以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、1台の受信局Rが2台の送信局Tから信号を受信する様子を示した概略図であり、図2は、図1に示す送信局Tから送信された信号が通る各パスの受信電力を示す図である。各送信局Tから送信された信号はそれぞれ、1以上のパスを通って受信局Rにおいて受信される。p番目(pは1以上の整数)の送信局を送信局Tpと記載する。図1においては、送信局T1から送信された信号は、パスa及びパスbを通って受信局Rにおいて受信される。また、送信局T2から送信された信号は、パスc及びパスdを通って受信局Rにおいて受信される。その結果、各パスから到来した信号の受信局Rにおける受信電力は、図2に示すように、パスa、パスc、パスb、パスdの順に大きいとする。
図15は、図1に示す複数のパスの信号に対して従来技術の手法によりチャネル推定と、干渉レプリカ信号の生成及び除去とを行う受信処理の概略図である。非特許文献2に示す従来技術の手法を用いる場合、受信局Rは、電力が高いパスの順に、チャネル推定と、干渉レプリカ信号の生成及び受信信号からの除去とを行う。すなわち、受信局Rは、パスa、パスc、パスb、パスdの順にこれらの処理を行う。このとき、最初に処理されるパスaは、他の3つのパスから受ける干渉によってチャネル推定精度が劣化する。そのため、干渉レプリカ信号の除去後も残留干渉を生じ、以降の処理対象となるパスのチャネル推定精度が劣化する要因となる。以降のパスでも同様に、残留干渉を生じる。
図3は、図1に示す複数のパスの信号に対して、本発明の実施形態の手法によりチャネル推定と、干渉レプリカ信号の生成及び除去とを行う受信処理の概略図である。実施形態の手法を用いる場合、受信局Rは、まず、図15と同様の手法によって、全パスのチャネル推定と、干渉レプリカ信号の生成及び受信信号からの除去とを行った後、受信信号を干渉レプリカ信号除去前の状態に戻す。次に、受信局Rは、生成済みのパスb、パスc、パスdの干渉レプリカ信号を受信信号から除去し、最も電力が高いパスaの信号のチャネル推定及び復調処理を行う。受信信号から干渉レプリカ信号が除去されているので、図15に示す従来の手法よりも、パスaの信号のチャネル推定精度が向上する。
次に受信局Rが2番目に電力の高いパスcの処理を行うときは、改めて受信信号を干渉レプリカ信号生成前に戻し、生成済みのパスa、パスb、パスdの干渉レプリカ信号を除去してから、パスcの処理を行う。ただし、受信局Rは、先に2回目の干渉レプリカ信号を生成したパスaについては、最新の干渉レプリカ信号を除去する。受信局Rは、以上の処理を全てのパスに対して順次行っていく。これにより、図15に示す従来の手法よりも干渉が低減された状態でチャネル推定を行うことができるため、残留干渉を低減することができる。さらに、受信局Rは、全パスの処理を終えた後、再び全パスの処理をパスaから繰り返すことで、さらなる残留干渉の低減が期待できる。以上が、本発明の実施形態の概要である。
上記のように、実施形態の受信局Rは、1以上の送信局が同時発呼し、無線信号が多重波伝搬する環境において、複数の送信局から同一時刻、同一周波数で送信された信号を受信する。受信局Rは、これら信号の復調時に、パス単位で干渉レプリカ信号の生成及び除去を行う。受信局Rは、最初のステージで、従来技術と同様に各パスの干渉レプリカ信号を生成し、保存しておく。受信局Rは、2回目以降のステージについては、現在のステージにおける処理対象のパスを決定し、その決定したパスのチャネル推定を行うときに、現在のステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスについては現在のステージで生成したその干渉レプリカ信号を、現在のステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスについては、保存しておいた前ステージの干渉レプリカ信号を受信信号から除去する。
以下に受信局Rの詳細な実施形態を説明する。なお、以下では、受信局Rが通信可能な送信局Tの最大数をK(Kは1以上の整数)とする。また、受信局Rにおいて信号を受信可能なパスの最大数をN(N≧K、Nは2以上の整数)とし、q番目のパスをパスLq(qは1以上N以下の整数)とする。
[第1の実施形態]
図4は、第1の実施形態による受信局100の構成例を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。受信局100は、アンテナ101(受信部)、無線部102(受信部)、復調パス決定部103(処理対象パス決定部)、チャネル推定部104、逆拡散部105、復調部106、干渉レプリカ生成部107、除去部108、干渉レプリカ保存部109、復調情報選択部110、復調結果保存部111、制御部121及びステージ数記憶部122を備える。受信局100は、復調パス決定部103、チャネル推定部104、逆拡散部105、復調部106及び干渉レプリカ生成部107をN個備え、除去部108を(N−1)個備える。n番目(n=1,2,…)の復調パス決定部103、チャネル推定部104、逆拡散部105、復調部106、干渉レプリカ生成部107及び除去部108をそれぞれ、復調パス決定部103−n、チャネル推定部104−n、逆拡散部105−n、復調部106−n、干渉レプリカ生成部107−n及び除去部108−nと記載する。アンテナ101、無線部102、復調パス決定部103、チャネル推定部104、逆拡散部105、復調部106、干渉レプリカ生成部107、除去部108には、図13に示す従来のパス単位逐次干渉キャンセラ機能を有する受信局950のアンテナ951、無線部952、復調パス決定部953、チャネル推定部954、逆拡散部955、復調部956、干渉レプリカ生成部957、除去部958と同様の機能を少なくとも有する。
アンテナ101は、1台以上の送信局から送信された無線の信号を受信する。無線部102は、アンテナ101が受信した無線の信号に対して周波数変換及びディジタル信号への変換を行う。復調パス決定部103は、全送信局の全パスに対してチャネル推定を行い、1つのパスを復調対象のパス(処理対象パス)として決定する。例えば、復調パス決定部103は、最も電力が高いパスを復調対象のパスとして決定する。各パスは送信局番号と到来時刻で特定される。送信局番号は、送信局を特定する情報の一例である。
チャネル推定部104は、無線部102によりディジタル信号に変換された信号を利用して、対応する復調パス決定部103により決定された復調対象のパスに対して振幅変動量及び位相変動量を推定するチャネル推定を行う。逆拡散部105は、無線部102によりディジタル信号に変換された信号を利用して、対応する復調パス決定部103により決定された復調対象のパスの信号に対して位相補償及び逆拡散処理を行う。復調部106は、対応する逆拡散部105により逆拡散された信号に対して誤り訂正復調及び多値復調を行い、送信局から復調対象のパスにより送信された信号を復元する。干渉レプリカ生成部107は、対応する復調パス決定部103により決定された復調対象のパスに対して、チャネル推定結果と復調結果を利用して干渉レプリカ信号を生成する。除去部108は、対応する干渉レプリカ生成部107が生成した干渉レプリカ信号を、受信信号から減算する。干渉レプリカ保存部109は、干渉レプリカ生成部107により生成された干渉レプリカ信号を保存する。受信局100は、干渉レプリカ信号が減算された受信信号に対して、復調パス決定部103からの処理を繰り返す。
復調情報選択部110は、全送信局の全パスに対する復調が完了した後、各送信局について、ある1パスの復調結果をその送信局の復調結果として取り出す。例えば、ある送信局Tのパスのうち最も電力の高いパスの復調結果をその送信局の復調結果として取り出してもよい。全送信局の復調結果は、復調結果保存部111に保存される。
制御部121は、ステージ数に応じた各部の動作を制御する。ステージ数記憶部122は、ステージ数を記憶する。なお、制御部121の機能を、復調パス決定部103−1〜103−N及び復調情報選択部110のうちいずれか又は複数の機能部により実現してもよい。また、ステージ数記憶部122の機能を、復調パス決定部103−1〜103−N及び復調情報選択部110のうちいずれか又は複数の機能部が内部に備える図示しない記憶部により実現してもよい。
本実施形態では、受信局100は、全送信局の信号を復元する処理を1ステージとし、複数ステージに渡って処理を繰り返す。2回目以降のステージでは、受信局100は、復調パス決定部103で決定された復調対象のパス以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号から除去し、干渉レプリカ信号除去後の受信信号に対してチャネル推定を行う。このとき、受信局100は、現在のステージにおいて干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスについては現在のステージで生成したその干渉レプリカ信号を、現在のステージにおいて干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスについては前ステージで干渉レプリカ保存部109に保存された干渉レプリカ信号を、受信信号から除去する。これにより、受信局100は、処理順の早いパスへの干渉を低減し、チャネル推定精度を向上させ、残留干渉を低減する。
なお、受信局100は、2回目以降のステージでは、復調パス決定部103において復調対象パスを決定するために全送信局の全パスについて1パスずつチャネル推定を行う際に、チャネル推定対象パス以外のパスについて、現在のステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスは現在のステージで生成したその干渉レプリカ信号を、現在のステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスは前ステージで生成した干渉レプリカ信号を受信信号から除去してから、当該チャネル推定対象パスのチャネル推定を行ってもよい。また、受信局100は、2回目以降のステージでは、チャネル推定部104において既知のパイロット信号を用いてチャネル推定を行う際に、前ステージで復調結果保存部111に保存した復調結果も擬似のパイロット信号として用いてもよい。
図5〜図7は、図4に示す受信局100の動作フローを示す図である。まず、図5において、受信局100の制御部121は、ステージ数記憶部122に記憶されるステージ数に1をセットする(ステップS105)。無線部102は、アンテナ101により受信した信号に周波数変換を行った後、アナログ信号からディジタル信号に変換する(ステップS110)。無線部102は、ディジタル信号に変換された受信信号R0を出力する。
次に、制御部121は、ステージ数が1か否かを判定する判定処理Aを行う(ステップS115)。制御部121は、ステージ数が1であると判定した場合(ステップS115:YES)、全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うよう復調パス決定部103−mに指示する。mは、現在のステージにおける判定処理Aの繰り返し回数である。つまり、mの初期値は1であり、判定処理Aを行うたびにmの値に1が加算され、ステージ数が増加したときにmの値は1となる。復調パス決定部103−mは、受信信号Rm−1を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(ステップS120)。
一方、制御部121は、ステージ数が2以上であると判定した場合(ステップS115:NO)、ステップS125の処理により、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するよう復調パス決定部103−mに指示する。復調パス決定部103−mは、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定する際に、チャネル推定対象パス以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号Rm−1から除去する。このとき、復調パス決定部103−mは、現在のステージで干渉レプリカ信号を未生成かつ未除去のパスについては直前のステージで生成した干渉レプリカ信号を受信信号Rm−1から除去した後に、チャネル推定を行う(ステップS125)。また、復調パス決定部103−mは、チャネル推定時、復調結果保存部111に記憶される直前のステージで得た復調結果も、擬似のパイロット信号として利用する。
復調パス決定部103−mは、ステップS120又はステップS125において全送信局の全パスのチャネルを推定した後、判定処理Bを行う(ステップS130)。判定処理Bにおいて、復調パス決定部103−mは、電力が閾値を超えるパスを検出し、かつ、チャネル推定処理及び復調処理の繰り返しが、規定の反復回数を下回っているか否かを判定する。閾値は予め定めてもよいし、チャネル推定結果を踏まえて定めてもよい。規定の反復回数は予め定めておく。判定処理Bにおいて、復調パス決定部103−mは、閾値を超えるパスを検出し、かつ、規定の反復回数に達していないと判定した場合(ステップS130:YES)、図6のステップS205の処理を行う。
図6において、復調パス決定部103−mは、現在のステージにおいて既に復調済みのパスと同一送信局ではない、又は、同一時刻でないパスの中から、最大電力のパスを選択する(ステップS205)。つまり、復調パス決定部103−mは、現在のステージにおいて既に復調済みのパスと少なくとも送信局が異なるか、同じ送信局であっても同一時刻ではないパスの中から最大電力のパスLq(qは1以上N以下のいずれかの整数)を選択する。
チャネル推定部104−mは、現在のステージ数が1か否かを判定する(ステップS210)。チャネル推定部104−mは、ステージ数が1であると判定した場合(ステップS210:YES)、受信信号Rm−1を用いて、選択されたパスLqに対してチャネル推定を行う(ステップS215)。
一方、チャネル推定部104−mは、現在のステージ数が2以上であると判定した場合(ステップS210:NO)、選択されたパスLq以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去する(ステップS220)。このとき、除去部108−mは、現在のステージで干渉レプリカ信号を生成済みのパスについてはその干渉レプリカ信号を、現在のステージで干渉レプリカ信号を未生成及び未除去のパスについては、直前のステージで生成された干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去する(ステップS220)。チャネル推定部104−mは、ステップS220において干渉レプリカ信号が除去された受信信号に加え、選択されたパスLqの直前のステージにおける復調結果を擬似のパイロット信号として利用し、選択されたパスLqのチャネル推定を行う(ステップS225)。
ステップS215又はステップS225におけるチャネル推定後、逆拡散部105−mは、選択されたパスLqの受信信号に対して位相補償及び逆拡散処理を行う(ステップS230)。復調部106−mは、ステップS230において位相補償及び逆拡散処理が行われたパスLqの受信信号に復調処理を行い、復調結果を干渉レプリカ生成部107−m及び復調情報選択部110に出力する(ステップS235)。干渉レプリカ生成部107−mは、ステップS235におけるパスLqの復調結果と、チャネル推定部104−mによるパスLqのチャネル推定結果とを用いて、パスLqの干渉レプリカ信号を生成し、干渉レプリカ保存部109に保存する(ステップS240)。除去部108−mは、受信信号Rm−1からパスLqの干渉レプリカ信号を除去した受信信号Rmを生成する(ステップS245)。受信局100は、図5の判定処理A(ステップS115)に戻る。ステップS115においては、mの値に1が加算される。
そして、図5のステップS130の判定処理Bにおいて、復調パス決定部103−mは、電力が閾値を超えるパスが検出されないか、又は、規定の反復回数を超えたと判定した場合(ステップS130:NO)、復調情報選択部110は、図7のステップS305の処理を行う。すなわち、復調情報選択部110は、全送信局の全パスに対して復調が完了したと判断し、各送信局について、その送信局の全パスの復調結果の中から最も電力の高いパスの復調結果を、その送信局の復調結果として選択する(ステップS305)。復調情報選択部110は、全パスそれぞれの復調結果を復調結果保存部111に書き込む。
次に、制御部121は、現在のステージ数が規定のマルチステージ数(既定値)を下回っているか否かを判定する(ステップS310)。規定のマルチステージ数は、予め定めておく。制御部121は、現在のステージ数が規定のマルチステージ数を下回っていると判定した場合(ステップS310:YES)、現在のステージ数に1を加算してインクリメントし、復調パス決定部103−1は、干渉レプリカ信号が減算された受信信号Rm−1を、干渉レプリカ信号を減算する前の受信信号R0にリセットする(ステップS315)。例えば、除去部108−1は、干渉レプリカ信号が除去された受信信号Rm−1に、現在のステージにおいて除去した干渉レプリカ信号を干渉レプリカ保存部109から読出して加算することにより、干渉レプリカ信号を減算する前の受信信号R0にリセットする。あるいは、受信局100の図示しない記憶部に無線部102が出力したディジタル信号を記憶しておき、受信信号R0として読み出してもよい。受信局100は、図5の判定処理A(ステップS115)の処理に戻る。ステップS115に戻ったとき、m=1となる。
一方、制御部121は、現在のステージ数が規定のマルチステージ数を上回っていると判定した場合(ステップS310:NO)、受信局100は処理を終了する。
以上のように、本実施形態の受信局100は、1回目のステージにおいて、復調パス決定部103で決定されたパスのチャネル推定、復調及び干渉レプリカ信号の生成を行う際には、現在のステージにおいてそれまでに生成された干渉レプリカ信号を受信信号から除去してから、チャネル推定及び復調を行う。2回目以降のステージでは、受信局100は、復調パス決定部103で決定されたパスのチャネル推定、復調及び干渉レプリカ信号の生成を行う際には、当該ステージにおいて干渉レプリカ信号を生成及び除去済みの他のパスについては当該ステージで生成された干渉レプリカ信号を、当該ステージで第1干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではない他のパスについては直前のステージで生成した干渉レプリカ信号を受信信号から減算してから、チャネル推定及び復調を行う。これにより、他のパスから受ける干渉を低減し、高精度にチャネル推定を行い、残留干渉を低減することができる。
上記の処理を、図1に示すように、受信局Rとしての受信局100が、パスa、bにより送信局T1からの信号を、パスc、dにより送信局T2からの信号を受信する場合を例に説明する。なお、規定のマルチステージ数を2とする。
制御部121は、ステージ数に1をセットする(図5のステップS105)。無線部102は、アンテナ101が受信した信号に周波数変換を行った後、アナログ信号からディジタル信号に変換し、受信信号R0を生成する(図5のステップS110)。受信信号R0は、パスa、b、c、dのそれぞれを通って受信された信号を含む。
1回目のステージにおいて、受信局100は以下のように動作する。
まず、復調パス決定部103−1は、受信信号R0を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(図5のステップS115:YES、ステップS120)。受信信号R0においてはパスa、b、c、dの電力が閾値を超えており(図5のステップS130:YES)、復調パス決定部103−1は、最大電力のパスaを選択する(図6のステップS205)。チャネル推定部104−1は、受信信号R0を用いてパスaのチャネル推定を行い、逆拡散部105−1は、受信信号R0におけるパスaの信号に対して位相補償及び逆拡散処理を行い、復調部106−1は、位相補償及び逆拡散処理が行われたパスaの信号に復調処理を行う(図6のステップS215、ステップS230、ステップS235)。干渉レプリカ生成部107−1は、パスaの復調結果及びチャネル推定結果を用いて、パスaの干渉レプリカ信号を生成する(図6のステップS240)。除去部108−1は、受信信号R0からパスaの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R1を生成する(図6のステップS245)。
次に、復調パス決定部103−2は、受信信号R1を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(図5のステップS115:YES、ステップS120)。受信信号R1においてはパスb、c、dの電力が閾値を超えており(図5のステップS130:YES)、復調パス決定部103−2は、復調済みのパスaを除き、最大電力のパスcを選択する(図6のステップS205)。受信局100は、上記と同様の処理により、受信信号R1を用いてパスcの受信信号の復調及び干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R1からパスcの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R2を生成する。
続いて、受信局100は、上記と同様の処理により、受信信号R2を用いてパスbの受信信号の復調及び干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R2からパスbの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R3を生成する。さらに、受信局100は、上記と同様の処理により、受信信号R3を用いてパスdの受信信号の復調及び干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R3からパスdの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R4を生成する。
復調パス決定部103−5は、受信信号R4を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うが、受信信号R4においては閾値を超えるパスはない(図5のステップS115:YES、ステップS120、S130:NO)。復調情報選択部110は、送信局T1についてはパスaとパスbの復調結果のうち最も電力の高いパスaの復調結果を復調結果として選択し、送信局T2についてはパスcとパスdの復調結果のうち最も電力の高いパスcの復調結果を復調結果として選択する(図7のステップS305)。復調情報選択部110は、ステージ1におけるパスa、b、c、dそれぞれの復調結果を復調結果保存部111に書き込む。制御部121は、ステージ数を2とし、復調パス決定部103−1は、処理対象信号を受信信号R0にリセットする(図7のステップS310:YES、ステップS315)。
2回目のステージにおいて、受信局100は以下のように動作する。
復調パス決定部103−1は、チャネル推定対象パス以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を用い、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定する(図5のステップS115:NO、ステップS125)。例えば、復調パス決定部103−1は、パスaのチャネル推定を行う場合、干渉レプリカ保存部109に記憶される1回目のステージにおけるパスb、c、dの干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−1は、パスbのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスa、c、dの干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−1は、チャネル推定時、復調結果保存部111に記憶される1回目のステージで得た復調結果も、擬似のパイロット信号として利用する。
受信信号R0においては、パスa、b、c、dの電力が閾値を超えており(図5のステップS130:YES)、復調パス決定部103−1は、最大電力のパスaを選択する(図6のステップS205)。チャネル推定部104−1は、1回目のステージで得られたパスa以外のパスb、c、dの干渉レプリカ信号を干渉レプリカ保存部109から読み出して受信信号R0から除去する(図6のステップS210:NO、ステップS220)。チャネル推定部104−1は、パスb、c、dの干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0に加え、復調結果保存部111に記憶される1回目のステージにおけるパスaの復調結果を擬似のパイロット信号として利用し、パスaのチャネル推定を行う(図6のステップS225)。逆拡散部105−1は、パスb、c、dの干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0を用いて、パスaの受信信号に対して位相補償及び逆拡散処理を行い、復調部106−1は、位相補償及び逆拡散処理が行われたパスaの受信信号に復調処理を行う(図6のステップS230、ステップS235)。干渉レプリカ生成部107−1は、パスaの復調結果及びチャネル推定結果を用いて、パスaの干渉レプリカ信号を生成する(図6のステップS240)。除去部108−1は、受信信号R0からパスaの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R1を生成する(図6のステップS245)。
次に、復調パス決定部103−2は、チャネル推定対象パス以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を用い、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定する(図5のステップS115:NO、ステップS125)。例えば、復調パス決定部103−2は、パスaのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスb、c、dの干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−2は、パスbのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスc、dの干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を用い、パスcのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスb、dの干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−2は、チャネル推定時、1回目のステージで得た復調結果も、擬似のパイロット信号として利用する。
受信信号R1においては、パスb、c、dの電力が閾値を超えており(図5のステップS130:YES)、復調パス決定部103−2は、すでに復調を行ったパスaを除いて最大電力のパスcを選択する(図6のステップS205)。チャネル推定部104−2は、2回目のステージで得られたパスaの干渉レプリカ信号及び1回目のステージで得られたパスb、dの干渉レプリカ信号を干渉レプリカ保存部109から読み出し、受信信号R0から除去する(図6のステップS210:NO、ステップS220)。チャネル推定部104−2は、パスa、b、dの干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0に加え、2回目のステージにおけるパスcの復調結果を擬似のパイロット信号として利用し、パスcのチャネル推定を行う(図6のステップS225)。逆拡散部105−2は、パスa、b、dの干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0を用いて、パスcの受信信号に対して位相補償及び逆拡散処理を行う(図6のステップS230)。復調部106−2は、位相補償及び逆拡散処理が行われたパスcの受信信号に復調処理を行い、干渉レプリカ生成部107−2は、パスcの復調結果及びチャネル推定結果を用いて、パスcの干渉レプリカ信号を生成する(図6のステップS235、ステップS240)。除去部108−2は、受信信号R1からパスcの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R2を生成する(図6のステップS245)。
続いて、復調パス決定部103−3は、チャネル推定対象パス以外のパスの干渉レプリカ信号を受信信号R2から除去した信号を用い、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定する(図5のステップS115:NO、ステップS125)。例えば、復調パス決定部103−3は、パスaのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスb、dの干渉レプリカ信号を受信信号R2から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−3は、パスbのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスdの干渉レプリカ信号を受信信号R2から除去した信号を用い、パスcのチャネル推定を行う場合、1回目のステージにおけるパスbの干渉レプリカ信号を受信信号R2から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部103−3は、チャネル推定時、1回目のステージで得た復調結果も、擬似のパイロット信号として利用する。
受信信号R2においては、パスb、dの電力が閾値を超えており(図5のステップS130:YES)、復調パス決定部103−3は、すでに復調を行ったパスa、cを除いて最大電力のパスbを選択する(図6のステップS205)。チャネル推定部104−3は、2回目のステージで得られたパスa、cの干渉レプリカ信号及び1回目のステージで得られたパスdの干渉レプリカ信号を干渉レプリカ保存部109から読み出し、受信信号R0から除去する(図6のステップS210:NO、ステップS220)。チャネル推定部104−3は、パスa、c、dの干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0のパイロット信号に加え、2回目のステージにおけるパスbの復調結果を擬似のパイロット信号として利用し、パスbのチャネル推定を行う(図6のステップS225)。
受信局100は、上記と同様の処理により、パスbの受信信号の復調及び干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R2からパスbの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R3を生成する。さらに、受信局100は、上記と同様の処理により、パスdの受信信号の復調及び干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R3からパスdの干渉レプリカ信号を除去した受信信号R4を生成する。
復調パス決定部103−5は、2回目のステージでパスa、b、c、dの干渉レプリカ信号を生成及び除去済みであるため、受信信号R4を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うが(図5のステップS115:NO、ステップS120)、電力が閾値を超えるパスはない(図5のステップS130:NO)。復調情報選択部110は、送信局T1については2回目のステージにおけるパスaとパスbの復調結果のうち最も電力の高いパスaの復調結果を送信局T1の復調結果として選択し、送信局T2については2回目のステージにおけるパスcとパスdの復調結果のうち最も電力の高いパスcの復調結果を送信局T2に復調結果として選択する(図7のステップS305)。規定のマルチステージ数2に達したため(図7のステップS310:NO)、受信局100は処理を終了する。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態による受信局200の構成例を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。受信局200は、アンテナ201(受信部)と、無線部202(受信部)と、チャネル推定装置210と、復調装置220と、制御部230と、ステージ数記憶部240とを備える。
チャネル推定装置210は、復調パス決定部211(処理対象パス決定部)と、チャネル推定部212と、第1干渉レプリカ生成部213と、第1除去部214と、第1干渉レプリカ保存部215とを有する。チャネル推定装置210は、復調パス決定部211、チャネル推定部212、第1干渉レプリカ生成部213をN個備え、第1除去部214を(N−1)個備える。n番目(n=1,2,…)の復調パス決定部211、チャネル推定部212、第1干渉レプリカ生成部213及び第1除去部214をそれぞれ、復調パス決定部211−n、チャネル推定部212−n、第1干渉レプリカ生成部213−n及び第1除去部214−nと記載する。
復調装置220は、復調送信局決定部221と、RAKE合成部222と、復調部223と、第2干渉レプリカ生成部224と、第2除去部225と、復調結果保存部227とを有する。復調装置220は、復調送信局決定部221、RAKE合成部222、復調部223及び第2干渉レプリカ生成部224をK個備え、第2除去部225を(K−1)個備える。k番目(k=1,2,…)の復調送信局決定部221、RAKE合成部222、復調部223、第2干渉レプリカ生成部224及び第2除去部225をそれぞれ、復調送信局決定部221−k、RAKE合成部222−k、復調部223−k、第2干渉レプリカ生成部224−k及び第2除去部225−kと記載する。
図4に示す受信局100では、各送信局の復調結果を、ある1パスの復調結果を取り出すことで得ていたが、図8の構成では同一送信局の全パスをRAKE合成することで復調結果を得ているため、さらなる性能向上が期待できる。図8において、受信局200のチャネル推定装置210は、図14に示す受信局970のチャネル推定装置980に第1干渉レプリカ保存部215を加えた構成である。また、受信局200の復調装置220は、図14に示す受信局970の復調装置990に第2干渉レプリカ保存部226及び復調結果保存部227を加えた構成である。復調装置220の復調パス決定部211、チャネル推定部212、第1干渉レプリカ生成部213、第1除去部214、復調送信局決定部221、RAKE合成部222、復調部223、第2干渉レプリカ生成部224、第2除去部225は、図14に示す従来のパス単位逐次干渉キャンセラの機能を有する受信局970の復調パス決定部981、チャネル推定部982、第1干渉レプリカ生成部983、第1除去部984、復調送信局決定部991、RAKE合成部992、復調部993、第2干渉レプリカ生成部994、第2除去部995と同様の機能を少なくとも有する。
図8に示す受信局200において、チャネル推定装置210の復調パス決定部211及びチャネル推定部212は、図4に示す受信局100の復調パス決定部103とチャネル推定部104の構成と同様であるが、第1干渉レプリカ生成部213は、復調結果を用いず、既知のパイロット信号のみで第1干渉レプリカ信号を生成する点が異なる。第1干渉レプリカ保存部215は、第1干渉レプリカ生成部213により生成された第1干渉レプリカ信号を記憶する。チャネル推定装置210は、復調処理を行わず、全送信局の全パスのチャネル推定が完了するまで処理を繰り返す。
復調装置220において、復調部223は、図4に示す受信局100の復調部106と同様であるが、復調送信局決定部221は、チャネル推定装置210で得られたチャネル推定結果を利用し、送信局毎に全パスの総受信電力を算出し、最も総受信電力が高い送信局を復調対象送信局として決定する。あるいは、復調送信局決定部221は、受信信号のパイロット信号部分と既知の各送信局のパイロット信号の相関値を計算することで各送信局の受信電力を算出し、最も受信電力の高い送信局を復調対象送信局として決定してもよい。RAKE合成部222は、対応する復調送信局決定部221により決定された復調対象の送信局に対して、チャネル推定装置210により得られたチャネル推定結果を利用し、復調対象の送信局の各パスの受信信号に位相補償及び逆拡散及び時刻同期を行ってから最大比合成を行う。復調部223は、対応するRAKE合成部222により最大比合成された受信信号の復調を行う。第2干渉レプリカ生成部224は、対応する復調送信局決定部221により決定された各パス送信局に対して、チャネル推定装置210において得られたチャネル推定結果と対応する復調部223で得られた復調結果を利用し、第2干渉レプリカ信号を生成する。第2干渉レプリカ保存部226は、第2干渉レプリカ生成部224により生成された第2干渉レプリカ信号を記憶する。第2除去部225は、対応する第2干渉レプリカ生成部224が生成した第2干渉レプリカ信号を受信信号から減算する。受信局200は、第2干渉レプリカ信号が減算された受信信号を用いて、復調送信局決定部221の処理から繰り返す。復調装置220は、全送信局の信号を復元するまで処理を繰り返す。
制御部230は、ステージ数に応じて各部を制御する。ステージ数記憶部240は、ステージ数を記憶する。なお、制御部230の機能を、復調パス決定部211−1〜211−N及び復調送信局決定部221−1〜221−Nのうちいずれか又は複数の機能部により実現してもよい。また、ステージ数記憶部240の機能を、復調パス決定部211−1〜211−N及び復調送信局決定部221−1〜221−Nのうちいずれか又は複数の機能部が内部に備える図示しない記憶部により実現してもよい。
図9〜図11は、図8に示す受信局200の動作フローを示す図である。まず、図9において、受信局200の制御部230は、ステージ数記憶部240に記憶されるステージA数と、ステージB数と、ステージC数との全てに1をセットする(ステップS405)。ステージA数は、チャネル推定から復調までの処理(ステージA)の繰り返し回数、ステージB数は同一ステージAにおけるチャネル推定処理(ステージB)の繰り返し回数、ステージC数は同一ステージAにおける復調処理(ステージC)の繰り返し回数を示す。
無線部202は、アンテナ201による受信信号に対して周波数変換及びA/D変換を行う(ステップS410)。無線部202は、ディジタル信号に変換された受信信号R0を出力する。
次に、制御部230は、現在のステージA数及びステージB数が共に1であるか否かを判定する判定処理Aを行う(ステップS415)。制御部230は、ステージA数及びステージB数が共に1であると判定した場合(ステップS415:YES)、全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うよう復調パス決定部211−mに指示する。mは、ステージA数及びステージB数が同一の現在のステージBにおける判定処理Aの繰り返し回数である。つまり、mの初期値は1であり、判定処理Aを行うたびにmの値に1が加算され、ステージA数又はステージB数が増加したときにmの値は1となる。復調パス決定部211−mは、受信信号Rm−1を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(ステップS420)。
一方、制御部230は、ステージA数とステージB数とのうち少なくともいずれか一方が2以上であると判定した場合(ステップS415:NO)、ステップS425〜ステップS440の処理により全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するよう復調パス決定部211−mに指示する。復調パス決定部211−mは、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定する際に、チャネル推定対象パス以外のパスの第1干渉レプリカ信号を受信信号Rm−1から除去する。このとき、復調パス決定部211−mは、現在のステージBで第1干渉レプリカ信号を未生成かつ未除去のパスについては直前のステージB(ただし、ステージB数が1である場合は直前のステージA)で生成した第1干渉レプリカ信号を除去する(ステップS425)。
復調パス決定部211−mは、ステージA数が1か否かを判定する(ステップS430)。復調パス決定部211−mは、ステージA数が1であると判定した場合(ステップS430:YES)、ステップS425において生成した受信信号に含まれるパイロット信号のみを利用してチャネル推定を行う(ステップS435)。復調パス決定部211−mは、ステージA数が2以上であると判定した場合(ステップS430:NO)、ステップS425において生成した受信信号に含まれるパイロット信号に加え、復調結果保存部227に記憶される直前のステージAで得た復調結果も、擬似のパイロット信号として利用してチャネル推定を行う(ステップS440)。
ステップS420、ステップS435又はステップS440において、復調パス決定部211−mは、全送信局の全パスのチャネルを推定した後、判定処理Bを行う(ステップS445)。判定処理Bにおいて、復調パス決定部211−mは、閾値を超えるパスを検出し、かつ、チャネル推定処理の繰り返しが規定の反復回数を下回っているか否かを判定する。閾値は予め定めてもよいし、チャネル推定結果を踏まえて定めてもよい。規定の反復回数は予め定めておく。判定処理Bにおいて、復調パス決定部211−mは、閾値を超えるパスを検出し、かつ、規定の反復回数に達していないと判定した場合(ステップS445:YES)、図10のステップS505の処理を行う。
図10において、復調パス決定部211−mは、現在のステージBにおいて既に過去に復調済みのパスと同一送信局ではない、又は、同一時刻でないパスの中から、最大電力のパスを処理対象パスとして選択する(ステップS505)。つまり、復調パス決定部211−mは、現在のステージBにおいて既に復調済みのパスと少なくとも送信局が異なるか、同じ送信局であっても同一時刻でないパスの中から最大電力のパスLq(qは1以上N以下のいずれかの整数)を選択する。
次に、チャネル推定部212−mは、ステージA数及びステージB数が共に1であるか否かを判定する(ステップS510)。チャネル推定部212−mは、ステージA数及びステージB数が共に1であると判定した場合(ステップS510:YES)、受信信号Rm−1を利用して、復調パス決定部211−mにより選択されたパスLqのチャネル推定を行う(ステップS515)。
チャネル推定部212−mは、ステージA数及びステージB数のいずれかが2以上であると判断した場合(ステップS510:NO)、復調パス決定部211−mにより選択されたパスLq以外のパスの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去する(ステップS520)。このとき、チャネル推定部212−mは、現在のステージBで第1干渉レプリカ信号を未生成及び未除去のパスについては前ステージ(ステージB数が1ならば前ステージA)で生成した第1干渉レプリカ信号を除去する。続いて、チャネル推定部212−mは、ステージA数が1であるか否かを判断する(ステップS525)。
チャネル推定部212−mは、ステージA数が1であると判断した場合(ステップS525:YES)、ステップS520において第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号に含まれるパイロット信号のみを利用してチャネル推定を行う(ステップS530)。一方、チャネル推定部212−mは、ステージA数が2以上であると判断した場合(ステップS525:NO)、ステップS520において第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号に加え、復調結果保存部227から読み出した直前のステージAにおける復調結果も擬似のパイロット信号として利用し、チャネル推定を行う(ステップS535)。
ステップS515、ステップS530又はステップS535の処理において、チャネル推定部212−mが選択されたパスのチャネル推定を完了した後、第1干渉レプリカ生成部213−mは、ステージA数が1か否かを判定する(ステップS540)。第1干渉レプリカ生成部213−mは、ステージA数が1であると判定した場合(ステップS540:YES)、選択されたパスLqについてのチャネル推定部212−mによるチャネル推定結果と既知のパイロット信号に基づいて、パスLqの第1干渉レプリカ信号を生成する(ステップS545)。
第1干渉レプリカ生成部213−mは、ステージA数が2以上であると判定した場合(ステップS540:NO)、選択されたパスLqについてのチャネル推定部212−mによるチャネル推定結果と、既知のパイロット信号に加えて、復調結果保存部227から読み出した直前のステージAで得られた復調結果も擬似のパイロット信号として利用し、第1干渉レプリカ信号を生成する(ステップS550)。第1除去部214−mは、ステップS545又はステップS550において生成された第1干渉レプリカ信号を受信信号Rm−1から除去し、受信信号Rmとする(ステップS555)。受信局200は、図9の判定処理A(ステップS415)の処理に戻る。ステップS415においては、mの値に1が加算される。
そして、図5のステップS445の判定処理Bにおいて、復調パス決定部211−mが、電力が閾値を超えるパスは検出されないか、又は、規定の反復回数を超えたと判定した場合(ステップS445:NO)、制御部230は、図11のステップS605の処理を行う。すなわち、制御部230は、全送信局の全パスについてチャネル推定が完了したと判断し、続いてステージB数が規定のマルチステージB数を下回っているか否かを判定する(ステップS605)。規定値は予め定めておく。
制御部230は、ステージB数が規定のマルチステージB数を下回っていると判断した場合(ステップS605:YES)、現在のステージB数に1を加算し、インクリメントする。復調パス決定部211−1は、第1干渉レプリカ信号が減算された受信信号Rmを、減算前の受信信号R0にリセットする(ステップS610)。例えば、復調パス決定部211−1は、現在のステージにおいて第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号Rmに、現在のステージにおいて除去した第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部215から読出して加算することにより、第1干渉レプリカ信号を減算する間の受信信号R0にリセットする。なお、受信局200に図示しない記憶部に無線部202が出力したディジタル信号を記憶しておき、受信信号R0として読み出してもよい。受信局200は、図9の判定処理A(ステップS415)に戻る。ステップS415に戻ったとき、m=1となる。
制御部230が、ステージB数は規定のマルチステージB数を上回っていると判断した場合(ステップS605:NO)、復調送信局決定部221−1は、第1干渉レプリカ信号が減算された受信信号Rmを、減算前の受信信号R0にリセットする(ステップS615)。例えば、受信局200に図示しない記憶部に無線部202が出力したディジタル信号を記憶しておき、受信信号R0として読み出してもよい。又は、復調送信局決定部221−1は、現在のステージBにおいて第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号Rmに、現在のステージBにおいて除去した第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部215から読出して加算することにより、第1干渉レプリカ信号を減算する前の受信信号R0にリセットしてもよい。
復調送信局決定部221−jは、復調送信局決定処理を行う(ステップS620)。jは、ステージA数及びステージC数が同一の減算のステージCにおける復調送信局決定処理の繰り返し回数である。つまり、jの初期値は1であり、復調送信局決定処理を行うたびにjの値に1が加算され、ステージA数又はステージC数が増加したときにjの値は1となる。復調送信局決定処理において、復調送信局決定部221−jは、チャネル推定装置210によるチャネル推定結果に基づき、現在のステージCで受信信号を復調済みではない送信局の中から、復調対象とする送信局Tp(pは1以上K以下のいずれかの整数)を選択する。例えば、復調送信局決定部221−jは、チャネル推定装置210におけるチャネル推定結果に基づき、現在のステージCで受信信号の復調を行っていない全ての送信局のうち、全パスの合計電力が最も高い送信局を復調対象として選択してもよい。あるいは、復調送信局決定部221−jは、現在のステージCで受信信号の復調を行っていない全ての送信局のうち、受信信号とパイロット信号の相関値が最も高い送信局を復調対象として選択してもよい。
復調対象とする送信局Tpの選択後、RAKE合成部222−jは、ステージA数及びステージC数が1である場合、受信信号Rj−1における送信局Tpの各パスの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行う。ステージA数又はステージC数の少なくとも一方が2以上である場合、RAKE合成部222−jは、受信信号Rj−1に代えて、受信信号R0から、送信局Tp以外の送信局の第2干渉レプリカ信号が現在のステージCにおいて生成及び除去済みである場合は現在のステージCで生成されたその第2干渉レプリカ信号を、送信局Tpの送信局の第2干渉レプリカ信号を現在のステージCにおいて生成及び除去済みではない場合は前のステージC(ステージCが1である場合は、直前のステージA)において生成された第2干渉レプリカ信号を除去した信号を生成し、生成した信号における送信局Tpの各パスの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行う。RAKE合成部222−jは、位相補償、逆拡散及び時刻同期を行ったのち、チャネル推定部212において算出された各パスの振幅変動量推定結果に基づき、送信局Tpの全パスをRAKE合成する(ステップS625)。
復調部223−jは、RAKE合成された受信信号の復調処理を行う(ステップS630)。第2干渉レプリカ生成部224−jは、復調部223−jによる送信局Tpについての復調結果と、チャネル推定装置210による送信局Tpの各パスのチャネル推定結果とに基づき、第2干渉レプリカ信号を生成する(ステップS635)。第2除去部225−jは、受信信号Rj−1から第2干渉レプリカ生成部224−jが生成した第2干渉レプリカ信号を除去し、受信信号Rjを生成する(ステップS640)。
次に、制御部230は、全送信局の復調を終えたか否かを判定する(ステップS645)。制御部230が、全送信局の復調を終えていないと判定した場合(ステップS645:NO)、受信局200は、ステップS620の復調送信局決定処理に戻る。ステップS620に戻ったとき、jは1加算された値となる。
制御部230は、全送信局の復調を終えたと判定した場合(ステップS645:YES)、ステージC数が規定のマルチステージC数を下回っているか否かを判定する(ステップS650)。規定値は予め定めておく。制御部230は、ステージC数が規定のマルチステージC数を下回っていると判定した場合は(ステップS650:YES)、ステージC数に1を加算してインクリメントする。復調送信局決定部221−1は、第2干渉レプリカ信号が減算された受信信号Rjを、減算前の受信信号R0にリセットして、ステップS620の復調送信局決定処理に戻る(ステップS655)。例えば、復調送信局決定部221−1は、現在のステージにおいて第2干渉レプリカ信号が除去された受信信号Rjに、現在のステージにおいて除去した第2干渉レプリカ信号を第2干渉レプリカ保存部226から読出して加算することにより、第2干渉レプリカ信号を減算する前の受信信号R0にリセットする。なお、受信局200に図示しない記憶部に無線部202が出力したディジタル信号を記憶しておき、受信信号R0として読み出してもよい。ステップS620に戻ったとき、j=1となる。
制御部230は、ステージC数が規定のマルチステージC数を上回っていると判定した場合(ステップS650:NO)、ステージA数が規定のマルチステージA数を下回っているか否かを判定する(ステップS660)。制御部230は、ステージA数が規定のマルチステージA数を下回っていると判定した場合(ステップS660:YES)、ステージA数に1を加算してインクリメントする。復調パス決定部211−1は、第2干渉レプリカ信号が減算された受信信号を、減算前の受信信号R0にリセットする。制御部230は、ステージB数及びステージC数を1にセットする(ステップS665)。受信局200は、図9の判定処理A(ステップS415)の処理に戻る。ステップS415に戻ったとき、m=1となる。
一方、制御部230は、ステージA数が規定のマルチステージA数を上回っていると判定した場合(ステップS660:NO)、処理を終了する。
以上のように本実施形態の受信局200は、1回目のステージAにおける2回目以降のステージB、及び、2回目以降のステージAでは、復調パス決定部211で決定されたパス以外のパスについて、当該ステージBで第1干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスについては当該ステージBで生成された第1干渉レプリカ信号を、当該ステージBで第1干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスについては直前のステージBで生成した第1干渉レプリカ信号を受信信号から減算してから、復調パス決定部211で決定されたパスの処理を行う。これにより、当該ステージで未除去のパスから受ける干渉も低減し、高精度にチャネル推定を行い、残留干渉を低減する。
また、受信局200は、1回目のステージAにおける2回目以降のステージC及び2回目以降のステージAでは、復調送信局決定部221で決定された送信局以外の送信局について、当該ステージCで第2干渉レプリカ信号を生成及び除去済みの送信局については当該ステージで生成された第2干渉レプリカ信号を、当該ステージで第2干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではない送信局については直前のステージCで生成した第2干渉レプリカ信号を受信信号から減算してから、復調送信局決定部221で決定された送信局の各パスの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期とを行い、RAKE合成した後に復調を行う。これにより、当該ステージで未除去の送信局のパスから受ける干渉も低減し、かつ、高精度のチャネル推定結果を用いて、高精度に復調を行う。
上記の処理を、図1に示すように、受信局Rとしての受信局200が、パスa、bにより送信局T1からの信号を、パスc、dにより送信局T2からの信号を受信する場合を例に説明する。なお、規定のマルチステージA数、マルチステージB数及びマルチステージC数を2とする。
制御部230は、ステージA数、ステージB数及びステージC数に1をセットする(図9のステップS405)。無線部102は、アンテナ101が受信した信号に周波数変換を行った後、アナログ信号からディジタル信号に変換し、受信信号R0を生成する(図9のステップS410)。
ステージA数、ステージB数及びステージC数が1のとき、受信局200は以下のように動作する。
復調パス決定部211−1は、受信信号R0を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(図9のステップS415:YES、ステップS420)。受信信号R0におけるパスa、b、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−1は、最大電力のパスaを選択する(図10のステップS505)。チャネル推定部212−1は、受信信号R0を用いてパスaのチャネル推定を行う(図10のステップS510:YES、ステップS515)。第1干渉レプリカ生成部213−1は、パスaのチャネル推定結果と既知のパイロット信号に基づいて、パスaの第1干渉レプリカ信号を生成する(図10のステップS540:YES、ステップS545)。第1除去部214−1は、パスaの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去し、受信信号R1とする(図10のステップS555)。
次に、復調パス決定部211−2は、受信信号R1を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行う(図9のステップS415:YES、ステップS420)。受信信号R1におけるパスb、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−1は、現在のステージBにおいて復調したパスaを除き、最大電力のパスcを選択する(図10のステップS505)。受信局200は、上記と同様の処理により、受信信号R1を用いてパスcの第1第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R1から除去して受信信号R2を生成する。
続いて、受信局200は、上記と同様の処理により、受信信号R2を用いてパスbの第1第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R2から除去して受信信号R3を生成する。さらに、受信局200は、上記と同様の処理により、受信信号R3を用いてパスdの第1第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R3から除去して受信信号R4を生成する。
復調パス決定部211−5は、受信信号R4を利用して全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うが、閾値を超えるパスはない(図9のステップS415:YES、ステップS420、ステップS445:NO)。制御部230は、ステージB数を2に更新し、復調パス決定部211−1は、処理対象信号を受信信号R0にリセットする(図11のステップS605:YES、ステップS610)。受信局200は、図9の判定処理A(ステップS415)に戻る。
ステージA数が1、ステージB数が2、ステージC数が1のとき、受信局200は以下のように動作する。
復調パス決定部211−1は、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するため、チャネル推定対象パス以外のパスの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を生成する(図9のステップS415:NO、ステップS425)。復調パス決定部211−1は、生成された信号に含まれるパイロット信号を用いてチャネル推定する(図9のステップS430:YES、ステップS435)。例えば、復調パス決定部211−1は、パスaのチャネル推定を行うために、ステージB数が1のときのパスb、c、dの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部211−1は、パスbのチャネル推定を行う場合、ステージB数が1のときのパスa、c、dの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を用いる。
受信信号R0におけるパスa、b、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−1は、最大電力のパスaを選択する(図10のステップS505)。チャネル推定部212−1は、1回目のステージBで得られたパスa以外のパスb、c、dの第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部215から読み出して受信信号R0から除去する(図10のステップS510:NO、ステップS520)。チャネル推定部212−1は、パスb、c、dの第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0のパイロット信号を用いてチャネル推定する(図10のステップS525:YES、のステップS530)。第1干渉レプリカ生成部213−1は、パスaのチャネル推定結果と既知のパイロット信号に基づいて、パスaの第1干渉レプリカ信号を生成する(図10のステップS540:YES、ステップS545)。第1除去部214−1は、パスaの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去し、受信信号R1とする(図10のステップS555)。
復調パス決定部211−2は、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するため、チャネル推定対象パス以外のパスの第1干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を生成する(図9のステップS415:NO、ステップS425)。復調パス決定部211−1は、生成された信号に含まれるパイロット信号を用いてチャネル推定する(図9のステップS430:YES、ステップS435)。例えば、復調パス決定部211−2は、パスaのチャネル推定を行うために、ステージB数が1のときのパスb、c、dの第1干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を用いる。また、復調パス決定部211−1は、パスbのチャネル推定を行う場合、ステージB数が2のときのパスaの第1干渉レプリカ信号と、ステージB数が1のときのパスc、dの第1干渉レプリカ信号とを受信信号R1から除去した信号を用いる。
パスb、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−2は、現在のステージBにおいて選択済みのパス以外の最大電力のパスcを選択する(図10のステップS505)。チャネル推定部212−2は、2回目のステージBで得られたパスaの第1干渉レプリカ信号と、1回目のステージBで得られたパスb、dの第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部215から読み出して受信信号R0から除去する(図10のステップS510:NO、ステップS520)。チャネル推定部212−2は、パスa、b、dの第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号R1のパイロット信号を用いてチャネル推定する(図10のステップS525:YES、ステップS530)。受信局200は、上記と同様の処理により、パスcの第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R1から除去して受信信号R2を生成する。
続いて、受信局200は、上記と同様の処理によりパスbのチャネル推定と第1干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R2からパスbの第1干渉レプリカ信号を除去して受信信号R3を生成する。さらに、受信局200は、上記と同様の処理により、パスdのチャネル推定と第1干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R3からパスdの第1干渉レプリカ信号を除去して受信信号R4を生成する。
復調パス決定部211−5は、全送信局の全パスそれぞれのチャネル推定を行うが、閾値を超えるパスはない(図9のステップS415:YES、ステップS420、ステップS445:NO)。復調送信局決定部221−1は、処理対象信号を受信信号R0にリセットする(図11のステップS605:NO、ステップS615)。復調送信局決定部221−1は、受信信号を復調済みではない送信局T1、T2の中から、復調対象とする送信局T1を選択する(図11のステップS620)。RAKE合成部222−1は、受信信号R0における送信局T1のパスa、bの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行った後、チャネル推定部212において算出されたパスa、bの振幅変動量推定結果に基づきRAKE合成する(図11のステップS625)。復調部223−1は、RAKE合成された受信信号の復調処理を行う(図11のステップS630)。第2干渉レプリカ生成部224−1は、送信局T1の復調結果と、パスa、bのチャネル推定結果とに基づき、送信局T1についての第2干渉レプリカ信号を生成する(図11のステップS635)。第2除去部225−1は、受信信号R0から送信局T1の第2干渉レプリカ信号を減算し、受信信号R1を生成する(図11のステップS640)。
次に、復調送信局決定部221−2は、受信信号を復調済みではない送信局T2を復調対象とする送信局T1を選択する(図11のステップS645:NO、ステップS620)。RAKE合成部222−2は、受信信号R1における送信局T2のパスc、dの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行った後、チャネル推定部212において算出されたパスc、dの振幅変動量推定結果に基づきRAKE合成する(図11のステップS625)。復調部223−2は、RAKE合成された受信信号の復調処理を行う(図11のステップS630)。第2干渉レプリカ生成部224−2は、送信局T2の復調結果と、パスc、dのチャネル推定結果とに基づき第2干渉レプリカ信号を生成する(図11のステップS635)。第2除去部225−2は、受信信号R1から送信局T2の第2干渉レプリカ信号を減算し、受信信号R2を生成する(図11のステップS640)。
制御部230は、ステージC数を2に更新する(図11のステップS645:YES、ステップS650:YES、ステップS655)。第2干渉レプリカ生成部224−1は、処理対象信号を受信信号R0にリセットする。復調送信局決定部221−1は、2回目のステージCにおいて受信信号を復調済みではない送信局T1、T2の中から、復調対象とする送信局T1を選択する(図11のステップS620)。RAKE合成部222−1は、受信信号R0から、1回目のステージCにおいて生成された送信局T2の第2干渉レプリカ信号を除去する。RAKE合成部222−1は、送信局T2の第2干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0における送信局T1のパスa、bの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行った後、チャネル推定部212において算出されたパスa、bの振幅変動量推定結果に基づきRAKE合成する(図11のステップS625)。復調部223−1は、RAKE合成された受信信号の復調処理を行う(図11のステップS630)。第2干渉レプリカ生成部224−1は、送信局T1についての第2干渉レプリカ信号を生成し、第2除去部225−1は、生成された第2干渉レプリカ信号を受信信号R0から減算し、受信信号R1を生成する(図11のステップS635、ステップS640)。
次に、復調送信局決定部221−2は、送信局T2を復調対象として選択する図11のステップS620)。RAKE合成部222−2は、受信信号R0から、2回目のステージCにおいて生成された送信局T1の第2干渉レプリカ信号を除去する。RAKE合成部222−2は、送信局T1の第2干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0における送信局T2のパスc、dの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行った後、チャネル推定部212において算出されたパスc、dの振幅変動量推定結果に基づきRAKE合成する(図11のステップS625)。復調部223−1は、RAKE合成された受信信号の復調処理を行う(図11のステップS630)。第2干渉レプリカ生成部224−2は、送信局T2についての第2干渉レプリカ信号を生成し、第2除去部225−2は、生成された第2干渉レプリカ信号を受信信号R0から減算し、受信信号R1を生成する(図11のステップS635、ステップS640)。制御部230は、ステージA数を2に更新し、ステージB数、ステージC数を1に更新する(図11のステップS645:YES、ステップS650:NO、ステップS660:YES、ステップS665)。
ステージA数が2、ステージB数及びステージC数が1のとき、受信局200は以下のように動作する。
復調パス決定部211−1は、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するため、チャネル推定対象パス以外のパスの最新の第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去した信号を生成する(図9のステップS415:NO、ステップS425)。復調パス決定部211−1は、生成された信号に含まれるパイロット信号に加え、1回目のステージAにおいて生成された復調結果を復調結果保存部227から読み出して擬似のパイロット信号として用い、チャネル推定する(図9のステップS430:NO、ステップS440)。
受信信号R0におけるパスa、b、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−1は、最大電力のパスaを選択する(図10のステップS505)。チャネル推定部212−1は、ステージA数が1のときに生成されたパスb、c、dの第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部215から読み出して受信信号R0から除去する(図10のステップS510:NO、ステップS520)。チャネル推定部212−1は、パスb、c、dの第1干渉レプリカ信号が除去された受信信号R0のパイロット信号に加え、復調結果保存部227から1回目のステージAにおいて生成された復調結果を読み出して擬似パイロット信号として用い、チャネル推定する(図10のステップS525:NO、のステップS535)。第1干渉レプリカ生成部213−1は、パスaのチャネル推定結果と既知のパイロット信号と擬似パイロット信号に基づいて、パスaの第1干渉レプリカ信号を生成する(図10のステップS540:NO、ステップS550)。第1除去部214−1は、パスaの第1干渉レプリカ信号を受信信号R0から除去し、受信信号R1とする(図10のステップS555)。
復調パス決定部211−2は、全送信局の全パスを1つずつチャネル推定するため、チャネル推定対象パス以外のパスの最新の第1干渉レプリカ信号を受信信号R1から除去した信号を生成する(図9のステップS415:NO、ステップS425)。復調パス決定部211−2は、生成された信号に含まれるパイロット信号に加え、1回目のステージAにおいて生成された復調結果を復調結果保存部227から読み出して擬似のパイロット信号として用い、チャネル推定する(図9のステップS430:NO、ステップS440)。
受信信号R1におけるパスb、c、dの電力が閾値を超えており(図9のステップS445:YES)、復調パス決定部211−2は、現在のステージBにおいて選択済みのパスa以外の最大電力のパスcを選択する(図10のステップS505)。受信局200は、上記と同様の処理により、パスcの第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R1から除去して受信信号R2を生成する。
続いて、受信局200は、上記と同様の処理によりパスbの第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R2から除去して受信信号R3を生成する。さらに、受信局200は、上記と同様の処理により、パスdの第1干渉レプリカ信号を生成し、受信信号R3から除去して受信信号R4を生成する。
ステージA数が2、ステージB数が2、ステージC数が1のとき、受信局200は以下のように動作する。
受信局200は、ステージA数が2、ステージB数が1、ステージC数が1のときと同様の処理によりパスaのチャネル推定と第1干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R0からパスaの第1干渉レプリカ信号を除去して受信信号R1を生成する。ただし、受信信号R0から除去するパスb、c、dの第1レプリカ信号は、ステージA数が2、ステージB数が1のときに生成されたものを用いる。
次に、受信局200は、ステージA数が2、ステージB数が1、ステージC数が1のときと同様の処理によりパスcのチャネル推定と第1干渉レプリカ信号の生成を行い、受信信号R1からパスcの第1干渉レプリカ信号を除去して受信信号R2を生成する。ただし、受信信号R0から除去するパスaの第1レプリカ信号は、ステージA数が2、ステージB数が2のときに生成されたものを用い、パスb、dの第1レプリカ信号は、ステージA数が2、ステージB数が1に生成されたものを用いる。
さらに、受信局200は、パスb、パスdのチャネル推定と第1干渉レプリカ信号の生成を行う。
そして、受信局200の復調装置220は、ステージA数が1のときと同様に、図11のステップS615以降の処理を行う。ただし、復調装置220は、ステージA数が2、ステージB数が2のときにチャネル推定装置210により推定されたチャネル推定結果を用いる。また、ステージA数が2、ステージC数が1のとき、ステップS625において、RAKE合成部222−1は、受信信号R0から、1回目のステージAにおいて生成された送信局T2の第2干渉レプリカ信号を除去してから、送信局T1のパスa、bの受信信号に対して位相補償と、逆拡散と、時刻同期を行った後、RAKE合成する。
上述した実施形態によれば、例えば、図4の受信局100、図8の受信局200である無線通信装置は、多数の送信装置が同時発呼し、かつ、それら送信装置からの無線信号が多重波伝搬される環境で用いられ、パス単位逐次干渉キャンセラ機能を有する。無線通信装置は、パス単位で干渉レプリカ信号を生成及び除去するときに、全送信装置の全パスの干渉レプリカ信号を生成及び除去する処理を1回のステージとし、複数ステージの処理を行う。無線通信装置は、2回目以降のステージでは、復調パス決定部で決定されたパス以外のパスについて、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスについては当該ステージで生成された干渉レプリカ信号を、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスについては前ステージで生成した干渉レプリカ信号を受信信号から減算してから、復調パス決定部で決定されたパスの処理を行うことで、当該ステージで未除去のパスから受ける干渉も低減し、高精度にチャネル推定を行い、残留干渉を低減する。
上述した実施形態によれば、多数の送信局が同時発呼し、無線信号が多重波伝搬する環境において、無線通信装置は、複数の送信局から同一時刻、同一周波数で送信された信号を受信する。無線通信装置において、処理対象パス決定部は、所定の条件に従って、干渉レプリカ信号を生成及び除去する対象のパスを決定する。チャネル推定部は、決定されたパスに対してチャネル推定を行う。逆拡散部は、チャネル推定されたパスについて位相補償を行い、逆拡散処理を行う。復調部は、逆拡散処理された信号に対して復調を行う。復調情報選択部は、各送信局の全パスの復調結果の中からある1パスの復調結果を、その送信局の復調結果として選択する。具体的には、復調情報選択部は、同じ送信局の複数のパスのうち、チャネル推定部で得られたチャネル推定値の電力が最も大きいパスをその送信局の復調結果として選択する。干渉レプリカ生成部は、各パスについて、チャネル推定結果と復調結果を用いて干渉レプリカ信号を生成する。干渉レプリカ保存部は、各パスについて生成された干渉レプリカ信号を保存する。無線通信装置は、全送信局の全パスの信号に対して一回ずつ、干渉レプリカ信号を生成して受信信号から除去する処理を1回のステージとして複数ステージ処理を行う。2回目以降のステージでは、処理対象パス決定部により決定されたパス以外のパスについて、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスについては当該ステージで生成された干渉レプリカ信号を、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスについては前ステージで生成された干渉レプリカ信号を干渉レプリカ保存部から読み出して受信信号から除去する。逆拡散部は、このように干渉レプリカ信号が除去された信号に対して、処理対象パス決定部により決定されたパスの逆拡散処理を行う。
あるいは、無線通信装置は、チャネル推定装置及び復調装置を備える。チャネル推定装置は、全送信局の全パスのチャネルを推定する。復調装置は、チャネル推定装置と、チャネル推定装置で得たチャネル推定結果を用いて全送信局の信号を復調する。
チャネル推定装置は、処理対象パス決定部と、チャネル推定部と、第1干渉レプリカ生成部と、第1干渉レプリカ保存部とを備える。処理対象パス決定部は、所定の条件に従って、第1干渉レプリカ信号を生成及び除去するパスを決定する。チャネル推定部は、決定されたパスに対してチャネル推定を行う。第1干渉レプリカ生成部は、チャネル推定したパスに対して既知のパイロット信号を用いて第1干渉レプリカ信号を生成する。第1干渉レプリカ保存部は、生成された第1干渉レプリカ信号を保存する。チャネル推定装置は、全送信局の全パスの信号に対して一回ずつ、第1干渉レプリカ信号を生成して受信信号から除去する処理を第1ステージの1ステージとして複数ステージ処理を行う。チャネル推定装置は、第1ステージの2回目以降のステージでは、処理対象パス決定部で決定されたパス以外のパスについて、当該ステージで第1干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスは当該ステージで生成した第1干渉レプリカ信号を、当該ステージで第1干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではないパスは前ステージで生成した第1干渉レプリカ信号を第1干渉レプリカ保存部から読み出して受信信号から除去してから、処理対象パス決定部で決定されたパスの第1干渉レプリカ信号生成・除去を行う。
復調装置は、復調送信局決定部と、合成部と、復調部と、第2干渉レプリカ生成部と、第2干渉レプリカ保存部とを有する。復調送信局決定部は、復調する送信局を決定する。例えば、復調送信局決定部は、チャネル推定装置で得られたパスの電力を送信局毎に合計し、最も合計電力が高い送信局を復調対象の送信局として決定する。合成部は、決定された送信局に対して、チャネル推定装置で得られた全パスのチャネル推定結果を用いて位相補償及び逆拡散及び時刻同期を行ってから最大比合成するRAKE合成を行う。復調部は、RAKE合成された信号に対して復調処理を行う。第2干渉レプリカ生成部は、チャネル推定結果と復調結果を用いて第2干渉レプリカ信号を生成する。第2干渉レプリカ保存部は、生成された第2干渉レプリカ信号を保存する。復調装置は、全送信局の信号に対して一回ずつ、第2干渉レプリカ信号を生成してから、受信信号から生成された第2干渉レプリカ信号を除去する処理を第2ステージの1ステージとして複数ステージ処理を行う。復調装置は、第2ステージの2回目以降のステージでは、復調送信局決定部で決定された送信局について、当該ステージで第2干渉レプリカ信号を生成及び除去済みの送信局は当該ステージで生成された第2干渉レプリカ信号を、当該ステージで第2干渉レプリカ信号を生成及び除去済みではない送信局は前ステージで生成された第2干渉レプリカ信号を第2干渉レプリカ保存部から読み出して受信信号から除去する。合成部は、このように第2干渉レプリカ信号が除去された受信した受信信号をRAKE合成する。
なお、復調送信局決定部は、受信信号のパイロット信号部分と既知の各送信局のパイロット信号の相関値を計算することで各送信局の受信電力を算出し、最も受信電力が高い送信局を復調対象送信局として決定してもよい。
また、処理対象パス決定部は、最も電力の高いパスを復調対象パスとして決定してもよい。
また、処理対象パス決定部は、復調対象パスを決定するために全送信局の全パスを1パスずつチャネル推定する際に、当該パス以外のパスについて、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みのパスは当該ステージで生成された干渉レプリカ信号を、当該ステージで干渉レプリカ信号を生成及び除去済みでないパスは前ステージで生成された干渉レプリカ信号を受信信号から除去する。処理対象パス決定部は、このように干渉レプリカ信号が除去された受信信号を用いて各パスのチャネル推定を行う。
また、チャネル推定部は、前ステージの復調結果もパイロット信号として利用してもよい。
上述した実施形態における受信局100、200をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。