JP2021070269A - 積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層体中における封止物の変形を抑制可能な積層体を提供する。【解決手段】アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物が封止されてなる封止層と、封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体である。封止層の厚みをd1とし、アルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd2,d3とし、封止物の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、積層体及び積層体の製造方法に関する。
従来から、太陽電池モジュール用封止材、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子用封止材、電子部品用封止材、及び合わせガラス中間膜等の作製に、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロックと、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロックとを有するブロック共重合体に対して、水素化反応を施して得られる重合体(ブロック共重合体水素化物)が用いられている。
例えば、特許文献1では、有機EL素子封止体の製造方法において、芳香族ビニルブロック及び鎖状共役ジエンブロックを含むブロック共重合体を水素化して得たブロック共重合体水素化物に、アルコキシシリル基が導入されてなる樹脂からなるシート状の封止材を接着一体化させることを含む、有機EL素子封止体の製造方法が提案されている。
また、特許文献2では、芳香族ビニルブロック及び鎖状共役ジエンブロックを含むブロック共重合体を水素化して得たブロック共重合体水素化物から成るフィルムの1面又は両面に、紫外線吸収剤と、アルコキシシリル基が導入されてなるブロック共重合体水素化物とを含む樹脂組成物から成る層が積層されてなる多層フィルムが提案されている。さらに、特許文献2では、かかる構成を満たす多層フィルムが、偏光フィルムの偏光子保護フィルム等の光学用フィルムとして有用である点が開示されている。
また、特許文献2では、芳香族ビニルブロック及び鎖状共役ジエンブロックを含むブロック共重合体を水素化して得たブロック共重合体水素化物から成るフィルムの1面又は両面に、紫外線吸収剤と、アルコキシシリル基が導入されてなるブロック共重合体水素化物とを含む樹脂組成物から成る層が積層されてなる多層フィルムが提案されている。さらに、特許文献2では、かかる構成を満たす多層フィルムが、偏光フィルムの偏光子保護フィルム等の光学用フィルムとして有用である点が開示されている。
ここで、封止対象物(以下「封止物」と称する。)を内部に封止して成る積層体には、積層体を加熱した場合であっても、積層体中において封止物が変形することを抑制可能であることが必要とされている。しかし、上記の従来技術に係る方途によっては、得られる積層体中における封止物の変形を十分に抑制することができなかった。
そこで、本発明は、積層体中における封止物の変形を抑制可能な積層体、及び、及びかかる積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した。その結果、封止物が樹脂中に封止されてなる積層体を形成するにあたり、アルコキシシリル基を有さない、所定のブロック共重合体水素化物を含む樹脂が封止物に対して隣接し、さらに、その外側にアルコキシシリル基を有する所定のブロック共重合体水素化物を含む樹脂より成る層を配置することで、積層体中に封止された封止物に変形が生じることを効果的に抑制可能であることを見出して、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の積層体は、 アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物が封止されてなる封止層と、前記封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体であって、前記樹脂Iに含まれる前記ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]であり、前記樹脂IIに含まれる前記アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]であり、前記構造単位[a−1]と前記構造単位[a−2]、前記重合体ブロック[A−1]と前記重合体ブロック[A−2]、前記構造単位[b−1]と前記構造単位[b−2]、前記重合体ブロック[B−1]と前記重合体ブロック[B−2]、前記ブロック共重合体[C−1]と前記ブロック共重合体[C−2]、及び、前記ブロック共重合体[D−1]と前記ブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよく、前記封止層の厚みをd1とし、前記2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd2、他方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd3とし、前記封止物の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下であることを特徴とする。このような構成を有する積層体は、積層体中における封止物の変形を抑制可能である。
ここで、本発明の積層体において、前記封止層の表面から前記封止物の表面までの最短距離をd4、前記封止層の裏面から前記封止物の裏面までの最短距離をd5として、d4/d5の値が0.33以上3.00以下であることが好ましい。封止層中における封止物の厚み方向における位置がかかる条件を満たす範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に抑制することができる。
さらに、本発明の積層体において、前記ブロック共重合体[C−1]中の前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の全量が、前記ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwa−1、前記鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の全量が、前記ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwb−1としたときに、wa−1とwb−1との比(wa−1:wb−1)が、20:80〜65:35であり、前記ブロック共重合体[C−2]中の前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]の全量が、前記ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwa−2、前記鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]の全量が、前記ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwb−2としたときに、wa−2とwb−2との比(wa−2:wb−2)が、20:80〜65:35であり、前記wa−1と前記wa−2、及び、前記wb−1とwb−2が、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。封止層及びアルコキシシリル基含有樹脂層を構成する樹脂が、それぞれ上記条件を満たすような組成を有していれば、積層体中における封止物の変形を一層低減することができる。
また、本発明の積層体において、前記アルコキシシリル基含有樹脂層の厚みd2及びd3が、それぞれ独立して、1μm以上400μm以下の範囲内の何れかの値であり、前記封止層の厚みd1が200μm以上2,000μm以下である、ことが好ましい。積層体の構造がかかる条件を満たしていれば、積層体中における封止物の変形を一層低減することができる。
また、本発明の積層体において、前記封止物の厚みd6が、10μm以上500μm以下であることが好ましい。封止物の厚みが上記範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層低減することができる。
また、本発明の積層体において、前記封止物が板状体であり、該封止物の構成材料が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリアクリロニトリル樹脂を含む樹脂;フロートガラス、熱強化ガラス、又は化学強化ガラスを含むガラス、ステンレス鋼、アルミ、又は銅を含む金属、並びにこれらが組み合わされてなる複合体のうちの何れかを含むことが好ましい。封止物が板状体であり、また、封止物の構成材料が、樹脂、ガラス、金属、又はこれらの複合体を含んでいれば、積層体中における封止物の変形を一層低減することができる。
なお、本明細書において「板状体」とは、平板状の物体のみならず、表面及び裏面の一方又は両方に、凹凸を有する形状も含む板状の物体をも含む概念である。
なお、本明細書において「板状体」とは、平板状の物体のみならず、表面及び裏面の一方又は両方に、凹凸を有する形状も含む板状の物体をも含む概念である。
また、本発明の積層体において、前記樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層の、前記封止層に対して隣接する面とは反対側の面に隣接して、それぞれ配置された基材を更に備えていてもよい。両面に基材を備える積層体は、種々の用途に好適に適用することができる。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の積層体の製造方法は、アルコキシシリル基を有さない樹脂I中に封止物が封止されてなる封止層と、前記封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体の製造方法であって、前記アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−1)、前記樹脂Iより成る層(1−1)、前記封止物、前記樹脂Iより成る層(1−2)、及び前記アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−2)がこの順に積層されてなる積層物を、加熱し一体化する工程を含み、前記樹脂Iが、ブロック共重合体水素化物を含み、該ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]であり、前記アルコキシシリル基含有樹脂IIが、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含み、該アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]であり、前記構造単位[a−1]と前記構造単位[a−2]、前記重合体ブロック[A−1]と前記重合体ブロック[A−2]、前記構造単位[b−1]と前記構造単位[b−2]、前記重合体ブロック[B−1]と前記重合体ブロック[B−2]、前記ブロック共重合体[C−1]と前記ブロック共重合体[C−2]、及び、前記ブロック共重合体[D−1]と前記ブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよく、前記樹脂Iより成る層(1−1)の厚みを(t1−1)、前記樹脂Iより成る層(1−2)の厚みを(t1−2)、前記樹脂IIより成る層(2−1)の厚みを(t2−1)、前記樹脂IIより成る層(2−2)の厚みを(t2−2)、及び前記封止物の厚みをStとして、(t2−1)/(t1−1)、及び、(t2−2)/(t1−2)の値が、それぞれ独立して、0.01以上1.10以下の範囲内であり、且つ、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.20以下である、ことを特徴とする。上記のような所定の組成を満たす層を含んで成る所定の積層物を、加熱し一体化する工程を実施して積層体を構成することにより、積層体中における封止物の変形が少ない、積層体を良好に製造することができる。
ここで、本発明の積層体の製造方法において、(t1−1)/(t1−2)の値が0.33以上3.00以下であることが好ましい。樹脂Iより成る層(1−1)の厚みと、樹脂Iより成る層(1−2)の厚みとの間の相対関係が上記の範囲内であれば、封止層中における封止物の厚み方向の位置を適切な範囲に制御することができ、得られる積層体中において封止物が変形することを一層良好に抑制することができる。
本発明によれば、積層体中における封止物の変形を抑制可能な積層体、及び、及びかかる積層体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において図面を参照することがあるが、同じ構成要素については、同じ参照符号を付して示す。まず、本発明の積層体について説明した後に、かかる積層体を好適に製造可能な本発明の積層体の製造方法について説明する。本発明の積層体は、例えば、自動車、船舶、鉄道、及び建材に用いられる窓部材として、あるいは、電子部品を内部にしてなる封止体として、好適に用いることができる。
(積層体)
本発明の積層体は、ブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物が封止されてなる封止層と、当該封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層とを備える積層体である。さらに、本発明の積層体においては、樹脂Iに含まれるブロック共重合体水素化物が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]である。さらにまた、本発明の積層体においては、樹脂IIに含まれるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]である。そして、構造単位[a−1]と構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−1]と重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−1]と構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−1]と重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−1]とブロック共重合体[C−2]、及び、ブロック共重合体[D−1]とブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。さらに、封止層の厚みをd1とし、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd2、他方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd3とし、封止物の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下であることを特徴とする。
かかる条件を満たす構成を有する積層体では、封止物の変形が少ない。以下、本発明の一例に係る積層体の構造及び積層体を構成する各構成部について、詳細に説明する。
本発明の積層体は、ブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物が封止されてなる封止層と、当該封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層とを備える積層体である。さらに、本発明の積層体においては、樹脂Iに含まれるブロック共重合体水素化物が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]である。さらにまた、本発明の積層体においては、樹脂IIに含まれるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]である。そして、構造単位[a−1]と構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−1]と重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−1]と構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−1]と重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−1]とブロック共重合体[C−2]、及び、ブロック共重合体[D−1]とブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。さらに、封止層の厚みをd1とし、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd2、他方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd3とし、封止物の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下であることを特徴とする。
かかる条件を満たす構成を有する積層体では、封止物の変形が少ない。以下、本発明の一例に係る積層体の構造及び積層体を構成する各構成部について、詳細に説明する。
<積層体における各層の厚み>
図1に、本発明の一例に係る基材付き積層体の概略構成を示す。基材付き積層体100は、積層体10を含む。積層体10は、封止物3が樹脂I中に封止されてなる封止層1と、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成るアルコキシシリル基含有樹脂層2と、を備える。そして、かかる構成を有する積層体10は、表面及び裏面に隣接配置された基材11を備える。ここで、封止層1の厚みをd1とし、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方(図1では上側)のアルコキシシリル基含有樹脂層2の厚みをd2、他方(図1では下側)のアルコキシシリル基含有樹脂層2の厚みをd3とし、封止物3の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下である。
図1に、本発明の一例に係る基材付き積層体の概略構成を示す。基材付き積層体100は、積層体10を含む。積層体10は、封止物3が樹脂I中に封止されてなる封止層1と、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成るアルコキシシリル基含有樹脂層2と、を備える。そして、かかる構成を有する積層体10は、表面及び裏面に隣接配置された基材11を備える。ここで、封止層1の厚みをd1とし、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方(図1では上側)のアルコキシシリル基含有樹脂層2の厚みをd2、他方(図1では下側)のアルコキシシリル基含有樹脂層2の厚みをd3とし、封止物3の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下である。
ここで、d1/d6の値が、2.45以上であることが好ましく、2.50以上であることがより好ましく、5.50以下であることが好ましく、5.00以下であることがより好ましい。
また、(d2+d3)/d1の値が1.05以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。
積層体10の構造がかかる条件を満たしていれば、積層体10中における封止物3の変形を一層良好に低減することができる。
また、(d2+d3)/d1の値が1.05以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。
積層体10の構造がかかる条件を満たしていれば、積層体10中における封止物3の変形を一層良好に低減することができる。
さらに、封止層1の表面から封止物3の表面までの最短距離をd4、封止層1の裏面から封止物3の裏面までの最短距離をd5として、d4/d5の値が0.33以上であることが好ましく、0.35以上であることがより好ましく、3.00以下であることが好ましく、2.50以下であることがより好ましく、2.40以下であることが更に好ましい。d4/d5の値は、封止層1中における封止物3の厚み方向における位置を規定し得るパラメータである。すなわち、d4/d5の値が1に近いほど、封止層1中において、厚み方向中央付近に封止物3が配置されている構造であることを意味する。そして、d4/d5の値がかかる条件を満たす範囲内であれば、封止層1中において、厚み方向上側又は下側に過度に偏って封止物3が配置されていない。このため、積層体中における封止物3の変形を一層良好に抑制することができる。
さらに、アルコキシシリル基含有樹脂層2の厚みd2及びd3が、それぞれ独立して、1μm以上400μm以下の範囲内の何れかの値であることが好ましい。さらに、厚みd2及びd3が、それぞれ独立して、5μm以上100μm以下の範囲内の何れかの値であることがより好ましい。
さらにまた封止層1の厚みd1が、200μm以上であることが好ましく、600μm以上であることがより好ましく、2,000μm以下であることが好ましく、1,400μm以下であることが好ましく、1,000μm以下であることがより好ましい。
そして、封止物3の厚みd6が、10μm以上500μm以下であることが好ましい。
積層体10の構造がかかる条件を満たしていれば、積層体10中における封止物3の変形を一層良好に低減することができる。
さらにまた封止層1の厚みd1が、200μm以上であることが好ましく、600μm以上であることがより好ましく、2,000μm以下であることが好ましく、1,400μm以下であることが好ましく、1,000μm以下であることがより好ましい。
そして、封止物3の厚みd6が、10μm以上500μm以下であることが好ましい。
積層体10の構造がかかる条件を満たしていれば、積層体10中における封止物3の変形を一層良好に低減することができる。
なお、封止物3は、板状体でありうる。板状体の封止物3が表面及び裏面の一方又は両方に、凹凸を有する形状を有する場合には、表面及び裏面間の最大距離が、板状体の厚みd1に相当する。
<封止層>
封止層1は、ブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物3が封止されてなる構造を有する。ブロック共重合体水素化物を含む樹脂Iは、樹脂IIとは異なり、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含まない。このため、積層体10中にて、封止物3が変形することを良好に抑制することができる。
封止層1は、ブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物3が封止されてなる構造を有する。ブロック共重合体水素化物を含む樹脂Iは、樹脂IIとは異なり、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含まない。このため、積層体10中にて、封止物3が変形することを良好に抑制することができる。
<<樹脂I>>
樹脂Iは、アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含み、任意で、添加剤を含有し得る。
樹脂Iに含まれるブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]である。
樹脂Iは、アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含み、任意で、添加剤を含有し得る。
樹脂Iに含まれるブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]である。
以下、重合体ブロック[A−1]、重合体ブロック[B−1]、ブロック共重合体[C−1]、ブロック共重合体水素化物[D−1]、添加剤の順に、詳細に説明する。
[重合体ブロック[A−1]]
重合体ブロック[A−1]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする重合体ブロックである。ここで、「芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする」とは、「重合体ブロック[A−1]中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量が、50質量%超である」ことを意味する。重合体ブロック[A−1]中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。重合体ブロック[A−1]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量が上記下限以上であれば、封止層1は良好な耐熱性を有する。なお、重合体ブロック[A−1]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位[b−1]及び/又はその他の構造単位が挙げられる。構造単位[b−1]及び/又はその他の構造単位の含有量は、重合体ブロック[A−1]に対し、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
重合体ブロック[A−1]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする重合体ブロックである。ここで、「芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする」とは、「重合体ブロック[A−1]中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量が、50質量%超である」ことを意味する。重合体ブロック[A−1]中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。重合体ブロック[A−1]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の含有量が上記下限以上であれば、封止層1は良好な耐熱性を有する。なお、重合体ブロック[A−1]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位[b−1]及び/又はその他の構造単位が挙げられる。構造単位[b−1]及び/又はその他の構造単位の含有量は、重合体ブロック[A−1]に対し、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
ブロック共重合体[C−1]に含まれる複数の重合体ブロック[A−1]中の構造単位の組成及びブロック長は、上記の範囲を満足するものであれば、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
<重合体ブロック[B−1]>
重合体ブロック[B−1]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする重合体ブロックである。ここで、「鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする」とは、「重合体ブロック[B−1]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量が、50質量%超である」ことを意味する。重合体ブロック[B−1]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。重合体ブロック[B−1]中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量が上記下限以上であれば、封止層1は良好な柔軟性及び耐衝撃性を有する。重合体ブロック[B−1]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]及び/又はその他の構造単位が挙げられる。構造単位[a−1]及び/又はその他の構造単位の含有量は、重合体ブロック[B−1]に対し、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
重合体ブロック[B−1]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする重合体ブロックである。ここで、「鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする」とは、「重合体ブロック[B−1]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量が、50質量%超である」ことを意味する。重合体ブロック[B−1]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。重合体ブロック[B−1]中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の含有量が上記下限以上であれば、封止層1は良好な柔軟性及び耐衝撃性を有する。重合体ブロック[B−1]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]及び/又はその他の構造単位が挙げられる。構造単位[a−1]及び/又はその他の構造単位の含有量は、重合体ブロック[B−1]に対し、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
ブロック共重合体[C−1]が重合体ブロック[B−1]を複数有する場合、重合体ブロック[B−1]中の構造単位の組成及びブロック長は、互いに同一であっても、相異なっていても良い。
ここで、上述した構造単位[a−1]を形成しうる芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類;4−クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン等の、置換基としてハロゲン原子を有するスチレン類;4−メトキシスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有するスチレン類;4−フェニルスチレン等の、置換基としてアリール基を有するスチレン類;等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性の観点から、スチレン、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンが特に好ましい。
また、上述した構造単位[b−1]を形成しうる鎖状共役ジエン系化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性の観点から、極性基を含有しない鎖状共役ジエン系化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
<ブロック共重合体[C−1]>
ブロック共重合体[C−1]は、ブロック共重合体水素化物[D−1]の前駆体であり、少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]とを含有する高分子である。
ブロック共重合体[C−1]は、ブロック共重合体水素化物[D−1]の前駆体であり、少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]とを含有する高分子である。
ブロック共重合体[C−1]中の重合体ブロック[A−1]の数は、通常3個以下、好ましくは2個である。ブロック共重合体[C−1]中の重合体ブロック[B−1]の数は、通常2個以下、好ましくは1個である。
ブロック共重合体[C−1]のブロックの形態は、特に限定されず、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるほうが、機械的強度に優れ好ましい。
ブロック共重合体[C−1]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B−1]の両端に重合体ブロック[A−1]が結合したトリブロック共重合体([A−1]−[B−1]−[A−1])である。
ブロック共重合体[C−1]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B−1]の両端に重合体ブロック[A−1]が結合したトリブロック共重合体([A−1]−[B−1]−[A−1])である。
ここで、ブロック共重合体[C−1]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の全量が、ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwa−1とし、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の全量が、ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwb−1としたときに、wa−1とwb−1との比(wa:wb)は、好ましくは20:80〜65:35、より好ましくは30:70〜60:40、更に好ましくは40:60〜55:45である。wa−1が多過ぎる場合は、封止層1の耐熱性は高くなるが、柔軟性は低下する虞がある。一方、wa−1が少な過ぎる場合には、封止層1の柔軟性は高くなるが、耐熱性が低下する虞がある。よって、wa−1の値を適切な範囲内とすることで、封止層1を構成する樹脂成分の耐熱性及び柔軟性を適切にバランスすることができ、結果的に、封止層1内に封止された封止物3が熱により変形することを効果的に抑制することができる。
なお、wa−1及びwb−1は、1H−NMRを測定することにより算出することができる。
なお、wa−1及びwb−1は、1H−NMRを測定することにより算出することができる。
そして、ブロック共重合体[C−1]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000以上、好ましくは38,000以上、より好ましくは40,000以上、通常200,000以下、好ましくは150,000以下、より好ましくは100,000以下である。また、ブロック共重合体[C−1]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.6以下である。Mw及びMw/Mnを上記範囲内とすれば、封止層1の耐熱性及び機械的強度が向上する。その結果、封止層1内に封止された封止物3が熱により変形することを効果的に抑制することができる。
ブロック共重合体[C−1]の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、ブロック共重合体[C−1]の製造方法としては、例えば、国際公開第2015/105127号等に記載の方法が挙げられる。
<ブロック共重合体水素化物[D−1]>
ブロック共重合体水素化物[D−1]は、ブロック共重合体[C−1]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体[C−1]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。なお、ブロック共重合体[C−1]中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
ブロック共重合体水素化物[D−1]は、ブロック共重合体[C−1]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体[C−1]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。なお、ブロック共重合体[C−1]中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
中でも、ブロック共重合体[C−1]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する場合、水素化率は、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。ブロック共重合体水素化物[D−1]の水素化率が上記下限以上であれば、封止層1が、透明性及び耐熱性に優れる。
ブロック共重合体水素化物[D−1]の、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、例えば、ブロック共重合体[C−1]及びブロック共重合体水素化物[D−1]の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
更に、ブロック共重合体水素化物[D−1]の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000以上、好ましくは38,000以上、より好ましくは40,000以上、通常200,000以下、好ましくは150,000以下、より好ましくは100,000以下である。また、ブロック共重合体水素化物[D−1]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.6以下である。Mw及びMw/Mnが上記範囲内であれば、封止層1の耐熱性及び機械的強度がより一層向上する。その結果、封止層1内に封止された封止物3が熱により変形することを効果的に抑制することができる。
[添加剤]
樹脂Iに配合し得る任意の添加材としては、特に限定されることなく、例えば、粘着性付与剤、接着性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、光安定剤等が挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂Iに配合し得る任意の添加材としては、特に限定されることなく、例えば、粘着性付与剤、接着性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、光安定剤等が挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
<<封止物>>
封止層1内に封止された封止物3は、構成材料が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリアクリロニトリル樹脂を含む樹脂;フロートガラス、熱強化ガラス、又は化学強化ガラスを含むガラス、ステンレス鋼、アルミ、又は銅を含む金属、並びにこれらが組み合わされてなる複合体のうちの何れかを含むことが好ましい。なお、上記列挙に係る樹脂と金属との複合体は、例えば、樹脂板の金属蒸着物、より具体的には、電子基板であり得る。そして、一例に係る積層体が、構成材料に、樹脂、ガラス、金属、又はこれらの複合体を含む封止物を含んでいれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
封止層1内に封止された封止物3は、構成材料が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリアクリロニトリル樹脂を含む樹脂;フロートガラス、熱強化ガラス、又は化学強化ガラスを含むガラス、ステンレス鋼、アルミ、又は銅を含む金属、並びにこれらが組み合わされてなる複合体のうちの何れかを含むことが好ましい。なお、上記列挙に係る樹脂と金属との複合体は、例えば、樹脂板の金属蒸着物、より具体的には、電子基板であり得る。そして、一例に係る積層体が、構成材料に、樹脂、ガラス、金属、又はこれらの複合体を含む封止物を含んでいれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
そして、封止物3は、上述した通り、厚みd6が、10μm以上500μm以下であることが好ましい。より具体的には、封止物3の構成材料が上記列挙に係る樹脂又は金属蒸着樹脂である場合には、封止物3の厚みd6は、20μm以上500μm以下であり得る。また、封止物3の構成材料が上記列挙に係るガラスである場合には、封止物3の厚みd6は、10μm以上500μm以下であり得る。さらにまた、封止物3の構成材料が上記列挙に係る金属である場合には、封止物3の厚みd6は、10μm以上500μm以下であり得る。
<アルコキシシリル基含有樹脂層>
アルコキシシリル基含有樹脂層2は、封止層1の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る層である。積層体がアルコキシシリル基含有樹脂層2を有していれば、かかるアルコキシシリル基含有樹脂層2により、基材等の被着体に対して良好に接着することができる。
アルコキシシリル基含有樹脂層2は、封止層1の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る層である。積層体がアルコキシシリル基含有樹脂層2を有していれば、かかるアルコキシシリル基含有樹脂層2により、基材等の被着体に対して良好に接着することができる。
<<樹脂II>>
樹脂IIは、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含み、任意で、添加剤を含有し得る。
樹脂IIに含まれるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]である。
ここで、構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−2]、及びブロック共重合体[D−2]については、上記<<樹脂I>>の項目で説明した、構造単位[a−1]、重合体ブロック[A−1]、構造単位[b−1]、重合体ブロック[B−1]、ブロック共重合体[C−1]、及びブロック共重合体[D−1]と同様のものを、好適に採用することができる。そして、構造単位[a−1]と構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−1]と重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−1]と構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−1]と重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−1]とブロック共重合体[C−2]、及び、ブロック共重合体[D−1]とブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
さらに、樹脂IIは、上記<<樹脂I>>の項目で説明した、任意の添加材を含有していてもよい。
樹脂IIは、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含み、任意で、添加剤を含有し得る。
樹脂IIに含まれるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]である。
ここで、構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−2]、及びブロック共重合体[D−2]については、上記<<樹脂I>>の項目で説明した、構造単位[a−1]、重合体ブロック[A−1]、構造単位[b−1]、重合体ブロック[B−1]、ブロック共重合体[C−1]、及びブロック共重合体[D−1]と同様のものを、好適に採用することができる。そして、構造単位[a−1]と構造単位[a−2]、重合体ブロック[A−1]と重合体ブロック[A−2]、構造単位[b−1]と構造単位[b−2]、重合体ブロック[B−1]と重合体ブロック[B−2]、ブロック共重合体[C−1]とブロック共重合体[C−2]、及び、ブロック共重合体[D−1]とブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
さらに、樹脂IIは、上記<<樹脂I>>の項目で説明した、任意の添加材を含有していてもよい。
さらにまた、ブロック共重合体[C−2]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]の全量が、ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwa−2、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]の全量が、ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwb−2としたときに、wa−2とwb−2との比(wa−2:wb−2)が、20:80〜65:35であることが好ましく、30:70〜60:40であることがより好ましく、40:60〜55:45であることが更に好ましい。
そして、ブロック共重合体[C−1]に関する上記質量分率である値wa−1、wb−1と、ブロック共重合体[C−2]に関する上記質量分率である値wa−2、wb−2とは、wa−1とwa−2、及び、wb−1とwb−2が、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
そして、ブロック共重合体[C−1]に関する上記質量分率である値wa−1、wb−1と、ブロック共重合体[C−2]に関する上記質量分率である値wa−2、wb−2とは、wa−1とwa−2、及び、wb−1とwb−2が、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
[ブロック共重合体[E]]
そして、ブロック共重合体[E]は、水素化物であるブロック共重合体[D−2]に対して、アルコキシシリル基を導入して成る高分子である。ブロック共重合体[E]がアルコキシシリル基を有することで、アルコキシシリル基含有樹脂層2が基材等の被着体に対して良好に接着することが可能になる。
そして、ブロック共重合体[E]は、水素化物であるブロック共重合体[D−2]に対して、アルコキシシリル基を導入して成る高分子である。ブロック共重合体[E]がアルコキシシリル基を有することで、アルコキシシリル基含有樹脂層2が基材等の被着体に対して良好に接着することが可能になる。
ここで、水素化物であるブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入する方法は特に限定されない。例えば、上述した水素化物であるブロック共重合体[D−2]に、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物を反応させることにより、水素化物であるブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入することができる。
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等の、トリ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、プロピルジエトキシシリル基等の、(炭素数1〜20アルキル)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基等の、(アリール)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;等が挙げられる。これらの内、基材に対するアルコキシシリル基含有樹脂層2の接着強度をより一層向上させる観点から、トリメトキシシリル基が特に好ましい。また、アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物に、炭素数1〜20のアルキレン基や、炭素数2〜20のアルキレンオキシカルボニルアルキレン基等の2価の有機基を介して結合していても良い。
水素化物であるブロック共重合体[D−2]へのアルコキシシリル基の導入量は、通常、ブロック共重合体水素化物100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。なお、アルコキシシリル基が導入されたことは、IRスペクトルで確認することができる。また、その導入量は、1H−NMRスペクトルにて算出することができる。
用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、ブロック共重合体水素化物とグラフト重合し、ブロック共重合体水素化物にアルコキシシリル基を導入するものであれば、特に限定されない。エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、等が好適に用いられる。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、水素化物であるブロック共重合体[D−2]100質量部に対して、通常0.1質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
有機過酸化物としては、1分間半減期温度が170℃以上190℃以下のものが好ましく使用される。例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
有機過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100質量部に対して、通常0.05質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.08質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
有機過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100質量部に対して、通常0.05質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.08質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。
上記のブロック共重合体水素化物とエチレン性不飽和シラン化合物とを、有機過酸化物の存在下で反応させる方法は、特に限定されない。例えば、二軸混練機にて所望の温度で所望の時間混練することにより、ブロック共重合体水素化物にアルコキシシリル基を導入することができる。具体的には、ブロック共重合体水素化物へのアルコキシシリル基の導入は、温度及び滞留時間を適宜調整しつつ、ブロック共重合体水素化物、エチレン性不飽和シラン化合物及び有機過酸化物を連続的に混練、押出しをすればよい。
<基材>
上述したアルコキシシリル基含有樹脂層2の封止層1に対して隣接する面とは反対側の面に隣接して配置された被着体としての基材は、所望の積層体の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、基材を構成する主たる材料としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の樹脂材料、ガラス、銅、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀、プラチナ、SiO2、SiN、Al2O3等の無機材料が挙げられる。また基材の構成材料としては、樹脂材料及び無機材料以外の成分を用いることもできる。更に、基材の作製には、樹脂材料と無機材料を併用することもできる。さらにまた、基材は、既知の方法に従って表面処理されたものであってもよい。
上述したアルコキシシリル基含有樹脂層2の封止層1に対して隣接する面とは反対側の面に隣接して配置された被着体としての基材は、所望の積層体の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、基材を構成する主たる材料としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の樹脂材料、ガラス、銅、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀、プラチナ、SiO2、SiN、Al2O3等の無機材料が挙げられる。また基材の構成材料としては、樹脂材料及び無機材料以外の成分を用いることもできる。更に、基材の作製には、樹脂材料と無機材料を併用することもできる。さらにまた、基材は、既知の方法に従って表面処理されたものであってもよい。
なお、基材の形状は特に限定されず、所望の用途に応じて決定すればよい。例えば、基材がシート状又は板状である場合、その厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.02mm以上10mm以下でありうる。また、シート状又は板状の基材の厚みは均一であっても不均一であっても良い。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体の製造方法は、アルコキシシリル基を有さない樹脂I中に封止物が封止されてなる封止層と、当該封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体の製造方法である。そして、本発明の製造方法は、図2に示すように、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−1)、樹脂Iより成る層(1−1)、封止物3、樹脂Iより成る層(1−2)、及びアルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−2)がこの順に積層されてなる積層物を、加熱し一体化する工程(加熱工程)を含むことを特徴とする。そして、樹脂Iより成る層(1−1)の厚みを(t1−1)、樹脂Iより成る層(1−2)の厚みを(t1−2)、樹脂IIより成る層(2−1)の厚みを(t2−1)、樹脂IIより成る層(2−2)の厚みを(t2−2)、及び封止物の厚みをStとして、(t2−1)/(t1−1)、及び、(t2−2)/(t1−2)の値が、それぞれ独立して、0.01以上1.10以下の範囲内であり、且つ、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.20以下である、ことを特徴とする。本発明の製造方法では、かかる構造的な条件を満たす積層物を、加熱し一体化する工程を含むため、積層体中における封止物の変形が少ない、積層体を良好に製造することができる。さらに、任意で、上記の積層物の両面を基材で挟んだ状態としてから、上記の加熱工程を実施してもよい。
本発明の積層体の製造方法は、アルコキシシリル基を有さない樹脂I中に封止物が封止されてなる封止層と、当該封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体の製造方法である。そして、本発明の製造方法は、図2に示すように、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−1)、樹脂Iより成る層(1−1)、封止物3、樹脂Iより成る層(1−2)、及びアルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−2)がこの順に積層されてなる積層物を、加熱し一体化する工程(加熱工程)を含むことを特徴とする。そして、樹脂Iより成る層(1−1)の厚みを(t1−1)、樹脂Iより成る層(1−2)の厚みを(t1−2)、樹脂IIより成る層(2−1)の厚みを(t2−1)、樹脂IIより成る層(2−2)の厚みを(t2−2)、及び封止物の厚みをStとして、(t2−1)/(t1−1)、及び、(t2−2)/(t1−2)の値が、それぞれ独立して、0.01以上1.10以下の範囲内であり、且つ、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.20以下である、ことを特徴とする。本発明の製造方法では、かかる構造的な条件を満たす積層物を、加熱し一体化する工程を含むため、積層体中における封止物の変形が少ない、積層体を良好に製造することができる。さらに、任意で、上記の積層物の両面を基材で挟んだ状態としてから、上記の加熱工程を実施してもよい。
<樹脂Iより成る層>
本発明の製造方法で用いる、樹脂Iより成る層は、(積層体)の<<樹脂I>>の項目で説明した樹脂を用いて、溶融押出成形法等の公知の方法に従って製造することができる。
本発明の製造方法で用いる、樹脂Iより成る層は、(積層体)の<<樹脂I>>の項目で説明した樹脂を用いて、溶融押出成形法等の公知の方法に従って製造することができる。
さらに、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、(t2−1)/(t1−1)、及び、(t2−2)/(t1−2)の値が、それぞれ独立して、1.0以下であることが好ましい。
さらにまた、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.0以下であることが好ましい。
そして、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)は、(t1−1)/(t1−2)の値が0.40以上であることが好ましく、0.45以上であることがより好ましく、3.00以下であることが好ましく、2.50以下であることがより好ましく、1.50以下であることが更に好ましい。
さらに、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)は、それぞれ独立して、100μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、1,000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましい。樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)が上記範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
さらにまた、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.0以下であることが好ましい。
そして、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)は、(t1−1)/(t1−2)の値が0.40以上であることが好ましく、0.45以上であることがより好ましく、3.00以下であることが好ましく、2.50以下であることがより好ましく、1.50以下であることが更に好ましい。
さらに、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)は、それぞれ独立して、100μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、1,000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましい。樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)が上記範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
<樹脂IIより成る層>
本発明の製造方法で用いる、樹脂IIより成る層は、(積層体)の<<樹脂II>>の項目で説明した樹脂を用いて、上記樹脂Iより成る層と同様の公知の方法に従って製造することができる。そして、樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)は、それぞれ独立して、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、400μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)が上記範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
本発明の製造方法で用いる、樹脂IIより成る層は、(積層体)の<<樹脂II>>の項目で説明した樹脂を用いて、上記樹脂Iより成る層と同様の公知の方法に従って製造することができる。そして、樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)は、それぞれ独立して、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、400μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)が上記範囲内であれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
なお、樹脂Iより成る層及び樹脂IIより成る層を含む、多層シートとして各層を製造してもよい。多層シートの製造方法としては、特に限定されることなく、公知の方法を採用することができる(例えば、国際公開第2015/105127号参照)。
<樹脂Iより成る層の厚みと樹脂IIより成る層の厚みとの間の相互関係>
さらに、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)と、樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)との間において、下記のような相互関係が満たされることが好ましい。
さらにまた、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、{(t2−1)+(t2−2)}/{(t1−1)+(t1−2)}の値が、0.01以上であることが好ましく、1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましく、0.90以下であることが更に好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。
さらに、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)と、樹脂IIより成る層の厚み(t2−1)(t2−2)との間において、下記のような相互関係が満たされることが好ましい。
さらにまた、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減する観点から、{(t2−1)+(t2−2)}/{(t1−1)+(t1−2)}の値が、0.01以上であることが好ましく、1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましく、0.90以下であることが更に好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。
<封止物>
本発明の製造方法にて用いる封止物としては、(積層体)の項目で説明した封止物を好適に用いることができる。
本発明の製造方法にて用いる封止物としては、(積層体)の項目で説明した封止物を好適に用いることができる。
<封止物の厚みと樹脂Iより成る層の厚みとの間の相互関係>
そして、本発明の製造方法では、封止物の厚みStと、{樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)との間において、下記のような相互関係が満たされることが好ましい。
{(t1−1)+(t1−2)}/Stの値が、1.80以上であることが好ましく、2.45以上であることが好ましく、2.50以上であることがより好ましく、5.50以下であることが好ましく、5.00以下であることがより好ましい。{(t1−1)+(t1−2)}/Stの値が、かかる範囲を満たしていれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
そして、本発明の製造方法では、封止物の厚みStと、{樹脂Iより成る層の厚み(t1−1)(t1−2)との間において、下記のような相互関係が満たされることが好ましい。
{(t1−1)+(t1−2)}/Stの値が、1.80以上であることが好ましく、2.45以上であることが好ましく、2.50以上であることがより好ましく、5.50以下であることが好ましく、5.00以下であることがより好ましい。{(t1−1)+(t1−2)}/Stの値が、かかる範囲を満たしていれば、積層体中における封止物の変形を一層良好に低減することができる。
<基材>
本発明の製造方法にて任意で用いることができる基材としては、(積層体)の項目で説明した基材を好適に用いることができる。上記の積層物の両面を基材で挟んだ状態としてから加熱し一体化する工程を実施することにより、封止層内に封止物を封止することと、かかる封止層をアルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層を介して基材に対して接着させることと、を1つの工程内で実施することが可能になる。
本発明の製造方法にて任意で用いることができる基材としては、(積層体)の項目で説明した基材を好適に用いることができる。上記の積層物の両面を基材で挟んだ状態としてから加熱し一体化する工程を実施することにより、封止層内に封止物を封止することと、かかる封止層をアルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層を介して基材に対して接着させることと、を1つの工程内で実施することが可能になる。
<加熱し一体化する方法>
本発明の製造方法は、上記のような構成の積層物を加熱し一体化する工程を含む。本工程にて採用する加熱し一体化する方法としては、加熱圧着法が好ましい。
加熱圧着法としては、特に限定されず、例えば、上記のような構成の積層物を可撓性の袋(以下、「バッグ」ということがある。)に入れて、バッグ内の空気を脱気しながら、加熱圧着して接合体とする方法;上記と同様にして得られた積層物をバックに入れて、バッグ内の空気を脱気した後、オーブン又はオートクレーブ中で、加熱圧着して貼り合わせて積層体とする方法;積層物を熱プレス装置で加熱圧着して積層体とする方法;積層物を真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を使用して加熱圧着して積層体とする方法等を用いることができる。
本発明の製造方法は、上記のような構成の積層物を加熱し一体化する工程を含む。本工程にて採用する加熱し一体化する方法としては、加熱圧着法が好ましい。
加熱圧着法としては、特に限定されず、例えば、上記のような構成の積層物を可撓性の袋(以下、「バッグ」ということがある。)に入れて、バッグ内の空気を脱気しながら、加熱圧着して接合体とする方法;上記と同様にして得られた積層物をバックに入れて、バッグ内の空気を脱気した後、オーブン又はオートクレーブ中で、加熱圧着して貼り合わせて積層体とする方法;積層物を熱プレス装置で加熱圧着して積層体とする方法;積層物を真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を使用して加熱圧着して積層体とする方法等を用いることができる。
加熱し一体化する際の温度(接着温度)は、特に限定されることなく、用いる樹脂I及び樹脂IIの種類に応じて適宜設定することができる。
さらに、積層物をバックに入れて、バッグ内の空気を脱気した後に加熱することにより加熱圧着する際には、バッグ内の圧力は、0Mpa未満であることが好ましい。さらにまた、加熱圧着を行う際の加熱時間は、特に限定されることなく、例えば、10分以上60分以下でありうる。
以下に実施例を示しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。また、圧力は特に断りのない限りゲージ圧である。
実施例、比較例において、封止物の変形抑制能は、下記のようにして評価した。実施例、比較例で作製した100mm×80mmの封止物を封止して成る合わせガラスを、ガラス面から垂直に観察し、封止物の長辺及び短辺の長さを測定した。測定した値を用いて、初期寸法:(長辺+短辺)/2の値を算出した。
実施例、比較例で作製した合わせガラスをオーブンに入れ、85℃で100時間加熱し、耐熱試験した。耐熱試験後の合わせガラスについて、ガラス面から垂直に観察し、封止物の長辺及び短辺の長さを測定した。測定した値を用いて、耐熱試験後の寸法:(長辺+短辺)/2の値を算出した。
そして、式:|初期寸法−耐熱試験後の寸法|/初期寸法×100に従って、耐熱試験による寸法変化率(%)の値を算出し、以下の基準に従って、積層体の、封止物の変形抑制能を評価した。
A:寸法変化率が5%以内
B:寸法変化率が5%超10%以下
C:寸法変化率が10%超
実施例、比較例で作製した合わせガラスをオーブンに入れ、85℃で100時間加熱し、耐熱試験した。耐熱試験後の合わせガラスについて、ガラス面から垂直に観察し、封止物の長辺及び短辺の長さを測定した。測定した値を用いて、耐熱試験後の寸法:(長辺+短辺)/2の値を算出した。
そして、式:|初期寸法−耐熱試験後の寸法|/初期寸法×100に従って、耐熱試験による寸法変化率(%)の値を算出し、以下の基準に従って、積層体の、封止物の変形抑制能を評価した。
A:寸法変化率が5%以内
B:寸法変化率が5%超10%以下
C:寸法変化率が10%超
実施例、比較例において、各種属性は、以下の方法に従って測定又は算出した。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体、ブロック共重合体水素化物の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の1H−NMRを測定して算出した。
(3)質量分率
実施例、比較例で調製したブロック共重合体について1H−NMRを測定して、ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a]の全量がブロック共重合体全体に占める質量分率wa、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b]の全量がブロック共重合体全体に占める質量分率wbを得て、waとwbとの比(wa:wb)を得た。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体、ブロック共重合体水素化物の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の1H−NMRを測定して算出した。
(3)質量分率
実施例、比較例で調製したブロック共重合体について1H−NMRを測定して、ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a]の全量がブロック共重合体全体に占める質量分率wa、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b]の全量がブロック共重合体全体に占める質量分率wbを得て、waとwbとの比(wa:wb)を得た。
(実施例1)
<樹脂Iの調製>
以下に従って、アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含む樹脂Iを調製した。
<<ブロック共重合体の調製>>
内部が十分に窒素置換された、攪拌装置を備える反応器に、脱水シクロヘキサン400部、脱水スチレン10部及びジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.88部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン15部を40分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン50.0部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン25.0部を、70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分攪拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
<樹脂Iの調製>
以下に従って、アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含む樹脂Iを調製した。
<<ブロック共重合体の調製>>
内部が十分に窒素置換された、攪拌装置を備える反応器に、脱水シクロヘキサン400部、脱水スチレン10部及びジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.88部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン15部を40分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン50.0部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン25.0部を、70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分攪拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
ここで、イソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させることによって、[A]−[B]−[A]型のブロック共重合体[C−1]を含む重合体溶液を得た。ブロック共重合体[C−1]の重量平均分子量(Mw)は47,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.34、waとwbとの質量分率の比(wa:wb)は50:50であった。
<ブロック共重合体水素化物[D−1]>
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製、)4.0部、及び脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物[D−1]の重量平均分子量(Mw)は49,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製、)4.0部、及び脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物[D−1]の重量平均分子量(Mw)は49,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Songnox(登録商標)1010」、松原産業社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、上記溶液から、シクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物[D−1]のペレット(即ち、樹脂Iのペレット)95部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D−1]の重量平均分子量(Mw)は49,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.40、鎖状共役ジエンに由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率、並びに、芳香族ビニル化合物の芳香環に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、いずれもほぼ100%(99%以上)であった。
次いで、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、上記溶液から、シクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物[D−1]のペレット(即ち、樹脂Iのペレット)95部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D−1]の重量平均分子量(Mw)は49,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.40、鎖状共役ジエンに由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率、並びに、芳香族ビニル化合物の芳香環に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、いずれもほぼ100%(99%以上)であった。
<樹脂IIの調製>
上記と同様の操作に従って得られた樹脂Iのペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製、)0.1部を添加した。混合物を、二軸押出機を用いて、混練温度230℃、混練時間70〜90秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ブロック共重合体水素化物[D−2]にアルコキシシリル基を導入して、ブロック共重合体[E]のペレット(即ち、樹脂IIのペレット)96部を得た。
上記と同様の操作に従って得られた樹脂Iのペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製、)0.1部を添加した。混合物を、二軸押出機を用いて、混練温度230℃、混練時間70〜90秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ブロック共重合体水素化物[D−2]にアルコキシシリル基を導入して、ブロック共重合体[E]のペレット(即ち、樹脂IIのペレット)96部を得た。
得られたブロック共重合体[E]のペレット10部をシクロヘキサン100部に溶解した後、脱水メタノール400部中に注いで、ブロック共重合体[E]を凝固させ、凝固物を濾取した。濾過物を25℃で真空乾燥して、ブロック共重合体[E]のクラム9.0部を単離した。
ブロック共重合体[E]のクラムのFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm-1にSi−OCH3基、825cm-1と739cm-1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基、Si−CH2基に由来する吸収帯(1075cm-1、808cm-1及び766cm-1)と異なる位置に観察された。
また、ブロック共重合体[E]の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D−2]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
ブロック共重合体[E]のクラムのFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm-1にSi−OCH3基、825cm-1と739cm-1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基、Si−CH2基に由来する吸収帯(1075cm-1、808cm-1及び766cm-1)と異なる位置に観察された。
また、ブロック共重合体[E]の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D−2]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
<樹脂Iより成る層及び樹脂IIより成る層を含む多層シートの製造>
上記のようにして得た樹脂I及び樹脂IIのペレット各100部に対して、紫外線吸収剤としての2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチル(BASFジャパン社製、製品名「Tinuvin(登録商標)326」)0.8部を配合し、得られた混合物を、フィードブロックを有する共押出多層Tダイと単軸押出機を用いて、樹脂Iより成る層と樹脂IIより成る層とが積層されてなる2層シートを製造した。2層シートの製造にあたり、成形条件を変更して、2種類の2層シートを得た。2種類の2層シートのうちの一方は、厚さ340μmの樹脂Iより成る層(1−1)と、厚さ5μmの樹脂IIより成る層(2−1)とが積層されてなるシート1であり、他方は、厚さ650μmの樹脂Iより成る層(1−2)と、厚さ5μmの樹脂IIより成る層(2−2)とが積層されてなるシート2であった。用いたシートを構成する各層の厚みを表2に示す。
上記のようにして得た樹脂I及び樹脂IIのペレット各100部に対して、紫外線吸収剤としての2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチル(BASFジャパン社製、製品名「Tinuvin(登録商標)326」)0.8部を配合し、得られた混合物を、フィードブロックを有する共押出多層Tダイと単軸押出機を用いて、樹脂Iより成る層と樹脂IIより成る層とが積層されてなる2層シートを製造した。2層シートの製造にあたり、成形条件を変更して、2種類の2層シートを得た。2種類の2層シートのうちの一方は、厚さ340μmの樹脂Iより成る層(1−1)と、厚さ5μmの樹脂IIより成る層(2−1)とが積層されてなるシート1であり、他方は、厚さ650μmの樹脂Iより成る層(1−2)と、厚さ5μmの樹脂IIより成る層(2−2)とが積層されてなるシート2であった。用いたシートを構成する各層の厚みを表2に示す。
<積層体の製造>
封止物としてポリエチレンテレフタレート(PET)より成る板状体(厚みd6:300μm、縦100mm×横80mm)を用いて、下記に従って、封止層中に封止物が封止されてなる積層体を製造した。
具体的には、まず、下から順番に、下側ガラス基材(厚み:2mm)、シート2(樹脂Iより成る層(1−2)が上側になるように配置した)、封止物(PET)、シート1(樹脂IIより成る層(2−1)が上側になるように配置した)、及び上側ガラス基材(厚み:2mm)を積層し、積層物を得た。
得られた積層物を真空バッグに入れ、ポンプで減圧した(−0.08MPa)。積層物の入った真空バッグをオーブンに入れ、120℃で30分間加熱し、積層体を得た。積層体の入った真空バッグを室温(25℃)まで冷却してから、積層体を真空バッグから取り出した。得られた積層体は、上から順に、上側ガラス基材(厚み:2mm)、上側アルコキシシリル基含有樹脂層(厚み:5μm)、封止層(厚み:990μm)、下側アルコキシシリル基含有樹脂層(厚み:5μm)、下側ガラス基材(厚み:2mm)を備えるものであった。また、積層体を断面観察して、封止層の表面から封止物の表面までの最短距離をd4、及び、封止層の裏面から封止物の裏面までの最短距離d5をそれぞれ測定し、d4/d5の値を算出した。結果を表1に示す。さらにまた、得られた積層体について、上記に従って変形抑制能を評価した。結果を表1に示す。
封止物としてポリエチレンテレフタレート(PET)より成る板状体(厚みd6:300μm、縦100mm×横80mm)を用いて、下記に従って、封止層中に封止物が封止されてなる積層体を製造した。
具体的には、まず、下から順番に、下側ガラス基材(厚み:2mm)、シート2(樹脂Iより成る層(1−2)が上側になるように配置した)、封止物(PET)、シート1(樹脂IIより成る層(2−1)が上側になるように配置した)、及び上側ガラス基材(厚み:2mm)を積層し、積層物を得た。
得られた積層物を真空バッグに入れ、ポンプで減圧した(−0.08MPa)。積層物の入った真空バッグをオーブンに入れ、120℃で30分間加熱し、積層体を得た。積層体の入った真空バッグを室温(25℃)まで冷却してから、積層体を真空バッグから取り出した。得られた積層体は、上から順に、上側ガラス基材(厚み:2mm)、上側アルコキシシリル基含有樹脂層(厚み:5μm)、封止層(厚み:990μm)、下側アルコキシシリル基含有樹脂層(厚み:5μm)、下側ガラス基材(厚み:2mm)を備えるものであった。また、積層体を断面観察して、封止層の表面から封止物の表面までの最短距離をd4、及び、封止層の裏面から封止物の裏面までの最短距離d5をそれぞれ測定し、d4/d5の値を算出した。結果を表1に示す。さらにまた、得られた積層体について、上記に従って変形抑制能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2〜比較例3)
シート1及びシート2を製造するにあたり、各シート厚みが表2に示す通りになるように多層シートの製造時の条件を変更した以外は実施例1と同様の操作を行って、各種シートを得た。また、封止物として、表1に示す厚みをそれぞれ有するPETより成る板状体(縦100mm×横80mm)を用いた。これらの点以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
シート1及びシート2を製造するにあたり、各シート厚みが表2に示す通りになるように多層シートの製造時の条件を変更した以外は実施例1と同様の操作を行って、各種シートを得た。また、封止物として、表1に示す厚みをそれぞれ有するPETより成る板状体(縦100mm×横80mm)を用いた。これらの点以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、表1中「AS基」は、「アルコキシシリル基」を示す。
上述した結果より、所定の構造を満たす実施例1〜4に係る積層体は、積層体を加熱試験した際の封止物の変形抑制能に優れていたことが分かる。
一方、所定の構造を満たさない比較例1〜3に係る積層体は、積層体を加熱試験した際の封止物の変形抑制能に劣っていたことが分かる。
一方、所定の構造を満たさない比較例1〜3に係る積層体は、積層体を加熱試験した際の封止物の変形抑制能に劣っていたことが分かる。
本発明の製造方法によれば、積層体中における封止物の変形を抑制可能な積層体、及び、及びかかる積層体の製造方法を提供することができる。
1 封止層
1−1,1−2 樹脂Iより成る層
2 アルコキシシリル基含有樹脂層
2−1,2−2 アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層
3 封止物
10 積層体
11 基材
100 基材付き積層体
d1 封止層の厚み
d2,d3 アルコキシシリル基含有樹脂層の厚み
d4 封止層の表面から封止物の表面までの最短距離
d5 封止層の裏面から封止物の裏面までの最短距離
d6,st 封止物の厚み
t1−1,t1−2 樹脂Iより成る層の厚み
t2−1,t2−2 アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層の厚み
1−1,1−2 樹脂Iより成る層
2 アルコキシシリル基含有樹脂層
2−1,2−2 アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層
3 封止物
10 積層体
11 基材
100 基材付き積層体
d1 封止層の厚み
d2,d3 アルコキシシリル基含有樹脂層の厚み
d4 封止層の表面から封止物の表面までの最短距離
d5 封止層の裏面から封止物の裏面までの最短距離
d6,st 封止物の厚み
t1−1,t1−2 樹脂Iより成る層の厚み
t2−1,t2−2 アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層の厚み
Claims (9)
- アルコキシシリル基を有さないブロック共重合体水素化物を含む樹脂I中に、封止物が封止されてなる封止層と、
前記封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含む樹脂IIより成る、2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、
を備える積層体であって、
前記樹脂Iに含まれる前記ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]であり、
前記樹脂IIに含まれる前記アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]であり、
前記構造単位[a−1]と前記構造単位[a−2]、前記重合体ブロック[A−1]と前記重合体ブロック[A−2]、前記構造単位[b−1]と前記構造単位[b−2]、前記重合体ブロック[B−1]と前記重合体ブロック[B−2]、前記ブロック共重合体[C−1]と前記ブロック共重合体[C−2]、及び、前記ブロック共重合体[D−1]と前記ブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよく、
前記封止層の厚みをd1とし、前記2つのアルコキシシリル基含有樹脂層のうちの一方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd2、他方のアルコキシシリル基含有樹脂層の厚みをd3とし、前記封止物の厚みをd6として、d1/d6の値が1.80以上であり、(d2+d3)/d1の値が0.01以上1.10以下である、積層体。 - 前記封止層の表面から前記封止物の表面までの最短距離をd4、前記封止層の裏面から前記封止物の裏面までの最短距離をd5として、d4/d5の値が0.33以上3.00以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記ブロック共重合体[C−1]中の前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]の全量が、前記ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwa−1、前記鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]の全量が、前記ブロック共重合体[C−1]全体に占める質量分率をwb−1としたときに、wa−1とwb−1との比(wa−1:wb−1)が、20:80〜65:35であり、
前記ブロック共重合体[C−2]中の前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]の全量が、前記ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwa−2、前記鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]の全量が、前記ブロック共重合体[C−2]全体に占める質量分率をwb−2としたときに、wa−2とwb−2との比(wa−2:wb−2)が、20:80〜65:35であり、
前記wa−1と前記wa−2、及び、前記wb−1とwb−2が、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい、
請求項1又は2に記載の積層体。 - 前記アルコキシシリル基含有樹脂層の厚みd2及びd3が、それぞれ独立して、1μm以上400μm以下の範囲内の何れかの値であり、
前記封止層の厚みd1が200μm以上2,000μm以下である、
請求項1〜3の何れかに記載の積層体。 - 前記封止物の厚みd6が、10μm以上500μm以下である、請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
- 前記封止物が板状体であり、該封止物の構成材料が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリアクリロニトリル樹脂を含む樹脂;フロートガラス、熱強化ガラス、又は化学強化ガラスを含むガラス、ステンレス鋼、アルミ、又は銅を含む金属、並びにこれらが組み合わされてなる複合体のうちの何れかを含む、請求項1〜5の何れかに記載の積層体。
- 前記樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層の、前記封止層に対して隣接する面とは反対側の面に隣接して、それぞれ配置された基材を更に備える、請求項1〜6の何れかに記載の積層体。
- アルコキシシリル基を有さない樹脂I中に封止物が封止されてなる封止層と、前記封止層の表面及び裏面にそれぞれ隣接配置された、アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る2つのアルコキシシリル基含有樹脂層と、を備える積層体の製造方法であって、
前記アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−1)、前記樹脂Iより成る層(1−1)、前記封止物、前記樹脂Iより成る層(1−2)、及び前記アルコキシシリル基含有樹脂IIより成る層(2−2)がこの順に積層されてなる積層物を、加熱し一体化する工程を含み、
前記樹脂Iが、ブロック共重合体水素化物を含み、該ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−1]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−1]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−1]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−1]と、を有するブロック共重合体[C−1]を水素化して成るブロック共重合体[D−1]であり、
前記アルコキシシリル基含有樹脂IIが、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物を含み、該アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位[a−2]を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A−2]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位[b−2]を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B−2]と、を有するブロック共重合体[C−2]を水素化して成るブロック共重合体[D−2]に対してアルコキシシリル基を導入して成るブロック共重合体[E]であり、
前記構造単位[a−1]と前記構造単位[a−2]、前記重合体ブロック[A−1]と前記重合体ブロック[A−2]、前記構造単位[b−1]と前記構造単位[b−2]、前記重合体ブロック[B−1]と前記重合体ブロック[B−2]、前記ブロック共重合体[C−1]と前記ブロック共重合体[C−2]、及び、前記ブロック共重合体[D−1]と前記ブロック共重合体[D−2]は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよく、
前記樹脂Iより成る層(1−1)の厚みを(t1−1)、前記樹脂Iより成る層(1−2)の厚みを(t1−2)、前記樹脂IIより成る層(2−1)の厚みを(t2−1)、前記樹脂IIより成る層(2−2)の厚みを(t2−2)、及び前記封止物の厚みをStとして、(t2−1)/(t1−1)、及び、(t2−2)/(t1−2)の値が、それぞれ独立して、0.01以上1.10以下の範囲内であり、且つ、St/(t1−1)、及びSt/(t1−2)の値がそれぞれ独立して、1.20以下である、
積層体の製造方法。 - (t1−1)/(t1−2)の値が0.33以上3.00以下である、請求項8に記載の積層体の製造方法。
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