JP6610375B2 - 接着剤および複合接合体 - Google Patents
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Description
しかしながら、表面粗度の小さい銅箔は樹脂基材との接着力が弱く、細密回路では接着力が不足し、高密度化への障害となっている。
しかしながら、これらの方法では、耐湿性や耐熱性等の、接着特性の耐環境安定性は改善されるものの、初期の接着強度そのものは、電解銅箔の粗化処理によるアンカ−効果の低減分を十分に補うことができるものではなかった。
しかし、これらの接着剤を使用して、表面粗度の小さい銅箔とポリイミド系フィルムとを強固に接着するためには、例えば、ポリアミド/エポキシ系接着剤を使用する場合において、予め銅箔表面をアミノシランカップリング剤で処理する必要があった(特許文献7)。
(1)金属層と耐熱性樹脂層との接着に用いられる接着剤であって、
芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、全重合体ブロック(A)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比wA:wBが30:70〜60:40であるブロック共重合体(C)の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物(D)に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とする接着剤。
(2)変性ブロック共重合体水素化物(E)100重量部に対して、シランカップリング剤が0.1〜10重量部の割合で配合されてなる、(1)に記載の接着剤。
(3)沸点90℃以上の有機溶剤をさらに含み、変性ブロック共重合体水素化物(E)100重量部が、前記沸点90℃以上の有機溶剤に100〜1000重量部の割合で溶解されてなる、(1)又は(2)に記載の接着剤。
(4)耐熱性樹脂層と金属層とが、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の接着剤で接着されてなる複合接合体。
1)接着剤
本発明の接着剤は、金属層と耐熱性樹脂層との接着に用いられる接着剤であって、
芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、全重合体ブロック(A)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比wA:wBが30:70〜60:40であるブロック共重合体(C)の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物(D)に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とするものである。
ブロック共重合体(C)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体である。
重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位が少なすぎると、接着剤の耐熱性が低下するおそれがある。
芳香族ビニル化合物と共重合させることができる鎖状共役ジエン及びその他のビニル化合物としては、後述する重合体ブロック(B)の構造単位となる鎖状共役ジエン及びその他のビニル化合物と同様のものがあげられる。
鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位が上記範囲にあると、接着剤の接着性が優れる。
ブロック共重合体(C)のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるものが、機械的強度に優れ好ましい。ブロック共重合体(C)の最も好ましい形態は、重合体ブロック(B)の両端に重合体ブロック(A)が結合した、(A)−(B)−(A)型のトリブロック共重合体である。
複数の重合体ブロック(A)同士は、互いに同一であっても、相異なっていても良い。また、重合体ブロック(B)が複数有る場合には、重合体ブロック(B)同士は、互いに同一であっても、相異なっていても良い。
ブロック共重合体水素化物(D)は、上記のブロック共重合体(C)の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られる高分子である。その水素化率は通常90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、耐酸化劣化性や耐光性の良好な接着剤が得られる。
ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率は、ブロック共重合体水素化物(D)の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
変性ブロック共重合体水素化物(E)は、上記のブロック共重合体水素化物(D)に、アルコキシシリル基が導入されることにより得られたものである。
ブロック共重合体水素化物(D)にアルコキシシリル基を導入することにより、金属層及び耐熱性樹脂層に対する強固な接着性を付与することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物(D)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
本発明の変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分として含有する接着剤は、金属層および耐熱性樹脂層との接着性に優れるものである。
本発明の接着剤において、変性ブロック共重合体水素化物(E)の含有量は、表面粗度の小さい金属層と耐熱性樹脂層とを強固に接着する観点から、通常9重量%以上、好ましくは11重量%以上、より好ましくは14重量%以上である。
アミノシラン系カップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、多価アクリル酸エステル、多価メタクリル酸エステル等が挙げられる。これらの架橋助剤は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋助剤の配合量は、変性ブロック共重合体水素化物(E)100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。この範囲であれば、接着剤の耐熱変形性を改善し、誘電率の増大を小さく抑えることができる。
架橋剤の使用量は変性ブロック共重合体水素化物[E]100重量部に対して、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。この範囲であれば接着剤の耐熱変形性を改善し、誘電率の増大を小さく抑えることができる。
有機溶剤としては、変性ブロック共重合体水素化物(E)を溶解する有機溶剤が使用できる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族系溶剤;デカリン等の飽和炭化水系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;リモネン等のテルペン系溶剤;シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;等が挙げられる。
これらの有機溶剤はそれぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、基材へ塗布された接着剤からの溶剤の揮発性及び塗布工程での作業性の観点から、沸点(1気圧=1024hPaにおける沸点)90℃以上の有機溶剤が好ましく、沸点が100〜150℃の有機溶剤が特に好ましい。これらの溶剤には、沸点が90℃を下まわる有機溶剤を混合して使用することもできる。
本発明の接着剤が、接着性に優れることは、例えば、実施例に記載のようにして測定される剥離強度が4N/cm以上であることから、確認することができる。本発明の接着剤が低誘電率で電気絶縁性に優れることは、例えば、実施例に記載の、空洞共振器摂動法(ASTM D2520)により測定される、5GHzにおける誘電率が、2.5以下であり、誘電正接が0.002以下であることから、確認することができる。
本発明の有機溶剤を含む接着剤は、通常、耐熱性樹脂層及び/又は金属層に塗布した後、溶剤を揮発除去して接着剤を塗膜状にして使用する。
本発明の接着剤の塗膜が形成された耐熱性樹脂層及び/又は金属層は、塗膜面にもう一方の被着体である金属層及び/又は耐熱性樹脂層を積層して、加熱及び加圧することにより、耐熱性樹脂層と金属層が本発明の接着剤で接着された複合接合体となる。
温度、圧力及び時間がこの範囲であれば、耐熱性樹脂層と金属層との良好な接着性が得られる。
セラミック層は、通常、無機粉末に、適宜、焼結助剤や、有機溶媒や水等の混合用補助剤を配合して均一混合物として、プレス成形等により成形品とし、さらに、混合補助剤を乾燥、加熱等により除去した後、焼成して焼結させて製造されるシート状のものが使用できる。
本発明の複合接合体は、耐熱性樹脂層と金属層とが本発明の接着剤で接着されてなることを特徴とする。
本発明の複合接合体の金属層は、本発明の接着剤で接着する被着体である。当該金属層としては、基材の上に鍍金や蒸着等の方法により積層された金属層、基材の上に接着剤で金属箔が接着された金属層、金属からなる単層又は多層のシート状のもの等が挙げられる。また、金属層は電気回路のように基材の上に線状や面状のパターンが形成されたものであってもよい。
本発明の複合接合体の耐熱性樹脂層は、本発明の接着剤で接着する被着体である。当該耐熱性樹脂層は、通常180℃以上、好ましくは220℃以上、より好ましくは260℃以上の耐熱変形性を有する耐熱性樹脂からなる層である。
耐熱変形性は、JIS K7919−1法(プラスチック−荷重たわみ温度の求め方)に従って求められる荷重たわみ温度で評価できる。
耐熱性樹脂の荷重たわみ温度が上記範囲であれば、電気絶縁材料等として有用である。
耐熱性樹脂層を構成する耐熱性樹脂の具体例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルルイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明の複合接合体は、耐熱性樹脂層と金属層が本発明の接着剤で接着されてなる積層体である。
本発明の複合接合体は、少なくとも、耐熱性樹脂層、接着剤層及び金属層をこの順で有する積層体であれば、その層構成に特に制限されない。
本発明の複合接合体の具体例としては、ポリイミド樹脂層/接着剤層/銅層、液晶ポリマー層/接着剤層/銅層、ポリエーテルサルホン樹脂層/接着剤層/銅層、等のような3層の複合接合体;銅層/接着剤層/ガラス繊維・エポキシ樹脂層/接着剤層/銅層、銅層/接着剤層/ポリイミド樹脂層/接着剤層/銅層等のような5層の積層体;等が挙げられる。
・ステップ(I):まず、耐熱性樹脂フィルム及び/又は金属箔に、有機溶剤を含む本発明の接着剤(接着剤溶液)を塗布し、得られた塗膜から溶剤を蒸発除去させ、接着剤層を形成する。溶剤を蒸発除去した後の接着剤の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは8〜70μm、より好ましくは10〜50μmである。
・ステップ(II):次いで、接着剤層(本発明の接着剤の塗膜)が形成された耐熱性樹脂層及び/又は金属層の接着剤層面と、もう一方の被着体である金属層及び/又は耐熱性樹脂層とを積層して、積層物を得る。
・ステップ(III):次いで、得られた積層物を加熱及び加圧することにより、耐熱性樹脂層と金属層が本発明の接着剤で接着された複合接合体を得ることができる。
温度、圧力及び時間がこの範囲であれば、耐熱性樹脂層と金属層との良好な接着性が得られる。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定
ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の分子量は、GPCにより38℃において測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率の測定
ブロック共重合体水素化物[D]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
離形性PETフィルム(厚さ100μm)上に、接着剤層の厚みが20〜30μmになるように接着剤溶液を塗布し、イナートオーブン中で溶剤を蒸発除去させた。離形性PETフィルムから接着剤層を剥がし、接着剤層を多数重ねて、140℃で真空プレス成形して、厚み700〜760μmの接着剤シートを成形した。得られた接着剤シートを、イナートオーブン中で、150℃で1時間加熱処理して揮発成分を除去させ、誘電率、誘電正接を評価する試料とした。
この接着剤シートから、縦80mm、横1.5mmの試験片を作製し、空洞共振器摂動法(ASTM D2520)より、5GHzにおける誘電率、誘電正接を測定した。
耐熱性樹脂層と接着剤の接着性、及び金属層と接着剤の接着性を、以下のようにして評価した。
耐熱性樹脂フィルム(厚み50〜150μm)又は金属箔(厚み10〜50μm)の片面に、部分的に接着剤を塗布しない箇所を残し、溶剤を除去させた後の接着剤層の厚みが10〜20μmになるように接着剤溶液を塗布し、イナートオーブン中で溶剤を蒸発除去させた。
接着剤を塗布した耐熱性樹脂フィルム又は金属箔を、接着剤を塗布していない箇所を含み、接着剤の塗布面が幅15mm×長さ150mmの大きさになるように切断して試験片とした。次に、この試験片2枚を、接着剤塗布面を対向させて重ね合わせ、所定の条件で加熱加圧して接着して剥離強度測定用の試験片を作製した。
耐熱性樹脂フィルム又は金属箔の接着剤を塗布していない部分を引張り試験機(製品名「AGS−10KNX」、島津製作所社製)に固定し、剥離速度100mm/分で、JIS K 6854−2に準じて180°剥離試験を行い、剥離強度を測定した。
接着性は、剥離強度が4N/cm以上の場合、接着性は良好(○)、4N/cmを下回る場合は不十分(×)と評価した。
WO2012/043708号パンフレット及び/又はWO2014/077267号パンフレットに記載の方法を参考にして、ブロック共重合体水素化物(D1)(重量平均分子量(Mw):55,200、分子量分布(Mw/Mn):1.05、水素化率:ほぼ100%)100部に対して、ビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したアルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物(E1)を製造した。
変性ブロック共重合体水素化物(E1)には、上記特許文献に記載の方法と同様にして、変性ブロック共重合体水素化物(E1)100部に対して、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を配合して、変性ブロック共重合体水素化物(E1)のペレットを得た。
製造例1で得た変性ブロック共重合体水素化物(E1)のペレット100部を、トルエン(沸点110℃)300部に溶解させた後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越シリコーン社製)1部を添加して溶解させ、接着剤(F1)溶液を製造した。
使用した耐熱性樹脂フィルムは、ポリイミドフィルム(製品名「カプトン(登録商標) 200H」、厚さ50μm、東レ・デュポン社製)、ポリエーテルサルホンフィルム(製品名「スミライト(登録商標) FS−1300」、厚さ100μm、住友ベークライト社製)、及び、液晶ポリマーフィルム(製品名「ベクスター(登録商標) CT−Z」、厚さ100μm、クラレ社製)である。また、使用した金属箔は、アルミニウム箔(材質(JIS H 4160合金番号):1N30、厚さ30μm)、銅箔(商品名「FV−WS」、厚さ18μm、最大高さ粗さRz:1.5μm、古河電工社製)、及び、ステンレス箔(材質SUS304、厚さ50μm)である。
その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、温度150℃、圧力0.8MPaで30分間加熱加圧し、耐熱性樹脂フィルム/接着剤(F1)層/耐熱性樹脂フィルム又は金属箔/接着剤(F1)層/金属箔からなる複合接合体を製造した。
その結果、各層に対する接着力の値及びその評価は、接着剤(F1)/ポリイミド層間では24N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F1)/ポリエーテルサルホン層間では13N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F1)/液晶ポリマー層間では11N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F1)/アルミニウム層間では14N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F1)/銅層間では18N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、また、接着剤(F1)/ステンレス層間では15N/cmであり、接着性の評価は良好(○)であった。
この複合接合体の剥離試験を実施すると、銅箔と接着剤(F1)層の界面で剥離し、剥離強度は18N/cmであり、接着性は良好(〇)であった。
この複合接合体を、オーブン中で260℃に60秒間保持したところ、外観上の大きな変形は無かったが、ポリイミドフィルムと銅箔の間に部分的な剥離が認められ、必ずしも十分な耐熱性を示してはいなかった。
製造例1で得た変性ブロック共重合体水素化物(E1)のペレット100部を、トルエン300部に溶解させた後、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越シリコーン社製)1部、トリアリルイソシアヌレート(製品名「TAIC(登録商標)」、日本化成社製)3部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製)0.2部加えて、均一に混合して、接着剤(F2)溶液を製造した。
その結果、各層に対する接着力は、接着剤(F2)/ポリイミド層間では26N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F2)/ポリエーテルサルホン層間では14N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F2)/液晶ポリマー層間では15N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F2)/アルミニウム層間では13N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F2)/銅層間では16N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、また、接着剤(F2)/ステンレス層間では14N/cmであり、接着性の評価は良好(○)であった。
また、この複合接合体を、オーブン中で260℃に60秒間保持したが、試験片の外観上の異常は認められず、接着剤(F2)の耐熱性が高いことが確認された。
製造例1で得た変性ブロック共重合体水素化物(E1)のペレット100部を、シクロヘキサン(沸点80℃)300部に溶解させた後、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越シリコーン社製)1部、トリアリルイソシアヌレート(製品名「TAIC(登録商標)」、日本化成社製)2部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部加えて、均一に混合して、接着剤(F3)溶液を製造した。
その結果、各層に対する接着力は、接着剤(F3)/ポリイミド層間では25N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F3)/ポリエーテルサルホン層間では14N/cm、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F3)/液晶ポリマー層間では11N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F3)/アルミニウム層間では15N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、接着剤(F3)/銅層間では20N/cmであり、接着性の評価は良好(○)、また、接着剤(F3)/ステンレス層間では17N/cmであり、接着性の評価は良好(○)であった。
また、この複合接合体を、オーブン中で260℃に60秒間保持したが、試験片の外観上の異常は認められず、接着剤(F3)の耐熱性が高いことが確認された。
アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とする接着剤は、耐熱性樹脂層及び金属層に対する良好な接着性及び高周波領域でも良好な電気特性(低誘電率、低誘電正接)を示す(実施例1〜3)。
アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とする接着剤は、表面粗度の小さい金属面に対しても良好な接着性を示す(実施例1〜3の銅箔との接着例)。
アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とする接着剤を使用することで、耐熱性樹脂層と金属層の複合接合体を製造できる(実施例1〜3)。
アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物(E)に架橋助剤を配合した接着剤は、リフロー半田工程に対応した260℃の熱処理に対しても十分な耐熱性を有する(実施例2、3)。
アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とする接着剤を溶液として使用する場合、沸点が90℃以上の有機溶剤を使用することにより、基材へ接着剤を塗布する工程での、発泡等の外観上の不良が低減される(実施例1、2と実施例3の比較)。
Claims (3)
- 耐熱性樹脂層と金属層との接着に用いられる接着剤であって、
芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、全重合体ブロック(A)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)がブロック共重合体(C)全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比wA:wBが30:70〜60:40であるブロック共重合体(C)の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物(D)に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物(E)を主成分とし、沸点90℃以上の有機溶剤をさらに含み、
変性ブロック共重合体水素化物(E)100重量部が、前記沸点90℃以上の有機溶剤100〜1000重量部に溶解されてなる接着剤。 - 変性ブロック共重合体水素化物(E)100重量部に対して、シランカップリング剤が0.1〜10重量部の割合で配合されてなる、請求項1に記載の接着剤。
- 耐熱性樹脂層と金属層とが、請求項1又は2に記載の接着剤で接着されてなる複合接合体。
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