JP6630755B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化膜及び表示装置 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化膜及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、それから形成される硬化膜、及び該硬化膜を含む表示装置に関する。
画像表示装置等の表示装置に含まれる波長変換膜等の硬化膜を形成するための硬化性樹脂組成物として、半導体量子ドット等の半導体粒子を含有するものが知られている〔例えば、特開2015−028139号公報(特許文献1)〕。特開2005−128539号公報(特許文献2)には、感光性作用基を有する化合物が表面配位された半導体ナノ結晶及びこれを含む感光性組成物が記載されている。
特開2015−028139号公報 特開2005−128539号公報
本発明の目的は、半導体粒子を含む硬化性樹脂組成物であって、表面粗さが小さく、これにより色ムラが低減された硬化膜を形成することができる硬化性樹脂組成物、それから形成される硬化膜、及び該硬化膜を含む表示装置を提供することにある。
本発明は、以下に示す硬化性樹脂組成物、硬化膜及び表示装置を提供する。
[1] 半導体粒子(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び有機溶剤(D)を含み、
前記有機溶剤(D)は、分子内に、シクロアルカン環と、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−及び−C(=O)−からなる群より選択される少なくとも1つの基とを有する化合物を含む、硬化性樹脂組成物。
[2] [1]に記載の硬化性樹脂組成物から形成される、硬化膜。
[3] [2]に記載の硬化膜を含む、表示装置。
本発明によれば、半導体粒子を含む硬化性樹脂組成物であって、表面粗さが小さく、これにより色ムラが低減された硬化膜を形成することができる硬化性樹脂組成物、それから形成される硬化膜、及び該硬化膜を含む表示装置を提供することができる。
<硬化性樹脂組成物>
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、半導体粒子(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び有機溶剤(D)を含み、有機溶剤(D)は、分子内に、シクロアルカン環と、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−及び−C(=O)−からなる群より選択される少なくとも1つの基とを有する化合物(以下、この化合物を有機溶剤(D1)ともいう。)を含む。該硬化性樹脂組成物によれば、表面粗さが小さく、これにより色ムラが低減された波長変換膜等の硬化膜を形成することができる。色ムラの低減は、波長変換膜等の硬化膜の発光特性の面内均一性を高めるうえで有利となる。また、該硬化性樹脂組成物は、良好なパターニング性を示し得る。例えば、該硬化性樹脂組成物によれば、所望の線幅を有するパターニングされた硬化膜を精度良く形成することが可能である。該硬化性樹脂組成物によれば、上記線幅が比較的細い場合であっても、パターニングされた硬化膜を精度良く形成することが可能である。
なお、本明細書において硬化性樹脂組成物に含まれる又は含まれ得る各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、又は、複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕半導体粒子(A)
硬化性樹脂組成物は、半導体粒子(A)を含む。半導体粒子(A)は、好ましくは発光性(蛍光発光性)の半導体粒子である。発光性の半導体粒子を含む硬化性樹脂組成物から形成される波長変換膜等の硬化膜は、所望の波長域の蛍光発光を示す色再現性に優れたものであり得る。
発光性の半導体粒子は、半導体結晶からなる粒子、好ましくは半導体結晶からなるナノ粒子である。発光性の半導体粒子の好ましい例は、半導体量子ドットである。半導体量子ドットの平均粒径は、例えば0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下(例えば2nm以上15nm以下)である。半導体量子ドットの平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて求めることができる。
半導体量子ドットは、例えば、周期表第2族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含む半導体材料から構成することができる。
半導体量子ドットを構成し得る半導体材料の具体例は、SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の第14族元素と第16族元素との化合物;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、InGaN、InGaP等の第13族元素と第15族元素との化合物;Ga、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe等の第13族元素と第16族元素との化合物;ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等の第12族元素と第16族元素との化合物;As、As、AsSe、AsTe、Sb、Sb、SbSe、SbTe、Bi、Bi、BiSe、BiTe等の第15族元素と第16族元素との化合物;MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe等の第2族元素と第16族元素との化合物;Si、Ge等の第14族元素、第15族元素又は第16族元素の単体を含む。
半導体量子ドットは、単一の半導体材料からなる単層構造であってもよいし、単一の半導体材料からなる核粒子(コア層)の表面が、これとは異なる1種又は2種以上の半導体材料からなる被覆層(シェル層)によって被覆されたコアシェル構造であってもよい。後者の場合、シェル層を構成する半導体材料としては通常、コア層を構成する半導体材料よりもバンドギャップエネルギーが大きいものを用いる。半導体量子ドットは、シェル層を2種以上有していてもよい。半導体量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状又は略球状、棒状、円盤状等であり得る。
半導体粒子(A)は、半導体粒子に配位する有機配位子を含む配位子含有半導体粒子であってもよい。半導体粒子に配位する有機配位子は、例えば、半導体粒子に対する配位能を示す極性基を有する有機化合物であることができる。配位子含有半導体粒子に含まれる有機配位子は、配位子含有半導体粒子の合成上の制約から、又は、安定化のために添加した有機配位子であってもよい。例えば、特表2015−529698号公報において、配位子含有半導体粒子は、粒子サイズ制御の観点から有機配位子としてヘキサン酸を含み、また、合成後の安定化のために有機配位子をDDSA(ドデセニルコハク酸)に置換している。
有機配位子は、例えば半導体粒子の表面に配位することができる。
半導体粒子に配位する有機配位子は、1種の配位子であってもよいし2種以上の配位子であってもよい。有機配位子が極性基を有する有機化合物である場合、有機配位子は通常、その極性基を介して半導体粒子に配位する。有機配位子が配位していることは、有機配位子に好適な分散媒に半導体粒子が均一分散することから確認される。
極性基は、例えば、チオール基(−SH)、カルボキシル基(−COOH)及びアミノ基(−NH)からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。該群より選択される極性基は、半導体粒子への配位性を高めるうえで有利となり得る。高い配位性は、硬化膜の色ムラの改善及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性の改善に貢献し得る。中でも、発光特性により優れる硬化膜(波長変換膜等)を得る観点から、極性基は、チオール基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であることがより好ましい。有機配位子は、1個又は2個以上の極性基を有し得る。
半導体粒子に配位する有機配位子の分子量は特に制限されないが、例えば、50以上500以下であり、好ましくは80以上400以下である。有機配位子の分子量が該範囲内であると、優れた再現性で配位子含有半導体粒子(A)を調製することができる。
有機配位子は、例えば、下記式:
Y−Z
で表される有機化合物であることができる。式中、Yは上記の極性基であり、Zはヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。該炭化水素基は、炭素−炭素二重結合等の不飽和結合を1個又は2個以上有していてもよい。該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有していてもよい。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上40以下であり、1以上30以下であってもよい。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−等で置換されていてもよい。該炭化水素基は、配位子含有半導体粒子の調製の簡便さから、通常、ヘテロ原子を含まない場合が多い。
Y−Zで表される有機配位子は、好ましくは炭素数が5以上12以下である飽和脂肪酸又は炭素数が5以上12以下である不飽和脂肪酸である。
基Zは、極性基を含んでいてもよい。該極性基の具体例については極性基Yに係る上記記述が引用される。基Zは、配位子含有半導体粒子の調製の簡便さから、通常、極性基を含まない場合が多い。
極性基Yとしてカルボキシル基を有する有機配位子の具体例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のほか、飽和又は不飽和脂肪酸を挙げることができる。飽和又は不飽和脂肪酸の具体例は、ブチル酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の一価不飽和脂肪酸;リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアドリン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸(ドコサテトラエン酸)等の多価不飽和脂肪酸を含む。
極性基Yとしてチオール基又はアミノ基を有する有機配位子の具体例は、上で例示した極性基Yとしてカルボキシル基を有する有機配位子のカルボキシル基がチオール基又はアミノ基に置き換わった有機配位子を含む。
半導体粒子(A)の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中、例えば0.1質量部以上50質量部以下であり、好ましくは1質量部以上45質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上40質量部以下である。半導体粒子(A)の含有量が上記の範囲内にあると、硬化膜(波長変換膜等)において十分な発光強度が得られ、かつ、パターニング性が優れる傾向にある。本明細書において「硬化性樹脂組成物の固形分」とは、硬化性樹脂組成物に含まれる有機溶剤(D)以外の成分の合計をいう。
〔2〕樹脂(B)
硬化性樹脂組成物は、樹脂(B)を含有する。硬化性樹脂組成物は、樹脂(B)として1種又は2種以上の樹脂を含有することができる。樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性とは、アルカリ化合物の水溶液である現像液に溶解する性質のことをいう。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1]:不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(a)〔以下、「(a)」ともいう。〕と、炭素数2以上4以下の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)〔以下、「(b)」ともいう。〕との共重合体、
樹脂[K2]:(a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)〔以下、「(c)」ともいう。〕との共重合体、
樹脂[K3]:(a)と(c)との共重合体、
樹脂[K4]:(a)と(c)との共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂、
樹脂[K5]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂、
樹脂[K6]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂。
(a)としては、具体的には、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和(メタ)アクリル酸類等が挙げられる。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
(b)は、炭素数2以上4以下の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環(オキソラン環)からなる群より選択される少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、好ましくは、炭素数2以上4以下の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体である。
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)〔以下、「(b1)」ともいう。〕、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)〔以下、「(b2)」ともいう。〕、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)〔以下、「(b3)」ともいう。〕等が挙げられる。
(b1)としては、不飽和脂肪族炭化水素をエポキシ化した構造を有する単量体(b1−1)〔以下、「(b1−1)」ともいう。〕、不飽和脂環式炭化水素をエポキシ化した構造を有する単量体(b1−2)〔以下、「(b1−2)」ともいう。〕が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)は、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。(b2)の好ましい例は、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタンを含む。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)は、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。(b3)の好ましい例は、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(c)の具体例は、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート〔当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」と呼ばれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」と呼ばれることもある。〕、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート〔当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」と呼ばれている。〕、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等
が挙げられる。
中でも、共重合反応性、耐熱性又はパターニング時の現像性等の観点から、(c)は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2モル%以上50モル%以下(より好ましくは10モル%以上45モル%以下)、
(b)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;50モル%以上98モル%以下(より好ましくは55モル%以上90モル%以下)。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記範囲にあると、保存安定性、現像性、得られるパターンの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)(特に(b1))の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に仕込んで、脱酸素雰囲気下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられる。溶剤としては、各単量体を溶解するものであればよく、後述する有機溶剤(D)等を用いてもよい。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;4モル%以上45モル%以下(より好ましくは10モル%以上30モル%以下)、
(b)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;2モル%以上95モル%以下(より好ましくは5モル%以上80モル%以下)、
(c)に由来する構造単位;1モル%以上65モル%以下(より好ましくは5モル%以上60モル%以下)。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記範囲にあると、保存安定性、現像性、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造することができる。具体的には、(a)、(b)(特に(b1))及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、脱酸素雰囲気下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2モル%以上55モル%以下(より好ましくは10モル%以上50モル%以下)、
(c)に由来する構造単位;45モル%以上98モル%以下(より好ましくは50モル%以上90モル%以下)。
樹脂[K3]は、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造することができる。
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2以上4以下の環状エーテル構造、特に(b1)が有するオキシラン環を(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。具体的には、まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(a)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;5モル%以上50モル%以下(より好ましくは10モル%以上45モル%以下)、
(c)に由来する構造単位;50モル%以上95モル%以下(より好ましくは55モル%以上90モル%以下)。
次に、上記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2以上4以下の環状エーテル構造、特に(b1)が有するオキシラン環を反応させる。具体的には、(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)(特に(b1))、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテル構造との反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、60℃以上130℃以下で、1時間以上10時間以下の反応時間で反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。
(b)の使用量、特に(b1)の使用量は、(a)100モルに対して、5モル以上80モル以下であることが好ましく、より好ましくは10モル以上75モル以下である。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテル構造の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
上記反応触媒の使用量は、(a)、(b)(特に(b1))及び(c)の合計量に対して0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましい。上記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)(特に(b1))と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)(特に(b1))及び(c)に由来する構造単位の比率は、上記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下(より好ましくは10モル%以上90モル%以下)、
(c)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下(より好ましくは10モル%以上90モル%以下)。
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)(特に(b1))と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテル構造に、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。上記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)(特に(b1))100モルに対して、5モル以上80モル以下であることが好ましい。環状エーテル構造の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテル構造とカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)は、連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基(−COOH)及び/又はカルボン酸無水物基(−C(=O)−O−C(=O)−)を有する樹脂(B−1)を含むことが好ましい。連結基は、ポリマーの分子主鎖とカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基とを結合させる、直接結合ではない基であり、例えば炭素数1以上の炭化水素基である。該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状構造を含むことができる。また、該炭化水素基に含まれる1以上のメチレン基は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−等で置換されていてもよい。
連結基は、ポリマーの分子主鎖との間で1つの結合を有していてもよいし2以上の結合を有していてもよい。樹脂(B−1)がカルボン酸無水物基を有する場合、連結基は、カルボン酸無水物基との間で2つの結合を有する。
樹脂(B)が樹脂(B−1)を含むことは、硬化性樹脂組成物中における半導体粒子(A)の分散性を高めることに貢献し得る。これは、極性基を有する樹脂はその極性基を介して半導体粒子に配位し得るところ、樹脂(B−1)が有するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基は比較的配位能が高く、この高い配位能に基づく半導体粒子への配位によって半導体粒子(A)の分散性を高める効果がより高くなるためであると考えられる。半導体粒子(A)の高い分散性は、波長変換膜等の硬化膜の表面粗さの低減及びこれによる色ムラの低減、ひいては該硬化膜の発光特性の面内均一性を高めることに貢献し得る。
樹脂(B−1)としては、連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基と、分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基とを有する樹脂(B−1a)、並びに、すべてのカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が、連結基を介して分子主鎖に結合している樹脂(B−1b)が挙げられる。
樹脂(B−1a)は、連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を有する構造単位と、分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を有する構造単位とを含む共重合体であることが好ましい。樹脂(B−1b)は、連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を有する構造単位と、分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を有しない構造単位とを含む共重合体であることが好ましい。
樹脂(B)は、すべてのカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が、分子主鎖に直接結合している樹脂(B−2)を含んでいてもよい。
樹脂(B−1a)、樹脂(B−1b)及び樹脂(B−2)は、上記の不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(a)を単量体として用いることにより調製することができる。(a)として適切な単量体を選択することにより樹脂(B−1a)、樹脂(B−1b)及び樹脂(B−2)のそれぞれを調製することができる。(a)の具体例は上述のとおりであるが、この具体例に限定されるものではない。
連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を樹脂に導入するために、(a)として、例えば、ビニル安息香酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物等を用いることができる。
連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を樹脂に導入するために、(a)として、例えば、下記式(a1)で表される単量体の1種以上を用いることもできる。
Figure 0006630755

[式(a1)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数2〜6のアルカンジイル基若しくは炭素数5〜12のシクロアルカンジイル基を表すか、又はYが水素原子でない場合には該アルカンジイル基から1個の水素原子を引き抜いた3価の基を表す。
は、炭素数2〜6のアルカンジイル基、炭素数5〜12のシクロアルカンジイル基若しくは炭素数5〜12のシクロアルケンジイル基を表すか、又は2価の芳香族基を表す。
Yは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、該アルキル基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−又は−NH−で置換されていてもよい。
、Rにおける炭素数2〜6のアルカンジイル基としては、例えば、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐鎖状アルカンジイル基が挙げられる。
、Rにおける炭素数5〜12のシクロアルカンジイル基としては、例えば、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,4−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘプタン−1,2−ジイル基、シクロヘプタン−1,3−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基、アダマンタン−1,2ジイル基、アダマンタン−1,3ジイル基等が挙げられる。
における炭素数5〜12のシクロアルケンジイル基としては、上記シクロアルカンジイル基の環構造のいずれかの炭素−炭素単結合を炭素−炭素二重結合に置き換えた基が挙げられる。
における2価の芳香族基としては、例えば、ベンゼン−1,2−ジイル基、ベンゼン−1,3−ジイル基、ベンゼン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,2−ジイル基、ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,8−ジイル基、ナフタレン−2,3−ジイル基、ナフタレン−2,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基等が挙げられる。
Yにおける炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
上記式(a1)で表される単量体としては、例えば、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等のジカルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類等が挙げられる。ジカルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類等の上記式(a1)で表される単量体の使用は、半導体粒子(A)の有機溶剤中における分散性の観点から有利である。
分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を樹脂に導入するために、(a)として、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物等を用いることができる。共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点からは、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
樹脂(B)は、下記〔i〕及び〔ii〕:
〔i〕連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基と、分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基とを有する樹脂(B−1a)を含む、
〔ii〕すべてのカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が、連結基を介して分子主鎖に結合している樹脂(B−1b)と、すべてのカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が、分子主鎖に直接結合している樹脂(B−2)とを含む、
のいずれかを満たすことが好ましい。
上記〔i〕及び〔ii〕のいずれか1つ又は両方を満たすことは、硬化性樹脂組成物中における半導体粒子(A)の分散性を高めることに貢献し得るとともに、硬化性樹脂組成物のパターニング性の改善に貢献し得る。
上記〔i〕において樹脂(B)は、樹脂(B−1a)のみを含んでいてもよいし、樹脂(B−1a)及び樹脂(B−1b)を含んでいてもよいし、樹脂(B−1a)及び樹脂(B−2)を含んでいてもよい。
樹脂(B)は、樹脂(B−1)からなることが好ましく、樹脂(B−1)からなり、かつ樹脂(B−1a)を含むことがより好ましい。
樹脂(B)が示す酸価のうち、分子主鎖に直接結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基に基づく酸価Xと、連結基を介して分子主鎖に結合するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基に基づく酸価Yとの割合X/Yは、例えば、(0mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下)/(20mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下)であり、好ましくは(40mg−KOH/g以上100mg−KOH/g以下)/(40mg−KOH/g以上120mg−KOH/g以下)であり、より好ましくは(40mg−KOH/g以上80mg−KOH/g以下)/(60mg−KOH/g以上90mg−KOH/g以下)である。割合X/Yが上記範囲内であると、樹脂(B)の分散性及び硬化性樹脂組成物の現像性(現像速度及びパターニング性)を高め得る。樹脂(B)の高い分散性もまた、波長変換膜等の硬化膜の表面粗さの低減及びこれによる色ムラの低減、ひいては該硬化膜の発光特性の面内均一性を高めることに貢献し得る。
樹脂(B)の酸価は、例えば20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下であり、好ましくは40mg−KOH/g以上170mg−KOH/g以下であり、さらに好ましくは60mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下である。樹脂(B)の酸価が上記の範囲にあることにより、現像性と高い分散性とを両立できる。
酸価は、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いた滴定により求めることができる。
樹脂(B)の溶液酸価は、好ましくは5mg−KOH/g以上180mg−KOH/g以下であり、より好ましくは10mg−KOH/g以上100mg−KOH/g以下であり、さらに好ましくは12mg−KOH/g以上50mg−KOH/g以下である。溶液酸価は、樹脂溶液1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いた滴定により求めることができる。
溶液酸価は、樹脂(B)を所定の溶媒に溶解させて測定した値であり、その溶液の樹脂濃度は例えば10質量%以上50質量%以下である。
樹脂(B)の溶液酸価が前述の範囲にあることで、半導体粒子及び樹脂(B)のいずれもが凝集することなくこれらを混合することができる。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3000以上100000以下であり、より好ましくは5000以上50000以下であり、さらに好ましくは5000以上30000以下である。分子量が上記範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高く、得られるパターンの残膜率や硬度も高い傾向にある。樹脂(B)の分子量分布〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕は、好ましくは1.1以上6以下であり、より好ましくは1.2以上4以下である。
樹脂(B)の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分100質量%中、好ましくは5質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上65質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上60質量%以下である。樹脂(B)の含有量が、上記範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高い傾向がある。
〔3〕重合性化合物(C)
重合性化合物(C)は、光照射等より重合開始剤(E)から発生する活性ラジカル等によって重合し得る化合物であれば、特に限定されず、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。重合性化合物(C)の重量平均分子量は、3000以下であることが好ましい。
中でも、重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物の具体例は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の重合性化合物(C)を含有することができる。重合性化合物(C)の含有量は、硬化性樹脂組成物中の樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは20質量部以上150質量部以下であり、より好ましくは80質量部以上120質量部以下である。
〔4〕有機溶剤(D)
硬化性樹脂組成物は有機溶剤(D)を含む。有機溶剤(D)は、シクロアルカン環と、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)及びカルボニル基(−C(=O)−)からなる群より選択される少なくとも1つの基とを有する有機化合物である有機溶剤(D1)を含む。有機溶剤(D)が有機溶剤(D1)を含むことにより、表面粗さが小さく、これにより色ムラが低減された波長変換膜等の硬化膜を形成することができる。このような有機溶剤(D1)は、樹脂(B)及び半導体粒子(A)のいずれに対しても親和性を有しやすいので、調液工程や製膜工程において、樹脂(B)及び半導体粒子(A)の凝集を防止できるものと考えられる。硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の有機溶剤(D1)を含むことができる。
有機溶剤(D1)は、例えば、下記式(1)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006630755
上記式(1)において、
環Tは、k員環のシクロアルカン環を表す。
kは、3〜12の整数を表す。
及びXは、それぞれ独立に、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−又は−C(=O)−を表す。
は、炭素数1〜12のアルカンジイル基又は炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。
は、単結合、炭素数1〜12のアルカンジイル基又は炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基を表す。
mは、1〜6の整数を表す。
nは、0〜5の整数を表す。
pは、0〜5の整数を表す。
ただし、m+pはk以下である。
上記式(1)で表される有機溶剤(D1)を含むことは、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から有利になり得る。
シクロアルカン環Tを構成する炭素数を表すkは、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは4〜6の整数である。具体的には、シクロアルカン環Tは、好ましくはシクロブタン環、シクロヘプタン環、シクロヘキサン環である。
は、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルカンジイル基又は炭素数3〜6のシクロアルカンジイル基を表し、より好ましくは炭素数1〜3のアルカンジイル基又は炭素数4〜6のシクロアルカンジイル基を表す。アルカンジイル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
炭素数1〜6のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
炭素数3〜6のシクロアルカンジイル基としては、シクロプロパン−1,3−ジイル基、シクロブタン−2,2−ジイル基、シクロペンタン−1,5−ジイル基、シクロヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
及びAにおける炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状の1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基等が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の1価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の1価の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素基と1価の脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜12の1価の炭化水素基は、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
は、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは単結合、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は炭素数3〜6のシクロアルカンジイル基を表し、より好ましくは単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基又は炭素数4〜6のシクロアルカンジイル基を表す。アルカンジイル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
炭素数1〜6のアルカンジイル基及び炭素数3〜6のシクロアルカンジイル基の具体例は、Aについて例示した具体例と同様である。
〜Aに含まれる炭素数の合計は、通常1〜24であり、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは1〜12である。
mは、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは1〜3の整数を表し、より好ましくは1〜2の整数を表す。
nは、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは0〜3の整数を表し、より好ましくは0〜1の整数を表す。
pは、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、好ましくは0〜3の整数を表す。
有機溶剤(D1)は、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−及び−C(=O)−からなる群より選択される同じ基を2以上有していてもよく、上記群より選択される互いに異なる基を2以上有していてもよい。
有機溶剤(D1)としては、エステル溶剤(シクロアルキル環及び−C(=O)−O−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(シクロアルカン環と−O−とを含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(シクロアルカン環と、−O−C(=O)−及び/又は−C(=O)−O−と、−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(シクロアルカン環と、−C(=O)−とを含む溶剤)等が挙げられる。
エステル溶剤としては、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−メチルシクロヘキシル、プロピオン酸シクロヘキシル、酢酸cis−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、酢酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、酪酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸イソプロピル、シクロヘキシル酢酸エチル等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、メトキシシクロヘキサン、エトキシシクロヘキサン、プロポキシシクロヘキサン、1−メトキシ−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ジイソプロポキシシクロヘキサン等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、2−エトキシシクロヘキサンカルボン酸エチル等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、ジシクロヘキシルケトン、3−シクロヘキシル−3−オキソプロピオン酸エチル、シクロへキシルフェニルケトン等が挙げられる。
中でも、有機溶剤(D1)は、色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、酢酸cis−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、酢酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸イソプロピル、1−メトキシ−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ジイソプロポキシシクロヘキサン、ジシクロヘキシルケトン、3−シクロヘキシル−3−オキソプロピオン酸エチル及びシクロへキシルフェニルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含むことが好ましく、酢酸シクロヘキシル及びシクロヘキサンカルボン酸イソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
有機溶剤(D)は、有機溶剤(D1)以外の有機溶剤である有機溶剤(D2)を含むことができる。硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の有機溶剤(D2)を含むことができる。有機溶剤(D2)としては、エステル溶剤(−C(=O)−O−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(−O−を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(−C(=O)−O−と−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(−C(=O)−を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機溶剤(D2)は、シクロアルキル環に含まれる少なくとも1つのメチレン基が−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、及び−NH−等から選択される基で置換されていること以外は有機溶剤(D1)と同じ構造を有する化合物であってもよい。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
有機溶剤(D2)は、硬化性樹脂組成物の塗布性、乾燥性の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール及び3−エトキシプロピオン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
有機溶剤(D)は、有機溶剤(D1)のみを含んでいてもよいし、有機溶剤(D1)と有機溶剤(D2)とを含んでいてもよい。色ムラ低減の観点及び/又は硬化性樹脂組成物のパターニング性を高める観点から、有機溶剤(D1)の含有量は、有機溶剤(D)100質量%中、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。
有機溶剤(D)の含有量は、硬化性樹脂組成物100質量%中、好ましくは60質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは65質量%以上92質量%以下である。言い換えると、硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは8質量%以上35質量%以下である。有機溶剤(D)の含有量が上記範囲にあると、硬化性樹脂組成物の塗布性及び塗布時の平坦性が良好になる傾向があり、また波長変換膜等の硬化膜の発光特性が良好となる傾向がある。
〔5〕重合開始剤(E)
硬化性樹脂組成物は、重合開始剤(E)を含むことができる。重合開始剤(E)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始し得る化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(E)としては、O−アシルオキシム化合物等のオキシム系化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。重合開始剤(E)は、感度や、パターニング性等を考慮して、2種以上を併用してもよい。重合開始剤(E)は、感度及び所望の線幅を有するパターン形状を精密に作り込むうえで有利であることから、O−アシルオキシム化合物等のオキシム系化合物を含むことが好ましい。
O−アシルオキシム化合物は、下記式(d)で表される構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
Figure 0006630755
このようなO−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセチルオキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニルスルファニルフェニル]プロパン−1−オン−2−イミン、N−アセチルオキシ−1−[4−(1−メチル−2−メトキシエトキシ)−2−メチルフェニル]−1−(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)メタン−1−イミン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、同OXE02、同OXE03(以上、BASF社製)、N−1919、NCI−930、NCI−831(以上、ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。これらのO−アシルオキシム化合物は、リソグラフィ性能を向上させ得る点で有利である。
アルキルフェノン化合物は、下記式(d4)で表される部分構造又は下記式(d5)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
Figure 0006630755
式(d4)で表される構造を有する化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)369、同907、同379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d5)で表される構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d4)で表される構造を有する化合物が好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物又はこれらの混合物が好ましい。
Figure 0006630755
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
さらに重合開始剤(E)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(E1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
重合開始剤(E)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤(E)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上25質量部以下であり、さらに好ましくは1質量部以上20質量部以下である。重合開始剤(E)の含有量が上記範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるため、波長変換膜等の硬化膜の生産性が向上する傾向にある。
〔6〕重合開始助剤(E1)
硬化性樹脂組成物は、重合開始助剤(E1)を含むことができる。重合開始助剤(E1)は、重合開始剤(E)によって重合が開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(E1)を含む場合、重合開始剤(E)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(E1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。中でも、チオキサントン化合物が好ましい。重合開始助剤(E1)は、2種以上を併用してもよい。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
重合開始助剤(E1)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。重合開始助剤(E1)の含有量が上記範囲内にあると、波長変換膜等の硬化膜の生産性をさらに向上させ得る。
〔7〕レベリング剤(F)
硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上のレベリング剤(F)を含むことができる。レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
レベリング剤(F)の含有量は、硬化性樹脂組成物100質量%中、通常0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.05質量%以下である。
〔8〕酸化防止剤(G)
硬化性樹脂組成物の耐熱性及び耐光性を向上させる観点から、硬化性樹脂組成物は、酸化防止剤(G)を含有することができる。酸化防止剤(G)としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。酸化防止剤(G)は、2種以上を併用してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス(登録商標)1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1076(Irganox 1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、同1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASF(株)製)、同3114(Irganox 3114:1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、同3790(Irganox 3790:1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、同1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、同1520L(Irganox 1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASF(株)製)、同3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、同565(Irganox 565:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’、5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)AO−80(アデカスタブ AO−80:3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザー(登録商標)BHT、同GA−80、同GS(以上、住友化学(株)製)、サイアノックス(登録商標)1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)及びビタミンE(エーザイ(株)製)等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、イルガフォス(登録商標)168(Irgafos 168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、同12(Irgafos 12:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、同38(Irgafos 38:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)329K、同PEP36、同PEP−8(以上、(株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、Weston(登録商標)618、同619G(以上、GE社製)、Ultranox626(GE社製)及びスミライザー(登録商標)GP(6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリール等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物等が挙げられる。
〔9〕その他の成分
硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、樹脂(B)以外の高分子化合物、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミン化合物、チオール化合物、硬化剤、光散乱剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
充填剤としては、ガラス、シリカ、アルミナ等が挙げられる。樹脂(B)以外の高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル及びポリフロロアルキルアクリレート等が挙げられる。
密着促進剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系化合物;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール等のトリアジン系化合物;等が挙げられる。凝集防止剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
硬化剤としては、加熱されることによって樹脂(B)中のカルボキシ基と反応して樹脂(B)を架橋することができる化合物、単独で重合して硬化し得る化合物等が挙げられ、エポキシ化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
光散乱剤としては、金属又は金属酸化物の粒子、ガラス粒子等を挙げることができる。金属酸化物としては、TiO、SiO、BaTiO、ZnO等を挙げることができる。光散乱剤の粒子径は、例えば0.03μm以上20μm以下程度であり、好ましくは0.05μm以上1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上300μm以下である。光散乱剤の含有量は、硬化性樹脂組成物100質量%中、通常0.001質量%以上50質量%以下であり、好ましくは1質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
<硬化性樹脂組成物の調製方法>
硬化性樹脂組成物は、半導体粒子(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び有機溶剤(D)、並びに必要に応じて使用される他の成分を混合することにより調製することができる。
半導体粒子(A)としての配位子含有半導体粒子は、例えば、有機配位子が配位している半導体粒子を用意又は調製し、次いで、上記半導体粒子に対する有機配位子の配位量を低減させる配位子低減処理を施したものであってもよい。配位子低減処理は、例えば、半導体粒子に配位している有機配位子を適切な溶剤に抽出させる処理であることができる。
<硬化膜、パターニングされた硬化膜、波長変換膜及び表示装置>
硬化性樹脂組成物からなる膜(層)を硬化させることによって硬化膜を得ることができる。この際、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等の方法によってパターニングすることによりパターニングされた硬化膜を得ることができる。硬化膜又はパターニングされた硬化膜は、入射する光の波長とは異なる波長の光を出射する波長変換膜(波長変換フィルタ)として好適に用いることができる。波長変換膜は、液晶表示装置、有機EL装置等の表示装置に好適に用いることができる。パターニング方法は、フォトリソグラフィ法であることが好ましい。フォトリソグラフィ法は、硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて硬化性樹脂組成物層を形成し、フォトマスクを介して該硬化性樹脂組成物層を露光して、現像する方法である。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、上記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したもの等を用いることができる。
フォトリソグラフィ法によるパターニングされた硬化膜の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができ、例えば次のようにして形成することができる。まず、硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、硬化性樹脂組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上110℃以下がより好ましい。加熱時間は、10秒間以上10分間以下であることが好ましく、30秒間以上5分間以下であることがより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50Pa以上150Pa以下の圧力下、20℃以上25℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。硬化性樹脂組成物層の膜厚は、特に限定されず、所望の波長変換膜等の硬化膜の膜厚に応じて適宜選択することができる。
次に、硬化性樹脂組成物層は、所望のパターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。露光に用いられる光源としては、250nm以上450nm以下の波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。光源としては、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光には、露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと硬化性樹脂組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
露光後の硬化性樹脂組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に硬化性樹脂組成物層のパターンが形成される。現像により、硬化性樹脂組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液は、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液であることが好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上5質量%以下である。現像液は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。現像方法としては、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等が挙げられる。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた硬化性樹脂組成物層のパターンは、ポストベークされることが好ましい。ポストベーク温度は、60℃以上250℃以下であることが好ましく、110℃以上240℃以下であることがより好ましい。ポストベーク時間は、1分間以上120分間以下であることが好ましく、10分間以上60分間以下であることがより好ましい。ポストベーク後の硬化膜の膜厚は、例えば1μm以上10μm以下であり、好ましくは3μm以上10μm以下である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
<製造例A〜E:配位子含有半導体粒子分散液a〜eの作製>
(1)半導体量子ドットの準備
半導体量子ドットとして、InP(コア)/ZnS(第1シェル)/ZnS(第2シェル)の構造を有するコアシェル型半導体量子ドットINP530〔NN−LABS社製〕を使用した。この半導体量子ドットの表面にはオレイルアミンが配位している。
(2)溶媒置換処理
次に、上記の半導体量子ドット(QD)について、次の手順で溶媒置換処理を行った。まず、上記(1)のQDを含む分散液1容量部にヘキサン2容量部を加えて希釈した。その後、エタノール30容量部を添加してQDを沈殿させ、遠心分離処理を行った。上澄み液を除去し、ヘキサン3容量部を加えてQDを再分散させた。このような処理(エタノール添加による沈殿→遠心分離→上澄み液除去→ヘキサン添加による再分散)を合計3回行った。ただし、3回目の再分散時には、ヘキサンではなく下記の表1に示される溶剤をQD(オレイルアミン配位子を含む)の濃度が9.5質量%となるようにそれぞれ添加し、QD分散液−a〜eを得た。
Figure 0006630755
<製造例F:樹脂(B)を含む溶液の調製>
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100部を仕込んで窒素置換した。70℃で撹拌しながら、同温度でメチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)7.6部、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成株式会社製「ファンクリル FA−513M」)5.6部、メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)2.7部、コハク酸1−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](シグマアルドリッチジャパン合同会社製)6.4部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製)2.1部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)〔PEMP〕(SC有機化学株式会社製)1.4質量部及びPGMEA100部の混合溶液を30分かけて滴下し、同温度で2時間重合反応を行った。反応溶液を室温まで徐冷後、エタノールに滴下し、沈殿物をろ過回収し、40℃の真空乾燥機で乾燥させた。得られた白色粉末40部をPGMEA60部に溶解して、樹脂溶液−aを得た(樹脂濃度:40質量%)。得られた樹脂の重量平均分子量は17000であった(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレン換算値)。仕込み量に基づいて、得られた樹脂固形分の酸価はX/Y=80/70(mg−KOH/g)と算出された。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
表2に示されるQD分散液52.7部、及び製造例Fで得られた樹脂溶液−a 27.7部をフラスコに入れ、50℃で12時間加熱撹拌した。その後、室温まで放冷して、QD及び樹脂を含有する液を得た。
次いで、重合性化合物(C−1)3.7部、重合性化合物(C−2)3.7部、重合開始剤(E−1)0.7部、酸化防止剤(G−1)0.7部、レベリング剤(F−1)を10質量%濃度で含むPGMEA溶液0.3部及び溶剤(D−1)10.5部を混合した。得られた混合液を上述のQD及び樹脂を含有する液に加え、撹拌混合して、硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物の固形分濃度は25質量%である。使用した配合成分の種類及びそれらの使用量を表2にまとめた。表2において、使用量の単位は質量部である。
Figure 0006630755
表2に示される配合成分の詳細は次のとおりである。
〔1〕重合性化合物(C−1):プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル ATM−4PL」)、
〔2〕重合性化合物(C−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル A−TMM−3LM−N」)、
〔3〕重合開始剤(E−1):株式会社ADEKA製のO−アシルオキシム系重合開始剤「NCI−930」、
〔4〕溶剤(D−1):PGMEA、
〔5〕レベリング剤(F−1):東レ・ダウコーニング株式会社製のポリエーテル変性シリコーンオイル系レベリング剤「トーレシリコーンSH8400」、
〔6〕酸化防止剤(G−1):住友化学株式会社製のフェノールリン系酸化防止剤「スミライザー(登録商標)GP」。
[評価試験]
ガラス基板に0.45mLの硬化性樹脂組成物を滴下し、150rpm、20秒の条件でスピンコートを行った後、100℃、3分間の条件で乾燥(プリベーク)させて硬化性樹脂組成物層を形成した。次いで、オーブン中、230℃で20分間ポストベークを行い、硬化膜を得た。硬化膜の膜厚はいずれも5μm以上6μm以下であった。得られた硬化膜について次の評価試験を行った。
(1)表面粗さ
硬化膜の粗さ(Sa:算術平均高さ)をレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製の「3D Measuring Laser Microscope OLS4100」)を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
○:Saが1.0μm以下、
×:Saが1.0μm超。
(2)色ムラ
硬化膜の表面を目視で観察し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
○:目視で色ムラが確認されない、
×:目視で色ムラが確認される。
(3)QY保持率
浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置「C9920−02G」を用いて、実施例1の硬化性樹脂組成物の塗布膜(硬化前)の量子収率を測定した。また、同装置を用いて、硬化性樹脂組成物から形成された硬化膜(ポストベーク後)の量子収率を測定した。これらの測定結果から、硬化性樹脂組成物(硬化前)の量子収率を100%としたときの、該硬化性樹脂組成物から形成される硬化膜(ポストベーク後)の量子収率(%)であるQY保持率を算出した。
QY保持率は87%であり、良好な波長変換特性を示した。
(4)パターニング特性
ガラス基板に実施例1で調製した硬化性樹脂組成物を0.45mL滴下し、150rpm、20秒の条件でスピンコートを行った後、100℃、3分間の条件で乾燥(プリベーク)させて硬化性樹脂組成物層を形成した。次いで、線幅が50μmであるラインアンドスペースパターンを有するフォトマスクを用いて、大気雰囲気下、40mJ/cmの露光量(365nm基準)でパターン露光を行った。基板とフォトマスクとの距離は120μmとした。パターン露光後の硬化性樹脂組成物層を、水酸化カリウムの濃度が0.04質量%である水系現像液に23℃で70秒間浸漬し、水洗後、オーブン中、230℃で20分間ポストベークを行い、パターニングされた硬化膜を得た。
硬化膜の膜厚は5μm、線幅は54μmであり、良好なパターニング特性を示した。

Claims (3)

  1. 有機配位子が配位した半導体粒子(A)である配位子含有半導体粒子が有機溶剤(D1)に分散された分散液、樹脂(B)、及び重合性化合物(C)を混合してなる硬化性樹脂組成物であって
    前記有機配位子は、極性基を有する分子量50以上500以下の有機化合物であり、
    前記樹脂(B)はアルカリ可溶性樹脂であり、
    前記重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物であり、
    前記有機溶剤(D)は、分子内に、シクロアルカン環と、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−及び−C(=O)−からなる群より選択される少なくとも1つの基とを有する化合物を含む
    前記極性基は、チオール基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、
    前記硬化性樹脂組成物100質量%中、前記有機溶剤(D1)を含む有機溶剤(D)の含有量は60質量%以上95質量%以下である、硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物から形成される、硬化膜。
  3. 請求項2に記載の硬化膜を含む、表示装置。
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