JP6643900B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびそれらの硬化物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびそれらの硬化物 Download PDF

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Description

本発明は耐熱性が要求される電気電子材料用途に好適なエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性や高流動性といった要求特性が求められる(非特許文献1)。なお、特にプラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなっている(非特許文献2)。具体的には、半導体の駆動温度の上昇により、150℃以上の耐熱性が求められるようになってきている。一般にエポキシ樹脂は軟化点の高いエポキシ樹脂が高い耐熱性を有する傾向があるが、その反面、熱分解温度の低下、難燃性の低下が課題となる。
そこで、従来から難燃性及び耐熱性が共に高いという性能を有するエポキシ樹脂が要求されていた。そして、耐熱性が良好なエポキシ樹脂として、アセトンとレゾルシンの反応が試みられ、特許文献1、非特許文献3に示すようなジフラバン構造を有するエポキシ樹脂が開発されてきた。しかし、フラバン構造では高い難燃性が生じ難い。また、上記2種類の化合物の反応物から得られる構造はフラバン構造であるとの結果が特許文献1及び非特許文献3から得られていたことから、難燃性及び耐熱性が得られるフェノール樹脂の開発は別骨格のフェノール樹脂へ委ねられていった。そのような中、難燃性及び耐熱性の両方で優れた特性を満たすフェノール樹脂の要求は未だ高まっていた。
日本国特開2010−275221号公報
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−1、[online]、平成21年3月、JEITA(社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、インターネット<URL:http://strj−jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku−2008.cfm> 高倉信之他、松下電工技報 車関連デバイス技術 車載用高温動作IC、74号、日本、2001年5月31日、35−40頁 P.Livant他、J.Org.Chem.、1997、Vol.62、737〜742頁
エポキシ樹脂は一般的に高Tg化すると、難燃性が低下する。これは架橋密度が増加することによる影響である。しかしながら、難燃性が求められる半導体周辺材料への高Tg化が要求される中、この相反する特性を有する樹脂を早急に開発することが期待されている。そこで、このような特性が期待できるエポキシ樹脂を見出すことが急務であった。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(7)に関する。
(1)下記式(1)で表されるフェノール樹脂。
Figure 0006643900
(式中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは1〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。)
(2)樹脂を構成する分子の前記式(1)中のnの平均値が0.05以上、4.0以下である前項(1)に記載のフェノール樹脂。
(3)13C−NMRスペクトルチャートにおいてケトン由来のCHカーボンのピーク面積を1とした場合、CHカーボンのピーク面積が0以上、0.2以下である前項(1)に記載のフェノール樹脂。
(4)前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のフェノール樹脂にエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂。
(5)前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
(6)前項(4)に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤と、任意に硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
(7)前項(5)または(6)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明のフェノール樹脂及びエポキシ樹脂は、ベンゾピラン構造を有するフェノール樹脂ないしエポキシ樹脂である。このようにフェノール樹脂ないしエポキシ樹脂がベンゾピラン構造を有することによって、耐熱性と難燃性の両方の特性が優れた樹脂を得ることが可能である。
本発明のフェノール樹脂は、ジヒドロキシベンゼン類(a)とケトン類(b)を反応させて得ることができる。
まず、ジヒドロキシベンゼン類(a)について説明する。ジヒドロキシベンゼン類(a)は下記式(2)で表される化合物である。
Figure 0006643900
(式(2)中、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは1〜4の整数を示す。)
ジヒドロキシベンゼン類(a)としては、カテコール、3−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、2,5−ジメチルレゾルシン、4−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3,5−トリメチルハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノンなどが例示されるが、これらには限定されない。カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンが好ましく、レゾルシンが特に好ましい。ここで、式(1)においてnが0より大きいもの(例えば、nが1以上のもの)を得るためには、レゾルシンを特に好適に使用することができる。
次に、ケトン類(b)について説明する。ケトン類は、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 0006643900
(式(3)中、Rは式(1)と同じ意味を表す。)
ケトン類(b)としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、3−メチル−2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン等が挙げられ、アセトン、メチルエチルケトンが好ましく、アセトンが特に好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、酸性条件下で、式(2)で表される化合物の一種以上と式(3)で表される化合物との縮合反応によって得られる。尚、塩基性条件下で反応を行うこともできるが、酸性条件下の方が好ましい。
式(3)で表される化合物は式(2)で表される化合物1モルに対して通常0.25〜5.0モル、好ましくは0.3〜2.5モルを使用する。
酸性条件下で縮合反応を行う場合、用い得る酸性触媒は特に限定されないが、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸触媒、塩酸、硫酸等の無機酸触媒が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の種類を併用してもよい。酸性触媒の使用量は、式(3)で表される化合物1モルに対して通常0.001〜15モル、好ましくは0.002〜10モルである。
塩基性条件下で縮合反応を行う場合も同様に行うことができ、使用する塩基性触媒は公知のものであれば特に限定されない。
本発明のフェノール樹脂を得る反応では、必要に応じて溶剤を使用してもよい。用い得る溶剤としては、例えばケトン類のように式(2)で表される化合物との反応性を有するものでなければ特に制限はないが、原料の式(2)で表される化合物を容易に溶解させる点ではアルコール類を溶剤として用いるのが好ましい。
用いることができる溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
溶剤を使用する場合の使用量は特に制限されないが、例えば、式(2)で表される化合物1モルに対し100〜500重量部使用することができる。
反応温度は通常10〜150℃であり、好ましくは50〜140℃であり、85℃〜140℃で反応させると特に好ましい。反応時間は通常0.5〜20時間であるが、原料化合物の種類によって反応性に差があるため、この限りではない。
本発明のフェノール樹脂を得るためには、上記式(2)及び(3)の化合物の反応終了後、さらに2段階目として高温で反応を進行させる。2段階目の高温反応は100℃以上で行うことが好ましい。この際に副生した水を共沸等により除去することが、反応を完結させる上で好ましい。2段階目の反応を行なうことにより、13C−NMRスペクトルチャートにおけるCHカーボンのピークが減少し、一般式(1)で表される構造を有する化合物が生成する。
反応終了後、塩基を用いて酸触媒を中和する。塩基としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリポリリン酸5ナトリウム、アンモニア等が例示される。この際、塩基を均一に分散させるために、水溶液として徐々に滴下することが好ましい。
反応終了後、生成物を樹脂として取り出す場合には、反応物を水洗後または水洗することなく、加熱減圧下で反応液から未反応物や溶媒等を除去する。未反応物を効率的に除去するために、塩基性条件下、水洗を行ってもよい。生成物を結晶で取り出す場合、大量の水中に反応液を滴下することにより結晶を析出させる。
このようにして得られる本発明のフェノール樹脂は、下記式(1)で表されるフェノール樹脂である。
Figure 0006643900
(式中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは1〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。)
本発明のフェノール樹脂においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によるクロマトグラム中、n=0の構造を有する分子のピーク面積は、全ピークの総面積に対し、通常20〜95面積%、好ましくは30〜80面積%である。
13C−NMRスペクトルチャートにおいて、CHカーボンのピーク面積はアセトン由来のCHカーボンのピーク面積を1とした場合、通常0以上0.3以下、好ましくは0.2以下であり、特に好ましくは0.1以下であり、極めて好ましくは0.05以下である。特に0.2以下となることで優れた難燃性を示すため好ましい。
樹脂を構成する分子の式(1)中のnの平均値は0.05〜4であることが好ましく、0.1〜3のフェノール樹脂であることが特に好ましい。このように、繰り返し数が多いことにより、誘電率を低下させることができるためである。ここで、得られたフェノール樹脂中のnが0でない分子(フェノール化合物)の含有割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により算出される含有割合(クロマトグラム中の全ピークの総面積に対する割合)が、5〜80面積%であることが好ましく、20〜70面積%であることがより好ましい。
また、水酸基当量は125〜250g/eqであることが好ましく、140〜200g/eqであることが特に好ましい。軟化点は100〜200℃であることが好ましく、120〜180℃であることが特に好ましい。
本発明のフェノール樹脂はシアネート樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂原料として有用である。
次に、本発明のエポキシ樹脂について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、上記手法によって得られた本発明のフェノール樹脂と溶剤中、エピハロヒドリンとを反応させ、エポキシ化することにより得られる。ここで、本発明のフェノール樹脂に、本発明のフェノール樹脂以外のフェノール化合物を併用しても良い。
併用できる本発明のフェノール樹脂以外のフェノール化合物としては、エポキシ樹脂の原料として通常用いられるフェノール化合物であれば特に制限なく用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂によれば、高い融点により優れた耐熱性を有し、かつ高い難燃性を有する硬化物が得られる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用できるが、工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対し通常2〜20モル、好ましくは2〜15モル、特に好ましくは2〜8モルである。エポキシ樹脂は、アルカリ金属酸化物の存在下でフェノール化合物とエピハロヒドリンとを付加させ、次いで生成した1,2−ハロヒドリンエーテル基を開環させてエポキシ化する反応により得られる。この際、エピハロヒドリンを上記のように通常より顕著に少ない量で使用することで、エポキシ樹脂の分子量を延ばすとともに分子量分布を広げることができる。この結果、得られるエポキシ樹脂は、比較的低い軟化点を有する樹脂状物として系中から取り出せ、優れた溶剤溶解性を示す。
また、エポキシ化の際に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。中でも、アルコール類が好ましく、アルコール溶剤の極性により、エポキシ化時のイオン反応を効率良く進行することができ、高純度でエポキシ樹脂を得ることができる。用い得るアルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。中でも、エポキシ樹脂との相溶性の観点から、メタノールを用いることが特に好ましい。
上記アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50質量%、好ましくは4〜35質量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5〜100質量%、好ましくは10〜80質量%である。
エポキシ化反応に使用できるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、これらは固形物をそのまま使用しても、あるいはその水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は、該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に、減圧下または常圧下で連続的に留出させた水及びエピハロヒドリンの混合液から分液により水を除去し、エピハロヒドリンのみを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.9〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.5モル、より好ましくは1.0〜2.0モル、特に好ましくは1.0〜1.3モルである。
また、エポキシ化反応において、特にフレーク状の水酸化ナトリウムを用いることで、水溶液とした水酸化ナトリウムを使用するよりも得られるエポキシ樹脂に含まれるハロゲン量を顕著に低減させることが可能となる。更にこのフレーク状の水酸化ナトリウムは、反応系内に分割添加されることが好ましい。分割添加を行なうことで、反応温度の急激な減少を防ぐことができ、これにより不純物である1,3−ハロヒドリン体やハロメチレン体の生成を防止することができる。
エポキシ化反応を促進するために、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することが好ましい。4級アンモニウム塩の使用量としては、本発明のフェノール化合物の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。中でも、アルコール溶剤を用いた場合、50℃〜90℃が好ましく、60〜85℃がより好ましく、70〜80℃が特に好ましい。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗することなく加熱減圧下で反応液からエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また得られたエポキシ樹脂中に含まれるハロゲン量をさらに低減させるために、回収した本発明のエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行ない、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は、本発明のフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下で溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。また、本発明のエポキシ樹脂が結晶として析出する場合は、大量の水に生成した塩を溶解した後に、本発明のエポキシ樹脂の結晶を濾取してもよい。
このようにして得られるエポキシ樹脂としては、上記式(1)のグリシジル化物が得られることとなるが、原料とするフェノール樹脂に上記式(2)で表されるフェノール化合物が含有されていた場合には、上記式(2)のグリシジル化物も得られることとなる。よって、少なくとも2種類のエポキシ樹脂の混合物となる。ここで、得られたエポキシ樹脂において、その樹脂中、上記式(2)のグリシジル化物がゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により算出される含有割合(クロマトグラム中の全ピークの総面積に対する割合)は、1〜25面積%が好ましく、1〜20面積%がより好ましい。
上記の通りフレーク状の水酸化ナトリウムを使用して得られる本発明のエポキシ樹脂の全ハロゲン量は1800ppm以下が通常であり、1600ppm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1300ppm以下である。全ハロゲン量が多すぎるものは硬化物の硬化物性に悪影響を及ぼすことに加えて、未架橋の末端として残る恐れがあることから、硬化時の融解状態時の分子同士の配向が進まずに硬化物性の低下につながる懸念がある。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について記載する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂及び本発明のフェノール樹脂の少なくともどちらか1つを必須成分として含有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。
他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD及びビスフェノールI等)やフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン及びジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド及びシンナムアルデヒド等)との重縮合物、キシレン等の芳香族化合物とホルムアルデヒドの重縮合物とフェノール類との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン及びイソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン及びベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール及びビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン及びビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル及びビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、並びにアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは、1種類のみ使用しても、2種以上を併用してもよい。
他のエポキシ樹脂を併用する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分に占める本発明のエポキシ樹脂の割合は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、特に好ましくは100質量%(他のエポキシ樹脂を併用しない場合)である。ただし、本発明のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、全エポキシ樹脂中で1〜30質量%となる割合で添加する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において用い得る硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物及びフェノール系化合物等が挙げられる。これら他の硬化剤の具体例を下記(a)〜(e)に示す。
(a)アミン系化合物 ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン及びナフタレンジアミン等
(b)酸無水物系化合物 無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸等
(c)アミド系化合物 ジシアンジアミド、若しくはリノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等、
(d)フェノール系化合物多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン及び1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等);フェノール類(例えば、フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン及びジヒドロキシナフタレン等)と、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド及びフルフラール等)、ケトン類(p−ヒドロキシアセトフェノン及びo−ヒドロキシアセトフェノン等)、若しくはジエン類(ジシクロペンタジエン及びトリシクロペンタジエン等)との縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類と、置換ビフェニル類(4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル及び4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類(1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類及び/又は前記フェノール樹脂の変性物;テトラブロモビスフェノールA及び臭素化フェノール樹脂等のハロゲン化フェノール類
(e)その他イミダゾール類、BF アミン錯体、グアニジン誘導体
これら他の硬化剤の中ではジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン及びナフタレンジアミンなどのアミン系化合物、並びにカテコールとアルデヒド類、ケトン類、ジエン類、置換ビフェニル類又は置換フェニル類との縮合物などの活性水素基が隣接している構造を有する硬化剤がエポキシ樹脂の配列に寄与するため好ましい。
他の硬化剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。他の硬化剤を併用する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全硬化剤成分に占める本発明のフェノール化合物の割合は20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、特に好ましくは100質量%(他の硬化剤を併用しない場合)である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のフェノール樹脂を含む全硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量が好ましく、0.6〜1.5当量が特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要により硬化促進剤を添加しても良い。硬化促進剤の具体例としては、トリフェニルフォスフィン、ビス(メトキシフェニル)フェニルフォスフィン等のフォスフィン類、2―メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2―エチル,4―メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が例示される。
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部当たり、通常0.2〜5.0重量部、好ましくは、0.2〜4.0重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要に応じて無機充填材を含有させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する無機充填材は、公知のものであれば何ら制限はない。無機充填材の具体例としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化チタン、酸化亜鉛、炭化タングステン、アルミナ、酸化マグネシウム等の無機粉末充填材、合成繊維、セラミックス繊維等の繊維質充填材、着色剤等が挙げられる。これら無機充填材の形状は、粉末(塊状、球状)、単繊維、長繊維等いずれであってもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における無機充填材の使用量は、エポキシ樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対して通常2〜1000質量部である。これら無機充填材は1種のみを使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシランカップリング剤、離型剤及び顔料等種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂並びに各種熱可塑性樹脂等を添加することができる。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の具体例としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、シアナート樹脂、イソシアナート化合物、ベンゾオキサジン化合物、ビニルベンジルエーテル化合物、ポリブタジエンおよびこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、インデン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ジシクロペンタジエン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂は本発明のエポキシ樹脂組成物中において通常60質量%以下を占める量が用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られ、その好ましい用途としては半導体封止材やプリント配線版等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることが出来る。例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分であるエポキシ樹脂、硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、配合剤、各種熱硬化性樹脂や各種熱可塑性樹脂等を、必要に応じて押出機、ニーダ又はロール等を用いて均一になるまで充分に混合して得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更にその融点以上で2〜10時間加熱することにより本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることが出来る。前述の方法でリードフレーム等に搭載された半導体素子を封止することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止用途に用いることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は溶剤を含むワニスとすることもできる。該ワニスは、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤のうち、少なくとも一方に本発明のエポキシ樹脂、もしくは本発明のフェノール樹脂の少なくとも一方を含み、必要に応じて熱伝導率が20W/m・K以上の無機充填材などのその他の成分を含む混合物を、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤と混合することにより得ることが出来る。溶剤の量はワニス全体に対し通常10〜95質量%、好ましくは15〜85質量%である。
上記のようにして得られるワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維及び紙などの繊維基材に含浸させた後に加熱によって溶剤を除去すると共に、本発明のエポキシ樹脂組成物を半硬化状態とすることにより、本発明のプリプレグを得ることが出来る。尚、ここで言う「半硬化状態」とは、反応性の官能基であるエポキシ基が一部未反応で残っている状態を意味する。該プリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることが出来る。
以下、本発明を実施例で更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。合成例、実施例、比較例において部は質量部を意味する。
なお、水酸基当量、エポキシ当量、軟化点、ICI溶融粘度は以下の条件で測定した。
・水酸基当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・軟化点
JIS K−7234に準拠した方法で測定し、単位は℃である。
・ICI溶融粘度
JIS K 7117−2に準拠した方法で測定し、単位はPa・sである。
実施例1(フェノール樹脂の合成1)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらレゾルシン330部、アセトン174部を加え、撹拌下で溶解し、100℃にまで昇温した。この中に98%硫酸を88部滴下したところ、反応液は激しく発熱し、125℃まで上昇した。室温において80℃まで冷却した後、10時間反応を続けた。続いて、フラスコにディーンシュタークを設置し、共沸により脱水しながら、120℃まで昇温し、さらに10時間反応させた。反応終了後、10%水酸化ナトリウムを用いて中和し、メチルイソブチルケトンを1000部加えて、樹脂を溶解させた。続けて洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(P1)318部を得た。得られたフェノール樹脂P1の水酸基当量は170g/eq.、軟化点は146℃、ICI溶融粘度は5.4Pa・s、GPCにおいて、n=0成分は41面積%、一般式(1)中のnの平均値は0.44、CHカーボンのピークは検出されなかった。
比較例1(フェノール樹脂の合成2)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらレゾルシン330部、アセトン174部を加え、撹拌下で溶解し、100℃にまで昇温した。この中に98%硫酸を88部滴下したところ、反応液は激しく発熱し、125℃まで上昇した。室温において80℃まで冷却した後、10時間反応を続けた。反応終了後、10%水酸化ナトリウムを用いて中和し、メチルイソブチルケトンを1000部加えて、樹脂を溶解させた。続けて洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでフェノール樹脂(P2)342部を得た。得られたフェノール樹脂P2の水酸基当量は215g/eq.、軟化点は127℃、ICI溶融粘度は8.0Pa・s、GPCにおいて、n=0成分は12面積%、13C−NMRにおいては、アセトン由来のCHカーボンのピーク面積を1とした場合のCHカーボンのピーク面積は0.27であった。
比較例2(フェノール樹脂の合成3)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、レゾルシン300部、アセトン78部、パラトルエンスルホン酸0.3部を仕込み、80℃で2時間反応させた。次いでアセトン78部を追加し80℃で2時間反応させた。次いで純水で洗浄水が中性になるまで洗浄を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下に留出分を除去し、白色結晶のフェノール樹脂(P3)を228部得た。得られたフェノール樹脂P3の融点は200℃、水酸基当量は118g/eq.であった。
実施例2(エポキシ樹脂の合成1)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂(P1)210部、エピクロロヒドリン462部(4モル当量 対 フェノール樹脂)、メタノール28部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム51.1部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン532部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液16.8部、メタノール6.3部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(E1)35部を得た。得られたエポキシ樹脂E1のエポキシ当量は259g/eq.、軟化点72℃、150℃におけるICI溶融粘度は0.21Pa・sであった。
比較例3(エポキシ樹脂の合成2)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらフェノール樹脂(P2)237部、エピクロロヒドリン953部(9.2モル当量 対 フェノール樹脂)、メタノール62部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム46.4部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン570部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液14.9部、メタノール6.8部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(E2)296部を得た。得られたエポキシ樹脂E2のエポキシ当量は276g/eq.、軟化点71℃、150℃におけるICI溶融粘度は0.15Pa・sであった。
比較例4(エポキシ樹脂の合成3)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらフェノール樹脂(P3)336部、エピクロロヒドリン1082部(4モル当量 対 フェノール樹脂)、メタノール70部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム121.1部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン950部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液39.0部、メタノール11.4部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(E3)466部を得た。得られたエポキシ樹脂E3のエポキシ当量は207g/eq.、軟化点79℃、150℃におけるICI溶融粘度は0.57Pa・sであった。
実施例3、比較例5、6
表1の配合物の組成の欄に示す配合物を、ミキシングロールにて均一に混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を粉砕し、タブレットマシンでタブレットを得た。得られたタブレットをトランスファー成型機で成形し、10×4×90mmの試験片を成形した。この試験片を160℃で2時間、更に180℃で8時間加熱を行い、後硬化を行った。
この試験片をクランプに垂直に保持し、バーナーの炎を19mmの青色炎に調節し、試験片の下端中央部に炎の9.5mmを10秒接炎した。接炎後バーナーを離して、燃焼継続時間を測定した。消炎後、直ちに10秒接炎した後、バーナーを離し、燃焼継続時間を測定した。各サンプル10回分の燃焼時間合計値を表1にあわせて示す。
なお、表1中の耐熱性(DMA)は、以下の条件で測定した。
・耐熱性(DMA)
動的粘弾性測定器:TA−instruments、DMA−2980
測定温度範囲:−30〜280℃
温速度:2℃/分
Tg:Tan−δのピーク点をTgとした
Figure 0006643900
XLC:フェニルアラルキル型フェノール樹脂(三井化学株式会社製 ミレックス(商品名)XLC−3L)
TPP:トリフェニルホスフィン(純正化学株式会社製)
フィラー:溶融シリカフィラー(株式会社龍森製 MSR−2212)
実施例4、比較例7
各種成分を表2の割合(部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間加熱を行い、本発明のエポキシ樹脂組成物及び比較用樹脂組成物の硬化物を得た。これら硬化物の物性を以下の条件で測定した結果を表2に示した。
・TMA
TMA熱機械測定装置:真空理工(株)製TM−7000
昇温速度:2℃/min.
・ピール強度
JISK−6911に準拠
・吸水湿性
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃―浸水、85℃―85%、121℃―100%の各条件下、24時間煮沸した後の重量増加率(%)
・誘電性
K6991に準拠して1GHzにおいて測定
Figure 0006643900
PN:フェノールノボラック(明和化成工業株式会社製 H−1)
表1の結果からみて明らかな通り、比較例5、6に対し、実施例3の硬化物は高い難燃性と耐熱性を有していた。さらに、表2の結果より、本発明のエポキシ樹脂は比較例7に示す耐熱樹脂と比較し、高い耐熱性を保持することに加え、低吸水性、低誘電特性にも優れていることから、特に電子材料用途に好適に用いることができる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2013年11月19日付で出願された日本国特許出願(特願2013−238463)及び2014年6月18日付で出願された日本国特許出願(特願2014−125009)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明のフェノール樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が優れた耐熱性と難燃性を有するので、電気・電子部品、特に電気電子部品用絶縁材料や、構造用材料、接着剤、塗料等に有用である。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるフェノール樹脂。
    Figure 0006643900
    (式中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは1〜4の整数を示し、nの平均値は0.05以上、4.0以下である。)
  2. 13C−NMRスペクトルチャートにおいてケトン由来のCHカーボンのピーク面積を1とした場合、CHカーボンのピーク面積が0以上、0.2以下である請求項1に記載のフェノール樹脂。
  3. 請求項1又は2に記載のフェノール樹脂にエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂。
  4. 請求項1又は2に記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤と、任意に硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項またはに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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