JP6614952B2 - ローラ部材、及び像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置、及びその像加熱装置に用いるローラ部材に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置として、電磁誘導加熱方式の装置が知られている。このタイプの定着装置は、励磁コイルと、励磁コイルの発生磁束により発熱する定着ローラと、定着ローラと当接してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。未定着トナー画像を担持した記録材はニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これによりトナー画像は記録材上に定着される。
このタイプの定着装置は、熱容量の低い薄肉パイプを用いた定着ローラを加熱するため、ウォームアップ時間を短く出来るという利点がある。
薄肉パイプを用いた定着ローラの構成では、駆動ギアを定着ローラ端部に固定しており、駆動ギアの内側にキー形状を1カ所設けるとともに定着ローラの端部にキー溝形状を1カ所設け、キーとキー溝の挿しこみ嵌合により駆動ギアを定着ローラに取り付けている。
特許文献1乃至特許文献3には、電磁誘導加熱方式の定着装置が開示されている。特許文献1に開示されている定着装置は、定着ローラの導電層を、磁束を通しやすい鉄やニッケル等の磁性金属で構成し、定着ローラの内側に軸線方向に螺旋状の励磁コイルを配置させ、磁界発生手段から発生した磁束を定着ローラの導電層に誘導する。定着ローラの導電層に誘導された磁束は、主に導電層内部に渦電流を発生させることにより、定着ローラをジュール発熱することが出来る。
また、特許文献2に開示されている定着装置は、定着ローラの内側に軸線方向に螺旋状の励磁コイルを配置させ、螺旋状の励磁コイルの中に磁力線を誘導するための磁性コアを備え、磁界発生手段から発生した磁束を定着ローラの導電層を通らないように誘導する。
つまり、定着装置を磁気回路に見立て、定着ローラ長手方向への磁気の通りやすさの指標である、以下のような状態を実現する。即ち、「長手方向の磁気抵抗」において、「磁性コアの長手方向の磁気抵抗」は十分小さく、かつ定着ローラと定着ローラの内側の長手方向の磁気抵抗が十分大きい状態」を実現する。それにより、磁性コアに磁束が集中し定着ローラと定着ローラの内側に磁束が通らない磁路設計を施すことが出来る。
定着ローラの導電層には、導電層の周回方向に起電力がかかり、周回電流によって効率的にジュール発熱することが出来る。本方法は特許文献1の方法に比べて、定着ローラの導電層に磁束を誘導する必要がないため、導電層の厚みや材質の制約が少ないというメリットがある。
ところで、定着装置は記録材を加熱することを目的としているため、記録材の通過しない領域(非通過領域)の発熱は極力少なくすることが望ましい。特許文献3には、非通過領域の発熱を抑制するために、加熱回転体の導電層の非通過領域に軸線方向にスリットを設ける構成が提案されている。
特開2000−81806号公報 特開2014−26267号公報 特開2003−330291号公報
しかしながら、キーとキー溝の挿しこみ嵌合により駆動ギアを定着ローラに取り付ける構成では、駆動ギアに駆動を伝達するギアとの噛みあいによって駆動ギアが回転すると、定着ローラ端部のキー溝部において溝幅が広がる方向に変形するように応力が生じる。この応力は、定着ローラ回転方向のキー面がキー溝端面をめくり上げ、キー溝を押し広げるように作用するため、強度不足により定着ローラ端部が破損しやすくなる。また、定着ローラ端部から離れたキー溝面ではキー溝をめくり上げようとする力によって亀裂が入り易くなる。そのため、定着ローラの強度を上げるために肉厚を厚くする必要があった。
しかし、定着ローラを厚くすると熱容量が増大することにより、ウォームアップ時間が長くなり、消費電力が増大するという課題があった。
また、非通過領域の発熱抑制に関して、特許文献2に示すような周回電流を発生させる定着装置においては、以下のような問題が発生する。定着ローラの導電層の非通過領域に軸線方向にスリットを設けた状態で、導電層に周回方向の起電力をかけると、誘導電流はスリット部分を避けて迂回して通る。迂回した誘導電流(以下、迂回電流と称す)は、結果的にスリット端部に集中してしまう。
よって、迂回電流によって電流が集中した部分は局所的に大きく発熱し、スリットの内側端部だけ温度が高くなってしまう。非通過領域の発熱や迂回電流による局所発熱により駆動ギアのキー形状が熱による強度低下で破損する恐れがある。
そこで、スリットを周回方向に多数設けることにより、この迂回電流による電流集中を緩和することは可能であるが、定着ローラ端部の機械的強度を低下させてしまう恐れがある。特に、定着ローラの端部に駆動ギアを設け、定着ローラの回転駆動を行う定着装置においては、機械的強度が低下すると定着ローラの破損等の問題に繋がる可能性がある。
本発明の目的は、駆動部材を取り付ける導電層端部の破損防止に優れるローラ部材、及びそのローラ部材を備える像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のローラ部材は、
回転駆動するためのキー形状を有する駆動部材を少なくとも一方の端部に取り付ける筒状の導電層を有し、
前記一方の端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記一方の端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、
前記一方の端部に前記駆動部材を取り付ける際には、前記穴形状の近傍を前記導電層のラジアル方向に撓ませて前記キー形状を前記穴形状に係合することを特徴とする。
本発明の像加熱装置は、
筒状の導電層を有するローラ部材と、
前記ローラ部材の内部に配置され、前記ローラ部材の母線方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、
前記螺旋形状部の中に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、
を備え、
記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置において、
前記導電層の少なくとも一方の端部に取り付けられ、前記導電層を回転駆動するためのキー形状を有する駆動部材を有し、
前記一方の端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記一方の端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、
前記一方の端部に前記駆動部材を取り付ける際には、前記穴形状の近傍を前記導電層のラジアル方向に撓ませて前記キー形状を前記穴形状に係合することを特徴とする。
本発明によれば、駆動部材を取り付ける導電層端部の破損防止に優れるローラ部材、及びそのローラ部材を備える像加熱装置の提供を実現できる。
画像形成装置の一例の断面図 定着装置の断面図 定着ローラ、及び駆動ギアを説明するための図 定着ローラに駆動ギアを取り付けるときの説明図 定着ローラにキャップを取り付けるときの説明図 定着ローラと駆動ギアの変形例を示す斜視図 定着ローラ、及び定着ローラの内部の加熱手段の断面図 定着ローラの一部を切り欠いた斜視図 導電層の発熱メカニズムを説明するための図 (a)はスリット形状が無い導電層に周回電流が流れている場合の等価回路図、(b)は(a)の導電層を切り開いた場合の等価回路図 (a)はスリット形状が有る導電層に周回電流が流れている場合の等価回路図、(b)は(a)の導電層を切り開いた場合の等価回路図 図11の(b)の導電層を抵抗に置換した場合の電気回路図 導電層のスリット形状端部に周回電流が流れている場合の等価回路図 (a)はスリット形状が複数有る導電層に周回電流が流れている場合の等価回路図、(b)はスリット形状と穴形状が複数有る導電層に周回電流が流れている場合の等価回路図 迂回電流と面積近似モデルの説明図 穴形状とスリット形状の組み合わせの場合の迂回電流の説明図 穴形状、及びスリット形状の幅と迂回電流の関係を示す説明図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置100
図1を参照して、本発明に係る像加熱装置を定着装置として搭載する画像形成装置を説明する。図1は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではフルカラープリンタ)100の一例の概略構成を表わす断面図である。
画像形成装置100において、記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部101は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成ステーションSy,Sm,Sc,Skを有する。
各画像形成ステーションは、像担持体としての感光体ドラム11y,11m,11c,11kと、帯電部材12y,12m,12c,12kと、を有している。更に各画像形成ステーションは、レーザスキャナ13と、現像器14y,14m,14c,14kと、感光体ドラムをクリーニングするクリーナ15y,15m,15c,15kと、を有している。更に各画像形成ステーションは、転写部材22y,22m,22c,22kと、転写部材で感光体ドラムから転写したトナー画像を担持しつつ搬送するベルト21と、ベルト21から記録材Pへトナー画像を転写する二次転写部材25などを有している。
以上の画像形成部101の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
画像形成装置本体100A内のカセット17に収納された記録材Pはローラ18の回転によって1枚ずつ繰り出される。その記録材Pはローラ19の回転によってベルト21と二次転写部材25とで形成された二次転写ニップ部に搬送される。二次転写ニップ部でトナー画像が転写された記録材Pは定着装置(定着部)20に送られる。
未定着トナー画像Tを担持する記録材Pは定着装置20で加熱され、これによりトナー画像Tは記録材P上に定着される。定着装置20を出た記録材Pはローラ26,27の回転によってトレイ28に排出される。
(2)定着装置(像加熱装置)20
2−1)概略構成
図2は本実施例の電磁誘導加熱方式の定着装置20の概略構成を表す断面図である。定着装置20は、ローラ部材としての筒状の定着ローラ1と、定着ローラを加熱する磁性コア2と励磁コイル3で構成された加熱手段Hと、定着ローラと圧接してニップ部Nを形成するニップ形成部材としての加圧ベルト7を備える加圧ユニット9と、を有する。
回転可能に支持された定着ローラ1は、定着ローラの内部に配置された加熱手段Hによって加熱されるとともに、不図示のモータによって矢印方向に駆動ギア4を介して回転駆動される。この定着ローラ1の回転に追従して加圧ベルト7は矢印方向に回転する。未定着トナー画像Tを担持した記録材Pはニップ部Nで定着ローラ1と加圧ベルト7によって挟持搬送されつつ加熱され、これによりトナー画像は記録材上に定着される。図2においてXは記録材搬送方向である。
定着ローラ1内部の加熱手段Hとしては、定着ローラ1内部に収容できる形状、構造のものであれば特に制限されず、目的に応じてハロゲンランプ等、適宜選定して差し支えない。
2−2)定着ローラ(ローラ部材)1
図3において、(a)は定着ローラ1と駆動ギア4の斜視図、(b)は定着ローラ1の層構成を示す断面図である。図4において、(a)は定着ローラ1に駆動ギア4を取り付けるときの斜視図、(b)は駆動ギア4のキー形状と定着ローラ1のキー溝形状を示す斜視図である。
図3(b)に示すように、定着ローラ1は、筒状の導電層1aと、導電層1aの外周面上に形成された弾性層1bと、弾性層1bの外周面上に形成された表層(離型層)1cと、を有する。
導電層1aは、熱容量の低い薄肉パイプであり、例えば厚さ0.1mm〜1.0mmに形成したオーステナイト系ステンレス(SUS)が用いられる。導電層1aとして、電磁誘導で十分な発熱が得られる固有抵抗値となるよう材質が選択される。弾性層1bは、硬度が20度(JIS−A、1kg加重)のシリコーンゴムで形成され、厚みが0.1mm〜0.8mmである。表層1cとして、厚みが10μm〜50μmのフッ素樹脂チューブを被覆している。
図3(a)に示すように、定着ローラ1の記録材搬送方向Xと直交する長手方向において、記録材が通過する領域1Aより外側の導電層右端部(一方の端部)1aRには、導電層1aの周回方向にほぼ等間隔をおいて穴形状1eが複数設けられている。更に、導電層右端部1aRには、導電層1aの周回方向で穴形状1eの前後の隣り合う位置から導電層右端部1aRの端面1dRまで到達したスリット形状1fが複数設けられている。ここで、導電層右端部1aRとは、導電層右端部1aRの端面1dRから表層1cの縁部1c1までの領域であり、記録材が通過しない領域1Bでもある。
また、領域1Aより外側の導電層左端部(一方の端部とは反対側の端部)1aLには、導電層1aの周回方向に略等間隔をおいて穴形状1eが複数設けられている。更に、導電層左端部1aLには、導電層1aの周回方向で穴形状1eの前後の隣り合う位置から導電層左端部1aLの端面1dLまで到達したスリット形状1fが複数設けられている。ここで、導電層左端部1aLとは、導電層左端部1aLの端面1dLから表層1cの縁部1c1までの領域であり、記録材が通過しない領域1Bでもある。
導電層右端部1aR、及び導電層左端部1aLに設けられたキー溝形状となる穴形状1eとスリット形状1fは、定着ローラ1の記録材搬送方向Xと直交する長手方向に沿って形成してある。
導電層右端部1aR、及び導電層左端部1aLに関し、本実施例では、導電層1aの周回方向における幅4.0mmの穴形状1eとスリット形状1fを8箇所に形成している。これにより、導電層右端部1aR、及び導電層左端部1aLは、図3の(a)に示すように、穴形状1e及びスリット形状1fを設けていない領域1Cを除いて、周回方向に周面が連続していない構成となっている。ここで、領域1Cとは、穴形状1eにおける端面1dRから最も遠い面1e1、及びスリット形状1fにおける端面1dRから最も遠い面1f1と表層1cの縁部1c1との間の領域をいう。
導電層右端部1aRには、駆動部材としての駆動ギア4が取り付けられる。駆動ギア4は、駆動ギアの外周に設けたギア部4gが不図示のギアと噛み合うことで定着ローラ1の導電層1aを回転駆動する。駆動ギア4は、はすば歯車であり、回転駆動すると導電層1aの軸線方向Oにおいて駆動ギアが配置する方向に駆動力が働くように構成してある。よって、駆動ギア4に駆動力が伝達された時に、導電層1aは駆動ギア4と一体的に軸線方向Oに寄る。
次に、定着ローラ1と駆動ギア4の取り付け構成について説明する。図3(a)に示すように、駆動ギア4の回転中心には、導電層1aの外径に対して僅かに大きい円筒穴形状4hが設けられている。円筒穴形状4hには導電層1aの導電層右端部1aRを挿し込み可能である。駆動ギア4の円筒穴形状4hの内周面には、定着ローラ1のキー溝形状である穴形状1e及びスリット形状1fに対向する位置にキー形状となる爪4a及びリブ4bが複数設けられている。
定着ローラ1に駆動ギア4を取り付ける場合、回転位相をキー形状とキー溝形状に合わせて、駆動ギア4を軸線方向Oで導電層右端部1aRに矢印方向Yaから挿入する。その際に、図4の(a)に示すように、導電層右端部1aRの各穴形状1eの近傍1gをラジアル方向の内側Rinに撓ませて駆動ギア4の円筒穴形状4hに押し込んで挿入する。軸線方向Oにおいて穴形状1eと爪4aの位置が一致すると、各穴形状1eの近傍1gの撓みが無くなり、爪4aと穴形状1eが係合する。
駆動ギア4の挿入方向Yaの位置は、図4の(b)に示すリブ4bの導電層右端部1aR側の面4b1がスリット形状1fにおける端面1dRから最も遠い面1f1に突き当たることで決まる。つまり、リブ4bは、駆動ギア4の挿入方向Yaにおいて、スリット形状1fにおける端面1dRから最も遠い面1f1に当接する位置まで設けてある。
一方、駆動ギア4の挿入方向Yaとは反対方向の位置は、図4の(b)に示す爪4aの導電層右端部1aRとは反対側の面4a1が穴形状1eにおける端面1dRから最も近い面1e1に突き当たることで決まる。つまり、爪4aは、駆動ギア4の挿入方向Yaにおいて、穴形状1e1における端面1dRから最も近い面1e1に当接する位置まで設けてある。
そして、導電層右端部1aRに設けた複数の穴形状1eとスリット形状1fに対して駆動ギア4に設けた複数の爪4aとリブ4bが同位相で係合し、これらの穴形状1e及びスリット形状1fの両方で駆動ギア4から導電層1aに駆動力が伝達される。
このように、定着ローラ1の複数の穴形状1eとスリット形状1fに対して駆動ギア4の複数の爪4aとリブ4bが係合して、駆動ギア4の挿入方向Yaの位置と、駆動ギア4の挿入方向Yaとは反対方向の位置が決まる。これにより、定着ローラ1と駆動ギア4の定着ローラ長手方向の位置関係精度が向上する。更に、定着ローラ1の穴形状1eやスリット形状1fと駆動ギア4の爪4aやリブ4bが駆動ギア4の挿入方向Yaにおいて常に同じ位置で駆動力を伝達することが可能となる。よって、定着ローラ1の穴形状1eやスリット形状1fが受ける応力が安定して、導電層右端部1aRの破損を抑制できる。
以下に、定着ローラ1と駆動ギア4の取り付け構成と、その構成で駆動力を伝達したときに定着ローラ1に生じる最大応力の強度シミュレーションの結果を表1に示す。強度シミュレーションは、解析ソフトにAbaqusを用いて、弾塑性解析、大変形/有限すべりで計算した結果である。
表1から明らかなように、複数のリブ形状のみで駆動力を伝達する従来構成に対して本実施構成の方がローラ最大応力が低いことが分かる。尚、この結果は定着ローラ1と駆動ギア4の定着ローラ長手方向の位置関係が所定の位置に固定されているときの結果であり、従来構成のリブ形状のみで駆動力を伝達する構成は、定着ローラ長手方向に対して本実施構成よりも位置バラツキが生じる。その場合、ローラ最大応力が更に大きくなってしまう。
本実施例では、穴形状1eとスリット形状1fを各4カ所ずつ周回方向に等間隔で設けた構成の場合に定着ローラ1に生じる応力が最も小さかった。穴形状1e、及びスリット形状1fに関して、定着ローラ1の材質、大きさ、厚みによって最適な形状は異なるため、定着ローラ構成の違いにより適宜選択することが望ましい。
本実施例では、駆動ギア4に設けた複数の爪4aとリブ4bで定着ローラ1に駆動力を伝達しているが、リブの無い構成や、爪と穴形状の数が異なる構成なども同様の効果を得ることができる。
図6に、定着ローラ1と駆動ギア4の変形例を示す。本実施例では、定着ローラ1の導電層右端端部1aRの外側に駆動ギア4を取り付けた構成を説明したが、図6に示すように定着ローラ1の導電層右端部1aRの内側に駆動ギア4の一部を差し込む構成であってもよい。本変形例では、駆動ギア4に定着ローラ1の導電層右端部1aRを支持する筒状支持部4sを設け、その筒状支持部4sを導電層右端部1aRの内側に挿入して複数の爪4aとリブ4bを対応する穴形状1eとスリット形状1fに係合させている。
本実施例では、定着ローラ1に駆動ギア4を取り付ける構成に関して説明したが、本発明に係るローラ部材は定着ローラ1に限定されるものではなく、薄肉パイプを用いた全てのローラ部材に適用することができる。
次に、駆動ギア4が設けられた定着ローラ1の導電層右端部(以下、駆動側端部と称す)1aRとは反対側の導電層左端部(以下、非駆動側端部と称す)1aLに関して説明する。
定着ローラ1は、定着ローラ長手方向の中心を境にしてほぼ対称形状であり、定着ローラ1の非駆動側端部1aLには駆動側端部1aRと同じように穴形状1eとスリット形状1fが設けられている。これは、後述する電磁誘導加熱をした際に定着ローラ1の駆動側端部1aRと非駆動側端部1aLの発熱具合を同じにするためである。発熱具合を同じにすることで定着ローラ1の非通過領域1Bである駆動側端部1aRと非駆動側端部1aLの発熱を抑えることができる。
定着ローラ1の非駆動側端部1aLには、キャップ部材としての環状のキャップ5が取り付けられる。図5に、キャップ5に設けるキー形状と定着ローラ1の非駆動側端部1aLに設けるキー溝形状を示す。
キャップ5の中心には、導電層1aの外径に対して僅かに大きい円筒穴形状5hが設けられている。キャップ5は、非駆動側端部1aLに設けた複数のスリット形状(キー溝形状)1fに対してキャップ5の内周面に設けた複数のリブ(キー形状)5aが係合するように構成してある。このキャップ5は、軸線方向Oで非駆動側端部1aLに着脱自在に取り付けられる。これは、キャップ5が取り付けられていると、定着ローラ1内部に部品を組み立てる時に挿入スペースが狭くなってしまうためである。
キャップ5には、駆動ギア4のように高いトルクで定着ローラ1に駆動力を伝達する機能を持たせていないために、回転時に定着ローラ1に生じる応力によって定着ローラ1が破損することは無い。
定着ローラ1にキャップ5を取り付ける場合、回転位相をキー形状とキー溝形状に合わせて、キャップ5を軸線方向Oで非駆動側端部1aLに矢印方向Ybから挿入する。キャップ5の挿入方向の位置は、図5に示すリブ5aの非駆動側端部1aLの面5a1がスリット形状1fにおける端面1dLから最も遠い面1f1に突き当たることで決まる。つまり、リブ5aは、キャップ5の挿入方向Ybにおいて、スリット形状1fにおける端面1dLから最も遠い面1f1に当接する位置まで設けられている。
2−3)加圧ベルトユニット9
図2に示すように、加圧ベルトユニット9は、定着ローラ1の回転に追従して回転するエンドレス状の加圧ベルト7を有する。加圧ベルト7の内側には、加圧ベルト7の内面に当接する加圧パッド8が設けられている。加圧パッド8は、剛性を有する凹字形状の支持体6bに支持されて加圧ベルト7の内面側から加圧ベルト7を介して定着ローラ1を押圧するようになっている。
加圧ベルト7は、単層構造であってもよいが、本実施の形態では基材表面に離型層を施した積層構造のベルトを使用している。基材としては、耐熱性を有する、例えば熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂基材が用いられる。また、離型層としては、表面に付着するトナーの剥離性が良好なものがよく、その材質としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)等のフッ素系樹脂が用いられる。
加圧パッド8は、主として定着ローラ1と加圧ベルト7とでニップ部Nを形成させるためのもので、例えばアルミニウム、ステンレス、鋼、銅、黄銅等の金属や合金並びに樹脂材料からなる剛性の高い材料が主として使用される。本実施の形態では、強化ガラスの液晶ポリマー樹脂を射出成形したものを使用している。そのため、記録材搬送方向Xと平行なニップ幅方向に沿って、安定で適度な剛性を実現することができるようになっている。
2−4)加熱手段Hの構成
図7は定着ローラ1、及び定着ローラ1の内部に配置された加熱手段Hの断面図である。図8は定着ローラ1を一部切り欠いて加熱手段Hの一部を表出させた斜視図である。
加熱手段Hは、磁性コア2と、励磁コイル3と、を有する。磁性コア2は、円柱形状をしており、不図示の固定手段で定着ローラ1のほぼ中央に配置させてある。磁性コア2は、励磁コイル3にて生成された交番磁界の磁力線(磁束)を導電層1aの内部(導電層1aと磁性コア2の間の領域)に誘導し、磁力線の通路(磁路)を形成する役割がある。
磁性コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)、やパーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が好ましい。特に21kHz〜100kHz帯の高周波交流を励磁コイルに流す場合、高周波電流において損失の小さな焼成フェライトが好ましい。
磁性コア2は、導電層1aの中空部に収納可能な範囲で、断面積をできるだけ大きくすることが望ましい。本実施例では、磁性コア2の直径は5mm〜40mmとし、記録材搬送方向Xと直交する長手方向の長さを230〜300mmとする。尚、磁性コア2の形状は円柱形状に限定されず、角柱形状などでも良い。
励磁コイル3は、耐熱性のポリアミドイミドで被覆した直径0.5〜2mmの銅線材(単一導線)を、磁性コア2に約10巻〜100巻で螺旋状に巻いて定着ローラ1の母線方向と略平行な螺旋形状部3aを形成する。本実施例では、励磁コイル3の巻き数は16回とする。励磁コイル3は、磁性コア2に導電層1aの軸線方向Oに交差する方向に捲回されているため、この励磁コイル3に高周波電流を流すと、導電層1aの軸線方向Oに平行な方向に交番磁界を発生させることができる。
(3)加熱手段Hの発熱原理
3−1)磁力線の形状
定着装置20は、特許文献2と同様に、定着ローラ1の内側に軸線方向に螺旋状の励磁コイル3を配置させ、その励磁コイル3の中に磁力線を誘導するための磁性コア2を備えている。そして、励磁コイル3から発生した磁束を定着ローラ1の導電層1aを通らないように誘導する。
つまり、定着装置20を磁気回路に見立て、定着ローラ長手方向への磁気の通りやすさの指標である、以下のような状態を実現する。即ち、「長手方向の磁気抵抗」において、「磁性コア2の長手方向の磁気抵抗」は十分小さく、かつ導電層1aと導電層1aの内側の長手方向の磁気抵抗が十分大きい状態」を実現する。それにより、磁性コア2に磁束が集中し導電層1aと導電層1aの内側に磁束が通らない磁路設計を施すことが出来る。
導電層1aには、周回方向の起電力がかかり、周回電流によって効率的にジュール発熱することが出来る。本方法は特許文献1の方法に比べて、導電層1aに磁束を誘導する必要がないため、導電層1aの厚みや材質の制約が少ないというメリットがある。
3−2)導電層1aにスリット形状1fが入ってない場合の発熱原理
加熱手段Hの発熱原理について、導電層1aにスリット形状1fが入ってない場合について説明する。
図9の(a)を用いて導電層1aの発熱メカニズムについて説明する。コイル3に交流電流を流して生じた磁力線が筒状の導電層1aの内側の磁性コア2の内部を導電層1aの軸線方向(SからNに向かう方向)に通過し、磁性コア2の一端(N)から導電層1aの外側に出て磁性コア2の他端(S)に戻る。その結果、導電層1aの内側を導電層1aの軸線方向に貫く磁束の増減を妨げる方向の磁力線を発生させる誘導起電力が導電層1aに生じて導電層1aの周方向に電流が誘導される。この誘導電流によるジュール熱で導電層1aが電磁誘導発熱する。
この導電層1aに生じる誘導起電力Vの大きさは、下記の式(1)から導電層1aの内部を通過する単位時間当たりの磁束の変化量(Δφ/Δt)及びコイルの巻き数Nに比例する。
この磁性コア2の一端から出た磁力線のうち外側ルートを通る磁力線の割合は、コイル3に投入した電力のうち導電層1aの発熱で消費される電力(電力の変換効率)と相関があり、重要なパラメータである。外側ルートを通る磁力線の割合が増加する程、コイル3に投入した電力のうち導電層1aの発熱で消費される電力の割合(電力の変換効率)は高くなる。この理由は、トランスにおいて漏れ磁束が十分少なく、トランスの1次巻線と2次巻線の中を通過する磁束の数が等しいと電力の変換効率は高くなることと原理は同じである。
つまり、本実施例においては、磁性コア2の内部を通過する磁束と、外側ルートに通過する磁束の数が近い程、電力の変換効率は高くなり、コイル3に流した高周波電流を導電層1aの周回電流として効率よく電磁誘導できることになる。
これは、図9の(a)における磁性コア2の内部をSからNに向かう磁力線と、内側ルートを通る磁力線は向きが反対であるから、磁性コア2を含めた導電層1aの内側全体で見ると、これらの磁力線は打ち消しあうことになる。その結果、導電層1aの内側全体をSからNに向かって通過する磁力線の数(磁束)が減り単位時間当たりの磁束の変化量が小さくなる。単位時間当たりの磁束の変化量が減少すると、導電層1aに生じる誘導起電力が小さくなり、導電層1aの発熱量が小さくなる。
以上述べたことから、本実施例の定着装置20は必要な電力の変換効率を得るために外側ルートを通る磁力線の割合を管理することが重要になる。
磁性コア2の形状は、円柱形状に限られず図9の(b)に示すように導電層1aの外部で連続する枠型形状としてもよい。
3−3)定着ローラ1の導電層1aの等価回路
図10の(a)はスリット形状1fが入っていない場合の導電層1aの斜視図である。本実施例の加熱手段Hの構成によると、定着ローラ1の導電層1aに対して周回方向の起電力が掛かることにより、図中矢印示す方向に周回電流Iが流れる。図10の(a)の等価回路として、導電層1aを切り開いて、その導電層1aの周回方向両端に直列電圧を印加した回路が図10の(b)である。導電層1aの軸線方向の長さをL、周回方向における円周長をθ、厚みをd、電気抵抗率をρとすると、導電層1aの全抵抗Rは次の式(2)で表せられる。
故に、図10の(b)の導電層1aに起電力Vが掛かった場合、導電層1a全体の発熱量Wと導電層1aの単位体積当たりの発熱量ωはそれぞれ、式(3)、式(4)と計算できる。
3−4)導電層1aにスリット形状1fが入っている場合の発熱原理
本実施例の定着ローラ1の発熱原理について、導電層1aにスリット形状1fが入っている場合を説明する。
3−4−1)導電層1aのスリット形状1fによって余剰発熱が抑制される原理
本実施例に示す定着装置20において、定着ローラ1の導電層1aにスリット形状1fが有る場合と無い場合を比較し、スリット形状1fがあることによって余剰発熱が抑制される原理を電気回路網計算により示す。
図11の(a)は図10(a)で示した導電層1aにスリット形状1fを入れた場合の斜視図である。この状態において起電力Vが周回方向にかかった時、図中矢印に示す方向に周回電流I’が流れる。図11の(a)の等価回路として、定着ローラ1の導電層1aを切り開いて、その導電層1aの周回方向両端に直列電圧を印加した回路が図11の(b)である。
スリット形状1fの導電層1aの軸線方向におけるスリット深さをa、導電層1aの周回方向におけるスリット幅をbとすると、図11の(b)に示すように導電層1aはA〜Eまでの5つのゾーンに場合分けして考えることができる。このA〜Eまでの5つのゾーンにおける電気抵抗をR〜Rとし、導電層1aにおける周回方向の電流のみが発熱に寄与すると近似すると、図11の(b)は図12の回路図に書き直すことができる。図12における導電層1aの全抵抗R’は式(5)で表せられる。
図11(a)のようにスリット形状1fの数は1個の為、導電層1aの周回方向中央にスリット形状1fが位置していると考えると、R〜Rは式(6)〜(8)で表せられる。
式(5)に式(6)〜(8)を代入すると、式(9)のように整理できる。
故に、図12の全抵抗における発熱量、すなわち、図11の(b)の導電層1aに起電力Vが掛かった場合の導電層1a全体の発熱量W’が式(10)と求められる。
同じ起電力Vの場合に、スリットが有る場合の発熱量W’式(10)と無い場合の発熱量W(3)を比較すると、式(11)のようになる。
式(11)よりW’<Wが成り立つため、スリット形状1fによって余剰発熱が抑制されることが示された。
3−4−2)導電層1aのスリット形状1f端部で局所発熱が発生する原理
図11の(b)のような回路図を考えた場合、スリット形状1fがあることによって導電層1a全体の発熱量が減らせることを示した。しかし一方で、図13に示すようにスリット形状1fの端部に位置するBゾーンにおいては、DゾーンおよびEゾーンからの誘導電流I’’により電流量が増加することから、Bゾーン右端付近(スリット形状1f端部付近)に局所発熱が発生する場合がある。このスリット形状1f端部の局所発熱により、定着ローラ、特に駆動ギア4のキー形状部分の破損等の問題に繋がる可能性がある。
(4)スリット形状によってスリット形状1f端部での局所発熱を抑制する方法
図14の(a)に示すように、導電層1aの周回方向に軸線方向Oに沿って複数のスリット形状1fを入れることによって、誘導電流(以下、迂回電流と称す)I’’の発生を効果的に減少させることが出来る。これにより、電流量の増加から局所発熱を発生させ、定着ローラ1の破損等を防止することが出来る。
スリット形状1fは多ければ多いほど、迂回電流I’’を減少させる効果は高くなるものの、導電層1aのスリット形状1f端部付近の強度を低下させてしまう。それ故、駆動ギア4から回転力を伝達された場合、スリット形状1fである溝を周回方向に押し広げるように力が作用するため、強度不足によりスリット形状1f端部付近が破損しやすくなるという問題がある。
4−1)導電層1aのスリット形状1f端部付近の強度不足を回避する方法
上記の問題を回避するために、図14の(b)に示すように、導電層1aの周回方向に軸線方向Oに沿って穴形状1eを複数設ける。更に、導電層1aの周回方向で穴形状1eの前後の隣り合う位置から一方の端部の端面1dRまで到達したスリット形状1eを軸線方向Oに沿って複数設ける。
これによって、導電層1aのスリット形状1f端部付近の周回方向の強度低下を最小限にし、かつ効果的に迂回電流I’’を減少させることが出来る。この形状は、迂回電流I’’を減少させる効果はスリット形状8本と同等の効果を持ち、導電層1aの各穴形状1eの近傍1gが端面1dRと機械的に接合していることによって強度を十分確保できるというメリットがある。
更に、前述したように、定着ローラ1と駆動ギア4の定着ローラ長手方向の位置関係精度が向上し、定着ローラの穴形状1eやスリット形状1fと駆動ギアの爪4aやリブ4bが駆動ギア挿入方向において常に同じ位置で駆動力を伝達することが可能となる。それ故、定着ローラ1の穴形状1eが受ける応力が安定して、定着ローラ1の駆動側端部1aRの破損を防止することが出来る。
定着ローラ1は、はすば歯車形状で構成された駆動ギア4によって生じる駆動力によって、回転駆動時は駆動ギア4側に寄って回転している。これにより、定着ローラ1とコア2とコイル3の長手位置関係の位置バラツキを抑制し、定着ローラの非通過領域1Bである駆動側端部1aRと非駆動側端部1aLの発熱具合を同じにすることができ、非通過領域の昇温を冷却するための手段を簡易化できる。
これにより、導電層1aとして熱容量の低い薄肉パイプローラを使用する場合においても、高い回転トルク下で破損しないギア取り付け形状と、キー溝形状への電流集中による局所発熱と、非通過領域1Bの発熱を抑えることができる。よって、本実施例の定着ローラ1を備えた定着装置20を搭載することによりウォームアップ時間の短縮と消費電力を低減した画像形成装置を提供することができる。
[実施例2]
実施例1では、導電層1aの軸線方向Oに沿って穴形状1eを複数設け、各穴形状1eと隣り合うようにスリット形状1fを複数設ける構成とすることにより、強度の低下を最小限にし、かつ効果的に迂回電流を防止することが出来ることを説明した。本実施例は、実施例1に関する他の例であり、穴形状1eとスリット形状1fの条件によって、より効果的に局所発熱を抑制する方法について解説する。
1)迂回電流I’’と面積近似モデル
迂回電流I’’の大きさは、大まかには迂回電流が通りうる面積の大きさと相関がある。図15の(a)は、迂回電流が通りうる面積を単純に半円の面積で表現したモデルを示している。スリット間の距離を2rとすると、点線で示した半円Uの面積は、πr/2となる。ここで、図15の(b)に示すようにスリットの本数を2倍に増やしてスリット間隔が1/2になると、点線で示した半円U’の面積の和は、Uの1/2に減少する。実験上、迂回電流I’’による発熱の減少は、この面積近似モデルと傾向が一致する。
本発明者らは、図7に示すコイル、コアと導電層の配置において発熱させた時のサーモグラフィー観察結果から、電流経路が半円モデルとおおよそ一致すること、及びスリット形状の本数を2倍に増やした時に局所発熱の昇温速度が略半減することを確認した。
2)穴形状1eとスリット形状1fの組み合わせの場合
スリット形状1fとスリット形状1fの間に穴形状1eを設けた場合について説明する。端面1dRから穴形状1eの最も遠い面1e2までの長さをA、最も近い面1e1までの長さをB、端面1dRからスリット形状1fの最も遠い面1f1までの長さをCと定義する。すると、スリット形状1fが長く、C>A>Bである場合、迂回電流I’’が通りうる面積Uは、図15の(a)に対し、図16の(a)のように減少させることが出来る。
スリット形状1fと穴形状1eの位置関係が異なる場合、A>C>Bである場合も、図16の(b)のように同様のメカニズムで迂回電流I’’が通りうる面積Uを減少させることが出来る。よって、迂回電流I’’を減少させ、局所発熱の昇温速度を遅くすることが出来る。
3)穴形状1eとスリット形状1fの幅について
上記の2)に加え、スリット形状1fと穴形状1eの幅の関係について説明する。穴形状1eにおける導電層1aの周回方向の幅の長さをA’、スリット形状1fにおける導電層1aの周回方向の幅の長さをC’と定義する。すると、スリット形状1fが長く、C>A>Bである場合、図17の(a)に示すように、幅C’を大きくするほど、図16の(a)に比べて面積Uを小さくすることが出来る。
スリット形状1fと穴形状1eの位置関係が異なる場合、A>C>Bである場合も、図17の(b)に示すように、穴形状1eの幅A’を大きくすると、同様のメカニズムで迂回電流I’’が通りうる面積Uを減少させることが出来る。
まとめると、
A>C>Bの場合はA’>C’(A>C>BかつA’>C’)
又は
C>A>Bの場合はC’>A’(C>A>BかつC’>A’)
とすることによって、強度の低下を最小限にしたまま効果的に迂回電流I’’が通りうる面積Uを減少させることが出来る。これにより、キー溝形状への電流集中による局所発熱と、非通紙部領域の発熱を低減した画像形成装置を提供することができる。
[他の実施例]
実施例1,2では、本発明に係る像加熱装置として記録材上に形成された未定着トナー画像を加熱して定着する定着装置を例に説明したが、本発明に係る像加熱装置は次のような装置にも同様に適用することが可能である。例えば、記録材に仮定着されたトナー像を加熱し再定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置にも本発明を適用することが可能である。
1 定着ローラ、1a 導電層、1aR 導電層右端部(駆動側端部)、
1aL 導電層左端部(非駆動側端部)、1dR 導電層右端部(駆動側端部)の端面、
1e 穴形状、1e1 穴形状1eにおける端面1dRから最も近い面、
1e2 穴形状1eにおける端面1dRから最も遠い面、
1f スリット形状、1f1 スリット形状1fにおける端面1dRから最も遠い面
1g 穴形状1eの近傍、2 磁性コア、3a 螺旋形状部、3 励磁コイル、
4 駆動ギア、4a 爪、4b リブ、5 キャップ、5a リブ

Claims (11)

  1. 回転駆動するためのキー形状を有する駆動部材を少なくとも一方の端部に取り付ける筒状の導電層を有し、
    前記一方の端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記一方の端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、
    前記一方の端部に前記駆動部材を取り付ける際には、前記穴形状の近傍を前記導電層のラジアル方向に撓ませて前記キー形状を前記穴形状に係合することを特徴とするローラ部材。
  2. 前記キー形状を前記穴形状及び前記スリット形状の両方に係合する位置に設け、前記導電層を回転駆動させるときには前記穴形状及び前記スリット形状の両方で前記導電層に回転駆動を伝達することを特徴とする請求項1に記載のローラ部材。
  3. 前記スリット形状に係合する前記キー形状は、前記スリット形状における前記端面から最も遠い面に当接する位置まで設けられ、前記穴形状に係合する前記キー形状は、前記穴形状における前記端面から最も近い面に当接する位置まで設けられていることを特徴とする請求項2に記載のローラ部材。
  4. 前記駆動部材は、はすば歯車であり、前記駆動部材に駆動力が伝達された時に、前記導電層は前記駆動部材と一体的に前記導電層の軸線方向に寄ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のローラ部材。
  5. 前記導電層は、前記一方の端部とは反対側にキー形状を有するキャップ部材を取り付ける端部を有し、前記端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、前記端部に前記キャップ部材を取り付ける際には、前記キー形状は前記スリット形状のみに係合することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のローラ部材。
  6. 筒状の導電層を有するローラ部材と、
    前記ローラ部材の内部に配置され、前記ローラ部材の母線方向と平行である螺旋形状部を有し、前記導電層を電磁誘導発熱させる交番磁界を形成するためのコイルと、
    前記螺旋形状部の中に配置され、前記交番磁界の磁力線を誘導するためのコアと、
    を備え、
    記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置において、
    前記導電層の少なくとも一方の端部に取り付けられ、前記導電層を回転駆動するためのキー形状を有する駆動部材を有し、
    前記一方の端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記一方の端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、
    前記一方の端部に前記駆動部材を取り付ける際には、前記穴形状の近傍を前記導電層のラジアル方向に撓ませて前記キー形状を前記穴形状に係合することを特徴とする像加熱装置。
  7. 前記キー形状を前記穴形状及び前記スリット形状の両方に係合する位置に設け、前記導電層を回転駆動させるときには前記穴形状及び前記スリット形状の両方で前記導電層に回転駆動を伝達することを特徴とする請求項6に記載の像加熱装置。
  8. 前記スリット形状に係合する前記キー形状は、前記スリット形状における前記一方の端部の端面から最も遠い面に当接する位置まで設けられ、前記穴形状に係合する前記キー形状は、前記穴形状における前記一方の端部の端面から最も近い面に当接する位置まで設けられていることを特徴とする請求項7に記載の像加熱装置。
  9. 前記駆動部材は、はすば歯車であり、前記駆動部材に駆動力が伝達された時に、前記導電層は前記駆動部材と一体的に前記導電層の軸線方向に寄ることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか一項に記載の像加熱装置。
  10. 前記穴形状における前記一方の端部の端面から最も遠い面までの長さをA、
    前記穴形状における前記導電層の周回方向の幅の長さをA’、
    前記穴形状における前記一方の端部の端面から最も近い面までの長さをB、
    前記スリット形状における前記一方の端部の端面から最も遠い面までの長さをC、
    前記スリット形状における前記導電層の周回方向の幅の長さをC’とした場合、
    A>C>BかつA’>C’、又はC>A>BかつC’>A’
    とすることを特徴とする請求項6乃至請求項9の何れか一項に記載の像加熱装置。
  11. 前記導電層は、前記一方の端部とは反対側にキー形状を有するキャップ部材を取り付ける端部を有し、
    前記端部には、前記キー形状と係合する穴形状と、前記導電層の周回方向で前記穴形状の前後の隣り合う位置から前記端部の端面まで到達した複数のスリット形状と、を有し、
    前記端部に前記キャップ部材を取り付ける際には、前記キー形状は前記スリット形状のみに係合することを特徴とする請求項6乃至請求項10の何れか一項に記載の像加熱装置。
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