JP6615978B2 - 口腔内貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔内貼付剤に関する。
本願は、2016年2月25日に、日本に出願された特願2016−34513号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、さまざまな口腔内貼付剤が知られている(例えば特許文献1参照)。
口腔内貼付剤に唾液が浸潤して口腔内貼付剤が徐々に崩壊することによって、口腔内貼付剤に含まれる薬物が唾液中に放出される。唾液中に放出された薬物は、胃腸その他粘膜等を通じて患者の体内に吸収される。
国際公開第2014/192918号
口腔内貼付剤は、口腔内に付着するので誤飲されにくく、唾液の浸潤によって徐々に薬物が放出されるので、薬物を長時間にわたって放出させる用途に適している。口腔内貼付剤からの薬物の放出は、患者の唾液分泌量の影響を受ける。たとえば、睡眠時には唾液の分泌が低下するため、口腔内貼付剤へ唾液が浸潤しにくくなり、薬物の放出にばらつきが出ることがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、唾液分泌が低下しても安定して薬物を放出することができる口腔内貼付剤を提供することを目的とする。
本発明は、薬物と浸潤促進剤とを含有する薬物層と、粘膜に対する付着性付与成分を含有し、前記薬物層に固定された付着層とを有し、前記薬物層は、前記浸潤促進剤としてD−ソルビトールのみを含み、キシリトールおよびエリスリトールのいずれも含有しない口腔内貼付剤である。
前記浸潤促進剤は、20℃における浸透圧が1000mOsm/kg以上2000mOsm/kg以下の浸透圧調節剤を含んでいてもよい。
前記薬物層における前記浸潤促進剤の含有量は、20質量%以上70質量%以下であってもよい。
前記薬物は、超短時間作用型睡眠導入剤であってもよい。
前記薬物層は、賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有してもよい。
前記付着層は、賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有してもよい。
前記付着性付与成分は、ポビドンとカルボキシビニルポリマーとの少なくともいずれかを含有してもよい。
本発明によれば、浸潤促進剤が唾液を薬物層内に浸潤させることによって唾液を薬物層内に保持することができるので、唾液分泌が低下しても安定して薬物を放出することができる。
本発明の一実施形態に係る口腔内貼付剤の剤形の一例を示す斜視図である。 同実施形態の口腔内貼付剤を用いた実験例において使用されるチャンバーの平面図である。 同実験例における薬物層への水分の浸潤状態を示す写真である。 同実施形態の口腔内貼付剤を用いた別の実験例における薬物層への水分の浸潤状態を示す写真である。 比較例における薬物層への水分の浸潤状態を示す写真である。 実験例の結果を示すグラフである。 実験例の結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の口腔内貼付剤の剤形の一例を示す斜視図である。
本実施形態の口腔内貼付剤は、口腔内に貼り付けて使用される薬剤である。
図1に示すように、口腔内貼付剤1の剤形は、錠剤であり、特に、口腔内に付着可能な付着層3を有する多層錠である。口腔内貼付剤1の形状は、例えば円板状である。一例として、口腔内貼付剤1の寸法は、直径が6mm以上12mm以下、総厚さが1mm以上6mm以下である。
口腔内貼付剤1は、薬物層2と付着層3とを有している。
薬物層2は、薬物と、浸潤促進剤とを含有する。
薬物の種類は特に限定されない。たとえば、超短時間作用型睡眠導入剤や短時間作用型睡眠導入剤が薬物として本実施形態の薬物層2に含有されてよい。超短時間作用型睡眠導入剤の例として、ゾルピデム(N,N,6-Trimethyl-2-(4-methylphenyl)imidazo[1,2-α]pyridine-3-acetamide)、トリアゾラム、ゾピクロン、及びエスゾピクロン等が挙げられる。短時間作用型睡眠導入剤の例としては、プロチゾラム、ロルメタゾパム、リルマガホン等が挙げられる。
ゾルピデムは、塩基遊離体であってもよいし、酸付加塩であってもよい。
たとえば、ゾルピデムに付加する酸は、医学的に許容される公知の酸が選択される。たとえば、ゾルピデムに付加する酸として、塩酸や硝酸などの無機酸が用いられてもよい。
また、ゾルピデムに付加する酸として、(ヘミ)酒石酸、(ヘミ)コハク酸、(ヘミ)フマル酸、(ヘミ)マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、(ヘミ)アジピン酸などの有機酸が用いられてもよい。
本実施形態において、ゾルピデム酸付加塩は、酒石酸付加塩またはヘミ酒石酸付加塩が好ましい。本実施形態では、薬物層2は、薬物として、ゾルピデム酒石酸塩(N,N,6-Trimethyl-2-(4-methylphenyl)imidazo[1,2-α]-pyridine-3-acetamide hemi-(2R,3R)-tartrate)を、2mg以上8mg以下の所定量含有する。薬物層2における薬物の含有量は、所望の薬効を考慮して適宜設定されてよい。
浸潤促進剤は、薬物層2内への唾液の浸潤を促進するために薬物層2に含有される。浸潤促進剤は、本実施形態の口腔内貼付剤1が口腔内に貼り付けられた状態における薬物層2の浸透圧を調節するための浸透圧調節剤を含む。浸潤促進剤となる浸透圧調節剤として、エリスリトール及びD−ソルビトールを挙げることができる。すなわち、本実施形態における薬物層2は、エリスリトールとD−ソルビトールとの少なくともいずれかを含んでもよい。
また、浸潤促進剤として使用可能な浸透圧調節剤は、上記に限らず、その浸透圧について、20℃における浸透圧が1000mOsm/kg以上2000mOsm/kg以下となる物質であってもよい。
薬物層2における浸潤促進剤の含有量は、薬物の放出速度を規定する。薬物層2中における浸潤促進剤の含有量が高いほど薬物の放出が促進される。これは、浸潤促進剤の含有量が多いほど、薬物層2への唾液の浸潤量が多くなるからである。
薬物層2における浸潤促進剤の含有量は、本実施形態の口腔内貼付剤1の薬効が持続する時間を規定する。本実施形態では、薬物層2における浸潤促進剤の含有量は、20質量%以上70質量%以下の範囲の所定の含有量である。
浸潤促進剤は、口腔内貼付剤1が口腔内に付着させて使用されている状態において、唾液を薬物層2内に取り込むことで、薬物層2の崩壊に必要な液体(唾液)を薬物層2に保持する。すなわち、本実施形態では、薬物層2に含有される浸潤促進剤が浸透圧調節剤であることによって、唾液が薬物層2に浸潤した状態において、薬物層2の外部よりも薬物層2の内部の浸透圧が高く維持され、唾液がさらに薬物層2内へと浸潤する。また、薬物層2に保持された唾液に薬物その他の成分が溶解することによって、薬物層2は外側から徐々に崩壊する。
薬物層2は、薬物及び浸潤促進剤に加えて、賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有してもよい。さらに、薬物層2は、必要に応じその他の成分を含有してもよい。
たとえば、薬物層2は、賦形剤として、結晶セルロース、乳糖、乳糖水和物、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ワックス類、精製セラックなどを含有してもよい。たとえば、結晶セルロース及び乳糖が賦形剤として薬物層2に含まれていると崩壊性に優れる。
結晶セルロースと乳糖との配合比は、質量比で1.5:1〜2:1であることが好ましい。また、乳糖は水和物であることが好ましい。
薬物層2における賦形剤の含有量は、67質量%以上87質量%以下の範囲の所定の含有量である。
また、たとえば、薬物層2は、結合剤として、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、クロスポビドン、カルメロース又はそのナトリウム塩、クロスカルメロース又はそのナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、デンプン、デンプン誘導体類などを含有してもよい。これらのうち、ポビドン、クロスカルメロース、及びクロスカルメロースのナトリウム塩が、結合剤として特に好ましい。
また、結合剤に含まれるポビドンは、K値が90程度(グレードとしてK−90)であることが好ましい。
上記の賦形剤及び結合剤の他、薬物層2は、薬物及び浸潤促進剤に加えて、薬物の放出を制御する他の成分、追加の生理活性成分、安定化剤、着色剤、滑沢剤などを含有してもよい。
付着層3は、水分(唾液)が浸潤したときに粘膜に対する付着性が付与されるような成分(付着性付与成分)を含有する。
付着層3は、付着性付与成分として、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はそのナトリウム塩、デンプン、デンプン誘導体類などを含有してもよい。これらのうち、ポビドンとカルボキシビニルポリマーとの組み合わせは、親水性のポビドンによる濡れ性と、口腔粘膜への動きに追従するカルボキシビニルポリマーによる膨潤性とによって、特に良好な付着性を得ることができる。
また、付着性付与成分として付着層3に含まれるポビドンは、K値が90程度(グレードとしてK−90)であることが好ましい。
ポビドンとカルボキシビニルポリマーとの配合比は、質量比で2:3であることが好ましい。また、乳糖は水和物であることが好ましい。
付着層3における付着性付与成分の含有量は、付着層3が口腔粘膜に付着することが求められる時間に基づいて設定される。付着層3における付着性付与成分の含有量は、例えば、付着層3の全体のうち50質量%であることが好ましい。
また、付着層3は、付着性付与成分に加えて、賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有してもよい。さらに、付着層3は、必要に応じその他の成分を含有してもよい。
たとえば、付着層3は、賦形剤として、マルチトール、結晶セルロース、乳糖、デンプン、デキストリン、白糖などを含有してもよい。
マルチトールと結晶セルロースとの組み合わせは、マルチトールが非う蝕性であるとともに適度な冷涼感を持ち、結晶セルロースが導水効果により口腔粘膜への付着性を向上させるので、好適である。
マルチトールと結晶セルロースとの配合比は、質量比で3:2であることが好ましい。
また、乳糖は水和物であることが好ましい。
付着層3における賦形剤の含有量は、例えば、付着層3の全体のうち50質量%であることが好ましい。
また、たとえば、薬物層2は、結合剤として、ポビドン(ポリビニルピロリドン)を含有してもよい。
本実施形態の口腔内貼付剤1の製造方法の概略について説明する。
本実施形態の口腔内貼付剤1は、2層の積層錠剤を製造可能な公知の打錠装置を用いて製造することができる。本実施形態の口腔内貼付剤1の製造時には、まず、薬物層2の成分を第一の打錠圧で打錠し、続いて、薬物層2上に付着層3の成分を積層して第二の打錠圧で打錠する。このとき、第二の打錠圧は、第一の打錠圧よりも大きい。一例として、第一の打錠圧は50N以上150N以下の所定の圧力であり、第二の打錠圧は、300N以上1000N以下の所定の圧力である。このような二段階の打錠によって、硬度が20N〜70N程度の錠剤として本実施形態の口腔内貼付剤1が製造される。
本実施形態の口腔内貼付剤1の作用について説明する。
本実施形態の口腔内貼付剤1は、例えば舌腹(舌の裏)等の口腔粘膜に貼り付けて使用される。このとき、付着層3を粘膜に接触させることによって、付着層3に唾液が浸潤し、付着層3が粘膜に固定される。口腔粘膜に本実施形態の口腔内貼付剤1が固定された状態では、唾液が口腔内貼付剤1に接触すると、唾液の一部が浸潤促進剤に接触して薬物層2内へと浸潤する。これにより、薬物層2が徐々に崩壊する。また、薬物層2に含まれる薬物その他の成分は唾液中に溶解または分散する。薬物層2が浸潤促進剤を含有していることによって、口腔内貼付剤1の近傍への唾液の供給が減少した場合でも、薬物層2の崩壊のために必要な唾液が薬物層2中に保持される。このため、服用後就寝する等により唾液の供給が減少しても、薬物層2からの薬物の放出量が減少しにくい。
本実施形態の口腔内貼付剤1において、薬物層2からの薬物の放出は、唾液分泌量の増減の影響を受けにくく、唾液分泌量が低下している場合であっても途切れにくい。すなわち、本実施形態の口腔内貼付剤1は、唾液分泌が低下しても薬効を好適に持続させることができる。
本実施形態において例示されたゾルピデム酒石酸塩は、超短時間作用型睡眠導入剤であり、睡眠中に薬効が切れると中途覚醒となる場合がある。本実施形態の口腔内貼付剤1では、薬物層2からのゾルピデム酒石酸塩の放出が、唾液分泌量が低下する睡眠時であっても持続する。このため、睡眠中に好適に薬効を持続させることができ、かつ薬物層2が唾液の浸潤によって完全に崩壊した後は速やかに薬効を消失させることができる。その結果、超短時間作用型睡眠導入剤の一例としてゾルピデム酒石酸塩を薬物層2に含有する本実施形態の口腔内貼付剤1によれば、予め設定した長さの睡眠時間中は確実に薬効を持続させ、かつ起床後には眠気を残さないような薬物放出制御ができる。
(実験例1)
口腔内における唾液の分泌量が減少した状態における本実施形態の口腔内貼付剤の作用を説明するための実験例を以下に示す。
図2は、実験例1において使用されるチャンバーの構成を示す模式図である。図3は、実験例1における薬物層への水分の浸潤状態を示す写真である。図3に示す各写真は、チャンバーへ精製水を供給した時点、5分後、10分後、20分後、30分後、及び50分後に口腔内貼付剤を撮影したものである。図3中の各写真において、上段はマルチトールを薬物層に含有する口腔内貼付剤であり、中段はD−ソルビトールを薬物層に含有する口腔内貼付剤であり、下段はエリスリトールを薬物層に含有する口腔内貼付剤である。
実験例1では、口腔内貼付剤の薬物層の崩壊に必要な水分(唾液)が不足している状態をモデル化したチャンバーを使用した。図2に示すように、この実験例におけるチャンバー10は、容器11の底面にろ紙12を配置したものである。このチャンバー10を使用して、ろ紙12に付着層が接触するように本実施形態の口腔内貼付剤を置き、ろ紙12に精製水を染み込ませることによって、ろ紙を介して口腔内貼付剤に精製水を浸潤させた。精製水の量は、チャンバー10内でろ紙12が浸る程度である。精製水は、口腔内貼付剤に直接精製水がかかることが無いように、ろ紙12の周辺からろ紙12へと供給した。
口腔内貼付剤の例として、浸潤促進剤の種類が異なる3種(実験例1−1:マルチトール、実験例1−2:D−ソルビトール、実験例1−3:エリスリトール)の口腔内貼付剤をそれぞれ3個使用した。これらの実験例は、浸潤促進剤の種類の違いによる精製水の浸潤態様の違いを示すことを目的としており、この実験例で使用した口腔内貼付剤は、薬物層に上記のゾルピデム酒石酸塩を含まないプラセボである。表1に、各実験例における薬物層の組成を示す。表1に記載の数字は、質量%である。
実験例1−1から1−3における付着層の組成は、賦形剤:50質量%(マルチトール:30質量%、結晶セルロース:20質量%)、付着性付与成分:50質量%(カルボキシビニルポリマー:30質量%、ポビドンK−90F:20質量%)とした。
チャンバー10へ精製水を供給した時点から5分後、10分後、20分後、30分後、及び50分後に、ろ紙12上の口腔内貼付剤に対する水分の浸潤を観察した。水分の浸潤は、口腔内貼付剤に含まれる着色剤(青色1号)により可視化される。
図3に示すように、浸潤促進剤としてエリスリトールを薬物層に含有する実験例1−1では、精製水の投入から20分で3個すべての口腔内貼付剤に精製水が完全に浸潤し、3つの実験例のうち最も精製水の浸潤が速かった。D−ソルビトールを薬物層に含有する実験例1−2では、精製水の投入から30分で3個すべての口腔内貼付剤に精製水が完全に浸潤した。マルチトールを薬物層に含有する実験例1−3では、精製水の投入から50分で3個すべての口腔内貼付剤に精製水が完全に浸潤した。
(実験例2)
次に、薬物層からの薬物放出量についての実験例として、実験例2を示す。
実験例2では、下記表2に示す組成の薬物層を備える実験例2−1から2−5、および比較例2−1の口腔内貼付剤を用いて、時間の経過と薬物放出量との関係を示す。
付着層の組成については上記の実験例1と同一とした。
実験例2では、フランツセルのメンブレン(ろ紙)上に各例の口腔内貼付剤の付着層を接触させ、溶出試験液として溶出試験第一液(pH1.2)を用いて口腔内貼付剤の薬物層から薬物を放出させた。試験開始から15分、30分、60分、120分、180分、300分、及び420分の各時点において溶出試験液の一部を採取して薬物濃度をHPLCによって測定した。
図4は、試験開始から15分時点におけるメンブレン(ろ紙)上の口腔内貼付剤の状態を示す写真である。エリスリトールを40質量%含有する実験例2−3(図4A)と浸潤促進剤としてマルチトールを40質量%含有する比較例2−1(図4B)とを比較すると、エリスリトールを含有する実験例2−3の方が、マルチトールを含有する比較例2−1よりも、溶出試験液が速やかに浸潤した。
図5は、上記の実験例2−3と比較例2−1とにおいて薬物の累積溶出量を試験開始から180分まで測定した結果を示すグラフである。図5において、横軸は溶出試験開始からの経過時間(min)であり、縦軸は薬物の累積溶出量(mg)である。
図5に示すように、浸潤促進剤としてエリスリトールを40質量%含有する実験例2−3と浸潤促進剤としてマルチトールを40質量%含有する比較例2−1とを比較すると、エリスリトールを浸潤促進剤として含有している実験例2−3の方がマルチトールを含有している比較例2−1よりも薬物の累積溶出量が多い。すなわち、エリスリトールを浸潤促進剤として薬物層に含有していることによって、マルチトールを含有している場合よりも薬物の溶出が促進される。また、浸潤促進剤がエリスリトールである場合であってもマルチトールである場合であっても、単位時間あたりの薬物溶出量はそれぞれにおいて略一定と見做すことができる程度であった。
図6は、エリスリトールの含有量が互いに異なる実験例2−1から実験例2−5、及びエリスリトールを含まない比較例2−1において薬物の累積溶出量を試験開始から420分まで測定した結果を示すグラフである。図6において、横軸は溶出試験開始からの経過時間(min)であり、縦軸は薬物の累積溶出量(mg)である。
図6に示すように、薬物層に対するエリスリトールの含有量が高い方が、薬物の累積溶出量が多い。また、図6に示すように、薬物層に対するエリスリトールの含有量が20質量%以上66質量%以下の範囲では、単位時間あたりの薬物の放出量はそれぞれにおいて略一定である。
(実験例3)
次に、本実施形態の口腔内貼付剤の口腔内での官能試験についての実験例として、実験例3を示す。
実験例3では、本実施形態の口腔内貼付剤の例として下記表3に示す組成のプラセボ錠を作成し、被験者の舌下に口腔内貼付剤を就寝前(22時頃)に貼り付けて、翌朝起床時(7時頃)における口腔内貼付剤の溶け残り状態を評価した。溶け残り状態の評価は、溶け残りの程度に対応した0から5までのスコア(下記表4参照)から、各自の口腔内貼付剤の溶け残り状態に最も近い1つを被験者自身が選択することによって行った。
付着層の組成については上記の実験例1と同一とした。
官能試験の結果を下記表5に示す。
表5に示すように、エリスリトール又はD−ソルビトールを浸潤促進剤として薬物層に含んだ実験例3−2、3−4、3−5、および3−7は、他の実験例と比較して平均スコアが低く、すなわち起床時の溶け残りが少なかった。
なお、図示しないが、薬物をゾルピデム酒石酸塩に代えて、トリアゾラム、ゾピクロン、又はエスゾピクロンとした口腔内貼付剤(それぞれ、上記の実験例2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、および比較例2−1に対応)を製造し、上記の実験例2と同様に溶出試験を行ったところ、これらの薬物を含有する口腔内貼付剤においても、ゾルピデム酒石酸塩を含有する口腔内貼付剤と同様の挙動を示した。
以上、本発明の一実施形態および各実験例について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれら実施形態および実験例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、口腔内貼付剤に好適に適用することができる。
1 口腔内貼付剤
2 薬物層
3 付着層

Claims (7)

  1. 薬物と浸潤促進剤とを含有する薬物層と、
    粘膜に対する付着性付与成分を含有し、前記薬物層に固定された付着層と、
    を有し、
    前記薬物層は、
    前記浸潤促進剤としてD−ソルビトールのみを含み、
    キシリトールおよびエリスリトールのいずれも含有しない、
    口腔内貼付剤。
  2. 前記浸潤促進剤は、20℃における浸透圧が1000mOsm/kg以上2000mOsm/kg以下の浸透圧調節剤を含む、請求項1に記載の口腔内貼付剤。
  3. 前記薬物層における前記浸潤促進剤の含有量は、20質量%以上70質量%以下である、請求項1または2に記載の口腔内貼付剤。
  4. 前記薬物が超短時間作用型睡眠導入剤である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の口腔内貼付剤。
  5. 前記薬物層が賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の口腔内貼付剤。
  6. 前記付着層が賦形剤と結合剤との少なくともいずれかを含有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の口腔内貼付剤。
  7. 前記付着性付与成分が、ポビドンとカルボキシビニルポリマーとの少なくともいずれかを含有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の口腔内貼付剤。
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