JP6627002B1 - ワークの切断方法及びワークの切断装置 - Google Patents

ワークの切断方法及びワークの切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤーガイドの使用初期から良好かつ安定したWarp値を得ることができるワークの切断方法を提供する。【解決手段】ワイヤーガイド102は、外表面に、回転方向に沿って所定のピッチで形成された複数の溝を有し、対向する溝壁107が第1の開き角度(θ1)を有する溝上部105と、該溝上部105の下に位置し、対向する溝壁107が第2の開き角度(θ2)を有する溝下部106と、前記溝の下端に位置する溝底部108とを備え、前記第1の開き角度(θ1)と前記第2の開き角度(θ2)とが、θ1>θ2の関係にあり、ワイヤー101と前記ワイヤーガイド102を用い、前記ワイヤー101を、前記ワイヤーガイド102の前記溝下部106の前記溝壁107に接し、かつ、前記溝底部108に接触しない状態で設置し、前記ワイヤー101が前記溝底部108に接触しない状態で、前記ワークの切断を開始するワークの切断方法。【選択図】図2

Description

本発明は、ワークの切断方法及びワークの切断装置に関する。
近年、ウェーハの大型化(大直径化)が望まれており、この大型化に伴い、インゴットの切断には専らワイヤーソーが使用されている(例えば、特許文献1)。ワイヤーソーは、ワイヤー(高張力鋼線)を高速走行させて、ここにスラリーを掛けながら、ワーク(例えば、シリコン、ガラス、セラミックス等の脆性材料のインゴットが挙げられる。以下、単にインゴットと言うこともある)を押しあてて切断し、多数のウェーハを同時に切り出す切断装置である。
ここで、図9に、ワイヤーソーの一般例の概要を示す。図9に示すように、ワイヤーソー100は、主に、インゴット(ワーク)104を切断する為のワイヤー101、ワイヤー101を複数のワイヤーガイド102に巻掛けることで形成したワイヤー列111、ワイヤー101に張力を付与する為の張力付与機構(不図示)、切断されるインゴット(ワーク)104を送り出すインゴット送り手段(不図示)等を具備している。
ワイヤー101は、一方のワイヤーリール103から繰り出され、張力付与機構を経て、ワイヤーガイド102に入る。ワイヤー101はこのワイヤーガイド102に300〜400回程度巻き回された後、もう一方の張力付与機構を経てワイヤーリール103’に巻き取られる。
ワイヤーガイド102は、鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン等の樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラーであり、巻回されたワイヤー101が、駆動用モーターによって予め定められた周期で往復方向に駆動できるようになっている。図10に、ワイヤーガイド102の溝内におけるワイヤー101の設置状態を示す。
半導体ウェーハの切断における重要品質の1つとして、ワーク形状に係るパラメータであるWarp(又は、Warp値ということもある)による評価が行われている。このWarpの定義を、図11に示す。Warpは、ウェーハのセンターライン面からのズレに関する形状パラメータであり、吸着固定しないウェーハの仮想中央面と基準平面との面内最大距離である。図中のBowは、Warpと類似の評価であるが、ウェーハの中心と基準平面との距離の形状パラメータである。なお、測定方法は、JEIDA−43−1999、ASTM F1530−94により規定されている。
製品の品質要求が高まるにつれ、Warp値の一層の低減が望まれている。Warpの悪化の原因は、溝付きローラ及びワークの熱膨張、ワーク送りの真直度、切断中のワイヤーのたわみの影響等が重畳したものであることが知られており、それを解決するための手段として、特許文献2に記載されるような方法が取られていた。
特許文献2には、インゴットを切断するときに、軸方向に変化するインゴットの変位量を測定し、それに対応させて溝付きローラ軸方向の変位量を制御(溝付きローラに流れる冷却水温度・流量調整等)することで、軸方向に変化するインゴットの全長に対してのワイヤーの相対位置を制御しながら切断する方法が開示されている。
特開平09−262826号公報 特開2008−213110号公報
上記ワイヤーソーに使用されるワイヤーガイドの溝の横断面形状は、V字、U字等が知られており、溝の開き角度も40度〜110度等、様々なものが用いられている。一般に、溝の開き角度が大きくなるとワイヤーの引き渡し等の作業性に優れ、狭くなるとワイヤーの保持効果が良好となる傾向がある。ワークのWarp値を安定させる点では、ガイド溝の開き角度が狭いことが望ましい。
ワイヤーガイドは、その使用期間中、ワークを切断しているうちに、少しずつ溝部がワイヤーにより切削され変形していく。本発明者が、ワイヤーソーを用いたワークの切断における、切断後のワークのWarp値の推移について鋭意調査したところ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)の切断において、ワークのWarp値が、平均値、バラツキ共に大きくなることを見出した。
切断したワークの歩留まり向上のためには、ワイヤーガイドの使用初期(使用開始直後)から良好で安定したワーク形状(Warp値)を得ることが必要である。ワイヤーガイドの使用初期に切断速度を落とすことで、ある程度、安定したワーク形状(Warp値)を得ることができるが、ごく初期では、なお不安定であり、しかも切断速度を落としたのでは、生産能力(スループット)が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、生産能力(スループット)の低下を抑制しながら、ワイヤーガイドの使用初期(使用開始直後)から良好かつ安定したワーク形状(Warp値)を得ることができ、ワイヤーガイドのライフに依存しないワークの品質を得ることができる、ワークの切断方法及びワークの切断装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、互いの回転軸方向が平行となるように複数設置した円筒状のワイヤーガイドにワイヤーを螺旋状に巻掛けてワイヤー列を形成し、前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する方法であって、前記ワイヤーガイドは、外表面に、回転方向に沿って所定のピッチで形成された複数の溝を有し、未使用の前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にある、前記未使用のワイヤーと前記未使用のワイヤーガイドを用い、前記未使用のワイヤーを、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝壁に接し、かつ、前記溝底部に接触しない状態で設置し、前記ワイヤーが前記溝底部に接触しない状態で、前記ワークの切断を開始するワークの切断方法を提供する。
このようなワークの切断方法によれば、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を安定させることができる。
このとき、前記溝底部の横断面形状が、円弧状、V字状又は平坦であるワイヤーガイドを用いるワークの切断方法とすることができる。
これにより、低コストでワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との接触を防止することができる。
このとき、前記ワークの切断の進行に伴い、前記ワイヤーが前記溝壁を切削するワークの切断方法とすることができ、さらに、前記ワークの切断の進行に伴い、前記ワイヤーが前記溝底部に接触し、前記溝底を切削するワークの切断方法とすることができる。
これにより、ワイヤーの横方向の振動が抑制された状態を、より安定して維持することができる。
このとき、前記未使用のワイヤーガイドとして、前記複数の溝における前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)、及び/又は、第2の開き角度(θ)を、前記ワイヤーの進行方向に向けて変化させたものを用いるワークの切断方法とすることができる。
これにより、より安定してワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との接触を防止することができる。
このとき、互いの回転軸方向が平行となるように所定間隔を隔てて配置され、外表面にそれぞれ所定のピッチで溝が形成された複数の円筒状のワイヤーガイドと、前記ワイヤーガイドの溝に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられたワイヤーにより形成されるワイヤー列と、を具備し、前記ワイヤーガイドを回転させることで前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する切断装置であって、前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあるものであり、前記ワイヤーと前記ワイヤーガイドは、前記ワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、前記ワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記ワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記ワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にあり、前記ワイヤーが前記溝下部の前記溝壁に接するように設置されたときに、前記ワイヤーと前記ワイヤーガイドの前記溝底部とが接触しないものであるワークの切断装置を提供することができる。
このようなワークの切断装置によれば、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を安定させることができるものとなる。
このとき、前記ワイヤーガイドの前記溝底部の横断面形状が、円弧状、V字状又は平坦であるワークの切断装置とすることができる。
これにより、低コストでワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との接触を防止可能なものとなる。
このとき、前記ワイヤーガイドは、前記複数の溝における前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)、及び/又は、第2の開き角度(θ)が、前記ワイヤーの進行方向に向けて変化したものであるワークの切断装置とすることができる。
これにより、より安定してワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との接触を防止可能なものとなる。
以上のように、本発明のワークの切断方法によれば、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を良好なものとし、かつ、安定させることが可能となる。また、本発明のワークの切断装置によれば、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を良好なものとし、かつ、安定させることが可能なものとなる。
ワイヤーガイドの溝の横断面構造の説明図である。 本発明に係るワークの切断装置における、ワイヤーのワイヤーガイド溝内での設置状態の一例を示す。 本発明に係るワイヤーのワイヤーガイド溝内での設置状態の他の例を示す。 本発明に係るワイヤーのワイヤーガイド溝内での設置状態の他の例を示す。 比較例1におけるワイヤーのワイヤーガイド溝内での設置状態を示す。 比較例2におけるワイヤーのワイヤーガイド溝内での設置状態を示す。 ウェーハのWarp値の推移を示す。 図7におけるワイヤーガイドライフ初期の拡大図を示す。 ワイヤーソーの一般例の概要を示す。 ワイヤーガイドの溝内におけるワイヤーの設置状態の従来例を示す。 Warpの定義を示す図面である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、生産能力(スループット)の低下を抑制しながら、ワイヤーガイドの使用初期(使用開始直後)から良好で、かつ、安定したワーク形状(Warp値)を得ることができ、ワイヤーガイドのライフに依存しないワークの品質を得ることができる、ワークの切断方法及びワークの切断装置が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、互いの回転軸方向が平行となるように複数設置した円筒状のワイヤーガイドにワイヤーを螺旋状に巻掛けてワイヤー列を形成し、前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する方法であって、前記ワイヤーガイドは、外表面に、回転方向に沿って所定のピッチで形成された複数の溝を有し、未使用の前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にある、前記未使用のワイヤーと前記未使用のワイヤーガイドを用い、前記未使用のワイヤーを、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝壁に接し、かつ、前記溝底部に接触しない状態で設置し、前記ワイヤーが前記溝底部に接触しない状態で、前記ワークの切断を開始するワークの切断方法により、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を良好なものとし、かつ、安定させることができることを見出し、本発明を完成した。
また、本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、互いの回転軸方向が平行となるように所定間隔を隔てて配置され、外表面にそれぞれ所定のピッチで溝が形成された複数の円筒状のワイヤーガイドと、前記ワイヤーガイドの溝に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられたワイヤーにより形成されるワイヤー列と、を具備し、前記ワイヤーガイドを回転させることで前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する切断装置であって、前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあるものであり、前記ワイヤーと前記ワイヤーガイドは、前記ワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、前記ワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記ワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記ワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にあり、前記ワイヤーが前記溝下部の前記溝壁に接するように設置されたときに、前記ワイヤーと前記ワイヤーガイドの前記溝底部とが接触しないものであるワークの切断装置により、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から、ワークのWarp値を良好なものとし、かつ、安定させることが可能なものとなることを見出し、本発明を完成した。
以下、図面を参照して説明する。
本発明者が、鋭意調査した結果、ワイヤーソー運転(ワークの切断)時の、ワイヤーガイドライフ初期(ワークの切断開始から一定期間)において、ワークのWarp値が、平均値、バラツキ共に大きくなる原因は、ワイヤーの側面方向の遊びでワイヤーが振動することによるものと推測された。そこで、ワイヤーの側面方向の遊びによるワイヤーの振動を防止可能な、ワークの切断装置の構造を検討した。その結果、ワイヤーとワイヤーガイドの溝が一定の関係にあるようにワイヤーをワイヤーガイドの溝内に設置してから、ワイヤーソーの運転を開始することにより、切断速度(生産能力)の低下を抑制しつつ、ワイヤーガイドライフ初期(ワイヤーガイドの使用初期)から終期にかけて、Warp値が安定することを見出し、本発明を完成した。
まず、本発明に係るワークの切断装置であるワイヤーソーについて説明する。ワイヤーソーは、互いの回転軸方向が平行となるように所定間隔を隔てて配置され、外表面にそれぞれ所定のピッチで溝が形成された複数の円筒状のワイヤーガイドと、前記ワイヤーガイドの溝に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられたワイヤーにより形成されるワイヤー列とを備えている。運転(ワークの切断)時には、ワイヤーガイドを回転させることでワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する。
まず、ワイヤーガイドの溝の横断面構造について、図1を用いて、本明細書で使用する用語を定義しながら説明する。図1に示すワイヤーガイドは、本発明のワークの切断方法及びワークの切断装置に用いるワイヤーガイドの、未使用の状態における典型例でもある。
ワイヤーガイドの溝の横断面形状は、図1に示すように、少なくとも、ワイヤーガイドの外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備えている。つまり、断面視(横断面)において、開き角度を2つ以上有する、二段階以上の構造である。例えば、二段階の構造の場合、溝上部が一段目溝、溝下部が二段目溝となり、溝の深さ方向に形状が変化するものである。
ここで、溝上部の第1の開き角度(θ)と、第2の開き角度(θ)を有する溝下部とは、θ>θの関係にある。このような関係にあるワイヤーガイドを使用することで、ワイヤーの引き渡し等の作業性の向上と、ワイヤーの保持効果とを両立することができる。
さらに、本発明に係るワークの切断装置において、図1,2に示すように、ワイヤー101とワイヤーガイド102は、ワイヤーガイド102の溝の溝間口の溝幅、すなわち、溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、ワイヤー101のワイヤー径(φ)以上であり、ワイヤーガイド溝の溝下部の溝幅の最小値(W0,min)が、ワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にあり、ワイヤーが溝上部105の下部に位置する溝下部106の溝壁107に接するように設置されたときに、例えば、図2に示すように、ワイヤー101は、溝上部105の下に位置する溝下部106の側壁107に接し、かつ、ワイヤー101とワイヤーガイド102の溝底部108とが接触しないものである。つまり、未使用のワイヤーガイド102の溝内に未使用のワイヤー101を設置したときに、ワイヤー101は溝下部106に嵌った状態で、ワイヤーガイド102の溝底部108に接触せずに浮いた状態にある。
このようにワイヤー101をワイヤーガイド102の溝内に設置すると、ワイヤーガイド102の溝下部内でのワイヤーの横方向の遊びが少なくなり、その結果、ワイヤー101の横方向の振動を抑制することができ、切断速度を低下せずとも、ワークの切断装置の使用開始直後から(使用期間の初期から)、Warp値を安定して低くできる切断装置となる。
なお、上述のようにワイヤー101をワイヤーガイド102の溝内に設置して、ワイヤーソーの運転を開始した場合、ワークの切断(ワイヤーソーの運転)の進行に伴い、ワイヤー101はワイヤーガイド102の溝の側壁107を削りながら、溝底部108に近づいていく。そして、ワークの切断(ワイヤーソーの運転)開始から一定の時間が経過したときに、ワイヤー101がワイヤーガイド102の溝底部108に接触し、溝底部108を削っていく。この場合、溝の側壁107との溝底部108を削り、ワイヤー形状に合わせた溝形状を自成しながら進んでいくため、ワイヤー101の横方向の振動は抑制された状態がより安定的に維持され、したがって、Warp値の悪化は起こらない。
但し、ワイヤーガイドライフの終期まで、ワイヤー101がワイヤーガイド102の溝底部に接触しないような構造に設計することによっても、本発明の効果が発揮されることは言うまでもない。本発明者の調査によれば、使用する材質にもよるが、ワイヤー101は使用に伴い、概ね1割程度、ワイヤー径が細くなる傾向がある。このようなことを加味して、溝形状とワイヤー径(φ)の関係を設定することが可能である。
ここで、ワイヤーガイド102の溝底部108の横断面形状は、特に限定されず、円弧状、V字状又は平坦な形状とすることができる。このようなワイヤーガイド102にワイヤー101を設置した例を図2−4に示す。なお、図2で説明した事項については、以下の図3−6の説明では適宜省略する。また、図3−6では、1つの溝についてのみ示す。
上述のような形状の溝は、比較的容易(低コスト)かつ高精度で作製でき、低コストでワイヤー101とワイヤーガイド102の溝底部との接触を防止できる。特に、図3のように溝底部108の横断面形状を円弧状とし、その曲率半径Rを、ワイヤーの半径未満としたり、図2のように溝底部108の横断面形状をV字状(すなわち、R=0ともいえる)とすれば、より確実に、設置時からワイヤーガイドライフの初期における、ワイヤー101とワイヤーガイド102の溝底部108との接触を防止できるため、好ましい。さらに、図4に示すように、溝下部106の溝幅の最小値がワイヤー径未満とし、溝底部108にワイヤーを接触させないようにできれば、溝底部108は平坦であってもよい。
また、ワイヤーガイドは、複数の溝における溝下部の溝幅の最大値(W0,max)、及び/又は、第2の開き角度(θ)を、ワイヤーの進行方向に向けて変化したものとすることができる。上述したように、ワイヤーは使用により線幅が10%程度細くなる傾向がある。このため、ワイヤーにおける切断処理歴が長い部分では、未使用の部分や切断処理歴の短い部分より細くなる。このように、使用中のワイヤーの線幅は、ワイヤーの部分によって異なることがあるため、ワイヤーガイドを、複数の溝の形状を上記のようにワイヤーの進行方向に向けて変化したものとすれば、ワイヤーガイドライフの初期における、ワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との非接触状態を、安定して実現できるものとなる。
ワイヤーガイド102の溝における、溝上部の第1の開き角度(θ)は、60〜110°とすることが好ましい。このような範囲に設定すれば、ワイヤーの引き渡し作業の作業性がより優れた切断装置となる。また、溝下部の第2の開き角度(θ)は、20〜60°とすることが好ましい。このような範囲に設定すれば、より安定してワイヤーを保持して、低いWarp値のものを製造可能な切断装置となる。
ワイヤーガイド102の溝にワイヤーを設置する場合には、使用開始時に、ワイヤーの上部が溝下部の上端(溝間口)よりも上部に位置するような関係となるように、ワイヤーと溝の形状を設定することが好ましい。このようにすると、ワイヤーガイド102の長寿命化が可能となる。
また、溝下部の溝幅の最大値(W0,max)である、溝下部の溝間口(溝上部と溝下部との境界部)の溝幅と、ワイヤー径(φ)は、W0,max/φ=1.01〜1.30となるように設定することが好ましい。このような関係とすることで、より確実にワイヤーを溝下部内に設置でき、ワイヤーの横方向振動をより確実に防止できるものとなる。
さらに、溝底部の曲率半径Rと、ワイヤー径(φ)は、R/φを0.5未満の範囲となるように設定することが好ましい。このような関係とすることで、切断初期において、ワイヤーとワイヤーガイド102の溝底部108との非接触状態を、より安定して確実に実現できるものとなる。
ワイヤーガイド102としては、鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン(エステル系、エーテル系)等の樹脂を圧入したものを好適に用いることができる。また、ワークの切断装置としては、遊離砥粒型、固定砥粒型のいずれの装置であっても適用可能である。
上述のワイヤーガイド溝の溝形状の図示例として、溝上部と溝下部との接続部で、頂点を有する形状が示されているが、滑らかに接続されていてもよい。
次に、本発明に係るワークの切断方法について説明する。上述のワークの切断装置を用いてワークを切断することにより、生産能力(スループット)の低下を抑制しながら、ワイヤーガイドの使用初期(使用開始直後)から良好で、かつ、安定したワーク形状(Warp値)を得ることができ、ワイヤーガイドのライフに依存しないワークの品質を得ることができる。
まず、ワークの切断の開始前に、切断装置の設定を行う。互いの回転軸方向が平行となるように複数設置した円筒状のワイヤーガイドにワイヤーを螺旋状に巻掛けてワイヤー列を形成する。
上述したように、未使用のワイヤーガイド102における溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁107が第1の開き角度(θ)を有する溝上部105と、該溝上部105の下に位置し、対向する溝壁107が第2の開き角度(θ)を有する溝下部106と、溝の下端に位置する溝底部108とを備え、第1の開き角度(θ)と第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にある。また、未使用のワイヤーガイドの溝下部106の溝幅の最大値(W0,max)が、未使用のワイヤー101のワイヤー径(φ)以上であり、未使用のワイヤーガイド102の溝下部106の溝幅の最小値(W0,min)が、未使用のワイヤー101のワイヤー径(φ)未満の関係(W0,min<φ≦W0,max)にある。このような関係にある、未使用のワイヤー101と未使用のワイヤーガイド102とを使用し、未使用のワイヤー101が、未使用のワイヤーガイド102の溝下部106の溝壁107に接し、かつ、溝底部108に接触しない状態で設置し、ワイヤーが溝底部108に接触しない状態で、ワークの切断を開始することで、生産能力(スループット)の低下を抑制しながら、ワイヤーガイド102の使用初期(使用開始直後)から良好かつ安定したワーク形状(Warp値)を得ることができ、ワイヤーガイド102のライフに依存しないワークの品質を得ることができる。
上述のようにワイヤーをワイヤーガイド溝内に設置して、ワイヤーソーの運転を開始すると、運転開始直後は、ワイヤーが溝下部の側壁により支持(保持)された状態であり、ワークの切断(ワイヤーソーの運転)の進行に伴い、ワイヤーはワイヤーガイド溝の側面を削りながら溝底部に近づいていき、ワイヤー径に応じた最適溝形状を自成しながら切断が進行していく。そして、ワークの切断(ワイヤーソーの運転)開始から一定の時間が経過すると、ワイヤーはワイヤーガイドの溝底部に接触し、溝底部を削っていく。このようにワイヤーがワイヤーガイドの溝底部に接触した場合であっても、溝を削りながら進んでいくため、ワイヤーの横方向の振動は抑制されたままであり、したがって、Warp値の悪化は起こらない。
また、装置について説明したように、ワイヤーガイドとして、複数の溝の形状を上記のようにワイヤーの進行方向に向けて変化したものを使用してワークを切断すれば、ワイヤーガイドライフの初期における、ワイヤーとワイヤーガイドの溝底部との非接触状態を、安定して実現できる。また、切断速度を落とす必要もないため、生産能力の低下を抑制できる。
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例)
未使用(新品)のワイヤーガイドとして、溝上部の第1開き角度(θ)が90度、溝下部の第2開き角度(θ)が40度、溝下部の深さが130μm、溝下部の溝間口の溝幅(W0,max)が140μm、溝底部の曲率半径Rが0.030mmの、各溝形状パラメータを有するものを使用した。このようなワイヤーガイドに、0.13mmのワイヤー径(φ)を有する未使用(新品)のワイヤーを設置すると、ワイヤーは、ワイヤーガイドの溝下部の溝壁に接し、かつ、溝底部に接触しない状態で設置された(図3参照)。
次に、直径が200mmのシリコン単結晶インゴットを切断対象のワークとして用い、ワイヤーソー装置を用いて切断加工を行い、切断して得たシリコンウェーハの形状測定を行い、Warp値を算出した。
(比較例1)
未使用(新品)のワイヤーガイドとして、溝の横断面形状がV溝1段であり、溝の開き角度が90度、ワイヤーガイド外表面での溝幅が0.6mm(600μm)のものを使用した点を除いて、実施例1と同じ条件で切断加工、及び、切断して得たシリコンウェーハの形状測定を行った。比較例1で用いたワイヤーガイドにワイヤーを設置すると、図5に示すような状態となった。ワイヤーを溝内に設置した時点で、ワイヤーは溝内で横方向に、いわゆる遊びを有していた。
(比較例2)
未使用(新品)のワイヤーガイドとして、溝上部の第1開き角度(θ)が90度、溝下部の第2開き角度(θ)が40度、溝下部の深さが130μm、溝下部の溝間口の溝幅(W0,max)が190μm、溝底部の曲率半径Rが0.065mmの、各溝形状パラメータを有するものを使用した。このようなワイヤーガイドに、0.13mmのワイヤー径(φ)を有する新品のワイヤーを設置すると、ワイヤーとワイヤーガイドの溝底部が接触した状態となった(図6参照)。ワイヤーを溝内に設置した時点で、ワイヤーは溝内で横方向に、いわゆる遊びを有していた。これ以外は、実施例1と同じ条件で切断加工、及び、切断して得たシリコンウェーハの形状測定を行った。
なお、参考のため、切断加工条件(上述の条件も含む)の代表値を、表1に示す。
Figure 0006627002
図7に、ウェーハのWarp値の推移を示す。横軸は、ワイヤーガイドのライフの初期から一定期間の処理バッチを抽出した。縦軸はWarp値を示す。プロットは、10バッチごとのWarp値の平均値を1プロットとした。また、実施例と比較例1,2を比較するために、比較例1の切断加工初期から30バッチの平均値を基準の1として、相対値で比較した。図7に示すように、比較例1ではWarp値が低く安定するまでの切断加工処理バッチが最も多くなることがわかる。
図8は、図7における、ワイヤーガイドライフ初期の3プロット(30バッチ分)の範囲を拡大した図である。図8に示すように、実施例ではごく初期からWarp値が低く安定する結果が得られた。また、比較例2では、図7に示すように、比較例1よりは早い段階で安定化したものの、図8に示すようにごく初期ではWarp値が高くばらつく結果となった。図8に示したごく初期の30バッチ分のデータをもとに、ワイヤーガイドライフ初期(30バッチ)の比較を行ったところ、実施例においては、Warp値、ばらつきともに、比較例1,2より安定して高品質なものが得られた。
以上に述べた実施例、比較例1,2の条件と、評価結果を、表2にまとめた。
Figure 0006627002
図7に示されるように、実施例においては、使用開始時から、ワイヤーガイドの溝下部内にワイヤーが適切に嵌まり込み、ワイヤーの遊びがなくなるため、Warp値が最初から安定するものと考えられる。一方、実施例と比較例1,2すべてにおいて、最終的にはロット間やロット内のWarp値が低く安定する。これは、ワイヤーガイド溝の側面(側壁)及び溝底面が、ワイヤーの走行により、徐々に溝底部に向かって研削され、溝の側面(側壁)及び溝底面形状がワイヤー形状になじんでいくためであると考えられる。比較例2においては、ワイヤーガイドの溝下部内にワイヤーが設けられるものの、溝底部に接触するように設置されているため、ワイヤーの遊びを排除できず、実施例に比べ、ごく初期の数十バッチでWarp値が乱れたものと思われる。
既に述べたように、ワイヤーは使用することで摩耗し細くなるため、溝間口の溝幅(W0,max)とワイヤー径(φ)との比は、使用状態によって変わる。ワイヤーをワイヤーガイド溝に設置するときに、ワイヤーライフのごく初期における溝底部とワイヤーとの非接触状態をより安定して維持するためには、ワイヤー径(φ)の変動を加味して、未使用のワイヤーガイド溝の溝間口の溝幅(W0,max)との関係を設定することが好ましい。そこで、実施例と比較例2について、未使用のワイヤーガイドの溝の溝間口の溝幅(W0,max)とワイヤー径(φ)との比(溝間口/ワイヤー径=W0,max/φ)、及び、未使用のワイヤーガイドの溝の溝底部の曲率半径(R)とワイヤー径(φ)との比(溝間口/ワイヤー径=R/φ)を調査した。その結果を表3に示す。
Figure 0006627002
表3に示すように、ワイヤー径(φ)を基準としたときに、ワイヤーガイドの溝の溝間口の溝幅(W0,max)は、1.01〜1.30の範囲に設定し、溝の溝底部の曲率半径Rは、0.5未満の範囲に設定することが好ましいことがわかった。
例えば、既に述べたようにワイヤーガイドとして、複数の溝の形状を上記のようにワイヤーの進行方向に向けて徐々に溝の溝間口の溝幅(W0,max)を狭くなるように変化させる場合に、上記の範囲内で設定することが有効である。
以上のとおり、本発明の実施例によれば、ワイヤーガイド使用開始直後からWarpを安定して良好なレベルとでき、ワイヤーガイドライフに依存しないワーク形状品質を得ることが可能となるとともに、切断速度(生産能力)を落すことなくワーク形状品質を維持できることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
100…ワイヤーソー、 101…ワイヤー、 102…ワイヤーガイド、
103,103’…ワイヤーリール、 104…インゴット(ワーク)、
105…溝上部、 106…溝下部、 107…側壁、 108…溝底部、
111…ワイヤー列。

Claims (8)

  1. 互いの回転軸方向が平行となるように複数設置した円筒状のワイヤーガイドにワイヤーを螺旋状に巻掛けてワイヤー列を形成し、前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する方法であって、
    前記ワイヤーガイドは、外表面に、回転方向に沿って所定のピッチで形成された複数の溝を有し、
    未使用の前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、
    前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあり、
    前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にある、前記未使用のワイヤーと前記未使用のワイヤーガイドを用い、
    前記未使用のワイヤーを、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝壁に接し、かつ、前記溝底部に接触しない状態で設置し、
    前記ワイヤーが前記溝底部に接触しない状態で、前記ワークの切断を開始することを特徴とするワークの切断方法。
  2. 前記溝底部の横断面形状が、円弧状、V字状又は平坦であるワイヤーガイドを用いることを特徴とする請求項1に記載のワークの切断方法。
  3. 前記ワークの切断の進行に伴い、前記ワイヤーが前記溝壁を切削することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワークの切断方法。
  4. 前記ワークの切断の進行に伴い、前記ワイヤーが前記溝底部に接触し、前記溝底を切削することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のワークの切断方法。
  5. 前記未使用のワイヤーガイドとして、前記複数の溝における前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)、及び/又は、第2の開き角度(θ)を、前記ワイヤーの進行方向に向けて、徐々に小さくなるように変化させたものを用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のワークの切断方法。
  6. 互いの回転軸方向が平行となるように所定間隔を隔てて配置され、外表面にそれぞれ所定のピッチで溝が形成された複数の円筒状のワイヤーガイドと、
    前記ワイヤーガイドの溝に所定のピッチで螺旋状に巻き掛けられたワイヤーにより形成されるワイヤー列と、
    を具備し、
    前記ワイヤーガイドを回転させることで前記ワイヤーを軸方向に走行させながら、ワークを前記ワイヤー列に押し当てて、同時に複数箇所でウェーハ状に切断する切断装置であって、
    未使用の前記ワイヤーガイドにおける前記溝の横断面形状は、少なくとも、ワイヤーガイド外表面側に位置し、対向する溝壁が第1の開き角度(θ)を有する溝上部と、該溝上部の下に位置し、対向する溝壁が第2の開き角度(θ)を有する溝下部と、前記溝の下端に位置する溝底部とを備え、
    前記第1の開き角度(θ)と前記第2の開き角度(θ)とが、θ>θの関係にあるものであり、
    未使用の前記ワイヤーと前記未使用のワイヤーガイドは、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)が、前記未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)以上であり、前記未使用のワイヤーガイドの前記溝下部の前記溝幅の最小値(W0,min)が、前記未使用のワイヤーのワイヤー径(φ)未満の関係にあり、
    前記未使用のワイヤーが前記溝下部の前記溝壁に接するように設置されたときに、前記未使用のワイヤーと前記未使用のワイヤーガイドの前記溝底部とが接触しないものであることを特徴とするワークの切断装置。
  7. 前記未使用のワイヤーガイドの前記溝底部の横断面形状が、円弧状、V字状又は平坦であることを特徴とする請求項6に記載のワークの切断装置。
  8. 前記未使用のワイヤーガイドは、前記複数の溝における前記溝下部の溝幅の最大値(W0,max)、及び/又は、第2の開き角度(θ)が、前記ワイヤーの進行方向に向けて、徐々に小さくなるように変化したものであることを特徴とする請求項6又は請求項7のいずれか一項に記載のワークの切断装置。
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