JP7140239B2 - 浄水器用フィルタカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、水道水を浄化する浄水器に用いられるフィルタカートリッジに関する。
従来、水道水を浄化する浄水器としては、水道水栓の吐出口に直結する蛇口直結型浄水器、キッチンの上に置いて使用する据置型浄水器、キッチンの内部に置いて使用するアンダーシンク型(またはビルトイン型)浄水器などが知られている。いずれも浄水器用フィルタカートリッジに充填した濾材は処理できる総濾過水量が限られているため、使用者は、浄水器用フィルタカートリッジを定期的に交換しながら浄水器を継続使用する。
アンダーシンク型浄水器は、蛇口直結型浄水器や据置型浄水器に比べて大型であり、処理できる総濾過水量も大きいため長期間使用できる。キッチンの水栓やシンク近傍に浄水器を置かないので、作業の邪魔にならない。
アンダーシンク型浄水器としては、例えば特許文献1のように、原水入口と浄水出口を備え、ワンタッチジョイントを先端に取り付けたホースを接続して使用するものが知られている。使用者は、浄水器用カートリッジをシンク下の空間の底面に置き、原水供給用のホースと、浄水吐出用のホースを接続する。キッチンの水栓を操作すれば容易に浄水を得ることができる。
しかし、このタイプの浄水器は、通常、流し台収納部の奥に設置されており、浄水器を取り出すには手前に収められている物品を取り出さなければならず、交換に手間がかかるという問題があった。また、カートリッジ交換時にカートリッジからワッタッチジョイントを取外し、新しいカートリッジに取りつける際、ワンタッチジョイントを原水入口と浄水出口とで取りつけ間違いが起こるなどの問題があった。
これに対し、例えば特許文献2のように、原水導入口と浄水導出口を有するホルダと、このホルダに着脱自在に装着される、原水入口と浄水出口を有する濾過カートリッジとから構成され、前記ホルダに、回転可能な濾過カートリッジ固定手段が設けられており、原水導入管が原水導入口に接続され、浄水導出管が浄水導出口に接続されたものが知られている。ホルダから直接カートリッジに接続されるので、ホースなどの送水管を必要とせず、カートリッジ交換時にホースを接続したりする必要が無い。
また、特許文献1の浄水器は、吸着材部が中空糸膜束の径方向外側に配置されているため、結果としてカートリッジ外径が大きくなってしまい、キッチン下の収納スペースを確保できない問題もあった。
これに対して、例えば特許文献3のように、下流側から成形活性炭、中空糸膜の順で同軸状に配置された浄水器用カートリッジがある。この構造であると、必要なろ過能力を確保するためのろ材容積を確保しつつ、カートリッジ外径を小さくできる。
特開2007-275814号公報 国際公開第1999/00645号 国際公開第2015/199161号
[第1の課題]
しかしながら、特許文献2に提案されているホルダでは、原水導入管、浄水導出管の他端において浄水器用水栓に接続する際、原水導入管、浄水導出管にねじれが発生し、そのねじれが浄水器用水栓側に伝わり、浄水器用水栓との接続部位から水漏れが起こるおそれがある。また、原水導入管と原水導入口、浄水導出管と浄水導出口の接続部位に、高い水圧がかかった際に水漏れが起こるおそれがある。
そこで、本発明は、原水導入管、浄水導出管を回転可能にすることで浄水器用水栓と原水導入管、浄水導出管を接続する際に発生するねじれを逃がして浄水器用水栓との接続部位からの水漏れを防ぎ、原水導入管、浄水導出管に構成される口金具とホース体を締結部材で圧迫して固定することにより高い水圧がかかった場合でも水漏れを防ぐことができる浄水器を提供する。
[第2の課題]
また、特許文献3に提案されているカートリッジに用いられている成形活性炭は、活性炭を成形するときに活性炭以外のバインダーを加える必要があり、所定の体積に成形するために活性炭の量が減ってしまう。成形活性炭の代わりに粉体ろ材を使用することで、バインダーが占めていたろ材がろ過に寄与するため、ろ過能力を向上することができるが、一般に粒径を小さくすると、粉体ろ材部の通水での圧力損失が大きくなり、所定のろ過流量を確保できない。
そこで、本発明は、キッチンシンク下の収納空間への設置の際にキッチンシンク下部の収納空間が減少することが少ない、コンパクトな形状で必要なろ過能力を確保できる、浄水器用フィルタカートリッジを提供する。
[第1の課題を解決するための手段]
(1-1) 前記第1の課題を解決する本発明の浄水器は、濾材を収納したフィルタカートリッジとこのフィルタカートリッジが着脱可能な浄水器用フィルタヘッドとを有し、
前記浄水器用フィルタヘッドは、
前記フィルタカートリッジを接続するフィルタヘッド接続部、
前記フィルタヘッド接続部に配され原水を前記フィルタカートリッジへ導入するための原水導入管、
および前記フィルタヘッド接続部に配され前記フィルタカートリッジで浄化された浄水を導出するための浄水導出管、を有し、
前記原水導入管および前記浄水導出管はそれぞれ、
円筒状の頭部とこの頭部から延びる円筒状のニップル部とで構成され、中心部に頭部とニップル部とを貫通する流路が形成された口金具、
前記ニップル部に挿入されたホース体、
および前記ホース体の外周に取り付けられ、前記ホース体を前記ニップル部に圧迫して固定させる締結部材、で構成され、
前記原水導入管の口金具の頭部および前記浄水導出管の口金具の頭部が、前記フィルタヘッド接続部に形成された2つの円形の挿入凹部にそれぞれ配され、かつ固定手段により挿入凹部から抜けないように固定されたことで、前記原水導入管および前記浄水導出管がそれぞれ、前記フィルタヘッドに対して回動可能に固定されている。
(1-2) また、本発明の浄水器は、前記原水導入管の口金具および前記浄水導出管の口金具はそれぞれ、前記頭部の外径が前記ニップル部の外径よりも大きく、
前記固定手段は、前記頭部が貫通せず、前記ニップル部が貫通する大きさの開口が1つまたは2つ形成された固定板と、この固定板を前記フィルタヘッド接続部に固定する固定部材とで構成され、
前記固定板が、前記原水導入管および前記浄水導出管のそれぞれの前記頭部以外の部分を前記固定板の開口を貫通させ、前記頭部を前記挿入凹部に配された状態で、前記フィルタヘッド接続部に固定部材により固定されたことで、前記原水導入管および前記浄水導出管がそれぞれ、前記フィルタヘッドに対して回動可能に固定されていることが好ましい。
[第2の課題を解決するための手段]
(2-1) 前記第2の課題を解決する本発明の浄水器用フィルタカートリッジは、原水受入口および浄水吐出口が設けられた筒状のフィルタ本体と、
前記フィルタ本体内に同軸状に収納された、粉体ろ材を収納した筒状の粉体ろ材モジュール、および中空糸膜を収納した筒状の中空糸膜モジュールと、を備え、
前記原水受入口から入った水が、前記粉体ろ材モジュールの内部、前記中空糸膜モジュールの内部をこの順に通過して、前記浄水吐出口から出て行く構造の浄水器用フィルタカートリッジであって、
前記粉体ろ材モジュールが、
前記粉体ろ材を通さず水を通す外筒と、
前記外筒の内側に配設され、前記粉体ろ材を通さず水を通す内筒と、
前記外筒の一端および前記内筒の一端と液密に接続され、前記外筒の一端と前記内筒の一端との間の空間を塞ぎ、前記内筒の内径側の空間と連通する開口が形成された上内蓋と、
前記外筒の他端および前記内筒の他端と液密に接続され、前記外筒の一端と前記内筒の一端との間の空間および前記内筒の内径側の空間を塞ぐ底蓋と、
前記外筒、前記内筒、前記上内蓋および前記底蓋とで囲まれた空間に収納された前記粉体ろ材と、を備え、
前記中空糸膜モジュールが、その一端が前記浄水吐出口と液密に接続され、その他端が前記粉体ろ材モジュールの前記上内蓋と直接または他の部材を介して液密に接続されており、
前記粉体ろ材が、粒子径順に並べたときの積算個数が90%となるところの粒子径D90、積算個数が10%となるところの粒子径D10、および積算個数が50%となるところの粒子径 D50が、0.5≦(D90-D10)/D50≦0.9、を満たす。
(2-2) また、本発明の浄水器用フィルタカートリッジは、前記原水受入口および前記浄水吐出口が、前記フィルタ本体の一端に設けられており、
前記フィルタ本体と前記粉体ろ材モジュールの前記外筒との間隙、前記フィルタ本体と前記粉体ろ材モジュールの前記上内蓋との間隙、および前記フィルタ本体と前記中空糸膜モジュールとの間隙をつなぎ、前記原水受入口に連通した通水路が形成されていることが好ましい。
(2-3) また、本発明の浄水器用フィルタカートリッジは、前記粉体ろ材モジュールの底蓋が、前記原水受入口および前記浄水吐出口が設けられた前記フィルタ本体の一端とは反対側の他端を塞ぐ蓋を兼ねていることが好ましい。

本発明の浄水器によれば、原水導入管、浄水導出管が回転可能に固定されることで、浄水器用水栓と原水導入管、浄水導出管とを接続する際に発生するねじれを逃がして、浄水器用水栓との接続部位からの水漏れを防ぐことができる。
また、本発明の好ましい態様の浄水器によれば、原水導入管、浄水導出管に構成される口金具とホース体を締結部材で圧迫して固定することにより、高い水圧がかかった場合でも水漏れを防ぐことができる。
また、本発明の好ましい態様の浄水器によれば、固定板とフィルタヘッド接続部を固定部材で強固に固定しているので、工具などを用いない限り固定板を取り外すことができないため、使用者が誤って分解することを防止できる。
本発明の浄水器用フィルタカートリッジによれば、通水が筒状の粉体ろ材部の外側から内側に向かって径方向に行われるため、通水での圧力損失が低減され、さらに平均粒子径に対する粒度分布の幅が一定以下となっているので、通水での圧力損失を低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様の浄水器用カートリッジによれば、原水受入口と浄水吐出口の両方をフィルタ本体の一端に設けることで、原水受入口、浄水吐出口が連接される配管を一箇所に集められるため、シンク下の空間を確保することができる。
また、本発明の好ましい態様の浄水器用カートリッジによれば、粉体ろ材モジュールの底蓋がフィルタ本体を塞ぐ蓋を兼ねているので、部材点数を減少することができる。
本発明における浄水器の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いるフィルタカートリッジの一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器の一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いる浄水器用フィルタヘッドの一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いる浄水器用フィルタヘッドの一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いるフィルタヘッド接続部の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いる原水導入管、浄水導出管の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いるフィルタヘッド固定板の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いる浄水器用フィルタヘッドの一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いる浄水器用フィルタヘッドの一例を示す左側面図である。 本発明における浄水器に用いる可動軸の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いるフィルタカートリッジの一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いるフィルタカートリッジの一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いるリングケースの一例を示す断面図(図A)と斜視図(図B)である。 本発明における浄水器に用いる整流板の一例を示す斜視図である。 本発明における浄水器に用いる上内蓋の一例を示す断面図(図A)と斜視図(図B)である。 本発明における浄水器に用いる底蓋の一例を示す断面図(図A)と斜視図(図B)である。 本発明における浄水器に用いる中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。 本発明における浄水器に用いる接続キャップの一例を示す断面図(図A)と斜視図(図B)である。
本発明における浄水器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この浄水器1は、濾材を収納したフィルタカートリッジ2と、原水導入管7と浄水導出管8とを備え、フィルタカートリッジ2が着脱可能な浄水器用フィルタヘッド3から構成されている。
次に、浄水器用フィルタヘッド3を構成する各部材について説明する。
図4、5に示すように、浄水器用フィルタヘッド3は、原水導入管7と浄水導出管8とフィルタヘッド接続部5とフィルタヘッド接続部5の上面に配されたフィルタヘッド固定板4と下面に配されたフランジ6とから成る。
次に、原水導入管7と浄水導出管8を構成する各部材について説明する。
図7に示すように、原水導入管7は、口金具11、締結部材15およびホース体16から構成されている。前記口金具11は、円筒状の頭部14とこの頭部14から延びる円筒状のニップル部13とで構成され、中心部に頭部14とニップル部13とを貫通する流路が形成されている。そして、ホース体16がニップル部13に挿入され、ホース体16の外周に取り付けた締結部材15を圧迫して固定することにより、ホース体16はニップル部13と締結部材15の間に固定される。
なお、ホース体16を圧迫して固定する締結部材15は、配管用ホースを接続して通水した際に、水が漏れたり、水圧によってホースが抜けないものであればよい。このような締結部材としては、加締めて固定する加締め用スリーブ、ホースクランプ、結束バンドなどがある。
締結部材15の材料は、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネートなどの安価な樹脂でもよいが、強度の観点から、ステンレス、黄銅、青銅などの金属が好ましい。
また、浄水導出管8は原水導入管7と同様に、口金具11、加締め用スリーブ15およびホース体16から構成されている。前記口金具11は、円筒状の頭部14とこの頭部14から延びる円筒状のニップル部13とで構成され、中心部に頭部14とニップル部13とを貫通する流路が形成されている。そして、ホース体16がニップル部13に挿入され、ホース体16の外周に取り付けた加締め用スリーブ15を加締めることにより、ホース体16はニップル部13と加締め用スリーブ15の間に固定される。すなわち、原水導入管7と浄水導出管8に高い水圧や外部からの力がかかる場合であっても強固に固定されている点で好ましい。
口金具11は、強度の観点から、ステンレス、黄銅、青銅などの金属で製造するのが好ましい。
図1、4、5、6に示すフィルタヘッド接続部5は、第1円筒部233と第2円筒部234とを有する有底・二重円筒形であり、第1円筒部233の空間が原水導入管7に、第2円筒部234の空間が浄水導出管8に連通している。第1円周部233の内周側には、後述のバヨネット機構の一部である一対の部分拡径部235、236が設けられ、第1円筒部233の外側には、強度を向上するための多数のリブ237が設けられている。
フィルタヘッド接続部5の原水導入管7側の有底円筒部226には、フィルタカートリッジ2が装着されることにより流路が開放する逆止弁213が内蔵されている。
また、フィルタヘッド接続部5の浄水導出管8側の有底円筒部226には、水の逆流を防止する逆止弁214が内蔵されている。
フィルタカートリッジ2を浄水器用フィルタヘッド3から取り外したときには、浄水器用フィルタヘッド3の原水導入管7と浄水導出管8に取り付けられた逆止弁213、逆止弁214が流路を閉鎖するので、水が逆流したり漏れたりすることを防ぐことができる。
図4、8に示すフィルタヘッド固定板4は、口金具11の直管部222を通す開口部17、18が設けられている。
原水導入管7は、フィルタヘッド接続部5の挿入凹部220に口金具11が配置され、口金具11の直管部222がフィルタヘッド固定板4の開口部17を通る。浄水導出管8も同様に、フィルタヘッド接続部5の挿入凹部220に口金具11が配置され、口金具11の直管部222がフィルタヘッド固定板4の開口部18を通る。
フィルタヘッド固定板4は、口金具11の頭部14の頭部端面223を押さえつつ、フィルタヘッド接続部5に複数の固定部材227で固定されている。これにより、フィルタヘッド固定板4は、フィルタヘッド接続部5の挿入凹部220に口金具11を軸方向に固定し、口金具11の脱落を防止していることと併せて、口金具11の回動を可能にしている。
なお、フィルタヘッド固定板4をフィルタヘッド接続部5に固定する固定部材227は、プラスチックや木板等に用いられるタッピンネジの他に、工具が不要なプッシュリベットやスナップリベット、パッチン錠やスナップ錠であってもよい。また、フィルタヘッド固定板4またはフィルタヘッド接続部5のいずれか一方に固定部材227がツメとして配され、もう一方に開口部が形成され、開口部にツメを挿入して固定する方法であってもよい。
固定部材227の材料は、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネ-トなどの安価な樹脂でもよいが、強度の観点から、ステンレス、黄銅、青銅などの金属が好ましい。
当然ながら、口金具11の直管部222は、フィルタヘッド固定板4の開口部17、18内にあって、口金具11の頭部14の外周面の内側に位置するので、開口部17、18は、頭部14が貫通せず、直管部222が貫通する大きさである。開口部17,18が円形状であれば、頭部14の外径>開口部17、18の直径>直管部222の外径、の関係となる。
なお、図4、8に図示した形態では、口金具11が、ニップル部13と頭部14との間に、ニップル部13より大きく頭部14より小さい外径の直管部222を有しているが、直管部222が無い形態であってもよい。この場合、原水導入管7と浄水導出管8をフィルタヘッド接続部5に固定する際に、ニップル部13が、フィルタヘッド固定板4の開口部17、18を通れば十分であるので、開口部17、18は、頭部14が貫通せず、ニップル部13が貫通する大きさであればよい。開口部17,18が円形状であれば、頭部14の外径>開口部17、18の直径>ニップル部13の外径、であればよい。
開口部17(18)は、口金具11の頭部14以外の部分が貫通し、かつ頭部14の頭部端面223を押さえる形状であればよいので、円形状、角形状、長円状形状、U字形状などの様々な形状で形成できる。中でも、頭部端面223と同じ円形状であれば、開口部を最小にして頭部端面223との接触面積を確保できるため、強度の観点から好ましい
また、図4、8に図示した形態では、1枚のフィルタヘッド固定板4に2つの開口部17、18が形成されているが、1つの開口部17(18)のみ形成されているフィルタヘッド固定板4を2枚用いて、それぞれで原水導入管7と浄水導出管8を個別に固定してもよい。
フィルタヘッド固定板4は、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、強度の観点から、ステンレス、黄銅、青銅などの金属で製造するのが好ましい。
フィルタヘッド固定板4の板厚は、耐圧性の確保のため大きいほうが有利であるが、板厚を大きくすると当然ながらコストが上がるため、耐圧性とコストの兼ね合いを考慮し、板厚は0.5~3.0mmが好ましい。
口金具11の頭部14がフィルタヘッド接続部5に装着された際、フィルタヘッド接続部5の挿入凹部220の内周面と、頭部14の外周面との間に配置されるOリング228により、口金具11とフィルタヘッド接続部5との間は液密結合となっており、液密性が確保されている。
フィルタヘッド接続部5は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、外観の良いABS樹脂やポリプロピレンを射出成形で製造するのが、外観および製造コストに関してメリットがある。
上記の構造により、原水導入管7と浄水導出管8を回転可能にすることができる。これより、浄水器用水栓と原水導入管7と浄水導出管8を接続する際に発生するねじれを逃がして、浄水器用水栓との接続部位からの水漏れを防ぐことができる。
フィルタヘッド固定板4とフィルタヘッド接続部5はタッピンネジ227で強固に固定されるため、浄水器1に高い水圧がかかった場合でも水漏れを防ぐことができる。また、タッピンネジ227は工具などを用いない限り取り外すことができないため、使用者が誤って分解することを防止できる。
図5に示すフランジ6は、リング状で、フィルタヘッド接続部5に複数のタッピンネジ227で固定されている。リング状の内周側には、後述のバヨネット機構の一部である部分拡径部230、231が設けられ、後述のフィルタカートリッジ2に設けられた一対の凸部91、92が通過できるようになっている。
フランジ6の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、外観の良いABS樹脂やポリプロピレンを射出成形で製造するのが、外観および製造コストに関してメリットがある。
図2、12、13に示すフィルタカートリッジ2はバヨネット機構により回動して着脱可能に浄水器用フィルタヘッド3に装着、結合されて、浄水器1が構成される。より詳しくは、フィルタカートリッジ2のフィルタ本体82の外周には、少なくとも2つの凸部91、92が設けられており、フランジ6の部分拡径部230、231を通過し、係合、回動することにより、バヨネット機構による結合がなされる。フィルタカートリッジ2を取り外す場合は、結合の時とは逆方向に回動させることにより、それは行われる。
このように、フィルタカートリッジ2の浄水器用フィルタヘッド3への脱着がバヨネット機構によるものなので、脱着の操作が簡便、容易である。
また、図5、9、10、11に示すように、フィルタヘッド接続部5の内面とフランジ6の閉空間232においては、フィルタヘッド接続部5の内面とフランジ6との間に可動軸215を配し、フィルタヘッド接続部5と可動軸215の間にバネ216が設けられている。フィルタカートリッジ2の浄水器用フィルタヘッド3への装着のための回動に伴い、その完了段階で、フィルタカートリッジ2のフィルタ本体82の凸部217が、可動軸215の傾斜部218に接触し、可動軸215が上方向に可動して、凸部217を乗り越え、可動軸215と凸部217とが係合するように配置されている。この乗り越え(係合)により、バヨネット機構によるフィルタカートリッジ2の装着感が得られることとなる。
その装着感により、使用者は確実に装着完了を知ることができるし、間違いなく(水漏れしないように)確実に装着を行うことができる。さらに凸部217が浄水器用フィルタヘッド3の下部外周にある場合には、使用者それを視認できるので、装着感と共に、視覚により装着完了をより確実に確認できる。
フィルタカートリッジ2を浄水器用フィルタヘッド3から取り外す際は、取り付けと逆の手順で取り外す。使用者は可動軸215の突出部219を上方向に可動させた後、フィルタカートリッジ2を結合の時とは逆方向に回動させて取外しを完了する。バネ216が配設されていることにより、使用者は取り外し操作を意識して実施しないとフィルタカートリッジ2を取外しできないため、使用者が意図しないフィルタカートリッジ2の取外しや脱落を防ぐことができる。
可動軸215の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、摺動に適しているポリアセタールやポリアミドを射出成形で製造するのが、品質および製造コストに関してメリットがある。
図2、3、12、13に示すフィルタカートリッジ2は、原水受入口86と浄水吐出口88を上端側に有し、下端が開口したフィルタ本体82と、フィルタ本体82の下端の開口を閉塞する底蓋201とで収納空間を形成している。この収納空間内に中空糸膜束105を内蔵した中空糸膜モジュール38、イオン交換体203を内蔵したリングケース208、および粉体ろ材102を内蔵した粉体ろ材モジュール249が収納されており、下流側から、粉体ろ材モジュール249、リングケース208、中空糸膜モジュール38の順で同軸状に配置され、液密に接続されている。そして、フィルタカートリッジ2は、図3に示すように、浄水器用フィルタヘッド3に直結され、原水導入管7で浄水器用水栓(図示せず)から供給される原水を受け入れ、浄水器1の一部となって、原水を浄化し浄水として吐出するために使用することができる。
フィルタ本体82の上端側に、原水受入口86と浄水吐出口88の両方を設けることは、フィルタカートリッジ2をコンパクトにできるので好ましい。ただし、フィルタカートリッジ2の大きさを気にしなければ、原水受入口86をフィルタカートリッジ2の下端側に、浄水吐出口88をフィルタカートリッジ2の上端側に設けてもよい。
中空糸膜モジュール38は、中空糸膜ケース103、中空糸膜束105、および注型材106で構成されている。中空糸膜束105は、中空糸膜ケース103の下流側に注型材106で封止固定されて中空糸膜ケース103内に収容されている。
イオン交換体203は、イオン交換体203を内蔵したリングケース208内に収容されている。イオン交換体203への整流効果を生み出す整流板202は後述する上内蓋207に取りつけられ、イオン交換体203の上流側に配置されている。
粉体ろ材モジュール249は、粉体ろ材102、内筒206、外筒205、上内蓋207、および底蓋201で構成されている。粉体ろ材102は、内筒206、外筒205、上内蓋207、および底蓋201で囲まれた略筒状の収容空間に収容されている。 図12に示すように原水受入口86から入った原水は、フィルタ本体82の内側壁面239と中空糸膜ケース103の外周面や外筒205の外周面との間に形成された筒状の間隙238に導かれた後、外筒205、粉体ろ材102、内筒206をこの順で径方向に通過して、内筒206の下流側に配されている整流板202、イオン交換体203、中空糸膜105によって濾過され、浄水吐出口88から浄水として吐出される。
原水受入口86は浄水吐出口88の同軸状外側に配置されることは、フィルタカートリッジ2をコンパクトにするためには、最も効果的、合理的であり、好ましい形態である。
中空糸膜モジュール38、リングケース208、および粉体ろ材モジュール249を同軸状に配置することは、フィルタカートリッジ2をコンパクトにするためには、最も効果的、合理的であり、好ましい形態である。なお、イオン交換作用が必要なければ、リングケース208を省いて、中空糸膜モジュール38と粉体ろ材モジュール249とを同軸状に配置して、液密に接続してもよい。
次に、フィルタカートリッジ2を構成する各部材について説明する。
外筒205は、合成樹脂製の支持枠34とフィルタ材36からなる。外筒205の支持枠34の周面には、格子状の複数の開口部35が設けられており、その支持枠の周面には開口部35の開口を覆うようにポリエチレンテレフタレートや、ポリプロピレンやポリエチレン、ナイロンなどの合成繊維からなるフィルタ材36が固定されている。
フィルタ材36は、対面する粉体ろ材102は漏らさず、処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであるので、このフィルタ材36の目開きは、粉体ろ材102の粒径より小さいものとなっている。また、通水での圧力損失を低減させるため、フィルタ材36の開口率は強度の許す限り大きいものが好ましい。また、同様に支持枠34の開口部35の開口率も強度の許す限り大きいものが好ましい。
このように、外筒205は、その壁面に複数の開口部35を有する円筒状の支持枠34と、その支持枠34に固定され、開口部35を覆うフィルタ材36とから構成されるので、外筒205の強度が向上し、浄水工程において発生する水圧により外筒205が変形し、粉体ろ材102(吸着材層)の層厚が低下することで、浄水工程において原水が通過する吸着材層の距離が縮小し、原水の吸着材層での吸着処理不足で、浄水カートリッジのろ過性能が低下するのを抑制することができる。
さらに、略筒状の収容空間に収容された粉体ろ材102の全体を有効に活用できるようにするため、開口部35の存在する領域は、対面する粉体ろ材102の存在する領域と略一致させることが好ましい。開口部35の開口を覆うフィルタ材36は、不織布や、メッシュなどの織物など、薄いシート状で、粉体ろ材102は漏らさず処理されるべき水は通過させるフィルタ機能を有するものであればよい。
フィルタ材36を外筒205の支持枠34に固定する方法としては、外筒205の成形時にフィルタ材36と一体成形する方法が強固に取り付けられる点で好ましい。
フィルタ材36を一体成形する場合、フィルタ材36を支持枠34の外周面に位置させると、外筒205の径方向の内側に充填、収容される粉体ろ材102は、支持枠34の厚み分だけ充填量を増やすことができる。さらに、支持枠34の外側にリブや突起を設け、フィルタ材36を挟み込む構造とすることで、水圧によりフィルタ材36が支持枠34から剥がれないように強度を向上させることができる。また、リブであれば、支持枠34の強度向上に寄与することもでき、好ましい。
また、固定方法として接着剤で貼り付けたり、熱融着、超音波溶着または圧着させることも可能である。これらの方法であれば、使用する粉体ろ材102の粒度に合わせて、フィルタ材の目開きや目付けを変更でき、1種類の支持枠で複数種類の外筒を作成することが可能になるとともに、支持枠の金型形状も簡単なものになるため、製品のコストを下げることができ好ましい。これらの固定方法の場合、フィルタ材36は支持枠34の外周面に位置させることで、容易に固定でき、フィルタ材36および支持枠34の両方で水圧を分散して保持できるため、剥がれ等の問題が発生しづらく、強度的にも好ましい。
これらの固定方法の中でも、支持枠34との固定強度を保つために、熱融着あるいは超音波溶着が好ましい。選定したフィルタ材36の材質に合わせて、付与するエネルギー量を調節し支持枠34に一定の強度以上で固定できることから、超音波溶着が好適に用いられる。
具体的には、フィルタ材36としてのシート状のポリオレフィン系不織布が(外筒の)支持枠外周面を覆うように巻かれ、筒状形状となった不織布の軸方向両端部全周が(外筒の)支持枠外周面に超音波溶着され、さらに筒状に巻かれた不織布の軸方向の合わせ目部分も超音波溶着され、粉体ろ材102を目止めできるようになっている固定形態が好ましい。この固定形態は超音波溶着箇所が最低限の領域であるという簡素なものでありながら、粉体ろ材102を漏らすことがないという確かな効果を発揮する。
当然ながら、外筒205はフィルタ本体82内にあって、かつ内筒206の径方向外側に位置するので、フィルタ本体82口径>外筒205口径>内筒206口径の関係がある。
外筒205の下端開口部212の環状溝にはOリング229が装着されている。外筒205を介して底蓋201と接続しているので、浄水と、原水(浄化していない水道水)とが混ざることがない。
内筒206は円筒形であり、粉体ろ材102は通さず、水は通すように目開きを調整してある。目開きが20~50μmのものが好適に使用できる。ポリオレフィン系熱融着繊維の不織布を原料として、この不織布を加熱した軸に複数回巻いて円筒形状に成形したものを、所定の長さに切断した不織布が、安価でよい。ただし、それに限定されない。ポリプロピレンなどのオレフィン系材料を溶融してブロー成形により円筒形に成形したものでもよい。外周面に開口を有する円筒形の樹脂成形体に、不織布やメッシュクロスを溶着あるいは接着したものでもよく、開口を有する円筒形の樹脂成形体を成形する際に、不織布やメッシュクロスをインサートしてもよい。内筒206は不織布であることが好ましい。内筒が不織布であることで、内筒が側面開口を有する内ケースの内周面に網目状部材が固定されたものである場合に比べ、内筒の厚みが薄くなり、浄水器用カートリッジのサイズが同じであっても、より多くの粉体ろ材102を充填することができる。
不織布で成形した内筒206の厚さは0.5~2mmがよい。厚さが0.5mm未満であると、通水時に通水抵抗および粉体ろ材102の圧力損失によって陥没する不具合が生じる。厚さが2mmを越えると、外径側にせり出すことになり、粉体ろ材102の充填量を減らしてしまう。厚さが0.5~2mmであれば陥没することは無く、粉体ろ材102の充填量を不適切に減らしてしまうことも無い。
内筒206の下流側の端部(一端)は、後述する上内蓋207の内リブ240に嵌め合いにより固定されている。粉体ろ材102が漏れず、後述の軸芯合わせ作業が可能な程度の嵌め合いになっている。
内筒206の上流側の端部(一端)は、底蓋201の内リブ209に嵌め合いにより固定されている。粉体ろ材102が漏れず、後述の軸芯合わせ作業が可能な程度の嵌め合いになっている。
図16(A)、(B)に示すように、上内蓋207は中央に開口32を有する円盤状で、外筒205と連結する部分には外リブ33、内筒206と連結する部分には内リブ240が立設されている。外リブ33は厚さが0.3~2.0mm、高さが1~4mmであり、外筒205と上内蓋207の中心軸を合わせる役目を果たしている。外リブ33の内径は外筒205の外径とほぼ同じであり、粉体ろ材102が外部にはみ出して漏れるのを防ぐ役割も果たしている。
内リブ240の内径側に開口32が配設されている。内リブ240の内径は、内筒206の外径とほぼ同じであり、内リブ240に内筒206が嵌め合いにより固定されている。粉体ろ材102が漏れず、後述の軸芯合わせ作業が可能な程度の嵌め合いになっている。これにより、内筒206の内径側流路22と開口32が連通する。すなわち粉体ろ材102から整流板202への流路を確保しているのである。
上内蓋207は透明であると、組立時に異常がないか等、上内蓋207の内部の状況を確認できるので好ましい。
外リブ33の外周面には突起243が複数配設されている。上内蓋207の中心軸とフィルタ本体82の中心軸を容易に合わせることができるため、組立作業性を向上させる点で好ましい。
上内蓋207の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、成形精度が高いABS樹脂を射出成形で製造するのが、品質および製造コストに関してメリットがある。
図17(A)、(B)に示すように、底蓋201は有底円筒形であり、外筒205と内筒206が挿入された後にフィルタ本体82がネジとOリングを用いて締結される。フィルタ本体82の固定は溶着であってもよい。溶着であれば、Oリングなどのシール部材が不要であり、製造コストが安くなる。超音波溶着、回転溶着、振動溶着など特に限定されないが、回転溶着であれば、溶着面積を広くすることが可能であり、フィルタカートリッジとしての耐圧性が高くなるため好ましい。
底蓋201の底面には、強度を向上するための多数のリブ245が設けられている。
底蓋201の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、外観の良いABS樹脂もしくはポリプロピレンを射出成形で製造するのが、外観および製造コストに関してメリットがある。
次に粉体ろ材102について説明する。図13に示すように、粉体ろ材102は、上述の内筒206、外筒205、上内蓋207、底蓋201で形成される略筒状の収容空間に収容される。製造工程的には、上内蓋207が内筒206と外筒205に嵌着される前に、内筒206の上部と外筒205の上部との間の部分から粉体ろ材102が充填され、充填完了後、上内蓋207が粉体ろ材102を密閉するように内筒206の上部の外側壁面と外筒205の上部の外側壁面に嵌着される。また、充填の際、粉体ろ材102に対して振動や吸気、排気を行って、粉体ろ材の充填密度を高めることは、浄水カートリッジのろ過能力を高めるために好ましい方法である。
粉体ろ材102としては、椰子殻や木材、石炭などを原料とした粒状または粉状活性炭や、原水中の鉛等の重金属を除去するのに適した粒状または粉状イオン交換体、例えばチタンケイ酸塩やゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、またはイオン交換樹脂などを、適宜組み合わせて充填して使用することができる。
また、底蓋201は、粉体ろ材102とフィルタ本体82の一端を塞ぐ蓋を兼ねているため、粉体ろ材102を底蓋201の表面まで充填でき、さらに、内筒206と外筒205の一端を閉塞する部材を別途必要としないので好ましい。
粉体ろ材102には、その平均粒径がおよそ30~900μmの範囲のものが使用可能で、浄水カートリッジの種類、用途、性能に応じて選択して使用される。粒径を小さくすると表面積が増えるため、粉体ろ材の吸着能力やイオン交換能力を高めることができるし、粉体ろ材の充填密度も向上する。粉体ろ材の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、型式SALD-3100)を用いて測定し、体積の粒度分布による積算値が50%を占める粒径(50%粒径)を平均粒径とする。
従来の成形体の活性炭などのろ材では、成形のためのバインダーの占める体積割合が30~20%程度を占め、その部分はろ過に寄与しないが、粉体ろ材を使用することで、バインダーが占めていた体積を活性炭もしくはイオン交換体で充填することができ、増加したろ材がろ過に寄与するためろ過能力を大幅に向上することができる。
一般に粒径を小さくすると粉体ろ材部の通水での圧力損失が大きくなり、所定のろ過流量を確保できないこともあり得る。しかし本発明では、上述のように細長い略筒状の内筒206形状に対応して、上述の略筒状の収容空間およびそこに収容される粉体ろ材102の全体形状(粉体ろ材部の形状)は、軸方向長さが長くなっており、しかもその径方向長さ(厚さ)より長い筒状形状となっている。そして通水は、筒状の粉体ろ材部の外側から内側に向かって径方向に行われるため、通水の流路断面積が、軸方向に通水する場合より、ずっと広くなっているので通水の流速は低減され、粒径の小さい粉体ろ材を高密度充填したとしても、通水での圧力損失を十分低減でき、所定のろ過流量を達成できる。
筒状の粉体ろ材部の軸方向長さ/径方向長さは、1を超える数値で要求される圧力損失等に応じて定められるが、2以上が好ましい。また、径方向長さの絶対値は、粉体ろ材と収容空間上端や収容空間下端との境界面での通水のショートカットを防ぐこと、および粉体ろ材のろ過原理から最低限必要とされる値などを考慮して定められるが、実用上は約5mm以上が通例である。
上述したように、本発明では、粉体ろ材部に粒径の小さい粉体ろ材を高密度充填したとしても、通水での圧力損失を十分低減できるが、平均粒径に対する粒度分布の幅を一定以下とすると、さらに圧力損失を低減できる。粒度分布の幅が広いと、粒径の小さい粉体ろ材粒子と粒径の大きい粉体ろ材粒子との粒径差が大きくなる。そうなると、粒径が小さい粉体ろ材粒子は、それより大きい粒径の粉体ろ材粒子の間に入り込んでしまい、全体として粉体ろ材の密度を高くして粉体ろ材部を目詰まりさせ、原水の流れを阻害し、圧力損失の上昇の大きな要因になると推定される。粒度分布の幅を平均粒径に対して一定以下とすることで、粒径の小さな粉体ろ材粒子が除去されるので、圧力損失を低減させる効果が生じると推定される。そこで、粉体ろ材が、粒子径順に並べたときの積算体積が90%となるところの粒子径D90、積算体積が10%となるところの粒子径D10、および積算体積が50%となるところの粒子径D50が、0.5≦(D90-D10)/D50≦0.9、を満たすことが好ましい。より好ましくは、0.6≦(D90-D10)/D50≦0.8、である。
(D90-D10)/D50が、0.5未満では粉体ろ材の製造時に篩い分け等の追加工程が必要になったり、篩い分けによって利用されない粉体ろ材の割合が増え、コストアップとなる。また、(D90-D10)/D50が、0.9を超えると、粒径が小さい粉体ろ材粒子が、それより大きい粒径の粉体ろ材粒子の間に入り込んでしまう機会が増加し、通水時の圧力損失が増加する。
図13に示すように、粉体ろ材102と上内蓋207との間に弾性部材210が配設されると好ましい。こうすると、弾性部材210が粉体ろ材102と上内蓋207とを押圧し、それらと密着することにより、充填した粉体ろ材102と上内蓋207の間に空隙ができなくなり、原水を通水した際に粉体ろ材102をショートカットする恐れがなくなる。弾性部材としては、硬度の低いシリコーンゴムなどのゴム、合成樹脂のスポンジ、発泡体、不織布、フェルトなどが使用可能である。
上述の説明において、略筒状の部材が同一中心軸を有して同軸的に配置されることは、フィルタカートリッジをコンパクトにするためには、最も効果的、合理的であり、好ましい形態である。
次に、図14(A)、(B)に示すリングケース208について説明する。粉体ろ材102の下流側にリングケース208に内蔵してイオン交換体203を配しているため、原水は粉体ろ材102で整流され、イオン交換体203の全体に均一に接触することができ、原水中の特定のイオン(溶解性鉛等の重金属イオン等)がイオン交換され除去される。
リングケース208は、上流側である開放されている底面24と、開口部23を有する上面25と、内筒26と、外筒27とから構成される概略円筒状の形状をしている。リングケース208は、安価に製作でき、かつイオン交換体203を滑りよく圧縮挿入・組立でき、さらに圧縮挿入しても形状変形しない剛性を持たせるために、合成樹脂の成形品であることが好ましい。合成樹脂材質としては、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、ポリアセタール、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレン、などが使用可能である。
また、フィルタ本体82の胴部外径(d)に対する粉体ろ材102の軸方向長さ(L)との比(L/d)は1.0~4.0であることが、フィルタカートリッジ2をコンパクトにして、かつ十分なろ過能力を達成する上で好ましい。L/dが1.0より小さいとフィルタカートリッジ2の胴部外径が大きくなりフィルタカートリッジ2がコンパクトにならない。また、L/dが4.0より大きいとフィルタカートリッジ2胴部外径(d)の減少に伴い粉体ろ材102の通水方向の厚さが小さくなり十分なろ過能力が得られない。
イオン交換体203がリングケース208の底面24の開放部分から挿入できるよう、前記開放部分の形状は、イオン交換体形状と同様のリング状をしていることが好ましい。リングケース208の上面25の開口部23は、イオン交換体203における通水面積を確保するため、リングケース208の強度の許容する範囲で極力大きい開口面積を有することが望ましい。開口部23の形状は、均一な通水となるよう、リング状である上面25を均等分割した複数の扇状形状が好ましいが、多数の円形状や角形状の開口や長円状形状などその他形状でもよい。
本実施形態にかかるリングケース208の外筒27の下側外周面と、上内蓋207の外リブ33の内周面はほぼ同じであり、リングケース208に外リブ33が嵌め合いにより固定されている。これにより、浄水と、原水(浄化していない水道水)とが混ざることがない。
また、リングケース208の外筒27の上側外周面と、後述の中空糸膜ケース103の外リブ211の内周面はほぼ同じであり、リングケース208に外リブ211が嵌め合いにより固定されている。これにより、浄水と、原水(浄化していない水道水)とが混ざることがない。
また、外筒27の外周面にはつば部28が設けられている。リングケース208と上内蓋207、リングケース208と中空糸膜ケース103を組み立てる際に位置決めができる点で好ましい。
リングケース208の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、寸法精度の高いABS樹脂を射出成形で製造するのが、品質および製造コストに関してメリットがある。
イオン交換体203はイオン交換能を有する長尺濾材が層状に巻回積層されたリング状であることが好ましい。特にイオン交換体203が、シート状の長尺濾材を巻回積層したものを、その軸方向に垂直な断面で、所定の軸方向厚さにスライスして製作されるリング状である場合は、安価に製作できるので、さらに好ましい。その他例えば、長尺ではなく短冊状などの比較的短いイオン交換能を有する濾材を繋いで層状に巻回積層されたリング状でもよい。また、イオン交換能を有する繊維状濾材をリング状の所定形状に圧縮成形しただけのものでもよい。
さらに、イオン交換体203は、層状に巻回積層されたリング状に製作し易く、その形状を保持し易くするため、リングケース208内におけるイオン交換体203の外径doに対する当該イオン交換体203の径方向厚みtの割合t/doが、0.1~0.35の関係を満足するようなものであることが好ましい。
イオン交換能を有する長尺濾材は、イオン交換繊維をシート化したものが好ましいが、不織布やフェルトなどにイオン交換能を有する吸着剤を担持したものでも構わない。イオン交換繊維は、スチレン系、アクリル系、メタクリル酸系、フェノール系の高分子母体に、所定の官能基を結合した繊維である。より高い性能を得るためには、アクリル系、メタクリル酸系の母体とすることが好ましい。所定の官能基としては、スルホン酸、カルボン酸、トリメチルアンモニウム、ジメチルエタノールアンモニウム、ジメチルアミン、ポリアミン、イミノ二酢酸、アミノカルボン酸、ポリカルボン酸などがある。より高い性能を得るためには、スルホン酸、カルボン酸とすることが好ましい。イオン交換能を有する吸着剤としては、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびチタノケイ酸塩などの無機吸着剤や、イオン交換樹脂、キレート樹脂などの有機吸着剤を用いることが好ましい。より高い性能を得るために、チタノケイ酸塩、アルミノケイ酸塩を用いることが好ましい。長尺濾材は、複数の濾材を混合して使用しても構わない。例えば、イオン交換繊維と繊維状活性炭とを混合してシート状にした成形体を用いると、重金属除去性能に優れ、かつトリハロメタンやカビ臭などの除去性能も向上させたカートリッジとすることができる。
図15に示す整流板202について説明する。粉体ろ材102で浄化された浄水は内筒206を通った後、リングケース208の内筒平面248に接し、径方向に流れ、上内蓋207の底面24を通過し、イオン交換体203に到達する。ここで整流板202は、上面246に複数配置された開口穴247により、流入する浄水に適度な圧力損失をつけることで、イオン交換体203に到達するまでにより均一に流すことができ、イオン交換体203のろ過能力を向上させることができる。
開口穴247は、流入する浄水を均一に流すことと圧力損失のバランスを考慮し、穴径はΦ0.5~Φ3.0、上面246に対する開口率は15~25%が好ましい。
また、整流板202の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、寸法精度の高いABS樹脂を射出成形で製造するのが、品質および製造コストに関してメリットがある。
図2、12に示すフィルタ本体82は、先端には原水受入口86が設けられ、外周には先端付近から順に、小径Oリング87、浄水吐出口88、大径Oリング89、バヨネット機構としての一対の凸部91、92が設けられている。
フィルタ本体82の拡径側は開口していて、内部は二重円筒形であり、内側円筒93には後述の接続キャップ104が挿入される。内側円筒93の内周側は浄水吐出口88に連通し、内側円筒93の外周側は原水受入口86に連通している。
フィルタ本体82の材料は、ステンレス、黄銅、青銅などの金属でも、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂でもよいが、外観の良いABS樹脂もしくはポリプロピレンを射出成形で製造するのが、外観および製造コストに関してメリットがある。
図13、18に示す中空糸膜ケース103の中央の開口125には、中空糸膜を束ねて逆U字状に折り曲げた中空糸膜束105が注型材106によって封止固定されている。各中空糸膜間および中空糸膜と中空糸膜ケース103との間に注型材106を充填して、それが固化することによって固定される。中空糸膜ケース103と後述の接続キャップ104を連結する前に、注型材106を一部切断除去することにより、中空糸膜105は、接続キャップ104に向かって開口している。中空糸膜ケース103の内周面の一部にはシボ加工を施すことが好ましい。注型材106の中空糸膜ケース103からの剥離を防ぎ、通水時には、注型材106に水圧による荷重が加わるが、シボの凹凸に沿って注型材106に凹凸が形成されているので、凹凸同士が引っかかることから、注型材106が中空糸膜ケース103から剥離・脱落することはない。
中空糸膜ケース103の材料としては、接着剤との親和性が良い非晶性樹脂が好ましく、安全性を加味するとABS樹脂やポリスチレンが好ましい。
中空糸膜束105としては、親水化したポリスルホン中空糸膜を用いている。ポリスルホンは生物学的特性、耐熱性、耐薬品性等に優れていて、浄水器用途として好ましい。ポリスルホン以外に、ポリアクリルニトリル、ポリフェニレンスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレンの中空糸膜を用いても差し支えない。材料が異なる複数種類の中空糸膜を組み合わせてもよい。疎水性のポリエチレンやポリプロピレンの中空糸膜を入れれば、水に混入した空気を効率良く排出することができる。中空糸膜の孔径は0.1~0.3μmであり、水道水中の濁質を捕捉するのに最も適している。中空糸膜の外径はφ300~600μm、内径はφ180~340μm、膜厚は50~150μmであり、十分な強度を有している。製造におけるU字状に折り曲げる工程や、中空糸膜ケース103に押し込む工程で切れることはない。
中空糸膜束105の中空糸膜のみの断面積を、中空糸膜ケース103の開口125の断面積の45~55%としているので、高い濁りろ過能力を有しており、長期間使用することができる。45%を下回ると中空糸膜の膜面積が小さくなり、また55%を上回ると密集した中空糸膜束の内部まで濁質が回り切らなくなり、いずれの場合も濁りろ過能力が低下して長期間使用できなくなる。中空糸膜の外径がφ300~600μmと、強度を有しながらも十分に細いので、小さなケーシングの中に十分に大きな膜面積を確保できている。これも高い濁りろ過能力を発揮する要因となっている。
注型材(ポッティング材)106としては、流動性を有する主剤と硬化剤を混合して硬化させる二液混合型で、ポリウレタンやエポキシ樹脂などを適宜用いることができる。それらを遠心法や静置法などによって固化させればよい。
中空糸膜ケース103の、注型材106によって封止固定された端部の外周側には、後述の接続キャップ104と係合する鍔部が設けられている。
図13、19(A)、(B)に示す接続キャップ104は、大筒131と、小筒132を有し、大筒131の一端の内周側には中空糸膜ケース103との第1接続部135を有し、小筒132の一端の外周側にはフィルタ本体82の内側円筒93との第2接続部134を有している。第1接続部135の内周は、前述の中空糸膜ケース103に設けた鍔部外周と、がたつきが無いように係合するようになっている。係合させた状態で、接続キャップ104側から超音波溶着機のホーンを当てて、加圧しながら振動エネルギーを与えることで、接続キャップ104と中空糸膜ケース103を溶着させている。溶着方式としては、バッドジョイント方式、ステップジョイント方式、シェアジョイント方式、ビードジョイント方式など、いずれの方式でもよく、特に限定されない。接続キャップ104と中空糸膜ケース103とは、超音波溶着ではなく、嵌合により連結させてもよい。接続キャップ104と中空糸膜ケース103との間にOリングなどの弾性部材を介在させても差し支えない。
小筒132の第2接続部134の環状溝にはOリング136が装着されている。接続キャップ104を、Oリング136を介してフィルタ本体82と接続しているので、浄水と、原水(浄化していない水道水)とが混ざることがない。
接続キャップ104の材料としては、中空糸膜ケース103と超音波溶着にて連結する場合には、中空糸膜ケース103と同じ材料を用いる。成形での寸法精度が高いABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレンが使用できる。中空糸膜ケース103と嵌合により連結する場合は、比較的柔らかいポリエチレンあるいはポリプロピレンを用いる。ポリエチレンやポリプロピレンであれば、アンダーカット部分の金型の無理抜きが容易であり、金型製作費が安価となる。比較的柔らかいので、製造でのはめ込みが容易であり、生産性が向上する。
また、大筒131の外周面には突起244が配設されている。接続キャップ104の中心軸とフィルタ本体82の中心軸を容易に合わせることができるため、組立作業性を向上させる点で好ましい。
接続キャップ104の材料は、中空糸膜ケース103と超音波溶着にて連結する場合には、中空糸膜ケース103と同じ材料を用いる。成形での寸法精度が高いABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレンが使用できる。中空糸膜ケース103と嵌合により連結する場合は、比較的柔らかいポリエチレンあるいはポリプロピレンを用いる。ポリエチレンやポリプロピレンであれば、アンダーカット部分の金型の無理抜きが容易であり、金型製作費が安価となる。比較的柔らかいので、製造でのはめ込みが容易であり、生産性が向上する。
次に浄水器1の設置について説明する。本発明の浄水器1は設置場所を特に限定しないが、キッチンのシンクの下に設置して使用するアンダーシンク型浄水器として用いれば、従来の課題を解決できて有効である。
浄水器用フィルタヘッド3の原水導入管7と、浄水導出管8は、キッチンの浄水器用水栓(図示せず)に接続されている。浄水器用水栓のレバーを回すなどして開栓すると、浄水器用水栓に内蔵された弁機構から原水導入管7に水道水が供給されるようになっている。浄水器1で浄化された浄水が浄水導出管8から浄水器用水栓に戻り、弁機構を通過せずに浄水器用水栓の吐出口からそのまま吐出される。すなわち浄水器用水栓に内蔵された弁機構より下流側に浄水器1が設けられ、止水時には浄水器1に水圧がかからないようになっている。いわゆるII形の浄水器である。しかしながら本発明の浄水器1はII形に限定されない。止水時に浄水器1に水圧がかかる、いわゆるI形の浄水器として使用してもよい。
次に浄水器1での水道水の浄化について説明する。本発明の浄水器は、図3、図12において矢印で示すように、浄水器用水栓(図示せず)を開くと、浄水器用フィルタヘッド3の原水導入管7に原水が流入し、フィルタカートリッジ2のフィルタ本体82の原水受入口86へ導入される。ここで、フィルタカートリッジ2が浄水器用フィルタヘッド3に未装着のときは逆止弁213、逆止弁214が流路を閉止しているので、フィルタカートリッジ2の装着不備によって水道水が吹き出るといったトラブルを防止できる。
浄水器用水栓(図示せず)のレバーを回すなどして開栓すると、水道水が浄水器用フィルタヘッド3のフィルタヘッド接続部5の原水流路224を介して、フィルタカートリッジ2の原水受入口86に流入する。円筒状の粉体ろ材102の外径側から内径側に向かって均一に流れ、水道水中の遊離残留塩素が分解され、同時に水道水中の揮発性有機物が吸着除去される。次に、水は円筒状の粉体ろ材102の内部の内筒206に到達し、上方向に水が流れ、整流板202を通り、イオン交換体203に到達する。水はイオン交換体203の下側から上側に流れ、鉛成分が除去される。次に、水は中空糸膜105の外径側から内径側に流れ、水中の濁質や細菌が中空糸膜に捕捉される。中空糸膜105を通過した浄水はフィルタカートリッジ2の浄水吐出口88から吐出され、フィルタヘッド接続部5の浄水流路225を介して浄水器用水栓の吐出口からそのまま吐出される。使用者は美味しくて安全な浄水を得ることができる。
最後に、浄水器1のフィルタカートリッジ2の交換について説明する。フィルタカートリッジ2を反時計回りに90度回すと、バヨネット機構によりフィルタカートリッジ2が浄水器用フィルタヘッド3から容易に外れる。
次に未使用のフィルタカートリッジ2を浄水器用フィルタヘッド3に取り付ける。未使用のフィルタカートリッジ2の先端を浄水器用フィルタヘッド3に挿入すると、浄水器用フィルタヘッド3の中心軸241にフィルタカートリッジ2の中心軸242が自ずと合うようになっている。浄水器用フィルタヘッド3に到達した感触を得てから、未使用のフィルタカートリッジ2を時計回りに90度回すと、未使用のフィルタカートリッジ2をフィルタカートリッジ接続部3に確実に取り付けることができる。
実施例で示した粒径は、純水に試料を少量入れて攪拌させたものの一部を、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、型式[SALD-3100])を用いて測定した。装置試料槽内にて常時攪拌を行い、試料槽からセル間に循環させている状態で超音波処理を1分間行った後、粒度分布を測定した。
(実施例1)
粉体ろ材としてヤシ殻活性炭を使用した。体積の粒度分布による積算値が50%となるところの粒子径D50は197μm、体積の粒度分布による積算値が90%となるところの粒子径D90は295μm、体積の粒度分布による積算値が10%となるところの粒子径D10は141μmであった。この活性炭を図3の構造のフィルタカートリッジに充填し、表示流量3.5L/分で通水したときの圧力損失値(1)を測定した。その後、粉体ろ材を除いたフィルタカートリッジの圧力損失値(2)を測定し、圧力損失(1)から圧力損失(2)を差し引いて、粉体ろ材部の圧力損失値(3)を算出した。粉体ろ材部における圧力損失は非常に小さい結果となった。
(実施例2)
粉体ろ材として、体積の粒度分布による積算値が50%となるところの粒子径D50が211μm、体積の粒度分布による積算値が90%となるところの粒子径D90が319μm、体積の粒度分布による積算値が10%となるところの粒子径D10が143μmであるヤシ殻活性炭を使用した以外は、実施例1と同様にして圧力損失を測定した。圧力損失は、実施例1よりも高くなったが、実用上問題はなかった。
(参考例1)
粉体ろ材として、体積の粒度分布による積算値が50%となるところの粒子径D50が199μm、体積の粒度分布による積算値が90%となるところの粒子径D90が319μm、体積の粒度分布による積算値が10%となるところの粒子径D10が116μmであるヤシ殻活性炭を使用した以外は、実施例1と同様にして圧力損失を測定した。圧力損失は、0.018MPaを上回っていた。
実施例1,2、参考例1の粉体ろ材の条件を表1に、圧力損失値を表2にまとめた。粉体ろ材部の3.5L/分通水時の圧力損失値(3)が0.018MPa以下であれば、実用上問題はない。
Figure 0007140239000001
Figure 0007140239000002
本発明は、水道水を浄化する浄水器に関し、さらに詳しくは、シンクの横や下の空間に設置するアンダーシンク型浄水器に関するものであるが、壁掛型浄水器、スタンド型浄水器など浄水器全般に応用できる。アンダーシンク型浄水器に限定されるものではない。
1 浄水器
2 フィルタカートリッジ
3 浄水器用フィルタヘッド
4 フィルタヘッド固定板
5 フィルタヘッド接続部
6 フランジ
7 原水導入管
8 浄水導出管
11 口金具
13 ニップル部
14 頭部
15 締結部材(加締め用スリーブ)
16 ホース体
17 開口部
18 開口部
22 内径側流路
23 開口部
24 底面
25 上面
26 内筒
27 外筒
28 つば部
32 開口
33 外リブ
34 支持枠
35 開口部
36 フィルタ材
38 中空糸膜モジュール
82 フィルタ本体
86 原水受入口
87 小径Oリング
88 浄水吐出口
89 大径Oリング
91 凸部
92 凸部
93 内側円筒
102 粉体ろ材
103 中空糸膜ケース
104 接続キャップ
105 中空糸膜
106 注型材
125 開口
131 大筒
132 小筒
134 第2接続部
135 第1接続部
136 Oリング
201 底蓋
202 整流板
203 イオン交換体
204 内側内壁
205 外筒
206 内筒
207 上内蓋
208 リングケース
209 内リブ
210 弾性部材
211 外リブ
212 下端開口部
213 逆止弁
214 逆止弁
215 可動軸
216 バネ
217 凸部
218 傾斜部
219 突出部
220 挿入凹部
221 流路
222 直管部
223 頭部端面
224 原水流路
225 浄水流路
226 有底円筒部
227 固定部材(タッピンネジ)
228 Oリング
229 Oリング
230 部分拡径部
231 部分拡径部
232 閉空間
233 第1円筒部
234 第2円筒部
235 部分拡径部
236 部分拡径部
237 リブ
238 間隙
239 内側壁面
240 内リブ
241 中心軸
242 中心軸
243 突起
244 突起
245 外リブ
246 上面
247 開口穴
248 内筒平面
249 粉体ろ材モジュール

Claims (3)

  1. 原水受入口および浄水吐出口が設けられた筒状のフィルタ本体と、
    前記フィルタ本体内に同軸状に収納された、粉体ろ材を収納した筒状の粉体ろ材モジュール、および中空糸膜を収納した筒状の中空糸膜モジュールと、を備え、
    前記原水受入口から入った水が、前記粉体ろ材モジュールの内部、前記中空糸膜モジュールの内部をこの順に通過して、前記浄水吐出口から出て行く構造の浄水器用フィルタカートリッジであって、
    前記粉体ろ材モジュールが、
    前記粉体ろ材を通さず水を通す外筒と、
    前記外筒の内側に配設され、前記粉体ろ材を通さず水を通す内筒と、
    前記外筒の一端および前記内筒の一端と液密に接続され、前記外筒の一端と前記内筒の一端との間の空間を塞ぎ、前記内筒の内径側の空間と連通する開口が形成された上内蓋と、
    前記外筒の他端および前記内筒の他端と液密に接続され、前記外筒の一端と前記内筒の一端との間の空間および前記内筒の内径側の空間を塞ぐ底蓋と、
    前記外筒、前記内筒、前記上内蓋および前記底蓋とで囲まれた空間に収納された前記粉体ろ材と、を備え、
    前記中空糸膜モジュールが、その一端が前記浄水吐出口と液密に接続され、その他端が前記粉体ろ材モジュールの前記上内蓋と直接または他の部材を介して液密に接続されており、
    前記粉体ろ材が、粒子径順に並べたときの積算個数が90%となるところの粒子径D90、積算個数が10%となるところの粒子径D10、および積算個数が50%となるところの粒子径 D50が、0.5≦(D90-D10)/D50≦0.9、を満たす、
    浄水器用フィルタカートリッジ。
  2. 前記原水受入口および前記浄水吐出口が、前記フィルタ本体の一端に設けられており、
    前記フィルタ本体と前記粉体ろ材モジュールの前記外筒との間隙、前記フィルタ本体と前記粉体ろ材モジュールの前記上内蓋との間隙、および前記フィルタ本体と前記中空糸膜モジュールとの間隙をつなぎ、前記原水受入口に連通した通水路が形成されている、請求項1の浄水器用フィルタカートリッジ。
  3. 前記粉体ろ材モジュールの底蓋が、前記原水受入口および前記浄水吐出口が設けられた前記フィルタ本体の一端とは反対側の他端を塞ぐ蓋を兼ねている、請求項1または2の浄水器用フィルタカートリッジ。
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