JP3808311B2 - 受信方法及び受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうち1番目のユーザ乃至K(K≧2)番目のユーザの信号を推定する受信方法及び装置に関するものであり、特に、不要な信号による干渉を補償する受信方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル無線通信システムの受信機にて、不要な信号による干渉を補償する技術としては、適応トランスバーサルフィルタにより、隣接チャネルからの干渉や他システムからの干渉を補償する方法がある。しかし、この方法では、同一システムからの干渉(同一チャネル干渉)を補償することができない。また、誤り訂正符号や符号化変調を用いることにより干渉を補償する方法がある。しかし、これらの方法は、受信信号における符号系列間の距離を広めることにより干渉の影響を軽減するだけであり、本質的に干渉補償を行っているわけではない。
【0003】
これに対して、干渉信号を推定し、これを受信信号から差し引くことで干渉成分を除去するベクトル系列推定方法が提案されている。この方法では、干渉信号と希望信号の通信路インパルス応答を推定し、この推定結果に基づいて干渉信号と希望信号が推定される。このように、干渉成分を積極的に推定し、その影響を軽減させるため、強い干渉信号が存在する場合でも良好な干渉補償特性を得ることができる。但し、このベクトル系列推定方法では、事前に干渉信号の数を認識しておく必要がある。また、干渉信号と希望信号のレベルが近接している場合には、干渉信号と希望信号の区別がつきにくくなり、干渉補償能力が低下するという問題がある。
【0004】
一方、スペクトラム拡散方式では、他のユーザの信号、即ち、他の拡散符号を用いるユーザの信号と干渉を起こした場合には、デコリレータにより、干渉信号と希望信号から構成される拡散符号系列の逆行列を入力信号系列に施して、干渉を補償する方法が知られている。この場合、デコリレータが用いる逆行列を変数とし、出力信号の干渉成分が最小となるようにこの変数を推定する最小二乗型干渉補償器等が用いられることがある。
【0005】
また、スペクトラム拡散(CDMA)方式では、マルチステージ干渉キャンセラによる干渉補償方法が用いられることがある。この干渉補償方法では、マッチドフィルタと呼ばれる、符号系列をタップ係数とするトランスバーサルフィルタが、干渉信号を復調して硬判定の後再拡散し、伝送路のインパルス応答と畳み込むことにより、受信信号から干渉信号を除去する。そして、希望信号の符号系列を内蔵するマッチドフィルタが、この干渉の除去された信号を復調し、判定・再復調・インパルス応答との畳み込みを行って、受信信号から差し引くことにより干渉信号を除去する。更に、干渉信号の符号系列を内蔵するマッチドフィルタがこの干渉の除去された信号を復調し、判定・再復調・インパルス応答との畳み込みを行って、受信信号から差し引くことにより干渉信号を除去する。このような処理が繰り返されることにより、受信信号から干渉信号が除去される。
【0006】
このマルチステージ干渉キャンセラは、基本的に、硬判定された信号を用いて、受信信号に含まれる干渉成分を除去し、干渉をある程度軽減させた後に、マッチドフィルタ受信することにより、伝送特性を向上させることができる。CDMAでは、元来、各ユーザに割り当てられている拡散符号間にはある程度のハミング距離があるため、上述した方法により、比較的良好な伝送特性が得られる。但し、硬判定が行われるため、最適受信時の伝送特性より劣化している。
【0007】
ところで、今後のマルチメディア通信においては、高速の信号伝送が必要となる。この場合には、ハードウェアの処理速度の限界よりもCDMAの拡散率を下げて通信を行う必要がある。しかし、CDMAの拡散率を下げると干渉補償能力が低下するため、より強力な干渉補償を行う装置が必要となる。
【0008】
また、移動体通信では、有線系よりも多くの加入者を抱えているため、1つの周波数帯域に多くのユーザの信号を収容すべく、空間的に離れた場所に同一の周波数を割り当てるセルラシステムが利用されている。このセルラシステムでは、サービス地域の環境に応じて、伝播が同一周波数を利用している他のサービス地域まで伝播することがある。
【0009】
従って、セルラシステムではしばしば強い同一チャネル干渉が発生する。この場合に、アンテナの指向性を利用して干渉を軽減させることができる。例えば、端末や周辺機器の移動に応じて刻一刻と変動する無線伝播環境を伝送路とする移動体通信では、この変動に適応してアンテナの指向性を変化させるアダプティブアレーアンテナの適用が有効であることが知られている。
【0010】
但し、アダプティブアレーアンテナでは、アンテナ素子数をNとすると、N−1の干渉信号を抑圧することが可能であるが、それ以上の干渉信号が到来すると、著しく伝送特性が劣化することが知られている。この劣化を軽減するために、アダプティブアレーアンテナについてもマルチステージ化して干渉を抑圧する空間領域マルチステージ干渉キャンセラが提案されている。しかしながら、この方法は、上述したCDMAのマルチステージ干渉キャンセラにおける、干渉信号の復調、硬判定、及び、硬判定信号に基づき干渉成分の除去を行うICU(Interference Canceling Unit )の替わりにアダプティブアレーを適用したものである。従って、この空間領域マルチステージ干渉キャンセラは、CDMAのマルチステージ干渉キャンセラと同様、硬判定しかできないため、最適受信ができずに伝送特性が劣化するという問題がある。特に、空間領域マルチステージ干渉キャンセラでは、CDMAのマルチステージ干渉キャンセラのように符号間のハミング距離に相当するものが存在しないため、硬判定による伝送特性の劣化の度合いが大きい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、同一の伝送路に複数のユーザの信号が伝送される場合に、硬判定に伴う伝送特性劣化を抑制し、通信品質を向上することが可能な受信方法及び受信機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は請求項1に記載されるように、K個の信号抽出手段と、信号推定手段とを備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機における受信方法において、前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率を導出するK個の結合確率導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を乗算する乗算手段とを備え、i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、i番目の結合確率導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率を導出し、乗算手段は、各結合確率導出手段によって導出された確率を乗算し、信号推定手段は、乗算手段によって算出された乗算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、結合確率導出手段に出力するように構成される。
【0013】
このような受信方法では、受信信号から所定数のユーザの信号を抽出し、これら抽出したユーザの信号と推定したユーザの信号との結合確率を最大にするように各ユーザの信号を推定することにより、硬判定に伴う伝送特性劣化を抑制し、通信品質を向上させることができる。特に、無線通信システムでは、多少の干渉条件下であっても高品質通信が可能になるため、同一周波数を利用する地域を従来よりも近づけることができ、面的な周波数利用効率を向上させることも可能となる。ここで、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率とは、結合確率、条件確率と称されるものである。
【0014】
また、移動体通信のように、伝送路状態が刻一刻と変動する環境では、各ユーザの信号の受信電力も同様に変動するため、どのユーザの信号を抽出すべきかについて、条件付確率が最大になるように決定して、更に尤度の高い復調を行うという観点から、本発明は請求項2に記載されるように、受信機は、ユーザ推定手段を更に備え、該ユーザ推定手段は、各結合確率導出手段によって導出された確率に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定し、各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するように構成することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明は請求項3に記載されるように、K個の信号抽出手段と、信号推定手段とを備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機における受信方法において、前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率の対数を導出するK個の対数尤度導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を加算する加算手段とを備え、i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、i番目の対数尤度導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率の対数を導出し、加算手段は、各対数尤度導出手段によって導出された対数を加算し、信号推定手段は、加算手段によって算出された加算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、対数尤度導出手段に出力するように構成される。
【0016】
このような受信方法では、受信信号から所定数のユーザの信号を抽出し、これら抽出したユーザの信号と推定したユーザの信号との結合確率の対数を最大にするように各ユーザの信号を推定することにより、硬判定に伴う伝送特性劣化を抑制し、通信品質を向上させることができる。併せて、結合確率をそのまま用いずに、その対数を算出することにより、受信機における演算量を低減させることができる。また、無線通信システムでは、多少の干渉条件下であっても高品質通信が可能になるため、同一周波数を利用する地域を従来よりも近づけることができ、面的な周波数利用効率を向上させることも可能となる。
【0017】
また、請求項2に記載された発明と同様、どのユーザの信号を抽出すべきかについて、条件付確率が最大になるように決定して、更に尤度の高い復調を行うという観点から、本発明は請求項4に記載されるように、前記受信方法において、受信機は、ユーザ推定手段を更に備え、該ユーザ推定手段は、各対数尤度導出手段によって導出された対数に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定し、各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するように構成することができる。
【0018】
また、アダプティブアレーのように信号の入射角に依存して所定の信号をキャンセルする信号抽出方法において、伝送路状態の変動に応じてアダプティブアレーのパラメータ(重み付け係数)を変更する観点から、本発明は請求項5に記載されるように、前記受信方法において、受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定したi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするように構成することができる。
【0019】
同様の観点から、本発明は請求項6に記載されるように、前記受信方法において、受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定していないi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするように構成することができる。
【0020】
更に同様の観点から、本発明は請求項7に記載されるように、前記受信方法において、受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、i番目の適応制御手段は、受信信号に基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするように構成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。Nユーザが同時に同じチャネルを用いて信号伝送を行い、これら各信号のうちKユーザの信号を復調するシステムを考える。このシステムにおける受信機は、Kユーザの信号(K個の信号)を分離するマルチチャネル(ここでは、Kチャネル)を形成し、これらマルチチャネルの出力信号を判定することにより、Kユーザの信号を正確に復調する。
【0022】
ここで、時刻kにおける復調信号ベクトルDをD=[d(k),d(k−1),…,d(0),d(k),…,d(0)]と表し、マルチチャネル通過後の受信信号RをR=[r(k),r(k−1),…,r(0)]と表す。復調信号の誤り率を最小にする推定方法としては、MAP(Maximum Apostriori Estimation )推定法が知られている。このMAP推定法は、送受信信号の結合確率が最大になる送信信号系列を推定するものである。本実施形態では、受信機は、以下の式(1)で示される結合確率を最大にする送信信号系列を推定することになる。
【0023】
P(r(k)r(k−1)…r(0)d(k)d(k−1)…d(k)…d(0)) (1)
ここで、式(1)をBaysの公式を用いて変形すると、
【0024】
【数1】
Figure 0003808311
となる。一般に、各ユーザの送信信号は互いに独立であるため、式(2)の最終項における結合確率は、
【0025】
【数2】
Figure 0003808311
となる。
【0026】
通常、各ユーザの送信信号の生起確率は一様であるため、式(2)における式(3)の項の寄与は無視することができる。この条件の下での式(1)の結合確率、即ち条件付確率を最大にする送信信号系列は、最尤系列推定(MLSE:Maximum Likelihood Sequence Estimation)により推定される。本実施形態では、受信機における最尤系列推定により、以下の式(4)で示される条件付確率を最大にする送信信号系列が推定される。
【0027】
【数3】
Figure 0003808311
有限時間Lτ(シンボル)の時間分だけ記憶のある伝送路の場合、ある時刻k以前のLτ間の時間ウィンドウに含まれる信号だけが、時刻kにおける条件付確立に寄与する。従って、この場合には式(4)は以下のように書き換えられる。
【0028】
【数4】
Figure 0003808311
式(5)における条件付確率P(r(k)|rm+1(k)…r(k)d(k)…d(k−Lτ)…d(k−Lτ))は、m番目のチャネルの受信信号が、m+1番目以上のチャネルとm番目以上のチャネルの送信候補信号とにより推定されることを示す。言い換えれば、m番目のチャネルは、m−1番目以下のチャネルの信号から独立していることを意味する。これが尤度関数を用いてMLSEが行われる場合の条件となる。この条件の下、受信機が式(5)で示される条件付確率を最大にする送信信号系列を推定することにより、最も確からしいKユーザの信号を復調することができる。なお、MLSEの条件が満たされない場合には、受信機は、式(3)に従って、符号の送信確率を推定し、その送信確率に基づいて式(2)で示される確率を最大にする送信信号系列を推定することにより、最も確からしいKユーザの信号を復調することができる。
【0029】
式(5)の条件付確率を最大にする送信信号系列の推定方法としては、ベクトルビタビアルゴリズムやベクトル逐次復号アルゴリズムがある。ベクトルビタビアルゴリズムは、一定の演算量で処理を行うことができるが、ベクトル逐次アルゴリズムは、SNR(信号対雑音電力比)に依存して演算量が変化するという特徴がある。
【0030】
ベクトルビタビアルゴリズムは、[(rm+1(k)…r(k)d(k)…d(k−Lτ)…d(k−Lτ))という信号セットを1つの状態とみなし、この信号セットの全ての生起状態を発生させ、式(5)を最大にする信号セットを推定するものである。
【0031】
一方、ベクトル逐次復号アルゴリズムは、幾つかの生き残りベクトルを発生させ、そのうちの最も確率が高い送信信号ベクトルに連なる時系列に従って時系列更新することにより、確からしさを計算し、時系列更新ベクトルと他の時系列更新されない生き残りベクトルとの確からしさを比較する。もし、他の生き残りベクトルが時系列更新ベクトルよりも確からしさが向上した場合には、その時系列更新は中止され、他の生き残りベクトルが新たに時系列更新される。このようにして、有限ブロック単位で送られる信号に対して復調が行われる。
【0032】
このような送信信号系列の推定を行う場合には、送信信号系列と受信信号に関する結合確率が必要となる。例えば、既知の送信信号と受信信号から結合確率を求め、この結合確率により、送信信号系列を推定することができる。また、伝送路で付加される雑音の分布がガウス分布に従う場合には、確率密度関数を以下のように表すことができる。
【0033】
【数5】
Figure 0003808311
但し、
=ay+n (6.2)
である。ここで、添え字kは時刻を表している。また、aは伝送路のインパルス応答、nは雑音、σは雑音の分散を示す。陸上移動通信のように受信機が常温によって暖められている場合には、信号に付加される雑音は、受信機内のLNA(Low Noise Amplifier )から発せられるが薄雑音により決定される。従って、通常の伝送路を経た信号の確率分布は式(6.1)の関数を利用することができる。受信機において、直接に測定した確率分布、あるいは、式(6.1)から求められる確率分布を利用して、式(4)の条件付確率を算出し、この条件付確率を送信信号系列に対する尤度(確からしさ)とすることにより、送信信号系列を推定することができる。
【0034】
ところで、受信機は、演算器により実現される回路、特に最近ではデジタル回路により構成される。この演算器は、主として積和演算器により構成されるため、受信機において式(6.1)の関数を直接取り扱うためには有理関数展開する必要があり、演算量が増加する場合がある。そこで、受信機における演算量を低減させるべく、式(6.1)の対数を算出する方法がある。この場合、式(4)は対数尤度Jとなり、以下のように表される。
【0035】
【数6】
Figure 0003808311
【0036】
【数7】
Figure 0003808311
以下、結合確率を算出し、この結合確率を最大にする送信信号系列を推定する第1実施例と、対数尤度を算出し、この対数尤度を最大にする送信信号系列を推定する第2実施例について説明する。
【0037】
図1は、結合確率を最大にする送信信号系列を推定する第1実施例における受信機の第1の構成例を示す図である。同図に示す受信機は、例えば無線通信システムにおける基地局であり、同一の無線チャネルを伝送されるNユーザの信号のうち1番目のユーザ乃至K(K≧2)番目のユーザの信号を復調する。この受信機は、入力端子1、K段の信号抽出器(Extractor )2−1〜2−K、K段の条件付確率推定器(Joint probability calculation )3−1〜3−K、乗算器4、系列推定器5、出力端子6−1〜6−Kを備えて構成される。
【0038】
入力端子1には、同一の無線チャネルを伝送されるNユーザの信号が入力される。信号抽出器2−1〜2−Kは、これらNユーザの信号から所定のユーザの信号のみを抽出する。具体的には、信号抽出器2−i(i番目の信号抽出器)は、i番目〜K番目のユーザの信号を抽出する。
【0039】
これら信号抽出器2−1〜2−Kは、アダプティブアレー、CDMA通信に用いられる直交化フィルタ、変形デコリレータ等の適用により実現される。アダプティブアレーを適用する場合には、干渉信号にヌルを向けることにより、干渉信号を受信することなく希望する信号を受信することができる。直交化フィルタを適用する場合には、所定の信号群の符号を出力し、それ以外の信号群の符号には直交するようにフィルタの係数を決定すればよい。また、変形デコリレータを適用する場合には、全てのユーザの符号のうち、所定数のユーザの符号をユーザ用のマッチドフィルタで受信し、その符号間の相関行列の逆行列をこれらマッチドフィルタの出力信号に施すことにより、有限の信号についてのみ直交化される。有限の信号についてのみ直交化されるため、その他の信号を受信することができる。
【0040】
条件付確率推定器3−1〜3−Kは、同一段の信号抽出器2−1〜2−Kによって抽出されたユーザの信号と、後述する系列推定器5によって推定されたユーザの信号とに基づいて、条件付確率を導出する。この条件付確率は、系列推定器5によって推定されたユーザの信号が送信機(図示せず)から送信された場合に、信号抽出器によって抽出されたユーザの信号が得られる確率を示しており、上述した式(2)あるいは式(4)により求められる。具体的には、条件付確率推定器3−i(i番目の条件付確率推定器)は、系列推定器5によって推定されたi番目〜K番目のユーザの信号(仮判定値)が送信された場合に、信号抽出器2−iによって抽出されたi番目〜K番目のユーザの信号が得られる確率(結合確率、条件付確率)を導出する。
【0041】
乗算器4は、各条件付確率推定器3−1〜3−Kによって導出された条件付確率を乗算する。系列推定器5は、この乗算値が最大になるように、即ち、各条件付確率推定器3−1〜3−Kによって導出された条件付確率が最大になるように、ユーザ毎の送信信号系列を推定する。
【0042】
具体的には、系列推定器5は、乗算器4によって算出された乗算値が最大でない場合には、1番目〜K番目のユーザのそれぞれについての信号系列(仮判定値)を推定し、各条件付確率推定器3−1〜3−Kに出力する。各条件付確率推定器3−1〜3−Kは、この信号系列と同一段の信号抽出器2−1〜2−Kによって抽出されたユーザの信号とに基づいて、条件付確率を導出し、乗算器4は、これら各条件付確率を乗算する。そして、系列推定器5は、乗算器4によって算出された乗算値が最大でない場合には、再び信号系列を推定し、各条件付確率推定器3−1〜3−Kに出力する。
【0043】
このような動作が繰り返され、乗算器4によって算出された乗算値が最大になった場合には、系列推定器5は、直前に推定した各信号系列を1番目〜K番目のユーザの送信信号系列として確定し、出力端子6−1〜6−Kから出力する。
【0044】
このように、本実施例の受信機は、受信信号から所定数のユーザの信号を抽出し、これら抽出したユーザの信号と推定したユーザの信号との結合確率を最大にするように各ユーザの信号を推定しており、硬判定に伴う伝送特性劣化を抑制し、通信品質を向上させることができる。特に、本実施例の受信機を無線通信システムにおける基地局等に適用した場合には、多少の干渉条件下であっても高品質通信が可能になるため、同一周波数を利用する地域を従来よりも近づけることができ、面的な周波数利用効率を向上させることも可能となる。
【0045】
ところで、移動体通信では、端末や周辺機器の移動に応じて伝送路状態が刻一刻と変動する。このため、アダプティブアレーのように信号の入射角に依存して所定の信号をキャンセルする信号抽出方法では、伝送路状態の変動に応じてアダプティブアレーのパラメータ(重み付け係数)を変更する必要がある。
【0046】
図2は、第1実施例における受信機の第2の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号と系列推定器からの信号系列とに基づいて適応的に推定する受信機の構成例を示す図である。図2に示す受信機は、図1に示す受信機と比較すると、K段の適応制御器(Adaptive Cont.)7−1〜7−Kが付加されている。これら適応制御器7−1〜7−Kは、受信信号と系列推定器5からの信号系列とに基づき、伝送路状態の変動に応じて同一段の信号抽出器2−1〜2−Kのパラメータを適応的に推定する。系列推定器5からの信号系列は、ユーザの送信信号系列として確定された信号系列でも、確定していない信号系列でも良い。信号抽出器2−1〜2−Kは、これら推定されたパラメータを用いて受信信号の重み付けを行う。
【0047】
図3は、第1実施例における受信機の第3の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号のみに基づいて適応的に推定する受信機の構成例を示す図である。図3に示す受信機は、図1に示す受信機と比較すると、適応制御器(Blind Separator )8が付加されている。この適応制御器8は、受信信号に基づき、伝送路状態の変動に応じて各信号抽出器2−1〜2−Kのパラメータを適応的に推定する。信号抽出器2−1〜2−Kは、この推定されたパラメータを用いて受信信号の重み付けを行う。
【0048】
また、移動体通信のように、伝送路状態が刻一刻と変動する環境では、各ユーザの信号の受信電力も同様に変動する。従って、各信号抽出器2−1〜2−Kからどの信号を抽出すべきかについて、上述した式(4)の条件付確率が最大になるように決定することにより、更に尤度の高い復調が可能となる。即ち、信号抽出器2が出力する信号に対応するユーザ群の状態を式(1)の結合確率が最大になるように決定することにより、通信品質を更に向上させることができる。
【0049】
図4は、第1実施例における受信機の第2の構成例であり、ダイナミックな信号の変動に伴い、信号抽出器から出力されるユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図4に示す受信機は、図1に示す受信機と比較すると、状態推定器9、スイッチ回路10−1〜10−K−1が付加されている。状態推定器9は、所定時間毎、あるいはパケット通信のように離散的な通信が開始される毎に、信号抽出器2−1〜2−Kからどのユーザの信号を抽出すべきかについて、条件付確率推定器3−1〜3−Kによって導出された条件付確率が最大になるように決定する。信号抽出器2−1〜2−Kは、この決定に基づき、所定のユーザ群の信号を出力する。スイッチ回路10−1〜10−K−1は、信号抽出器2−1〜2−Kから条件付確率推定器3−1〜3−Kに入力される信号と、系列推定器5から条件付確率推定器3−1〜3−Kに入力される送信系列とが同一のユーザ群になるように、出力信号を切り替える。例えば、スイッチ回路10−1は、信号抽出器2−2から条件付確率推定器3−2に入力される信号と、系列推定器5から条件付確率推定器3−2に入力される送信系列とが同一のユーザ群になるように、出力信号を切り替える。
【0050】
また、信号抽出器の係数を適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替えるようにすることもできる。図5は、第1実施例における受信機の第5の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号と系列推定器からの信号系列とに基づいて適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図5に示す受信機は、図1に示す受信機と比較すると、K段の適応制御器(Adaptive Cont.)7−1〜7−K、状態推定器9、スイッチ回路10−1〜10−K−1が付加されている。これら適応制御器7−1〜7−K、状態推定器9、スイッチ回路10−1〜10−K−1は、上述した図2及び図4における動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0051】
一方、図6は、第1実施例における受信機の第6の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号のみに基づいて適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図6に示す受信機は、図1に示す受信機と比較すると、適応制御器(Blind Separator )8、状態推定器9、スイッチ回路10−1〜10−K−1が付加されている。これら適応制御器8、状態推定器9、スイッチ回路10−1〜10−K−1は、上述した図3及び図4における動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0052】
次に、対数尤度を算出し、この対数尤度を最大にする送信信号系列を推定する第2実施例について説明する。図7は、対数尤度を最大にする送信信号系列を推定する第2実施例における受信機の第1の構成例を示す図である。同図に示す受信機は、第1実施例における受信機と同様、例えば無線通信システムにおける基地局であり、同一の無線チャネルを伝送されるNユーザの信号のうち1番目のユーザ乃至K(K≧2)番目のユーザの信号を復調する。この受信機は、入力端子21、K段の信号抽出器(Extractor )22−1〜22−K、K段の尤度推定器(metric generator)23−1〜23−K、加算器24、系列推定器25、出力端子26−1〜26−Kを備えて構成される。
【0053】
入力端子21には、同一の無線チャネルを伝送されるNユーザの信号が入力される。信号抽出器22−1〜22−Kは、第1実施例における信号抽出器2−1〜2−Kと同様、入力端子21に入力されたNユーザの信号から所定のユーザの信号のみを抽出する。
【0054】
尤度推定器23−1〜23−Kは、同一段の信号抽出器22−1〜22−Kによって抽出されたユーザの信号と、後述する系列推定器25によって推定されたユーザの信号とに基づいて、条件付確率の対数(以下、「対数尤度」と言う。)を導出する。
【0055】
加算器24は、各尤度推定器23−1〜23−Kによって導出された対数尤度を加算する。系列推定器25は、この加算値が最大になるように、即ち、各尤度推定器23−1〜23−Kによって導出された対数尤度が最大になるように、ユーザ毎の送信信号系列を推定する。
【0056】
具体的には、系列推定器25は、第1実施例における系列推定器5と同様、加算器24によって算出された加算値が最大でない場合には、1番目〜K番目のユーザのそれぞれについての信号系列を推定し、各尤度推定器23−1〜23−Kに出力する。各尤度推定器23−1〜23−Kは、この信号系列と同一段の信号抽出器22−1〜22−Kによって抽出されたユーザの信号とに基づいて、対数尤度を導出し、加算器24は、これら各対数尤度を加算する。そして、系列推定器25は、加算器24によって算出された加算値が最大でない場合には、再び信号系列を推定し、各尤度推定器23−1〜23−Kに出力する。
【0057】
このような動作が繰り返され、加算器24によって算出された加算値が最大になった場合には、系列推定器25は、直前に推定した各信号系列を1番目〜K番目のユーザの送信信号系列として確定し、出力端子26−1〜26−Kから出力する。
【0058】
このように、本実施例の受信機は、受信信号から所定数のユーザの信号を抽出し、これら抽出したユーザの信号と推定したユーザの信号との結合確率の対数を最大にするように各ユーザの信号を推定しており、硬判定に伴う伝送特性劣化を抑制し、通信品質を向上させることができる。併せて、結合確率をそのまま用いずに、その対数を算出することにより、受信機における演算量を低減させることができる。また、第1実施例における受信機と同様、本実施形態の受信機を無線通信システムにおける基地局等に適用した場合には、多少の干渉条件下であっても高品質通信が可能になるため、同一周波数を利用する地域を従来よりも近づけることができ、面的な周波数利用効率を向上させることも可能となる。
【0059】
なお、上述した第1実施例と同様、アダプティブアレーのように信号の入射角に依存して所定の信号をキャンセルする信号抽出方法では、伝送路状態の変動に応じてアダプティブアレーのパラメータ(重み付け係数)を変更する必要がある。
【0060】
図8は、第2実施例における受信機の第2の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号と系列推定器からの信号系列とに基づいて適応的に推定する受信機の構成例を示す図である。図8に示す受信機は、図7に示す受信機と比較すると、K段の適応制御器(Adaptive Cont.)27−1〜27−Kが付加されている。これら適応制御器27−1〜27−Kは、第1実施例における適応制御器7−1〜7−Kと同様、受信信号と系列推定器25からの信号系列とに基づき、伝送路状態の変動に応じて同一段の信号抽出器22−1〜22−Kのパラメータを適応的に推定する。系列推定器25からの信号系列は、ユーザの送信信号系列として確定された信号系列でも、確定していない信号系列でも良い。信号抽出器22−1〜22−Kは、これら推定されたパラメータを用いて受信信号の重み付けを行う。
【0061】
図9は、第2実施例における受信機の第3の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号のみに基づいて適応的に推定する受信機の構成例を示す図である。図9に示す受信機は、図7に示す受信機と比較すると、適応制御器(Blind Separator )28が付加されている。この適応制御器28は、第1実施例における適応制御器8と同様、受信信号に基づき、伝送路状態の変動に応じて各信号抽出器22−1〜22−Kのパラメータを適応的に推定する。信号抽出器22−1〜22−Kは、この推定されたパラメータを用いて受信信号の重み付けを行う。
【0062】
また、上述した第1実施例と同様に、伝送路状態が刻一刻と変動する環境においては各ユーザの信号の受信電力も同様に変動することに伴い、各信号抽出器22−1〜22−Kからどの信号を抽出すべきかについて、上述した式(4)の対数尤度が最大になるように、即ち、信号抽出器22が出力する信号に対応するユーザ群の状態を式(1)の結合確率が最大になるように決定することにより、通信品質を更に向上させることができる。
【0063】
図10は、第2実施例における受信機の第4の構成例であり、ダイナミックな信号の変動に伴い、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図10に示す受信機は、図7に示す受信機と比較すると、状態推定器29、スイッチ回路30−1〜30−K−1が付加されている。状態推定器29は、第1実施例における状態推定器9と同様、所定時間毎、あるいはパケット通信のように離散的な通信が開始される毎に、信号抽出器22−1〜22−Kからどのユーザの信号を抽出すべきかについて、尤度推定器23−1〜23−Kによって導出された対数尤度が最大になるように決定する。信号抽出器22−1〜22−Kは、この決定に基づき、所定のユーザ群の信号を出力する。スイッチ回路30−1〜30−K−1は、第1実施例におけるスイッチ回路10−1〜10−K−1と同様、信号抽出器22−1〜22−Kから尤度推定器23−1〜23−Kに入力される信号と、系列推定器25から尤度推定器23−1〜23−Kに入力される送信系列とが同一のユーザ群になるように、出力信号を切り替える。
【0064】
また、信号抽出器の係数を適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替えるようにすることもできる。図11は、第2実施例に置ける受信機の第5の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号と系列推定器からの信号系列とに基づいて適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図11に示す受信機は、図7に示す受信機と比較すると、K段の適応制御器(Adaptive Cont.)27−1〜27−K、状態推定器29、スイッチ回路30−1〜30−K−1が付加されている。これら適応制御器27−1〜27−K、状態推定器29、スイッチ回路30−1〜30−K−1は、上述した図8及び図10における動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0065】
一方、図12は、第2実施例に置ける受信機の第6の構成例であり、信号抽出器の係数を受信信号のみに基づいて適応的に推定するとともに、信号抽出器が出力するユーザの信号を切り替える受信機の構成例を示す図である。図12に示す受信機は、図7に示す受信機と比較すると、適応制御器(Blind Separator )28、状態推定器29、スイッチ回路30−1〜30−K−1が付加されている。これら適応制御器28、状態推定器29、スイッチ回路30−1〜30−K−1は、上述した図9及び図10における動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0066】
次に、上述した第1及び第2の実施例における受信機を構成する各機能ブロックについてその詳細を説明する。
【0067】
図13は、信号抽出器の第1の構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、4素子のフェーズドアレーアンテナを用いた場合の構成であり、アレーアンテナの給電点51−1〜51−4、係数メモリ素子52−1〜52−4、乗算器53−1〜53−4、加算器54、出力端子55を備えて構成される。この信号抽出器は、通常のフィールドアレーと同様の構成であるため、所定方向の信号のみを取り込み、それ以外の方向の信号をキャンセルするように動作する。
【0068】
図14は、信号抽出器の第2の構成例であり、係数を適応的に推定する場合における構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、図13に示す信号抽出器と同様、4素子のフェーズドアレーアンテナを用いた場合の構成であり、アレーアンテナの給電点51−1〜51−4、乗算器53−1〜53−4、加算器54、出力端子55、入力信号出力端子56、係数入力端子57、出力信号の適応制御器への出力端子58を備えて構成される。入力信号(受信信号)は入力信号出力端子56から適応制御器に出力される。また、適応制御器からの重み付け係数は係数入力端子57から入力される。信号抽出器は、これら重み付け係数により適応的なビーム形成を行い、信号を出力する。
【0069】
図15は、適応制御器の第1の構成例であり、図14の信号抽出器を用いた場合の構成例を示す図である。同図に示す適応制御器は、重み付け係数出力端子61、信号入力端子62、信号抽出器出力信号入力端子63、加算器64、乗算器65−1〜65−K、系列推定器からの仮判定値入力端子66−1〜66−K+1、減算器67、適応アルゴリズム部(Adaptive Algorithm)68を備えて構成される。この適応制御器は、系列推定器からの仮判定値に対して重み付け加算を行うことにより、信号抽出器の出力信号のレプリカを生成する。そして、適応制御器は、このレプリカと信号抽出器の出力信号との誤差電力の平均が最小になるように、適応アルゴリズム部68により重み付け係数の制御を行う。これにより、レプリカと信号抽出器の出力信号との誤差が最小になるように重み付け係数が制御されるため、信号抽出器からは仮判定値入力端子66−1〜66−K+1に関わる信号のみが出力される。
【0070】
このとき、適応アルゴリズム部68には、最小二乗平均誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error )規範に基づくアルゴリズム等が適用される。以下においては、MMSE規範に基づく代表的なアルゴリズムであるLMS(Least Mean Square )が適用される場合を説明する。
【0071】
アレーアンテナの給電素子の受信信号をu(k)とし(iは給電素子の番号)、信号抽出器の出力信号をrとすると、
【0072】
【数8】
Figure 0003808311
但し、vk,j(i)は信号抽出器内の乗算器に対する重み付け係数、Nelはアンテナ素子数を示す。このとき、仮判定値入力端子66−K+1からの仮判定値がd(k)である場合、レプリカと信号抽出器の出力信号との誤差は以下のように表される
【0073】
【数9】
Figure 0003808311
但し、d(k)はi番目のユーザの時刻kにおける仮判定値を示す。このとき、重み付け係数は以下の式(10)により更新される。
【0074】
【数10】
Figure 0003808311
式(10)において*は複素共役を示し、μはステップサイズパラメータと呼ばれる0<μ<1の定数を示す。
【0075】
また、図3や図9に示す受信機で用いられるブラインド型の適応制御器としての構成例としては、超分解能到来方向推定法の適用がある。以下においては、代表的な超分解能到来方向推定法であるMUSIC法について説明する。MUSIC法では、アレーアンテナの入力信号ベクトルの相関行列Rを求め、その平均値を固有値分解する。式で表すと、
【0076】
【数11】
Figure 0003808311
R=UΓU Γ=diag(λ λ … λel) (12)
式(12)において、Uはユニタリ行列、diag(…)は括弧内のベクトルを対角要素とする対角行列を表している。但し、括弧内の値λは相関行列の固有値を表している。アンテナの素子数がユーザの数Kより少ない場合には、
λ>…>λ>>λK+1>λel (13)
なる関係となる。
【0077】
そこで、各々の固有値λに対応した固有ベクトルをuとすると、各重み付け係数を以下のように設定することができる。
【0078】
【数12】
Figure 0003808311
図16は、尤度推定器の構成例を示す図である。同図に示す尤度推定器は、入力端子71、実数部の2乗値を演算する演算回路72、虚数部の2乗値を演算する演算回路73、加算器74、スカラ出力端子75を示す。一般に通信システムでは、受信信号は等化低域系で表現されるため、各変数は複素数で表される。このため、尤度推定器は複素数の包絡線の2乗値を演算する。
【0079】
図17は、スイッチ回路の構成例を示す図である。同図に示すスイッチ回路は、i個の入力信号に対してi−1個の信号を出力するものであり、入力端子81−1〜81−k、スイッチ回路本体82、ノード83−1〜83−k、84−1〜84−k、スイッチ制御端子85、出力端子86−1〜86−i−1を備えて構成される。図17に示す例では、入力端子81−2からの信号が断となり、それ以外の信号が出力される。
【0080】
図17に示すスイッチ回路を制御する状態推定器は、時刻kのユーザベクトル状態をs(m)=[d(k),…,d(k)]とすると、以下の式(15)に定義されるmを推定することになる。
【0081】
【数13】
Figure 0003808311
(m)はK個のユーザデータの入れ替えによって生成されるため、mは
【0082】
【数14】
Figure 0003808311
だけ存在する。なお、P(・)は式(1)で定義され、図1における乗算器4の出力信号を示す。このとき、図17のスイッチ回路は、入力されるi個のユーザベクトルの上位i−1個だけを通過させる。但し、ユーザベクトルs(m)の上位i−1個がどのユーザに相当するかは、mによって異なる。
【0083】
図18は、信号推定器の第1の構成例を示す図である。同図に示す信号推定器は、2ユーザで、各ユーザが4値変調を用い、且つ、伝送路に記憶のない場合の例である。この信号推定器は、入力端子91、最低値検出器92、リセット端子93、バイナリカウンタ94−1、94−2、メモリ回路95−1、95−2、仮判定値出力端子97−1、97−2、復調信号出力端子99−1、99−2を備えて構成されている。最低値検出器92、バイナリカウンタ94−1、94−2は、シンボル周期毎にリセット端子93からのリセット信号に同期してリセットされる。従って、最低値検出器92は、1シンボル内の最低値を検出することになる。同図におけるfはシンボル周波数を示しているので、2個のバイナリカウンタ94−1、94−2は、4相変調における全てのパターンを発生する。このため、最低値検出器92は、2ユーザの送信可能性のある全ての信号パターンの中で最低の組み合わせを推定し、その値をメモリ回路95−1、95−2から検索し、復調信号出力端子99−1、99−2から出力する。
【0084】
図19は、信号抽出器の第3の構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、信号入力端子101−1〜101−N、タップ付遅延線フィルタによって構成されるフィードフォワードフィルタ102−1〜102−N、加算器103、信号出力端子104を備えて構成される。この信号抽出器は、図14に示す信号抽出器とは異なり、時間軸上の操作が可能であるため、単一の空間ビームだけでなく、時空間のビームを形成することができる。従って、高速通信において発生するマルチパス波に対して有効なビーム形成を通じて信号抽出を行うことが可能になるという利点がある。
【0085】
図20は、図19に示す信号抽出器で用いられるタップ付遅延線フィルタの構成例を示す図である。図20に示すタップ付遅延線フィルタは、信号入力端子111、遅延素子112−1〜112−4、乗算器113−1〜113−4、乗算器の主無付け係数入力端子114−1〜114−4、加算器115、信号出力端子116を備えて構成される。
【0086】
図21は、信号抽出器の第4の構成例であり、図19に示す信号抽出器の係数を適応的に推定する場合の構成例を示す図である。図21に示す信号抽出器は、入力端子121−1〜121−N、図20に示すタップ付遅延線フィルタにより構成されるフィードフォワードフィルタ122−1〜122−N、適応制御器への入力信号出力端子123、適応制御器からの係数入力端子124、加算器125、信号出力端子126、適応制御器への出力信号出力端子127を備えて構成されている。
【0087】
図22は、適応制御器の第2の構成例であり、図21の信号抽出器を用いた場合の適応制御器の構成例を示す図である。図22に示す適応制御器は、信号抽出器への係数出力端子131、信号抽出器からの信号出力端子132、加算器134、減算器135、図20に示すタップ付遅延線フィルタにより構成されるフィードフォワードフィルタ136−1〜136−N、信号推定器からの仮判定値入力端子137−1〜137−K+1、適応アルゴリズム部138を備えて構成されている。
【0088】
適応アルゴリズム部138には、図15に示す適応アルゴリズム部68と同様、規範に基づくアルゴリズム等が適用される。例えば、LMSが適用される場合には、適応アルゴリズム部138は、式(8)、式(10)における変数vi,j(k)とwi,j(k)をタップ付遅延線フィルタに合わせて、ベクトルに拡張することにより、容易にアルゴリズムを導くことができる。
【0089】
図23は、系列推定器の第2の構成例であり、図19や図21に示す信号抽出器を用いた場合の構成例を示す図である。図23に示す信号推定器は、2ユーザで、各ユーザが4値変調を用い、且つ、伝送路に1シンボル遅延波がある場合の例である。この信号推定器は、入力端子141、最低値検出器142、リセット端子143、バイナリカウンタ144−1、144−2、メモリ回路145−1、145−2、仮判定値出力端子147−1、147−2、復調信号出力端子149−1、149−2を備えて構成されている。最低値検出器142、バイナリカウンタ144−1、144−2は、シンボル周期毎にリセット端子143からのリセット信号に同期してリセットされる。従って、最低値検出器142は、1シンボル内の最低値を検出することになる。同図におけるfはシンボル周波数を示しているので、2個のバイナリカウンタ144−1、144−2は、4相変調における全てのパターンを発生する。このため、最低値検出器142は、2ユーザの送信可能性のある全ての信号パターンの中で最低の組み合わせを推定し、その値をメモリ回路145−1、145−2から検索し、復調信号出力端子149−1、149−2から出力する。
【0090】
図24は、信号抽出器の第5の構成例であり、CDMA通信における構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、信号入力端子201、逆拡散を行うマッチドフィルタ202、直交化フィルタ203、逆拡散後の信号を出力する信号出力端子204、直交化フィルタへの係数入力端子205、信号出力端子206を備えて構成されている。この信号抽出器では、抽出したい信号の符号系列をタップ係数とするマッチドフィルタ202により逆拡散した後に、その出力に含まれる不要な干渉成分を直交化フィルタ203によりフィルタリングすることにより、所望の信号群だけを得ることが可能になる。
【0091】
図25は、信号抽出器の第6の構成例であり、図24に示すマッチドフィルタ202と直交化フィルタ203とを1つの直交化フィルタに統合した場合の構成例を示す図である。図25に示す信号抽出器は、信号入力端子211、直交化フィルタ213、受信信号の適応制御器への出力端子214、直交化フィルタへの係数入力端子215、信号出力端子206を備えて構成されている。
【0092】
図26は、適応制御器の第3の構成例であり、図24や図25に示す信号抽出器を用いた場合の構成例を示す図である。図26に示す適応制御器は、信号抽出器への係数出力端子221、信号抽出器からの信号出力端子222、加算器224、減算器225、乗算器226−1〜226−K、信号推定器からの仮判定値入力端子227−1〜227−K+1、適応アルゴリズム部228を備えて構成されている。この適応制御器は、式(9)におけるS(i)を乗算器226−1からの信号とみなし、式(10)におけるU(k)を図25に示す直交化フィルタ213のタップ付遅延線のシフトレジスタへのデータベクトルとみなせば、形式的には式(10)を用いて係数推定を行うことが可能となる。
【0093】
図27は、信号抽出器の第7の構成例であり、修正デコリレータを適用した場合の構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、信号入力端子231、逆拡散を行うマッチドフィルタ232−1〜232−i、内積演算を行う内積演算器234、符号間の相関行列を演算し、その逆行列を構成する所定のベクトルを出力する相関行列演算器235、信号出力端子236を備えて構成されている。この信号抽出器は、1〜iの符号間の相関行列を演算し、その逆行列の所定のベクトルをマッチドフィルタと内積演算することにより、所望の信号に対する1〜Iの相互相関に関する項をキャンセルすることができるため、アンテナ同様に幾つかのユーザ群の信号だけを抽出することができる。
【0094】
図28は、図27に示す信号抽出器で用いられる内積演算器の構成例を示す図である。図28に示す内積演算器は、信号入力端子241−1〜241−4、乗算器242−1〜242−4、加算器243、出力端子244を備えて構成される。
【0095】
図29は、信号抽出器の第8の構成例であり、CDMA通信における構成例を示す図である。同図に示す信号抽出器は、系列推定器からの仮判定値入力端子251−i〜251−K、マッチドフィルタ252−i〜252−K、i〜Kのキャリア位相入力端子253−i〜253−K、乗算器254−i〜254−K、加算器255、信号入力端子256、減算器257、信号出力端子258を備えて構成されている。
【0096】
図30は、図29に示す信号抽出器で用いられるキャリア位相推定器の構成例を示す図である。図30に示すキャリア位相推定器は、信号入力端子261、所定の拡散符号をタップ係数とするマッチドフィルタ262、系列推定器からの推定送信信号入力端子263、乗算器264、低域通過フィルタ265、信号出力端子266を備えて構成される。
【0097】
図31は、図11に示す受信機において、図21に示す信号抽出器、図22に示す適応制御器、図23に示す系列推定器を適用した場合の特性と、アダプティブアレーを適用した場合の特性の一例である。図31は、4素子アレーアンテナが利用される場合の一例である。伝送路はフラットレイリーフェージングチャネルの場合と、2パスレイリーフェージングの場合とが示されている。また、変調方式はQPSKが用いられている。
【0098】
【発明の効果】
上述の如く、高速通信を行う通信システムでは、様々な干渉によって信号品質が劣化する。特に、マルチメディア通信では、多様な信号伝送速度を有する信号が混在することが予想され、その場合には、高速信号が遅速信号に対して大きな干渉を与える。また、無線通信、特に移動通信では、周波数利用効率を向上させるため、離れた地域で同一周波数を利用するセルラシステムが適用されるため、信号が同一周波数を使用する他の地域まで届いてしまい、同一チャネル干渉が発生する場合がある。そこで、本発明の受信機を適用することにより、理論上限の干渉補償が可能となるため、通信品質を向上することができる。加えて、無線通信システムでは、本発明の受信方法を適用することにより、多少の干渉条件下であっても高品質通信が可能となるため、同一周波数を利用する地域を従来ほど話す必要がなくなる。従って、面的な周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結合確率を最大にする送信信号系列を推定する第1実施例における受信機の第1の構成例を示す図である。
【図2】第1実施例における受信機の第2の構成例を示す図である。
【図3】第1実施例における受信機の第3の構成例を示す図である。
【図4】第1実施例における受信機の第4の構成例を示す図である。
【図5】第1実施例における受信機の第5の構成例を示す図である。
【図6】第1実施例における受信機の第6の構成例を示す図である。
【図7】対数尤度を最大にする送信信号系列を推定する第2実施例における受信機の第1の構成例を示す図である。
【図8】第2実施例における受信機の第2の構成例を示す図である。
【図9】第2実施例における受信機の第3の構成例を示す図である。
【図10】第2実施例における受信機の第4の構成例を示す図である。
【図11】第2実施例における受信機の第5の構成例を示す図である。
【図12】第2実施例における受信機の第6の構成例を示す図である。
【図13】信号抽出器の第1の構成例を示す図である。
【図14】信号抽出器の第2の構成例を示す図である。
【図15】適応制御器の第1の構成例を示す図である。
【図16】尤度推定器の構成例を示す図である。
【図17】スイッチ回路の構成例を示す図である。
【図18】信号推定器の第1の構成例を示す図である。
【図19】信号抽出器の第3の構成例を示す図である。
【図20】タップ付遅延線フィルタの構成例を示す図である。
【図21】信号抽出器の第4の構成例を示す図である。
【図22】適応制御器の第2の構成例を示す図である。
【図23】系列推定器の第2の構成例を示す図である。
【図24】信号抽出器の第5の構成例を示す図である。
【図25】信号抽出器の第6の構成例を示す図である。
【図26】適応制御器の第3の構成例を示す図である。
【図27】信号抽出器の第7の構成例を示す図である。
【図28】内積演算器の構成例を示す図である。
【図29】信号抽出器の第8の構成例を示す図である。
【図30】キャリア位相推定器の構成例を示す図である。
【図31】図11に示す受信機において、図21に示す信号抽出器、図22に示す適応制御器、図23に示す系列推定器を適用した場合の特性と、アダプティブアレーを適用した場合の特性の一例である。
【符号の説明】
1、21 入力端子
2−1〜2−K、22−1〜22−K 信号抽出器
3−1〜3−K 条件付確率推定器
4 乗算器
5、25 系列推定器
6−1〜6−K、26−1〜26−K 出力端子
7−1〜7−K、8、27−1〜27−K、28 適応制御器
9、29 状態推定器
10−1〜10−K−1、30−1〜30−K−1 スイッチ回路
23−1〜23−K 尤度推定器
24 加算器

Claims (14)

  1. K個の信号抽出手段と、信号推定手段を備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機における受信方法において、
    前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率を導出するK個の結合確率導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を乗算する乗算手段とを備え、
    i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、
    i番目の結合確率導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率を導出し、
    乗算手段は、各結合確率導出手段によって導出された確率を乗算し、
    信号推定手段は、乗算手段によって算出された乗算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、結合確率導出手段に出力するようにした受信方法。
  2. 請求項1に記載の受信方法において、
    受信機は、ユーザ推定手段を更に備え、
    該ユーザ推定手段は、各結合確率導出手段によって導出された確率に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定し、
    各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するようにした受信方法。
  3. K個の信号抽出手段と、信号推定手段とを備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機における受信方法において、
    前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率の対数を導出するK個の対数尤度導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を加算する加算手段とを備え、
    i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、
    i番目の対数尤度導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率の対数を導出し、
    加算手段は、各対数尤度導出手段によって導出された対数を加算し、
    信号推定手段は、加算手段によって算出された加算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、対数尤度導出手段に出力するようにした受信方法。
  4. 請求項3に記載の受信方法において、
    受信機は、ユーザ推定手段を更に備え、
    該ユーザ推定手段は、各対数尤度導出手段によって導出された対数に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定し、
    各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するようにした受信方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の受信方法において、
    受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定したi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信方法。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の受信方法において、
    受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定していないi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信方法。
  7. 請求項1乃至4の何れかに記載の受信方法において、
    受信機は、K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号に基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信方法。
  8. K個の信号抽出手段と、信号推定手段とを備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機において、
    前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率を導出するK個の結合確率導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を乗算する乗算手段とを備え、
    i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、
    i番目の結合確率導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率を導出し、
    乗算手段は、各結合確率導出手段によって導出された確率を乗算し、
    信号推定手段は、乗算手段によって算出された乗算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、結合確率導出手段に出力するようにした受信機。
  9. 請求項8に記載の受信機において、
    各結合確率導出手段によって導出された確率に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定するユーザ推定手段を更に備え、
    各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するようにした受信機。
  10. K個の信号抽出手段と、信号推定手段とを備え、同一の伝送路を伝送される複数のユーザの信号のうちK個のユーザの信号を復調する受信機において、
    前記受信機は、各信号抽出手段からの出力信号から該出力信号を送信したユーザの送信信号と受信信号との結合確率の対数を導出するK個の対数尤度導出手段と、各結合確率導出手段によって導出された結合確率を加算する加算手段とを備え、
    i(1≦i≦K)番目の信号抽出手段は、受信信号からi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を抽出し、
    i番目の対数尤度導出手段は、信号推定手段によって推定されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が送信された場合にi番目の信号抽出手段によって抽出されたi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号が得られる確率の対数を導出し、
    加算手段は、各対数尤度導出手段によって導出された対数を加算し、
    信号推定手段は、加算手段によって算出された加算値を最大にする1番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号を推定し、対数尤度導出手段に出力するようにした受信機。
  11. 請求項10に記載の受信機において、
    各対数尤度導出手段によって導出された対数に基づいて、伝送路状態の変動に応じて信号抽出手段がどのユーザの信号を抽出すべきかを推定するユーザ推定手段を更に備え、
    各信号抽出手段は、該推定結果に対応するユーザの信号を抽出するようにした受信機。
  12. 請求項8乃至11の何れかに記載の受信機において、
    K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定したi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信機。
  13. 請求項8乃至11の何れかに記載の受信機において、
    K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号と、信号推定手段からの確定していないi番目のユーザ乃至K番目のユーザの信号とに基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信機。
  14. 請求項8乃至11の何れかに記載の受信機において、
    K個の適応制御手段を更に備え、
    i番目の適応制御手段は、受信信号に基づいて、伝送路状態の変動に応じた重み付けのパラメータを決定し、
    i番目の信号抽出手段は、i番目の適応制御手段によって決定されたパラメータで受信信号に重み付けをするようにした受信機。
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