JP3905203B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のブレーキペダルに対する踏力を倍力してマスタシリンダへと伝えるのに好適に用いられる気圧式倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にブースタ装置としての気圧式倍力装置が設けられている。
【0003】
そこで、この種の従来技術による気圧式倍力装置を、タンデム型の気圧式倍力装置を例に、図13ないし図17を参照して説明する。
【0004】
図において、1は気圧式倍力装置のケーシングで、該ケーシング1はフロントシェル2、リアシェル3及び中間シェル4から構成され、これらは外周側で互いに気密状態で固着されている。そして、フロントシェル2には前壁2Aの中央部にマスタシリンダ(図示せず)の一部を収納するための段付凹部2Bが形成されている。また、リアシェル3には車両(図示せず)への取付面となる後壁3Aから軸方向外向きに後方筒部3Bが突設されている。一方、中間シェル4には後述のバルブボデー7を挿通させるための孔部4Aが、その中央部に形成されている。
【0005】
5,6はケーシング1内に設けられたダイヤフラム等からなるパワーピストンで、該パワーピストン5は外周側がフロントシェル2と中間シェル4との間に固着され、フロントシェル2と中間シェル4との間に形成される前室を第1の負圧室(定圧室)Aと第1の変圧室Bとに画成している。また、パワーピストン6は外周側がフロントシェル2とリアシェル3との間に中間シェル4を介して固着され、中間シェル4とリアシェル3との間に形成される後室を第2の負圧室(定圧室)Cと第2の変圧室Dとに画成している。
【0006】
7はリアシェル3の後方筒部3B、中間シェル4の孔部4A内に挿通され、ケーシング1内を軸方向変位可能に設けられたバルブボデーで、該バルブボデー7は大径部7A側がケーシング1内でパワーピストン5,6の内周側に固着され、小径筒部7B側がリアシェル3の後方筒部3Bからケーシング1の外部に延出されている。そして、バルブボデー7はパワーピストン5,6の変位に連動してケーシング1内を軸方向に変位する構成となっている。また、バルブボデー7の大径部7Aには互いに離間して連通路8,9が形成され、連通路9は変圧室B,D間を常時連通させるものである。
【0007】
一方、連通路8は負圧室A,C間を常時連通させるものであると共に、小径筒部7B側に向けて軸方向にも延び、後述のポペット弁体14等と共に変圧室B,Dを負圧室A,Cに連通,遮断させるための弁機構を構成するものである。そして、このためにバルブボデー7の小径筒部7Bには、図14に示すように連通路8の開口端側に位置して環状の弁座部7Cが形成され、該弁座部7Cにはポペット弁体14が離着座する構成となっている。また、バルブボデー7には大径部7Aの内周側に位置して軸方向に突出する筒状突出部7Dが一体形成されている。
【0008】
さらに、バルブボデー7には弁座部7Cの位置から筒状突出部7Dに向けて軸方向に延びる貫通穴としての段付穴10が形成され、該段付穴10内には後述のプランジャ19が摺動可能に挿嵌されている。また、バルブボデー7には小径筒部7Bの基端側に位置して径方向に延びるキー挿入穴11と他の連通路12とが形成され、キー挿入穴11内には後述のストップキー20が挿入されている。そして、連通路12は段付穴10内の大径部側を変圧室D内に常時連通させると共に、連通路9を介して変圧室Bにも常時連通する構成となっている。
【0009】
13は一端側がリアシェル3の後方筒部3Bから外部に突出し、他端側がバルブボデー7の小径筒部7B内に挿入して設けられた入力軸で、該入力軸13は突出端側が車両のブレーキペダル(図示せず)に連結され、ブレーキ操作時には図13中の矢示E1 方向に押動操作される。また、入力軸13の先端(他端)側には図14に示すように球形部13Aが一体形成され、該球形部13Aは後述のプランジャ19にカシメにより連結されている。
【0010】
14はバルブボデー7の小径筒部7B内に設けられたポペット弁体で、該ポペット弁体14は弾性材料によって略筒状に形成され、その一端側は後述の戻しばね16等を介して小径筒部7Bの内周壁に固着されている。そして、ポペット弁体14の他端側は弱ばね15により、図14に示すようにバルブボデー7の弁座部7Cに向けて常時付勢され、ポペット弁体14は後述するプランジャ19の当接部19Aとバルブボデー7の弁座部7Cとに離着座する構成となっている。
【0011】
16はバルブボデー7の小径筒部7Bと入力軸13との間に配設された戻しばねで、該戻しばね16はバルブボデー7に対して入力軸13を図13中の矢示E2 方向に向けて常時付勢し、押動操作の解除時にはバルブボデー7がケーシング1内を図13に示す初期位置(後述のストップキー20により規制された位置)に戻るまで、バルブボデー7に対して入力軸13を矢示E2 方向に押圧する。これにより、入力軸13への操作解除時に戻しばね16は、図17に示すようにポペット弁体14をバルブボデー7の弁座部7Cから離座させるようになっている。
【0012】
17はバルブボデー7の小径筒部7B内に装着されたフィルタで、該フィルタ17は外部から小径筒部7B内に導入される外部作動気体としての空気を清浄化し、ケーシング1内にダスト等が侵入するのを防止するものである。
【0013】
18は小径筒部7Bの突出端側を保護するためのブーツで、該ブーツ18は弾性材料により蛇腹状の筒体として形成され、その一端側は小径筒部7Bの先端面側に固着されている。また、ブーツ18の他端側はリアシェル3の後方筒部3B先端側に取付られ、図14に示すようにリアシェル3の後方筒部3B内を摺動するバルブボデー7の小径筒部7B外周面をダスト等から保護する構成となっている。
【0014】
19はバルブボデー7の段付穴10内に摺動可能に挿嵌されたプランジャで、該プランジャ19の一端側は段付筒状に形成され、小径筒部7B内ヘと突出している。そして、プランジャ19の突出端側には入力軸13が固着され、プランジャ19は入力軸13と一体に図13中の矢示E1 ,E2 方向に変位する構成となっている。
【0015】
ここで、プランジャ19の突出端側には図14に示すように、バルブボデー7の弁座部7Cよりも小径に形成された環状弁座としての当接部19Aが一体に設けられ、該当接部19Aはポペット弁体14に離着座することにより小径筒部7B内の大気圧を連通路12側に導入,遮断するものである。そして、プランジャ19の当接部19Aはバルブボデー7の弁座部7C及びポペット弁体14と共に弁機構を構成し、小径筒部7B内の大気圧に対する変圧室B,Dの連通,遮断を制御すると共に、負圧室A,Cに対する変圧室B,Dの連通,遮断を後述の如く制御する。
【0016】
また、プランジャ19の他端側は図14に示すように、段付穴10の小径部側に挿嵌された受圧凸部19Bとなり、該受圧凸部19Bの先端面と後述のリアクションディスク25との間には予め決められた一定寸法の隙間Sが形成されている。さらに、プランジャ19の外周側にはキー挿入穴11と対応する位置に環状溝19Cが形成され、該環状溝19Cにはストップキー20が係合状態で取付けられている。
【0017】
20はプランジャ19の戻り位置を規制するストップキーで、該ストップキー20は略長方形状の平板として形成され、バルブボデー7のキー挿入穴11を介してプランジャ19の環状溝19Cに遊嵌状態で係合されている。そして、ストップキー20の端部はバルブボデー7から径方向に一定寸法だけ突出し、リアシェル3側のストッパ部材21に当接することにより、入力軸13に対する押動操作解除時のバルブボデー7及びプランジャ19の戻り位置を図14に示すように規制する構成となっている。
【0018】
22は入力軸13の押動操作力を倍力した状態で外部に出力するための出力軸で、該出力軸22は一端側に大径のフランジ部22Aが設けられ、該フランジ部22Aはリアクションディスク25を介してバルブボデー7の筒状突出部7Dに嵌合されている。そして、入力軸13への押動操作時に出力軸22は図13中の矢示F1 方向に大きな出力(図15参照)をもって押動されるものである。また、出力軸22の他端側はフロントシェル2の段付凹部2B等を介して外部へと突出し、前記マスタシリンダのピストン(図示せず)を軸方向に押圧する構成となっている。
【0019】
23はバルブボデー7の筒状突出部7D側に設けられたばね受で、該ばね受23は出力軸22のフランジ部22Aを介して筒状突出部7Dの外周側に取付けられ、戻しばね24と共にフランジ部22Aの抜止めを行う構成となっている。また、戻しばね24はばね受23とフロントシェル2の段付凹部2Bとの間に配設され、バルブボデー7を図13中の矢示F2 方向に常時付勢するものである。
【0020】
25はバルブボデー7の筒状突出部7Dと出力軸22のフランジ部22Aとの間に配設されたリアクション部材としてのリアクションディスクで、該リアクションディスク25は弾性樹脂材料からなり円板状に形成され、後述の如く負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差により図13中の矢示F1 方向でバルブボデー7に発生する推力を出力軸22に伝達する。
【0021】
ここで、リアクションディスク25はこのときに図16に示すように弾性変形し、その一部がプランジャ19の受圧凸部19Bに当接する位置まで段付穴10内に向けて寸法S1 分だけ膨出する。そして、この状態でリアクションディスク25は出力軸22からの反力をフランジ部22Aを介して受承すると共に、反力の一部を受圧凸部19Bを介して入力軸13側に伝え、ブレーキペダル側に踏み応えを発生させるものである。
【0022】
26はフロントシェル2に設けられた負圧導入管で、該負圧導入管26は、例えば図13に示すようにL字状に屈曲したパイプ等からなり、エンジンの吸気マニホールドに逆止弁(いずれも図示せず)等を介して接続されている。そして、負圧導入管26は前記エンジンの作動時に吸気マニホールド内で発生した負圧を負圧室A,C内へと導くことにより、これらの負圧室A,C内を大気圧よりも低い圧力に保持するものである。
【0023】
27は前記マスタシリンダをフロントシェル2に固定するための固定ボルト、さらに、28,28,…はリアシェル3の後壁3Aに固着された取付ボルトで、該各取付ボルト28はリアシェル3を含めてケーシング1全体を車両のエンジンルーム内壁等に取付けるものである。
【0024】
このように構成された従来技術による気圧式倍力装置では、まず、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、これにより入力軸13が矢示E1 方向に押動され、プランジャ19も図14に示す隙間Sにおいて入力軸13と一体に変位する。そして、プランジャ19の変位により環状の当接部19Aが、バルブボデー7の弁座部7Cとの当接によって追従を規制されたポペット弁体14から離座すると、バルブボデー7の小径筒部7B内から連通路12,9を介して変圧室B,D内に大気圧が導入され、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生する。
【0025】
即ち、図15に示す特性線30の如く、入力軸13への入力(押動操作力)が入力値fa に達した段階でプランジャ19の当接部19Aがポペット弁体14から離座し、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生することによってバルブボデー7が前進し、このときの推力がリアクションディスク25を介して出力軸22に伝達され、所謂ジャンプインが生じ、出力軸22からの出力は出力値Fa まで急上昇する。そして、その後は入力軸13への入力(ペダル踏力)が増大するに応じて出力も一定の倍力比で増大することになる。
【0026】
また、入力軸13への踏力が入力値fa を越えた状態では、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差に応じてバルブボデー7がパワーピストン5,6と共に矢示F1 方向に変位し、ポペット弁体14は弁座部7Cに着座した状態でバルブボデー7と共に同方向に変位する。そして、この間にプランジャ19の当接部19Aはポペット弁体14に対する離着座を繰返し、入力軸13への踏力を任意の値に保持した状態では、図16に示すように入力軸13に対する矢示E1 方向の入力とリアクションディスク25を介した矢示F2 方向の反力とが釣合った(均衡)状態を保つことにより、プランジャ19の当接部19Aはポペット弁体14に対して着座することになる。
【0027】
さらに、ペダル(入力軸13)を大きく踏込むことにより、図15に示す最大負荷点入力値fb まで入力が増大したときには、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差が最大となり、これ以上に入力軸13を踏込み操作しても圧力差による倍力作用は発揮できなくなる。そして、出力軸22は出力値Fb 以上の領域では入力軸13と実質的に一体となって軸方向に変位し、フランジ部22A側がフロントシェル2の段付凹部2Bに当接した段階でストロークエンドに達する。
【0028】
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力軸13が戻しばね16により矢示E2 方向に押戻され、これに伴ってプランジャ19も同方向に引張られるために、プランジャ19の当接部19Aは図17に示すようにポペット弁体14に着座し、変圧室B,Dを大気に対して遮断することになる。また、このときにプランジャ19は当接部19Aを介してポペット弁体14を弱ばね15に抗して矢示E2 方向に押圧し、バルブボデー7の弁座部7Cからポペット弁体14を強制的に離座させる。
【0029】
この結果、負圧室A,Cと変圧室B,Dとが連通路8,12等を介して互いに連通することになり、負圧室A,C内の負圧が変圧室B,D側に導入されることにより負圧室A,Cと変圧室B,Dとがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。そして、出力軸22はバルブボデー7と共に戻しばね24により矢示F2 方向に押戻され、最終的にはストップキー20の突出端側が図14に示す如くストッパ部材21に当接することになる。
【0030】
そして、ストップキー20がストッパ部材21に当接した状態で、プランジャ19の最終戻り位置が規制され、パワーピストン5,6、バルブボデー7、入力軸13及び出力軸22等が図13に示す初期位置に復帰する。また、ポペット弁体14は、このときにバルブボデー7の弁座部7Cとプランジャ19の当接部19Aとに着座し、変圧室B,Dを負圧室A,Cと同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、ブレーキ操作時に図15中の特性線30に沿って入力軸13への踏力(入力)に対して倍力した出力を出力軸22から取出すことができる。しかし、ブレーキ操作の解除時には、入力に対する出力が前記ブレーキ操作時の場合よりも大きな、図15中の特性線31の如く入力に対して出力が低下していく特性となり、入力軸13と出力軸22との間の入出力特性に、ブレーキ操作時(ペダルの踏込み時及び踏込み保持時)とその解除時(ペダルの踏戻し時)との間で、同じ入力の大きさに対する出力の大きさがブレーキ解除時の方が大きくなるといったヒステリシスが発生し、ブレーキの解除遅れが起きる等の問題が生じている。
【0032】
即ち、このヒステリシス特性は図16、図17に示すようにリアクションディスク25の挙動に起因するものである。図16に示すブレーキ操作の均衡状態では、出力軸22からの反力をフランジ部22Aを介して受承するリアクションディスク25は、弾性変形してプランジャ19の受圧凸部19Bに当接する位置まで段付穴10内に向けて寸法S1 分だけ膨出し、反力の一部を受圧凸部19Bを介して入力軸13側に伝えている。
【0033】
ところが、この均衡状態からブレーキ操作の解除時には、プランジャ19が入力軸13と一体に戻しばね16によって矢示E2 方向に押戻され、プランジャ19は、図17に示すようにバルブボデー7の弁座部7Cからポペット弁体14を離座させるわけであるが、この間リアクションディスク25は出力軸22側から矢示F2 方向の戻し力を受承し続けるので、図17に示すようにリアクションディスク25の膨出量は、上記均衡状態に対して寸法S2 (S2 >S1 )まで増大することになる。
【0034】
このため、ブレーキ操作時とブレーキ操作の解除時とでは図15中の特性線30,31の如く入出力特性がヒステリシスをもつことになり、ブレーキ操作の解除時にはブレーキペダルに粘り感等が残って、ブレーキの解除遅れが生じ易くなり、ブレーキフィーリングが悪くなる虞れがある。
【0035】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は入出力特性にヒステリシスが発生するのを抑え、入力軸に対する押動解除時の応答性を高めることができ、例えばブレーキの解除動作を早期に行うことができると共に、ブレーキフィーリングを向上できるようにした気圧式倍力装置を提供することを目的としている。
【0036】
また、本発明の他の目的は、入力に対する出力の倍力比を複数段で切換えることができ、例えば緊急のブレーキ操作時にも十分に大きなブレーキ力を出力として発生できると共に、入出力特性に発生し易いヒステリシスを小さく抑えることができるようにした気圧式倍力装置を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、ケーシングと、外周側が該ケーシングに固着され、該ケーシング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンの内周側に固着され、前記ケーシング内における該パワーピストンの変位に連動して軸方向に変位可能となったバルブボデーと、一端側が前記ケーシングの一側外部に突出し、他端側が該バルブボデーに挿入して設けられた入力軸と、外部作動気体に対する前記変圧室の連通,遮断及び前記定圧室に対する前記変圧室の連通,遮断を、前記バルブボデー内に設けられたポペット弁体と協働して行うために前記バルブボデー内に設けられ、該入力軸の押動操作により前記バルブボデーに対して相対変位するプランジャと、一端側が前記バルブボデーに嵌合され、他端側が前記ケーシングの他側より外部に突出した出力軸と、該出力軸の一端側と前記バルブボデーとの間に介在され、前記入力軸の押動操作時に前記変圧室と定圧室との間の圧力差によって前記バルブボデーに発生する推力を該出力軸に伝達すると共に、該出力軸からの反力の一部を前記プランジャに伝える弾性樹脂材料のリアクション部材とからなる気圧式倍力装置に適用される。
【0038】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記プランジャを、前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、該入力軸側部材に対し相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する出力軸側部材と、該出力軸側部材と入力軸側部材との間に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、該出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在されたヒステリシス防止用弾性部材とから構成し、該ヒステリシス防止用弾性部材は、前記入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材を前記リアクション部材に向けて押圧する構成としたことにある。
【0039】
上記構成により、プランジャの入力軸側部材と出力軸側部材との間には自由長状態のヒステリシス防止用弾性部材を配設しているから、例えば入力軸を押動操作したときには従来技術のものとほぼ同様の入出力特性を得ることができ、この間にヒステリシス防止用弾性部材を弾性的に圧縮変形させる。そして、入力軸への押動操作を解除したときには、ヒステリシス防止用弾性部材の弾性復元力により出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧でき、該リアクション部材が出力軸側部材と共に入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを抑えることができる。
【0040】
また、請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記プランジャは、前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、該入力軸側部材に対し相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する出力軸側部材とを備え、該出力軸側部材と入力軸側部材との間には、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていない状態では軸方向に圧縮可能に保持されていると共に、その軸方向の伸長を自由長よりも短い所定長に規制され、所定のセット荷重が付加されてなる倍力比変更用弾性部材と、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには自由長状態とされてなるヒステリシス防止用弾性部材とを直列に介在させる構成とし、該ヒステリシス防止用弾性部材は、前記入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材を前記リアクション部材に向けて押圧する構成としたことにある。
【0041】
上記構成により、プランジャの入力軸側部材と出力軸側部材との間には倍力比変更用弾性部材とヒステリシス防止用弾性部材とを直列に配設しているから、例えば入力軸を押動操作したときには、まず、第1の倍力比をもった入出力特性を得ることができ、この間にヒステリシス防止用弾性部材を弾性的に圧縮変形できる上に、入力が倍力比変更用弾性部材のセット荷重を越えたときには、前記第1の倍力比よりも大きい第2の倍力比をもった入出力特性を得ることができる。そして、入力軸への押動操作を解除したときには、倍力比変更用弾性部材とヒステリシス防止用弾性部材との弾性復元力により出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧し続けることができ、該リアクション部材が出力軸側部材と共に入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを制限できる。
【0042】
さらに、請求項3の発明では、ヒステリシス防止用弾性部材は自由長状態のスプリングからなり、その最大撓み荷重は変圧室と定圧室との間の圧力差が最大となったときにおける入力軸に対する押動力である最大負荷点入力以上に設定してなる構成としている。
【0043】
これにより、入力軸の押動操作時にヒステリシス防止用のスプリングが最大撓み荷重に達することはなくなり、最大負荷点入力以下の領域で倍力比が相対的に小さくなるのを防止できる。
【0044】
また、請求項4の発明では、ヒステリシス防止用弾性部材は自由長状態のスプリングからなり、その最大撓み荷重は変圧室と定圧室との間の圧力差が最大となったときにおける入力軸に対する押動力である最大負荷点入力以下に設定してなる構成としている。
【0045】
これにより、入力軸への押動操作力を最大負荷点入力まで増大させるようなときにでも、その途中でヒステリシス防止用のスプリングが最大撓み荷重に達するので、最大負荷点入力以下の領域で倍力比が相対的に小さくなるような入出力特性を得ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による気圧式倍力装置を添付図面に従って詳細に説明する。なお、実施の形態では前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示しているに、図中、41は本実施の形態で採用したプランジャで、該プランジャ41は図2に示すように後述の可動弁座42、段付ピストン43及びスプリング44からなる3部材によって構成されている。
【0048】
42はバルブボデー7の段付穴10内に摺動可能に挿嵌されたプランジャ41の一部を構成する入力軸側部材としての可動弁座で、該可動弁座42は一端側が段付筒状に形成され、バルブボデー7の小径筒部7B内ヘと突出している。そして、可動弁座42の突出端側には入力軸13の球形部13Aがカシメ等の手段でプランジャ41に対する入力軸13の多少の揺動を許容できるように固定され、可動弁座42は入力軸13と一体に図1中の矢示E1 ,E2 方向に変位する構成となっている。
【0049】
ここで、可動弁座42の突出端側には図2に示すように、バルブボデー7の弁座部7Cよりも小径に形成された環状弁座としての当接部42Aが一体に設けられ、該当接部42Aはポペット弁体14に離着座することにより小径筒部7B内の大気圧を連通路12側に導入,遮断する。そして、可動弁座42の当接部42Aはバルブボデー7の弁座部7C及びポペット弁体14と共に弁機構を構成し、小径筒部7B内の大気圧に対する変圧室B,Dの連通,遮断を制御すると共に、負圧室A,Cに対する変圧室B,Dの連通,遮断を後述の如く制御する。
【0050】
また、可動弁座42の他端側には小径の調心軸部42Bと大径の筒状部42Cとが一体形成され、該筒状部42Cは調心軸部42Bよりも小さい突出寸法をもって調心軸部42Bを径方向外側から取囲むようになっている。そして、入力軸13を後述の最大負荷点入力fb1以上まで強く押動したときに、筒状部42Cは先端側が段付ピストン43の端面に当接し、スプリング44の最大撓み量を規制する構成となっている。さらに、可動弁座42の中間部外周側にはキー挿入穴11と対応する位置に環状溝42Dが形成され、該環状溝42Dには従来技術と同様にストップキー20が係合状態で取付けられている。
【0051】
43は可動弁座42とは相対変位可能に段付穴10内に挿入された出力軸側部材としての段付ピストンで、該段付ピストン43には可動弁座42と対面する一端側に小径のガイド凹部43Aが形成され、該ガイド凹部43A内には可動弁座42の調心軸部42Bが摺動可能に挿嵌されている。これにより、段付ピストン43は段付穴10内で可動弁座42に対して心合せされ、段付穴10内での径方向の位置ずれが規制されている。
【0052】
また、段付ピストン43の他端側は段付穴10の小径部側に挿嵌された受圧凸部43Bとなり、該受圧凸部43Bの先端面とリアクションディスク25との間には予め決められた一定寸法の隙間Sが形成されている。なお、この状態で段付ピストン43は、可動弁座42の筒状部42C先端との間にも一定の隙間が確保され、スプリング44に初期荷重が負荷されるのを防止しているものである。
【0053】
さらに、44は段付ピストン43の一端側と可動弁座42の他端側との間に配設されたヒステリシス防止用弾性部材としてのスプリングで、該スプリング44は可動弁座42の調心軸部42B周囲に挿通されたコイルばね等からなり、その外周側を可動弁座42の筒状部42Cが取囲む構成となっている。
【0054】
そして、ブレーキ操作を行う前の段階で可動弁座42等が図1、図2に示す初期位置に復帰している状態(出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されていない状態)では、可動弁座42と段付ピストン43との間にスプリング44は自由長状態で介在(介装)され、このときにスプリング44は、ばね力を可動弁座42と段付ピストン43とのいずれにも付与することはない。
【0055】
ここで、ブレーキ操作により、入力軸13を図1、図2に示す初期状態(ペダルが踏込まれていないブレーキ非作動状態)から矢示E1 方向に押動した場合、その所謂ジャンプイン後の均衡状態では、図4に示すように、出力軸22からの反力によりリアクションディスク25は弾性変形し、反力の一部がプランジャ41の段付ピストン43の受圧凸部43Bに伝達されているから、スプリング44が段付ピストン43側からのこの反力の一部により可動弁座42との間で撓み変形され、スプリング44が段付ピストン43の受圧凸部43Bをリアクションディスク25に向けて付勢している状態で均衡している。また、このスプリング44は、本実施の形態の場合、最大撓み荷重が図3に示す最大負荷点入力fb1以上に設定され、通常のブレーキ操作時に可動弁座42の筒状部42Cと段付ピストン43との間には、図4に示すような微小な隙間が確保される。
【0056】
そして、ブレーキ操作の解除時にも可動弁座42等が初期位置に復帰するまでの間、即ち出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されている間は、スプリング44が図5に示すように撓み変形を続け、段付ピストン43を矢示F1 方向に付勢し続ける。これにより、スプリング44はリアクションディスク25の膨出量を実質的に一定の大きさ(寸法S3 )に保持し、後述のヒステリシス防止作用を行うものである。
【0057】
本実施の形態による気圧式倍力装置は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0058】
然るに、本実施の形態によれば、バルブボデー7の段付穴10内に位置して入力軸13と出力軸22側のリアクションディスク25との間に配設したプランジャ41を、入力軸13の球形部13Aに固着されポペット弁体14に離着座することにより該ポペット弁体14を作動させる可動弁座42と、該可動弁座42とリアクションディスク25との間に相対変位可能に配設されリアクションディスク25からの反力を受承する段付ピストン43と、該段付ピストン43と可動弁座42との間に配設され常時は自由長状態におかれたスプリング44とから構成したので、下記のような作用効果を得ることができる。
【0059】
即ち、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作したときには、入力軸13が可動弁座42と共に矢示E1 方向に押動されることにより、可動弁座42の当接部42Aがポペット弁体14を開弁させ、変圧室B,D内に大気圧が導入される。これにより、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生し、出力軸22はパワーピストン5,6及びバルブボデー7を介して矢示F1 方向の出力を発生させる。
【0060】
また、このとき、リアクションディスク25は出力軸22からの反力により弾性変形するから、リアクションディスク25は段付ピストン43の受圧凸部43Bに当接する位置まで段付穴10内に向けて図4中の寸法S3 分だけ膨出する。
【0061】
これにより、スプリング44は段付ピストン43と可動弁座42との間で出力軸22から段付ピストン43に伝達される反力の一部によって、弾性的に撓み変形され、段付ピストン43をリアクションディスク25側に向けて前記反力に対応したばね力で押圧することになる。このとき、図3に示す特性線45の如く、入力軸13への入力(押動操作力)が入力値fa1に達した段階で所謂ジャンプインが動的に発生することにより、出力軸22からの出力は出力値Fa1まで急上昇する。そして、その後は入力軸13への入力(ペダル踏力)が増大するに応じて出力も一定の倍力比で増大することになる。
【0062】
この場合、段付ピストン43はリアクションディスク25と可動弁座42との間にスプリング44を介して相対変位可能に設けられているから、リアクションディスク25の膨出量を寸法S3 として、例えば図16に示す従来技術の膨出量(S1 <S3 )よりも大きくすることができ、前記ジャンプイン時の出力値Fa1を図15に例示した従来技術の出力値Fa に比較して増大できると共に、倍力比自体も大きく設定することができる。
【0063】
さらに、入力軸13を大きく踏込むことにより、図3に示す最大負荷点入力fb1まで入力が増大したときには、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差が最大となり、これ以上に入力軸13を踏込み操作しても圧力差による倍力作用は発揮できなくなる。そして、出力軸22は出力値Fb1以上の領域では入力軸13と実質的に一体となって軸方向に変位し、フランジ部22A側がフロントシェル2の段付凹部2Bに当接した段階でストロークエンドに達する。
【0064】
ここで、スプリング44は最大撓み荷重を図3に示す最大負荷点入力fb1以上に設定しているから、入力軸13への踏力が入力値fa1から最大負荷点入力fb1の間(通常のブレーキ操作時)では、特性線45に沿って倍力比を実質的に一定に保つことができ、スプリング44の撓み変形に影響されて倍力比が途中で変化するのを防止できる。また、通常のブレーキ操作時には可動弁座42の筒状部42Cと段付ピストン43との間には、図4に示すように微小な隙間が確保されるものである。
【0065】
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力軸13が戻しばね16により矢示E2 方向に押戻されることにより、可動弁座42が当接部42Aを介してポペット弁体14を弱ばね15に抗して矢示E2 方向に押圧し、図5に示す如くバルブボデー7の弁座部7Cからポペット弁体14を強制的に離座させる。そして、負圧室A,Cは変圧室B,Dと連通路8,12等を介して連通することにより、負圧室A,C内の負圧が変圧室B,D側に導入され、負圧室A,Cと変圧室B,Dとが大気圧よりも低い圧力で実質的に同圧になる。
【0066】
これにより、出力軸22はバルブボデー7と共に戻しばね24により矢示F2 方向に押戻され、その出力は図3に示す出力値Fb1以下の領域を特性線45に沿って減少してゆく。そして、この間に亘ってもリアクションディスク25は出力軸22からの反力を矢示F2 方向の戻し力として受け、図4に示す如くリアクションディスク25は段付穴10内へと膨出するような挙動を続ける。
【0067】
しかし、段付ピストン43と可動弁座42との間に配設したスプリング44は撓み変形状態にあり、段付ピストン43をリアクションディスク25側に向けて前記反力に対応した弾性復元力(ばね力)で押圧し続けるから、リアクションディスク25の膨出量が寸法S3 以上に大きくなるのを抑え、リアクションディスク25が段付ピストン43と共に可動弁座42側に向けて後退するように相対変位するのを規制できる。
【0068】
このため、ブレーキ操作の解除時にもブレーキ操作時とほぼ同様に、図3に示す特性線45に沿った入出力特性を得ることができ、従来技術のようにブレーキ操作時と解除時とて入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止できる。そして、ブレーキ操作の解除時に従来技術のようにブレーキペダルに粘り感等が残ったりすることがなくなり、ブレーキの解除遅れが生じる等の問題を解消することができる。
【0069】
従って、本実施の形態によれば、図3に示す特性線45の如く入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止でき、ブレーキ操作の解除時に出力軸22を早期に初期位置に復帰させ、ブレーキ解除動作を速やかに行うことができると共に、操作解除時の応答性を高めることができ、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
【0070】
次に、図6及び図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ヒステリシス防止用弾性部材を出力軸側部材に予め組付けた状態で組立作業を行い得るようにし、組立時の作業性を向上できるようにしたことにある。
【0071】
図中、51は本実施の形態で採用したプランジャで、該プランジャ51は図7に示すように後述の可動弁座52、ばね受53、段付ピストン54、調整ボルト55及びスプリング56から構成されている。
【0072】
52はバルブボデー7の段付穴10内に摺動可能に挿嵌された入力軸側部材としての可動弁座で、該可動弁座52は前記第1の実施の形態で述べた可動弁座42とほぼ同様に構成され、環状弁座としての当接部52Aと、小径の調心軸部52Bと、ストップキー20が係合状態で取付けられた環状溝52Cとが一体に形成されている。
【0073】
53は可動弁座52と共に入力軸側部材を構成するばね受で、該ばね受53は金属板等から段付筒状に形成され、その一端側開口部が可動弁座52の調心軸部52Bに嵌合されている。また、ばね受53の他端側は段付ピストン54の端面と当接可能に軸方向で対向配設されている。そして、入力軸13を図3に例示した最大負荷点入力fb1以上まで強く押動したときには、ばね受53の他端側端面が段付ピストン54の端面に当接し、スプリング56の最大撓み量を規制する構成となっている。
【0074】
54は可動弁座52、ばね受53と相対変位可能に段付穴10内に挿入された出力軸側部材としての段付ピストンで、該段付ピストン54には可動弁座52と対面する一端側に調整具としての調整ボルト55が螺合状態で取付けられ、該調整ボルト55により段付ピストン54は、ばね受53に対して軸方向に摺動可能に連結されている。また、段付ピストン54は可動弁座52の調心軸部52B、ばね受53を介して可動弁座52に対し心合せされ、段付穴10内での径方向の位置ずれが規制されている。
【0075】
ここで、調整ボルト55は段付ピストン54への取付け前にばね受53内に挿通され、その先端側が段付ピストン54に螺合される。そして、調整ボルト55の頭部55Aとばね受53の端部との間には図7に示す如く微小寸法の隙間δが確保されるように、段付ピストン54に対する調整ボルト55の螺合量は調整されるものである。また、段付ピストン54の他端側は段付穴10の小径部側に挿嵌された受圧凸部54Aとなり、該受圧凸部54Aの先端面とリアクションディスク25との間には予め決められた一定寸法の隙間Sが形成されている。
【0076】
さらに、56は段付ピストン54の一端側とばね受53との間に配設されたヒステリシス防止用弾性部材としてのスプリングで、該スプリング56はコイルばね等からなり、ブレーキ操作を行う前の段階で可動弁座52等が図6、図7に示す初期位置に復帰している状態(出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されていない状態)では、ばね受53と段付ピストン54との間にスプリング56は自由長状態で介在(介装)されている。そして、このときにスプリング56は可動弁座52と段付ピストン54とのいずれにもばね力を付与することはなく、調整ボルト55の頭部55Aとばね受53の端部との間には微小寸法の隙間δが確保されるものである。
【0077】
ここで、ブレーキ操作により、入力軸13を図6、図7に示す初期状態(ペダルが踏込まれていないブレーキ非作動状態)から矢示E1 方向に押動した場合、その所謂ジャンプイン後の均衡状態では、図4に示した第1の実施の形態の場合と同様に、出力軸22からの反力によりリアクションディスク25は弾性変形し、反力の一部がプランジャ51の段付ピストン54の受圧凸部54Aに伝達されているから、スプリング56が段付ピストン54側からのこの反力の一部により可動弁座52との間で撓み変形され、スプリング56が段付ピストン54の受圧凸部54Aをリアクションディスク25側に向けて付勢している状態で均衡している(図示省略)。
【0078】
また、このスプリング56は、本実施の形態の場合、前記第1の実施の形態で述べたスプリング44と同様に、最大撓み荷重が図3に示した最大負荷点入力fb1以上に設定され、通常のブレーキ操作時にばね受53の先端部と段付ピストン54の一端側端面との間には、隙間が確保される構成となっている。
【0079】
そして、ブレーキ操作の解除時にも可動弁座52等が初期位置に復帰するまでの間、即ち出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されている間は、スプリング56が自由長状態に対して撓み変形を続けることになり、段付ピストン54を矢示F1 方向に付勢し続ける。これにより、スプリング56はリアクションディスク25の膨出量を実質的に一定の大きさ(図5に例示した寸法S3 )に保持し、前記第1の実施の形態と同様にヒステリシス防止作用を行うものである。
【0080】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、ばね受53と段付ピストン54との間にスプリング56を配置した状態で、調整ボルト55によりばね受53を段付ピストン54に対して軸方向変位可能に連結し、これによりばね受53、段付ピストン54、調整ボルト55及びスプリング56からなるサブアセンブリ体57を構成している。
【0081】
この結果、このサブアセンブリ体57を組立時に単一部品として取扱うことができ、可動弁座52の調心軸部52Bをサブアセンブリ体57のばね受53に嵌合させるだけで、プランジャ51の組立作業を容易に行うことができる。そして、この状態でプランジャ51全体をバルブボデー7の段付穴10内に装着するときには、例えば図7中の矢示E1 方向に段付ピストン54側から挿入するだけでプランジャ51を段付穴10内に簡単に組付けることができ、組立時の作業性を向上できる。
【0082】
次に、図8ないし図12は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、プランジャを構成する入力軸側部材と出力軸側部材との間に倍力比変更用弾性部材とヒステリシス防止用弾性部材を直列に介装し、倍力比の変更機能とヒステリシス防止機能との両方を発揮し得る構成としたことにある。
【0083】
図中、61は本実施の形態で採用したプランジャで、該プランジャ61は図9に示すように後述の可動弁座62、ばね受63、段付ピストン64、調整ボルト65及びスプリング66,68により構成されている。
【0084】
62はバルブボデー7の段付穴10内に摺動可能に挿嵌された入力軸側部材としての可動弁座で、該可動弁座62は前記第1の実施の形態で述べた可動弁座42とほぼ同様に構成され、環状弁座としての当接部62Aと、小径の調心軸部62B及び大径の筒状部62Cと、ストップキー20が係合状態で取付けられた環状溝62Dとが一体に形成されている。この場合、可動弁座62の筒状部62C先端側は、入力軸13を図10に例示した入力値fc2のレベルまで押動したときに、後述するばね受63のフランジ部63Aに当接し、スプリング68の最大撓み量を規制する構成となっている。
【0085】
63は可動弁座62の調心軸部62Bに摺動可能に挿嵌されたばね受を示し、該ばね受63は金属板等から段付筒状に形成され、その一端側には可動弁座62の筒状部62Cに当接する大径のフランジ部63Aが設けられている。また、ばね受63の他端側は段付ピストン64の端面に軸方向で対向配設され、段付ピストン64への当接時にはスプリング66の最大撓み量を規制するものである。
【0086】
64は可動弁座62、ばね受63と相対変位可能に段付穴10内に挿入された出力軸側部材としての段付ピストンで、該段付ピストン64にはばね受63と対面する一端側に調整具としての調整ボルト65が螺合状態で取付けられ、該調整ボルト65により段付ピストン64は、ばね受63に対して軸方向に摺動可能に連結されている。また、段付ピストン64は可動弁座62の調心軸部62B、ばね受63を介して可動弁座62に対し心合せされ、段付穴10内での径方向の位置ずれが規制されている。
【0087】
ここで、調整ボルト65は段付ピストン64への取付け前にばね受63内に挿通され、その先端側が段付ピストン64に螺合される。そして、調整ボルト65は段付ピストン64に対する螺合位置を変えることにより、スプリング66のセット荷重を任意に調整できるようになっている。また、段付ピストン64の他端側は段付穴10の小径部側に挿嵌された受圧凸部64Aとなり、該受圧凸部64Aの先端面とリアクションディスク25との間には予め決められた一定寸法の隙間Sが形成されている。
【0088】
66は段付ピストン64の一端側とばね受63との間に配設された倍力比変更用弾性部材としてのスプリングで、該スプリング66はコイルばね等からなり、そのセット荷重は予め決められた大きさ(図10に示す入力値fc2程度)に調整ボルト65を用いて調整されている。この場合、倍力比変更用のスプリング66は、ヒステリシス防止用のスプリング68との関連でセット荷重が調整され、例えばこのスプリング68が最大撓み荷重(図10中の入力値fc2)に達するまでは撓み変形することなく剛体として働き、入力軸13に入力値fc2以上の押動力が加えられたときに撓み変形を開始するものである。
【0089】
これにより、ブレーキ操作時に入力軸13への押動力(入力)が図10に示す入力値fc2に達するまでは、スプリング66が剛体として働き、この間では段付ピストン64がばね受63と一体となってリアクションディスク25からの反力を受承し続ける。そして、入力値fa2〜fc2の段階では特性線70Aに沿って第1の倍力比をもった入出力特性が得られる。
【0090】
一方、ブレーキ操作時に入力軸13への押動力(入力)が図10に示す入力値fc2を越えた段階では、このときの入力がスプリング66のセット荷重を越えることにより、スプリング66はばね受63と段付ピストン64との間で弾性的に撓み変形され、この変形量分だけ段付ピストン64はリアクションディスク25からの反力によりばね受63側へと後退するように相対変位する。これにより、入力値fc2〜fb2の段階では特性線70Bに沿って第2の倍力比をもった入出力特性が得られ、このときの第2の倍力比を前記第1の倍力比よりも大きくすることができる。
【0091】
ここで、倍力比変更用のスプリング66は、ばね受63と段付ピストン64との間に調整ボルト65を介して組付けられることにより、ばね受63、段付ピストン64及び調整ボルト65と共にサブアセンブリ体67を構成している。この結果、このサブアセンブリ体67を組立時に単一部品として取扱うことができ、サブアセンブリ体67にはばね受63のフランジ部63A側にスプリング68を介して可動弁座62の調心軸部62Bを嵌合させるだけで、プランジャ61の組立作業を容易に行うことができる。
【0092】
さらに、68は可動弁座62とばね受63との間に配設されたヒステリシス防止用弾性部材としてのスプリングで、該スプリング68は可動弁座62の調心軸部62B周囲に挿通されたコイルばね等からなり、その外周側を可動弁座62の筒状部62Cが取囲む構成となっている。そして、ブレーキ操作を行う前の段階(出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されていない状態)では、可動弁座62とばね受63のフランジ部63Aとの間にスプリング68は自由長状態で介在(介装)され、このときにスプリング68は、ばね力を可動弁座62とばね受63とのいずれにも付与することはない。
【0093】
ここで、ブレーキ操作により、入力軸13を図8、図9に示す初期状態(ペダルが踏込まれていないブレーキ非作動状態)から矢示E1 方向に押動した場合、その所謂ジャンプイン後の均衡状態では、図11に示したように、出力軸22からの反力によりリアクションディスク25は弾性変形し、反力の一部がプランジャ61の段付ピストン64の受圧凸部64Aに伝達されているから、スプリング68が段付ピストン64側からのこの反力の一部によりばね受63のフランジ部63Aと可動弁座62との間で撓み変形され、スプリング68が段付ピストン64の受圧凸部64Aをリアクションディスク25側に向けて付勢している状態で均衡している。
【0094】
また、このスプリング68は、本実施の形態の場合、最大撓み荷重が図10に示す入力値fc2のレベルに設定され、入出力特性が第1の倍力比となる特性線70Aの途中では、可動弁座62の筒状部62Cとばね受63のフランジ部63Aとの間に、図11に示すように微小な隙間C1 が確保される。
【0095】
そして、ブレーキ操作の解除時にも可動弁座62等が初期位置に復帰するまでの間、即ち出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されている間は、スプリング68が図12に示すように自由長状態に対して撓み変形を続けることとなり、その弾性復元力によりばね受63のフランジ部63Aを矢示F1 方向に付勢し続ける。これによって、スプリング68はリアクションディスク25の膨出量を実質的に一定の大きさ(寸法S4 )に保持し、前記第1の実施の形態とほぼ同様にヒステリシス防止作用を行うものである。
【0096】
このとき、ポペット弁体14が図12に示す隙間C2 をもってバルブボデー7の弁座部7Cから離座することにより、可動弁座62の筒状部62Cとばね受63のフランジ部63Aとの間には、図12に示す隙間C3 (C3 =C1 +C2 )が確保されるものである。
【0097】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、プランジャ61を構成する可動弁座62と段付ピストン64との間に、倍力比変更用のスプリング66とヒステリシス防止用のスプリング68とをばね受63等を介して直列に配設する構成としたから、下記のような作用効果を得ることができる。
【0098】
即ち、通常のブレーキ操作時には入力軸13への押動力(入力)を入力値fa2〜fc2の範囲内とすることにより、図10に示す特性線70Aに沿って第1の倍力比をもった入出力特性が得られ、通常の踏み力で出力(マスタシリンダからのブレーキ力)が過大になるのを防止できる。
【0099】
そして、緊急ブレーキの操作時等に入力軸13への入力を図10に示す入力値fc2以上まで増大させたときには、特性線70Bに沿って第2の倍力比をもった入出力特性が得られ、このときの第2の倍力比を前記第1の倍力比よりも大きくすることができる。これにより、車両の運転者は緊急制動時にブレーキペダルを過剰に強く踏込む必要がなくなり、十分な制動力を確保することができる。
【0100】
また、ブレーキ操作の解除時には、少なくともステリシス防止用のスプリング68により段付ピストン64の受圧凸部64Aをリアクションディスク25側に向けて付勢でき、入出力特性にヒステリシスが発生するのを確実に抑えることができる。
【0101】
なお、前記第2,第3の実施の形態では、ばね受53(63)と段付ピストン54(64)との間を調整具としての調整ボルト55(65)により連結するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば圧入代が調整可能となったピン等の調整具を用いてばね受53(63)と段付ピストン54(64)との間を連結する構成としてもよい。
【0102】
また、前記第1,第2の実施の形態では、ヒステリシス防止用のスプリング44(56)を、最大撓み荷重が図3に示す最大負荷点入力fb1以上となるように設定する構成として述べたが、これに替えて、最大撓み荷重を最大負荷点入力以下に設定してもよい。そして、この場合には入力軸13への押動操作力を最大負荷点入力まで増大させるようなときにでも、その途中でヒステリシス防止用のスプリング44(56)が最大撓み荷重に達するので、最大負荷点入力以下の領域で倍力比が相対的に小さくなるような入出力特性を得ることができる。
【0103】
一方、前記第3の実施の形態では、ヒステリシス防止用のスプリング68を、最大撓み荷重が図10に示す入力値fc2のレベルとなるように設定する構成として述べたが、これに替えて、最大撓み荷重を最大負荷点入力以上に設定してもよく、この場合にも図10に示す入出力特性とほぼ同様の特性を得ることができるものである。
【0104】
さらに、前記各実施の形態では、第1,第2の負圧室A,Cと変圧室B,Dとを有するタンデム型の気圧式倍力装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばシングル型の気圧式倍力装置に適用してもよいものである。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に記載の発明によれば、プランジャの入力軸側部材と出力軸側部材との間に自由長状態のヒステリシス防止用弾性部材を配設し、該ヒステリシス防止用弾性部材は、入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧する構成としているから、例えば入力軸を押動操作したときには従来技術のものとほぼ同様の入力特性を得ることができ、この間にヒステリシス防止用弾性部材を弾性的に圧縮変形できる。そして、入力軸への押動操作を解除したときには、ヒステリシス防止用弾性部材の弾性復元力により出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧するので、該リアクション部材が出力軸側部材と共に入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを抑えることができる。従って、入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止でき、入力軸に対する押動解除時の応答性を高めることができると共に、例えばブレーキの解除動作を速やかに行うことができ、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
【0106】
また、請求項2に記載の発明では、プランジャの入力軸側部材と出力軸側部材との間に倍力比変更用弾性部材とヒステリシス防止用弾性部材とを直列に配設し、該ヒステリシス防止用弾性部材は、入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧する構成としているから、例えば入力軸を押動操作したときに、最初に第1の倍力比をもった入出力特性を得ることができ、この間にヒステリシス防止用弾性部材を弾性的に圧縮変形できる上に、入力が倍力比変更用弾性部材のセット荷重を越えたときには、前記第1の倍力比よりも大きい第2の倍力比をもった入出力特性を得ることができる。そして、入力軸への押動操作を解除したときには、倍力比変更用弾性部材とヒステリシス防止用弾性部材との弾性復元力により出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧し続けることができ、該リアクション部材が出力軸側部材と共に入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを制限できる。
【0107】
従って、入力に対する出力の倍力比を複数段で切換えることができ、例えば緊急のブレーキ操作時にも十分に大きなブレーキ力を出力として発生できると共に、入出力特性にヒステリシスが発生するのを抑えることができる。そして、入力軸に対する押動解除時の応答性を高めることができ、例えばブレーキの解除動作を早期に行うことができると共に、ブレーキフィーリングを向上できる。
【0108】
さらに、請求項3に記載の発明では、ヒステリシス防止用弾性部材を自由長状態のスプリングから構成し、その最大撓み荷重を最大負荷点入力以上に設定しているから、入力軸の押動操作時にヒステリシス防止用のスプリングが最大撓み荷重に達することはなくなり、最大負荷点入力以下の領域で倍力比が相対的に小さくなるのを防止でき、例えばブレーキ操作の途中で倍力比の変更制御を行う場合でも、また、変更制御を行わない場合でも十分な制動力を出力として取出すことができる。
【0109】
一方、請求項4に記載の発明では、ヒステリシス防止用のスプリングの最大撓み荷重を最大負荷点入力以下に設定してなる構成としているから、入力軸への押動操作力を最大負荷点入力まで増大させるようなときでも、その途中でヒステリシス防止用のスプリングが最大撓み荷重に達することにより、最大負荷点入力以下の領域で倍力比が相対的に小さくなるような入出力特性を得ることができる。また、ヒステリシス防止用のスプリングを倍力比変更用弾性部材と併用して設ける場合には、スプリングの最大撓み荷重を倍力比変更用弾性部材のセット荷重に対応させることにより、例えばブレーキ操作の途中で倍力比を増大でき、緊急のブレーキ操作時には十分に大きな出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図2】プランジャ等を示す図1中の要部拡大図である。
【図3】第1の実施の形態による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図4】ブレーキ操作時におけるプランジャの動きを示す図2と同様の拡大図である。
【図5】ブレーキ操作の解除時におけるプランジャの動きを示す図2と同様の拡大図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図7】プランジャ等を示す図6中の要部拡大図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図9】プランジャ等を示す図8中の要部拡大図である。
【図10】第3の実施の形態による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図11】ブレーキ操作時におけるプランジャの動きを示す図9と同様の拡大図である。
【図12】ブレーキ操作の解除時におけるプランジャの動きを示す図9と同様の拡大図である。
【図13】従来技術による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図14】プランジャ等を示す図13中の要部拡大図である。
【図15】従来技術による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図16】ブレーキ操作時におけるプランジャの動きを示す図14と同様の拡大図である。
【図17】ブレーキ操作の解除時におけるプランジャの動きを示す図14と同様の拡大図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 フロントシェル
3 リアシェル
4 中間シェル
5,6 パワーピストン
7 バルブボデー
8,9,12 連通路
10 段付穴
13 入力軸
14 ポペット弁体
22 出力軸
25 リアクションディスク(リアクション部材)
41,51,61 プランジャ
42,52,62 可動弁座(入力軸側部材)
43,54,64 段付ピストン(出力軸側部材)
44,56,68 スプリング(ヒステリシス防止用弾性部材)
53,63 ばね受
55,65 調整ボルト(調整具)
57,67 サブアセンブリ体
66 スプリング(倍力比変更用弾性部材)
A,C 負圧室(定圧室)
B,D 変圧室
fb1,fb2 最大負荷点入力

Claims (4)

  1. ケーシングと、外周側が該ケーシングに固着され、該ケーシング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンの内周側に固着され、前記ケーシング内における該パワーピストンの変位に連動して軸方向に変位可能となったバルブボデーと、一端側が前記ケーシングの一側外部に突出し、他端側が該バルブボデーに挿入して設けられた入力軸と、外部作動気体に対する前記変圧室の連通,遮断及び前記定圧室に対する前記変圧室の連通,遮断を、前記バルブボデー内に設けられたポペット弁体と協働して行うために前記バルブボデー内に設けられ、該入力軸の押動操作により前記バルブボデーに対して相対変位するプランジャと、一端側が前記バルブボデーに嵌合され、他端側が前記ケーシングの他側より外部に突出した出力軸と、該出力軸の一端側と前記バルブボデーとの間に介在され、前記入力軸の押動操作時に前記変圧室と定圧室との間の圧力差によって前記バルブボデーに発生する推力を該出力軸に伝達すると共に、該出力軸からの反力の一部を前記プランジャに伝える弾性樹脂材料のリアクション部材とからなる気圧式倍力装置において、
    前記プランジャは、
    前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、
    該入力軸側部材に対し相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する出力軸側部材と、
    該出力軸側部材と入力軸側部材との間に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、該出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在されたヒステリシス防止用弾性部材とから構成し
    該ヒステリシス防止用弾性部材は、前記入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材を前記リアクション部材に向けて押圧する構成としたことを特徴とする気圧式倍力装置。
  2. ケーシングと、外周側が該ケーシングに固着され、該ケーシング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンの内周側に固着され、前記ケーシング内における該パワーピストンの変位に連動して軸方向に変位可能となったバルブボデーと、一端側が前記ケーシングの一側外部に突出し、他端側が該バルブボデーに挿入して設けられた入力軸と、外部作動気体に対する前記変圧室の連通,遮断及び前記定圧室に対する前記変圧室の連通,遮断を、前記バルブボデー内に設けられたポペット弁体と協働して行うために前記バルブボデー内に設けられ、該入力軸の押動操作により前記バルブボデーに対して相対変位するプランジャと、一端側が前記バルブボデーに嵌合され、他端側が前記ケーシングの他側より外部に突出した出力軸と、該出力軸の一端側と前記バルブボデーとの間に介在され、前記入力軸の押動操作時に前記変圧室と定圧室との間の圧力差によって前記バルブボデーに発生する推力を該出力軸に伝達すると共に、該出力軸からの反力の一部を前記プランジャに伝える弾性樹脂材料のリアクション部材とからなる気圧式倍力装置において、
    前記プランジャは、
    前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、
    該入力軸側部材に対し相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する出力軸側部材とを備え、
    該出力軸側部材と入力軸側部材との間には、
    前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていない状態では軸方向に圧縮可能に保持されていると共に、その軸方向の伸長を自由長よりも短い所定長に規制され、所定のセット荷重が付加されてなる倍力比変更用弾性部材と、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには自由長状態とされてなるヒステリシス防止用弾性部材と
    を直列に介在させる構成とし
    該ヒステリシス防止用弾性部材は、前記入力軸への押動操作を解除したときに前記出力軸側部材を前記リアクション部材に向けて押圧する構成としたことを特徴とする気圧式倍力装置。
  3. 前記ヒステリシス防止用弾性部材は自由長状態のスプリングからなり、その最大撓み荷重は前記変圧室と定圧室との間の圧力差が最大となったときにおける前記入力軸に対する押動力である最大負荷点入力以上に設定してなる請求項1または2に記載の気圧式倍力装置。
  4. 前記ヒステリシス防止用弾性部材は自由長状態のスプリングからなり、その最大撓み荷重は前記変圧室と定圧室との間の圧力差が最大となったときにおける前記入力軸に対する押動力である最大負荷点入力以下に設定してなる請求項1または2に記載の気圧式倍力装置。
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