JP6641839B2 - 浄水カートリッジ - Google Patents

浄水カートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP6641839B2
JP6641839B2 JP2015189493A JP2015189493A JP6641839B2 JP 6641839 B2 JP6641839 B2 JP 6641839B2 JP 2015189493 A JP2015189493 A JP 2015189493A JP 2015189493 A JP2015189493 A JP 2015189493A JP 6641839 B2 JP6641839 B2 JP 6641839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
water
hollow fiber
fiber membrane
purification cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015189493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017064571A (ja
Inventor
加藤 茂
茂 加藤
磯部 卓
卓 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2015189493A priority Critical patent/JP6641839B2/ja
Publication of JP2017064571A publication Critical patent/JP2017064571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6641839B2 publication Critical patent/JP6641839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

本発明は、浄水カートリッジに関する。
浄水カートリッジとしては、活性炭やイオン交換体などの粒状、繊維状、成形体状の吸着材と中空糸膜束を収納した中空糸膜モジュールとから成り、吸着材を上流側に、中空糸膜モジュールを下流側に配置したものが多く知られている。
例えば特許文献1には、筒状に成形した活性炭と中空糸膜モジュールとが、その軸方向に直列に配置された浄水カートリッジが開示されている。活性炭は筒状で内部に通水路が形成されており、活性炭上流側には端部を塞ぐ上流側キャップが固定され、下流側には活性炭を通過した水の吐出口を有する下流側キャップが固定されている。そして、活性炭の下流側には、ケーシングに中空糸膜束を収納した中空糸膜モジュールが配置され、活性炭内部の通水路と中空糸膜モジュールが直列かつ連通した構造を有している。水は活性炭の径方向外から内方向に向かって流れ、活性炭内部の通水路を通って中空糸膜モジュール側に流れ、中空糸膜モジュールの端部の出口より外部に吐出される。
しかしながら、上記のように構成されたカートリッジにおいては、活性炭内部の通水路を通過した水が中空糸膜束の中央部に直接当たるような構成となっており、さらに、活性炭内部の通水路の断面積および下流側キャップの吐出口の断面積は小さく、そこを通って中空糸膜モジュールに流入する水は、噴流となって吐出されるので中空糸膜束の中央部に激しく当たるため中空糸膜が傷ついてしまう懸念があった。特に、水道水圧の高い地域で多量の水を流して浄水カートリッジを使用する場合には、中空糸膜が切れたり、曲がったりして、中空糸膜の性能が十分に果たされない懸念もあった。
そこで特許文献1では、このような問題を解決するために、下流側キャップの吐出口に邪魔板(分散体)を設け、活性炭内部の通水路を通過した水を分散し、中空糸膜束の中央部に当たる水の水圧を弱め、中空糸膜が切れたり、曲がったりすることを防ぐ発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の邪魔板のみでは、上記の懸念を十分に解消できず、特許文献2には、特許文献1に記載の浄水カートリッジの構成に、中空糸膜束へ流れ込む水から中空糸膜を保護するためのネットを追加した浄水カートリッジが開示されている。
特開2006−015199号公報 特開2012−30204号公報
しかしながら、特許文献2に記載の浄水カートリッジであっても、浄水カートリッジのサイズを変更しないことを前提とすると上述の邪魔板における吐出口の断面積は小さいままであり、水が噴流となって中空糸膜モジュールに流入し、ネット越しとはいえ中空糸膜束の中央部に当たることに変わりはなく、中空糸膜が切れたり、曲がったりすることを防ぐのに十分とは言えないものである。しかも、邪魔板の形状は複雑であり、その成形にはかなりの費用を要するものである。
また、中空糸膜束に保護ネットを設けることも、その材料費用および組立費用がかなり必要であるという問題がある。
本発明は上述のような問題点に鑑み、吸着材部と中空糸膜束が軸方向に直列に配置される浄水カートリッジであって、その浄水カートリッジを吸着材部から中空糸膜束に流入する水が中空糸膜束の中央部に当たらない構成とすることによって、中空糸膜が切れたり曲がったりすることなく、かつ安価で簡素な構成を有する浄水カートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の浄水器は下記の構成から成る。すなわち、
(1)筒状ケース内部に筒状の吸着材部と中空糸膜束とが筒状ケースの軸方向に直列に配設された浄水カートリッジであって、前記筒状ケースの一端には、前記吸着材部の一端の外周部が水密に係合されており、前記筒状ケースの他端には、前記中空糸膜束が封止固定されており、前記吸着材部の他端の面は、閉塞されており、前記吸着材部は、その内周面からその外周面の方向に、その内部空間からその外部空間へ通水可能であり、前記吸着材部の外周部は、前記中空糸膜束に連通している浄水カートリッジである。
(2)前記吸着材部は、筒状の成形された吸着材と、前記成形された吸着材の一端に配設された上板と、前記成形された吸着材の他端を閉塞する下板とを有し、前記上板は、前記吸着材の内側空間と連通する開口部を備えると好ましい。
(3)前記吸着材部は、外筒、内筒、上板および下板とで形成される筒状空間に粒状または粉状吸着材が収納されてなり、前記上板は、前記吸着材の内側空間と連通する開口部を備えると好ましい。
本発明は、上記の構成により以下の優れた効果を奏することができる。すなわち、
上記(1)の浄水カートリッジの構成により、水は吸着材部の内側(内部空間)からその径方向外側(外部空間)に流れ、吸着材部外周部と筒状ケース内周面との間の広い断面積流路を通って中空糸膜束に流入するので、中空糸膜束の中央部に水が激しい噴流となって当たることがなく、中空糸膜が切れたり、曲がったりすることを防ぐことができる。しかも、浄水カートリッジの構成は簡素であり、安価に製造できる。
また、上記(2)の構成により、吸着材部は、取り扱いやすい成形された吸着材と上板と下板とから成る独立した吸着材部ユニットとして中空糸膜モジュール等とは別工程で製造できるので、浄水カートリッジが製造し易い。
また、上記(3)の構成により、吸着材が粒状または粉状であるので、安価かつ優れた吸着性能を発揮することができる。
本発明の一実施形態例に係る浄水カートリッジの縦断面模式図である。 本発明の他の実施形態例に係る浄水カートリッジ縦断面模式図である。 本発明の他の実施形態例に係る浄水カートリッジ縦断面模式図である。 本発明の他の実施形態例に係る浄水カートリッジ縦断面模式図である。
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態例に係る浄水カートリッジの縦断面模式図である。
図1に示すように、浄水カートリッジ1は、筒状ケース6内部に、筒状の吸着材部2と、中空糸8が集合して形成された中空糸膜束と、が筒状ケース6の軸方向に直列に配設された浄水カートリッジであって、筒状ケース6の一端(上端)には、吸着材部2の一端(上端)である上板4の外周部が水密に係合し、筒状ケース6の他端(下端)には中空糸膜束が封止固定されている。また、吸着材部2の他端(下端)面は下板5によって閉塞されており、吸着材部2は、その内周面からその外周面の方向、かつ、その内部空間からその外部空間に通水可能であり、吸着材部2の外周部は中空糸膜束に連通している。このような構成となっていることで、図1の矢印で示すとおりの水の流れになる。すなわち、吸着材部2の一端(上端)の上板4が備える開口部(詳細には後述する)からその吸着材部2の内部空間に流入した水は、その内周面からその外周面の方向に、その内部空間からその外部空間へ(すなわち、吸着材部2の内側からその径方向外側に)流れ、吸着材部2の外周部から中空糸膜束へと流通できるようになっており、さらに下板5により吸着材部2の他端(下端)面から中空糸膜束の中央部への水の流入はないか、ほとんどない。
浄水カートリッジ1を構成する各部について説明する。
吸着材部2は、筒状の成形された吸着材3と、成形された吸着材3の一端(上端)に配設された円環状の上板4と、成形された吸着材3の他端(下端)を閉塞する円盤状の下板5とを有するものである。上板4はその中央に、成形された吸着材3の内側空間と連通する開口部を備えている。
このような構成により、吸着材部は、取り扱いやすい成形された吸着材と上板と下板とから成る独立した吸着材部ユニットとして中空糸膜モジュール等と別工程で製造できるので、浄水カートリッジを製造し易くなる。
成形された吸着材3は、例えば、繊維状活性炭を主成分とする活性炭成形体と、内径側不織布と、外径側不織布とから成る。活性炭成形体は、比表面積や細孔径分布が異なる複数の繊維状活性炭を所定の割合で混合し、さらに鉛イオンを選択的に取り込むイオン交換繊維と、熱融着繊維を添加したものである。これらをシート化して、内径側不織布を巻いた軸に一定張力で巻き上げる。所定の外径に達したら、加熱処理する。熱融着繊維は芯鞘構造で、芯は融点が高く、鞘は融点が低く、この加熱処理によって鞘のみが溶けて溶着する。この溶着によって円筒形が保たれものに外径側不織布を巻き、所定の長さに断裁して、出来上がる。
比表面積や細孔径分布が異なる複数の繊維状活性炭の混合率を変えることで、複数の除去対象物質のろ過能力をバランスさせて、総合的に最もろ過能力が高い活性炭成形体を作り出すことができる。これによって使用者が長期間使用できるカートリッジを提供できる。また、軸に巻き上げるときの張力を制御すれば、活性炭成形体の密度を変えることができる。圧力損失が大き過ぎず、ろ過能力が低過ぎない使いやすいカートリッジを提供できる。
ここで繊維状活性炭と鉛除去材と熱融着繊維とから成る成形体は湿式成形法で成形しても良い。繊維状活性炭だけでなく粒状活性炭を混合しても良い。粒状活性炭だけを使用することもできる。また繊維状ではない熱融着物を使用しても良い。
鉛除去材としてイオン交換繊維以外に、粒状または粉状のアルミノケイ酸塩、チタンケ
イ酸塩、酸化チタンを使用すれば、効率良く鉛イオンを除去することができる。中でも、イオン交換繊維やアルミノケイ酸塩、チタンケイ酸塩は単位体積あたりの鉛吸着量が多く、これらを含むことで、カートリッジのろ材量を少なくコンパクトにすることができる。
上板4と成形された吸着材3、および下板5と成形された吸着材3は、加熱溶融させた熱可塑性樹脂を塗り付けた後に冷却固化させるホットメルト接着式や、空気中の湿気と反応させて硬化させる一液型シリコーンゴム接着式などにより接着されることが好ましい。
上板4と下板5とは、成形された吸着材3との接着面に、接着力をより高めるための円輪状の溝を有してもよい。また、上板4と下板5とは、成形された吸着材3との接着面に、位置決めをより正確とするために、成形された吸着材3の上端部、下端部それぞれの側周面に被さる、吸着材方向に張り出した筒状のリブを有してもよい。
上板4の外周部は、筒状ケース6の上端とは水密に係合しているが、水密係合の方法は、機能が果たせるものであれば、溶着、接着、嵌着、螺着などいずれの方法によるものであってもよい。
このように図1の浄水カートリッジでは、筒状ケースの一端(上端)と吸着材部の一端(上端)の外周部を水密に係合するのに、上板4を用いているが、例えば、成形された吸着材の上端面をシリコーンゴム接着剤などを塗って通水不可とし、かつそのシリコーンゴム接着剤を介して接着され、成形された吸着材の一端(上端)の外周部のみを覆うリング状部材を設け、そのリング状部材の外周部が筒状ケースの一端(上端)と水密に係合する形態としてもよい。または、筒状ケースの一端(上端)が内側に張り出す板状部を有し、その板状部の下面側に、直接成形された吸着材の一端(上端)の面全体または外周部付近の面を接着させる形態として、筒状ケースの一端(上端)と吸着材部の一端(上端)の外周部を水密に係合するようにしてもよい。
また図1の浄水カートリッジでは、吸着材部2の他端(下端)面を閉塞する役割は下板5が果たしているが、例えば、成形された吸着材の下端面をシリコーンゴム接着剤などを塗って通水不可にし、かつ成形された吸着材の下端中央開口部のみを合成樹脂またはゴム製の栓等によって閉蓋する形態とすることによって、吸着材部の他端面を閉塞するようにしてもよい。
また、上述したとおり、下板5は円盤状としたが、吸着材の形状に応じて、例えば多角形状としてもよい。
吸着材部2の外周部(成形された吸着材3の外周面および下板5の外周面)と筒状ケース6の内周面との間には間隙が設けられている。その間隙を通じて、吸着材部2の外周部は中空糸膜束に連通し、水が吸着材部2の外周部から中空糸膜束へと流通できるようになっている。その間隙は、そこを流れる水の単位流路断面積当たりの流量が、0.02L/分/mm以下となるように設定されることが好ましい。さらに好ましくは0.015L/分/mm以下となるように設定されると良い。発明者の知見によれば、このような数値に設定されると、吸着材部2の外周部から中空糸膜束へと流出する水流の勢いはかなり緩和されており、中空糸膜束をめる可能性がさらに小さくなる。
流量が約2L/分である代表的家庭用浄水器用の浄水カートリッジにおいて、使用される筒状の吸着材部の外径は、通例少なくとも約30mmを確保可能であるから、吸着材部の外周部と筒状ケースの内周面との間隙を、組立上の寸法精度を考慮して最低限必要とされる1mmに設定したとしても、0.02L/分/mm以下という条件は満足される。すなわち、家庭用浄水器用浄水カートリッジにおいては実用上、吸着材部の外周部が中空糸膜束に連通する構成を取りさえすれば、おのずから水流の勢いは充分緩和され、中空糸膜束をめる可能性が少ないといえる。
一方、吸着材部の内部空間は空洞であり、その内径は浄水カートリッジのコンパクト化のためには極力小さいことが求められるが、仮に10mmと実用的数値より大き目の値に設定しても、吸着材部の内部の単位流路断面積当たりの流量は、0.02L/分/mm以下という条件を満たせない。よって、吸着材部の内部から(すなわち、吸着部材の他端(下端)から)中空糸膜束へと水が噴出し、その水が中空糸膜束の中央部に当たる従来の浄水カートリッジでは、中空糸膜束をめる恐れがあり、それを抑制するためにネットを設けるなどコストの掛かる手段を講じなければならなかった。
単位流路断面積当たりの流量の観点に加えて、本発明の浄水カートリッジ1では、図1に示すように、吸着材部2の外周部から中空糸膜束へと流出する水は、筒状ケース6内周面と中空糸膜束全体の外周部との間に流れ入るようになるので、逆U字状をした中空糸膜束の頂点部分に水流が直接衝突する従来の浄水カートリッジに比べて、水の流入のし方の点においても、中空糸膜束の損傷を十分に抑制できるものとなっている。
尚、上述の流路断面積に関する条件を満足させる範囲内において、下板5の外周面の一部に、径方向に張り出す複数の突起があり、その突起が筒状ケース6の内周面に当接していてもよい。こうすると、吸着材部2の筒状ケース6内での固定が確実となり、吸着材部2の筒状ケース6への固定強度が高まる効果がある。
筒状ケース6の他端(下端)側の内部には、所定本数の中空糸膜8を束ねて逆U字状に折り曲げた中空糸膜束が収容され、筒状ケース6の他端(下端)部内面と中空糸膜束下端側(中空糸膜の開口部が配される側)、ならびに中空糸膜の下端側同士はポリウレタンなどのポッティング剤で封止固定されている。その封止固定した部分が封止部9である。中空糸膜束の下端面は中空糸膜の開口部があり、その開口部から浄水を吐出する。中空糸膜8の材質としてはポリスルホンやポリエチレンなどが使用される。図1では、中空糸膜束は逆U字状に折り曲げられているが、直線状で、その上端の開口が接着剤や熱融着で封止されている中空糸膜束であってもよい。
以上のように構成された浄水カートリッジ1の水の流れについて説明する。
浄水カートリッジ1が、水栓内蔵型浄水器の浄水カートリッジとして、水栓内に挿入されて使用される場合を想定する。水栓内蔵型浄水器の場合、その頭部には流路切換弁が組み込まれていて、水道水を浄化する浄水状態と、水道水をそのまま吐出する原水状態とに切り換えられるようになっている。そして浄水状態として使用される場合、浄水カートリッジ1の外周面と水栓の内面とはどこかで水密にシールされる構造になっている。従って、浄水状態では、浄水カートリッジ1の外周面を原水が流れて行ない。


水栓入口側から供給される原水は、図1の矢印に示すように、上板4の中央開口部に導かれ、吸着材3の内部空間を通り、さらに吸着材3を径方向内側から外側(外部空間)へ通過する。そして吸着材部2の外周部と筒状ケース6の間の間隙を通り、中空糸膜束に至る。原水が成形された吸着材3と接触し、それを通過することにより、原水中の遊離残留塩素、カルキ臭、カビ臭、トリハロメタンや、鉛などの重金属イオンなどが除去される。次いで、水は中空糸膜8を通過し、濁質成分、細菌類なども除去されて浄水となり、中空糸膜束の下端面の開口を経て、浄水として浄水器外部へ吐出される。
上述したように、本発明の実施形態例である浄水カートリッジ1では、水は、吸着材部の内側から径方向外側に流れ、吸着材部外周部と筒状ケース内周面との間の広い断面積流路を通って中空糸膜束に流入するので、中空糸膜束に水が激しい噴流となって当たることがなく、中空糸膜が切れたり、曲がったりすることを防ぐことができる。しかも、従来のような流路における邪魔板や中空糸膜束の保護ネットを設けることも不要で、浄水カートリッジの構成は簡素であり、安価に製造できる。
本発明の他の実施形態例である図2の浄水カートリッジについて説明する。
図2の実施形態例においては、吸着材部の構成だけが、図1と異なっている。この実施形態例の吸着材部では、吸着材は、粒状または粉状の吸着材17であり、内筒12、外筒11、上板4および下板5で形成される略筒状の収容空間に収納されている。上板4はその中央に、吸着材の内側空間と連通する開口部を備えている。吸着材が粒状または粉状であるので、安価かつ優れた吸着性能を発揮することができる。
図2の実施形態例の浄水カートリッジ1においても、筒状ケース内部に筒状の吸着材部と中空糸膜束とが筒状ケースの軸方向に直列に配設され、筒状ケースの一端(上端)には、吸着材部の一端(上端)の外周部が水密に係合されており、筒状ケースの他端(下端)には、中空糸膜束が封止固定されており、吸着材部の他端(下端)面は、閉塞されており、吸着材部は、その内周面からその外周面の方向に、その内部空間からその外部空間へ通水可能であり、吸着材部の外周部は、中空糸膜束に連通している。
内筒12と外筒11と下板5とは一体物として形成されることが好ましい。もちろん、3者または2者を別体として形成し、それらを嵌着、溶着、接着等により、図2の形状に組立または接続することも可能であるが、一体物として形成する方が安価かつ簡便である。
そして、粉体吸着材17を略筒状の収容空間に充填した後、その収容空間の入口を覆蓋し、水および粉体吸着材17に対して密封状態となるように、上板4を内筒12と外筒11とに嵌着、溶着、接着等により取り付けて、吸着材部が出来上がる。粉体吸着材17を充填する際、粉体吸着材17に対して振動や吸気を行って、充填密度を高めることは、吸着材部のろ過能力を高めるために好ましい方法である。
内筒12の周面には格子状の複数の開口部14が設けられ、その内面には開口部14の開口を覆うようにポリエチレンテレフタレートや、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成繊維からなるメッシュ16が取り付けられている。メッシュ16は、対面する粉体吸着材17は漏らさず、処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであるので、メッシュ16の目開きは、粉体吸着材17の粒径より小さいものとなっている。また、通水での圧力損失を低減させるため、メッシュ16の開口率は強度の許す限り大きいものが好ましい。また、同様に格子状の開口部14の開口率も強度の許す限り大きいものが好ましい。粉体吸着材17全体を有効に活用できるようにするため、開口部14の存在する領域は、対面する粉体吸着材17の領域と略一致させることが好ましい。開口部14の開口を覆う部材は、メッシュ16に限らず、合成樹脂の不織布など、薄いシート状で、粉体吸着材17は漏らさず処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであればよい。
メッシュ16を内筒12の内周面に取り付ける方法としては、内筒12の成形時にメッシュ16と一体成形する方法が強固に取り付けられる点で好ましい。また、接着剤で貼り付けたり、熱融着させることも可能である。メッシュ16を内筒12の内周面に取り付けるので、内筒12の径方向の外側に充填、収容される粉体吸着材17は、内筒12の厚み分だけ充填量を増やすことができる。もちろん、製作を容易にするため、メッシュ16を内筒12の外周面に取り付けるようにしてもよい。
内筒12と同様に、外筒11には、その周面に格子状の複数の開口部13が設けられ、その外面には開口部13の開口を覆うようにポリエチレンテレフタレートや、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成繊維からなるメッシュ15が取り付けられている。メッシュ15は、対面する粉体吸着材17は漏らさず、処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであるので、メッシュ15の目開きは、粉体吸着材17の粒径より小さいものとなっている。また、通水での圧力損失を低減させるため、メッシュ15の開口率は強度の許す限り大きいものが好ましい。また、同様に格子状の開口部13の開口率も強度の許す限り大きいものが好ましい。粉体吸着材17全体を有効に活用できるようにするため、開口部13の存在する領域は、対面する粉体吸着材17の領域と略一致させることが好ましい。開口部13の開口を覆う部材は、メッシュ15に限らず、合成樹脂の不織布など、薄いシート状で、粉体吸着材17は漏らさず処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであればよい。
メッシュ15を外筒11の外周面に取り付ける方法としては、外筒11の成形時にメッシュ15と一体成形する方法が強固に取り付けられる点で好ましい。また、接着剤で貼り付けたり、熱融着させることも可能である。メッシュ15を外筒11の外周面に取り付けるので、外筒11の径方向の内側に充填、収容される粉体吸着材17は、外筒11の厚み分だけ充填量を増やすことができる。
次に粉体吸着材17について説明する。
粉体吸着材17としては、ヤシ殻や木材、石炭などを原料とした粒状または粉状活性炭や、原水中の鉛等の重金属を除去するのに適した粒状または粉状イオン交換体、例えばチタンケイ酸塩やアルミノケイ酸塩などのゼオライト、またはイオン交換樹脂などを、適宜組み合わせて充填して使用することができる。
粉体吸着材17には、その平均粒径がおよそ30〜900μmの範囲のものが使用可能で、浄水カートリッジの種類、用途、性能に応じて選択して使用される。粒径を小さくすると表面積が増えるため、粉体吸着材17の吸着能力やイオン交換能力を高めることができるし、粉体吸着材17の充填密度も向上する。そこで、粉体吸着材17として平均粒径がおよそ30〜150μmと小さいものを採用することは、吸着材部によるろ過能力を大幅に高め、充填密度もより高めることができる点で、非常に好ましい。粉体吸着材の粒径は、活性炭の場合、JIS K 1474:2014活性炭試験方法 7.3粒度に定められた方法に従って測定しても良いし、レーザー回折/散乱式法で測定した方法でも良い。いずれについても、質量あるいは体積の粒度分布による積算値が90%を占める範囲を粒径とする。
従来の成形体の活性炭などの吸着材では、成形のためのバインダーの占める質量割合が3〜20%程度を占め、その部分はろ過に寄与しないが、粉体吸着材を使用することで、バインダーが占めていた体積を活性炭もしくはイオン交換体で充填することができ、増加した吸着材がろ過に寄与するためろ過能力を大幅に向上することができる。特に平均粒径がおよそ30〜150μmと小さい粉体吸着材の場合は、充填密度を高めることができ、例えば、粒状または粉状活性炭としてヤシ殻活性炭を使用する場合、0.50〜0.75g/mL程度まで高めることができるので、ろ過能力が高くかつコンパクトに浄水カートリッジを構成することが可能となる。
一方、一般に粒径を小さくすると吸着材部の通水での圧力損失が大きくなり、所定のろ過流量を確保できないこともあり得る。しかし本発明では、上述の略筒状の収容空間およびそこに収容される粉体吸着材17の形状は、図2に示すように軸方向長さが長くなっており、しかもその径方向長さ(厚さ)より長い筒状形状となっている。そして通水は、筒状の吸着材部の内側から外側に向かって径方向に行われるため、その通水の流路断面積が、吸着材部の粉体吸着材を軸方向に通水する場合の通水の流路断面面積より大きくなっているので通水の流速は低減され、粒径の小さい粉体吸着材を高密度充填したとしても、通水での圧力損失を十分低減でき、所定のろ過流量を達成できる。
筒状の吸着材部の径方向長さの絶対値は、粉体吸着材と上板や下板との境界面での通水のショートカットを防ぐこと、および粉体吸着材のろ過原理から最低限必要とされる値などを考慮して定められるが、実設計上は5mm以上とすることが好ましい。
粉体吸着材17と上板4との間に弾性部材が配設されると好ましい。こうすると、弾性部材が粉体吸着材17と上板4とを押圧し、それらと密着することにより、充填した粉体吸着材17と上板4の間に空隙ができなくなり、原水を通水した際に粉体吸着材17をショートカットする恐れがなくなる。弾性部材としては、硬度の低いシリコーンゴムなどのゴム、合成樹脂のスポンジや不織布、フェルトなどが使用可能である。
本発明の他の実施形態例である図3の浄水カートリッジについて説明する。
図3の実施形態例の浄水カートリッジ21は、上述した図1や図2の浄水カートリッジにおいて、原水入口24を有し、筒状ケース6の一端(上端)および/または吸着材部の一端(上端)を水密に覆蓋する入口キャップ22と、浄水出口25を有し、筒状ケース6の他端(下端)を水密に覆蓋する出口キャップ23とを備えて構成される浄水カートリッジである。この浄水カートリッジ21は、独立したユニットの浄水カートリッジとして、例えば水配管流路の途中に挿入、設置して、水の浄化のために適用することができる。
本発明の他の実施形態例である図4の浄水カートリッジについて説明する。
図4の実施形態例の浄水カートリッジ31は、上述した図1や図2の浄水カートリッジ1が、原水入口34と浄水出口35とを有する筐体37に収容されてなる浄水カートリッジである。筐体37は、筒状の容器32の上部開口に蓋33を超音波溶着や螺着により取り付け、その開口を密閉したものである。
図4では、原水入口と浄水出口とが共に容器下部に設けられているが、原水入口が蓋に設けられ、浄水出口が容器下部に設けられるものであってもよい。また、蓋が天面と天面周囲から垂下する筒状部を有するものであってもよい、
浄水カートリッジ31は、図1や図2に示される、別工程で製造されるエレメントとしての浄水カートリッジ1を容器32内部の装着凹部36に装着した後、蓋33で、容器32の上部開口を密閉して出来上がる。浄水カートリッジ1と装着凹部36の接する面は、原水と浄水が混じらないように、水密にシールされている。
この浄水カートリッジ31は、独立したユニットの浄水カートリッジとして蛇口直結型浄水器や据置型浄水器など様々な浄水器に適用することができる。
容器32内周面と筒状ケース6の外周面との間には、原水入口34から入った原水の流路としての筒状間隙が形成されている。そして、図4の矢印に示すように、原水入口34から入った原水はその間隙を通って、上板4の中央開口部に導かれた後、吸着材部の内部空間を通って、吸着材部を径方向内側から外側へと通過し、さらに中空糸膜を通過して浄水となり、浄水出口35から外部に吐出される。
上述の説明において、2つの部材を互いに接しさせて、その部材間を密封(水密シール)状態にする場合、シール部材を介在させて、密封(水密シール)を確実にすることも可能である。ただし、コンパクトな浄水カートリッジ設計のためには、シール部材を介在させずに密封(水密シール)を実現することが好ましい。
また、筒状ケース、上板、下板、内筒、外筒、入口キャップ、出口キャップ、容器、蓋、の材質は、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、AS(アクリルニトリル・スチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、ポリスチレン樹脂など、成形時の寸法精度が高い樹脂であることが好ましい。
一般家庭で水道水を浄化するための浄水カートリッジを実施形態例として説明したが、本発明は、その他目的で水を浄化する比較的大型の浄水カートリッジとしても利用可能である。
1 浄水カートリッジ
2 吸着材部
3 吸着材
4 上板
5 下板
6 筒状ケース
8 中空糸膜
9 封止部
11 外筒
12 内筒
13 開口部
14 開口部
15 メッシュ
16 メッシュ
17 粉体吸着材
21 浄水カートリッジ
22 入口キャップ
23 出口キャップ
24 原水入口
25 浄水出口
31 浄水カートリッジ
32 容器
33 蓋
34 原水入口
35 浄水出口
36 装着凹部
37 筐体

Claims (3)

  1. 筒状ケース内部に筒状の吸着材部と中空糸膜束とが筒状ケースの軸方向に直列に配設された浄水カートリッジであって、
    前記筒状ケースの一端には、前記吸着材部の一端の外周部が水密に係合されており、
    前記筒状ケースの他端には、前記中空糸膜束が封止固定されており、
    前記吸着材部の他端の面は、閉塞されており、
    前記吸着材部は、その内周面からその外周面の方向に、その内部空間からその外部空間へ通水可能であり、
    前記吸着材部の外周部は、前記中空糸膜束に連通している浄水カートリッジ。
  2. 前記吸着材部は、筒状の成形された吸着材と、前記成形された吸着材の一端に配設された上板と、前記成形された吸着材の他端を閉塞する下板とを有し、
    前記上板は、前記吸着材の内側空間と連通する開口部を備えた請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記吸着材部は、外筒、内筒、上板および下板とで形成される筒状空間に粒状または粉状の吸着材が収納されてなり、
    前記上板は、前記吸着材の内側空間と連通する開口部を備えた請求項1に記載の浄水カートリッジ。
JP2015189493A 2015-09-28 2015-09-28 浄水カートリッジ Active JP6641839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015189493A JP6641839B2 (ja) 2015-09-28 2015-09-28 浄水カートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015189493A JP6641839B2 (ja) 2015-09-28 2015-09-28 浄水カートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017064571A JP2017064571A (ja) 2017-04-06
JP6641839B2 true JP6641839B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=58493472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015189493A Active JP6641839B2 (ja) 2015-09-28 2015-09-28 浄水カートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6641839B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3125729A1 (en) * 2018-11-07 2020-05-14 Unitika Ltd. Water purification cartridge

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61178996U (ja) * 1985-04-24 1986-11-08
JPH11114554A (ja) * 1997-10-20 1999-04-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器
JP2000334445A (ja) * 1999-05-28 2000-12-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジ
JP5090593B2 (ja) * 2001-05-23 2012-12-05 三菱レイヨン株式会社 浄水カートリッジ
JP2006015199A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Toto Ltd 水栓内蔵型浄水カートリッジ
JP4817082B2 (ja) * 2009-04-16 2011-11-16 有限会社高橋設備 浄水器及びその使用方法
JP5724239B2 (ja) * 2010-08-03 2015-05-27 東レ株式会社 浄水器用カートリッジおよび浄水器
JP5582194B2 (ja) * 2011-09-06 2014-09-03 三菱レイヨン株式会社 浄水カートリッジ及び浄水器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017064571A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014196567A1 (ja) 浄水器用カートリッジおよび浄水器
WO2016056594A1 (ja) 浄水器
JP5724239B2 (ja) 浄水器用カートリッジおよび浄水器
JP6679976B2 (ja) 浄水カートリッジの製造方法
JP5765676B2 (ja) 浄化システム及びフィルタ
JP7140239B2 (ja) 浄水器用フィルタカートリッジ
JP6447239B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP5954346B2 (ja) 蛇口直結型浄水器
JP6354564B2 (ja) 浄水器用カートリッジ、浄水器用フィルタおよび浄水器
JP6641839B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP6863272B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP5491249B2 (ja) 蛇口直結型浄水器
JP5433704B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP2004050083A (ja) 浄水器
JP3700669B2 (ja) 浄水器用カートリッジ
WO2017142059A1 (ja) 浄水器用カートリッジおよび浄水器
JP5115485B2 (ja) 水処理カートリッジ
JP5601544B2 (ja) 浄水カートリッジを備えている水栓
JP5040279B2 (ja) 浄水カートリッジ
JP5081749B2 (ja) 浄水器用カートリッジ
JP4125461B2 (ja) 浄水器用カートリッジ
JP2023060955A (ja) 浄水器用カートリッジおよび浄水器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191216

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6641839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151