JP6615064B2 - 端子付き電線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は自動車等に用いられる端子付き電線の製造方法に関するものである。
従来、自動車用ワイヤハーネスにおける電線と端子との接続は、オープンバレル型と呼ばれる端子で電線をかしめて圧着する圧着接合が一般的である。しかし、このようなワイヤハーネスでは、電線と端子の接続部分に水分等が付着してしまうと、電線に用いられる金属表面の酸化が進み、接合部における抵抗が増加してしまう。また電線と端子に用いられる金属が異なる場合、異種金属間腐食が進んでしまう。当該接続部分における金属材料の腐食の進行は、接続部分の割れや接触不良の原因となり、製品寿命への影響を免れない。特に近年では、電線をアルミニウム合金とし、端子を銅合金とするワイヤハーネスが実用化されつつあり、接合部の腐食の課題が顕著になってきている。
ここで、例えばアルミニウムと銅のような異種金属の接触部分に水分が付着すると、腐食電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との電位差は大きいから、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、導線と圧着端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、さらには断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このような異種金属が接触するワイヤハーネスにおいて、例えば、一端閉塞型の筒状圧着部を有する端子を用い、この筒状圧着部内に電線の端部を挿入した後、該筒状圧着部をかしめ加工により圧着して、芯線端部を雨水や海水等の付着から保護する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
しかし、このように圧着部の端部を封止した際、被覆部と圧着部との密着性が十分でないと、圧着部から水が浸入する恐れがある。例えば、被覆導線を圧着部に導入し、導線の圧着部と被覆部の圧着部を同時に圧着すると、導線圧着部の圧着によって、内部の導線の一部が導線圧着部方向に引っ張られる。このため、被覆部の一部に、強く押し付けられる部分と圧縮が弱くなる部分とが生じやすい。したがって、被覆部が強く押し付けられる部位では、被覆部が潰れすぎて、十分な反発力を得ることができず、被覆部の圧縮が弱い部位では、密着力が弱く、止水性が低下するおそれがある。
また、導線圧着部を圧着する際には、端子自体も被覆圧着部側に伸びる。このため、内部の被覆部が被覆圧着部の伸びに追従しながら強圧着される。この結果、被覆部は、被覆圧着部による断面中心方向に向けた圧縮だけでなく、軸方向にずれながら圧縮される。このため、被覆部に対する管軸方向に垂直な方向への圧縮力が軸方向に逃げてしまい、十分な圧縮力を得られないおそれがある。
これに対し、導線圧着部を圧着する際に、被覆圧着部を仮圧着し、その後、被覆圧着部を本圧着する2段階圧着を行う方法が提案されている(特許文献2)。
特開2006−331931号公報 特開2016−046140号公報
特許文献2の方法によれば、導線圧着部を圧着する際には、被覆圧着部は仮圧着されるのみであり、被覆圧着部に対して被覆部の多少の移動が許容される。このため、導線圧着部を圧着する際に、被覆部の軸方向へのずれ等を吸収可能である。したがって、被覆部が安定した状態で、被覆部を強圧着することができる。このため、被覆部の圧縮力が軸方向に逃げたり、部分的な圧縮量の差などが生じにくい。
しかし、通常、導線圧着部を圧着する金型と、被覆圧着部を圧着する金型は別体で構成される。この際、導線と被覆部とを同時に圧着すると、それぞれの金型の隙間に、端子の一部が食い込むおそれがある。特に、一端封止型の端子においては、圧着時に端子の伸びを吸収するスペースがないため、圧着時に金型にわずかな傾きが生じやすい。このため、金型の傾きによって形成される隙間に、端子の外面の金属が食い込みやすくなる。
このように、端子が金型に食いついた場合には、端子の一部に別部材を接触させて、端子を金型から押し出すことで、金型から端子を外す方法が考えられる。しかし、圧着部以外の部位を押すことになるので、その際の力が端子の首部など弱い部分に加わり、端子の首折れなどのおそれがあった。
しかし、特許文献2において、導線と被覆部とを完全に別工程で圧着するのでは、工程が増え、また、前述した圧着時の導線や被覆部の伸びによる影響が大きくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、圧着時において端子が金型に食いついた場合でも、確実に端子を金型から外すことが可能な端子付き電線の製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、被覆導線と端子とが接続された端子付き電線の製造方法であって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、前記導線圧着部と前記導線を圧着するとともに、前記被覆圧着部と前記被覆部を仮圧着する第1圧着工程と、前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部と、前記被覆部を本圧着する第2圧着工程と、を具備し、前記第1圧着工程において、前記被覆圧着部の前記導線圧着部側のみを仮圧着し、前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部の仮圧着部の後方と、前記導線圧着部の前方とを押圧して、金型より離型することを特徴とする端子付き電線の製造方法である。
前記第1圧着工程における、前記仮圧着部の圧縮率が、85%以上100%未満であることが望ましい。
前記第1圧着工程は、最初に、前記被覆圧着部によって前記被覆部の仮圧着を行った後に、前記導線圧着部によって前記導線の圧着を行ってもよい。
前記第1圧着工程における、前記仮圧着部の圧縮率が、前記被覆圧着部の前記導線圧着部側から前記被覆圧着部の後方にかけて大きくなるように仮圧着を行ってもよい。
前記第1圧着工程の前に、前記端子の被覆導線挿入口に対向する対向部分の内径を前記被覆導線挿入口の内径に対応させて形成した案内部材によって、前記被覆導線の先端部を前記被覆導線挿入口へ案内して、前記圧着部に前記被覆導線の先端部を挿入する被覆導線挿入工程を具備してもよい。
前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部の前記仮圧着部の後方を、前記案内部材によって押圧して、金型より離型してもよい。
前記被覆導線挿入工程の前に、帯状に形成されたキャリアと、前記キャリアの長手方向に所定間隔を隔ててそれぞれ繋ぎ部を介して複数の前記端子を連結した端子連結帯に対し、キャリアカット部を移動させて、前記繋ぎ部を前記キャリアの厚み方向へのせん断によって切断し、前記キャリアから前記端子を分離するキャリアカット工程を具備し、前記キャリアカット部を、前記繋ぎ部を切断する位置まで移動させた際に、前記被覆導線挿入口に対応する位置に前記案内部材が位置してもよい。
本発明によれば、被覆圧着部を2回に分けて圧着し、導線を完全に圧着した後に、被覆部を完全に圧着するようにしたため、導線圧着時における導体の変形や電線の伸びなどの影響により、被覆部の圧着が弱くなることを抑制することができる。したがって、圧着端子と被覆部の隙間から水分が端子内に浸入し、電線と端子との接触部に水分が付着するのを防止することができる。
また、第1圧着工程において、被覆圧着部の前方側のみを仮圧着することで、被覆圧着部の後方を、端子の押圧位置とすることができる。このため、端子が金型に食いついた場合でも、圧着部の前後の少なくとも2カ所を押圧することができるため、端子を押圧した際に、端子の首折れなどが生じることを抑制することができる。
なお、本発明において、導線圧着部と導線を圧着するとともに、被覆圧着部と被覆部を仮圧着するとは、導線圧着部と導線の圧着と完全に同時に、被覆圧着部と被覆部を仮圧着する場合と、導線圧着部と導線の圧着と、被覆圧着部と被覆部の仮圧着とを時間差で行うことの両者を含むものとする。また、被覆圧着部と被覆部を圧着するとは、被覆圧着部と被覆部間の圧着のみならず、被覆部の内部の導線も同時に圧縮されることを意味することは言うまでもない。
このように、第1圧着工程においては、被覆部の仮圧着と導線の本圧着を同時に行わず、被覆部の仮圧着を先に行ってもよい。先に仮圧着を行っておくことで、導線圧着時に、想定以上に被覆部のずれが生じることを抑制することができる。
また、第1圧着工程における、被覆部の圧縮率を85%以上100%未満とすることで、最終的な第2圧着工程における圧縮量を十分に確保することができる。
また、仮圧着部の圧縮率が、導線圧着部側から被覆圧着部の後方にかけて大きくなるように仮圧着を行うことで、被覆圧着部において仮圧着部と非仮圧着部との境界部に形成されるスジの発生を抑制することができる。このため、本圧着後に、スジを目立ちにくくすることができる。
また、案内部材を用いて被覆導線を端子の被覆導線挿入口に誘導することで、確実に被覆導線を圧着部に挿入することができる。
また、この場合には、案内部材の一部で金型に食いついた端子を押圧することで、別途の押圧部材を配置する必要がない。
また、キャリアおよび繋ぎ部を案内部材に設けられたキャリアカット部でカットし、この状態で案内部材のガイド部が被覆導線挿入口の位置に配置されることで、キャリアカット工程と被覆導線挿入工程とを連続して行うことができる。
本発明によれば、圧着時において端子が金型に食いついた場合でも、確実に端子を金型から外すことが可能な端子付き電線の製造方法を提供することができる。
端子付き電線10の斜視図。 端子付き電線10の断面図。 端子1を設置した状態の圧着装置30を示す図。 端子連結帯26を示す図。 被覆導線23の挿入前の状態の圧着装置30を示す図。 被覆導線23を挿入した状態の圧着装置30を示す図。 第1圧着工程の圧着状態の圧着装置30を示す図。 (a)は、第1圧着工程の圧着前の状態を示す断面図、(b)は圧着した状態を示す断面図。 端子1等を上昇させた状態の圧着装置30を示す図。 端子1を押圧した状態の圧着装置30を示す図。 (a)は、第2圧着工程の圧着前の状態を示す断面図、(b)は圧着した状態を示す断面図。 (a)、(b)は、第1圧着工程の他の圧着状態を示す断面図。
図1は、本発明にかかる端子付き電線10を示す斜視図であり、図2は、端子付き電線10の軸方向断面図である。端子付き電線10は、端子1と被覆導線23とが圧着されて構成される。
被覆導線23は、導線25が絶縁性の被覆部27によって被覆されて構成される。導線25は、例えばアルミニウム系材料製である。被覆導線23を端子1の圧着部5に挿入する際には、被覆導線23の先端の一部の被覆部27が剥離され、導線25を露出させておく。なお、被覆部27としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。
端子1は、銅製であり、端子本体3と圧着部5とからなる。端子本体3は、所定の形状の板材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、前端部17に、板材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片15を有する。端子本体3は、前端部17から雄端子などが挿入されて接続される。
圧着部5は、被覆導線23の被覆部27を圧着する被覆圧着部9と、被覆導線23の先端部分において、被覆部が除去されて導線25が露出した部位を圧着する導線圧着部7とからなる。
圧着部5は、断面が円形の筒体となるように丸められ、側縁部同士を突き合わせて接合部21で接合して一体化することにより形成される。筒状に形成された圧着部5の後端部19から、被覆導線23が挿入される。すなわち、圧着部5の後端部19が、被覆導線挿入口となる。また、圧着部5の前端部(端子本体3側)には封止部11が設けられる。すなわち、圧着部5は、一方が閉じた略筒状で、被覆導線が挿入される後端部19以外は、封止される。なお、接合部21および封止部11は、例えばレーザ溶接等によって溶接される。
次に、端子付き電線の製造方法について説明する。圧着装置30を示す図である。圧着装置30は、案内部材31a、31b、被覆圧縮金型35a、35b、導線圧縮金型37a、37b、押圧部39a、端子押さえ部41a、端子設置部41b、被覆導線把持部43等から構成される。
案内部材31a、31bは、被覆導線23を端子の被覆導線挿入口13に誘導するガイド部33a、33bをそれぞれ具備する。ガイド部33a、33bは、被覆導線23の挿入側から、端子の被覆導線挿入口13に向けて徐々に縮径し、端子の被覆導線挿入口13に対向する対向部分の内径が被覆導線挿入口13の内径に対応させて形成される。
案内部材31bには、溝状に挟み込み部45が形成される。挟み込み部45は、端子のキャリア等が挿入される部位である。
図4は、端子連結帯26を示す図である。端子連結帯26は、帯状に形成されたキャリア29bと、キャリア29bの長手方向に所定間隔を隔ててそれぞれ繋ぎ部29aを介して複数の端子1とが連結されたものである。
前述したように、各端子1(圧着部5)の後端部が、被覆導線挿入口13となる。被覆導線挿入口13は、被覆導線23の先端(被覆部27が所定長さ剥離されて導線25が露出する部位)が挿入される部位である。
なお、導線圧着部7は、被覆圧着部9に対して外径および内径が小さい。このように、導線圧着部7と被覆圧着部9の径をあらかじめ変えておき、より径の大きな被覆部27を圧着する被覆圧着部9の内径を、より径の小さな導線25を圧着する導線圧着部7の内径よりも大きくしておくことで、端子1の圧縮量を少なくすることができる。なお、以下の実施形態では、導線圧着部7と被覆圧着部9とで、予め外径および内径が異なる端子1を示すが、同径であってもよい。
キャリア29bおよび繋ぎ部29aが、挟み込み部45に挿入された状態で、端子連結帯26(端子1)が、被覆圧縮金型35b、導線圧縮金型37b、端子設置部41bに載置される。
次に、図5に示すように、案内部材31a等を下方に移動させる(図中矢印A)。案内部材31aは、案内部材31bと接触すると、案内部材31bとともにさらに下方に移動する。
この際、案内部材31bの移動に伴い、挟み込み部45の縁部であるキャリアカット部28が移動し、繋ぎ部29aと端子1との間をキャリア29bの厚み方向へのせん断によって切断し、キャリア29b等から端子1を分離する(キャリアカット工程)。
また、案内部材31a、31bが接触することで、互いのガイド部33a、33bが略円錐状に連続する。ガイド部33a、33bの端部(端子の被覆導線挿入口13に対向する最細径部)が被覆導線挿入口13に対応する部位に位置する。すなわち、キャリアカット部28を、繋ぎ部29aを切断する位置まで移動させた際に、被覆導線挿入口13に対応する位置に案内部材31a、31bが位置する。
なお、この状態において、端子1の圧着部5の後端近傍の上部が案内部材31aの下縁部である押圧部39bによって押さえされる。また、端子1の端子本体3が端子押さえ部41aによって押さえられる。
次に、図6に示すように、被覆導線23を把持した被覆導線把持部43を案内部材31a、31b側に移動させて(図中矢印B)、案内部材31a、31b(ガイド部33a、33b)によって、被覆導線23の先端部を被覆導線挿入口13へ案内して、圧着部5に被覆導線23の先端部を挿入する(被覆導線挿入工程)。なお、前述したように、あらかじめ被覆導線23の先端の所定長さの被覆部27が除去されて、導線25が露出する。
この際、導線圧着部7の内部には露出した導線25が位置し、被覆圧着部9の内部には被覆部27が位置する。なお、前述したように、圧着部5は、略筒状に丸められて、縁部同士が接合部21で接合される。また、圧着部5の前端部(端子本体3側)には封止部11が設けられる。すなわち、圧着部5は、被覆導線23が挿入される後端部19以外は、封止される。
図7は、圧着部を圧着する工程を示す図で、図8(a)、図8(b)は、圧着時における圧着部5近傍の拡大断面図である。図7等に示すように、被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37aをそれぞれ下方に移動させて(図中矢印C、D)、導線圧着部7と導線25を圧着するとともに、被覆圧着部9と被覆部27を仮圧着する(第1圧着工程)。
導線圧縮金型37a、37bを噛み合わせて、導線圧着部7を圧縮すると、導線圧着部7が導線25に完全に圧着される。一方、被覆圧縮金型35a、35bを噛み合わせて、被覆圧着部9を圧縮すると、被覆圧着部9の前方側(導線圧着部7側)のみが仮圧着される。すなわち、第1圧着工程においては、被覆圧着部9の導線圧着部7側のみが仮圧着される。
ここで、圧着前の被覆部27における断面積をA0とし、被覆圧縮金型35a、35bによって圧着された後の仮圧着部49(図8(b)参照)における被覆圧着部9の内部(被覆部27)の断面積をA1とすると、圧縮率=A1/A0は、85%以上100%未満とすることが望ましい。圧縮率が100%となると、被覆部27が全く圧着されていない状態となり、本発明の効果が小さい。一方、圧縮率が85%未満では、前述した被覆部27の移動が十分に許容されず、また、後述する本圧着時の圧縮率を確保することができなくなるため、仮圧着の圧縮率は85%以上であることが望ましい。
次に、図9に示すように、被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37a等を上昇させるとともに(図中矢印F)、被覆導線把持部43を上昇させる(図中矢印E)。ここで、被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37aの上昇と、案内部材31a、端子押さえ部41a、被覆導線把持部43の上昇が同期する。
図10に示すように、この状態からさらに被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37a等を上昇させると(図中矢印F)、押圧部39aの先端が導線圧着部7の前方近傍と接触する。また、この際、案内部材31aの上昇が停止する。したがって、被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37a等の上昇に対して、相対的に、押圧部39a、39bが、導線圧着部7の前方と(図中矢印G)、被覆圧着部9の仮圧着部49の後方と(図中矢印H)を押圧して、端子1を被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37aより離型することができる。
このように、圧着部5の前後端近傍の2カ所を押圧して被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37aより離型するため、端子1の首部等の一か所に力が付与されて首折れなどが生じることを防止することができる。また、被覆圧着部9の仮圧着部49の後方を、案内部材31aの押圧部39bによって押圧して、端子1を金型より離型するため、案内部材31aとは別に他の押圧部を設ける必要がない。
この状態から、被覆導線把持部43を移動させて、被覆圧縮金型35a、導線圧縮金型37a等の下部から、被覆導線23および端子1を抜き取ることで、導線圧着部7が完全に圧着され、被覆圧着部9の一部が仮圧着された端子付き電線を形成することができる。
次に、図11(a)に示すように、被覆圧縮金型47a、47bの間に被覆圧着部9を配置した後、図11(b)に示すように、被覆圧縮金型47aと被覆圧縮金型47bとで被覆圧着部9の全体(仮圧着部49および非仮圧着部)を圧縮して(図中矢印I)、被覆圧着部9と被覆部27とを強圧着する(第2圧着工程)。
なお、被覆圧縮金型47a、47bによって被覆圧着部9を圧着する際には、導線圧着部7は、それ以上圧着されない。但し、導線圧着部7の変形を抑える目的で、図示を省略した金型によって導線圧着部7を押さえてもよい。
以上により、被覆圧着部9と被覆部27とが本圧着される。圧着後の被覆圧着部9の内部(被覆部27)の断面積をA2とすると、A2/A0が、最終的な圧縮率となる。最終的な圧縮率は、被覆が破れるのを抑制するため、50%以上であるのが好ましく、圧着部の密着性を確保するため、85%未満であるのが好ましい。
このように、被覆圧縮金型47a、47bによる圧着後には、被覆圧着部9の内面と被覆部27の外面との密着によって圧着部5を封止することができる。この際、圧着部5の後端部19以外の他の部位は、接合部21および封止部11によって水密に封止されるため、圧着部5への水分の浸入を防止することができる。以上により、端子付き電線10が製造される。
以上、本実施の形態のように、被覆部27を2段階で圧着することにより、止水性に優れた端子付き電線10を製造することができる。
また、第1圧着工程では、被覆圧着部9の前方のみを仮圧着することで、圧着後の離型時に、圧着部5の前端近傍と後端近傍の2カ所を押圧することができる。従って、第1圧着工程において、仮に、被覆圧縮金型35aと導線圧縮金型37aとの間に端子1の外面が食い込んだ場合でも、端子1の首部などの一か所に力が付与されることがなく、端子1を当該金型等から確実に離型することができる。
また、一対の案内部材31a、31bによって、被覆導線23を被覆導線挿入口13へ誘導するため、確実に被覆導線23を圧着部5内に挿入することができる。
また、案内部材31aが、前述した離型のための押圧部39bを兼ねるため、案内部材31aとは別に、他の押圧部を設ける必要がない。
また、案内部材31bが、端子連結帯26の繋ぎ部29aを切断するキャリアカット部28を兼ねるため、キャリアカット工程と被覆導線挿入工程とを連続して行うことができる。
なお、前述した実施形態においては、第1圧着工程において、導線圧着部7と被覆圧着部9の一部とを同時に圧縮したが、1圧着工程において、さらに2段階で各部の圧縮を行ってもよい。
例えば、第1圧着工程において、最初に、被覆圧縮金型35aのみを移動させて、被覆圧着部9によって被覆部27の仮圧着を行った後に、その状態で導線圧縮金型37aを移動させ、導線圧着部7によって導線25の圧着を行うこともできる。この後は、前述の実施形態と同様に、押圧部39a、39bで端子を金型から押圧して離型し、第2圧着工程を行えばよい。
このようにすることで、導線圧着部7を圧縮する際に、被覆部27が完全にフリーではないため、例えば、被覆部27の後方への過剰な移動などを防止することができる。また、被覆圧着部9を仮圧着し、導線圧着部7を圧着した後に、被覆圧着部9を本圧着するという順番で圧着することで、被覆部27と導線25における圧縮率のバランスを取りながら圧着することになるため、圧縮率のばらつきが小さく、より確実に圧着することができる。
また、被覆圧縮金型35aは、全体が同一の圧縮率となるのではなく、部位によって圧縮率を変えてもよい。例えば、図12(a)に示すように、被覆圧縮金型35aの後方側をテーパ形状としてもよい。この場合には、第1圧着工程における、仮圧着部49の圧縮率が、被覆圧着部9の導線圧着部7側から被覆圧着部9の後方にかけて大きくなるように仮圧着が行われる。
このように、仮圧着部49の後方に行くほど圧縮率が大きくなるようにすることで、仮圧着部49と非仮圧着部との境界部に、段差やスジが形成されることを抑制することができる。このため、第2圧着工程後に、スジ状に仮圧着部49の跡が残ることを抑制することができる。
また、図12(b)に示すように、被覆圧縮金型35aの全体をテーパ形状としてもよい。この場合でも、第1圧着工程において、仮圧着部49の圧縮率が、被覆圧着部9の導線圧着部7側から被覆圧着部9の後方にかけて大きくなるように仮圧着を行うことができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、実施例は、電線にアルミニウムを使った場合を記載したが、これに限定されず、電線に銅を使っても良い。
1………端子
3………端子本体
5………圧着部
7………導線圧着部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………封止部
13………被覆導線挿入口
15………弾性接触片
17………前端部
19………後端部
21………接合部
23………被覆導線
25………導線
26………端子連結帯
27………被覆部
28………キャリアカット部
29a………繋ぎ部
29b………キャリア
30………圧着装置
31a、31b………案内部材
33a、33b………ガイド部
35a、35b………被覆圧縮金型
37a、37b………導線圧縮金型
39a、39b………押圧部
41a………端子押さえ部
41b………端子載置部
43………被覆導線把持部
45………挟み込み部
47a、47b………被覆圧縮金型
49………仮圧着部

Claims (7)

  1. 被覆導線と端子とが接続された端子付き電線の製造方法であって、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、
    前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、
    前記導線圧着部と前記導線を圧着するとともに、前記被覆圧着部と前記被覆部を仮圧着する第1圧着工程と、
    前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部と、前記被覆部を本圧着する第2圧着工程と、
    を具備し、
    前記第1圧着工程において、前記被覆圧着部の前記導線圧着部側のみを仮圧着し、前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部の仮圧着部の後方と、前記導線圧着部の前方とを押圧して、金型より離型することを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  2. 前記第1圧着工程における、前記仮圧着部の圧縮率が、85%以上100%未満であることを特徴とする請求項1記載の端子付き電線の製造方法。
  3. 前記第1圧着工程は、最初に、前記被覆圧着部によって前記被覆部の仮圧着を行った後に、前記導線圧着部によって前記導線の圧着を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付き電線の製造方法。
  4. 前記第1圧着工程における、前記仮圧着部の圧縮率が、前記被覆圧着部の前記導線圧着部側から前記被覆圧着部の後方にかけて大きくなるように仮圧着を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法。
  5. 前記第1圧着工程の前に、前記端子の被覆導線挿入口に対向する対向部分の内径を前記被覆導線挿入口の内径に対応させて形成した案内部材によって、前記被覆導線の先端部を前記被覆導線挿入口へ案内して、前記圧着部に前記被覆導線の先端部を挿入する被覆導線挿入工程を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法。
  6. 前記第1圧着工程の後、前記被覆圧着部の前記仮圧着部の後方を、前記案内部材によって押圧して、金型より離型することを特徴とする請求項5記載の端子付き電線の製造方法。
  7. 前記被覆導線挿入工程の前に、帯状に形成されたキャリアと、前記キャリアの長手方向に所定間隔を隔ててそれぞれ繋ぎ部を介して複数の前記端子を連結した端子連結帯に対し、キャリアカット部を移動させて、前記繋ぎ部を前記キャリアの厚み方向へのせん断によって切断し、前記キャリアから前記端子を分離するキャリアカット工程を具備し、
    前記キャリアカット部を、前記繋ぎ部を切断する位置まで移動させた際に、前記被覆導線挿入口に対応する位置に前記案内部材が位置することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の端子付き電線の製造方法。
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