JP6630355B2 - フルオロエラストマー組成物 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年10月31日出願の欧州特許出願第14191326.9号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、ある種のフルオロエラストマー硬化性ブレンドに、造形品を製造するためのそれの使用方法に及びそれからの硬化品に関する。
フルオロエラストマーは、化学プロセス産業(CPI)においてOリング、バルブ軸シール、シャフトシール、ガスケット及びホースを包含する多様な範囲の用途を持った高性能クラスの材料である。
フルオロエラストマーから作られた最終加硫部品の特性は、用いられる硬化システムに大きく影響を受け、過酸化物ベースの硬化は、ビスフェノールベースのイオン硬化よりも高い性能をもたらすと考えられていることもまた理解される。
過酸化物ベースの硬化では、過酸化物は、主鎖の繰り返し単位中のペンダント基としてか末端基としてかのどちらかで、ラジカル条件下に反応可能なある種の硬化部位を含むフルオロエラストマーに、及び多官能性不飽和化合物に添加される。熱の影響下で、過酸化物は、硬化部位によって活性化されたフルオロエラストマー鎖と、化学的に相互連結されたポリマー鎖を持った硬化塊を生成するための多官能性不飽和化合物との反応を促進するラジカルを発生させる。
それにもかかわらず、高い熱定格の達成は、過酸化物ベースの調合物を使用する場合でさえも、依然としてやりがいのある目標である。
この分野では、それ故に、特性、より具体的には高い熱安定性及び傑出した耐水蒸気性の有利なバランスを提供する、かつ、妥当なコストで容易にアクセスできるフルオロエラストマー硬化性ブレンドが継続的に探究されている。
国際公開第95/02634号パンフレット(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY)1995年1月26日は、抽出可能な金属種の濃度が低いフルオロエラストマー組成物を開示している。フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーであっても、フッ化ビニリデンベースのフルオロエラストマーであってもよく;コンパウンドは、それを、有機過酸化物、架橋助剤及び、とりわけ、オクダデシルアミンであってもよい、有機酸受容体と組み合わせる、過酸化物ルートによって硬化させられる。実施例5及び6は、0.5phrのオクタデシルアミンと更に配合された、38%パーフルオロメチルビニルエーテル、35%フッ化ビニリデン、26%テトラフルオロエチレン、1%4−ブロモトリフルオロ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン、及びヨウ素の組成を有するコポリマーをベースとする過酸化物硬化性コンパウンドに関する。実施例7は、0.5phrのオクタデシルアミンと更に配合された、50%フッ化ビニリデン、29%ヘキサフルオロプロピレン、20%テトラフルオロエチレン、0.6%4−ブロモトリフルオロ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン、及び0.2%ヨウ素の組成を有するコポリマーをベースとする過酸化物硬化性コンパウンドに関する。全てのこれらの実施例において、使用されたフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンに由来するかなりの量の繰り返し単位を含み、その結果、高温での塩基に対する感受性が、アミンが熱定格に良い影響を及ぼすことを妨げる、重要な現象である。
国際公開第2012/049093号パンフレット(SOLVAY SPECIALTY POLYMERS ITALY,S.P.A.)2012年4月19日は、過酸化物ルートによって硬化し、そしてとりわけ1,8−ジメチルアミノナフタレン及びオクタデシルアミンのような酸受容体と硬化性コンパウンド中で組み合わせられてもよい、VDFに由来する少なくとも35モル%の繰り返し単位を含むヨウ素含有VDF/HFP/TFEフルオロエラストメリックコポリマーを開示している。
本出願人は、所与の量での、架橋剤とある種の有機塩基性化合物とのある特定の組み合わせが、きちんと定められた量の水素化されたシーケンスを有し、そしてビニルエーテル型のフルオロモノマーに由来する繰り返し単位を含むある種のフルオロエラストマーの過酸化物硬化に有効であり、かつ、耐熱性と利用可能性/コストとの特に有利なバランスを有する硬化ゴムを提供し、その結果、高温格付けの目標性能が競争力のあるコストでこの硬化法の使用によって達成できることを今見いだした。
従って、本発明は、
− 少なくとも1つのフルオロエラストマー[パーフルオロエラストマー(A)]であって、前記フルオロエラストマー(A)が、ヨウ素及び/又は臭素原子を含み、且つ、以下:
− テトラフルオロエチレン(TFE)に由来する繰り返し単位;

− 式CF=CFORf1(式中、Rf1は、C〜Cパーフルオロアルキル、例えば−CF、−C、−Cである)に従うパーフルオロアルキルビニルエーテル(このタイプのモノマーは、本明細書では以下、PAVEと言われる);
− 式CF=CFOX[式中、Xは、(i)1個若しくは複数個のエーテル基を有するC〜C12パーフルオロオキシアルキル、例えば−C−O−CF;又は(ii)式−CFORf2(式中、Rf2は、C〜Cパーフルオロアルキル、例えば−CF、−C、−Cである)の基であり得る]に従うパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(このタイプのモノマーは、本明細書では以下、MOVEと言われる)
からなる群から選択される少なくとも1つの過フッ素化モノマーに由来する繰り返し単位;
− 繰り返し単位の総モルに対して、30モル%以下の量でのフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位;
− 任意選択的に、5モル%以下の量での、少なくとも1つの過フッ素化C〜Cアルファ−オレフィンに由来する繰り返し単位;
− 任意選択的に、10モル%以下の量での、少なくとも1つのフッ素を含まないアルファ−オレフィンに由来する繰り返し単位
を含む骨格を有するフルオロエラストマーと;
− 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.5〜5重量部の少なくとも1つのポリ不飽和化合物と;
− 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.1〜3重量部の少なくとも1つの有機過酸化物と;
− 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.1〜3重量部の、
(i)非芳香族第一級アミン又はアミドであって、一般式(B1m)又は(B1d):
bm−[C(O)]−NH(B1m)
N−[C(O)]t’−Rdm−[C(O)]t’’−NH(B1d)
(式中:
− 互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、t、t’及びt’’のそれぞれは、ゼロ又は1であり;
− Rbmは、12〜30個の炭素原子を有する一価の炭化水素非芳香族基であり;
− Rbmは、6〜30個の炭素原子を有する二価の炭化水素非芳香族基である)
に従う非芳香族第一級アミン又はアミド;並びに
(ii)脂環式第二級若しくは第三級アミンであって、一般式(B2m)又は(B2d):
(式中:
− Cyは、少なくとも4個の炭素原子を含み、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を任意選択的に含み、そして1個若しくは複数個のカテナリー窒素原子を任意選択的に含み、これに結合している窒素原子と環を形成する二価の脂肪族基を表し;
− Cy’は、少なくとも5個の炭素原子を含み、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を任意選択的に含み、そして1個若しくは複数個のカテナリー窒素原子を任意選択的に含み、これに結合している窒素原子と環を形成する三価の脂肪族基を表す)
に従う脂環式第二級若しくは第三級アミン
からなる群から選択される少なくとも1つの有機塩基[塩基(B)]と
を含むフルオロエラストマー組成物に関する。
本出願人は意外にも、過酸化物硬化性フルオロエラストマー調合物での、上に詳述されたような、有機塩基(B)の使用が、VDFに由来する、そして塩基性媒体中で脱フッ化水素現象を場合により受けることを別の状況では知られている式−CH−CF−の部分がフルオロエラストマー(A)生ゴムの骨格中に存在するにもかかわらず、かつ、Rがパーフルオロ(オキシ)アルキルである、塩基触媒分解現象を受けると一般に知られている式−CF−CF(OR)−の部分が存在するにもかかわらず、十分な硬化速度と、特に高温での、傑出した機械的特性及び密封特性と、優れた耐水蒸気性とを確保するのにそれでもなお有効であることを見いだした。
式(B1m)及び(B1d)の塩基の中で、式中:
− Rbmが、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を場合により含む、12〜30個の炭素原子を有する一価の脂肪族線状基であり;そして
− Rbmが、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を場合により含む、6〜30個の炭素原子を有する二価の脂肪族線状基である
ものが特に好ましい。
前記非芳香族第一級アミン又はアミドの中に、
− 式CH(CH17−NHのオクダデシルアミン;
− 式HN−C(O)−(CH11−CH=CH−(CHCHのエルカアミド;
− 式HN−C(O)−(CH−CH=CH−(CHCHのオレアミド;
− 式HN−(CH−NHのヘキサメチレンジアミン
を特に挙げることができる。
前記脂環式第二級若しくは第三級アミンの中に、
− 式:
の1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)
を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物に使用することができるポリ不飽和化合物は、2個以上の炭素−炭素二重結合を含む化合物である。
好適なポリ不飽和化合物はとりわけ、少なくとも2個の、ある種の実施形態では少なくとも3個の炭素−炭素二重結合を含む化合物である。
alがH又はメチルである、式−CH(Ral)−CH=CHの(メタ)アリル基を含むポリ不飽和化合物を使用することができ;その例示的な実施形態はとりわけ、トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート(TAIC);トリ(メタリル)イソシアヌレート;トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン;トリアリルホスファイト:N,N−ジアリルアクリルアミド;ヘキサアリルホスホルアミド;N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド;N,N,N’,N’−テトラアリルテレフタルアミドである。
他の実施形態によれば、式−CH=CHのビニル基を含むポリ不飽和化合物を使用することができ;その例示的な実施形態はとりわけ、トリビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサンである。
ある種の実施形態によれば、ポリ不飽和化合物は、一般式:
[式中、互いに等しいか若しくは異なる、R、R、R、R、R及びRは、H、ハロゲン、又は1つ若しくは複数の酸素基を場合により含む、C〜Cの任意選択的にハロゲン化された基であり;Zは、酸素原子を任意選択的に含有する、線状若しくは分岐のC〜C18の任意選択的にハロゲン化されたアルキレン若しくはシクロアルキレンラジカル、又は(パー)フルオロポリオキシアルキレンラジカルである]
を有するビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]からなる群から選択される。
ビス−オレフィン(OF)は好ましくは、式(OF−1)、(OF−2)及び(OF−3):
(OF−1)
[式中、jは、2〜10、好ましくは4〜8の整数であり、互いに等しいか若しくは異なる、R1、R2、R3、R4は、H、F又はC1〜5アルキル若しくは(パー)フルオロアルキル基である];
(OF−2)
[式中、互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、Aのそれぞれは独立して、F、Cl、及びHから選択され;互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、Bのそれぞれは独立して、F、Cl、H及びOR(ここで、Rは、部分的に、実質的に又は完全にフッ化若しくは塩素化され得る分岐若しくは直鎖のアルキルラジカルである)から選択され;Eは、エーテル結合が挿入されていてもよい、任意選択的にフッ素化された、2〜10個の炭素原子を有する二価の基であり;好ましくはEは、mが3〜5の整数である、−(CF−基であり;(OF−2)タイプの好ましいビス−オレフィンは、FC=CF−O−(CF−O−CF=CFである];
(OF−3)
[式中、E、A及びBは、上で定義されたのと同じ意味を有し;互いに等しいか若しくは異なる、R5、R6、R7は、H、F又はC1〜5アルキル若しくは(パー)フルオロアルキル基である]
に従うものからなる群から選択される。
ビス−オレフィン(OF)はより好ましくは、上に詳述されたような、式(OF1)の化合物、更により好ましくは、nが4〜6の範囲の整数である、式CH=CH−(CF−CH=CHの化合物である。
多官能性化合物の量は、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり0.5〜5重量部の範囲である。
十分な架橋の取得を可能にするためには、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり少なくとも1重量部、好ましくは1.2重量部の量の多官能性化合物を組成物中に有することが一般に好ましい。
更に、多官能性化合物の有用な量は、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり一般に5重量部未満、より好ましくは4重量部未満、更により好ましくは3重量部未満である。
本発明の目的のためには、用語「フルオロエラストマー」[フルオロエラストマー(A)]は、真のエラストマーを得るための基礎成分として働くフルオロポリマー樹脂を意味することを意図する。
真のエラストマーは、それらの固有の長さの2倍まで、室温で、引き伸ばすことができ、そして5分間張力下にそれらを保持した後にそれらを解放してしまうとすぐに、同時にそれらの最初の長さの10%以内に戻る材料とASTM,Special Technical Bulletin,No.184標準によって定義されている。
フルオロエラストマー(A)は、一般に非晶質生成物であるか、又は低い程度の結晶化度(20体積%未満の結晶相)及び室温よりも下のガラス転移温度(T)を有する生成物である。ほとんどの場合、フルオロエラストマー(A)は、有利には10℃よりも下、好ましくは5℃よりも下、より好ましくは0℃よりも下のTを有する。
フッ素を含まないアルファ−オレフィンは一般に、エチレン(E)、プロピレン(P)、1−ブテン、1−ヘキセンからなる群から選択され、Eが一般に好ましい。
過フッ素化C〜Cアルファ−オレフィンは一般に、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ−1−ブテンからなる群から選択され、HFPが一般に好ましい。
フルオロエラストマー(A)は好ましくは、
− 30〜70モル%の量でのTFEに由来する繰り返し単位;
− 25〜40モル%の量での、上に詳述されたような、PAVE及びMOVEモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの過フッ素化モノマーに由来する繰り返し単位;
− 1〜25モル%の量でのVDFに由来する繰り返し単位;
− 任意選択的に、0〜5モル%の量でのエチレン(E)に由来する繰り返し単位;
− 任意選択的に、0〜5モル%の量でのヘキサフルオロプロピレン(HFP)に由来する繰り返し単位;
− 任意選択的に、上に詳述されたような、同じ特徴を有する少なくとも1つのビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]に由来する繰り返し単位
含む(好ましくはそれらから本質的になる)骨格を有するものの中から選択される。
ビス−オレフィン(OF)は、0〜5モル%の量でフルオロエラストマー骨格中に存在することができ;存在する場合、その量は、一般に0.01〜3モル%の、好ましくは0.1〜2モル%である。
欠陥又は他の不純物は、フルオロエラストマー(A)中にこれがその特性に実質的に影響を及ぼすことなく含まれ得る。
本発明の目的に好適なフルオロエラストマー(A)の具体的なモノマー組成の中に、以下のモノマー組成(モル%単位での):
(i)テトラフルオロエチレン(TFE)40〜65%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜50%、フッ化ビニリデン(VDF):10〜25%;ビス−オレフィン(OF):0〜5%;ヘキサフルオロプロピレン(HFP):0〜5%;
(ii)テトラフルオロエチレン(TFE)40〜65%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜45%、フッ化ビニリデン(VDF):10〜25%;エチレン(E):1〜5%;ビス−オレフィン(OF)0〜5%;ヘキサフルオロプロピレン(HFP):0〜5%
を有するフルオロエラストマーを挙げることができる。
フルオロエラストマー(A)は、乳化重合若しくはマイクロエマルジョン重合、懸濁重合若しくはミクロ懸濁重合、バルク重合及び溶液重合などの、任意の公知の方法によって製造することができる。
本発明のある種の好ましい実施形態によれば、フルオロエラストマー(A)は、ヨウ素及び/又は臭素原子を含み;ヨウ素/臭素の中での選択は、それらが硬化において十分な反応性を確保するという条件で、特に決定的に重要であるわけではない。それにもかかわらず、ヨウ素が一般に好ましい。
これらのヨウ素又は臭素原子は、(ヨウ素及び/又は臭素原子を有するモノマーに由来する繰り返し単位(硬化部位含有繰り返し単位と言われる)のフルオロエラストマー(A)鎖への組み込みによってフルオロエラストマー(A)ポリマー鎖の骨格に結合したペンダント基としてフルオロエラストマー(A)中に含まれ得る、及び/又は前記ポリマー鎖の末端基として含まれ得る。
硬化部位含有繰り返し単位の中に、とりわけ、式:
[式中、互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、AHfのそれぞれは独立して、F、及びClから選択され;BHfは、F、Cl、及びORHf (ここで、RHf は、分岐若しくは直鎖のパーフルオロアルキルラジカルである)のいずれかであり;互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なるWHfのそれぞれは独立して、共有結合又は酸素原子であり;EHfは、2〜10個の炭素原子を有する過フッ素化された二価の基であり;RHfは、分岐若しくは直鎖の過フッ素化アルキルラジカルであり;XHfは、ヨウ素及び臭素からなる群から選択されるハロゲン原子である]
の(CSM−1)ヨウ素又は臭素含有モノマーを挙げることができる。
タイプ(CSM1)の硬化部位含有モノマーの中で、好ましいモノマーは、
(CSM1−A)式:
(式中、mは、0〜5の整数であり、nは、0〜3の整数であり、ただし、m及びnの少なくとも1つは、0とは異なり、Rfiは、F又はCFである)
のヨウ素含有パーフルオロビニルエーテル(米国特許第4,745,165号明細書(AUSIMONT SPA)1988年5月17日、米国特許第4,564,662号明細書(MINNESOTA MINING&MFG[US])1986年1月14日及び欧州特許出願公開第199138A号明細書(ダイキン工業株式会社)1986年10月29日にとりわけ記載されているような);並びに
(CSM−1B)式:
CF=CF−(CFCF−I
(式中、pは、1〜5の整数である)
のヨウ素含有エチレン性不飽和化合物;
(CSM−1C)例えば、米国特許第4,035,565号明細書(DU PONT)1977年7月12日に記載されている、ブロモトリフルオロエチレン若しくはブロモテトラフルオロブテンなどの2〜10個の炭素原子を含有するブロモ及び/又はヨードアルファ−オレフィン、又は米国特許第4,694,045号明細書(DU PONT)1987年9月15日に開示されている他の化合物ブロモ及び/又はヨードアルファ−オレフィン
からなる群から選択されるものである。
第1実施形態によれば、ヨウ素及び/又は臭素原子は、パーフルオロエラストマーポリマー鎖の骨格に結合したペンディング基として含まれる。この実施形態によるパーフルオロエラストマーは一般に、十分な硬化速度及び架橋密度を達成する要件を満たすためのヨウ素及び/又は臭素重量含有量を有利に確保するように、パーフルオロエラストマー(A)の全ての他の繰り返し単位の100モル当たり0.05〜5モルの量でヨウ素又は臭素含有モノマー(CSM−1)に由来する繰り返し単位を含む。
第2の好ましい実施形態によれば、ヨウ素及び/又は臭素原子は、パーフルオロエラストマー(A)の末端基として含まれ;この実施形態によるパーフルオロエラストマーは一般に、
− ヨウ素化及び/又は臭素化連鎖移動剤;好適な鎖−鎖移動剤は典型的には、式R(I)(Br)[式中、Rは、1〜8個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル又は(パー)フルオロクロロアルキルであり、一方、x及びyは、1≦x+y≦2で、0〜2の整数である]のものである(例えば、米国特許第4,243,770号明細書(ダイキン工業株式会社)1981年1月6日及び米国特許第4,943,622号明細書(日本メクトロン株式会社)1990年7月24日を参照されたい);並びに
− とりわけ米国特許第5,173,553号明細書(AUSIMONT SRL)1992年12月22日に記載されているなどの、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属ヨウ化物及び/又は臭化物
のいずれかを、パーフルオロエラストマー製造中に重合媒体に添加することによって得られる。
本発明のパーフルオロエラストマー(A)は有利には、パーフルオロエラストマー(A)の総重量に対して、0.001〜10重量%の量でヨウ素及び/又は臭素原子を含む。
この実施形態によれば、許容される反応性を確保するために、パーフルオロエラストマー(A)中のヨウ素及び/又は臭素の含有量が、パーフルオロエラストマー(A)の総重量に対して、少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.15重量%であるべきであることは一般に理解される。
他方、パーフルオロエラストマー(A)の総重量に対して、好ましくは7重量%を超えない、より特に5重量%を超えない、又は4重量%さえを超えないヨウ素及び/又は臭素の量が、副反応及び/又は熱安定性への悪影響を回避するために一般に選択されるものである。
本発明の硬化性組成物は、少なくとも1つの有機過酸化物を含む。
最も一般的に使用される有機過酸化物の中に、ジアルキルペルオキシド、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ビス(1,1−ジエチルプロピル)ペルオキシド、ビス(1−エチル−1−メチルプロピル)ペルオキシド、1,1−ジエチルプロピル−1−エチル−1−メチルプロピルペル−オキシド,2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−アミルペルオキシ)ヘキサン;ジクミルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;ジ−tert−ブチルパーベンゾエート;ビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネートを挙げることができる。
過酸化物の量は、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり0.1〜10重量部の範囲である。
妥当な硬化速度を達成するためには、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり少なくとも0.5重量部、好ましくは少なくとも0.8重量部の量の過酸化物を組成物中に有することが一般に好ましい。
同様に、効率のためには、過酸化物の量は、フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり一般に3重量部未満、より好ましくは2.5重量部未満、更により好ましくは2重量部未満である。
本発明のフルオロエラストマー組成物は、とりわけ
(a)(i)二価の金属、例えばMg、Zn、Ca又はPbの酸化物及び水酸化物、(ii)弱酸の塩、例えばステアリン酸、安息香酸、炭酸、シュウ酸又は亜リン酸のBa、Na、K、Pb、Ca塩、並びに(iii)(i)と(ii)との混合物からなる群から典型的には選択される、フルオロエラストマー(A)の100部当たり一般に1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部の量での、金属化合物;
(b)フルオロエラストマー(A)100重量部当たり、一般に5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜60重量部の量での、フィラー(例えばカーボンブラック)、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、加工助剤などからなる群から一般に選択される、従来の添加剤
などの、他の原料を追加的に含んでもよい。
本発明のフルオロエラストマー組成物が上にリストアップされたもの以外の他の原料を全く含まないことは一般に理解される;言い換えると、本発明組成物は一般に、上に詳述されたような、フルオロエラストマー(A)と、有機過酸化物と、多官能性化合物と、塩基(B)と、任意選択的に金属化合物と、従来の添加剤とから本質的になる。
本発明はまた、造形品を製造するための、上に記載されたような、フルオロエラストマー組成物の使用方法にも関する。
フルオロエラストマー組成物は、例えば成形(射出成形、押出成形)、カレンダー仕上げ、又は押出によって、所望の造形品へ二次加工することができ、造形品は有利には、それ自体の加工中に及び/又は後続工程(後処理若しくはポスト硬化)中に加硫(硬化)を受け、相対的に柔らかく、弱いフルオロエラストマー(A)を、非粘着性の、強固な、不溶性の耐化学薬品性及び耐熱性の硬化フルオロエラストマーでできた完成品へと有利には変換させる。
最後に、本発明は、上に詳述されたような、フルオロエラストマー組成物から得られる硬化品に関する。
硬化品は、とりわけ、パイプ、継手、Oリング、ホースなどであり得る。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、及び刊行物のいずれかの開示が、用語を不明瞭にし得る程度まで本説明と矛盾する場合、本説明が優先するものとする。
本発明はこれから、以下の実施例に関連してより詳細に説明されが、実施例の目的は、例示的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
原材料
フルオロエラストマーA(本明細書では以下、FKM−A)は、Solvay Specialty Polymers Italy,S.p.A.から商業的に入手可能な、モル%単位で、モノマー組成:15%VDF/46%TFE/39%MVEを有し;式CH=CH−(CF−CH=CHのビス−オレフィンに由来する繰り返し単位と、ヨウ素硬化部位とを更に含むVDF/TFE/パーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)である。
フルオロエラストマーB(本明細書では以下、FKM−B)は、Solvay Specialty Polymers Italy,S.p.A.から商業的に入手可能な、モル%単位で、モノマー組成:38%VDF/30%TFE/10%HFP/18%MVE/4%Eを有し;式CH=CH−(CF−CH=CHのビス−オレフィンに由来する繰り返し単位と、ヨウ素硬化部位とを更に含むVDF/TFE/MVE/エチレン(E)コポリマーである。
フルオロエラストマーC(本明細書では以下、FKM−C)は、Solvay Specialty Polymers Italy,S.p.A.から商業的に入手可能な、モル%単位で、モノマー組成:70.5%VDF/11%TFE/18.5%HFPを有し、式CH=CH−(CF−CH=CHのビス−オレフィンに由来する繰り返し単位と、ヨウ素硬化部位とを更に含む、VDF/TFE/HFPフルオロエラストマーである。
硬化、硬化試料に関する機械的特性及び耐熱特性測定
フルオロエラストマーを次表に詳述されるような添加剤とBrabenderミキサー中で配合した。プラーク及びOリング(サイズクラス=214)を加圧金型中で硬化させ、次に下に明記される条件(時間、温度)で空気循環オーブン中で後処理した。圧縮永久歪み(C−SET)は、300℃で48時間後、または280℃で70時間後のどちらかで、ASTM D 395、方法Bに従って、Oリング、検体標準AS568A(タイプ214)に関して測定した。
結果を以下の表にまとめる。
FKM A及び塩基性化合物(B−1)を使って実施される試験
硬化性コンパウンドは、
− 100phrのFKM Aと;
− 1.2phrの式CH=H−(CF−CH=Hのビス−オレフィンと;
− 1phrのAkzo NobelからLUPEROX(登録商標)101として商業的に入手可能な、ニートの2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(C1634)と;
− 25phrのCoal Fillers Incから商業的に入手可能なAustin black(カーボンブラック)と;
及び
− 0.5phr又は1phrの塩基性化合物(B−1):Akzo NobelからArmeen 18 Dとして商業的に入手可能な、式CH(CH17−NHのオクタデシルアミンと
を混合して調製した。
表1にまとめられる結果は、検体を170℃で10分間硬化させ/成形し、次にそれを290℃で(8+16時間)ポスト硬化させることによって得られた。
表1に含まれるデータは、塩基性化合物の添加が高温での、圧縮永久歪み、すなわち、密封特性を改善するのに著しい効果を及ぼすことを明らかに実証している。
FKM−B及び塩基性化合物(B−1)を使って実施される試験
硬化性コンパウンドは、
− 100phrのFKM−Bと;
− 架橋剤としての、4phrの式CH=CH−(CF−CH=CHのビス−オレフィン(本明細書では以下、BO)(比較例4C及び5C)又はDegussaからDRIMIX(登録商標)TAICとして商業的に入手可能なトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(比較例6C及び7C)と;
− 1.5phrのAkzo NobelからLUPEROX(登録商標)101として商業的に入手可能な、ニートの2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(C1634)と;
− 30phrのCoal Fillers Incから商業的に入手可能なAustin black(カーボンブラック)と;
− 0phr又は1phrの塩基性化合物(B−1):Akzo NobelからArmeen(登録商標)18Dとして商業的に入手可能な、式CH(CH17−NHのオクタデシルアミンと
を混合して調製した。
表2にまとめられる結果は、TAIC含有コンパウンドの場合には検体を160℃で10分間硬化させ/成形し、次にそれを230℃で(1+4時間)ポスト硬化させることによって、又はビス−オレフィン含有コンパウンドの場合には検体を170℃で10分間硬化させ/成形し、次にそれを290℃で(8+16時間)ポスト硬化させることによって得られた。
表2に含まれるデータは、フルオロエラストマーが30モル%超の量のVDFに由来する繰り返し単位を含む場合に、塩基性化合物の添加が高温での、圧縮永久歪み、すなわち、密封特性を改善するのに目立った効果が全くないか、又は前記添加が、攻撃的な塩基性環境に対する−CF−CH−単位の感受性のために、予期されるように、悪影響を提供さえし得ることを明らかに実証している。
FKM−C及び(B−1)を使って実施されるテス
硬化性コンパウンドは、
− 100phrのFKM−Cと;
− 架橋剤としての1.5phrの式CH=CH−(CF−CH=CHのビス−オレフィン(本明細書では以下、BO)(比較例8C及び9C)又は2.25phrのDegussaからDRIMIX(登録商標)TAICとして商業的に入手可能なトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(比較例10C及び11C)と;
− 1.2phr(比較例8C及び9C)又は1.0phrのAkzo NobelからLUPEROX(登録商標)101液体として商業的に入手可能な、ニートの2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(C1634)と;
− 30phrのCancarbから商業的に入手可能なカーボンブラックN990 MTと;
− 可変量(0又は1phr)の(B−1)と
を混合して調製した。
表3にまとめられる結果は、ビス−オレフィンを含むコンパウンド(比較例8C及び9C)については検体を170℃で10分間硬化させ/成形し、次にそれを290℃で(8+16時間)ポスト硬化させることによって、そしてTAICを含むコンパウンド(比較例10C及び11C)については検体を170℃で10分間硬化させ/成形し、次にそれを230℃で(1+4時間)ポスト硬化させることによって得られた。
表3にまとめられるデータは、30モル%超の量のVDFを含むフルオロエラストマーが使用される場合に、塩基性化合物の添加に有益な効果が全くなく;更に、TAICを硬化剤として使用する場合に特に、悪影響が示され得ることを更に裏付けている。

Claims (12)

  1. − 少なくとも1つのフルオロエラストマー[パーフルオロエラストマー(A)]であって、前記フルオロエラストマー(A)が、ヨウ素及び/又は臭素原子を含み、且つ、以下:
    − テトラフルオロエチレン(TFE)に由来する繰り返し単位;
    − 式CF=CFORf1(式中、Rf1は、C〜Cパーフルオロアルキルである)に従うパーフルオロアルキルビニルエーテル(このタイプのモノマーは、ここでは以下、PAVEと言われる);
    − 式CF=CFOX[式中、Xは、(i)1個若しくは複数個のエーテル基を有するC〜C12パーフルオロオキシアルキル;又は(ii)式−CFORf2(式中、Rf2は、C〜Cパーフルオロアルキルである)の基であり得る]に従うパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(このタイプのモノマーは、ここでは以下、MOVEと言われる)
    からなる群から選択される少なくとも1つの過フッ素化モノマーに由来する繰り返し単位;
    − 繰り返し単位の総モルに対して、30モル%以下の量でのフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位;
    − 任意選択的に、5モル%以下の量での、少なくとも1つの過フッ素化C〜Cアルファ−オレフィンに由来する繰り返し単位;
    − 任意選択的に、10モル%以下の量での、少なくとも1つのフッ素を含まないアルファ−オレフィンに由来する繰り返し単位
    を含む骨格を有するフルオロエラストマーと;
    − 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.5〜5重量部の少なくとも1つのポリ不飽和化合物と;
    − 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.1〜3重量部の少なくとも1つの有機過酸化物と;
    − 前記フルオロエラストマー(A)の100重量部当たり、0.1〜3重量部の、
    (i)非芳香族第一級アミン又はアミドであって、一般式(B1m)又は(B1d):
    bm−[C(O)]−NH(B1m)
    N−[C(O)]t’−Rdm−[C(O)]t’’−NH(B1d)
    (式中:
    − 互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、t、t’及びt’’のそれぞれは、ゼロ又は1であり;
    − Rbmは、12〜30個の炭素原子を有する一価の炭化水素非芳香族基であり;
    − R dm は、6〜30個の炭素原子を有する二価の炭化水素非芳香族基である)
    に従う非芳香族第一級アミン又はアミド;並びに
    (ii)脂環式第二級若しくは第三級アミンであって、一般式(B2m)又は(B2d):
    (式中:
    − Cyは、少なくとも4個の炭素原子を含み、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を任意選択的に含み、そして1個若しくは複数個のカテナリー窒素原子を任意選択的に含み、これに結合している窒素原子と環を形成する二価の脂肪族基を表し;
    − Cy’は、少なくとも5個の炭素原子を含み、1個若しくは2個以上のエチレン性不飽和二重結合を任意選択的に含み、そして1個若しくは複数個のカテナリー窒素原子を任意選択的に含み、これに結合している窒素原子と環を形成する三価の脂肪族基を表す)
    に従う脂環式第二級若しくは第三級アミン
    からなる群から選択される少なくとも1つの有機塩基[塩基(B)]と
    を含むフルオロエラストマー組成物。
  2. 前記非芳香族第一級アミン又はアミドが、
    − 式CH(CH17−NHのオクタデシルアミン;
    − 式HN−C(O)−(CH11−CH=CH−(CHCHのエルカアミド;
    − 式HN−C(O)−(CH−CH=CH−(CHCHのオレアミド;及び
    − 式HN−(CH−NHのヘキサメチレンジアミン
    からなる群から選択され、
    そして前記脂環式第二級若しくは第三級アミンが、
    − 式:
    の1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)
    からなる群から選択される、請求項1に記載のフルオロエラストマー組成物。
  3. ポリ不飽和化合物が、式(OF−1)、(OF−2)及び(OF−3):
    (OF−1)
    [式中、jは、2〜10の整数であり、互いに等しいか若しくは異なる、R1、R2、R3、R4は、H、F又はC1〜5アルキル若しくは(パー)フルオロアルキル基である];
    (OF−2)
    [式中、互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、Aのそれぞれは独立して、F、Cl、及びHから選択され;互いに及び出現ごとに等しいか若しくは異なる、Bのそれぞれは独立して、F、Cl、H及びOR(ここで、Rは、部分的に、実質的に又は完全にフッ化若しくは塩素化され得る分岐若しくは直鎖のアルキルラジカルである)から選択され;Eは、エーテル結合が挿入されていてもよい、任意選択的にフッ素化された、2〜10個の炭素原子を有する二価の基である];
    (OF−3)
    (式中、E、A及びBは、上で定義されたのと同じ意味を有し;互いに等しいか若しくは異なる、R5、R6、R7は、H、F又はC1〜5アルキル若しくは(パー)フルオロアルキル基である)
    に従うものからなる群から選択されるビス−オレフィン(OF)である、請求項1又は2に記載のフルオロエラストマー組成物。
  4. 前記ビス−オレフィン(OF)が、上に詳述されたような、式(OF1)の化合物である、請求項3に記載のフルオロエラストマー組成物。
  5. 前記フルオロエラストマー(A)が、前記フルオロエラストマー(A)の総重量に対して、0.001〜10重量%の量でヨウ素及び/又は臭素原子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物。
  6. 前記フルオロエラストマー(A)中のヨウ素及び/又は臭素の量が、フルオロエラストマー(A)の総重量に対して、少なくとも0.05重量%である請求項5に記載のフルオロエラストマー組成物。
  7. 前記フルオロエラストマー(A)が、
    − 30〜70モル%の量でのTFEに由来する繰り返し単位;
    − 25〜40モル%の量での、上に詳述されたような、PAVE及びMOVEからなる群から選択される少なくとも1つの過フッ素化モノマーに由来する繰り返し単位;
    − 1〜25モル%の量でのVDFに由来する繰り返し単位;
    − 任意選択的に、0〜5モル%の量でのエチレン(E)に由来する繰り返し単位;
    − 任意選択的に、0〜5モル%の量でのヘキサフルオロプロピレン(HFP)に由来する繰り返し単位;
    − 任意選択的に、少なくとも1つのビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]に由来する繰り返し単位
    を含む骨格を有するものからなる群から選択される、請求項3〜6のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物。
  8. 前記有機過酸化物が、ジ−tert−ブチルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン;ビス(1,1−ジエチルプロピル)ペルオキシド;ビス(1−エチル−1−メチルプロピル)ペルオキシド;1,1−ジエチルプロピル−1−エチル−1−メチルプロピル−ペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−アミルペルオキシ)ヘキサン;ジクミルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;ジ−tert−ブチルパーベンゾエート;及びビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネートからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物。
  9. フルオロエラストマー(A)が、以下のモノマー組成(モル%単位での):
    (i)テトラフルオロエチレン(TFE)40〜65%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜50%、フッ化ビニリデン(VDF):10〜25%;ビス−オレフィン(OF):0〜5%;ヘキサフルオロプロピレン(HFP):0〜5%;
    (ii)テトラフルオロエチレン(TFE)40〜65%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜45%、フッ化ビニリデン(VDF):10〜25%;エチレン(E):1〜5%;ビス−オレフィン(OF)0〜5%;ヘキサフルオロプロピレン(HFP):0〜5%
    を有するフルオロエラストマーからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物。
  10. 造形品を製造するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物の使用方法。
  11. フルオロエラストマー組成物が所望の造形品へ二次加工され、造形品がそれ自体の加工中に及び/又は後続工程中に加硫を受ける、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー組成物から得られる硬化品。
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