JP6583699B2 - コイル設計装置及びコイル設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置とその製造方法と、上記経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置を備えた経頭蓋磁気刺激装置とその製造方法とに関する。
経頭蓋磁気刺激法(TMS:Transcranial Magnetic Stimulation)は、無痛かつ非侵襲的に脳内のニューロンを刺激する治療方法である。
図1は従来技術に係る典型的な経頭蓋磁気刺激システムの構成例を示す斜視図である。施術にあたっては、図1に示すように頭部の表面に刺激用のコイルを適切な位置に接触させ、磁場を瞬間的に発生させることで、コイル直下に存在する脳内の神経細胞を誘導電場により刺激する。コイルより発生した磁場は、電磁誘導により生体内に電場を誘導し、大脳に位置する神経に脱分極を生じさせる。
経頭蓋磁気刺激法は非侵襲かつ無痛で脳神経を刺激できる手段として、運動野の脳機能マッピング等に主に利用されてきた。さらに近年では、疼痛、パーキンソン病、うつ病などの神経疾患について、または脊髄及び末梢神経障害の評価について、明確に治療を目的とした臨床研究が進められている。これらの神経疾患においては薬剤による治療では効果を得にくい臨床ケースがあり、開頭手術を伴うような電気刺激治療法に代わる、患者に優しい治療法として注目を集めている。一例として、難治性神経障害性疼痛において、大脳の一次運動野に磁気刺激を行うことで1日ほど除痛効果があったことが報告されている。
図1に典型的な構成例の概要を示すように、経頭蓋磁気刺激システム1(以下、「磁気刺激システム」、「経頭蓋磁気刺激装置」、「経頭蓋磁気刺激治療システム」、「経頭蓋磁気刺激システム」ともいう。)は、大略、刺激用コイル2(磁場発生手段)、ケーブル4を介して電気的に刺激用コイル2と接続された磁気刺激制御装置6を備えて構成され、治療用の椅子8に着座した患者Mの頭皮表面に配置した刺激用コイル2により脳内神経に所定強度の磁気刺激を加えることにより、治療及び/又は症状の緩和を図るものである。
図1に記載の典型的なシステム構成例においては、コイル2を有するコイルホルダ10は、ホルダ固定具11(姿勢保持手段)の先端部に固定されている。ホルダ固定具11は、柱11aとベース11bからなり、柱11aの一部(ホルダ固定具11の先端部近傍)が金属製のフレキシブルチューブ11cで形成されている。従って、コイル2は、コイルホルダ10を患者Mの頭皮表面の所定位置に移動するだけで、最適コイル位置に固定できる。なお、経頭蓋磁気刺激システムは図1に示す構成に限定されることはなく、他の態様も可能である。
刺激用コイル2は、患者Mの少なくとも脳の特定部位に磁気刺激を加えるための動磁場を発生するものである。刺激用コイル2としては、種々のタイプの公知の磁気コイルを使用できる。図1に図示した典型的構成例システムにおいては、刺激用コイル2は、2つの渦巻き形コイルを同一平面上で数字の「8」の字型に並べた、いわゆる8の字型渦巻きコイルである。この形態のコイルは2つのコイルに同方向(例えば、矢印で示す方向)に電流を流すことで、これらのコイルが重なった部分の直下で最大の誘導電流密度を得ることができる。この形態の刺激用コイル(磁気コイル)2は、刺激する脳皮上の範囲を限局した刺激をもたらすのに好適である。
同様に、図1の典型的なシステム構成において、磁気刺激制御装置6は、刺激用コイル2への電流パルスの供給を制御するものである。磁気刺激制御装置6としては、従来公知の種々の形態を用いることができる。磁気刺激制御装置6のオン/オフ操作は操作者によって行われる。また、磁気刺激の強度やサイクルを決定付ける電流パルスの強度やパルス波形の設定等も、操作者によって行うことができる。
患者の頭皮表面上に配置したコイルから直下の脳内神経に正確に局所刺激を与えることにより、より高い疼痛軽減効果が得られる。このため、医療機関では、患者の初期診療時に専用の位置決め装置を用いて、患者の神経障害性疼痛が最も軽減できるコイル2の最適コイル位置及び姿勢を決定している。
しかし、従来の磁気刺激装置は約70kgの重量があり、また設置のために電気工事が必要となるため、設備の整った医療機関でのみ利用可能となっている。また、実際の治療時には患者のMRI(Magnetic Resonance Imaging)データを参照しながら刺激位置を決定するため、熟練した医療従事者による治療が必要である。
特開2012−125546号公報 国際公開第2010/147064号公報 国際公開第2015/122506号公報
経頭蓋磁気刺激療法では、現在、磁気刺激法の刺激用コイルとして、円形コイル、8字型コイルをはじめ、4葉コイル、Hesedコイル、小さな円形コイルを頭部表面に多数配置したコイルなど様々な形状が提案されており、現在は8字型コイルが主に利用されている。8字型コイルは、直列に接続した2つの円形コイルを、例えばその円形端部において部分的に重ねて配置したもので、それらの円形コイルに逆向きに電流を流すことで、コイル交差部直下に渦電流を集中させて局所への刺激が可能である。
一方、治療の対象や、患者個人の症状によっては、局所的な刺激とは逆に、より広い範囲で刺激することが有効な場合がある。また、局所に刺激が集中するコイルでは、対象の部位へ正確に位置を決めることが求められ、この場合、ナビゲーションシステム等による正確な位置決めを実施する必要があった。
在宅治療に用いる磁気刺激の開発を行ううえで、非医療従事者の手により刺激位置を決定するためのナビゲーションシステムの開発も進められている。磁気刺激位置を決定するためのナビゲーションシステムのひとつの例として、メガネに仕込まれている複数の磁気センサを用いて、3次元空間内にある磁界源としての磁気刺激用コイルの位置や向きを逆解析の手法で検出し、医師が予め決めた処方値である磁気刺激用コイルの照射位置・向きとなるようコイル移動操作の教示を行う磁気刺激治療コイルのナビゲーションシステムを用いた位置決め操作を説明する。
患者はまず病院において複数の磁気センサが仕込まれたメガネを装着する。次に医師が磁気刺激用コイルを患者脳皮の照射位置付近へ移動し、磁気刺激を試行して最適刺激位置(処方位置)を決定すると同時に、最適刺激位置およびその周囲5cmの範囲内の複数の位置で、ステレオカメラが追跡した磁気刺激用コイルの位置・向きのデータと、コイルに内蔵された永久磁石が生成する磁界の大きさをメガネの磁気センサが検出したデータとを関連づけて、データテーブルとして記録する。
在宅で患者が自ら磁気刺激用コイルを動かして治療を行う時は、現在の磁気センサの検出値を、予め収集されたデータテーブル内の磁気センサ値と比較対照することで、現在のコイルの3次元位置及び向きが特定される。患者の傍にあるモニターの画面には脳MRI画像と磁気刺激用コイルの画像とが重ね合わされて表示されるので、患者はモニター画面を観察することにより、磁気刺激用コイルが、目標となる処方位置に対して現在どこにあるのかを視覚的、直観的に知ることができ、処方位置まで容易に磁気刺激用コイルを移動させてコイルの位置決めを行うことができる。なお、上記に説明した構成以外のナビゲーションシステムもまた可能である。
上記に例示をした構成を有するナビゲーションシステムにおける誘導誤差が、最適刺激位置から最大で例えば5mmとし、一方、先に説明した8の字コイルでは、例えば5mm以内に照射部位(最適刺激位置)がある場合に治療上有効に目的の部位を刺激することが可能であると仮定する。この場合、ナビゲーションシステムを用いて誘導された刺激位置において8の字コイルで磁気刺激を行う治療装置を用いると、照射すべき部位(最適刺激位置)が治療コイルの刺激有効範囲に入らない可能性があるので、正確に治療部分に刺激を行うことが難しい。そこで例えば10mm以内に照射すべき部位がある場合に治療上有効に目的の部位を刺激することができるような、より広い範囲に均等に渦電流を発生することが可能なコイルの開発が必要とされている。
そこで、本発明者らは、ロバスト性が高い(すなわち、より広い範囲に渦電流を発生することができる)刺激用コイルを実現するため、従来は提案されていなかった構成である、ドーム型コイル装置を提案し、既に特許出願を行っている(例えば、特許文献3参照)。
本発明の目的は、頭部表面の電場強度を従来技術に比較してさらに増大させることができる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置とその製造方法と、上記経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置を備えた経頭蓋磁気刺激装置とその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置は、巻線コイルが頭部表面上又はその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内の磁気刺激対象領域に誘導電場による電流を発生させてニューロンを刺激する経頭蓋磁気刺激装置のためのコイル装置であって、
上記巻線コイルは、上記頭部表面上又はその近傍に配置された近頭部表面導線部と、上記頭部表面から上記近頭部表面導線部よりも離れて配置された遠頭部表面導線部とを備え、
上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定したことを特徴とする。
従って、本発明によれば、頭部表面の電場強度を従来技術に比較してさらに増大させることができる。
従来技術に係る典型的な経頭蓋磁気刺激システムの構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる経頭蓋磁気刺激装置の刺激用コイル駆動回路の構成例を示す回路図である。 図2Aの経頭蓋磁気刺激装置のコイル電圧波形を示す波形図である。 図2Aの経頭蓋磁気刺激装置のコイル電流波形を示す波形図である。 本実施形態で用いるーム型コイルの外観概要図である。 本実施形態で用いるスカラーポテンシャル有限差分法の原理を説明するための微小6面体の構造を示す斜視図である。 図2Aの経頭蓋磁気刺激装置においてドーム型コイルの高さL等をパラメータとしたときの各実施例を示す表である。 図2Aの経頭蓋磁気刺激装置においてドーム型コイルの高さLを変化させたときのコイルが生成する電場強度を示すグラフである。 本実施形態で用いる8字型コイルの外観概要を示す斜視図である。 本実施形態で用いるドーム型コイルの外観概要を示す斜視図である。 本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル表面に発生する誘導電場強度を示す画像である。 本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル表面に発生する誘導電場強度を示す画像である。 本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル断面に発生する誘導電場強度を示す画像である。 本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル断面に発生する誘導電場強度を示す画像である。 本実施形態にかかる8字型コイル及びドーム型コイルのシミュレーションにおける、被験者頭部のMRI画像における電場強度の測定位置を示す写真画像である。 本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、図10Aの測定位置における電場強度の相対値を示す表である。 本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、図10Aの測定位置における電場強度の相対値を示す表である。
以下、本発明に係る実施形態にかかる、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の製造方法、及び経頭蓋磁気刺激装置について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
〔磁気刺激用コイル駆動回路の構成〕
磁気刺激用コイル(以下、「治療コイル」、「刺激用コイル」、あるいは単に「コイル」ともいう)に電流を印加して磁気刺激治療のための電場を生成するために、経頭蓋磁気刺激システム1は刺激用コイル2と接続された磁気刺激制御装置6を備えており、磁気刺激制御装置6は内部にコイル駆動回路を備えている。
図2Aは本発明の一実施形態にかかる経頭蓋磁気刺激装置の刺激用コイル駆動回路の構成例を示す回路図であり、図2Bは図2Aの経頭蓋磁気刺激装置のコイル電圧波形を示す波形図であり、図2Cは図2Aの経頭蓋磁気刺激装置のコイル電流波形を示す波形図である。
コイル駆動回路20は、電源装置21と、コンデンサ22と、半導体スイッチ23と、刺激用コイル2と、制御回路26とを備えて構成される。ここで、電源装置21は、交流電源21aと、電源回路21bと、昇圧回路21cとを備える。ここで、半導体スイッチ23はサイリスタ23aと、逆方向のダイオード23bとが並列に接続されて構成され、サイリスタ23aは制御回路26からの制御信号に基づいてオン又はオフされる。また、容量値Cを有するコンデンサ22と、半導体スイッチ23と、インダクタンスLcを有する刺激用コイル2のインダクタンス成分24と、抵抗値Rcを有する刺激用コイル2の抵抗成分25とが直列に接続される。
図2Aのコイル駆動回路20において、電源装置21よりコンデンサ22に電荷を蓄積した後、サイリスタ23aをオン(導通)にすることで、コンデンサ22と刺激用コイル2のインダクタンス成分24とが共振する。ここで、共振中にインダクタンス成分24に流れる電流iは、抵抗成分25を無視すると次式の微分方程式で表される。
Figure 0006583699
(1)
従って、電流iは昇圧後の電圧Vを用いて次式のように表される。
Figure 0006583699
(2)
式(1)及び式(2)から明らかなように、共振一周期分の時間が経過した時点でサイリスタ23aをオフ(遮断)することで、コイル電圧(刺激用コイル2のインダクタンス成分24の両端の電圧)波形と、刺激用コイル2に流れる電流波形とは、図2B及び図2Cに示すようになる。なお、図2Bにおいて横軸は時間を、縦軸は電圧を表し、図2Cにおいて横軸は時間を、縦軸は電流を表している。
典型的な経頭蓋磁気刺激システムにおいて、刺激用コイル2にかかる電圧は0.4〜3kV、刺激用コイル2を流れる電流は4〜20kAである。また、経頭蓋磁気刺激治療に好適なパルス幅は200μs〜300μs、脳内に生じる誘導電場強度は灰白質の導電率を0.1S/mとした場合に200V/m程度といわれているが、刺激強度とそれによって得られる反応効果は被験者によりばらつきのある値であり、経験的な部分も多い。
次に、本実施形態にかかるコイル装置に本発明者が到達した際に検討の出発点となった、ドーム型コイル装置の構成について説明する。
図3は本実施形態で用いるーム型コイルの外観概要図である。従来の8字型コイルより広範囲な刺激を行うためにドーム型コイルについて特許出願を行った(例えば、特許文献3参照)。当該ドーム型コイルは、まず独立のパラメータとして、ターン数N、高さL及び導線間隔dを有しており、さらにこれら独立のパラメータに依存するパラメータとして、コイル全体幅W、上部球半径Rを有している。これらのパラメータを以後、総称として「変数パラメータ」ともいう。
また、下部接触面球半径r=100mm、平角銅線の断面2mm×6mmを、上記特許文献3における実施例では定数パラメータとして持つ。また補助的なパラメータとしてコイルを上部から見た時の底面接触部の半径(図3参照)がxとして定義される。これら定義から明らかなとおり、底面接触部を基準として設計を行うとき、半径xと高さLの値により半径Rが一意に定まる。
なお、本実施形態にかかるドーム型コイルは、次の様に定義を行うことも可能である。すなわち、頭部表面の近くに配置された近頭部表面導線部と、頭部表面から離れて配置された遠頭部表面導線部とが電気的に接続してひとつのターンコイルをなし、近頭部表面導線部及び/又は遠頭部表面導線部の形状が連接するターンごとに同一であるか、または連接するターンごとに徐々に異なるように構成した複数の各ターンコイルを、各ターンの中心が連接する方向に配列してなしたコイル装置である。
あるいは、巻線コイルの各ターンの中心軸が頭部表面に略並行となるよう該頭部表面上あるいはその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内に電流を発生させてニューロンを刺激する、経頭蓋磁気刺激治療に使用するコイル装置である。
このように定義されたドーム型コイルにおいて、コイルの高さLとは、ドーム型コイルを構成するそれぞれのターンコイルにおける、近頭部表面導線部と遠頭部表面導線部との距離の最大値と定義することができる。
以上の実施形態においては、ドーム型コイルについての考察を行っているが、本発明はこれに限らず、近頭部表面導線部のコイルと、遠頭部表面導線部のコイルとを有する8字型コイルであってもよい。このとき、8字型コイルは、巻線コイルの各ターンの中心軸が頭部表面に略垂直となるよう該頭部表面上あるいはその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内に電流を発生させてニューロンを刺激する経頭蓋磁気刺激装置のためのコイル装置である。
〔本発明者による検討の方針〕
上記に説明した各パラメータを有するドーム型コイルを前提とし、本発明者は次のような方針と知見に基づいて、本実施形態にかかるコイル装置に至る検討を行った。
まず、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の設計にあたって、脳表において磁気刺激治療の対象となる、例えば1次運動野に隣接する感覚野などへの刺激は安全である一方で、海馬など記憶野を刺激することは避けねばならず、そのため、刺激範囲は従来の8字型コイルの縦横1.5倍程度を設計の目標とした。
また、もしも刺激効率が下がれば、より多くの電流をコイルに印加する必要が生じ、結果としてコイルの加熱により継続的な刺激が困難になるため、刺激効率が下がらないような設計とすることも重要とした。
本発明者らが先に行った特許出願においては、8字型コイルに比べより広い範囲を均等に刺激できるドーム型コイルを新たに提案し、高さL、コイル全体幅W、上部球半径Rを各々独立に動かし、その誘導電場に与える影響を検討した。
しかし、これらの設計パラメータと、結果として得られる、頭部に発生する誘導電場の広がりや強度との関係が複雑であり、ドーム型コイルの最適な設計を行うことが、このように各パラメータを独立に動かす設計的なアプローチからは困難である点を見出していた。
本実施形態においては、詳細後述するように、ドーム型コイルの設計を「コイル底面の頭部接触面積」を基準とし、固定して検討を進める方法に改めることで、結果として与えられる誘導電場の「広がり」と「強度」が、それぞれ「頭部接触面積」と「コイル高さ及び巻き数密度」に依存するものであることを明らかにした。これによりドーム型コイルの設計が、発生する誘導電場の広がりを一定に保ったまま強度を変更できるようになったため、最適値の模索という観点で容易になった。このような方針に基づく本発明者による検討の結果を、以下に具体的に説明する。
〔スカラーポテンシャル有限差分法を用いた頭部モデルに対する誘導電場の計算法〕
本実施形態に至る、経頭蓋磁気刺激における誘導電場の計算をその過程に含んだ各検討では、本発明者はすべて、スカラーポテンシャル有限差分法(SPFD法:Scalar−Potential Finite Difference method)を用いた。SPFD法では、動磁場により誘導電場を発生させる対象物を微小直方体に分割し、各微小体積に発生する誘導電場を磁気ベクトルポテンシャルの差分方程式の解として得ることができる。まず、コイルにより発生する電場Eを磁気ベクトルポテンシャルA及びスカラーポテンシャル∇φを用いて表すと以下となる。
Figure 0006583699
(3)
また、電流連続の式及びオームの法則より、誘導される電流密度Jと電場E、導電率σに対して以下の式が成り立つ。
Figure 0006583699
(4)
以上の式(3)及び式(4)より次式が成立する。
Figure 0006583699
(5)
図4は本実施形態で用いるスカラーポテンシャル有限差分法の原理を説明するための微小6面体の構造を示す斜視図である。図4に図示するような微小六面体を仮定し、Snを各直線のコンダクタンス、lnを各直線の長さ、Φnを節点Pnにおけるスカラーポテンシャル、Anを節点P0と節点Pnを結ぶ方向成分の磁気ベクトルポテンシャルとする。ここで、式(3)、式(4)及び式(5)をそれぞれ離散化すると、これらの値に対して次式が成り立つ。
Figure 0006583699
(6)
この式をボクセル全体について解くことにより、誘導電場E(ベクトル)を求めることができる。
〔ドーム型コイルにおいて頭部接触部分の面積を一定とし、高さ及び導線密度を変化させた場合に発生する誘導電場の変化〕
図5は図2Aの経頭蓋磁気刺激装置においてドーム型コイルの高さL等をパラメータとしたときの各実施例を示す表である。本発明者は、まず、各パラメータに対する刺激効果の変化を解析するため、図5のように、コイルの高さLを21mm及び39mmとして、頭部接触面の面積をx=56mmという設計値に基づく値に固定した複数のコイルモデルを用意し、頭部を模した半球の導電体における誘導電場の変化を解析した。なお、ドーム型コイルは複数のターンの各エレメントが例えば直列に接続されて構成され、互いに隣接する二つのターンのエレメント間の幅をエレメント幅dとする。
このとき、ドーム型コイルの上側導線半径(図3におけるR)は、頭部接触面積を一定としつつ高さLを変更したため、高さLに合わせて60.2mm〜56mmと変化している。他のパラメータについては以下の3種類のコイルのモデルを用意した。
(モデルM1)ターン数N=20、エレメント幅d=1mm、コイル全体幅W=59mm;
(モデルM2)ターン数N=20、エレメント幅d=2mm、コイル全体幅W=78mm;
(モデルM3)ターン数N=26、エレメント幅d=1mm、コイル全体幅W=78mm。
なお、モデルM2とモデルM3とを比較することで、接触面積を同様としつつ導線密度を変化させた場合の誘導電場の変化を見ることができる。また、コイルの高さLを21mm及び39mmに変化させることで、モデルM1をモデル群M1とし、モデルM2をモデル群M2とし、モデルM3をモデル群M3とする。
誘導電場を発生させる対象の導電体は、半径75mm、導電率σ=0.1S/mの半球とし、コイルモデルの10mm下に位置するよう設定した。刺激用コイルには5.3kA、4kHzの電流を印加した。その上で、コイルの高さLの変化に対する誘導電場強度及び広がりの変化を、以下に説明するように、スカラーポテンシャル有限差分法に基いて計算し比較した。
図6は図2Aの経頭蓋磁気刺激装置においてドーム型コイルの高さLを変化させたときのコイルが生成する電場強度を示すグラフである。ドーム型コイルの高さLの変化に対しては、図6に図示のとおり、高さLを変化させた場合刺激範囲は変化せず、強度のみが高さLと比例関係にあることがわかった。すなわち、N=20かつエレメント幅d=1mmのモデル群M1については刺激点中央における半径10mmの誘導電場の球内平均が83〜129V/m、N=20かつエレメント幅2mmのモデル群M2では54〜87V/mと、コイル高さを高くするほど誘導電場強度が大きくなった。
ここで、「誘導電場の球内平均値」とは、中心点から所定半径内の球体について、球体内部の各点における電場強度を計算し、その平均値として算出された値である。また、接触部分の面積を変えず導線密度を変化させた場合のモデル群M3についても誘導電場の球内平均が73V/m〜118V/mとなり、モデル群M2と比較して強度のみが増加しており、誘導電場の広がりは変化しなかった。なお誘導電場の広がりとは、発生する誘導電場の最大値の50%まで減衰する点を基準として定義した値であり、モデル群M1の半値幅は8.7cm×4.2cm、モデル群M2及びM3の半値幅は9.7cm×5.3cmであった。
これらの結果より、ドーム型コイルの設計においては、接触部分の面積を変えずにコイルの高さLを高く、巻線密度を上げることで、発生する誘導電場の広がりを増減させずに強度を最大化することができる、ということが分かった。これは、誘導電場が必要以上に広がらず、かつ効率よく刺激をできるコイル設計を目標とするにあたり、重要な知見である。
但し、コイルの高さLをより高くする、もしくは巻線密度をより上昇させることによって、コイル本体に対する鎖交磁束が増加するため、コイルの自己インダクタンスLcが上昇する。ここで、前述の一般的な駆動回路によって発生される電流のパルス幅Tはコイルの自己インダクタンスLc、回路のキャパシタンスCを用いて、次のように決定される。
Figure 0006583699
(7)
一般に、効率よく神経刺激が可能な、刺激用コイル印加電流のパルス幅は200μs〜300μsと言われているため、容量値C=180μFとした場合、インダクタンスは13μH程度が限界となる。これを踏まえ各コイルモデルのインダクタンスを計算すると、誘導電場の広がりが十分であるモデル群M2においてコイルの高さL=39mmのとき、インダクタンスは9.0μHとなる。これは基準となる13μHより十分に低く、治療可能なパルス幅という観点からはまだ余裕がある。
これよりコイルの高さLを高くした上でインダクタンスを求めると、L=49mmのとき12.9μHとなり、基準の13μHを超えない最適なコイル高さとすることができる。このとき、結果から得られる近似直線から計算される外挿値としてのコイル強度は107V/mであり、同じ実験条件で上記の各式から誘導電場を解析した結果としては103V/mとなった。
なお、刺激用コイル印加電流のパルス幅は200μsのときC=180μFとした場合、インダクタンスの最小値は5.63μHであって、インダクタンスは好ましくは5μH以上であればよい。
〔8字型コイルとドーム型コイルの半球モデルに対する誘導電場の比較〕
次に、ドーム型コイルの位置ロバスト性を評価するため、半球モデルに対する8字型コイルとドーム型コイルによる誘導電場の広がり及び強度をそれぞれ比較する検討を行った。
図7Aは本実施形態で用いる8字型コイルの外観概要を示す斜視図であり、図7Bは本実施形態で用いるドーム型コイルの外観概要を示す斜視図である。
8字型コイルは図7Aに示すように外半径51mm、内半径11mm、10ターンの円形コイルを2つ重ねた形とした。ドーム型コイルはN=20、d=2、W=78mm、L=39mm、R=66mmとした。半球モデルは上記検討と同様とし、コイルに流す電流は5.3kA、3.4kHzとした。
半球モデルに発生する誘導電場について、ドーム型コイルの刺激強度が半減する広がり範囲は9.8cm×5.4cmであり、8字型コイルは6.0cm×3.4cmであった。また、半球頂部を中心とした半径10mm球内に発生している誘導電場の平均値は、ドーム型コイルでは83V/mであり、8字型コイルでは169V/mであった。これらの結果を表1に示す。
Figure 0006583699
図8Aは本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル表面に発生する誘導電場強度を示す画像である。図8Bは本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル表面に発生する誘導電場強度を示す画像である。図9Aは本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル断面に発生する誘導電場強度を示す画像である。図9Bは本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、半球モデル断面に発生する誘導電場強度を示す画像である。すなわち、半球モデルに発生する誘導電場のモデル表面の様子を図8A及び図8Bに、断面の様子を図9A及び図9Bに示す。
ドーム型コイルは、刺激強度は8字型コイルに劣るものの、半球モデルに対する刺激範囲はより広くなっていることがわかる。また刺激の深さも最大誘導電場の50%まで減衰する位置までの距離が、8字型コイルが9.8mm、ドーム型コイルで15mmと十分であることがわかる。一般に8字型コイルによる許容される刺激位置ずれが5mm程度と言われていることより、この結果から、ドーム型コイルによる刺激位置ずれは約1.5倍の8mm程度まで拡大することが予測でき、位置ずれに強いコイルが実現したことがわかる。
〔MRI画像によって得られた脳形状データに対するドーム型コイルの位置ロバスト性の評価計算〕
本発明者は、半球被験者頭部のMRI画像から作られた脳形状モデルに対し、運動野刺激点を中心とした3mm格子、5点×5点での刺激位置ずれのシミュレーションに基づく検討を行った。
脳形状モデルはMATLAB上で動作する統計画像解析パッケージSPMを用いることで、MRI画像より脳の白質、灰白質、脳脊髄液の3要素に分けて抽出した。白質、灰白質、脳脊髄液の導電率はそれぞれ0.07S/m、0.11S/m、1.79S/mとした。位置ずれ時の刺激予定点における誘導電場を、実施例2と同様の設計の8字型コイルとドーム型コイルとで比較した。
図10Aは本実施形態にかかる8字型コイル及びドーム型コイルのシミュレーションにおける、被験者頭部のMRI画像における電場強度の測定位置を示す写真画像である。図10Bは本実施形態にかかる8字型コイルのシミュレーション結果であって、図10Aの測定位置における電場強度の相対値を示す表である。図10Cは本実施形態にかかるドーム型コイルのシミュレーション結果であって、図10Aの測定位置における電場強度の相対値を示す表である。ここで、図10Aの測定位置は、互いに直交するXa軸とYa軸との座標で定められる座標である。
すなわち、MRIによって得られた脳形状と、それに対する一次運動野の刺激点の様子を図10Aに示す。刺激による誘導電場をシミュレーションした結果、誘導電場の強度は、刺激中心点において半径10mmの球内平均をとると、8字型コイルで264V/m、ドーム型コイルで101V/mであった。位置ずれに対する電場強度の減衰については、図10Bのように、8字型コイルでは最大で10.8%減弱するような刺激点が存在した。これは5mm以上のコイルの位置ずれにより治療効果が得られなくなる場合がある、という報告と一致するものである。
一方、図10Cのようにドーム型コイルでは最大に減弱する点でも1.1%であった。このことから、ドーム型コイルは実際の複雑な形状の脳に対する刺激において、位置ずれに強い設計であるということができる。また半球モデルにおいて許容される刺激位置ずれが8mm程度である、とした考察とも一致する結果である。
以上の実施形態をまとめると、近頭部表面導線部と遠頭部表面導線部との間の距離を、脳内の磁気刺激対象領域(磁気刺激すべき領域)の周辺領域に比較して、磁気刺激対象領域の誘導電場強度が増大し、好ましくは実質的に最大になるように、変化させて設定することで、誘導電場強度を従来技術に比較して大幅に増大できる。ここで、インダクタンスLcが好ましくは5μH以上でかつ13μH以下であるインダクタンス範囲に入りかつ誘導電場が頭部表面上の所定の広がり内に入るように設定することが好ましい。また、経頭蓋磁気刺激装置においては、パルス幅を所定のパルス幅範囲内に設定し、上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定することが好ましい。
[変形例]
以上の実施形態においては、2つの円形コイルからなる8字型コイルについて説明しているが、本発明はこれに限らず、2つの円形コイルの中心軸をコイル装置の中央部に偏心させて構成された偏心8字型コイルであってもよい。また、コイル装置の製造方法については、主としてドーム型コイルについて説明しているが、本発明はこれに限らず、8字型コイル、偏心8字型コイルにも適用することができる。
[実施形態のまとめ]
第1の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置は、巻線コイルが頭部表面上又はその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内の磁気刺激対象領域に誘導電場による電流を発生させてニューロンを刺激する経頭蓋磁気刺激装置のためのコイル装置であって、
上記巻線コイルは、上記頭部表面上又はその近傍に配置された近頭部表面導線部と、上記頭部表面から上記近頭部表面導線部よりも離れて配置された遠頭部表面導線部とを備え、
上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定したことを特徴とする。
第2の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置は、第1の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置において、上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記コイル装置のインダクタンスが所定のインダクタンス範囲に入り、かつ上記誘導電場が頭部表面上の所定の広がり内に入るように変化させて設定したことを特徴とする。
第3の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置は、第2の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置において、上記インダクタンス範囲は、5μH以上でかつ13μH以下であることを特徴とする。
第4の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置は、第1〜第3の態様のうちのいずれか1つに記載の経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置において、上記コイル装置は、ドーム型コイル、8字型コイル、又は偏心8字型コイルであることを特徴とする。
第5の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置は、
第1〜第4の態様のうちのいずれか1つに記載の経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置と、
上記コイル装置に所定のパルス幅を有する電流パルスを出力する駆動回路とを備えた経頭蓋磁気刺激装置であって、
上記パルス幅を所定のパルス幅範囲内に設定し、上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定したことを特徴とする。
第6の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置は、第5の経頭蓋磁気刺激装置において、上記パルス幅範囲は、200μs以上でかつ300μs以下であることを特徴とする。
第7の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の製造方法は、巻線コイルが頭部表面上又はその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内の磁気刺激対象領域に誘導電場による電流を発生させてニューロンを刺激する経頭蓋磁気刺激装置のためのコイル装置の製造方法であって、
上記巻線コイルは、上記頭部表面上又はその近傍に配置された近頭部表面導線部と、上記頭部表面から上記近頭部表面導線部よりも離れて配置された遠頭部表面導線部とを備え、
上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定するステップを含むことを特徴とする。
第8の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の製造方法は、第7の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の製造方法において、上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記コイル装置のインダクタンスが所定のインダクタンス範囲に入り、かつ上記誘導電場が頭部表面上の所定の広がり内に入るように変化させて設定するステップを含むことを特徴とする。
第9の態様にかかる経頭蓋磁気刺激装置の製造方法は、
第1〜第4の態様のうちのいずれか1つに記載の経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置と、
上記コイル装置に所定のパルス幅を有する電流パルスを出力する駆動回路とを備えた経頭蓋磁気刺激装置の製造方法であって、
上記パルス幅を所定のパルス幅範囲内に設定し、上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離を、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように変化させて設定するステップを含むことを特徴とする。
以上詳述したように、本発明によれば、頭部表面の電場強度をさらに増大させることができ、本発明を、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置、経頭蓋磁気刺激装置用コイル装置の製造方法、上記コイル装置を用いた経頭蓋磁気刺激装置、及び経頭蓋磁気刺激装置の製造方法に広く適用することが可能である。
1…経頭蓋磁気刺激システム、
2…刺激用コイル、
4…ケーブル、
6…磁気刺激制御装置、
20…コイル駆動回路、
21…電源装置、
21a…交流電源、
21b…電源回路、
21c…昇圧回路、
22…コンデンサ、
23…半導体スイッチ、
23a…サイリスタ、
23b…ダイオード、
24…刺激用コイルのインダクタンス成分、
25…刺激用コイルの抵抗成分、
26…制御回路、
M…患者。

Claims (6)

  1. 巻線コイルが頭部表面上又はその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内の磁気刺激対象領域に誘導電場による電流を発生させてニューロンを刺激するコイル装置を設計するために用いられるコイル設計装置であって、
    上記巻線コイルは、上記頭部表面上又はその近傍に配置された近頭部表面導線部と、上記頭部表面から上記近頭部表面導線部よりも離れて配置された遠頭部表面導線部とを備えたドーム型コイルであり、
    上記ドーム型コイルにおける上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離の最大値であるコイルの高さを、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように、かつ、上記発生する誘導電場強度の広がりを一定に保ったまま変化させることで、前記コイルの高さを最適値に設定することを特徴とする、コイル設計装置。
  2. 上記コイルの高さを、上記コイル装置のインダクタンスが所定のインダクタンス範囲に入り、かつ上記誘導電場が頭部表面上の所定の広がり内に入るように変化させて設定したことを特徴とする、請求項1記載のコイル設計装置。
  3. 上記インダクタンス範囲は、5μH以上でかつ13μH以下であることを特徴とする、請求項2記載のコイル設計装置。
  4. 巻線コイルが頭部表面上又はその近傍に置かれ、電磁誘導によって脳内の磁気刺激対象領域に誘導電場による電流を発生させてニューロンを刺激するコイル装置を設計するコイル設計方法であって、
    上記巻線コイルは、上記頭部表面上又はその近傍に配置された近頭部表面導線部と、上記頭部表面から上記近頭部表面導線部よりも離れて配置された遠頭部表面導線部とを備えたドーム型コイルであり、
    前記コイル設計方法は、
    上記ドーム型コイルにおける上記近頭部表面導線部と上記遠頭部表面導線部との間の距離の最大値であるコイルの高さを、上記誘導電場強度が上記磁気刺激対象領域の周辺領域に比較して増大するように、かつ、上記発生する誘導電場強度の広がりを一定に保ったまま変化させることで、前記コイルの高さを最適値に設定するステップを含むことを特徴とする、コイル設計方法
  5. 上記コイルの高さを、上記コイル装置のインダクタンスが所定のインダクタンス範囲に入り、かつ上記誘導電場が頭部表面上の所定の広がり内に入るように変化させて設定するステップを含むことを特徴とする、請求項記載のコイル設計方法
  6. 上記インダクタンス範囲は、5μH以上でかつ13μH以下であることを特徴とする、請求項記載のコイル設計方法
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