JP2000063268A - 口腔粘膜付着型徐放性錠剤及び歯周疾患治療剤 - Google Patents

口腔粘膜付着型徐放性錠剤及び歯周疾患治療剤

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JP2000063268A
JP2000063268A JP10341039A JP34103998A JP2000063268A JP 2000063268 A JP2000063268 A JP 2000063268A JP 10341039 A JP10341039 A JP 10341039A JP 34103998 A JP34103998 A JP 34103998A JP 2000063268 A JP2000063268 A JP 2000063268A
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oral mucosa
xylitol
oral
adhesive
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Nobuo Kojima
信雄 小島
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 口腔粘膜に対する粘着層と非粘着層を有
する徐放性錠剤に、キシリトール及び/又はエリスリト
ールを含有させたことを特徴とする口腔粘膜付着型徐放
性錠剤。 【効果】 本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、キシ
リトール及び/又はエリスリトールを含有することによ
り、十分な時間滞留、持続放出し、しかもその間冷涼感
を感じ続け、口腔内の爽やかな感じが持続するなど今ま
でになく使用感が良く、また、口腔適用中に粘着層から
非粘着層が剥がれたり、崩壊したりすることがなく、長
時間の滞留に対して歯のう蝕誘発性のおそれもない。特
に、この錠剤は歯周疾患治療剤として有効で、炎症の治
療効果に優れ、疼痛の消失と腫脹の退縮に対する速効性
と効果が高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口腔衛生、口腔内
疾患の予防、治療、更には全身作用薬の持続投与などを
目的として、口腔内に適用するのに適したキシリトール
及び/又はエリスリトールを含有した、口腔粘膜に付着
し、十分な時間効果を持続させる粘着層・非粘着層を有
する口腔粘膜付着型徐放性錠剤、及びこの徐放性錠剤よ
りなる歯周疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、口腔内に薬物を投与して各種疾患の治療や予防を行
うための徐放製剤として、各種剤型が試みられている。
その中で従来の液剤、軟膏剤の徐放製剤は唾液に流され
るなどして、口腔粘膜への付着、滞留量が十分でなく、
従って徐放性が低い。そこで更に付着性を上げるために
不溶性、油性を上げざるを得ず、味や異物感など使用感
が悪いものとなる。また、トローチ剤、舌下錠などは、
異物感や溶けて小さくなると、患者がどうしてもこれら
を噛み砕き、飲み下してしまう場合が多く、いずれも目
的とする薬物の持続放出を達成することができない。更
に舐めるという用法は、対人関係において支障を生じる
という欠点がある。
【0003】それに対して、口腔粘膜に付着させ、長時
間の薬物を放出をさせる目的で、口腔粘膜付着型徐放性
製剤として、錠剤、フィルム製剤などが試みられてい
る。フイルム製剤は一般に異物感の点では口腔粘膜付着
型製剤として至適ではあるが、製造上の点からどうして
も薄く、薬物投与量が少なくなるため、徐放性製剤とし
てはその放出速度を低く抑える必要がある。従って薬物
としては微量で効果を示す強い薬剤に適用するか、口内
炎などの極く限られた狭い部位に適用できるだけであ
る。従って、口臭予防、虫歯予防、歯肉炎、歯周炎など
の歯槽膿漏、咽頭炎などの口腔内疾患や、全身性疾患な
どに適用するには、製造上の点からもフィルム製剤より
投与量を多くできる口腔粘膜付着型徐放性錠剤であるこ
とが不可欠である。
【0004】しかしながら、一般に錠剤では、異物感が
強く、硬く、また従来の口腔粘膜付着型徐放性錠剤では
その欠点を補うため、小さくせざるを得ず、その上長時
間の持続放出を目的とする結果、非水溶性などの高分子
やその他一般的に錠剤に成形するための賦形剤の含量を
多くする必要があった。また、このように長時間持続放
出させるため放出速度を遅くせざるを得ず、薬物の有効
濃度に達するのに時間がかかる。従って、薬物としては
微量で効果を示す強い薬剤に適用するという制約があっ
た。更に粉っぽさや高分子による口中の粘稠感、不溶性
成分による異物感、味の悪さなどが発現し、使用感が悪
く、長時間の使用に耐え難いものであった。
【0005】口腔内に投与し長時間滞留させる製剤は、
口腔の味や異物に対する感覚が極めて鋭敏であることか
ら、特に味や異物感のなさ、口腔内を爽やかにするなど
の使用感が極めて重要となる。また、口腔粘膜付着型徐
放性錠剤は口腔内に長時間滞留するため、その製剤設計
においては、歯のう蝕誘発性の因子を避ける必要がある
が、錠剤化するために乳糖やスターチ、デキストリンな
どのう蝕誘発性の賦形剤も用いざるを得なかった。
【0006】一方、キシリトールやエリスリトールは良
好で適度の甘味を持ち、かつ水に対する溶解性が高く、
溶解する際に吸熱して冷涼感があることなど優れた味質
を有することから、速溶錠などの内服錠剤、顆粒やトロ
ーチなどに使用されている。また、これらは口腔内に存
在する種々のバクテリアに対して基質となることがない
非う蝕性の甘味質である。更に、特にキシリトールは蔗
糖摂取による口腔バクテリアからの酸産生の抑制、歯の
再石灰化促進、及び口腔バクテリアの代謝阻害などのう
蝕予防効果も認められている。フィンランド、スウェー
デン、ノルウェー、アイスランド、イギリス、オラン
ダ、ベルギー各国の歯科医師会が、菓子、食品へのキシ
リトールの使用をすすめていることで、近年、ガム・キ
ャンデー・錠菓などの菓子にも広く使用されている。
【0007】しかしながら、従来、口腔粘膜付着型徐放
性錠剤には、その溶解性が高すぎ、また成形性に劣るな
どから適さないと考えられ、賦形剤としてのソルビトー
ルなどと同じく、錠剤成形用の賦形剤としての糖アルコ
ールの範疇での例が挙げられているにすぎなかった。
【0008】また、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏などの歯
周疾患において、特に歯肉の腫脹とそれに伴う疼痛は耐
え難いものであるが、従来の軟膏剤などの局所治療剤や
抗生物質の内服では効果も低く、その疼痛の緩和と腫脹
の退縮には時間がかかり、このため容易に用いることが
できて速効性と効果の高い治療剤が望まれていた。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、口腔粘膜付着型徐放性錠剤において、長時間滞留
し、しかも使用感が良く長時間の使用に耐え、長時間の
滞留に対して歯のう蝕誘発性のない安全な粘着層・非粘
着層からなる口腔粘膜付着型徐放性錠剤、及び炎症の治
療効果に優れ、特に疼痛の消失と腫脹の退縮に対する速
効性を有する歯周疾患治療剤を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結
果、口腔粘膜に対する粘着層と非粘着層を有する口腔内
粘膜付着型徐放性錠剤にキシリトール及び/又はエリス
リトールを含有させることにより、意外にも十分な時間
滞留し、しかも崩壊したり粘着層から剥がれることがな
く、使用感も良く、長時間の使用に耐え、また、歯のう
蝕誘発性のおそれのない安全な口腔粘膜付着型徐放性錠
剤が得られることを見出した。
【0011】更に、この口腔粘膜に対する粘着層と非粘
着層の二層以上を有するキシリトール及び/又はエリス
リトールを含有させた口腔粘膜付着型徐放性錠剤を、歯
肉炎、歯周炎、歯槽膿漏などの口腔内疾患に適用するこ
とにより、使用感が良く、口腔内を爽やかにし、長時間
の使用に耐える上、意外にも炎症の治療効果に優れ、特
に腫脹部位に付着投与することにより、疼痛の緩和と腫
脹の退縮の速効性と効果が極めて高く、歯肉炎、歯周
炎、歯槽膿漏などの口腔内疾患の治療効果が高いことを
見出し、本発明をなすに至った。
【0012】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、キシリトール及び/
又はエリスリトールを含有する、口腔粘膜に対する粘着
層と非粘着層とからなる錠剤である。
【0013】ここで、本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠
剤の口腔粘膜に対する粘着層は、口腔の湿潤面に接触
し、水分を吸収し膨潤して粘膜への粘着性を示す高分子
を粘着成分として含有するものであり、口腔粘膜に錠剤
を固定保持することを目的とする。かかる粘着層を形成
する粘着性成分としての高分子としては、例えば、ポリ
アクリル酸、カルボキシビニルポリマー又はポリアクリ
ル酸ナトリウムなどの薬学的に許容されるそれらの塩
類、あるいはアクリル酸を主成分とし、これに更にメタ
アクリル酸などを共重合させたアクリル酸のコポリマ
ー、ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリアク
リル酸エステル類、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドンなどの親水性ビニル重合体;メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース又はその塩などの親水性セル
ロース誘導体;アルギン酸又はその塩、トラガントガ
ム、キサンタンガム、カラゲナン、タマリンドガム、ジ
ェランガム、プルランなどの多糖類又はその誘導体;更
にはコラーゲン、ゼラチン又はその誘導体などが挙げら
れる。これらの高分子の中ではポリアクリル酸ナトリウ
ムが、粘膜付着性、無味、安全性の点から好適に用いら
れる。また、これらの高分子は、粘着層に1種又は2種
以上混合して用いてもよく、その配合量は粘着層組成中
で2〜100%(重量%、以下同じ)であり、より好ま
しくは5〜100%である。少ないと粘着性を発現しな
くなる。また、これらの高分子の分子量は各高分子の種
類中できるかぎり大きいものが粘着性が強くなり好まし
い。
【0014】この粘着層には、必要によりキシリトール
及び/又はエリスリトールを配合することができる。こ
の場合、キシリトール及び/又はエリスリトールの配合
量は0〜70%、好ましくは0〜60%である。多すぎ
ると口腔粘膜への付着性が得られない。
【0015】但し、本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤
は、特に歯周疾患治療剤として使用されて、炎症の治療
効果を与え、特に疼痛の消失と腫脹の退縮に対する速効
性を与えるのに有効なものであるが、このように本発明
の錠剤を歯周疾患治療剤などとして用いる場合、十分な
放出性と患部の冷却作用を与える点からキシリトール及
び/又はエリスリトールを粘着剤中5〜70%、特に1
0〜60%含有させることが好ましい。
【0016】なお、粘着層には、後述する賦形剤、結合
剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、香料、界面活性剤、
甘味剤、防腐剤、薬理活性成分などを配合することがで
きる。
【0017】次に、口腔粘膜に対する非粘着層は、口腔
の湿潤面に接触しても付着せず、徐々に溶解し、成分を
持続放出して消失するものであり、キシリトール及び/
又はエリスリトールを含有する。その含有量は20〜9
5%、特に30〜90%とすることが好ましい。含有量
が少なすぎると十分な薬理活性成分の放出性が得られな
い場合があり、多すぎると放出性が速すぎ、持続放出性
が得られない場合がある。
【0018】本発明で使用するキシリトール及び/又は
エリスリトールは、結晶状でも良いが、より好ましくは
微細粉とすることが望ましい。微細粉とすることによ
り、圧縮打錠化した錠剤を口腔に適用した時に崩壊せ
ず、溶解していくために、より冷涼感が出やすく、使用
感が良好となり、徐放化と長時間の滞留がし易くなる。
この場合、キシリトールやエリスリトールの平均粒径は
500μm以下、特に50μm以下であることが好まし
い。
【0019】本発明においては、上述したように、少な
くとも非粘着層にキシリトール及び/又はエリスリトー
ルを含有させるが、他の糖アルコール、例えばソルビト
ールを用いた錠剤では、硬く、異物感が強く、冷却感も
低く、甘味も感じられず、更に口腔適用中に粘着層から
非粘着層が剥がれたり、崩壊したりして、使用感及び持
続性の面から長時間の滞留ができない。これに対し、キ
シリトール及び/又はエリスリトールを用いた錠剤で
は、意外にも接触粘膜に対し適度な柔らかさの感触を持
ち、異物感が少なく冷却感と適度で良好な甘味があり、
しかも口腔適用中に粘着層から非粘着層が剥がれたり、
崩壊することなく、形を保ちながら非粘着層の表面より
徐々に溶解、消失していくことから、徐放性を達成で
き、長時間の滞留性が得られるものである。
【0020】また、一層の粘着性錠剤では、口腔粘膜付
着性を重視すれば、投与した部位両面に付着し違和感が
強く長時間の適用ができず、付着性を軽視すれば粘膜に
固定できないことから長時間の滞留ができない。
【0021】上記非粘着層には、キシリトール及び/又
はエリスリトールに加え、圧縮打錠のための必要な粉物
性や成形性の他、徐放性を更に付与するために上記高分
子を配合しても良い。しかし、その配合量は0〜80
%、より好ましくは0〜70%、更に好ましくは0〜5
0%である。多すぎると溶解性が低く、放出が殆どなく
なる他、溶解した高分子により唾液の粘性が高くなり、
使用感が悪くなり、十分な冷却作用も得られないため、
好ましくない。なお、非粘着層に上記高分子を配合する
場合、口腔内に適用した場合に粘着層が口腔粘膜などに
粘着し、非粘着層が粘着しないように高分子の種類、配
合量を選定する。
【0022】非粘着層には、更に、賦形剤、結合剤、滑
沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、香料、界面活性剤、甘味
剤、防腐剤、薬理活性成分等を必要に応じて配合し得
る。更にまた、非粘着層を二層以上の多層にすることも
できる。非粘着層が多層の場合にはいずれかの層にキシ
リトール及び/又はエリスリトールが配合されていれば
良い。
【0023】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤には、
上述したように、その目的、組成物の種類に応じて、粘
着層、非粘着層に、公知の賦形剤、結合剤、滑沢剤、着
色剤、矯味矯臭剤、香料、界面活性剤、甘味剤、防腐
剤、薬理活性成分などの適宜な成分を配合することがで
きる。
【0024】ここで必要に応じ用いられる公知の賦形剤
としては、例えば結晶セルロース、無水ケイ酸、マンニ
トール、ソルビトール、無水リン酸カルシウム等、結合
剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロ
ースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウ
ム、結晶セルロース等、滑沢剤としては、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、ステアリン酸及び又はその塩、
蔗糖脂肪酸エステル等、着色剤としては、青色1号、黄
色4号、二酸化チタン等、矯味矯臭剤としては、クエン
酸、フマール酸、酒石酸、メントールなどや各種香料が
挙げられる。
【0025】また、界面活性剤としては、アニオン界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチ
オン性界面活性剤が挙げられ、具体的にはラウリル硫酸
ナトリウム、蔗糖脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エ
ステル、ラクチトール脂肪酸エステル、マルチトール脂
肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ン(10,20,40,60,80,100モル)硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドの重合物及びポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウリルエ
ステル等のポリエチレンオキサイドと脂肪酸、脂肪アル
コール、多価アルコール及びポリプロピレンオキサイド
との縮合生成物、アルキロールアマイド、2−アルキル
−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダ
ゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0026】更に、甘味剤としては、サッカリンナトリ
ウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシ
シンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカ
ルコン、ペリラルチン等、防腐剤としては、パラオキシ
安息香酸エステル、安息香酸ナトリウムなどが挙げられ
る。
【0027】薬理活性成分としては、口臭防止、歯周疾
患、口腔乾燥症などの口腔内疾患、咽の炎症などの咽頭
疾患、う蝕予防、知覚過敏などの歯科疾患、及び徐放化
により更に治療効果の増大が期待される全身的疾患治療
用の薬理成分がある。
【0028】口腔内疾患、咽頭疾患、歯科疾患用の薬理
成分としては、例えば銅クロロフィリンナトリウム、グ
ルコン酸銅などの銅化合物、茶ポリフェノール、フラボ
ノイドなどの口臭防止成分、塩化セチルピリジニウム、
塩酸クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、グルコン酸
クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノールなど
の殺菌剤、シコンエキス、トリアムシノロンアセトニド
などの口内炎用薬理成分、セファレキシン、塩酸テトラ
サイクリン、塩酸ミノサイクリン、フラジオマイシンな
どの歯肉炎用薬理成分の他、塩酸プロカイン、塩酸テト
ラカイン、塩酸ジブカイン、ベンゾカイン、プロスタグ
ランジンF2、インドメタシン、イブプロフェン、塩化
リゾチーム、デキストラナーゼ、フッ化ナトリウム、フ
ッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第1スズ、
モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ化物、正リン
酸のカリウム塩、ナトリウム塩などの水溶性リン酸化合
物、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアル
ミニウム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリ
ウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、
酢酸dl−トコフェロール、α−ビサボロール、アズレ
ン、グリチルレチン酸、乳酸アルミニウム、塩化ストロ
ンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸
及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライ
ト、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、エピ
ジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、トリ
クロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、
オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、
ベニバナなどの抽出物などやl−メントール、カルボ
ン、アネトール、リモネンなどのテルペン類又はその誘
導体などが挙げられる。
【0029】この場合、特に本発明の錠剤を歯周疾患治
療剤として使用する際には、上記錠剤の少なくとも一層
以上に抗菌剤を含有させることがより好適である。抗菌
剤としては、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化デカリニウム、塩化セチルピリジニウムなどの
第四級アンモニウム化合物、クロルヘキシジン類、トリ
クロサンなどの殺菌剤や塩酸ミノサイクリン、セファレ
キシン、塩酸テトラサイクリン、フラジオマイシンなど
の抗生物質が挙げられ、特に第四級アンモニウム化合物
の塩化セチルピリジニウムが水溶性粉体であり、苦み、
異味が少ない点で本発明では好適である。
【0030】全身的疾患治療用の薬理成分としては、ニ
トログリセリン、硝酸イソソルビド、ニフェジピンなど
の抗狭心症薬、ジギタリス、ジゴキシンなどの強心薬、
クロモグリク酸ナトリウムなどの抗喘息薬、エリスロマ
イシンなどの抗生物質、スルファチアゾール、ニトロフ
ラゾンなどの化学療法薬、リン酸コデイン、塩酸イソプ
ロテレノールなどの鎮咳去痰薬、塩酸ジフェンヒドラミ
ン、マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン
薬などが挙げられる。更に、ステロイド剤、非ステロイ
ド剤、性ホルモン、抗悪性腫瘍薬、神経精神系病、呼吸
器病などの薬理成分にも適用される。
【0031】なおこれら成分の配合量は、本発明の効果
を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0032】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、接
触粘膜に対し適度な柔らかさの感触を持ち、口腔に適用
すると、口腔内の唾液により、粘着層の高分子が水分を
吸収、膨潤し、特にキシリトールやエリスリトールを含
む場合、該成分の放出と患部を冷却する作用を与えると
共に、粘着性を発現して製剤を粘膜に固定化する。非粘
着層は粘膜に対して粘着しないため異物感が少なく、表
面より徐々に溶解することで成分の放出と冷却作用を発
現すると共に、徐放化することで患部への薬物の作用を
効果的にする。しかも、口腔適用中に粘着層から非粘着
層が剥がれたり、崩壊することなく、形を保ちながら非
粘着層の表面より徐々に溶解、消失していくことから、
徐放性を達成でき、長時間の滞留性が得られるものであ
る。一層の錠剤では、口腔粘膜付着性を重視すれば、投
与した部位両面に付着し違和感が強く長時間の適用がで
きず、付着性を軽視すれば粘膜に固定できないことから
長時間の滞留ができない。
【0033】なお、最終的には非粘着層が全て溶解し消
失したあと、付着膨潤していた粘着層も基本的には溶
解、消失する。従って、基本的には全ての構成成分が水
溶性であることが好ましいが、打錠成形性や口中での保
形性の観点から水難溶性や不溶性成分が配合されても良
い。
【0034】本発明において、上記非粘着層に更に速溶
性の非粘着層を形成したり、コーティングすることは任
意である。
【0035】また、錠剤の形状は円形、平型、キャブレ
ット型、棒状、柱状などいずれでも良い。その錠剤の一
錠当たりの重量は0.05〜1g、特に0.1〜0.7
gが好ましく、特に歯周疾患治療剤の場合は0.05〜
0.5g、特に0.1〜0.3gが好ましい。0.05
g未満だと持続時間が短かすぎ、1gより多いと、必然
的に口腔内での必要面積が大きすぎるか、厚みが大きく
異物感が強すぎることがある。この場合、粘着層と非粘
着層の割合は適宜選定されるが、前者:後者=2:98
〜90:10、特に2:98〜80:20(重量比)で
あることが好ましい。
【0036】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、上
記のごとき優れた特徴を有するものであり、例えば次の
ようにして製造することができる。
【0037】口腔粘膜に対する粘着性高分子粉末、及び
必要に応じ加えられるキシリトール及び/又はエリスリ
トール、矯味矯臭剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤、薬理活
性成分などの1種又は2種以上を十分に混合し、粘着層
となる均一な混合物を形成する一方、キシリトール及び
/又はエリスリトール、及び必要に応じ加えられる矯味
矯臭剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤、薬理活性成分などの
1種又は2種以上とを十分に混合し、非粘着層となる均
一な混合物を形成する。そして、粘着層となる均一な混
合物の適当量の上に非粘着層となる均一な混合物の適当
量をのせ、パンチ、ダイス及びプレスを用いて直接加圧
成形する方法、あるいは各層を適当な増粒工程を経て加
圧成形する方法により、キシリトール及び/又はエリス
リトールを含有する口腔粘膜に対する粘着層と非粘着層
の二層以上を有する、口腔粘膜付着型徐放性錠剤を容易
に製造できる。このとき、粘着層となる均一な混合物の
適当量を加圧し、次いでその上に非粘着層となる均一な
混合物の適当量をのせ、パンチ、ダイス及びプレスを用
いて加圧成形しても良い。
【0038】通常、加圧成形前の各層の均一な混合物
は、微粉末とするのが好ましい。微粉末とすることによ
り、圧縮打錠化した錠剤を口腔に適用した時に崩壊せ
ず、溶解していくために、より冷涼感が出やすく使用感
が良く、徐放化と長時間の滞留がし易くなる。
【0039】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、キ
シリトール及び/又はエリスリトールを含有することに
より、十分な時間滞留、持続放出し、しかもその間冷涼
感を感じ続け、口腔内の爽やかな感じが持続するなど今
までになく使用感が良く、また、口腔適用中に粘着層か
ら非粘着層が剥がれたり、崩壊したりすることがなく、
従って長時間の使用に耐え、また、歯のう蝕誘発性のお
それのない安全性を有することで、新しい口腔粘膜付着
型徐放性錠剤として活用できる。即ち、本発明の口腔粘
膜付着型徐放性錠剤を基本として、更に、口臭防止、歯
周疾患などの口腔内疾患、咽の炎症などの咽頭疾患、う
蝕予防、知覚過敏などの歯科疾患、及び徐放化により更
に治療効果の増大が期待される全身的疾患治療用などの
薬理成分を配合することで、今までになく、患者に苦痛
を与えることなく好適にその薬剤の長時間にわたる投与
を可能にし、また対人関係において支障を生じることも
なく、優れた効果を期待できるものである。
【0040】特に、この錠剤は、歯周疾患治療剤として
有効であり、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏などの口腔内疾
患に適用することにより、特に腫脹部位に付着投与する
ことで、その冷却作用と薬物の効果的な作用と持続によ
り、疼痛の緩和と腫脹の退縮の速効性と効果が極めて高
く、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏などの口腔内疾患に対し
容易に、また、今までになく高い治療効果が期待でき
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明の効果を
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。なお、各例中の%はいずれも重量%であ
る。また、下記の例においては、いずれも以下に示す各
処方の混合粉体を用い、加圧成形して、口腔粘膜に対す
る粘着層と非粘着層を有する直径10mmの円盤型二層
錠剤を調製した。更に、この錠剤1個を被験者10名の
口腔内下部頬粘膜と歯肉の間に、その粘着層側を歯肉面
として投与し、評価した。
【0042】 [実施例1] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 60% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 20 ポリビニルアルコール 18 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 60% 香料 2 蔗糖脂肪酸エステル 10 ヒドロキシプロピルセルロース 28 100%
【0043】各層の粉体を良く混合し、それぞれ均一微
粉体とした。その粘着層用粉体0.05gを下層原料と
し、非粘着層用粉体0.45gを上層原料として加圧成
形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0044】これを被験者の口腔内に投与評価した結
果、10名とも口腔粘膜に付着し、異物感が低く、成分
の放出により冷却感と適度で良好な甘味を感じ続け、口
腔内が爽やかな状態が持続した。また、その間非粘着層
が粘着層から剥がれたり、崩壊することなく滞留し、溶
解消失した。消失までの滞留時間は平均約3.5時間で
あった。
【0045】 [実施例2] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 70% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 28 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 80% 香料 2 ヒドロキシプロピルセルロース 18 100%
【0046】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.4gを上層原
料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0047】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着し、
異物感が低く、成分の放出により冷却感と適度で良好な
甘味を感じ続け、口腔内が爽やかな状態が持続した。
【0048】また、その間非粘着層が粘着層から剥がれ
たり、崩壊することなく滞留し、溶解消失した。消失ま
での滞留時間は平均約2.5時間であった。
【0049】 [実施例3] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 70% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 28 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 20% 香料 2 蔗糖脂肪酸エステル 10 D−ソルビトール 18 ヒドロキシプロピルセルロース 50 100%
【0050】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
25gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.25gを上
層原料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0051】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着し、
異物感が低く、成分の放出により冷却感と適度で良好な
甘味を感じ続け、口腔内が爽やかな状態が持続した。ま
た、その間非粘着層が粘着層から剥がれたり、崩壊する
ことなく滞留し、溶解消失した。消失までの滞留時間は
平均約5時間であった。
【0052】 [実施例4] 口腔粘膜粘着層 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 98% 香料 2 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 95% 香料 2 ステアリン酸マグネシウム 0.5 タルク 2.5 100%
【0053】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
05gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.45gを上
層原料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0054】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着し、
異物感が低く、成分の放出により冷却感と適度で良好な
甘味を感じ続け、口腔内が爽やかな状態が持続した。
【0055】また、その間非粘着層が粘着層から剥がれ
たり、崩壊することなく滞留し、溶解消失した。消失ま
での滞留時間は平均約2時間であった。
【0056】 [比較例1] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 80% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 18 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 10% 香料 2 蔗糖脂肪酸エステル 10 D−ソルビトール 28 ヒドロキシプロピルセルロース 50 100%
【0057】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
25gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.25gを上
層原料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0058】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、5名は口腔粘膜に付着し難く、
残りの5名は付着したもののすぐ剥がれてしまい、粘膜
に固定できず、目的の機能を達し得なかった。
【0059】 [比較例2] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 60% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 38 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 10% 香料 2 蔗糖脂肪酸エステル 10 D−ソルビトール 28 ヒドロキシプロピルセルロース 50 100%
【0060】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
25gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.25gを上
層原料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0061】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着し、
異物感は低かったが、成分の放出による冷却感が少な
く、甘味は殆ど感じず、口腔内の爽やかさは得られず、
長時間の使用には適さなかった。消失までの滞留時間は
平均約5時間であった。
【0062】[比較例3]実施例1の粘着層用粉体0.
5gを用いて加圧成形し、約0.5gの単層錠を得た。
【0063】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜投与部位の
両面に付着してしまい、異物感が強く、目的の機能を達
し得なかった。
【0064】[比較例4]実施例1の非粘着層用粉体
0.5gを用いて加圧成形し、約0.5gの単層錠を得
た。
【0065】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着せ
ず、粘膜に固定できず、目的の機能を達し得なかった。
【0066】 [比較例5] 口腔粘膜粘着層 D−ソルビトール 60% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 20 ポリビニルアルコール 18 100% 口腔粘膜非粘着層 D−ソルビトール 60% 香料 2 蔗糖脂肪酸エステル 10 ヒドロキシプロピルセルロース 28 100%
【0067】各層の粉体を良く混合し、それぞれ均一微
粉体とした。その粘着層用粉体0.05gを下層原料と
し、非粘着層用粉体0.45gを上層原料として加圧成
形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0068】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着した
が、硬くて異物感が強く、冷却感も低く、甘味は殆ど感
じず、口腔内が爽やかな状態であるとはいえなかった。
また、途中で非粘着層が粘着層から剥がれてしまった者
が7名、また残り3名は途中で崩壊して急速に溶解、消
失してしまった。消失までの滞留時間は平均約0.5時
間であった。
【0069】以上の結果から、本発明の口腔粘膜付着型
徐放性錠剤は、実施例1〜4より、異物感が低く、放出
性が良く、十分な時間滞留、持続放出し、しかもその間
冷涼感を感じ続け、口腔内の爽やかな感じが持続するな
ど今までになく使用感が良く、また、使用途中で非粘着
層が粘着層から剥がれたり、崩壊して一気に放出するこ
ともなく、従って長時間の使用に耐え、被験者に苦痛を
与えることなく好適に長時間にわたる投与を可能にする
ものであることがわかる。そのうえ、歯のう蝕誘発性の
おそれのない安全性を有するため、新しい口腔粘膜付着
型徐放性錠剤基剤として活用できることがわかる。
【0070】 [実施例5]口臭防止剤 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 フラボノイド 0.95 塩化セチルピリジニウム 0.05 ポリアクリル酸ナトリウム 47 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 80% 香料 2 銅クロロフィリンナトリウム 8 フラボノイド 0.95 塩化セチルピリジニウム 0.05 ステアリン酸マグネシウム 0.5 D−ソルビトール 8.5 100%
【0071】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.4gを上層原
料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0072】実施例1と同様にしてこれを被験者の口腔
内に投与評価した結果、10名とも口腔粘膜に付着し、
異物感が低く、成分の放出により冷却感と適度で良好な
甘味を感じ続け、口腔内の口臭が有効に防止され、爽や
かな状態が持続した。また、その間非粘着層が粘着層か
ら剥がれたり、崩壊することなく滞留し、溶解消失し
た。消失までの滞留時間は平均約2.5時間であった。
【0073】[実施例6]下記処方の混合粉体を用い、
加圧成形して、口腔粘膜に対する粘着層と非粘着層を有
する直径8mmの円盤型二層錠剤を調製した。
【0074】この錠剤1個/1回を、歯肉炎、歯周炎、
歯槽膿漏により歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者の腫脹
患部に、その粘着層側を歯肉面として投与し、評価し
た。 口腔粘膜粘着層 キシリトール 70% 香料 2 ポリアクリル酸ナトリウム 28 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 70% 香料 2 ポリビニルピロリドン 28 100%
【0075】各層の粉体を良く混合し、それぞれ均一微
粉体とした。その粘着層用粉体0.05gを下層原料と
し、非粘着層用粉体0.15gを上層原料として加圧成
形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0076】これを歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏により歯
肉の腫脹と疼痛を有する被験者の腫脹患部に投与評価し
た結果、患部に付着させた約5分後に疼痛が緩和した。
また、爽やかな甘味と冷却感を感じ、口腔内の爽やかな
状態が持続した。また、その間非粘着層が粘着層から剥
がれたり、崩壊することなく滞留し、溶解消失した。消
失までの滞留時間は約2時間であり、腫脹の退縮が認め
られた。
【0077】なお、上記実施例6の錠剤を、歯肉炎、歯
周炎、歯槽膿漏により歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者
の腫脹患部から離れた口腔内頬粘膜と歯肉の間に、その
粘着層側を歯肉面として投与し、評価した。この結果、
爽やかな甘味と冷却感を感じ、口腔内の爽やかな状態が
持続し、その間非粘着層が粘着層から剥がれたり、崩壊
することなく滞留し、溶解消失し、消失までの滞留時間
は約2時間であったが、疼痛の緩和はほとんど認められ
ず、腫脹の退縮は全く認められなかった。
【0078】 [実施例7] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 70% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリアクリル酸ナトリウム 28 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 70% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリビニルピロリドン 28 100%
【0079】実施例6と同様にして、粘着層用粉体0.
05gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.15gを上
層原料として加圧成形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0080】実施例6と同様にしてこれを歯肉炎、歯周
炎、歯槽膿漏により歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者の
腫脹患部に投与評価した結果、患部に付着させた約5分
後に疼痛が緩和した。また、爽やかな甘味と冷却感を感
じ、口腔内の爽やかな状態が持続した。また、その間非
粘着層が粘着層から剥がれたり、崩壊することなく滞留
し、溶解消失した。消失までの滞留時間は約2時間であ
り、腫脹の退縮と炎症の抑制が認められた。
【0081】 [比較例6] 口腔粘膜粘着層 D−ソルビトール 70% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリアクリル酸ナトリウム 28 100% 口腔粘膜非粘着層 D−ソルビトール 70% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリビニルピロリドン 28 100%
【0082】実施例6と同様にして、粘着層用粉体0.
05gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.15gを上
層原料として加圧成形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0083】実施例6と同様にしてこれを歯肉炎、歯周
炎、歯槽膿漏により歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者の
腫脹患部に投与評価した結果、硬く、異物感が強く、冷
却感をほとんど感じず使用感が悪いものであった。ま
た、消失までの滞留時間は約2時間であったが、疼痛の
緩和と腫脹の退縮はほとんど認められなかった。
【0084】[比較例7]下記処方の軟膏を調製した。 塩化セチルピリジニウム 0.1% グリチルレチン酸 0.2 酢酸トコフェロール 0.5 ヒノキチオール 0.1 カルボキシビニルポリマー 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2 キシリトール 56 エタノール 10 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2 香料 微量精製水 バランス 100%
【0085】調製した軟膏を、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿
漏により歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者の腫脹患部に
塗布し評価した結果、異物感はなく使用感も良かった
が、冷却感はなく、軟膏の消失までの滞留時間は約15
分であった。また、疼痛の緩和と腫脹の退縮は三回投与
しても全く認められなかった。
【0086】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、実
施例6、7の評価により、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏に
より歯肉の腫脹と疼痛を有する被験者の腫脹患部に投与
評価すると、比較例6、7に対して明らかに速やかに疼
痛が緩和し、また腫脹の退縮が認められ、今までにない
高い効果を有するものであることがわかる。
【0087】 [実施例8] 口腔粘膜粘着層 キシリトール 30% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリビニルピロリドン(分子量36万) 68 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 70% 塩化セチルピリジニウム 0.05 香料 1.95 ポリビニルピロリドン(分子量4万) 28 100%
【0088】実施例6と同様にして、粘着層用粉体0.
05gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.15gを上
層原料として加圧成形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0089】実施例6と同様にしてこの錠剤1個/1回
を歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏により歯肉の腫脹と疼痛を
有する被験者10名の腫脹患部に投与評価した。結果を
表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】この結果、患部に付着させて短時間で疼痛
が緩和し、1〜2回の投与回数で腫脹の緩和が認められ
た。また、腫脹は平均約3回の投与で消失し、炎症が抑
制され、本発明の口腔粘膜付着型歯周疾患治療剤は速効
性と高い効果を有することがわかる。また、投与の間、
爽やかな甘味と冷却感を感じ、口腔内の爽やかな状態が
持続し、その間非粘着層が粘着層から剥がれたり、崩壊
することなく滞留し、溶解消失した。
【0092】 [実施例9]咽頭薬 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 塩化デカリニウム 0.1 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 マレイン酸クロルフェニラミン 0.6 塩化リゾチーム 0.4 ポリアクリル酸ナトリウム 46.5 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 80% 香料 2 塩化デカリニウム 0.1 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 マレイン酸クロルフェニラミン 0.6 塩化リゾチーム 0.4 アズレンスルホン酸ナトリウム 0.5 ステアリン酸マグネシウム 0.5 ヒドロキシプロピルセルロース 15.5 100%
【0093】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.4gを上層原
料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0094】 [実施例10]口内炎用薬 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 トリアムシノロンアセトニド 0.025 ステアリン酸マグネシウム 0.5 ポリアクリル酸ナトリウム 47.475 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 70% 香料 2 黄色5号 微量 ステアリン酸マグネシウム 0.5 蔗糖脂肪酸エステル 5 ヒドロキシプロピルセルロース 22.5 100%
【0095】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.1gを上層原
料として加圧成形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0096】 [実施例11]歯周病治療剤 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 塩化セチルピリジニウム 0.05 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 ヒノキチオール 0.15 酢酸トコフェロール 0.2 塩化リゾチーム 0.2 ポリアクリル酸ナトリウム 47 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 80% 香料 2 塩化セチルピリジニウム 0.05 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 ヒノキチオール 0.15 酢酸トコフェロール 0.2 塩化リゾチーム 0.2 ステアリン酸マグネシウム 0.5 ヒドロキシプロピルセルロース 16.5 100%
【0097】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.4gを上層原
料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0098】 [実施例12]狭心症薬 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 硝酸イソソルビド 2 ステアリン酸マグネシウム 0.5 ポリアクリル酸ナトリウム 45.5 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 70% 香料 2 硝酸イソソルビド 2 ステアリン酸マグネシウム 0.5 ヒドロキシプロピルセルロース 25.5 100%
【0099】実施例1と同様にして、粘着層用粉体0.
1gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.4gを上層原
料として加圧成形し、約0.5gの二層錠を得た。
【0100】 [実施例13]歯周病治療剤 口腔粘膜粘着層 キシリトール 50% 香料 2 塩化セチルピリジニウム 0.05 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 ヒノキチオール 0.15 酢酸トコフェロール 0.2 塩化リゾチーム 0.2 ポリアクリル酸ナトリウム 47 100% 口腔粘膜非粘着層 キシリトール 80% 香料 2 塩化セチルピリジニウム 0.05 β−グリチルリチン酸二カリウム 0.4 ヒノキチオール 0.15 酢酸トコフェロール 0.2 塩化リゾチーム 0.2 ステアリン酸マグネシウム 0.5 蔗糖脂肪酸エステル 6.5 ポリビニルピロリドン(平均分子量4万) 10 100%
【0101】実施例6と同様にして、粘着層用粉体0.
05gを下層原料とし、非粘着層用粉体0.15gを上
層原料として加圧成形し、約0.2gの二層錠を得た。
【0102】
【発明の効果】本発明の口腔粘膜付着型徐放性錠剤は、
キシリトール及び/又はエリスリトールを含有すること
により、十分な時間滞留、持続放出し、しかもその間冷
涼感を感じ続け、口腔内の爽やかな感じが持続するなど
今までになく使用感が良く、また、口腔適用中に粘着層
から非粘着層が剥がれたり、崩壊したりすることがな
く、長時間の滞留に対して歯のう蝕誘発性のおそれもな
い。特に、この錠剤は歯周疾患治療剤として有効で、炎
症の治療効果に優れ、疼痛の消失と腫脹の退縮に対する
速効性と効果が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7004 A61K 31/70 601 47/10 47/10 Z Fターム(参考) 4C076 AA40 AA94 BB23 CC31 DD08 DD38 DD68 EE06 EE09 EE32 FF31 FF52 4C083 AB432 AC131 AC132 AC242 AC692 AC792 AC842 AC932 AD072 AD092 AD112 AD222 AD282 AD532 BB55 CC41 DD05 DD15 EE06 EE32 EE33 EE34 4C086 AA01 AA02 BC17 CA01 DA12 MA03 MA05 MA35 MA57 NA09 NA10 NA11 NA12 ZA36 ZA67 ZB13 ZB35 ZC29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口腔粘膜に対する粘着層と非粘着層を有
    する徐放性錠剤にキシリトール及び/又はエリスリトー
    ルを含有させたことを特徴とする口腔粘膜付着型徐放性
    錠剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の口腔粘膜付着型徐放性錠
    剤よりなる歯周疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 抗菌剤を含有する請求項2記載の歯周疾
    患治療剤。
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