JP6611196B2 - 挿間紙 - Google Patents
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Description
P8121に規定するカナダ標準ろ水度(カナディアンスタンダードフリーネス)を意味する。フリーネスは、繊維の叩解(水の存在下で繊維を機械的に叩き、磨砕する処理)の度合いを示す値であり、通常、フリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。フリーネスの調整、即ち繊維の叩解度合いの調整は、叩解装置の種類や処理条件(繊維濃度、温度、圧力、回転数、刃の形状、処理回数等)を適宜調整することで行うことができる。叩解装置としては、公知の物を使用することができる。
テル等の合成繊維や化学繊維、ポリオレフィン等のミクロフィブリル化パルプ、または金属繊維や炭素繊維等の無機繊維を単独で、あるいは混合して製紙原料と併用することができる。
であり、固形物、液状物などがある。この混合タイプにおける製紙用薬品の具体例については後述する。特に、エステラーゼと製紙用薬品とが混合されたものを用いると、粘着物の凝集作用を抑制する効果も得られる。そのような例として、バックマンラボラトリーズ株式会社製の商品名「OPTIMYZE 525」が挙げられる。エステラーゼが製剤タ
イプの場合、その内容にもよるが、製紙原料100質量部に対して、0.01質量部以上を添加することが好ましく、0.02質量部以上を添加することがより好ましい。
ることが多く、従って、挿間紙の原材料として古紙原料を用いる場合に、フェノール系非粘着化処理剤を併用することが好ましい。一般に、イソプレンゴムが含まれている古紙原料は低品質とされ低価格であるため、該古紙原料を挿間紙に積極的に使用することは、挿間紙の製造コストの引き下げに寄与し、また環境に対する負荷の低減を図ることにも繋がり得る。また、従来のこの種の非粘着化処理剤を紙に含有させると、その紙が本来有する導電性が高まる(即ち帯電性が低下する)結果、該紙の保護対象面への静電密着が困難となり、そのため、該紙を保護対象面に接触させても自重によりすぐに該保護対象面から脱落してしまうおそれがあり、ハンドリング性が低下する。これに対し、フェノール系非粘着化処理剤は、エステラーゼと同様に、これが配合される紙の導電性ないし帯電性に実質的に影響を及ぼさないため、紙の表面固有抵抗値を一定範囲に保ちながらも非粘着化を実現することができる。即ち、フェノール系非粘着化処理剤を含む挿間紙は、その表面固有抵抗値が1×1012Ω/□以上であり得る。
前記(B)のレゾール型フェノール樹脂は、塩基性触媒の存在下にてフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール樹脂である。
前記(C)の二次反応処理されたものとしては、例えばフェノール樹脂のアルカリ溶液にアルデヒド類を加え、該フェノール樹脂と反応させて、その分子量を制御した樹脂などが挙げられる。
また、前記(A)及び(B)の変性フェノール樹脂としては、例えばフェノール類及び/又はフェノール樹脂とアミン類とアルデヒド類とを反応させて得られるマンニッヒ反応物などが挙げられる。
などのアルキルフェノール類、カルダノールなどの不飽和アルキルフェノール類、α,βの各ナフトールなどの多芳香環フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ピロガロール、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハイドロキノンが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
存在する全メチレン基に対する存在割合をいう。
同様に、フェノール樹脂の一部を形成する連続する2つのベンゼン骨格を結合するメチレン基であって、その位置が、該2つのベンゼン骨格に結合するそれぞれのフェノール性水酸基に対して一方がオルソ位、他方がパラ位であるメチレン基に係る炭素を「o,p−結合炭素」という。
また、フェノール樹脂の一部を形成する連続する2つのベンゼン骨格を結合するメチレン基であって、その位置が、該2つのベンゼン骨格に結合するそれぞれのフェノール性水酸基に対していずれもパラ位であるメチレン基に係る炭素を「p,p'−結合炭素」とい
う。
尚、フェノール性水酸基に対するメチレン基のオルソ−オルソ結合率が40%未満であるフェノール樹脂のことを、以下、「ランダム型フェノール樹脂」と称する場合がある。
試料(フェノール樹脂)について、核磁気共鳴分光分析(NMR、日本電子株式会社製、JNM−LA400)を用いて13C−NMRスペクトル分析を行い、得られた結果から、o,o'−結合炭素、o,p−結合炭素、p,p'−結合炭素の積分値を用いて下記式
(1)より算出する。尚、測定条件としては試料を重メタノールに溶解し、積算回数5000回で行う。
オルソ−オルソ結合率(%)=[o,o'−結合炭素の積分値/(o,o'−結合炭素の積分値+o,p−結合炭素の積分値+p,p'−結合炭素の積分値)]×100 (1)
前記(D)のハイオルソ型フェノール樹脂は、ノボラックフェノール樹脂でもよく、レゾールフェノール樹脂でもよい。ノボラックフェノール樹脂とは、フェノールとホルムアルデヒドの縮合反応の際に酸性触媒を用いたものであり、レゾールフェノール樹脂とは、該反応の際にアルカリ性触媒を用いたものである。
また、前記(D)のハイオルソ型フェノール樹脂に関し、前記フェノール系非粘着化処理剤溶液(アルカリ溶液)における、ハイオルソ型フェノール樹脂の含有量は、前述した本発明の所定の効果をより確実に奏させるようにする観点から、好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
解させる観点から、アルカリ金属の水酸化物溶液が好ましい。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
前記酸溶液としては、無機酸溶液及び有機酸溶液が挙げられるが、フェノール樹脂及び/又は変性フェノール樹脂を十分に溶解させる観点から、好ましくは無機酸溶液である。無機酸溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸溶液等が好ましく、塩酸、硫酸又は硝酸がより好ましく、塩酸がさらに好ましい。
新聞と雑誌由来の古紙原料を用意し、原料を叩解して300mlc.s.f.に調製したスラリーに、エステラーゼを含む酵素製剤(ブタ肝臓エステラーゼ、和光純薬工業株式会社製)を古紙原料100質量部に対して0.03質量部添加し、pH5.5および30℃の環境下で4時間処理後に、0.4%濃度のパルプスラリーとした。これを、長網抄紙
機を使用して、坪量45g/m2の挿間紙を得た。
前記エステラーゼの代わりに、エステラーゼを含むピッチコントロール剤(商品名「OPTIMYZE 525」、バックマンラボラトリーズ株式会社製)を400ppm添加
する以外は実施例1と同様にして、坪量45g/m2の挿間紙を得た。ここで使用したピッチコントロール剤は、前記フェノール系非粘着化処理剤ではない。
前記エステラーゼに加えてさらに、非粘着化処理剤としての前記フェノール系非粘着化処理剤(栗田工業製、商品名「スパンプラス520」)300ppmをエステラーゼと同時に使用した以外は実施例1と同様にして、坪量45g/m2の紙を得た。
前記エステラーゼを使用しない以外は実施例1と同様にして、坪量45g/m2の紙を得た。
前記エステラーゼの代わりに界面活性剤(商品名ペレミンAO−15、ミヨシ油脂株式会社)を1000ppm添加した以外は実施例1と同様にして、坪量45g/m2の紙を得た。
前記エステラーゼの代わりに水溶性ポリマー系ピッチコントロール剤(油化産業社製 商品名:ディタックDC3970)を1000ppm添加した以外は実施例1と同様にして、坪量45g/m2の紙を得た。ここで使用したピッチコントロール剤は、非フェノール系化合物であって前記フェノール系非粘着化処理剤ではない。
各実施例及び比較例の挿間紙について、下記方法により性能を評価した。その結果を下記表1に示す。尚、評価対象の各シートは、評価前にJIS P−8111に準じて処理を行なった後、評価に供した。
JIS K6911に準じて表面固有抵抗値を測定した。測定には超絶縁抵抗計432
9A(横河HEWLET−PACKARD製)を使用し、印過電圧1000Vで測定した。
150mm×150mm厚さ3mmの2枚のアクリル板に同じ寸法の挿間紙を挟み1時間静置する。1時間後水平面に対して垂直に立て、1枚の板を外したとき、挿間紙付着面垂直に立てた片方の板に挿間紙がずれずに残っている状態を◎、挿間紙とアクリル板の間に隙間ができる程度の状態を○、アクリル板から脱落してしまう状態を×とした。
評価対象の挿間紙を7枚用意し、その7枚のシートと、該シートと平面視形状が同形状同寸法の11枚のクラウンガラス板(松浪硝子製S9111)とを、それらの厚み方向に交互に積層し、その積層物を、該厚み方向(積層方向)を垂直方向に一致させて平坦な床の上に載置し、温度23℃湿度50%RHの環境下に16時間放置した。その後、11枚の保護対象物のうち最上部に位置するものを除き、残りの10枚の保護対象物それぞれの
表面(挿間紙との接触面)を目視で観察し、それら表面の全てに粘着異物が付着した跡を確認できなかった場合を◎、1〜2か所のみ目視で確認できる跡が確認できるが流水洗浄で除去可能だった場合を○、それ以外の場合を×とした。
Claims (7)
- 製紙原料およびエステラーゼを含み、表面固有抵抗値が1×1012Ω/□以上である挿間紙。
- 前記製紙原料に古紙原料を含む、請求項1に記載の挿間紙。
- 前記古紙原料が粘着剤を含む、請求項2に記載の挿間紙。
- さらに、前記挿間紙中の粘着性含有成分の粘着性を低下させる非粘着化処理剤を含み、該非粘着化処理剤がフェノール系樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の挿間紙。
- 合紙である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の挿間紙。
- 金属板用合紙、回路基板用合紙、印刷版用合紙又はガラス板用合紙である、請求項5に記載の挿間紙。
- 製紙原料を含む挿間紙を製造する方法であって、製造過程でエステラーゼが添加される、挿間紙の製造方法。
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