制されている。従って、プランジャ28が矢示F方向に戻されると、可動部材34との間には隙間が形成されることになる。その結果、リアクション部材33から可動部材34に作用する反力は、段差部34B1に係合している係合部材35で受承されるので、プランジャ28および入力ロッド21には伝達されないことになる。
ただし、たとえ入力ロッド21に対する入力を弱めたとしても、その入力が依然として、入力ロッド21が戻しばね24により受ける力よりも大きな力である場合には、入力ロッド21は矢示F方向に押戻されず、プランジャ28の当接部28Cとポペット弁体22との間の開放を保つことができる。そのため、変圧室B内に大気を導入することができ、全負荷点まで出力を維持させることができる。
プランジャ28が矢示F方向に戻されると、プランジャ28の当接部28Cは、ポペット弁体22に着座し、変圧室Bを外部の大気に対して遮断することになる。また、このときにプランジャ28は、プランジャ28の当接部28Cを介してポペット弁体22を弱ばね23に抗して矢示F方向に押圧し、第1のボディ7の弁座部7Dからポペット弁体22を強制的に離座させる。
この結果、定圧室Aと変圧室Bとが第1の連通路9、キー挿入孔15等を介して互いに連通することになり、定圧室A内の負圧が変圧室B側に導入される。これによって、定圧室Aと変圧室Bとがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。そして、出力ロッド30は、バルブボディ6と共に戻しばね32により矢示H方向に押戻され、最終的には図1に示す如く、ストップキー29がリヤシェル4の段差部4Cに当接した状態で、プランジャ28の最終戻り位置が規制される。
これにより、パワーピストン5、バルブボディ6、入力ロッド21、および出力ロッド30等は、図1に示す初期位置に復帰する。そして、ポペット弁体22は、このときに第1のボディ7の弁座部7Dとプランジャ28の当接部28Cとに着座し、変圧室Bを定圧室Aと同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
この場合、可動部材34と係合部材35とは、バルブボディ6が初期位置に戻るように移動すると追従して移動することになる。そして、可動部材34と係合部材35の各係合片35Bとの間に係合解除部材36の前端36Bが入込んで接触する。これにより、可動部材34は、係合部材35の各係合片35Bが係合解除部材36により径方向外側に向けて押圧されるので係合状態が解除されることになる。その結果、可動部材34の軸方向後側への移動が解除されることになるので、可動部材34はリアクション部材33からの反力により、可動部材挿入孔20内をプランジャ28に向けて摺動変位する。
ところで、従来技術による気圧式倍力装置では、可動部材と係合部材との係合状態が解除されると、リアクション部材からの反力が可動部材に対して一気に解放されるので、可動部材がプランジャに向けて勢いよく戻ることになる。これにより、可動部材がプランジャに衝突して打音(異音)が発生する虞がある。
そこで、本実施形態では、係合解除部材36と第1のボディ7との間に、第1のシール部材38を設け、係合解除部材36と可動部材34との間に第2のシール部材39を設けている。そして、第2のボディ16には、定圧室Aと第2のボディ16内(係合部材挿入凹部18)とを連通する第2の連通路16Dを形成している。
従って、バルブボディ6内は、入力ロッド21の他端側(前端側)が位置し変圧室Bと連通される第1の室Cと、第1の室Cと第1,第2のシール部材38,39により画成され第2の連通路16Dにより定圧室Aと連通される第2の室Dとが形成される。そして、可動部材34は、一端側(軸方向後端側)が第1の室C内に位置し、他端側(軸方向前端側)が第2の室D内に位置している。
これにより、可動部材34に作用するリアクション部材33からの反力は、第1の室Cから第2の室Dに向けての圧力により低減される。さらに、第2のシール部材39は、係合解除部材36に摺接しているので、可動部材34が軸方向に移動するときに摺動抵抗を付与する。
その結果、可動部材34がリアクション部材33からの反力によりプランジャ28に向けて移動する(戻る)速度を緩やかにすることができるので、可動部材34がプランジャ28に接触するときの打音(異音)を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、バルブボディ6を第1のボディ7と第2のボディ16とにより別体として構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばバルブボディ6は、第1のボディ7と第2のボディ16とを一体として形成してもよい。
以上説明した実施態様に基づく気圧式倍力装置として、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、定圧室と変圧室とに画成されたハウジング内に配置され、前記定圧室と前記変圧室との圧力差により変位するパワーピストンと、前記パワーピストンに連結され前記ハウジング内を移動するバルブボディと、一端側がブレーキペダルに連結され他端側が前記バルブボディ内に向けて延びる入力ロッドと、前記バルブボディ内に配置され前記入力ロッドに連結されるプランジャと、前記バルブボディ内で前記プランジャの軸方向他端側に当接可能に配置される可動部材と、前記入力ロッドが前記プランジャと前記可動部材とを移動させることにより、前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と前記変圧室との間に圧力差を発生させる弁手段と、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力が作用する出力ロッドと、前記出力ロッドからの反力の一部を前記可動部材および前記プランジャを介して前記入力ロッドに伝達するリアクション部材と、を備えた気圧式倍力装置において、前記可動部材の外周側に摺動可能に配置され、該可動部材が前記バルブボディに対して相対移動したときに該可動部材に係合する係合部材と、前記バルブボディ内で軸方向に相対移動可能に設けられ、前記係合部材に接触することにより該係合部材と前記可動部材との係合を解除する係合解除部材と、前記係合解除部材と前記バルブボディとの間に配置される第1のシール部材と、前記係合解除部材と前記可動部材との間に配置される第2のシール部材と、を備え、前記バルブボディには、前記定圧室と前記バルブボディ内とを連通する連通路が形成され、前記バルブボディ内は、前記入力ロッドの他端側が位置し前記変圧室と連通される第1の室と、該第1の室と前記第1,第2のシール部材により画成され前記バルブボディに形成される前記連通路により前記定圧室と連通される第2の室とからなり、前記可動部材は、一端側が前記第1の室内に位置し他端側が前記第2の室内に位置している。
第2の態様としては、第1の態様において、前記バルブボディは、前記入力ロッド側に配置される第1のボディと、前記出力ロッド側に配置され前記第1のボディと一緒に軸方向に変位する第2のボディとにより構成されている。
第3の態様においては、第1,第2の態様において、前記第2のシール部材は、前記可動部材の外周側に設けられている。
第4の態様においては、第1,第2,第3の態様において、前記第1のシール部材は、前記バルブボディの内周側に設けられている。
1 気圧式倍力装置
2 ハウジング
5 パワーピストン
6 バルブボディ
7 第1のボディ
10 弁機構(弁手段)
16 第2のボディ
16D 第2の連通路(連通路)
21 入力ロッド
28 プランジャ
30 出力ロッド
33 リアクション部材
34 可動部材
35 係合部材
36 係合解除部材
38 第1のシール部材
39 第2のシール部材
A 定圧室
B 変圧室
C 第1の室
D 第2の室

Claims (4)

  1. 定圧室と変圧室とに画成されたハウジング内に配置され、前記定圧室と前記変圧室との圧力差により変位するパワーピストンと、
    前記パワーピストンに連結され前記ハウジング内を移動するバルブボディと、
    一端側がブレーキペダルに連結され他端側が前記バルブボディ内に向けて延びる入力ロッドと、
    前記バルブボディ内に配置され前記入力ロッドに連結されるプランジャと、
    前記バルブボディ内で前記プランジャの軸方向他端側に当接可能に配置される可動部材と、
    前記入力ロッドが前記プランジャと前記可動部材とを移動させることにより、前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と前記変圧室との間に圧力差を発生させる弁手段と、
    この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力が作用する出力ロッドと、
    前記出力ロッドからの反力の一部を前記可動部材および前記プランジャを介して前記入力ロッドに伝達するリアクション部材と、を備えた気圧式倍力装置において、
    前記可動部材の外周側に摺動可能に配置され、該可動部材が前記バルブボディに対して相対移動したときに該可動部材に係合する係合部材と、
    前記バルブボディ内で軸方向に相対移動可能に設けられ、前記係合部材に接触することにより該係合部材と前記可動部材との係合を解除する係合解除部材と、
    前記係合解除部材と前記バルブボディとの間に配置される第1のシール部材と、
    前記係合解除部材と前記可動部材との間に配置される第2のシール部材と、を備え、
    前記バルブボディには、前記定圧室と前記バルブボディ内とを連通する連通路が形成され、
    前記バルブボディ内は、前記入力ロッドの他端側が位置し前記変圧室と連通される第1の室と、該第1の室と前記第1,第2のシール部材により画成され前記バルブボディに形成される前記連通路により前記定圧室と連通される第2の室とからなり、
    前記可動部材は、一端側が前記第1の室内に位置し他端側が前記第2の室内に位置することを特徴とする気圧式倍力装置。
  2. 前記バルブボディは、前記入力ロッド側に配置される第1のボディと、前記出力ロッド側に配置され前記第1のボディと一緒に軸方向に変位する第2のボディとにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の気圧式倍力装置。
  3. 前記第2のシール部材は、前記可動部材の外周側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の気圧式倍力装置。
  4. 前記第1のシール部材は、前記バルブボディの内周側に設けられることを特徴とする請求項1,2または3に記載の気圧式倍力装置。
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