以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。なお、図中の1aは画像形成装置1の本体を示し、この本体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電手段の一例としての帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃手段の一例としてのドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなるものである。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図2及び図3に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の第1及び第2の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。現像装置14には、後述する現像剤搬送装置により少なくともトナーを含む現像剤が所要のタイミングで補給される。なお、4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、トナーのみからなる一成分現像剤を用いても良い。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図2及び図3に示されるように、一部が開口して帯電装置12の下方にまでわたる領域を覆う容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜26と、ベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃手段の一例としてのベルト清掃装置27とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール25は図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロール並びに二次転写のバックアップロールとして構成され、ベルト支持ロール22は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,24は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール26はベルト清掃装置27により清掃される中間転写ベルト21の背面を支持する支持ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20の支持ロール25には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
ベルト清掃装置27は、図2に示されるように、ドラム清掃装置16と同様に構成され、一部が開口する容器状の本体270と、二次転写後の中間転写ベルト21の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板271と、清掃板271で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材272等で構成されている。清掃板271としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
定着装置40は、図1に示されるように、表面温度が所要の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるドラム形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するドラム形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。
給紙装置50は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52,53とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側、図示例では左側面側に引き出すことができるように取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録媒体5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども使用することができる。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数(又は複数)の用紙搬送ロール対54や搬送ガイド55等で構成される給紙搬送路56が設けられている。用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30の二次転写ロール31から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するための搬送ガイド57,58等が設けられている。さらに、画像形成装置本体1aの用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から送り出される定着後の記録用紙5を搬送ガイド59に沿って本体1aの上部に設けられた用紙排出部60に排出するための用紙排出ロール対61が配置されている。
定着装置40と用紙排出ロール対61との間には、用紙搬送路を切り替える切替ゲート62を備えている。用紙排出ロール対61は、その回転方向が正転方向(排出方向)と逆転方向に切り替え可能となっている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙5の後端が切替ゲート62を通過した後、用紙排出ロール対61の回転方向を正転方向(排出方向)から逆転方向に切り替える。用紙排出ロール対61によって逆転方向に搬送される記録用紙5は、切替ゲート62により搬送経路が切り替えられ、略鉛直方向に沿うように形成された両面用搬送経路63へと搬送される。両面用搬送経路63は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対54へと搬送する用紙搬送ロール対64と、搬送ガイド65〜68等を備えている。
図1中、符号70は画像形成装置本体1aの正面(図中、左側面)に開閉自在に設けられた手差しトレイを示しており、手差しトレイ70と用紙搬送ロール対54との間には、手差しトレイ70に収容された記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置71と、複数の用紙搬送ロール対72〜74や搬送ガイド75等で構成される手差し用紙搬送路76が設けられている。
また、図1中符号145(Y,M,C,K)は、紙面に直交する方向に沿って複数配列され、対応する現像装置14(Y,M,C,K)に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジをそれぞれ示している。
また、図1中符号100は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
<プロセスカートリッジの構成>
ところで、この実施の形態では、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置される帯電装置12、現像装置14、ドラム清掃装置16からなる画像形成手段とが一体的にユニット化されて組み付けられており、着脱構造体(画像形成ユニット)の一例としてのプロセスカートリッジ80を構成している。なお、露光装置13は、プロセスカートリッジ80とは別に単独でユニット化されている。
図4はプロセスカートリッジ80を装着方向に沿った手前側の斜め上方からみた外観斜視図であり、図5はプロセスカートリッジ80を装着方向に沿った先端側(奥側)からみた側面図であり、図6はプロセスカートリッジ80を装着方向に沿った先端側(奥側)の斜め下方からみた外観斜視図である。
プロセスカートリッジ80は、図4乃至図6に示されるように、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置14、ドラム清掃装置16を一体的にユニット化して装着した画像形成ユニット本体の一例としてのプロセスカートリッジ本体81を備えている。図示の実施形態において、プロセスカートリッジ本体81は、現像装置14の筐体140やドラム清掃装置16の本体160、更にはプロセスカートリッジ80の装着方向に沿った手前側及び奥側の端部にそれぞれ配置されたフレーム部材82,83aなどから構成されている。
感光体ドラム11は、プロセスカートリッジ本体81のフレーム部材82,83aに回転自在に装着されている。一方、現像装置14の筐体140は、図5に示されるように、プロセスカートリッジ本体81に対して揺動支点146を支点にして揺動自在に取り付けられている。そして、現像ロール141は、感光体ドラム11に対して接離する方向に揺動自在となっている。また、現像装置14は、現像装置14の筐体140と、感光体ドラム11が回転自在に装着されたプロセスカートリッジ本体81のフレーム部材82,83aとの間に掛け渡されたコイルスプリング等の弾性部材147によって、現像ロール141の軸方向に沿った両端部に配置された間隙設定部材としての図示しないトラッキングロールが感光体ドラム11の表面に当接するよう構成されている。このように構成することにより、感光体ドラム11と現像ロール141との間隙(DRS:Drum to Roll Space)が所要の値に精度良く設定される。プロセスカートリッジ80の装着方向に沿った先端側の端面には、図5及び図6に示されるように、感光体ドラム11に駆動力を伝達する第1の駆動力伝達部77と、現像ロール141に駆動力を伝達する第2の駆動力伝達部78とが突出した状態でそれぞれ設けられている。
プロセスカートリッジ80は、図7及び図8に示されるように、画像形成装置本体1aに設けられたユニット装着部90に感光体ドラム11の軸方向に沿って着脱自在に装着される。
画像形成装置本体1aの内部には、手差し用紙搬送路76の上方にユニット装着部90が配置されている。ユニット装着部90は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のプロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)に対応して、画像形成装置本体1aの正面に対する左右方向に沿って延びる4つのカートリッジ支持部91(Y,M,C,K)を有する。なお、プロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)から構成される作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、イエロー(Y)側が相対的に高く、ブラック(K)側が相対的に低くなるよう傾斜して配置されている。そのため、4つのカートリッジ支持部91(Y,M,C,K)は、作像装置10(Y,M,C,K)に倣ってイエロー(Y)のカートリッジ支持部91Y側が相対的に高く、ブラック(K)のカートリッジ支持部91K側が相対的に低くなるよう傾斜した状態で配置されている。また、各プロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)から構成される作像装置10(Y,M,C,K)自体も、図中左側が相対的に高く、右側が相対的に低くなるよう傾斜した状態で各カートリッジ支持部91(Y,M,C,K)に装着される。
4つのカートリッジ支持部91(Y,M,C,K)は、基本的に同様に構成されている。カートリッジ支持部91は、図7に示されるように、プロセスカートリッジ80とは別にユニット化された露光装置13を装着するよう一段高い台状に形成された装着台92と、装着台92のプロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った側方に隣接して凹形状に一段低く設けられ、着脱されるプロセスカートリッジ80の現像装置14に対応した底面を案内するガイド面93とを備えている。
また、カートリッジ支持部91は、図9に示されるように、装着台92のプロセスカートリッジ80の装着方向と交差する方向に沿った一端部に、上方へ向けて逆L字形状に突出した形状に設けられた第1のガイド部94と、装着台92に装着されたユニット化された露光装置13のハウジング13aの側面に突出した凸部からなる第2のガイド部95とを有している。
プロセスカートリッジ80をカートリッジ支持部91に装着する際、カートリッジ支持部91の第1のガイド部94は、図5及び図6に示されるように、プロセスカートリッジ80の帯電装置12の下部に設けられた凹部83に挿入され、第2のガイド部95は、プロセスカートリッジ80の現像装置14の内側面に設けられた凹部84に挿入されることにより、プロセスカートリッジ80を案内する。一方、カートリッジ支持部91のガイド面93は、現像装置14の下端部を収容することによりプロセスカートリッジ80を案内する。
また、カートリッジ支持部91のプロセスカートリッジ80の装着方向に沿った手前側の端部には、図7及び図9に示されるように、プロセスカートリッジ80を異なるカートリッジ支持部91に誤って装着することを防止するため、対応する色のプロセスカートリッジ80のみがカートリッジ支持部91に装着可能となるよう非互換形状の凹部96(Y,M,C,K)が設けられている。この非互換形状の凹部96(Y,M,C,K)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のプロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)毎に装着方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った位置が異なっている。一方、プロセスカートリッジ80の装着方向に沿った手前側の端部に設けられたフレーム部材82の底面には、図6に示されるように、対応する色のカートリッジ支持部91の凹部96(Y,M,C,K)にのみ装着可能となるよう非互換形状の凸部85が設けられている。
画像形成装置本体1aは、図7に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った奥側の端部に、プロセスカートリッジ80に設けられた感光体ドラム11の第1の駆動力伝達部77と相対的に掛り合うことで、当該プロセスカートリッジ80の先端側の端部を上方に設定された作動位置へ移動させて位置決めする位置決め部材97を備えている。即ち、画像形成装置本体1aの位置決め部材97は、プロセスカートリッジ80の第1の駆動力伝達部77を、画像形成装置本体1aに装着されたプロセスカートリッジ80の第1の駆動力伝達部77よりも高い位置に設定された動作位置へと位置決めするための部材である。位置決め部材97は、図10に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った手前側端部の下方に、感光体ドラム11の第1の駆動力伝達部77を支持する半円形状の支持部材98と、当該支持部材98を上方へ付勢するコイルバネからなる弾性部材99とを有している。支持部材98は、プロセスカートリッジ80の第1の駆動力伝達部77が接触した際に、プロセスカートリッジ80の重量により支持部材98が下方へ弾性的に変位することで、感光体ドラム11の第1の駆動力伝達部77を位置決め部材97に挿入する位置決め操作を容易とするための部材である。
一方、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った手前側の端部には、図8に示されるように、プロセスカートリッジ80の手前側の端部を上方の作動位置へと移動させる昇降レバー86が回動自在に設けられている。昇降レバー86は、図11に示されるように、回動軸861を中心にしてプロセスカートリッジ80のフレーム部材82に回動自在に取り付けられている。また、昇降レバー86は、回動軸861の下方にコイルスプリング862を介して離間する方向に弾性力が付与された突当部863を有している。
昇降レバー86は、図8に示されるように、プロセスカートリッジ80が所要の動作位置に装着される前の状態では、プロセスカートリッジ80の手前側に倒れた位置に回動されている。そして、昇降レバー86は、プロセスカートリッジ80をカートリッジ支持部91の動作位置に移動させた後、図11に示されるように、プロセスカートリッジ80の手前側の端面と略平行になるよう図中時計回り方向に約90度回動される。この操作により、昇降レバー86は、回動軸861を中心にしてテコの原理によりプロセスカートリッジ80の装着方向に沿った手前側の端部を上方の動作位置へと移動させる。なお、プロセスカートリッジ80の奥側の端部は、上述したように、第1の駆動力伝達部77が位置決め部材97に挿入されることで既に上方に位置する動作位置へと移動されている。このとき、プロセスカートリッジ80の感光体ドラム11は、図1及び図2に示されるように、中間転写ベルト21を介して一次転写装置15に接触した動作位置で停止している。プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った手前側の端部は、図9及び図11に示されるように、装着方向に沿った手前側のフレーム部材82の上端面82aが、画像形成装置本体1aの突当部79の下面に突き当てられることで動作位置に位置決めされる。
プロセスカートリッジ80には、図4に示されるように、当該プロセスカートリッジ80を画像形成装置本体1に対して着脱する際にユーザーが手で把持する把持部87が設けられている。なお、プロセスカートリッジ80は、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置される帯電装置12、現像装置14、ドラム清掃装置15等の画像形成部材のすべてを含む必要はなく、これらの画像形成部材のうち、感光体ドラム11と、帯電装置12及び現像装置14とから構成しても良く、感光体ドラム11と現像装置14から構成しても良い。
プロセスカートリッジ80は、図8に示されるように、画像形成装置本体1aの所要の動作位置に装着されることにより、画像形成装置本体1a側から駆動力及び電力の供給を受ける。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する動作について説明する。
画像形成装置1は、図1及び図2に示されるように、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路56に送り出す。給紙搬送路56では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対54が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30の二次転写ロール31が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置27が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール31から剥離された後に搬送ガイド57,58を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、用紙排出ロール対61により、例えば、本体1aの上部に設置された用紙排出部60に排出される。
また、記録用紙5の両面に画像を形成するときは、片面に画像が形成された記録用紙5を用紙排出ロール対61により用紙排出部60に排出せずに、用紙排出ロール対61が記録用紙5の後端を保持している間に当該用紙排出ロール対61の回転方向を逆転方向に切り替える。用紙排出ロール対61により逆転方向に搬送される記録用紙5は、切替ゲート62の上部を通過した後、用紙搬送ロール対64や搬送ガイド65〜68等を備えた両面用搬送経路63を介して表裏が反転された状態で用紙搬送ロール対54へと搬送される。用紙搬送ロール対54は、記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給し、記録用紙5の裏面に画像を形成し、用紙排出ロール対61によって本体1aの上部に設置された用紙排出部60に排出する。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
<画像形成装置の特徴部分の構成>
画像形成装置1は、図12に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)の現像装置14に、対応する色の少なくともトナーを含む現像剤を所要のタイミングで搬送する現像剤搬送装置の一例としてのトナー搬送装置110を備えている。トナー搬送装置110は、互いに色の異なるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナーを対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各現像装置14(Y,M,C,K)にそれぞれ搬送する。
なお、この実施の形態では、現像剤搬送装置がトナーのみを現像装置14に搬送するよう構成しているが、トナー及びキャリアからなる現像剤を現像装置14に搬送するよう構成しても良い。その際、現像装置14に補給される現像剤は、必要に応じて、現像装置14内の現像剤4に比較してトナー濃度が高く設定される。
トナー搬送装置110は、図12及び図13に示されるように、トナーカートリッジ145を保持する保持部材111と、保持部材111に保持されたトナーカートリッジ145から現像装置14へトナーを搬送する現像剤搬送手段の一例としてのトナー搬送部材120とを備えている。また、トナー搬送部材120は、当該トナー搬送部材120の現像装置14側の端部にトナーの搬送方向(図中、Z方向)及び当該トナーの搬送方向と交差する方向(図中、Y方向)への移動を許容するように取り付けられ、現像装置14に対してトナーを補給可能に連結される連結部材の一例としてのホルダー部材130を有している。保持部材111、トナー搬送部材120及びホルダー部材130は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各現像装置14(Y,M,C,K)に対応してそれぞれ設けられている。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各保持部材111は、図12に示されるように、同様に構成されている。保持部材111は、対応する色のトナーカートリッジ145を固定した状態で装着する装着部を有している。また、保持部材111の傾斜した底面には、図13及び図14に示されるように、トナー供給口148を開閉するシャッター部材146がスライド自在に装着されている。保持部材111には、トナーカートリッジ145の装着方向に沿った奥側の端部に当該トナーカートリッジ145の内部に回転自在に設けられたトナー撹拌及び搬送用の図示しない搬送部材を回転駆動する駆動部材147が設けられている。トナーカートリッジ145は、保持部材111の所定位置に装着されることにより、トナー供給口148を開放するとともに、当該トナーカートリッジ145の図示しないトナー補給口を開放するよう構成されている。保持部材111のトナーカートリッジ145の装着方向に沿った奥側には、駆動部材147を回転駆動するとともに、トナー搬送部材120を回転駆動する駆動装置155が設けられている。
トナー搬送部材120は、図12に示されるように、装着部材111の下端部にトナーカートッジ145の長手方向に沿ってトナーを搬送する第1のトナー搬送部121と、第1のトナー搬送部121の一方の端部から対応する作像装置10の現像装置14における長手方向(軸方向)に沿った端部に対応した位置の上部までトナーを搬送する第2のトナー搬送部122と、第2のトナー搬送部122の先端から現像装置14へ向けて鉛直方向に沿った下方にトナーを搬送する第3のトナー搬送部123とを有している。なお、イエロー色に対応したトナー搬送部材120は、イエロー現像装置14Yの配置上の関係から、第1のトナー搬送部121Yのトナー搬送方向が他の第1のトナー搬送部121M,121C,121Kとは逆方向に設定されているとともに、第2のトナー搬送部122を有しておらず、第1のトナー搬送部121Yと第3のトナー搬送部123Yのみから構成されている。また、第2及び第3のトナー搬送部122,123は、対応する色のトナーカートッジ145及びプロセスカートリッジ80の現像装置14の配置上の関係から異なる長さを有する。マゼンタ色に対応した第2及び第3のトナー搬送部122M,123Mは長さが最も短く、シアン及びブラック色に対応した第2及び第3のトナー搬送部122C,123C及び122K,123Kが順次長さが長くなるように設定されている。
第1のトナー搬送部121は、図14に示されるように、円筒形状に形成された第1のトナー搬送路形成部材124と、当該第1のトナー搬送路形成部材124の内部に回転自在に配置されたスクリューオーガー等からなる第1の攪拌搬送部材125とを備える。第1のトナー搬送路形成部材124は、トナー供給口148に対応した位置に開口されたトナー受入口124aを有している。また、第1のトナー搬送路形成部材124は、第1の攪拌搬送部材125の搬送方向に沿った先端部に、第2のトナー搬送部122にトナーを落下させるように搬送する開口部124bを有している。
また、第2のトナー搬送部122は、トナーを搬送する円筒形状の第2のトナー搬送路形成部材126と、第2のトナー搬送路形成部材126の内部に回転自在に配置された図示しないスクリューオーガー等からなる第2の攪拌搬送部材127とを備えている。第2のトナー搬送路形成部材126は、第2の攪拌搬送部材の搬送方向に沿った先端部に、第3のトナー搬送部123にトナーを落下させるように搬送する図示しない開口部を有している。
また、第3のトナー搬送部123は、図15及び図16に示されるように、略鉛直方向に沿ってトナーを搬送する円筒形状の第3のトナー搬送路形成部材128と、当該第3のトナー搬送路形成部材128の内部に上下動自在に配置され、螺旋状に形成された金属製線材からなるアジテーター等の搬送部材129とを備えている。第3のトナー搬送路形成部材128は、画像形成装置本体1aに対して略鉛直方向に沿って配置されている。搬送部材129の上端部は、第2の攪拌搬送部材127の先端に設けられた図示しないクランク部に連結されている。搬送部材129は、第2攪拌搬送部材127のクランク部の回転動作に伴って上下方向に沿って往復移動するよう駆動され、第3のトナー搬送路形成部材128の内部に導入されたトナーを略鉛直方向に沿った下方へ落下させるように搬送する。
第3のトナー搬送路形成部材128の下端部128aは、図15に示されるように、動作位置に装着されたプロセスカートリッジ80の現像装置14の長手方向(X方向)に沿った先端側端部の上方に対応した位置に、画像形成装置本体1aに固定した状態で配置されている。第3のトナー搬送路形成部材128は、図10に示されるように、その中間部が画像形成装置本体1a内のサイドフレーム1bに固定具128bによってネジ止め固定されている。また、第3のトナー搬送路形成部材128の下端部128aに装着されるホルダー部材130は、第3のトナー搬送路形成部材128によって取付位置が規定されている。
第3のトナー搬送路形成部材128の下端部128aには、図15及び図17に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った両側面に、トナーの搬送方向(Z方向)及び当該トナーの搬送方向と交差する方向(Y方向)に変位可能となるようにホルダー部材130を取り付ける係合部(スナップフィット部)の一方を構成する突起部150が一体的に設けられている。突起部150は、第3のトナー搬送路形成部材128の側面から側方に直交するよう突出した上端面150aと、上端面150aの先端から第3のトナー搬送路形成部材128の側面に向けて傾斜するよう形成された傾斜面150bとから側面略直角三角形状に形成されている。また、突起部150の外周には、側面矩形状の枠部151が、突起部150の外周を取り囲むように設けられている。
また、第3のトナー搬送路形成部材128の下端部外周には、平面正方形状のフランジ部152が枠部151と一体的に設けられている。枠部151及びフランジ部152の側面151aは、後述するホルダー部材130側の係合部(スナップフィット部)を案内する平面を形成している。さらに、第3のトナー搬送路形成部材128の下端には、下方へ向けて短い円筒状に形成された接合部153が設けられている。
第3のトナー搬送路形成部材128とホルダー部材130との間には、図17に示されるように、弾性部材163が介在されている。この弾性部材163は、発泡ポリウレタンや圧縮成形された発泡ポリウレタン等の弾性体から平面矩形の直方体状に形成されている。弾性部材163は、所要の厚さ(例えば、4〜5mm程度)を有している。また、弾性部材163には、第3のトナー搬送路形成部材128からホルダー部材130へ向けてトナーを案内する平面円形状の案内孔164が上下に貫通した状態で形成されている。
ホルダー部材130は、図18及び図19に示されるように、合成樹脂により平面矩形状に一体的に形成されている。ホルダー部材130の上面131には、プロセスカートリッジ80の装着方向に沿った手前側の端部に、弾性部材163を収容した状態で第3のトナー搬送路形成部材128と連結される連結部132を備えている。この連結部132は、弾性部材163を収容する平面正方形の上端面が開口された凹所からなる収容部133を有している。収容部133は、ホルダー部材130の上面131に、プロセスカートリッジ80の装着方向に沿った両側面に設けられた前後の側壁133a,133bと、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った両側に設けられた左右の側壁133c,133dと、収容部133の底部に設けられた底壁133eとから構成されている。
また、ホルダー部材130は、収容部133の前後の側壁133a,133bの上端部に、第3のトナー搬送路形成部材128側へ向けて一体的に形成された第2の係合部(スナップフィット部)134を備えている。第2の係合部134は、内部に第1の係合部としての突起部150に相対的に係合される側面矩形状の凹部(開口部)135を有する平板状に形成されている。第2の係合部134の開口部135は、突起部150との間に間隙が形成されるよう突起部150の側面形状よりも大きく設定されている。そのため、第2の係合部134は、第3のトナー搬送路形成部材128の突起部150と相対的に係合された際に、ホルダー部材130がトナーの搬送方向(Z方向)及び当該トナーの搬送方向と交差する方向(Y方向)に沿った移動を許容するよう変位可能に取り付けられる。また、ホルダー部材130は、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った力が作用した場合、第2の係合部134が弾性変形して当該力が作用した方向に変位し、力が解除されると本来の位置に復帰する。なお、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った手前側に位置する第2の係合部134は、その上端部が下端部に比較して薄肉に形成されており、第3のトナー搬送路形成部材128の突起部150と係合される際など容易に弾性変形する。
一方、ホルダー部材130の収容部133の底壁133eには、図18及び図19に示されるように、弾性部材163の案内孔164に対応した円形状の供給口133fが開口されている。また、ホルダー部材130の下面133gには、供給口133fを開閉するシャッター部材136がスライド自在に装着されている。ホルダー部材130の下面133gには、長手方向と交差する方向の両端部に、内側へ向けて下面133gと平行に形成された幅の狭い平板状の保持部137がそれぞれ設けられている。シャッター部材136は、ホルダー部材130の下面133gと保持部137とによって形成された両側の凹部138にスライド自在に保持されている。さらに、ホルダー部材130の下面133gには、図18(b)に示されるように、供給口133fが閉じられる方向にシャッター部材136を付勢する圧縮されたコイルスプリング139が配置されている。コイルスプリング139は、ホルダー部材130の収容部133と反対側の端部に垂下された側壁130aに設けられて円筒形状の凸部130bと、シャッター部材136の下面に垂下された受け部136aとの間に介在するように配置されている。また、シャッター部材136は、その両側面に突出するように設けられた係止部136bが、ホルダー部材130の保持部137の下面に設けられたストッパー部137aに当接することで、供給口133fを閉塞した状態で停止している。
また、プロセスカートリッジ80に設けられた現像装置14は、図16、図20及び図21に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った先端部の上端面に、現像装置14の筐体140の内部にトナーを補給するためのトナー補給口148を備えている。現像装置14のトナー補給口148には、補給口148を開閉するためのシャッター部材149が装着されている。シャッター部材149は、補給口148が形成された補給部の両端縁にスライド自在に取り付けられている。また、シャッター部材149は、コイルスプリング149aによって補給口148を閉塞するように付勢されている。シャッター部材149は、通常、補給口148を閉塞した状態で停止するように図示しないストッパー部材で停止されている。シャッター部材149は、図21に示されるように、その側面形状がホルダー部材130と同一形状に形成されている。また、現像装置14の補給口148が形成された補給部165は、その側面形状がホルダー部材130のシャッター部材136と略同一形状に形成されている。
そのため、画像形成装置本体1a側のホルダー部材130は、図22に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着時に、現像装置14の補給部165に挿入される。その際、ホルダー部材130は、その収容部133の前側壁133aがシャッター部材149の先端面に当接して当該シャッター部材149を押動することにより現像装置14の補給口148を開口する。と同時に、現像装置14のプロセスカートリッジ80の装着方向に沿った先端に位置する補給部165は、ホルダー部材130のシャッター部材136の先端面に当接して当該シャッター部材136を押動することによりホルダー部材130の凹部138に挿入されてホルダー部材130の供給口133fを開口する。こうすることにより、図16及び図20に示されるように、トナー補給装置110の第3のトナー搬送路形成部材128からホルダー部材130を介して現像装置14の内部にトナーが補給可能な状態となる。
また、プロセスカートリッジ80は、図8に示されるように、画像形成装置本体1aの動作位置に装着される際に、プロセスカートリッジ80の第1の駆動力伝達部77が画像形成装置本体1a側の位置決め部材97に挿入されることで上方の動作位置に移動する。このプロセスカートリッジ80の上方への移動に伴って、現像装置14の端部が上方へ移動し、ホルダー部材130に収容された弾性部材160が圧縮され、画像形成装置本体1a側の第3のトナー搬送部123とホルダー部材130との間に隙間が生じることが抑制される。
ところで、この実施の形態では、図18及び図19に示されるように、ホルダー部材130の収容部133を構成する左右の側壁133c,133dに側方へ向けて突出するように左右の腕部133h,133iがそれぞれ設けられている。左右の腕部133h,133iは、図19(c)に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向に沿った先端側の側面がトナーの搬送方向と交差する方向(Y方向)に沿った同一の平面153を構成している。また、プロセスカートリッジ80の感光体ドラム11側に位置する腕部133iには、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った先端側の側面に、画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bに当接するように所要の高さだけ突出したボス部133jが設けられている。
更に説明すると、画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bには、図23乃至図25に示されるように、ホルダー部材130を挿入した状態で配置する正面略矩形状の開口部170が設けられている。サイドフレーム1bは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各ホルダー部材130(Y,M,C,K)に対応した位置に所要の幅を有する突出部171,172が、画像形成装置本体1aの内側に向けて所要の高さだけ高く突出するよう設けられている。ホルダー部材130は、プロセスカートリッジ80の装着前、左右の腕部133h,133iのうち、一方の腕部133iのボス部133jが突出部172に突き当てられている。また、ホルダー部材130の他方の腕部133hは、その側面が突出部171に対して所定の間隙(例えば、ボス部133jの高さに対応した間隙)を介して配置されている。更に付言すると、ホルダー部材130は、プロセスカートリッジ80の装着前の状態において、画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bに対して直交するように配置されている。なお、図24中、符号Pはプロセスカートリッジ80の押動力がホルダー部材130に作用する作用点を示している。また、ホルダー部材130には、プロセスカートリッジ80がホルダー部材130を押す押動力F1にホルダー部材130のコイルスプリング139の弾性力F2を加えた力(F1+F2)がサイドフレーム1bから反作用力として作用する。
<画像形成装置の特徴部分の動作>
実施の形態1に係る画像形成装置1では、図8に示されるように、プロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)を新たに画像形成装置本体1aに装着する場合や、いずれか1つ以上のプロセスカートリッジ80(Y,M,C,K)を交換する場合など、次のようにしてプロセスカートリッジ80を画像形成装置本体1aに装着する操作が行われる。
プロセスカートリッジ80は、画像形成装置本体1aの側面に設けられた図示しないサイドカバーを開放した状態で、図8に示されるように、当該画像形成装置本体1aのユニット装着部90のカートリッジ支持部91に装着される。このとき、プロセスカートリッジ80は、当該プロセスカートリッジ80の帯電装置12の下部に設けられた凹部83に、カートリッジ支持部91の第1のガイド部94に挿入されるとともに、当該プロセスカートリッジ80の現像装置14の内側面に設けられた凹部84に、カートリッジ支持部91の第2のガイド部95が挿入されることで装着方向(X方向)によって案内され、カートリッジ支持部91に装着される。
画像形成装置本体1aには、図23に示されるように、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に沿った奥側の端部であって、現像装置14の先端部に対応した位置にホルダー部材130が配置されている。ホルダー部材130は、図25に示されるように、画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bに直交するように配置されており、プロセスカートリッジ80の装着方向(X方向)に平行に位置している。そのため、プロセスカートリッジ80は、その装着動作に伴って装着方向(X方向)に沿った奥側の端部に位置する現像装置14の先端部151がホルダー部材130に当接する。
このとき、ホルダー部材130は、図20に示されるように、そのシャッター部材136が現像装置14の補給部165によって画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bに押し付けられるように押動される。そのため、ホルダー部材130は、図25に示されるように、一方の腕部133iに設けられたボス部133jを支点として、他方の腕部133hがサイドフレーム1bの突出部に当接するように僅かな角度であるが傾斜移動(回動)する。その結果、プロセスカートリッジ80は、図26及び図27に示されるように、現像装置14の先端部のうち、他方の腕部133h側(図中左側)の端縁がホルダー部材130の凹部138の内面に接触した状態でホルダー部材130に挿入され、現像装置14の先端部が感光体ドラム11側に変位するように誘導される。と同時に、ホルダー部材130のシャッター部材136は、現像装置14の先端部により押動されて、供給口133fが開口される。
また、プロセスカートリッジ80は、現像装置14の先端部がホルダー部材130の凹部138に挿入される動作に伴って、当該ホルダー部材130が現像装置14の補給部165に設けられたシャッター部材149を押動し、現像装置14のトナー補給口148を開口してトナー補給装置110の第3のトナー搬送路形成部材128及びホルダー部材130を介して現像装置14の内部にトナーが補給可能な状態とされる。
このように、プロセスカートリッジ80の装着時、当該プロセスカートリッジ80の現像装置14の補給部165は、図28に模式的に示されるように、当該プロセスカートリッジ80により押動されて感光体ドラム11に近接する方向に回動するため、現像装置14が感光体ドラム11から離間する方向に装着されることが回避され、ホルダー部材130の腕部131h,131iを画像形成装置本体1aのサイドフレーム1bに間隙を介して当接させるという簡単な構成で、現像装置14と感光体ドラム11との間隙(DRS)を保持するトラッキング力(間隙保持力)が変動することが抑制される。
これに対して、図29に模式的に示されるように、ホルダー部材130がプロセスカートリッジ80の装着方向に平行に固定された状態で配置した場合には、プロセスカートリッジ80の装着方向と交差する方向(Y方向)に沿った装着位置の誤差によって、プロセスカートリッジ80の現像装置14が感光体ドラム11から離間される方向に装着されてしまい、現像装置14に対して感光体ドラム11との間隙(DRS)を保持するトラッキング力(間隙保持力)が減少する方向の力が作用し、現像装置14の現像ロール141と感光体ドラム11との間隙(DRS)が変動する虞れが生じる。
なお、前記実施の形態では、ホルダー部材130の一対の腕部133h,133iのうち、一方の腕部133iにボス部133jを設けるように構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の腕部133h,133iにそれぞれボス部を設けるとともに、当該一対の腕部133h,133iのボス部が当接するサイドフレーム1bの突出部の高さを異ならせる又はサイドフレーム1bに一方のボス部が挿入される孔部や凹部を設けることにより、プロセスカートリッジ80の装着時にホルダー部材130が回動するように構成しても良い。