JP6646334B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、軸受部材を円滑に摺動させるための潤滑剤の不足を抑制することにある。
また、前記支持部材は、前記軸受部材が前記予圧方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、前記支持部材の前記凹部は、前記軸受部材の前記予圧方向に沿っている複数の溝であり、前記複数の溝のうちの一部の溝は、一端部が前記第1突当面に連続しないで他端部が前記第2突当面に連続し、前記複数の溝のうちの他の溝は、一端部が前記第1突当面に連続して他端部が前記第2突当面に連続しないとよい。
また、前記支持部材は、前記軸受部材が前記予圧方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、前記支持部材の前記凹部は、両端部が前記第1突当面及び前記第2突当面の両方に連続しないとよい。
また、前記ウォームギヤを前記ウォームホイールに押し付けるように前記軸受部材に力を加える加圧部材をさらに備えるとよい。
他の観点から捉えると、本発明は、駆動力を受けて回転するウォームギヤと、前記ウォームギヤを回転可能に支持する軸受部材と、前記ウォームギヤに接続されて回転し、ステアリングホイールに操舵補助力を与えるウォームホイールと、前記軸受部材を前記ウォームホイールの回転軸と交差する交差方向に摺動可能に支持するとともに、前記軸受部材の前記交差方向への移動を案内する案内面と前記案内面から凹んだ凹部に潤滑剤を保持する保持部とを有する支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記軸受部材が移動方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、前記支持部材の前記凹部は、前記軸受部材の移動方向に沿っている複数の溝であり、前記複数の溝のうちの一部の溝は、一端部が前記第1突当面に連続しないで他端部が前記第2突当面に連続し、前記複数の溝のうちの他の溝は、一端部が前記第1突当面に連続して他端部が前記第2突当面に連続しないこと、を特徴とするパワーステアリング装置である。
〔電動パワーステアリング装置1の全体構成〕
図1は、電動パワーステアリング装置1の概略上面図である。
図2は、図1に示す電動パワーステアリング装置1のI−I線の断面図である。
本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施形態においては車両、特に自動車に適用した構成を例示している。また、本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、いわゆるピニオンアシストタイプの装置である。
また、電動パワーステアリング装置1は、ラック軸21の端部に設けられてナックルアーム(不図示)を介して例えばタイヤに連結するタイロッド23A,23Bと、各種部材を収容するハウジング30と、ピニオン軸22に操舵補助力を与えるアシスト部40とを備えている。
また、ピニオン軸22は、トーションバー12に接続される。従って、ピニオン軸22は、トーションバー12を介して入力軸11から操舵力を受けて回転する。また、本実施形態では、ピニオン軸22には、アシスト部40の後述するウォームホイール43が接続する。従って、ピニオン軸22は、入力軸11からの操舵力に加えてアシスト部40からの補助操舵力を受けて回転する。
ラックハウジング31Rは、軸方向に長く伸びる略円筒状の部材であって、ラック軸21の軸方向に沿うように構成される。そして、ラックハウジング31Rは、不図示のブッシュを介してラック軸21を保持し、ラック軸21を軸方向に移動可能に収納する。
電動モータ41は、電子制御ユニット60により制御されて、ウォームギヤ42を回転駆動する。
ウォームギヤ42は、電動モータ41の出力軸41A(図3参照、後述)に連結される。
ウォームホイール43は、ウォームギヤ42に連結され、電動モータ41からの駆動力が伝達される。従って、電動モータ41の回転力がウォームホイール43により減速されてピニオン軸22に伝達される。
なお、このアシスト部40の詳細な構成については後述する。
電子制御ユニット60は、各種演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMとを有する。そして、トルク検出装置50から得た操舵トルクに基づいて、アシスト部40の電動モータ41の駆動を制御する。
図3は、図2に示す電動パワーステアリング装置1のII−II線の断面図である。
図4は、アシスト部40の分解斜視図である。
図5は、伝達機構44の分解斜視図である。
次に、図3乃至図5を参照しながら、電動パワーステアリング装置1(図1参照)におけるアシスト部40の詳細構成について説明をする。
また、アシスト部40は、電動モータ41の駆動をウォームギヤ42に伝達する伝達機構44と、ウォームギヤ42を支持する支持機構45と、ウォームギヤ42とウォームホイール43との噛み合い部に予圧を与える予圧機構100とを備える。なお、予圧機構100については後述する。
ウォームギヤ42は、歯部42Aと、歯部42Aを挟んで両側に位置する軸部42B,42Cと、軸部42Bに設けられたフランジ部42Dを備える。
ウォームホイール43は、ウォームギヤ42の歯部42Aと接続されるとともに、ピニオン軸22に対して固定して設けられる。
ここで、第1カップリング44Aは、略円盤状の部材である本体44Eと、本体44Eの中心部に設けられる貫通孔44Fと、本体44Eにおける端面の外周側で端面から軸方向に突出して設けられる複数の羽根部44Gとを備える。この第1カップリング44Aは、貫通孔44Fに出力軸41Aを圧入することにより、出力軸41Aに対して固定される。
コイルばね44Bは、第1カップリング44Aと第2カップリング44Dとの間に圧縮状態で装填される。このコイルばね44Bは、ウォームギヤ42の軸方向に生じる振動を弾性変形により吸収する。
第2カップリング44Dは、略円盤状の部材である本体44Lと、本体44Lの中心部に設けられる貫通孔44Mと、本体44Lにおける端面の外周側で端面から軸方向に突出して設けられる複数の羽根部44Nとを備える。ここで、第2カップリング44Dの羽根部44Nは、弾性継手44Cの周方向で相隣る各突起部44Jの対向間隙のうち、第1カップリング44Aの羽根部44Gが配置されていない対向間隙に嵌め合わされるように配置される。この第2カップリング44Dは、貫通孔44Mにウォームギヤ42の軸部42Bを圧入することにより、ウォームギヤ42に対して固定される。
ここで、第1軸受45Aは、外輪が第1外周部31Aに固定され、内輪はウォームギヤ42の軸部42Bを圧入することにより、ウォームギヤ42に対して固定される。図示の例においては、第1軸受45Aは、軸部42Bのフランジ部42Dと第2カップリング44Dとにより挟持されるように配置される。
第2軸受45Bは、外輪が軸受ケース110(後述)によって支持され、内輪は、ウォームギヤ42の軸部42Cを圧入することにより、ウォームギヤ42に対して固定される。付言すると、第2軸受45Bは、軸受ケース110によって、ウォームホイール43の回転軸と交差する交差方向に摺動可能に支持される。
ベアリングナット45Cは、第1外周部31Aに螺着されて固定される。このベアリングナット45Cは、第1軸受45Aの外輪を保持する。すなわち、第1軸受45Aの外輪は、ベアリングナット45Cを介して第1外周部31Aに固定される。
図6は、図3に示す予圧機構100のIII−III線の断面図である。
図7(a)は軸受ケース110の斜視図であり、図7(b)は図7(a)に示す軸受ケース110のIV−IV線の断面図である。
次に図4乃至図7を参照しながら、予圧機構100の詳細構成について説明をする。
予圧機構100は、支持部材の一例である軸受ケース110と、円筒部材120と、加圧部材の一例であるコイルばね130と、キャップ140とを備える。
さらに、軸受ケース110には、ガイド面114Aから凹んだ凹部115が形成されている。凹部115に潤滑剤となるグリスが充填されることで、軸受ケース110は、凹部115に潤滑剤を保持する保持部を備えるようになる。言い換えると、保持部は、グリスを保持している状態の凹部115と捉えることができる。
図7(a)に示すように、凹部115は、ガイド面114Aから凹んだ凹部であり第2軸受45Bの移動方向(予圧方向(後述))に沿っている溝(例えば4つの溝)である。付言すると、凹部115は、第2軸受45Bが予圧方向及びその反対方向に摺動する際に接触する箇所に形成されている。
より具体的には、凹部115は、ガイド面114Aから凹んだ複数の凹部である凹部115A,凹部115B,凹部115C,凹部115Dを含む。これらの複数の凹部のうち凹部115A,凹部115Cは、一端部が第1突当面114Bに連続しないで、他端部が第2突当面114Cに連続するように形成されている。付言すると、凹部115A,凹部115Cは、第2突当面114Cと同一の曲面の底部を有している。一方、残りの凹部115B,凹部115Dは、一端部が第1突当面114Bに連続して、他端部が第2突当面114Cに連続しないように形成されている。付言すると、凹部115B,凹部115Dは、第1突当面114Bと同一の曲面の底部を有している。
なお、本体111の内面114に塗布される潤滑剤としてはグリスに限定されることはなく、他の潤滑剤を用いるようにしても良い。
コイルばね130は、第2軸受45Bの外周面と、キャップ140の端面との間に圧縮状態で装填される。なお、コイルばね130は弾性部材であれば良く、コイルばね130の代わりに、例えばゴムのような他の弾性部材を用いても良い。
キャップ140は、略円盤状の部材であり、外周面に雄ねじが形成されている。このキャップ140は、環状凹部31F(後述)の雌ねじに螺合することにより、第1外周部31Aに対して固定される。
また、軸受ケース110においては、ガイド面114Aが形成されていることにより、第2軸受45Bが予圧方向に沿って移動する。このことにより、ウォームギヤ42とウォームホイール43との噛み合い位置を適正に保つとともに、噛み合い反力の変動によるウォームギヤ42のラジアル方向への移動が円滑となる。
また、第2軸受45Bは、予圧方向と交差(直交)する方向においては、ガイド面114Aによって挟まれた状態となる。
図8(a)、(b)は、予圧機構100の動作を説明する図である。なお、図8においては、予圧機構100の機能部材のうち、要部のみを示し、一部の記載を省略している。
ここで、図6及び図8を参照しながら、凹部115の作用について説明をする。
まず、本実施の形態とは異なり凹部115を備えない予圧機構100の動作を説明する。図8(a)に示すように、通常の状態においては、コイルばね130の弾性力により第2軸受45Bがウォームホイール43側(予圧方向、図中矢印B参照)に付勢される。このとき、第2軸受45Bは、コイルばね130とは反対側の内面114(即ち、第1突当面114B)に突き当てられた状態である。
また、凹部115に保持されているグリスが少なくなったとしても、第2軸受45Bによる摺動や、振動、グリスの自重などにより、第1突当面114B又は第2突当面114Cに押し退けられたグリスが凹部に戻ってくることもある。そのため、良好な潤滑性が長期に渡って保たれることになる。
図9〜図11は、凹部115の変形例を示す図である。具体的には、図9(a)は軸受ケース110の斜視図であり、図9(b)は図9(a)に示す軸受ケース110のV−V線の断面図である。図10(a)は軸受ケース110の斜視図であり、図10(b)は図10(a)に示す軸受ケース110のVI−VI線の断面図である。図11(a)は軸受ケース110の斜視図であり、図11(b)は図11(a)に示す軸受ケース110のVII−VII線の断面図である。なお、図9〜図11において、図7に示す構成と同一の構成部材については同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
上述の実施の形態においては、図7(a)に示すように、凹部115は、一端部が第1突当面114B又は第2突当面114Cの何れかに連続するように形成されるものとして説明したが、このような構成に限られるものではない。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (5)
- 駆動力を受けて回転するウォームギヤと、
前記ウォームギヤを回転可能に支持する軸受部材と、
前記ウォームギヤに接続されて回転し、ステアリングホイールに操舵補助力を与えるウォームホイールと、
前記軸受部材を前記ウォームホイールの回転軸と交差する方向であって予圧方向に摺動可能に支持するとともに、前記軸受部材の前記予圧方向への移動を案内する案内面と前記案内面から凹んだ凹部に潤滑剤を保持する保持部とを有する支持部材とを備え、
前記支持部材の前記凹部は、前記予圧方向に沿っている溝であること、
を特徴とするパワーステアリング装置。 - 前記支持部材は、前記軸受部材が前記予圧方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、
前記支持部材の前記凹部は、前記軸受部材の前記予圧方向に沿っている複数の溝であり、前記複数の溝のうちの一部の溝は、一端部が前記第1突当面に連続しないで他端部が前記第2突当面に連続し、前記複数の溝のうちの他の溝は、一端部が前記第1突当面に連続して他端部が前記第2突当面に連続しないこと、
を特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。 - 前記支持部材は、前記軸受部材が前記予圧方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、
前記支持部材の前記凹部は、両端部が前記第1突当面及び前記第2突当面の両方に連続しないこと、
を特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。 - 前記ウォームギヤを前記ウォームホイールに押し付けるように前記軸受部材に力を加える加圧部材をさらに備える、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。 - 駆動力を受けて回転するウォームギヤと、
前記ウォームギヤを回転可能に支持する軸受部材と、
前記ウォームギヤに接続されて回転し、ステアリングホイールに操舵補助力を与えるウォームホイールと、
前記軸受部材を前記ウォームホイールの回転軸と交差する交差方向に摺動可能に支持するとともに、前記軸受部材の前記交差方向への移動を案内する案内面と前記案内面から凹んだ凹部に潤滑剤を保持する保持部とを有する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記軸受部材が移動方向の一方向に移動して突き当たる第1突当面と、前記軸受部材が前記一方向とは反対方向に移動して突き当たる第2突当面とを有し、
前記支持部材の前記凹部は、前記軸受部材の移動方向に沿っている複数の溝であり、前記複数の溝のうちの一部の溝は、一端部が前記第1突当面に連続しないで他端部が前記第2突当面に連続し、前記複数の溝のうちの他の溝は、一端部が前記第1突当面に連続して他端部が前記第2突当面に連続しないこと、
を特徴とするパワーステアリング装置。
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