JP6628340B2 - コイル及びそれを用いた磁気刺激装置 - Google Patents
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Description
対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルであって、
前記コイルは、第1〜第Nのターンを有しており、
前記第1〜第Nのターンは、それぞれ、一方向への電流を流すための作用部と、前記一方向とは逆向きの電流を流すための接続部とを備えており、
前記第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、互いにほぼ平行に、かつ、前記対象物の表面又はそれに近似される面に沿って配置されており、
前記接続部は、前記第1〜第Nのターンにおける前記作用部を挟んで前記対象物の表面と対向せず、かつ、前記作用部の延長方向に対して側方となる空間内に配置されている
ことを特徴とするコイル、
ただしここでNは2以上の整数である。
前記第1〜第Nのターンのうちの第1〜第Pのターンにおける前記接続部は、第P+1〜第Nのターンにおける前記接続部とは、前記作用部を挟んで反対側の位置に配置されている
項目1に記載のコイル。
前記接続部は、略円弧状に形成されている
項目1又は2に記載のコイル。
前記作用部が配置される前記面は、断面が略円弧状に形成されているものである
項目1〜3のいずれか1項に記載のコイル。
第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、等間隔で配置されている
項目1〜4のいずれか1項に記載のコイル。
前記対象物は生体である
項目1〜5のいずれか1項に記載のコイル。
前記対象物は動物の頭部であり、
前記誘導電場により、前記頭部における脳内に誘導電流を生じる構成となっている
項目1〜5のいずれか1項に記載のコイル。
さらにコア部材を備えており、
前記コア部材は、前記第1〜第Nのターンにより生成される磁気回路の磁気抵抗を軽減する構成となっており、
かつ、前記コア部材は、前記作用部を挟んで前記対象物とは反対側となる位置に配置されている
項目1〜7のいずれか1項に記載のコイル。
前記コア部材は、比透磁率の異なる複数の領域を有することを特徴とする項目8に記載のコイル。
前記コア部材は、前記作用部に対向する位置に配置される第1部分と、前記接続部に対向する位置に配置される第2部分とを備えており、
前記第1部分は、前記作用部の延長方向と非平行な方向に延長された複数の長尺状の第1コア体を備えており、
前記第2部分は、前記作用部の延長方向とほぼ平行となる方向に延長された複数の長尺状の第2コア体を備えている
項目8又は9に記載のコイル。
項目1〜10のいずれか1項に記載のコイルと、前記コイルに所定の電流を供給するための電源部とを備える磁気刺激装置。
対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルであって、
当該コイルが有する、入力端から出力端に至る一連の導線が、
(1)前記誘導電場発生に用いる複数の作用導線部、
(2)前記複数の作用導線部を相互に接続し、且つ、前記作用導線部が発生させた誘導電場に対する強度への影響が実質的に無視できる態様にて構成された接続導線部、
からなるように構成されたことを特徴とするコイル。
対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルと支持体とを備えた磁気刺激装置であって、
前記コイルは、第1〜第Nのターンを有しており、
前記第1〜第Nのターンは、それぞれ、一方向への電流を流すための作用部と、前記一方向とは逆向きの電流を流すための接続部とを備えており、
前記第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、互いにほぼ平行に配置されており、
前記接続部は、前記作用部の延長方向に対して側方となる空間内に配置されており、
前記作用部は、前記支持体により支持されており、
前記支持体の下面は、略扁平状に形成されている
磁気刺激装置、
ただしここでNは2以上の整数である。
前記対象物の表面は、略球形状とされており、これによって、前記支持体の下面は、そのほぼ中央において、前記対象物の表面に接触する構成となっている
項目13に記載の磁気刺激装置。
本実施形態の磁気刺激装置(図4参照)は、電源部10と、ケーブル20と、装着部30とを備えている。この磁気刺激装置は、対象物1の内部に誘導電流を発生させるためのものである。ここで、本実施形態では、対象物1として、生体、特に、人体の頭部が用いられている。このため、以降では、対象物1に代えて、頭部1と称することがある。
電源部10は、装着部30におけるコイル31(後述)に所定の電流を供給することにより、対象物1の内部に所定の誘導電流を発生させる構成となっている。電源部10から供給される電流としては、誘導電流を発生できる交流成分を有していれば、直流成分を有していてもよい。したがって、電流としては、例えば、単相性(monophasic)パルス状、二相性(biphasic)パルス状など、用途に応じて各種の波形のものを用いることができる。パルスの発生周期は、用途に応じて適宜に設定されている。このような電源部10としては、従来と同様のもの(例えば前記特許文献3を参照)を利用可能なので、これ以上詳しい説明は省略する。
ケーブル20は、電源部10から装着部30のコイル31(後述)に所定の電流を供給する構成となっている。ケーブル20は、ある程度の柔軟性を有しており、装着部30を対象者の頭部1における適切な位置に配置できるようになっている。ケーブル20についても、従来と同様のものを利用可能なので、これ以上詳しい説明は省略する。
装着部30(図5参照)は、前記したコイル31と、このコイル31を支持する支持体32とを備えている。
コイル31(図6〜図8参照)は、対象物(すなわち対象者の頭部)1の表面近傍に配置されて、対象物1の内部に誘導電場を発生させる構成となっている。
(1)誘導電場発生に用いる複数の作用導線部、
(2)複数の作用導線部を相互に接続し、且つ、作用導線部が発生させた誘導電場に対する強度への影響が実質的に無視できる態様にて構成された接続導線部、
からなるように構成されたことを特徴とするコイルである。
支持体32は、対象物1の表面に当接可能とされた当接部321と、当接部321の外周縁に形成された鍔部322とを備えている。
つぎに、前記した本実施形態において用いたコイル31の設計条件について、シミュレーションを用いて検討する。
Double-Dコイルの形状最適化を行う。なお、下記に示す設計上の数値は、いずれも単なる一例であり、これらによって本発明の範囲が制約されるものではない。
巻数 20 のコイルを用いてその内径幅(最小間隔) a を変化させた場合における、電場強度、インダクタンス、誘導電場の広がりの変化について、結果を表1にまとめる。電場強度とインダクタンスについてグラフにすると図12のようになる。
内径幅a=14mmとして、コイルの巻数 N(変数)に対する電場強度、インダクタンス、誘導電場の広がりの変化につい て、結果を表 2 にまとめる。電場強度とインダクタンスについてグラフにすると、図13のようになる。
有限要素法によるシミュレーション結果として、8字コイルと Double-D コイルを用いた場合の、半球モデル(対象物を半球形状としたモデル)での電場の広がりを図14に示す。この図では、電場強度を、最大値を100%として正規化して示している。また、半球モデルにおける深さ 1mm 地点の電場強度についての各コイルでの比較を図15に示す。また、駆動回路の最大出力として 5.3kA の通電を仮定した際の、コイル中央の表面からの距離と磁束密度の強度の関係を、各コイルについてプロットしたものを図16に示す。SPFD法によって得られた電場強度の値及び広がりと、有限要素法により得られたインダクタンスの値とを表 3 に示す。
本実施形態において記載したDouble-D コイルは、誘導電場の広がり、電場強度、インダクタンスの全てについて実用上十分な特性を備えている一方で、既に図14で示したように、接続部311b(つまり側部導線)による誘導電場が若干強く発生するため、実際に磁気刺激を行った際に意図しない脳部位に若干の誘導電場を発生する可能性がある。これを解決するために、変形例として、コア部材33(図17参照)を用いた磁気刺激装置を説明する。なお、この変形例の説明においては、前記した実施形態と基本的に共通する要素について同一符号を用いることで、記載の簡略化を図る。また、この変形例においては、いわゆる異方向積層鉄心(単に積層鉄心又は鉄心と称することがある)がコア部材33として用いられている。コア部材33の詳しい構成については後述する。
まず、経頭蓋磁気刺激コイルに対する積層鉄心の及ぼす効果について説明する。TMS コイルに対して強磁性体を組み合わせることで磁気刺激効果を高める研究はいくつかあり、古くは Han らにより、円形コイルの上部に積層鉄心を配置する形が提案されている(B. H. Han, S. Y. Lee, J.H. Kim, J.H. Yi, "Some technical aspects of magnetic stimulation coil design with the ferromagnetic effect," Medical & Biological Engineering & Computing, vol. 41(5), pp. 516-518, 2003)。宮脇らはこれを拡張し、8字コイルの 限局性を高めた偏心8字コイルに対して異方向の積層鉄鋼板を組み合わせることで、磁気刺激効果を大 きく高めることができることを報告している(K. Yamamoto, Y. Miyawaki, Y. Saitoh, and M. Sekino, “Improvement in Efficiency of Tran- scranial Magnetic Stimulator Coil by Combination of Iron Core Plates Laminated in Different Directions,” IEEE Transactions on Magnetics, vol. 52, 2016)。この基本的な原理は、導線に対して垂直方向に積層した鉄鋼板は導線直下の誘導電場を高める効果をもたらし、逆に導線に対して平行方向に積層した鉄鋼板は、大きな損失電流が鉄鋼板内に発生することにより導線直下の誘導電場を減衰させる効果をもたらす、という点にある。宮脇らは、偏心8字コイルの外側については縦向きの積層を、内側は横向きの積層を施した鉄鋼板を用意することで、刺激を強めたい中央部の誘導電場を大きくし、刺激が不要な外縁部の誘導電場を小さくすることで、刺激強度を最大に高めることができるという結果を得ている。
鉄鋼板の効果をシミュレーションする必要があるため、すベて有限要素法により計算を行った。Double- D コイルの巻数は14とした。コア部材33は、図17に示すように Double-D コイルの形状に沿い、コイル全体をカバーするような形状となっている。なお、図17は、コア部材33のみを切断した状態を示している。導体半球は半径 75mm、空気領域は半径 150mm とした。ここでは、コイルにより周囲に発生する磁束を正確に計算シミュレーションするため、十分な広さを持つ空気領域を設定した。鉄鋼の導電率を非積層方向に 107 とし、積層方向には 10-7 とした。比透磁率は珪素鋼板を仮定して最大磁束密度が約 2T で飽和するという仮定で、図18のように非線形的に設定した。鉄鋼の厚みは
5mm とした。表皮効果により、下記式(4)から、σ = 107S/m、f = 3.15kHz とすると、磁束の浸透は 40μm の深さまでにしか起こらないと考えられ、この 5mm という厚みはこれに対して十分大きい。積層方向は、コア部材33の中央から 44mm の部分までを導線(作用部311a)に対して垂直に鉄鋼板(…第1コア体331aに対応)が並ぶ方向(横積層)、それより外側においては導線に対して平行に鉄鋼板(…第2コア体332aに対応)が並ぶ方向(縦積層)となるように設定した。コイルに流す電流は 5.3kA、3.15kHz とした。第1コア体331aの間の部分331bと、第2コア体332aの間の部分332bとは、比透磁率の小さい材質から構成されている。
得られた誘導電場の様子を図19に示す。また半球表面から深さ 1mm における誘導電場の強度を図20に示す。図20における第一ピーク (Double-D コイルの側部導線(接続部311b)の直下にあたる部分) の誘導電場強度は、 異方向鉄鋼板を配置しない場合は 86.6V/m であった一方で、鉄鋼板を配置した場合 60.2V/m となった。 また、第二ピークとして中央に発生する誘導電場の最大強度は、鉄鋼板を配置しない場合は238.7V/m、配置した場合は 292.0V/m となった。インダクタンスの値については、コア部材がない状態で 7.4μH であったのに対して、コア部材(積層鉄)を配置すると 1904μH となった。
コア部材33は、第1〜第Nのターンにより生成される磁気回路の磁気抵抗を軽減する構成となっており、かつ、前記コア部材は、作用部311aを挟んで対象物1とは反対側となる位置に配置されているコイル。
コア部材33は、比透磁率の異なる複数の領域(331a、331b、332a、332b)を有することを特徴とする項目A1に記載のコイル。
前記コア部材33は、作用部311aに対向する位置に配置される第1部分331と、接続部311bに対向する位置に配置される第2部分332とを備えており、第1部分331は、作用部311aの延長方向と非平行な(又は直交する)方向に延長された複数の長尺状の第1コア体331aを備えており、第2部分332は、作用部311aの延長方向とほぼ平行となる方向に延長された複数の長尺状の第2コア体332aを備えている項目A1又はA2に記載のコイル。
実施例2では、実施形態として説明した巻数 14、内径幅 14mm の Double-D コイルについて、実際に製作を行い、通電・測定実験を行った結果を示す。この実施例2では、コイル31を構成するための導線として、幅 0.8mm、高さ 4mm の錫めっき網組銅線を2枚重ねたものを用い、これを支持体32上面の溝に嵌め込んだ。導線の実効断面積は3.4mm2となる。このような2枚重ねの網組銅線を用いることで、平易に巻線でき、かつ、電流路の重心を低くすることができる。
駆動回路によって発生される磁束密度の最大値は、直流電流により発生される静磁場での磁束密度の値に近似できる。そのため、コイルに直流電流を印加した際の静磁場を測定することで、駆動時の磁束密度を予測できる。ここでは駆動回路を用いて通電する前の事前実験として、本実施形態のコイルと比較用の8字コイルに直流電流を流し、発生する静磁場を測定した。
コイル自体に寄生抵抗があることを踏まえ、定電流源にコイルを直接接続して測定を行った。電源は TEXIO 社 PAR18-6A を用いた。静磁場測定用のガウスメータとして、HIRST
magnetic Instruments 社の GM07 を用いた。
結果を図21に示す。5A の定電流によって発生される磁束密度は、コイル表面から 0mm から 20mm においては、8字コイルの方が高い値であった。一方で、コイル表面から 20mm より離れた地点におい て、Double-D コイルは8字コイルより強い磁場を発生した。なおコイル表面から 20mm の地点における磁束密度の値は8字コイルでは 0.33mT、Double-D コイルでは 0.32mT であった。
作成した Double-D コイルを商用の駆動回路に接続し、通電試験と動磁場の測定を行った。
駆動回路には MagVenture 社の MagProCompact を用いた。電流計としてPEARSON Electronics 社のカレントモニタ 4418 を用い、オシロスコープを接続して電流波形を記録した。磁場は、外径 7.6mm で 6 回巻きのサーチコイル (実効面積 272mm2) を作成し コイル上に位置させ、オシロスコープに接続して瞬時磁束密度の波形を記録した。サーチコイルの位置は、8字コイル、Double-D コイルの中央において、接触部を 0mm として 30mm の距離まで、5mm ずつ測定点を取った。これに加え磁束密度の最大値として、得られる瞬時磁場の 1/4 周期までの積分値を求めた上で、駆動電流値を 1kA として規格化し比較を行った。
測定時の8字コイルの電流振幅は 1.9kA、Double-D コイルの電流振幅は 1.4kA であった。振幅を 1kA として規格化した8字コイル、Double-D コイルの電流波形を図22に示す。8字コイルによる電流波長が 295μs であり、Double-D コイルによる波長は 283μs
であった。また、コイルの寄生抵抗による減衰は、それぞれの振幅の第一ピークの絶対値を 1 として、第二ピークの値が8字コイルでは 0.875、 Double-D コイルでは 0.806 であった。
I1 第二ピークの値を I2 とすると、RLC直列回路における抵抗Rは以下のように表せる。
T=2π×√(LC)で表せる。
また、
L:回路のインダクタンス
C:回路のキャパシタンス
である。
8字コイル、Double-D コイルの表面から 15mm 位置での瞬時磁場 (dB/dt) を、1kA 通電時として規格化したものの波形を図23に示す。図のように、8字コイルと同強度の瞬時磁束密度が得られた。このことより、磁場強度という観点からも、確かに脳神経の刺激が可能である。また、コイル表面からの距離に対して、瞬時磁場の強度から求められた磁束密度の値を 5kA 相当に定数倍したものを図24に示す。この結果は、図16のシミュレーションともほぼ合致する結果であり、Double-D コイルにおいて8字コイル同様の強い誘導電場を得ることができることを示すものである。また静磁場での測定とも、非常に近い結果が得られている。そして厳密には静磁場測定の場合と同様、8字コイルよりも Double-D コイルの磁束密度が強くなる距離については、シミュレーションでは位置 17mm であったが、実測では 20mm と、若干のずれがある。これは、シミュレーションモデルと実際作製された装置との寸法等の差異によるもので、本質的なものではないと評価できる。
以下では、前記実施形態の動作確認のために使用した、オリジナルのシミュレーションソフトウェアについて説明する。このソフトウェアでは、コイルの形状を電流ベクトルの集合として入力し、導体に発生する誘導電流を求めることが可能となっている。これに脳MRI画像データを取り込むことで、複数種類の導体を含むような形状が複雑なモデルに対しても、シミュレーションが可能である。
つぎに、本発明の第2実施形態に係る磁気刺激装置を、図25〜図27を参照しながら説明する。なお、すでに説明した前記実施形態の磁気刺激装置と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明の重複を避ける。
つぎに、本発明の第3実施形態に係る磁気刺激装置を、図29〜図30を参照しながら説明する。なお、すでに説明した第2実施形態の磁気刺激装置と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明の重複を避ける。
つぎに、本発明の第4実施形態に係る磁気刺激装置を、図33〜図35を参照しながら説明する。なお、すでに説明した第2実施形態の磁気刺激装置と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明の重複を避ける。
前記した第4実施形態のコイル31の構成を前提にしてシミュレーションを行った。シミュレーション条件は、前記した実施例1と基本的に同様とした。ただし、この実施例3では、
対象物:半径100 mmの半球導体
空気領域:半径200mm
コイルを構成する導体の導電率:0.106 S/m
とした点が前記実施例1でのシミュレーション条件と異なる。
10 電源部
20 ケーブル
30 装着部
31 コイル
311〜31N ターン
311a 作用部(作用導線部)
311b 接続部(接続導線部)
32 支持体
321 当接部
321a 当接部上の溝
322 鍔部
322a 鍔部上の溝
33 コア部材
331 第1部分
331a 第1コア体
331b 低透磁率部分
332 第2部分
332a 第2コア体
332b 低透磁率部分
a 作用部と接続部との間の間隔
Claims (16)
- 対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルであって、
前記コイルは、第1〜第Nのターンとコア部材とを備えており、
前記第1〜第Nのターンは、それぞれ、一方向への電流を流すための作用部と、前記一方向とは逆向きの電流を流すための接続部とを備えており、
前記第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、互いにほぼ平行に、かつ、前記対象物の表面又はそれに近似される面に沿って配置されており、
前記接続部は、前記作用部の延長方向に対して側方となる空間内に配置されており、
前記コア部材は、前記第1〜第Nのターンにより生成される磁気回路の磁気抵抗を軽減する構成となっており、かつ、前記コア部材は、前記作用部を挟んで前記対象物とは反対側となる位置に配置されており、
さらに、前記コア部材は、前記作用部に対向する位置に配置される第1部分と、前記接続部に対向する位置に配置される第2部分とを備えており、
前記第1部分は、前記作用部の延長方向と非平行な方向に延長された複数の長尺状の第1コア体を備えており、
前記第2部分は、前記作用部の延長方向とほぼ平行となる方向に延長された複数の長尺状の第2コア体を備えている
ことを特徴とするコイル、
ただしここでNは2以上の整数である。 - 前記第1〜第Nのターンのうちの第1〜第Pのターンにおける前記接続部は、第P+1〜第Nのターンにおける前記接続部とは、前記作用部を挟んで反対側の位置に配置されている
請求項1に記載のコイル。 - 前記接続部は、略円弧状に形成されている
請求項1又は2に記載のコイル。 - 前記作用部が配置される前記面は、断面が略円弧状に形成されているものである
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイル。 - 第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、等間隔で配置されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイル。 - 前記対象物は生体である
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイル。 - 前記対象物は動物の頭部であり、
前記誘導電場により、前記頭部における脳内に誘導電流を生じる構成となっている
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイル。 - 前記第1コア体は、前記作用部を横断するように配置されており、
前記第1コア体の長手方向における両端の位置は、前記作用部よりも外側であってかつ前記接続部よりも内側となる位置に設定されており、
前記第2コア体の側面は、前記第1コア体の長手方向における端部に突き当てられている
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコイル。 - 前記コア部材は、比透磁率の異なる複数の領域を有することを特徴とする請求項8に記載のコイル。
- 前記第1コア体は、前記作用部の延長方向において積層されており、
前記第2コア体は、前記接続部の延長方向に交差する方向において積層されており、
これによって、前記第1部分は、前記第1コア体の積層方向における導電率が、前記第1コア体の延長方向における導電率よりも低く設定されており、
さらに、前記第2部分は、前記第2コア体の積層方向における導電率が、前記第2コア体の延長方向における導電率よりも低く設定されている
請求項1〜9のいずれか1項に記載のコイル。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載のコイルと、前記コイルに所定の電流を供給するための電源部とを備える磁気刺激装置。
- 対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルであって、
当該コイルは、入力端から出力端に至る一連の導線により構成される第1〜第Nのターンと、コア部材とを備えており、
前記導線は、
(1)前記誘導電場発生に用いる複数の作用導線部、
(2)前記複数の作用導線部を相互に接続し、且つ、前記作用導線部が発生させた誘導電場に対する強度への影響が実質的に無視できる態様にて構成された接続導線部、
から構成されており、
前記コア部材は、前記第1〜第Nのターンにより生成される磁気回路の磁気抵抗を軽減する構成となっており、かつ、前記コア部材は、前記作用導線部を挟んで前記対象物とは反対側となる位置に配置されており、
さらに、前記コア部材は、前記作用導線部に対向する位置に配置される第1部分と、前記接続導線部に対向する位置に配置される第2部分とを備えており、
前記第1部分は、前記作用導線部の延長方向と非平行な方向に延長された複数の長尺状の第1コア体を備えており、
前記第2部分は、前記作用導線部の延長方向とほぼ平行となる方向に延長された複数の長尺状の第2コア体を備えている
ことを特徴とするコイル、
ただしここでNは2以上の整数である。 - 対象物の表面近傍に配置されて、前記対象物の内部に誘導電場を発生させるためのコイルと支持体とを備えた磁気刺激装置であって、
前記コイルは、第1〜第Nのターンを有しており、
前記第1〜第Nのターンは、それぞれ、一方向への電流を流すための作用部と、前記一方向とは逆向きの電流を流すための接続部とを備えており、
前記第1〜第Nのターンにおける前記作用部は、互いにほぼ平行に配置されており、
前記接続部は、前記作用部の延長方向に対して側方となる空間内に配置されており、
前記作用部は、前記支持体により支持されており、
前記支持体は、前記作用部を収容して所定位置に位置決めする凹状の溝部と、前記接続部を収容して所定位置に位置決めする凹状の溝部とを備えている
磁気刺激装置、
ただしここでNは2以上の整数である。 - 前記コイルは、さらにコア部材を備えており、
前記コア部材は、前記第1〜第Nのターンにより生成される磁気回路の磁気抵抗を軽減する構成となっており、かつ、前記コア部材は、前記作用部を挟んで前記対象物とは反対側となる位置に配置されており、
さらに、前記コア部材は、前記作用部に対向する位置に配置される第1部分と、前記接続部に対向する位置に配置される第2部分とを備えており、
前記第1部分は、前記作用部の延長方向と非平行な方向に延長された複数の長尺状の第1コア体を備えており、
前記第2部分は、前記作用部の延長方向とほぼ平行となる方向に延長された複数の長尺状の第2コア体を備えている
請求項13に記載の磁気刺激装置。 - 前記支持体の下面は、略扁平状に形成されている
請求項13又は14に記載の磁気刺激装置。 - 前記対象物の表面は、略球形状とされており、これによって、前記支持体の下面は、そのほぼ中央において、前記対象物の表面に接触する構成となっている
請求項15に記載の磁気刺激装置。
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