JP6614552B2 - 視覚診断装置 - Google Patents

視覚診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6614552B2
JP6614552B2 JP2015247199A JP2015247199A JP6614552B2 JP 6614552 B2 JP6614552 B2 JP 6614552B2 JP 2015247199 A JP2015247199 A JP 2015247199A JP 2015247199 A JP2015247199 A JP 2015247199A JP 6614552 B2 JP6614552 B2 JP 6614552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
color
pattern
user
visual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015247199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017109001A (ja
Inventor
秀顕 廣瀬
茂樹 中内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyohashi University of Technology NUC
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Toyohashi University of Technology NUC, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2015247199A priority Critical patent/JP6614552B2/ja
Publication of JP2017109001A publication Critical patent/JP2017109001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6614552B2 publication Critical patent/JP6614552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

本発明は、ユーザの色覚を診断する視覚診断装置に関する。
生物は、物体から放射された光や、物体で反射された光を眼球で捉え、脳で信号処理することにより色の知覚を行っている。眼球に入った光は、水晶体にて焦点の調節が行われ、網膜に受容される。例えば、人の目の網膜には、暗い場所で機能する桿体と明るい場所で機能する錘体との2種類の視細胞がある。錘体視細胞は3種類あり、夫々赤色(波長550−650nm)、緑色(波長500−600nm)、青色(波長400−500nm)の光を受容する。物体の色の正確な知覚は、このような錘体視細胞の3原色(赤色、緑色、青色)の受容により実現される。しかしながら、錘体視細胞の一部又は全てを先天的に有さない人が存在する。このような人は、全種類(3種類)の錘体視細胞を有する人に比べて、先天的に色覚異常を有することとなる。また、色覚異常は、例えば白内障、網膜や神経系や大脳の病変、心理的ストレスにより後天的にも起こり得る。このような色覚の異常を診断する技術として、例えば特許文献1−5に記載のものがある。
特許文献1に記載の色覚能力測定装置は、所定の検査画面を用いて被検者にマウスにより選択させ、その選択回数の検出結果に応じて色覚を検査するものである。特許文献2に記載の色覚を診断および補助するための技術は、所定の2つのテスト画像を患者に目視比較させ、その結果を用いて色覚障害をテストする方法である。特許文献3に記載の色覚特性検知装置は、所定の視覚特性の試験用の第1画像データをユーザに提示し、当該第1画像データが提示されたユーザからの入力に応じて、異なる視覚特性の試験用の第2画像データをユーザに提示するか否かを決定するものである。特許文献4に記載の自動視機能検査装置は、所定の視力検査視標をユーザに提示し、ユーザにより操作入力手段で視力検査視標の視認した方向の入力があった場合に、次の視力検査指標を選択して提示するものである。特許文献5に記載の色覚検査装置は、標準色と、当該標準色と比較する比較色とを表示して、比較色を変化させながら被検者が標準色と等しいと感じる比較色である等色を特定し、この等色から被検者に適合した色覚補正レンズを特定するものである。
特開2006−130304号公報 特表2007−501078号公報 特開2005−253583号公報 特開2006−55202号公報 特開2013−70774号公報
特許文献1−5に記載の技術は、被験者の入力によってその後の処理を行うものであるので、検査の信頼性がユーザの回答に依存する。また、ユーザによって入力にばらつきがあるケースが多いので、色覚の検査結果について定量的な評価を行うことが困難であり、更には、色覚が正常であるか否かは最終的には医師の診断が必要であった。
そこで、色覚が正常であるか否かを客観的に、且つ、定量的に判定することが可能な視覚診断装置が求められる。
本発明に係る視覚診断装置の特徴構成は、共に灰色基調の第1パターン及び第2パターンを表示画面に繰り返し表示する第1表示と、有彩色の第3パターン及び他の有彩色の第4パターンを前記表示画面に繰り返し表示する第2表示とを交互に行う表示制御部と、前記表示画面を見たユーザの脳波を、前記ユーザの頭部に付設した検出電極により電気信号として取得する脳波信号取得部と、前記脳波信号取得部により取得された、前記第1表示に応じた第1電気信号と前記第2表示に応じた第2電気信号とに基づいて、前記ユーザの色覚が正常であるか否かを判定する色覚判定部と、を備えている点にある。
このような特徴構成とすれば、第1表示を見た際に取得された電気信号の振幅を基準として、第2表示を見た際に取得された電気信号の振幅を比較することで、ユーザが第3パターン及び第4パターンの夫々の色が弁別可能であるか否かを容易に判定することができる。このような脳波信号は、ユーザの主観的要素が入り込むことはないので、本構成であれば客観的に、且つ、定量的にユーザの色覚が正常であるか否かを判定することが可能となる。
また、前記第2表示が、赤色の第3パターン及び緑色の第4パターンからなる表示と、青色の第3パターン及び黄色の第4パターンからなる表示とからなると好適である。
このような構成とすれば、ユーザが赤色及び緑色が弁別可能であるか否か、また、青色及び黄色が弁別可能であるか否かを容易に判定することができる。
また、前記第1表示及び前記第2表示は、前記第1表示及び前記第2表示の夫々の色の輝度を所定の範囲内で変化させて彩色されていると好適である。
このような構成とすれば、夫々の色に対して、所定の輝度バラツキを含ませて表示することができる。したがって、ユーザにとって見易い輝度で第1表示及び第2表示を表示することができるので、ユーザにとって見易い状況の下、色覚が正常であるか否かを判定することが可能となる。
また、前記色覚判定部は、前記第1表示に応じた第1電気信号の振幅値と、前記第2表示に応じた第2電気信号の振幅値との差異をプロットして作成したマップに基づいて判定すると好適である。
このような構成とすれば、ユーザから取得された脳波信号を定量的に評価し易くなる。したがって、ユーザの色覚が正常であるか否かを容易に判定することが可能となる。
視覚診断装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る第1表示を示す図である。 本実施形態に係る第2表示を示す図である。 本実施形態に係る表示制御部による表示のフローを示す図である。 本実施形態に係る表示制御部による表示のフローを示す図である。 標準試行と固視試行との表示形態を示す図である。 取得された電気信号の一例を示す図である。 周波数解析結果の一例を示す図である。 色覚が正常である人から得られた電気信号の振幅変化の例である。 先天的色覚異常者からから得られた電気信号の振幅変化の例である。 後天的色覚異常者からから得られた電気信号の振幅変化の例である。 電気信号の振幅値を用いたマップの作成について示す図である。 マップの一例を示す図である。 視覚診断装置による自動判別の判別率を示す図である。
本発明に係る視覚診断装置は、ユーザの色覚が正常であるか否かを客観的に判定する機能を備えて構成される。以下、本実施形態の視覚診断装置1について説明する。
図1は、視覚診断装置1の構成を模式的に示した図である。図1に示されるように視覚診断装置1は、表示制御部10、脳波信号取得部20、色覚判定部30の各機能部を備えて構成され、これらの機能部は色覚判定に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
表示制御部10は、第1表示と、第2表示とを交互に行う。第1表示及び第2表示は、視覚診断装置1がユーザ3の色覚が正常であるか否かの判定(以下「色覚判定」とする)を行うためにユーザ3に見せる画像である。以下では、第1表示及び第2表示を区別する必要がない場合には総称して「視覚オブジェクト」として説明する。本実施形態に係る第1表示の例が図2に示される。第1表示とは、図2に示されるような第1パターン及び第2パターンを表示装置2の表示画面Gに繰り返し表示する表示である。第1パターン及び第2パターンは、共に灰色基調のパターンで作成される。第1パターン及び第2パターンは、大きさが見かけで10度となるように設定され、形状はモザイクパッチ構造を有する円形で設定される。モザイクパッチ構造とは、円形状のパッチを複数配置して、一つの円形状を構成した構造である。各パッチの大きさは見かけで0.2度〜0.5度の範囲内でランダムに設定され、配置は互いのパッチが重ならないようにランダムに決定される。
灰色基調とは、灰色(Gray)を基準として作成された色をいう。したがって、色名称をRGB値で示した場合に(128,128,128)に限らず、例えば(220,220,220)や、(211,211,211)や、(192,192,192)や、(169,169,169)や、(128,128,128)や、(105,105,105)等の色を用いて作成することも可能であることを意味する。
また、本実施形態では、第1表示の夫々の色の輝度は所定の範囲内で変化させて彩色されている。本実施形態では、パッチ毎に、基本色である(128,128,128)で規定される灰色から−22.5、−15、−7.5、7.5、15、22.5cd/m2の内のいずれかの輝度逸脱が生じるように、明度の調整が行われる。どのパッチに輝度逸脱を行うかは、ランダムにより決定される。したがって、本実施形態では、第1パターンと第2パターンとは異なるパターンで作成される。
図3には、本実施形態に係る第2表示の例が示される。第2表示とは、図3に示されるような第3パターン及び第4パターンを表示装置2の表示画面Gに繰り返し表示する表示である。第3パターンは有彩色のパターンで作成され、第4パターンは他の有彩色のパターンで作成される。有彩色とは、白色と黒色とを階調表示した際に表示される色以外の色である。本実施形態では、第2表示として2つの表示が利用される。一方の第2表示は、第3パターンの有彩色として赤色(Red)が用いられ、第4パターンの有彩色として緑色(Green)が用いられる。他方の第2表示は、第3パターンの有彩色として青色(Blue)が用いられ、第4パターンの有彩色として黄色(Yellow)が用いられる。以下では、これらを区別する時には、前記一方の第2表示を「R−G系第2表示」として示し、前記他方の第2表示を「B−Y系第2表示」として示す。
このような第2表示における第3パターン及び第4パターンも、第1表示における第1パターン及び第2パターンと同様に、大きさが見かけで10度となるように設定され、形状はモザイクパッチ構造を有する円形で設定される。各パッチの大きさは見かけで0.2度〜0.5度の範囲内でランダムに設定され、配置は互いのパッチが重ならないようにランダムに決定される。
また、本実施形態では、第2表示の夫々の色の輝度も所定の範囲内で変化させて彩色されている。本実施形態では、パッチ毎に、夫々のパターンの基本色(赤色、緑色、青色、黄色)から−22.5、−15、−7.5、7.5、15、22.5cd/m2の内のいずれかの輝度逸脱が生じるように、明度の調整が行われる。どのパッチに輝度逸脱を行うかは、ランダムにより決定される。
このような視覚オブジェクト(第1表示及び第2表示)は、下地(背景)を同じ色に統一すると好適である。本実施形態では、灰色で設定される。
図4及び図5には、本実施形態に係る表示制御部10による視覚オブジェクトの表示に係るフローが示される。図4はメインルーチンであり、図5はサブルーチンである。また、図6にはサブルーチンにおける表示画面Gへの表示形態が示される。メインルーチンは、セッション1〜セッション5に分かれている。ここで、視覚オブジェクトは、所定の周期で点滅して表示される。セッション1〜セッション5は、夫々、視覚オブジェクトの点滅周期(明滅周波数)が異なる。具体的にはセッション1は周波数が2Hz、セッション2は周波数が3Hz、セッション3は周波数が4Hz、セッション4は周波数が5Hz、セッション5は周波数が10Hzに設定されている。
各セッションは、30回の標準試行と5回の固視試行とで構成される。30回の標準試行は、10回の第1表示を表示する第1標準試行、10回のR−G系第2表示を表示する第2標準試行、及び10回のB−Y系第2表示を表示する第3標準試行からなり、この時に表示画面Gを見たユーザ3の脳波が後述する脳波信号取得部20により取得される。5回の固視試行は、表示画面Gに視覚オブジェクトのいずれかがランダムで決定され、表示される。この時、取得されるユーザ3の脳波は色覚判定用の電気信号から除外される。このような30回の標準試行と5回の固視試行とが実行される順序はランダムで設定される。
図5及び図6に示されるように、標準試行と固視試行とは、色順応期間表示、固視期間表示、刺激期間表示から構成される。色順応期間表示とは、表示画面Gには何も表示されず、ユーザ3の色覚を所定の色(例えば灰色)に順応させ、外乱の影響を打ち消すことを目的としたものである。この期間は2秒間設けられる。固視期間表示とは、表示画面Gに固視点(画面中央に表示される十字型のオブジェクト)を表示するものであり、ユーザ3に対して画面中央への注視を促すことを目的としたものである。この期間は0.5秒間設けられる。固視点は見かけで5度とし、黒色で作成される。刺激期間表示とは、固視点が表示されている表示画面Gの中央部に、上述した第1表示及び第2表示のいずれかを表示するものであり、この期間は5秒間設けられる。標準試行における刺激期間表示では黒色の固視点が表示され、固視試行における刺激期間表示では当該刺激期間表示が開始されてから2秒経過するまでは固視点は黒色で表示し、その後、固視点の色は黄色に変化される。このような固視点の色の変化に応じて、ユーザ3に手元の入力装置でボタンを押下してもらう。これにより、ユーザ3に対して視覚診断への集中を喚起することが可能となる。
図1に戻り、脳波信号取得部20は、表示画面Gを見たユーザ3の脳波を、当該ユーザ3の頭部に付設した検出電極40により電気信号として取得する。表示画面Gには、上述した第1表示と第2表示とが交互に表示される。表示画面Gを見たユーザ3の脳波とは、表示制御部10により表示画面Gに表示された一連の第1表示及び第2表示を見た際のユーザ3の脳波をいう。本実施形態では、このような脳波を検出するために、検出電極40がユーザ3の後頭部に付設される。本実施形態では、検出電極40は、ユーザ3の後頭部における視覚野周辺の8箇所(国際10−20法によるP0Z、P03、P04、P07、P08、0Z、01、02)に付設される。視覚野とは、大脳皮質のうちで視覚に直接関係のある部分であり、後頭葉にある。検出電極40は、ユーザ3が第1表示及び第2表示を見た際に視覚野から発せられる脳波を検出し易いように、後頭部に付設される。また、ユーザ3の頭部にGND電極41とREF電極42も付設される。
ここで、脳波信号は信号の大きさが数μVレベルである。そこで、信号処理を行い易くするために、脳波信号取得部20により取得された脳波信号は生体アンプを用いて信号増幅(例えば106倍)される。増幅後の脳波信号は、所定のサンプリング周波数でアナログ−デジタル変換して記録される。このような脳波信号の取得及び処理は、表示制御部10による表示と同期して行われる。
図7には、セッション毎に取得された電気信号の一例が示される。このような電気信号は周波数分析が行われ、図8に示さるような平均周波数−パワースペクトル密度波形が取得される。図8に示されるような信号は、定常性視覚誘発電位(SSVEP: Steady State Visual Evoked Potential)信号と称される。本実施形態では、定常性視覚誘発電位の第2次ハーモニクス周波数成分(視覚オブジェクトの明滅周波数の2倍にあたる周波数に現れる成分であり、以下では「F2成分」と称する)の振幅に基づいて判定される。その理由は、定常性視覚誘発電位の基底ハーモニクス周波数成分(明滅周波数と等しい周波数に現れるF1成分)と第n次(ただしn≧3)ハーモニクス成分(F4成分、F6成分)とは、多くの場合F2成分よりも振幅が小さく、且つ、表示画面Gにおける表示を変更しても大きな変化は現れないためである。
図9のA−Dは、予め色覚が異常でないと判っているユーザ3(以下、「色覚正常者」とする)から取得された定常性視覚誘発電位の振幅の一例が示される。図9は、縦軸が正規化したパワースペクトル密度であり。横軸は明滅周波数である。また、合せて標準誤差も示される。
色覚正常者18名の定常性視覚誘発電位の振幅から演算した平均データが図9のEに示される。図9に示されるように、色覚正常者から得られた定常性視覚誘発電位の振幅の特徴としてR−G系第2表示に対する定常性視覚誘発電-位の振幅が最も大きくなり、第1表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅が最も小さくなる。また、定常性視覚誘発電位の振幅は明滅周波数3Hzもしくは4Hzで最大となっている。
図10のA−Dは、予め色覚が先天的に異常であると判っているユーザ3(以下、「先天的色覚異常者」とする)から取得された定常性視覚誘発電位の振幅の一例が示される。図10のAは2型2色覚者のデータであり、図10のB及びCは2型3色覚者のデータであり、図10のDは1型2色覚者のデータである。
図10に示されるように、先天的色覚異常者から得られた定常性視覚誘発電位の振幅の特徴として、図9のEと比べてR−G系第2表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅が大きく減退している。第1表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅を基準とした増加分の最大値は130−163%の範囲にあり、この値は色覚正常者のデータから得られた値(285%)の半分程度であった。一方、B−Y系第2表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅は、色覚正常者の定常性視覚誘発電位の振幅と同等以上となっている。第1表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅を基準とした増加分の最大値は165−212%の範囲にあり、この値は色覚正常者のデータから得られた値(164%)の1.0〜1.3倍程度であった。
図11のA−Dは、予め色覚が後天的に異常であると判っているユーザ3(以下、「後天的色覚異常者」とする)から取得された定常性視覚誘発電位の振幅の一例が示される。図11のA及びBは白内障者のデータであり、図11のC及びDは緑内障者のデータである。
図11に示されるように、後天的色覚異常者から得られた定常性視覚誘発電位の振幅の特徴として、図9のEと比べてR−G系第2表示及びB−Y系第2表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅が小さくなっている。R−G系第2表示について第1表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅を基準とした増加分の最大値は112−175%の範囲にあり、この値は色覚正常者のデータから得られた値(285%)の半分程度であった。一方、B−Y系第2表示について第1表示に対する定常性視覚誘発電位の振幅を基準とした増加分の最大値は106−158%の範囲にあり、この値は色覚正常者のデータから得られた値(164%)の半分から等倍程度であった。
色覚判定部30は、脳波信号取得部20により取得された、第1表示に応じた第1電気信号と第2表示に応じた第2電気信号とに基づいて、ユーザ3の色覚が正常であるか否かを判定する。色覚判定部30は、ユーザ3から得られた定常性視覚誘発電位の振幅に基づき特徴ベクトルを作成し、所定の特徴空間に写像して判定を行う。
図12には、ユーザ3の一人から取得された定常性視覚誘発電位の振幅が示される。例えば、明滅周波数が3Hzの時の特徴ベクトルを作成する例を挙げて説明する。特徴ベクトルFVは2次元とし、(1)式のようにFVxとFVyとから構成される。
FV=(FVx,FVy) ・・・(1)
FVx=SSVEPRG−SSVEPG ・・・(2)
FVy=SSVEPBY−SSVEPG ・・・(3)
ここで、FVxはR−G系第2表示によって得られた定常性視覚誘発電位の平均振幅SSVEPRGと、第1表示によって得られた定常性視覚誘発電位の平均振幅SSVEPGとの差分である。また、FVyはB−Y系第2表示によって得られた定常性視覚誘発電位の平均振幅SSVEPBYと、第1表示によって得られた定常性視覚誘発電位の平均振幅SSVEPGとの差分である。このようなFVx及びFVyは、夫々R−G系の色弁別能力及びB−Y系の色弁別能力に対応するものとなる。
このように演算された特徴ベクトルに基づき、ユーザ3の定常性視覚誘発電位の振幅変化を、特徴空間に写像する。すなわち、演算されたFVxとFVyとを用いて、対応する位置に特徴点をプロットする。本実施形態では、特徴空間は2次元であり、横軸はR−G系の色弁別能力を示し、縦軸はB−Y系の色弁別能力を示す。
図13には、全てのユーザ3から得られた定常性視覚誘発電位の振幅データを用いて、明滅周波数毎にプロットして作成された特徴空間が示される。図13では、色覚正常者と、先天的色覚異常者と、白内障を有する後天的色覚異常者と、緑内障を有する後天的色覚異常者とを分けてプロットしている。また、色覚正常者の平均も示される。図13のA-Eは明滅周波数が夫々2、3、4、5、10Hzの時のデータを用いて作成された結果であり、図13のFは明滅周波数が3及び4Hzの時のデータを用いて作成された結果である。また、図13のGは全セッションから得られた定常性視覚誘発電位の振幅データの平均値を用いて作成された結果である。
図13の全体を通して、色覚正常者はR−G系第2表示の色弁別能力が高い方に偏る傾向があり、色覚異常者はR−G系第2表示の色弁別能力が低い方に偏る傾向があることがいえる。この傾向は、図13のFやGにおいて顕著である。よって、色覚判定部30が、第1表示に応じた第1電気信号と第2表示に応じた第2電気信号とに基づいて、図13のFやGのような特徴空間にプロットし、その結果によりユーザ3の色覚が正常であるか否かを判定することが可能となる。
図14には、本視覚診断装置1を用いて色覚が正常であるか否かを自動判定した結果が示される。単一のセッションによるデータを用いて色覚が正常であるか否かの自動判別を行った場合の判別率は最高で84%であった(明滅周波数3Hz)。また、明滅周波数が3Hz及び4Hzのデータを用いた際の判別率は96.7%であった。更に、全セッションのデータを用いて行った場合の判別率は98.9%であった。この結果から、本視覚診断装置1によれば、例えばスクリーニング目的で判別率として100%が求められない場合には十分に利用できることがわかった。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、第1パターンと第2パターンとは異なるパターンで作成されるとして説明したが、第1パターンと第2パターンとは同じパターンとすることも可能である。
上記実施形態では、視覚オブジェクト(第1表示及び第2表示)は、下地(背景)が灰色に設定されるとして説明したが、下地(背景)を灰色以外の色で構成することも可能である。
上記実施形態では、固視試行における刺激期間表示において当該刺激期間表示が開始されてから2秒経過するまでは固視点は黒色で表示し、その後、固視点の色は黄色に変化して表示されると説明したが、互いに別の色を用いて構成することも可能である。
上記実施形態では、第2表示が、赤色の第3パターン及び緑色の第4パターンからなる表示と、青色の第3パターン及び黄色の第4パターンからなる表示とからなるとして説明したが、第2表示は上記何れか一方のみを用いて構成することも可能である。また、第2表示として、上記実施形態とは異なる色や異なる色の組み合わせを用いて構成することも可能である。
上記実施形態では、第1表示及び第2表示は、第1表示及び第2表示の夫々の色の輝度を所定の範囲内で変化させて彩色されているとして説明したが、第1表示及び第2表示は輝度を変化させずに彩色することも可能である。
上記実施形態では、色覚判定部30は、第1表示に応じた第1電気信号の振幅値と、第2表示に応じた第2電気信号の振幅値との差異をプロットして作成したマップに基づいて判定するとして説明したが、マップを用いずに例えば数値演算等により判定することも可能である。
本発明は、ユーザの色覚を診断する視覚診断装置に用いることが可能である。
1:視覚診断装置
3:ユーザ
10:表示制御部
20:脳波信号取得部
30:色覚判定部
40:検出電極
G:表示画面

Claims (4)

  1. 共に灰色基調の第1パターン及び第2パターンを表示画面に繰り返し表示する第1表示と、有彩色の第3パターン及び他の有彩色の第4パターンを前記表示画面に繰り返し表示する第2表示とを交互に行う表示制御部と、
    前記表示画面を見たユーザの脳波を、前記ユーザの頭部に付設した検出電極により電気信号として取得する脳波信号取得部と、
    前記脳波信号取得部により取得された、前記第1表示に応じた第1電気信号と前記第2表示に応じた第2電気信号とに基づいて、前記ユーザの色覚が正常であるか否かを判定する色覚判定部と、
    を備える視覚診断装置。
  2. 前記第2表示が、赤色の第3パターン及び緑色の第4パターンからなる表示と、青色の第3パターン及び黄色の第4パターンからなる表示とからなる請求項1に記載の視覚診断装置。
  3. 前記第1表示及び前記第2表示は、前記第1表示及び前記第2表示の夫々の色の輝度を所定の範囲内で変化させて彩色されている請求項1又は2に記載の視覚診断装置。
  4. 前記色覚判定部は、前記第1表示に応じた第1電気信号の振幅値と、前記第2表示に応じた第2電気信号の振幅値との差異をプロットして作成したマップに基づいて判定する請求項1から3のいずれか一項に記載の視覚診断装置。
JP2015247199A 2015-12-18 2015-12-18 視覚診断装置 Active JP6614552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247199A JP6614552B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 視覚診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247199A JP6614552B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 視覚診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017109001A JP2017109001A (ja) 2017-06-22
JP6614552B2 true JP6614552B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=59078899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015247199A Active JP6614552B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 視覚診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6614552B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019017853A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 アイシン精機株式会社 視機能評価装置
JP6943149B2 (ja) * 2017-11-13 2021-09-29 株式会社アイシン 視覚シミュレーション装置、視覚シミュレーション方法、及び視覚シミュレーション装置のためのプログラム
CN110063727A (zh) * 2018-01-24 2019-07-30 苏州维视诺电子科技有限公司 一种判断用户视觉能力的方法和***
KR102448271B1 (ko) * 2020-10-21 2022-09-28 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 시각유발반응 측정 기반의 객관적 색각이상 검사 시스템

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4861154A (en) * 1986-08-06 1989-08-29 Westinghouse Electric Corp. Automated visual assessment system with steady state visual evoked potential stimulator and product detector
JP5234924B2 (ja) * 2008-03-31 2013-07-10 国立大学法人 千葉大学 視機能評価装置
CN101766470A (zh) * 2009-12-24 2010-07-07 厦门大学 便携式红绿色盲定量分析仪
JP6135324B2 (ja) * 2013-06-18 2017-05-31 アイシン精機株式会社 色覚補綴装置及び色覚補綴方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017109001A (ja) 2017-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210052182A1 (en) Portable brain activity sensing platform for assessment of visual field deficits
US10264962B2 (en) System and method for objective chromatic perimetry analysis using pupillometer
JP6951327B2 (ja) 視覚の様相を検査する方法及びシステム
Barbur et al. Pupillary responses to stimulus structure, colour and movement
Duszyk et al. Towards an optimization of stimulus parameters for brain-computer interfaces based on steady state visual evoked potentials
CA2706385C (en) Method and apparatus for evaluating the field of vision
Cao et al. Flashing color on the performance of SSVEP-based brain-computer interfaces
CA2745486C (en) Pupillary assessment method and apparatus
JP6614552B2 (ja) 視覚診断装置
JP6184046B1 (ja) 検査装置及び検査方法
KR20020013547A (ko) 컬러 주파수 배가를 이용한 시력 검사
JP2019017853A (ja) 視機能評価装置
Robson et al. Objective assessment of chromatic and achromatic pattern adaptation reveals the temporal response properties of different visual pathways
JP7226736B2 (ja) グレア知覚検査装置及びグレア知覚検査方法
JP6135324B2 (ja) 色覚補綴装置及び色覚補綴方法
US7278742B2 (en) Systems and apparatus for assessment of visual field functions
Gambino et al. A tunable digital ishihara plate for pre-school aged children
US11229356B2 (en) Biomarker of the colour perception of a mammal subject based on pupil frequency tagging
US20140125953A1 (en) Visual field visual function mapping apparatus
Tregillus Color perception in anomalous trichromats: Neuroimaging investigations of neural compensation for losses in spectral sensitivity
RU2077254C1 (ru) Способ исследования цветового зрения
RU1821148C (ru) Способ диагностики поражени зрительного нерва
Johnson The use of a visual illusion to detect glaucoma: Frequency doubling technology perimetry.
MX2012009385A (es) Dispositivo para diagnosticar oftalmico.
UA94684C2 (uk) Спосіб діагностики стану зорової системи

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6614552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250