JP6627743B2 - ヒンダードアミン骨格を含有する分岐状オルガノポリシロキサン - Google Patents

ヒンダードアミン骨格を含有する分岐状オルガノポリシロキサン Download PDF

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本発明は、ヒンダードアミン骨格を有する新規な分岐状オルガノポリシロキサンに関する。
ヒンダードアミンは、樹脂の劣化を防止し、性能を長期間維持するための添加剤として広く用いられてきた。中でも2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有するヒンダードアミン系光安定剤(HALS)があり、例えば、特開平5−132580号公報(特許文献1)には、屋外暴露用途における長期耐光性に優れるHALSが報告されている。
分子中にヒンダードアミン骨格を有する有機ケイ素化合物としては2,2,6,6−テトラメチルピペリジンで変性したポリオルガノシロキサンがある。特開平11−293050号公報(特許文献2)には、下記一般式(5)
Figure 0006627743
(式中、R01は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された炭素数5〜12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェニル基から選ばれる基を表し、R02は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R03は水素原子、炭素数3〜6のアルケニル基、−О・(酸素ラジカル基)、−CH2CN、炭素数3〜6のアルケニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基において炭素数1〜4のアルキル基で置換された炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は炭素数1〜8のアシル基から選ばれる基を表し、aは1〜50の整数を表す。)
で示されるオルガノポリシロキサンが開示されている。
また、国際公開WO2012/105103号公報(特許文献3)には、下記一般式(6)
Figure 0006627743
(式中、R04〜R07は炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素原子数6〜12のアリール基を表し、yは1〜2,000の数を表し、X01は下記一般式(7)
Figure 0006627743
(式中、R08は水素原子、O・又は炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表し、L1は直鎖若しくは分岐の炭素原子数1〜6のアルキレン基又は炭素原子数6〜12のアリーレン基を表す。なお、O・はオキシラジカルを表す。)
で示される両末端にヒンダードアミン骨格を有する直鎖状オルガノポリシロキサンが開示されている。しかしながら、ヒンダードアミン骨格を有する分岐状オルガノポリシロキサンに関する具体的な記述はない。
特開平5−132580号公報 特開平11−293050号公報 国際公開WO2012/105103号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、分子鎖両末端の他、途中にもヒンダードアミン骨格を有する、新規な分岐状オルガノポリシロキサンを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、後述する式(9)のSiH基を有するオルガノポリシロキサンと式(11)のヒンダードアミン骨格及び末端ビニル基を有する化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、下記一般式(1)で示されるヒンダードアミン骨格を有する新規な分岐状オルガノポリシロキサンが得られ、これが光安定剤として有効であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサンを提供する。
〔1〕
下記一般式(1)
Figure 0006627743
〔式中、R1は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基であり、R2は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、R3は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、Qは互いに独立に炭素数1〜10のアルキレン基であり、X1は下記式(2)
Figure 0006627743
(式中、R5は水素原子、O・又は炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基を表す。なお、O・はオキシラジカルを表し、Meはメチル基を表す。)
で示される基であり、R4は下記式(3)
Figure 0006627743
(式中、R2、R3、X1、Qは上記と同じであり、rは0〜10の整数である。)
で示される基であり、nは1〜10の整数であり、mは0〜10の整数であり、m及びnで括られたシロキサン単位は、ブロックであってもランダムであってもよい。〕
で示されるヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
〔2〕
式(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、R1がフェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基及び2−フェニルプロピル基から選ばれる基である〔1〕記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
〔3〕
式(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、nが1又は2である〔1〕又は〔2〕に記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
〔4〕
下記式(4)
Figure 0006627743
(式中、nは1又は2であり、Meはメチル基である。)
で示される〔1〕に記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
本発明によれば、分子鎖両末端の他、途中にもヒンダードアミン骨格を有する、新規な分岐状ポリオルガノシロキサンを提供することができる。このオルガノポリシロキサンは、ヒンダードアミン骨格を有しているため、樹脂の光劣化を防止する添加剤(ヒンダードアミン系光安定剤:HALS)として利用できる。また、分子中にシリコーン骨格を有しているため、耐熱性を落とすことなく耐光性を維持することができる。
実施例1で得られた生成物の1H−NMRスペクトルである。
以下、本発明について更に詳述する。
本発明の新規なオルガノポリシロキサンは、分子鎖両末端の他、途中にもヒンダードアミン骨格を有する新規な分岐状ポリオルガノシロキサンであり、下記一般式(1)で示されるものである。
Figure 0006627743
〔式中、R1は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基であり、R2は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、R3は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、Qは互いに独立に炭素数1〜10のアルキレン基であり、X1は下記式(2)
Figure 0006627743
(式中、R5は水素原子、O・又は炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基を表す。なお、O・はオキシラジカルを表し、Meはメチル基を表す。)
で示される基であり、R4は下記式(3)
Figure 0006627743
(式中、R2、R3、X1、Qは上記と同じであり、rは0〜10の整数である。)
で示される基であり、nは1〜10の整数であり、mは0〜10の整数であり、m及びnで括られたシロキサン単位は、ブロックであってもランダムであってもよい。〕
ここで、R1は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基である。炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基などの飽和1価脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基などの不飽和1価脂肪族炭化水素基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基であり、更に好ましくはメチル基である。炭素数6〜12の1価芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基や、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基であり、好ましくはフェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基であり、更に好ましくはフェニル基である。
2は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基などの飽和1価脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基などの不飽和1価脂肪族炭化水素基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
3は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基などの飽和1価脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基などの不飽和1価脂肪族炭化水素基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
Qは、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、さらに好ましくはエチレン基である。
1は下記式(2)
Figure 0006627743
で示される基(Meはメチル基)であり、式中、R5は水素原子、O・(オキシラジカル)又は炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基から選ばれ、炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基などの飽和1価脂肪族炭化水素基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基などの不飽和1価脂肪族炭化水素基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
4は下記式(3)
Figure 0006627743
で示される基であり、式中、R2、R3、X1、Qはそれぞれ上記と同様の基を挙げることができる。
式(1)中、nは1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、更に好ましくは1又は2であり、mは0〜10の整数、好ましくは0〜5の整数である。式(3)中、rは0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数である。m及びnで括られたそれぞれのシロキサン単位は、ブロックコポリマーであっても、ランダムコポリマーであってもよい。
本発明の新規なオルガノポリシロキサンの具体的な例としては、下記式(8)で示されるポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0006627743
(式中、R1、R3は上記と同じであり、n’は1又は2であり、m’は0〜5の整数であり、m’及びn’で括られたシロキサン単位は、ブロックであってもランダムであってもよい。なお、Meはメチル基を表す。)
また、本発明の新規なオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(9)
Figure 0006627743
〔式中、R1、R2、R3、n、mは上記と同じであり、R4は下記式(10)
Figure 0006627743
(式中、R2、R3、rは上記と同じである。)
で示される基である。〕
で示される分子鎖両末端及び途中に存在するSiH基を有する有機ケイ素化合物と、下記式(11)
Figure 0006627743
(式中、R5は上記と同じであり、Meはメチル基である。)
で示されるヒンダードアミン骨格及び末端ビニル基を有する化合物とを、白金触媒存在下、ヒドロシリル化反応させることによって製造することができる。
この場合、末端にSiH基を有する有機ケイ素化合物とヒンダードアミン骨格及び末端ビニル基を有する化合物との反応割合としては、ヒンダードアミン骨格及び末端ビニル基を有する化合物中のアルケニル基1個に対して末端にSiH基を有する有機ケイ素化合物中のSiH基が0.25〜1.0個、特に0.5〜0.8個となる割合で反応させることが好ましい。なお、ヒドロシリル化反応は、従来公知の方法に従えばよい。
上記式(11)で示されるヒンダードアミン骨格及び末端ビニル基を有する化合物は、下記式(12)
Figure 0006627743
(Meはメチル基である。)
で示されるビニル基を有するクロロシランと、下記式(13)
Figure 0006627743
(式中、R5は上記と同じであり、Meはメチル基である。)
で表されるアルコール性OH基を有する4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとを脱塩酸反応させることで製造することができる。
得られるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)としては、好ましくは500〜10,000、より好ましくは500〜5,000、更に好ましくは500〜2,000である。なお、ここで言及する重量平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5質量%のTHF溶液)
以下、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例において、部はいずれも質量部を意味し、Meはメチル基を意味する。
[SiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン1の合成]
フェニルトリメトキシシラン(1.0mоl、198.44g)、アセトニトリル30gを混合し、内温を10℃以下に冷却した。そして硫酸16gを30分かけて滴下し、その後、水81gを1時間かけて滴下した。次に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(1.5mоl、201.48g)を30分かけて滴下し、終夜攪拌した。廃酸分離した後、トルエン500gを添加し、熱水で3回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することにより、下記式(14)で示される化合物を主成分とするオルガノハイドロジェンポリシロキサン1を得た。
Figure 0006627743
[SiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン2の合成]
フェニルトリメトキシシラン(1.0mоl、198.44g)、アセトニトリル30gを混合し、内温を10℃以下に冷却した。そして硫酸19gを30分かけて滴下し、その後、水81gを1時間かけて滴下した。次に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(2.0mоl、268.64g)を30分かけて滴下し、終夜攪拌した。廃酸分離した後、トルエン700gを添加し、熱水で3回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することにより、下記式(15)で示される化合物を主成分とするオルガノハイドロジェンポリシロキサン2を得た。
Figure 0006627743
[SiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン3の合成]
メチルトリメトキシシラン(1.0mоl、136.22g)、アセトニトリル30gを混合し、内温を10℃以下に冷却した。そして硫酸28gを30分かけて滴下し、その後、水81gを1時間かけて滴下した。次に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(1.5mоl、201.48g)を30分かけて滴下し、終夜攪拌した。廃酸分離した後、トルエン700gを添加し、熱水で3回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することにより、下記式(16)で示される化合物を主成分とするオルガノハイドロジェンポリシロキサン3を得た。
Figure 0006627743
[SiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン4の合成]
ジメチルメトキシシラン(2.0mol、240.44g)、フェニルトリメトキシシラン(1.0mol、198.44g)アセトニトリル50gを混合し、内温を10℃以下に冷却した。そして硫酸35gを30分かけて滴下し、その後、水81gを1時間かけて滴下した。次に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(1.5mоl、201.48g)を30分かけて滴下し、終夜攪拌した。廃酸分離した後、トルエン700gを添加し、熱水で3回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することにより、下記式(17)で示される化合物を主成分とするオルガノハイドロジェンポリシロキサン4を得た。
Figure 0006627743
(上記式中、各シロキサン単位はブロックとランダムの混合物である。)
[ビニル基及びヒンダードアミン骨格を有する化合物1の合成]
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.2mоl、205.5g)、トリエチルアミン(1.2mоl、121.4g)、トルエン400gを混ぜて溶解させた後、内温を10℃以下に冷却した。次にジメチルビニルクロロシラン(1mоl、120.7g)を30分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。生成した塩をろ過で除去した後、熱水で2回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することで、下記式(18)で示される化合物1を得た。
Figure 0006627743
[実施例1]
1Lのセパラブルフラスコに0.5質量%塩化白金酸トルエン溶液0.45g、トルエン200g、化合物1(0.32mоl、80.47g)を入れ、攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、上記で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン1(0.1mоl、33.07g)を30分かけて滴下し、100℃で3時間反応させた。反応終了後、熱水で2回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することで、下記式(19)で示される化合物を主成分とするオルガノポリシロキサン1を得た。得られた生成物の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0006627743
[実施例2]
1Lのセパラブルフラスコに0.5質量%塩化白金酸トルエン溶液0.55g、トルエン200g、化合物1(0.42mоl、107.3g)を入れ、攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、上記で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン2(0.1mоl、52.7g)を30分かけて滴下し、100℃で3時間反応させた。反応終了後、熱水で2回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することで、下記式(20)で示される化合物を主成分とするオルガノポリシロキサン2を得た。
Figure 0006627743
[実施例3]
1Lのセパラブルフラスコに0.5質量%塩化白金酸トルエン溶液0.6g、トルエン200g、化合物1(0.32mоl、80.47g)を入れ、攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、上記で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン3(0.1mоl、26.9g)を30分かけて滴下し、100℃で3時間反応させた。反応終了後、熱水で2回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することで、下記式(21)で示される化合物を主成分とするオルガノポリシロキサン3を得た。
Figure 0006627743
[実施例4]
1Lのセパラブルフラスコに0.5質量%塩化白金酸トルエン溶液0.7g、トルエン200g、化合物1(0.32mоl、80.47g)を入れ、攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、上記で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン2(0.1mоl、47.9g)を30分かけて滴下し、100℃で3時間反応させた。反応終了後、熱水で2回、熱純水で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を減圧蒸留することで、下記式(22)で示される化合物を主成分とするオルガノポリシロキサン4を得た。
Figure 0006627743
(n=1、m=2でそれぞれのシロキサン単位がブロックとランダムの混合物である。)
本発明の新規なオルガノポリシロキサンは、ヒンダードアミン骨格を有しているため、樹脂の光劣化を防止する添加剤(ヒンダードアミン系光安定剤:HALS)として利用できる。また、分子中にシリコーン骨格を有しているため、耐熱性を落とすことなく耐光性を維持することができるなど、有機ケイ素化合物としてさまざまな用途に有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006627743
    〔式中、R1は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基であり、R2は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、R3は独立に炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基であり、Qは互いに独立に炭素数1〜10のアルキレン基であり、X1は下記式(2)
    Figure 0006627743
    (式中、R5は水素原子、O・又は炭素数1〜12の1価脂肪族炭化水素基を表す。なお、O・はオキシラジカルを表し、Meはメチル基を表す。)
    で示される基であり、R4は下記式(3)
    Figure 0006627743
    (式中、R2、R3、X1、Qは上記と同じであり、rは0〜10の整数である。)
    で示される基であり、nは1〜10の整数であり、mは0〜10の整数であり、m及びnで括られたシロキサン単位は、ブロックであってもランダムであってもよい。〕
    で示されるヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
  2. 式(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、R1がフェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基及び2−フェニルプロピル基から選ばれる基である請求項1記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
  3. 式(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、nが1又は2である請求項1又は2に記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
  4. 式(4)
    Figure 0006627743
    (式中、nは1又は2であり、Meはメチル基である。)
    で示される請求項1記載のヒンダードアミン骨格含有分岐状オルガノポリシロキサン。
JP2016252964A 2016-12-27 2016-12-27 ヒンダードアミン骨格を含有する分岐状オルガノポリシロキサン Active JP6627743B2 (ja)

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