(本発明の基礎となった知見)
特許文献1では、ユーザが自宅内の窓又はドアの開閉の状態を把握し、宅外から携帯端末装置を用いて自宅内のエアコンを操作する方法について示されている。特許文献1は、窓(ドア)が開いている場合に、省エネ効率を考慮して窓(ドア)を閉めてからエアコンを運転することを促すメッセージを、エアコンの表示部に表示する方法について開示している(図3)。また、特許文献1は、宅外から携帯端末装置を用いてエアコンを制御する際にも同様に、窓(ドア)を閉めてからエアコンを運転することを促すメッセージを、携帯端末装置の表示部に表示する方法について開示している(図6)。
しかし、特許文献1に開示されている技術では、自宅内に複数の部屋がある場合、複数のエアコンがある場合、又は複数の窓がある場合等について検討されていない。すなわち、ユーザはどの部屋のどのエアコンの制御をしているのか把握できない。また、ユーザは、どの窓が開いていることが原因でメッセージが表示されているのかを特定できない。
すなわち、複数の機器を制御するシステムを提供する上で、宅内のどの部屋にどの機器が配置されているかを検出する必要がある。
ここでさらに、各部屋に固定されている機器(エアコン又は窓等)ではなく、例えば携帯端末(スマートフォン)又は掃除機(ロボット掃除機)などの移動可能な機器又は特定のブレーカーに接続されていない機器に関しては、機器の位置を特定したり、どの部屋にどの機器が存在するかといった情報を把握したりすることがより困難である。
以上の課題を解決するために、本発明者らは、以下の態様に係る発明を想到するに至った。
本発明の一態様に係る通信管理方法は、ネットワークを介して複数の機器のそれぞれの設置場所における環境情報を受信し、受信した前記環境情報に基づいて、前記複数の機器のうち、同一の部屋内に設置されている一又は複数の機器を決定する。
これにより、部屋ごとに配置されている機器を識別することができる。すなわち、複数の部屋を移動可能な機器又はブレーカーに接続されていない機器に関しても、どの部屋にどの機器が配置されているかの識別が可能となる。そのため、複数の機器に関する情報又は複数の機器が配置される部屋の位置を、ユーザ又はサービス提供者が予めシステムへ登録する作業が不要となる。
したがって、ネットワークに接続された同一の建物内の機器の設置場所に関する情報を提供することができ、ユーザの利便性をより高めることができる。
また、上記態様において、例えば、前記一又は複数の機器に関する情報を、前記複数の機器のうち特定の機器又は前記複数の機器以外の情報端末に提供してもよい。
また、上記態様において、例えば、決定された同一の部屋内に設置されている前記一又は複数の機器のリストを生成し、生成した前記リストに含まれる第1の機器の動作情報を受信し、前記複数の機器のうちの一の機器の動作と前記一の機器に連携して動作する他の機器の動作とを対応付けて記憶する連携動作データベースに基づいて、前記リストに含まれ、前記第1の機器と連携して動作する第2の機器の制御内容を決定し、決定した前記制御内容で前記第2の機器を制御するための制御信号を前記第2の機器に送信してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記第2の機器に対して前記制御信号を送信する前に、ユーザの携帯端末にユーザの意思を確認するための情報を送信してもよい。
また、上記態様において、例えば、ネットワークを介して、所定の部屋内における前記複数の機器の位置を特定するとともに前記部屋内におけるユーザの位置を特定するための位置特定情報を受信し、受信した前記位置特定情報に基づいて、前記部屋内における前記複数の機器の位置を特定するとともに前記部屋内における前記ユーザの位置を特定し、特定した前記複数の機器の位置及び前記ユーザの位置に基づいて、前記部屋内における前記複数の機器のうちの一又は複数の機器を使用しているユーザを特定し、特定した前記ユーザ及び前記ユーザの家族に任意のサービスを提供するサービス提供装置に、前記ユーザに関する情報を提供してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記位置特定情報は、撮像装置によって撮像された部屋内の画像を含み、撮像された前記画像に基づいて、前記部屋内における前記複数の機器の位置を特定するとともに前記部屋内における前記ユーザの位置を特定してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記位置特定情報は、熱放射分布計測装置によって計測された部屋内の熱放射分布を含み、計測した前記熱放射分布に基づいて、前記部屋内における前記複数の機器の位置を特定するとともに前記部屋内における前記ユーザの位置を特定してもよい。
また、上記態様において、例えば、体型計測装置によって計測された前記ユーザの体型に関する情報を受信し、前記ユーザの体型に関する情報、前記複数の機器の位置及び前記ユーザの位置に基づいて、前記部屋内における前記複数の機器のうちの一又は複数の機器を使用しているユーザを特定してもよい。
また、上記態様において、例えば、任意の機器に向けて、室温と異なる温度の空気を送風してもよい。
また、上記態様において、例えば、受信した前記環境情報に基づいて、前記複数の機器のうち、第1の部屋内に設置されている一又は複数の機器を決定し、受信した前記環境情報に基づいて、前記複数の機器のうち、前記第1の部屋とは異なる第2の部屋内に設置されている一又は複数の機器を決定し、決定された前記第1の部屋内に設置されている一又は複数の機器に関する第1の情報と、決定された前記第2の部屋内に設置されている一又は複数の機器に関する第2の情報とを、前記複数の機器のうち特定の機器又は前記複数の機器以外の情報端末が備える表示部の異なる表示領域にそれぞれ表示させるコマンドを送信してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が光の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記複数の機器のうち光の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、建物内の複数の部屋にそれぞれ配置された複数の光源の各々を所定の点灯パターンで点灯させ、前記複数の機器のうち同一の点灯パターンが検知された一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が音の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、建物内の複数の部屋の間を移動する移動機器から音を出力させ、前記環境情報は、前記複数の機器が前記移動機器によって出力された前記音の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が温度の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記複数機器のうち温度の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
本発明の他の態様に係る通信管理装置は、ネットワークを介して複数の機器のそれぞれの設置場所における環境情報を受信する通信部と、受信した前記環境情報に基づいて、前記複数の機器のうち、同一の部屋内に設置されている一又は複数の機器を決定する制御部と、を備える。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が光の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記制御部は、前記複数の機器のうち光の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、建物内の複数の部屋にそれぞれ配置された複数の光源の各々は、所定の点灯パターンで点灯し、前記制御部は、前記複数の機器のうち同一の点灯パターンが検知された一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が音の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記制御部は、前記複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、建物内の複数の部屋の間を移動する移動機器は、音を出力し、前記環境情報は、前記複数の機器が前記移動機器によって出力された前記音の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記制御部は、前記複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
また、上記態様において、例えば、前記環境情報は、前記複数の機器が温度の変化を検知した時刻に関する情報を含み、前記制御部は、前記複数機器のうち温度の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定してもよい。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(提供するサービスの全体像)
まず、本実施の形態における情報提供システムが提供するサービスの全体像について説明する。
図1(A)は、本実施の形態における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。情報提供システムは、グループ100、データセンタ運営会社110及びサービスプロバイダ120を備える。
グループ100は、例えば企業、団体又は家庭等であり、その規模を問わない。グループ100には、部屋101及び部屋102が存在する。また、グループ100には、ホームゲートウェイ103が存在する。ホームゲートウェイ103は、部屋101及び部屋102のいずれかに存在してもよいし、部屋101及び部屋102以外の空間に存在してもよい。
部屋101には、複数の機器101a,101b,101cが存在し、部屋102には、複数の機器102a,102bが存在する。なお、ここでは、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bと表現したが、部屋101及び部屋102に配置されている機器の数はこれらに限られず、各部屋101,102には、複数の機器が配置されている。各機器の構成については後述する。また、グループ100が備える部屋の数は2つに限らず、グループ100は3つ以上の部屋を備えてもよい。
複数の機器101a,101b,101c,102a,102bは、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)又はテレビ等)、及びそれ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明機器、洗濯機又は冷蔵庫等)を含む。複数の機器101a,101b,101c,102a,102bは、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ103を介してインターネットと接続可能となる機器を含んでもよい。
また、ユーザ10は、グループ100内の複数の機器101a,101b,101c,102a,102bを使用する。
また、グループ100には、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bとは別に、移動可能な端末105が存在してもよい。端末105は、外部のユーザ20が所有してもよい。
データセンタ運営会社110は、クラウドサーバ104を備える。クラウドサーバ104は、インターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ104は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社110は、データの管理、クラウドサーバ104の管理、及びそれらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社110が行っている役務については詳細を後述する。
ここで、データセンタ運営会社110は、データの管理又はクラウドサーバ104の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば、図1(B)に示すように、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bのうちの一つの機器を開発及び製造している機器メーカが、データの管理又はクラウドサーバ104の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社110に該当する。また、データセンタ運営会社110は一つの会社に限らない。例えば、図1(C)に示すように、機器メーカ及び他の管理会社が共同又は分担してデータの管理又はクラウドサーバ104の運営を行っている場合は、両者又はいずれか一方がデータセンタ運営会社110に該当する。
サービスプロバイダ120は、サーバ121を備える。ここで言うサーバ121とは、その規模は問わず、例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダ120がサーバ121を備えていない場合もある。
なお、上記サービスにおいて、ホームゲートウェイ103は必須ではない。例えば、クラウドサーバ104が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ103は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。また、ホームゲートウェイ103のような宅内に設置する機器が、下記に説明するすべての実施の形態におけるあらゆる処理を行ってもよい。また、ホームゲートウェイ103とは別に宅内処理装置(図示せず)を配置して、当該宅内処理装置によって下記に説明する実施の形態におけるあらゆる処理を行ってもよい。すなわち、下記に説明するすべての実施の形態においてクラウドサーバ104又はサーバ121が行うあらゆる処理を、当該宅内処理装置が代用することができる。その場合は、クラウドサーバ104又はサーバ121は必須の構成ではない。
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
まず、グループ100の複数の機器101a,101b,101c,102a,102bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ104に送信する。クラウドサーバ104は、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bのログ情報を集積する(図1(A)の矢印131)。ここで、ログ情報とは、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bの例えば運転状況又は動作日時等を示す情報である。例えば、ログ情報は、テレビの視聴履歴、レコーダーの録画予約情報、洗濯機の運転日時、洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時、冷蔵庫の開閉回数などを含むが、これらの情報に限らず、種々の機器から取得が可能な種々の情報を含んでもよい。なお、ログ情報は、インターネットを介して複数の機器101a,101b,101c,102a,102b自体から直接クラウドサーバ104に提供されてもよい。また、ログ情報は、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bから一旦ホームゲートウェイ103に集積され、ホームゲートウェイ103からクラウドサーバ104に提供されてもよい。
次に、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ104は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ120に提供する。ここで、一定の単位とは、データセンタ運営会社110が集積した情報を整理してサービスプロバイダ120に提供することのできる単位でもよいし、サービスプロバイダ120が要求する単位でもよい。また、一定の単位で提供するとしているが、一定の単位でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化してもよい。ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ120が保有するサーバ121に保存される(図1(A)の矢印132)。
そして、サービスプロバイダ120は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。サービスが提供されるユーザは、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bを使用するユーザ10でもよいし、外部のユーザ20でもよい。ユーザ10,20へのサービス提供方法としては、例えば、サービスプロバイダ120から直接ユーザ10,20へ提供されてもよい(図1(A)の矢印133,134)。また、ユーザ10へのサービス提供方法としては、例えば、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ104を再度経由して、ユーザ10にサービスが提供されてもよい(図1(A)の矢印135,136)。また、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ104は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ120に提供してもよい。
また、サービス提供方法としては、複数の機器101a,101b,101c,102a,102bにサービス内容をフィードバックすることでサービスをユーザに提供してもよいし、グループ100内のユーザ10又は外部のユーザ20が使用する端末105にサービス内容を表示することでサービスをユーザに提供してもよい。
なお、ユーザ10は、ユーザ20と異なっていても同一であってもよい。
以上、本情報提供システムによって提供するサービスの全体像を述べたが、これはあくまで一例であり、サービス提供の類型は様々である。以下の実施の形態にもいくつかのサービス提供の類型を述べているように、本情報提供システムはいかなるサービスの類型にも適応することができる。
(各装置の構成)
図2を用いて図1に示す各装置の構成を説明する。
図2は、図1に示す各部屋101,102における各機器101a,101b,101c,102a,102bの構成、クラウドサーバ104の構成、及び端末105の構成を示す図である。機器101a,101b,101c,102a,102bは、それぞれ通信部310を備える。また、機器101a,101b,101c,102a,102bは、必要に応じて制御部320、記録部330及び検知部340を備えてもよい。
通信部310は、無線又は有線を用いた通信機能を有し、インターネットなどのネットワーク1000に接続される。例えば、無線通信は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN(Local Area Network)などが用いられる。ここで、機器101a,101b,101c,102a,102bは、上述のように、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC又はテレビ等)、及びそれ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明機器、洗濯機又は冷蔵庫等)を含む。
制御部320は、各機器101a,101b,101c,102a,102bに関する様々な制御を行う。制御部320は、特に限定しない。例えば、制御部320は、CPU(Central Processing Unit)又はマイクロコンピュータ等で構成される。
記録部330は、情報を蓄積する。記録部330は、特に限定しない。記録部330は、機器に内蔵される記録機能を有する電子部品又はチップ等で構成される。機器が、外付け記録媒体との接続部を有する場合は、接続部も記録部330に含む。
また、機器101a,101b,101c,102a,102bは、必要に応じて検知部340を備えることが好ましい。検知部340は、音、光、温度又は熱等を検知するセンサ、又は画像を検出する検出部等を含む。検知部340の詳細は限定しない。また、全ての機器が検知部340を備えていなくてもよい。検知部340に関しての詳細は各実施の形態にて説明する。
次に、クラウドサーバ104の構成を説明する。クラウドサーバ104は、通信部311、制御部321及びメインメモリ331を備える。制御部321は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。また、マルチプロセッシングでは、制御部321は、複数のCPUで構成されてもよい。通信部311は、インターネットを介して各機器と通信する。通信部311の通信方法は限定されない。メインメモリ331は、大容量のデータ(ビッグデータ)を保存することが可能な記録装置である。また、クラウドサーバ104は、複数の箇所にデータを運ぶバスライン、サーバの起動時にCPUが実行するプログラムを記録するBIOS(Basic Input Output System)、ハードディスク又は光ディスクドライブ等の記憶装置を接続するI/Oコントローラ、表示装置、又は入力装置等を備えていてもよい。また、サーバ121の構成は、クラウドサーバ104の構成と同様であるので、説明を省略する。
端末105は、例えば、通信部310を備える。また、端末105は、必要に応じて制御部320、記録部330及び表示部350を備える。
ホームゲートウェイ103は、例えば、通信部311、制御部321及びメインメモリ331を備える(図示せず)。ホームゲートウェイ103の各構成はクラウドサーバ104の構成と同様なので説明を省略する。また、ホームゲートウェイ103は、メインメモリ331を備えなくてもよい。
(実施の形態1)
実施の形態1では、家庭内の機器の位置を検知する情報提供システムについて示す。図3は、本発明の実施の形態1における情報提供システムの全体構成を示す図である。本実施の形態における情報提供システムにおいては、図3に示すように、機器101a,101b,101c,102a,102bは、ネットワーク1000を介して、クラウドサーバ104に接続されていることが望ましい。また、各機器は、必要に応じて、通信部310から、機器の動作情報、又は機器に備えた各種センサ出力などを、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に送信することが望ましい。なお、本実施の形態では詳細を言及しないが、端末105も、機器と同様に、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104と通信する通信部310を備える。
(情報提供システムの構成)
図4は、本発明の実施の形態1におけるクラウドサーバ104の制御部321の詳細な構成を示す図である。図4に示すように、本実施の形態におけるクラウドサーバ104の制御部321は、機器識別部2001と、部屋位置検出部2002と、機器位置検出部2003と、ユーザ位置検出部2004と、を備える。但し、本実施の形態における制御部321は、必ずしもこれらの検出部をすべて備えていなくてもよい。すなわち、本実施の形態における制御部321は、一又は複数の検出部が欠けていてもよい。
また、本実施の形態において、機器識別部2001と、部屋位置検出部2002と、機器位置検出部2003と、ユーザ位置検出部2004とについては、それぞれ単独で用いられる場合でも効果を有する。
以下、機器識別部2001、部屋位置検出部2002、機器位置検出部2003及びユーザ位置検出部2004に関して詳細を説明する。
(機器識別部2001)
以下では、まず、クラウドサーバ104の制御部321における機器識別部2001について説明する。機器識別部2001は、同じ部屋に設置されている機器群を把握する。これにより、部屋ごとの機器制御が可能となる。
クラウドサーバ104の通信部311は、ネットワーク1000を介して複数の機器のそれぞれの設置場所における環境情報を受信する。
機器識別部2001は、通信部311によって受信された環境情報に基づいて、複数の機器のうち、同一の部屋内に設置されている一又は複数の機器を決定する。また、機器識別部2001は、一又は複数の機器に関する情報を、複数の機器のうち特定の機器又は複数の機器以外の端末105に提供してもよい。
機器識別部2001は、機器識別部2001a、機器識別部2001b、機器識別部2001c及び機器識別部2001dを含む。
ここでは、同室内の機器を検出するいくつかの方法(機器識別部2001a、機器識別部2001b、機器識別部2001c及び機器識別部2001d)について示す。
(機器識別部2001a)
図5は、クラウドサーバ104の制御部321が機器識別部2001aを備える場合における各機器の構成を示す図である。部屋101及び部屋102内に配置された各機器101a,101b,101c,102a,102bは、それぞれ検知部340として光強度検知部340aを備える。
機器101a,101b,101cの光強度検知部340aは、部屋101の環境情報として、部屋101内の明るさ(光強度)を検知する。また、機器102a,102bの光強度検知部340aは、部屋102の環境情報として、部屋102内の明るさ(光強度)を検知する。光強度検知部340aは、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード、又はアンプ回路を追加したフォトダイオードなどで構成される。これにより、機器識別部2001aは、部屋101内の複数の機器101a,101b,101cにて検知された光強度の時間変化を比較することにより、各機器101a,101b,101cが同じ部屋に設置されている機器であると識別(検出)することができる。
環境情報は、複数の機器が光の変化を検知した時刻に関する情報を含む。機器識別部2001aは、複数の機器のうち光の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定する。
以下に、機器識別部2001aによって、同室内の機器を検出する方法について詳細を述べる。
図6は、光強度を検知することで同室内の機器を識別する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、ステップS610において、各機器101a,101b,101c,102a,102bの光強度検知部340aは、光強度の変化を検知する。光強度検知部340aが光強度の変化を検知するタイミングはいかなるものでもよい。例えば、光強度検知部340aは、ある一定の時間内に、光強度の変化の値が所定の閾値を超えたタイミングを検知してもよい。また、制御部320を有する機器においては、光強度検知部340aが一定時間ごとに光強度を検出し、制御部320が、光強度を検出した時刻と、検出された光強度の推移とに関するテーブルを作成してもよい。
次に、ステップS620において、各機器101a,101b,101c,102a,102bの通信部310は、光強度の変化の値が所定の閾値を超えたタイミングにおける時刻情報を、クラウドサーバ104に送信する。ここで、時刻情報を送信するタイミングは、特に限定しない。例えば、通信部310は、ステップS610において光強度の変化が検知された直後に時刻情報をクラウドサーバ104に送信してもよい。また、通信部310は、一定時間おきに光強度の変化の有無及び時刻情報をクラウドサーバ104に送信してもよい。すなわち、ステップS620において各機器が時刻情報をクラウドサーバ104に送信するタイミングは同一とは限らない。また、図6のように、所定のタイミングで機器側から時刻情報を送信する方法でなくてもよい。例えば、クラウドサーバ104は、光強度の変化の有無と時刻情報とを送信するための指示を、一定時間毎に各機器に送信してもよい。
次に、ステップS630において、クラウドサーバ104の機器識別部2001aは、各機器から送信された時刻情報に基づき、同室内にある機器を識別する。
図7は、クラウドサーバ104に送信された時刻情報の一例を示す図である。図7における時刻情報の例では、機器101aにおける光強度検知部340aが07:15に、機器101bにおける光強度検知部340aが07:15に、機器101cにおける光強度検知部340aが07:15に、機器102aにおける光強度検知部340aが08:23に、機器102bにおける光強度検知部340aが08:23に、それぞれ光強度の変化を検知している。
クラウドサーバ104の機器識別部2001aは、図7に示す時刻情報を基に、同一時刻に光強度の変化が検知された機器101a、機器101b及び機器101cをそれぞれ同一の部屋内に配置されている機器と識別する。同様に、機器識別部2001aは、同一時刻に光強度の変化が検知された機器102a及び機器102bをそれぞれ同一の部屋内に配置されている機器と識別する。
このように、機器識別部2001aが、光強度によって同室内に存在する機器を識別することにより、携帯電話機又はロボット掃除機など、複数の部屋を移動可能な機器又はブレーカーに接続されていない機器が同室内にあることを識別することができる。また、複数の機器に関する情報又は複数の機器を配置する部屋の位置を、ユーザ又はサービス提供者が予めシステムへ登録する作業も不要となる。光は隣の部屋への漏れが少ないため、光を用いた識別方法は、各部屋に属する機器を識別するのに際して、有効な手段となる。
ここで、ステップS620において各機器が直接クラウドサーバ104に時刻情報を送信したが、本発明はこれに限定されない。各機器は、ホームゲートウェイ103に時刻情報を送信し、ホームゲートウェイ103がクラウドサーバ104に時刻情報を送信するようにしてもよい。また、その際に、ホームゲートウェイ103が時刻情報を整理し、整理した時刻情報をクラウドサーバ104に送ってもよい。
また、部屋101内には光を発生させる光源が配置されることがより望ましい。これにより、光源が点灯(消灯)した時刻に、計測している光強度が増加(減少)した機器を部屋101内の機器と識別することが可能となるため、より正確に部屋101内の機器を識別することが可能となる。光を発生させる光源は、例えばLED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)又は蛍光灯など、一般的に用いられる照明機器等で構成される。
図8は、本実施の形態1の第1の変形例における情報提供システムの構成を示す図である。図8に示すように、情報提供システムは、光を発生させる光源801,802を備えてもよい。光源801,802は、ネットワーク1000を用いてクラウドサーバ104に接続する通信部810、制御部820、及び光を発する発光部800を備える。ここで、光源801は、部屋101内に配置され、光源802は、部屋101とは異なる部屋102内に配置される。
機器識別部2001aは、建物内の複数の部屋にそれぞれ配置された複数の光源の各々を所定の点灯パターンで点灯させる。機器識別部2001aは、複数の機器のうち同一の点灯パターンが検知された一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定する。
図9は、図8に示す情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、ステップS910において、クラウドサーバ104は、ユーザより何らかのインタラクションを受け、光源801に対して光強度を変化させるコマンドを送信する。ここで、何らからのインタラクションとは、ユーザがネットワーク1000に接続される何らかの端末を用いて、クラウドサーバ104を介して光源801を制御する指示を指す。
次に、ステップS920において、光源801の通信部810は、光強度を変化させるコマンドを受信し、光源801の制御部820は、発光部800の光強度を変化させる。
ステップS930及びステップS940の処理は、それぞれ図6におけるステップS610及びステップS620の処理と同様であるので説明を省略する。
次に、ステップS950において、ステップS910と同様に、クラウドサーバ104は、ユーザより何らかのインタラクションを受け、光源802に対して光強度を変化させるコマンドを送信する。
次に、ステップS960において、ステップS920と同様に、光源802の通信部810は、光強度を変化させるコマンドを受信し、光源802の制御部820は、発光部800の光強度を変化させる。
以下、ステップS970、ステップS980及びステップS990の処理は、それぞれ図6におけるステップS610、ステップS620及びステップS630の処理と同様であるので説明を省略する。
これによって、クラウドサーバ104などのネットワーク1000を介した機器から指示された、任意の時刻に光源801,802を点灯(消灯)することが可能となる。そのため、任意の時刻及び任意の頻度で同室内の機器を識別することが可能となる。また、ネットワーク1000を介して、ユーザ自身が光源801,802を点灯させる時刻を指示することも可能となる。
なお、光源801,802は、部屋101,102の天井に設置されていることが望ましい。これによって、より多くの同室内の機器が光を検出することが可能となるため、より多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。
また、複数の光源が、部屋101,102内の複数個所に設置されていることが望ましい。これによって、より多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。また、複数の光源の内、少なくとも一つが部屋101の天井に設置され、別の少なくとも一つが部屋101の床に設置されていることが望ましい。これにより、多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。
また、部屋101内には、波長の異なる光をそれぞれ出射する複数の光源が設置されていることが望ましい。これによって、機器ごとに検出できる光の波長が異なる場合でも、より多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。
また、複数個所に設置された複数の光源は、同期して点灯又は消灯させることが望ましい。同室内の各機器にて得られる光の強度が高まるため、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。このため、複数の個所に設置された複数の光源のそれぞれは、発光部800、通信部810及び制御部820を備えている光源801であることが望ましい。また、光源801及び光源802はネットワーク1000を用いてクラウドサーバ104に接続されていることが望ましい。これにより、同期した点灯又は消灯の制御が容易となる。
また、情報提供システムが光源801及び光源802を有する場合、光源801,802は光強度を時間的に変動させることが望ましい。これにより、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。
また、光源801,802は間欠点灯させてもよい。これにより、更に正確に同室内の機器を識別することが可能となる。ここで、間欠点灯とは、例えば、後述する図20及び図21に示すように、光出力を時間的に変化させて点灯(点滅駆動)させることである。
また、光源801,802の光強度を時間的に変化させる場合、光源801,802の光強度を周期的に変化させ、周期を変動させることが望ましい。また、光源801,802を間欠点灯させる場合、光源801,802を周期的に間欠点灯させ、周期を変動させることが望ましい。これによって、例えば、周期的な電気ノイズ及び光ノイズによる同室内の機器の誤識別を防止し、更に正確に同室内の機器を識別することが可能となる。
また、可視光が用いられる場合、情報提供システムは、各機器の光強度検知部340aに到達する光の明るさが、少なくとも1ルクス以上となる光源を備えることが望ましい。これによって、より正確に同室内の機器を識別することが可能となると同時に、ユーザにとっては、光源が照明の役割も果たすことになる。
また、光源の明るさは、100ルクス以上であることが望ましい。これにより、光源が、一般的な家事が可能な明るさをユーザに提供する照明の役割も果たすことになる。
また、光源の明るさは、1万ルクス以下であることが望ましい。これにより、ユーザが感じるまぶしさを軽減することが可能となる。
また、部屋101の天井、壁面及び床の少なくとも一部が、光を散乱させることが望ましい。これによって、より多くの機器で光を検出することが可能となるため、より多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。光を散乱させる面としては、光の波長と同程度の凹凸加工を施した面、又は、光の波長と同程度の粒子を含み、且つ、表面の反射を防止した面を用いることがより望ましい。これによって、より均一な光の散乱が可能となるため、より多くの機器を同室内の機器として識別することが可能となる。
また、部屋101,102の天井、壁面及び床の少なくとも一部に、光源801,802が発する光の反射率を高めるコーティングが施されていることが望ましい。これによって、各機器で検出される光の強度が高められるため、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。なお、コーティング材としては、油性シリコン又はスキルチタンが用いられる。
また、情報提供システムは、部屋101,102内のドア又はカーテンなどの光の出入り口の開閉を検知する検知部を備えることが望ましい。これにより、ドア又はカーテンが開けられることによって部屋に入射した光を各機器で検出することで、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。
また、上述の説明では、光(可視光)を検出することによって、同室内に存在する機器を識別する方法について示しているが、光は電磁波の一種であり、同じく電磁波である赤外線、紫外線又はマイクロ波などを用いても同室内に存在する機器を識別することは可能となる。
ただし、可視光、赤外線又は紫外線が用いられることが望ましく、最も安価で、正確に同室内の機器を識別することが可能となる。特に、可視光が用いられることが望ましく、消費電力を抑えて正確に同室内の機器を識別することが可能となる。また、赤外線又はマイクロ波が用いられてもよく、ユーザが部屋101内で就寝している間など、可視光の照射が望ましくないタイミングでも同室内の機器を識別することが可能となる。
また、赤外線が用いられることで、ユーザが部屋101内に侵入したタイミングで、人体から放射される赤外線が各機器で検知されるため、特別な光検出部を備えずとも、光強度検知部340aが人体を検知するための焦電センサを代用することが可能となる。これにより、人体を検知することが可能な同室内の機器を識別する方法となる。
また、光強度検知部340aは、可視光と赤外光とを検知する又は可視光とマイクロ波とを検知するなど、複数の波長の電磁波を検知することがより望ましい。これにより、より多くの機器を同室内の機器として検知することが可能となる。
例えば、機器101aの光強度検知部340aが赤外線のみを検知し、機器101cの光強度検知部340aが可視光のみを検知する場合であっても、機器101bの光強度検知部340aが可視光と赤外線との両方を検知することにより、3つの機器101a,101b,101cを同室内の機器として識別することが可能となる。
また、各機器は、テレビ又は光ディスクレコーダなどの機器を遠隔操作するためのリモートコントローラから出射される赤外線を検知してもよい。これにより、より安価に同室内の機器を検知することが可能となる。
(機器識別部2001b)
図10は、クラウドサーバ104の制御部321が機器識別部2001bを備える場合における各機器の構成を示す図である。部屋101及び部屋102内に配置された各機器101a,101b,101c,102a,102bは、それぞれ検知部340として音検知部340bを備える。
機器101a,101b,101cの音検知部340bは、部屋101の環境情報として、部屋101内の音を検知する。また、機器102a,102bの音検知部340bは、部屋102の環境情報として、部屋102内の音を検知する。音検知部340bは、例えばコイル、コンデンサ、又は圧電材料を用いたマイクロフォンで構成される。これによって、機器識別部2001bは、各機器にて検知された音の周波数特性又は音圧の時間変化を比較することにより、各機器が同じ部屋に設置されている機器であると識別(検出)することが可能となる。
環境情報は、複数の機器が音の変化を検知した時刻に関する情報を含む。機器識別部2001bは、複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定する。
以下に、機器識別部2001bによって、同室内の機器を識別する方法について述べる。
図11は、音を検知することで同室内の機器を識別する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。図11に示す情報提供システムの動作は、図6に示す光強度を検知することで同室内の機器を識別する情報提供システムの動作と同様であるが、異なる点は、ステップS1110において各機器101a,101b,101c,102a,102bが音の変化を検知していることである。
ステップS1110において、各機器101a,101b,101c,102a,102bの音検知部340bは、音の変化を検知する。音検知部340bが音の変化を検知するタイミングはいかなるものでもよい。例えば、音検知部340bは、ある一定の時間内に、音の波形又は周波数等の変化値が所定の閾値を超えたタイミングを検知してもよい。また、制御部320を有する機器においては、音検知部340bが一定時間ごとに音の波形又は周波数特性を検出し、制御部320が、音の波形又は周波数特性を検出した時刻と、検出された音の波形又は周波数特性の推移とに関するテーブルを作成してもよい。
ステップS1120及びステップS1130における処理は、図6におけるステップS620及びステップS630における処理と同様であり、クラウドサーバ104の機器識別部2001bは、各機器から送信された時刻情報に基づき、同室内にある機器を識別する。
このように、機器識別部2001bが、音によって同室内に存在する機器を識別することにより、携帯電話機又はロボット掃除機など、複数の部屋を移動可能な機器又はブレーカーに接続されていない機器が同室内にあることを識別することができる。音を用いた識別方法では、部屋内の各機器の位置関係を把握することも可能となる。これについては、機器位置検出部2003を説明する際に後述する。
また、機器識別部2001bは、音の波形又は周波数等の変化値を比較する替わりに、音圧が所定の閾値を超えた時刻が一致する機器を同室内の機器として識別してもよい。
また、光が用いられる場合(制御部321が機器識別部2001aを備える場合)と同様の理由により、情報提供システムは、部屋101又は部屋102内に音を生成する音源を備えることが望ましい。
音源は、生成する音の周波数特性が異なる複数の音源を含むことが望ましい。
さらに、情報提供システムは、音を出力するとともに、建物内の複数の部屋の間を移動する移動機器を備えてもよい。移動機器は、例えば携帯端末(スマートフォン)又は掃除機(ロボット掃除機)などの移動可能な機器である。このとき、機器識別部2001aは、建物内の複数の部屋の間を移動する移動機器から音を出力させる。環境情報は、複数の機器が移動機器によって出力された音の変化を検知した時刻に関する情報を含む。機器識別部2001aは、複数の機器のうち音の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定する。
また、情報提供システムは、機器識別部2001aと機器識別部2001bとを併用してもよい。例えば、光強度を検知する光強度検知部340aと音を検知する音検知部340bとの両方を備えた機器が存在する場合、同室内に光強度検知部340aのみを備えた機器と音検知部340bのみを備えた機器とが存在する場合も、それぞれの機器を同室内にある機器として識別することが可能となる。例えば、機器101aが音検知部340bのみを備え、機器101cが光強度検知部340aのみを備える場合であっても、機器101bが光強度検知部340aと音検知部340bとの両方を備えていることにより、3つの機器101a,101b,101cが同室内にあることが識別できる。
言うまでも無く、情報提供システムは、マイクロ波と音との両方を検知する機器など、複数の機器識別部を備えたクラウドサーバ104にネットワーク1000を介して接続された機器を備えていることが望ましい。
(機器識別部2001c)
図12は、クラウドサーバ104の制御部321が機器識別部2001cを備える場合における各機器の構成を示す図である。部屋101及び部屋102内に配置された各機器101a,101b,101c,102a,102bは、それぞれ検知部340として温度検知部340cを備える。
機器101a,101b,101cの温度検知部340cは、部屋101の環境情報として、部屋101内の温度を検知する。また、機器102a,102bの温度検知部340cは、部屋102の環境情報として、部屋102内の温度を検知する。温度検知部340cは、例えばサーミスタ又は熱伝対などで構成される。これによって、機器識別部2001cは、各機器にて検知された温度の時間変化を比較することにより、各機器が同じ部屋に設置されている機器であると識別(検出)することが可能となる。
環境情報は、複数の機器が温度の変化を検知した時刻に関する情報を含む。機器識別部2001cは、複数機器のうち温度の変化が検知された時刻が同じである一又は複数の機器を、同一の部屋内に設置されている機器として決定する。
以下に、機器識別部2001cによって、同室内の機器を識別する方法について述べる。
図13は、温度を検知することで同室内の機器を識別する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。図13に示す情報提供システムの動作は、図6に示す光強度を検知することで同室内の機器を識別する情報提供システムの動作と同様であるが、異なる点は、ステップS1310において各機器101a,101b,101c,102a,102bが温度の変化を検知していることである。
ステップS1310において、各機器101a,101b,101c,102a,102bの温度検知部340cは、温度の変化を検知する。温度検知部340cが温度の変化を検知するタイミングはいかなるものでもよい。例えば、温度検知部340cは、ある一定の時間内に、温度の変化値が所定の閾値を超えたタイミングを検知してもよい。また、制御部320を有する機器においては、温度検知部340cが一定時間ごとに温度を検出し、制御部320が、検出された温度の時間変化を示す波形を作成してもよい。
ステップS1320及びステップS1330における処理は、図6におけるステップS620及びステップS630における処理と同様であり、クラウドサーバ104の機器識別部2001cは、各機器から送信された時刻情報に基づき、同室内にある機器を識別する。
このように、機器識別部2001cが、温度によって同室内に存在する機器を識別することにより、携帯電話機又はロボット掃除機など、複数の部屋を移動可能な機器又はブレーカーに接続されていない機器が同室内にあることを識別することができる。温度を用いた識別方法では、光又は音を用いた識別方法より安価に同室内の機器を検出することが可能となる。また、温度が用いられる場合、光又は音と比較して変化に時間を要するため、一定の時間検出する必要がある。
また、内部で熱を発生する機器は、内部の発熱部からの距離がそれぞれ異なる複数の温度検知部を備えることが望ましい。これにより、より部屋の温度を正確に計測することが可能となるため、より正確に同室内の機器を検出することが可能となる。
例えば、機器は、発熱部から近い位置に配置される第1の温度検知部と、発熱部からの距離が第1の温度検知部より遠い位置に配置される第2の温度検知部とを備えてもよい。この場合、(1)発熱部と第1の温度検知部との間の熱抵抗、(2)第1の温度検知部と室内環境との間の熱抵抗、(3)発熱部と第2の温度検知部との間の熱抵抗、及び(4)第2の温度検知部と室内環境との間の熱抵抗を予め設定(記憶)しておくことにより、内部に発熱部があっても室内温度をより正確に計測することが可能となる。
また、光又は音が用いられる場合と同様の理由により、情報提供システムは、部屋101内に室温を変化させる装置を備えることがより望ましい。これにより、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。室温を変化させる装置としては、ヒーター、灯油ストーブ又はエアコンなどが用いられる。
また、部屋内の室温を均一化させる送風装置が部屋101内に設置されていることが望ましい。これによって、より正確に同室内の機器を識別することが可能となる。
また、前述と同様の理由により、機器は、光(電磁波)の強度を検知する光強度検知部340aと温度検知部340cとの両方を備えることが望ましい。また、機器は、音検知部340bと温度検知部340cとの両方を備えることが望ましい。さらに、機器は、光強度検知部340aと音検知部340bと温度検知部340cとを備えることが望ましい。
(部屋位置検出部2002)
次に、各部屋の位置関係を検出する部屋位置検出部2002について以下に説明する。同じ部屋に設置されている機器群を把握するだけではなく、建物内の各部屋の位置関係を把握することで、各部屋の位置関係に基づいた機器制御が可能となる。
図14は、クラウドサーバ104の制御部321が部屋位置検出部2002を備える場合における情報提供システムの構成を示す図である。図14に示すように、部屋毎に少なくとも一つの機器が通信部310と音検知部340bとを備えることが望ましい。例えば、部屋101の機器101aと部屋102の機器102aとが共に音検知部340bを備えていればよい。その場合、その他の機器101b,101c,102bは、音検知部340bを備えていなくてもよい。音は部屋を越えて伝わるため、部屋101の機器101aと部屋102の機器102aとが共に音検知部340bを備えていれば、部屋101と部屋102との位置関係が分かる。音検知部340bは、例えばコイル、コンデンサ又は圧電材料を用いたマイクロフォンで構成される。
また、図14に示すように、部屋101又は部屋102の少なくともいずれかの部屋に音源1401が配置されていることが好ましい。音源1401は、部屋101及び部屋102以外の空間に配置してもよい。また、音源1401は、音を発生させる発音部1400を備える。また、音源1401は、通信部1410及び制御部1420を備えてもよく、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104と通信可能に接続されてもよい。音源1401としては、音を発生させる機能を備える機器であればいかなる機器でもよく、スピーカ又はブザー等が用いられる。
以下に、部屋位置検出部2002の詳細を述べる。図15は、各部屋の位置関係を検出する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、ステップS1510において、音源1401の発音部1400は、音を発生させる。発音部1400が音を発生させる方法はいかなる方法でもよい。また、発音部1400が音を発生させるタイミングも特に限定しない。例えば、音源1401の通信部1410が、音を発生させる指示をクラウドサーバ104から受信し、発音部1400は、クラウドサーバ104からの指示に応じて音を発生させてもよい。
次に、ステップS1520において、機器101aの音検知部340bは、音の変化を検知する。音検知部340bが音の変化を検知する処理は、図11のステップS1110における処理と同様である。
次に、ステップS1530において、機器101aの通信部310は、音の変化を検知した時刻を示す時刻情報をクラウドサーバ104に送信する。
次に、ステップS1540において、機器102aの音検知部340bは、音の変化を検知する。音検知部340bが音の変化を検知する処理は、図11のステップS1110における処理と同様である。
次に、ステップS1550において、機器102aの通信部310は、音の変化を検知した時刻を示す時刻情報をクラウドサーバ104に送信する。
ここでは、ステップS1520において機器101aが音の変化を検知するタイミングと、ステップS1540において機器102aが音の変化を検知するタイミングとは、異なる。すなわち、部屋101内に音源1401が配置されている場合には、機器101aが機器102aよりも早く音の変化を検知する。
ここで、ステップS1530の処理は、ステップS1540の処理の後でもよい。
次に、ステップS1560において、クラウドサーバ104の部屋位置検出部2002は、各機器から送信された時刻情報に基づき、各部屋間の位置を検出する。
図16は、クラウドサーバ104に送信される時刻情報の一例を示す図である。図16に示す例では、機器101aの音検知部340bが07:15:32:40に音の変化を検知し、機器102aの光強度検知部340aが07:15:32:52に音の変化を検知している。
クラウドサーバ104の部屋位置検出部2002は、図16に示す時刻情報を基に、部屋101と部屋102との位置関係を検出する。すなわち、この場合は、機器101aの方が機器102aより早く音を検知しているので、機器101aが存在する部屋101が、音源1401が存在する部屋と同じであり、機器102aが存在する部屋102が、音源1401が存在する部屋と異なることが算出できる。クラウドサーバ104の部屋位置検出部2002が部屋間の位置を算出する方法はこれに限られない。例えば、音源1401の通信部1410は、音源1401が音を発した発音時刻を示す発音時刻情報をクラウドサーバ104に送信し、部屋位置検出部2002は、図16に示す時刻情報と受信した発音時刻情報とを比較することで、より正確な部屋の位置を算出してもよい。
また、部屋位置検出部2002は、音を発した時刻と、音の変化が検知された時刻とに基づいて、音源1401と機器101aとの間の距離及び音源1401と機器102aとの間の距離を算出することができる。
これにより、GPS(Global Positioning System)の精度が低い建物の中でも、各部屋の位置関係を明確にすることが可能となる。
また、音源1401は、通信部1410及び制御部1420を備えていることが望ましい。これにより、ネットワーク1000を介して任意のタイミングで同室内に存在する機器の識別が可能となる。
また、各機器で検出した音の大きさから、各機器が、同じ部屋にあるのか、異なる部屋にあるのかを識別することも可能となる。
また、各機器は、互いに同期しているタイマーを備えることが望ましい。これによって、より正確に音を検知した時刻を比較することが可能となるため、より正確に各部屋の位置関係を把握することが可能となる。
また、家庭(建物)内には、複数の音源が互いに異なる位置に配置されることが望ましい。なお、複数の音源は、ネットワーク1000に接続されることが望ましい。これにより、各音源から各機器までの距離が分かるため、より正確に家庭内の各機器(各部屋)の位置関係を把握することが可能となる。
また、複数の音源は、互いに高さの異なる位置に配置されていることが望ましい。これにより、家庭内の各機器(各部屋)の高さ(部屋の場合は何階なのか)を把握することが可能となり、さらに、家庭内の各部屋の高さ(何階であるか)を把握することが可能となる。
また、高さの異なる複数の音源は、同一の機器に設置されていることが望ましい。これにより、より正確に各機器(各部屋)の高さを把握することが可能となる。
また、より望ましくは、高さの異なる複数の音源の横方向の位置が近いことが望ましい。横方向の位置を極力一致させるため、一つの機器に複数の音源が一体に配置されることが望ましい。また、高さの異なる複数の音源を備えた機器は、予め決められた向き(上下方向の向き)に設置されるよう、設置面が指定される機器であることが望ましい。これにより、更に正確に各機器(各部屋)の高さを把握することが可能となる。
また、高さの異なる複数の音源を備えた機器は、指定された設置面が床面に接触していないことを検知するとともに、ユーザに警告などを通知する通知部を備えることが望ましい。これによって、より正確に各機器の高さを把握することが可能となる。
また、情報提供システムは、家庭(建物)内を移動する移動型の音源を備えることが望ましい。音源が家庭(建物)内の各部屋を移動しながら、音を発生させることにより、一つの音源で複数の部屋の位置関係をより正確に把握することができる。
また、移動型の音源は、家庭内で設置個所が固定された音源から発する音、又は自身の移動履歴などに基づいて、自身の現在地に関する情報を取得することが望ましい。これにより、より正確に各機器(各部屋)の位置を把握することが可能となる。
また、移動型の音源は、家庭内の部屋の形状を把握するためのレーザ光源を備えることが望ましい。これによって、より短時間で家庭内の機器の位置を把握することが可能となる。
また、情報提供システムは、移動型の音源に替えて、移動型の光源又は移動型のマイクロ波発信源を備えてもよい。この場合、上記の移動型の音源と同様に、各機器の光強度検知部又はマイクロ波検知部が、移動型の光源又はマイクロ波発信源から出力される光又はマイクロ波を検知することで、各部屋の位置関係を把握することが可能となる。
ただし、移動型の音源又は移動型のマイクロ波発信源が進入することができない進入不可エリアが家庭内にある場合、進入不可エリア内に配置された機器の位置も把握できるため、情報提供システムは、移動型の音源又は移動型のマイクロ波発信源を備えることが望ましい。
また、移動型の光源により、より正確に同室内の機器を把握することが可能となる。
また、複数の階を有する家庭(建物)においては、各階ごとに少なくとも一つの音源が配置されていることが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置を把握することが可能となる。
また、異なる部屋に配置された機器が、音検知部340bの代わりにマイクロ波を検出するマイクロ波検出部を備えていてもよい。
これにより、音が用いられる場合と同様に、マイクロ波発信源から各機器までの距離が分かるため、家庭内の各機器(各部屋)の位置関係を把握することが可能となる。
しかし、マイクロ波は音と比べて、発信源から各機器までの距離を計測するのが難しい。そのため、音を用いる位置検出方法の方がより望ましく、より高精度に部屋の位置関係を把握することが可能となる。
なお、マイクロ波は防音壁を越えて伝わるため、例えば、防音室内に配置された機器の位置検出に適している。
また、マイクロ波と音との両方を用いて部屋の位置関係を検出することがより望ましい。マイクロ波発信源にて発信したマイクロ波を各部屋の機器で受信したタイミングを用いて、各機器内のタイマーを同期させることで、より正確に各機器で音の変化を検知した時刻を比較することが可能となる。つまり、より高精度に各機器(各部屋)の位置関係を把握することが可能となる。
(機器位置検出部2003)
次に、各部屋内の各機器の位置関係を検出する機器位置検出部2003について以下に説明する。同じ部屋に設置されている機器群を把握し、家庭内の各部屋の位置関係を把握するだけではなく、各部屋内の各機器の位置を把握することで、より詳細な機器制御が可能となる。なお、以下の説明では、部屋101内の複数の機器の位置を検出する例を説明する。
機器位置検出部2003は、機器位置検出部2003a及び機器位置検出部2003bを含む。
ここでは、同室内の機器の位置を検出するいくつかの方法(機器位置検出部2003a及び機器位置検出部2003b)について示す。
(機器位置検出部2003a)
図17は、クラウドサーバ104の制御部321が機器位置検出部2003aを備える場合における情報提供システムの構成を示す図である。図17では、部屋101内に機器101a、機器101b、機器101c、機器101d及び撮像装置1701が配置される例を示す。
部屋101内の機器101aは、通信部310及び発光部360aを備えることが望ましく、機器101bは、通信部310及び発光部360bを備えることが望ましく、機器101cは、通信部310及び発光部360cを備えることが望ましく、機器101dは、通信部310及び発光部360dを備えることが望ましい。
発光部360a、発光部360b、発光部360c及び発光部360dは、光を発する。なお、発光部360a、発光部360b、発光部360c及び発光部360dは、例えばLED又はOLEDなどで構成され、いかなるものでもよい。ここでは説明のために、各発光部には、360a、360b、360c及び360dbの符号を付しているが、各機器は、それぞれ同一の発光部を備えてもよい。
また、部屋101内には、撮像装置1701が配置されている。撮像装置1701は、撮像部1700、通信部1710及び制御部1720を備えることが望ましい。これにより、撮像装置1701は、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に接続することができる。クラウドサーバ104への接続の方法は特に限定せず、例えば無線通信(Bluetooth(登録商標)又は無線LAN)などが用いられる。
撮像部1700は、例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子と光学系とを備えたイメージセンサで構成される。また、撮像装置1701は、部屋の端又は天井などの部屋101の大部分を観察(撮像)できる位置に設置されることが望ましい。
この構成により、各機器101a,101b,101c,101dの発光部360a,360b,360c,360dが点滅され、発光部360a,360b,360c,360dからの光が撮像装置1701で検出される。これにより、各機器101a,101b,101c,101dが撮像装置1701と同じ部屋にある機器であることを識別し、各機器101a,101b,101c,101dと撮像装置1701との位置関係を把握することが可能となる。また、複数の機器101a,101b,101c,101dが通信部310を備えている場合は、各機器同士の位置関係も把握することが可能となる。
図18は、撮像装置1701を有する部屋101の一例を示す図である。部屋101には、通信部1710を備えた撮像装置1701が配置されている。撮像装置1701は、部屋101内に設置された各機器101a,101b,101c,101dを撮像する。ここでは、例えば、機器101aとしてコーヒーメーカー、機器101bとして炊飯器、機器101cとして電子レンジ、機器101dとして冷蔵庫が、撮像装置1701の撮像エリア内に設置されている。各機器101a,101b,101c,101dは、それぞれ少なくとも1つの発光部360a,360b,360c,360dを備える。部屋101に設置された各機器101a,101b,101c,101d及び撮像装置1701は、それぞれ通信部310及び1710によって、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に接続されている。
続いて、図19を用いて、機器位置検出部2003aによって機器の位置を検出する方法について説明する。
図19は、同室内の複数の機器の位置関係を検出する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、ステップS1901において、クラウドサーバ104の通信部311は、各機器101a〜101d及び撮像装置1701に、同室内の複数の機器の位置関係を検出する位置検出モードを開始するための位置検出開始信号を送信する。位置検出開始信号は、ユーザによって指定されたタイミングで送信してもよいし、予め定められたタイミングで送信してもよい。
次に、ステップS1902において、位置検出開始信号を受信した機器101a、機器101b、機器101c及び機器101dは、機器ごとに予め設定された間欠パターンにて発光部360a〜360dの間欠点灯を開始する。ここで、間欠パターンは、機器ごとに異なるパターンであることが望ましい。そのため、間欠パターンは機器ごとに予め設定されているのではなく、クラウドサーバ104が各機器に対してそれぞれ別々の間欠パターンにて間欠点灯させるコマンドを送信してもよい。
図20は、発光部を間欠点灯させる間欠パターンの一例を示す図であり、図21は、発光部を間欠点灯させる間欠パターンの他の例を示す図である。
ここで、間欠パターンで光源を点灯させるとは、例えば、図20に示すように光出力を時間的に変化させて点灯(点滅駆動)させることである。また、機器ごとに異なる間欠パターンとしては、例えば、(1)機器ごとに光源のON及びOFFの周期が異なる、又は(2)機器ごとに光源のON時間とOFF時間との割合が異なるなどが用いられる。また、図21に示すように、複数の周期でON時間とOFF時間との割合が一定ではない間欠パターンを用いることがより望ましい。これにより、より正確に各機器の位置を識別することが可能となる。
次に、ステップS1903において、位置検出開始信号を受信した撮像装置1701の撮像部1700は、部屋101内の画像の撮像を開始する。画像の撮像は、周期的及び連続的に複数枚の画像を撮像する方法が好ましい。また、クラウドサーバ104は、撮像する時刻と撮像する画像の枚数とを指定してもよい。図19では、一定時間間隔で周期的に画像が撮像される例を示している。
なお、ステップS1903及びステップS1902のタイミングは、ステップS1901にてクラウドサーバ104が各機器に信号を送信した直後でもよいし、各機器によって設定されたタイミングであってもよい。また、クラウドサーバ104が、各機器に対してステップS1930の間欠点灯を開始するタイミング及びステップS1920の撮像を開始するタイミングを指示してもよい。
次に、ステップS1904において、撮像装置1701の通信部1710は、クラウドサーバ104にステップS1903において撮像された画像を送信する。図示していないが、クラウドサーバ104のメインメモリ331は、送信された画像を逐次保存する。
次に、ステップS1905において、クラウドサーバ104の機器位置検出部2003aは、各機器の位置を検出できるか否かを判断する。
次に、ステップS1905で各機器の位置を検出できないと判断された場合、ステップS1906において、クラウドサーバ104の通信部311は、撮像装置1701に、再度撮像するためのコマンドを送信する。
そして、ステップS1903〜S1906の一連の処理が、クラウドサーバ104が各機器の位置を検出できるまで繰り返される(ステップS1907〜S1913)。
なお、機器の位置は、この一連の処理が繰り返される処理以外の方法によって検出してもよい。例えば、撮像装置1701は、一定時間連続的に複数枚の画像を撮像した後に、複数枚の画像をまとめてクラウドサーバ104に送信してもよい。
そして、ステップS1913にて各機器の位置を検出できると判断された場合、ステップS1914において、クラウドサーバ104の通信部311は、機器101a、機器101b、機器101c、機器101d及び撮像装置1701に対して位置検出モードを終了するとともに間欠点灯を終了するためのコマンドを送信する。
ステップS1915において、機器101a、機器101b、機器101c及び機器101dの発光部360a〜360dは、それぞれ間欠点灯を終了する。
次に、ステップS1916において、機器101a、機器101b、機器101c及び機器101dの通信部310は、型番及び製造番号など各機器を識別するための識別情報、及び各機器が実行していた間欠パターンに関する情報をクラウドサーバ104に送信する。なお、予めクラウドサーバ104が各機器101a〜101dに対してそれぞれ別々の間欠パターンにて間欠点灯するコマンドを送信していた場合は、ステップS1916の処理は不要となる。
最後に、ステップS1917において、クラウドサーバ104の機器位置検出部2003aは、各機器から送信された識別情報、間欠パターンに関する情報、及び撮像装置1701から送信された複数の画像を比較し、間欠パターン通りに時間変化している画素に相当する位置を算出することで、各機器の位置を特定する。ここで、ステップS1917において、クラウドサーバ104の機器位置検出部2003aは、各画像に簡単な画像処理を施すことで時間変化している画素に相当する位置を算出してもよい。
また、図18では、撮像装置1701は、部屋101内に単独で設置されているが、照明機器に搭載されていてもよい。また、撮像装置1701が発光部を備えていてもよい。これにより、撮像装置1701にて、位置が把握できていない機器がユーザにとって明らかとなるため、撮像装置1701にて機器の位置が把握できる位置に機器を移動させることが可能となる。つまり、照明機器から発せられた光が発光部に届いていない、すなわち発光部が影で覆われている機器は、ユーザが把握できるため、照明機器からの光が発光部に届く位置に機器を移動させることで、機器の位置を把握することが可能となる。これにより、同室内のより多くの機器を把握することが可能となる。
また、撮像装置1701は、火災を検知し、ユーザに火災を通報する機能を備えてもよい。これにより、熱感知型又は煙感知型の火災報知器より早くユーザに火災の予兆を通知することが可能となる。このため、撮像装置1701は、赤外線、特に、6μmを超える遠赤外線を検出し、検出された遠赤外線量が予め設定された閾値を超えた際に、設置された部屋内に火災が発生したことを検知し、ユーザに通知してもよい。
また、同室内の異なる位置に複数の撮像装置1701が設置されていてもよい。これによって、部屋内の各機器の位置をより正確に、立体的に把握することが可能となる。
また、上記のように複数の撮像装置1701が配置される場合、複数の撮像装置1701は、互いの位置関係を把握することが望ましい。このため、少なくとも一の撮像装置の撮像エリア内に他の撮像装置が設置されていることが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置が把握できる。また、撮像装置同士の相互の位置関係を把握する場合についても、光源の間欠パターンで位置を把握する方法を用いることができる。
また、一つの撮像装置によって奥行き方向の位置情報を把握するため、撮像装置1701は、奥行き方向の位置情報を取得する奥行き位置情報取得部を備えてもよい。奥行き位置情報取得部としては、例えば、レンズ又は撮像素子の位置を変えることで、集光位置を変える単眼3Dカメラ、又は撮像位置が異なる複数の画像から奥行きを判断する複眼3Dカメラが用いられる。
また、上記では、機器ごとに異なる間欠パターンで発光部360a〜360dを点滅させて、各機器の位置を把握する方法について示したが、例えば、各機器は、機器ごとに異なる波長の光を発する発光部を備えてもよく、発光部の光の波長を基に各機器を識別する方法を用いてもよい。
この場合、各機器は、位置検出モード中に機器ごとに波長が異なる発光部を点灯(又は点滅)させ、撮像装置1701は、カラーフィルタ又は回折格子などの波長分離部を備えた撮像素子で、各発光部の位置と各発光部の波長に関する情報とを取得する。機器位置検出部2003aは、クラウドサーバ104内に記憶された、各機器を識別する識別情報と各機器の発光部の波長との関係を示すデータベースを基に、各機器の識別情報と各機器の位置との関係を算出する。
機器毎に異なる間欠パターンを用いる方法は、より安価であるため望ましいが、機器毎に異なる波長を用いる方法は、撮像部1700のフレームレートを下げて、低電力駆動が可能となるため望ましい。
また、各機器がディスプレイを備え、各機器に備えたディスプレイが各機器を識別するための識別情報(2次元バーコードのようなマーク又は画像)を表示し、機器位置検出部2003aは、撮像装置によって撮像された画像に含まれる識別情報から各機器の位置を把握してもよい。
機器毎に異なる間欠パターンを用いる方法は、より安価であるため望ましいが、識別情報を表示するディスプレイを用いる方法は、機器毎に異なる波長を用いる方法より更に、撮像部1700のフレームレートを下げて、低電力駆動が可能となるため望ましい。
また、機器毎に異なる波長を用いる方法は、識別情報を表示するディスプレイを用いる方法より、正確に各機器を識別することが可能となるため望ましい。
また、各機器は、ディスプレイの替わりに、アレイ状に配置された複数の光源を備えてもよいことは言うまでもない。
また、発光部360a〜360dから出る光、及び撮像装置1701にて計測する光は、可視光であってもよい。これにより、後述するが、撮像部1700を用いて、家庭内のユーザの位置の把握及びユーザの識別が低コストで可能となる。
また、発光部360a〜360dから出る光、及び撮像装置1701にて計測する光は、近赤外光であってもよい。これにより、ユーザが部屋内で就寝している間など、可視光の発生が望ましくない状況でも、ユーザに不快な思いをさせることなく、各機器の位置を把握することが可能となる。
(機器位置検出部2003b)
図22は、クラウドサーバ104の制御部321が機器位置検出部2003bを備える場合における情報提供システムの構成を示す図である。図22では、部屋101内に機器101a、機器101b、機器101c、機器101d及び熱放射分布計測装置2201が配置される例を示す。
部屋101内の機器101aは、通信部310及び熱放射量推定部370aを備えることが望ましく、機器101bは、通信部310及び熱放射量推定部370bを備えることが望ましく、機器101cは、通信部310及び熱放射量推定部370cを備えることが望ましく、機器101dは、通信部310及び熱放射量推定部370dを備えることが望ましい。
熱放射量推定部370a、熱放射量推定部370b、熱放射量推定部370c及び熱放射量推定部370dは、機器自身が発する熱放射量を推定する。熱放射量推定部370a、熱放射量推定部370b、熱放射量推定部370c及び熱放射量推定部370dは、機器自身が発する熱放射量を推定する機能を有するものであれば、いかなるものでもよい。熱放射量推定部370a、熱放射量推定部370b、熱放射量推定部370c及び熱放射量推定部370dは、例えば、サーミスタ又は熱電対などの温度計測部で構成される。これによって、熱放射量推定部370a、熱放射量推定部370b、熱放射量推定部370c及び熱放射量推定部370dは、各機器の温度から、各機器が発する熱放射量を算出することが可能となる。
各機器101a〜101dの通信部310は、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に接続されている。例えば、各機器101a〜101dとクラウドサーバ104との通信は、Bluetooth(登録商標)又は無線LANなどの無線通信が用いられる。
ここでは説明のために、熱放射量推定部には、370a、370b、370c及び370dの符号を付しているが、各機器は、それぞれ同一の熱放射量推定部を備えてもよい。
また、部屋101内には、熱放射分布計測装置2201が配置されている。熱放射分布計測装置2201は、熱放射分布を計測する計測部2200、通信部2210及び制御部2220を備えることが望ましい。これにより、熱放射分布計測装置2201は、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に接続することができる。クラウドサーバ104への接続の方法は特に限定せず、例えば無線通信(Bluetooth(登録商標)又は無線LAN)などが用いられる。
また、熱放射分布計測装置2201は、部屋の端又は天井などの部屋101の大部分を観察できる位置に設置されることが望ましい。
熱放射分布計測装置2201は、例えば、パイロ、サーモパイル又はボロメーターなどからなる赤外線センサアレイと、ゲルマニウム又はカルコゲナイドからなるレンズ光学系とを備えた赤外線カメラで構成される。
この構成により、熱放射分布計測装置2201から得られる部屋内の熱放射分布の情報に基づき、各機器101a,101b,101c,101dと熱放射分布計測装置2201が同じ部屋にあることを識別し、更に、各機器101a,101b,101c,101dと熱放射分布計測装置2201との位置関係を把握することが可能となる。また、複数の機器が設置された部屋の場合は、各機器の位置関係も把握することが可能となる。
図23は、熱放射分布計測装置2201を有する部屋101の一例を示す図である。部屋101には、熱放射分布計測装置2201が配置されている。熱放射分布計測装置2201は、各機器101a,101b,101c,101dが設置された部屋101内の熱放射分布を計測する。また、ここでは、例えば、機器101aとしてコーヒーメーカー、機器101bとして炊飯器、機器101cとして電子レンジ、機器101dとして冷蔵庫が、熱放射分布計測装置2201の計測エリア内に設置されている。部屋101に設置された各機器101a〜101d及び撮像装置1701は、それぞれ通信部310及び2210によって、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に接続されている。
続いて、図24を用いて、機器位置検出部2003bによって機器の位置を検出する方法について説明する。
図24は、同室内の複数の機器の位置関係を検出する情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、ステップS2401において、熱放射分布計測装置2201の通信部2210は、赤外線センサアレイの各素子(各画素)で計測された熱放射量(熱放射量分布)を、周期的にネットワーク1000を介して、クラウドサーバ104に送信する。図示していないが、クラウドサーバ104のメインメモリ331は、送信された熱放射量分布を逐次保存する。
次に、ステップS2402において、各機器101a〜101dの通信部310は、各機器101a〜101dを識別する識別情報と、熱放射量推定部370a〜370dにて推定された熱放射量を、周期的にネットワーク1000を介して、クラウドサーバ104に送信する。図示していないが、クラウドサーバ104のメインメモリ331は、送信された各機器101a〜101dを識別する識別情報と各機器101a〜101dの熱放射量とを逐次保存する。
そして、ステップS2403において、クラウドサーバ104の機器位置検出部2003bは、熱放射分布計測部1301から得られる各画素の熱放射量と、各機器101a〜101dの熱放射量推定部370a〜370dから得られる周期的な熱放射量のデータ(時間変化履歴)とを比較し、相関の強さを算出することで各機器101a〜101dの位置(位置関係)を特定する。
なお、機器位置検出部2003bは、図19に示した機器位置検出部2003aと同様のフローにて、各機器の位置を検出してもよい。
機器位置検出部2003aでは、任意のタイミングで各機器の位置(位置関係)を把握することが可能となるため望ましい。また、機器位置検出部2003bでは、より安価で、光源を備えない機器の位置(位置関係)を把握することが可能となるため望ましい。
また、各機器の位置検出方法において、各機器の温度計測部で得られた温度から熱放射量を算出する場合、各機器の筐体の放射率を考慮して算出されることが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置が明らかとなる。
このため、例えば、各機器と、各機器の筐体の放射率とを関連付けたデータベースが、ネットワーク1000に繋がるクラウドサーバ104のメインメモリ331に保存されていることが望ましい。また、各機器が、自身の筐体の放射率を考慮して熱放射量を算出してもよい。
また、各機器の熱放射量推定部370a〜370dとして、上記では、各機器に備えた温度計測部が用いられるが、熱放射量推定部370a〜370dは、各機器への投入電力(各機器での消費電力)を基に、各機器の熱放射量を推定してもよい。
例えば、熱放射量推定部370a〜370dは、家庭内のコンセントから各機器に投入される電力を計測し、通信部310は、得られた投入電力を、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に送信する。クラウドサーバ104のメインメモリ331は、送信された各機器の投入電力を逐次保存する。これによって、機器位置検出部2003bは、各機器内での発熱量を算出できる。機器位置検出部2003bは、算出した各機器内での発熱量を基に、各機器の温度を推定し、各機器の熱放射量を推定してもよい。
この場合、機器位置検出部2003bは、各機器内に投入された電力の内、熱エネルギーに変換される変換効率を考慮して、各機器内での発熱量を計算することが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置が把握できる。
このため、クラウドサーバ104は、熱エネルギー以外に変換されるエネルギー量を機器ごとに初期登録しているか、各機器は、熱エネルギー以外に変換されるエネルギー量を計測する機能を備えていることが望ましい。例えば、機器がテレビである場合、テレビの画面から照射される可視光のエネルギーが、クラウドサーバ104のデータベースに保存(初期登録)される。また、機器がラジオである場合、ラジオのスピーカから発せられる音のエネルギーが、クラウドサーバ104のデータベースに保存(初期登録)される。また、各機器が、随時、現在の熱エネルギー以外に変換されるエネルギー量を計測する機能を備えてもよい。これらにより、各機器内での発熱量を計算することが可能となる。
また、バッテリーを備えた機器では、充電に使われるエネルギーも熱エネルギー以外に変換されるエネルギーとなる。また、逆に、バッテリーから得られるエネルギーの内、熱エネルギーに変換されるエネルギーは、コンセントからの投入電力以外で各機器内の発熱の原因となる。そのため、バッテリーを備えた機器は、充放電のエネルギーを計測する機能を備えていることが望ましい。同様の理由により、太陽電池などの発電部を備えている機器は、発電量を計測する機能を備えていることが望ましい。
また、各機器内の発熱源から筐体までの熱抵抗、及び筐体から室内空気への熱抵抗を考慮することで、より正確に各機器の温度を算出することができる。
温度計測部を用いる方法は、より正確に各機器の位置把握が可能となるため望ましい。また、投入電力計測部を用いる方法は、温度センサが不要となるため、より安価に各機器の位置把握が可能となるため望ましい。
また、より簡単な方法としては、各機器の投入電力(消費電力)の増減のタイミングと、熱放射分布計測部1301の各画素で計測される熱放射量の増減のタイミングとが比較されることで、各機器の位置を特定することが可能となる。
図25は、任意の機器Aの筐体から放射される熱放射量と、任意の機器Aへの投入電力との関係を示す図である。図25に示すように、投入電力2701の増減に伴って、熱放射量2702が増減していることが分かる。ただし、図25からも分かるように、投入電力2701の増減のタイミングと熱放射量2702の増減のタイミングとの間には若干の時間的遅延が発生する。この遅延時間は、各機器の熱容量に影響される。そのため、各機器の熱容量、又は各機器の投入電力の増減と熱放射量の増減との遅延時間が、クラウドサーバ104のデータベースに保存(初期登録)されていることが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置把握が可能となる。
ただし、投入電力から各機器の熱放射量を推定する方法は、より高精度に機器の位置の検出が可能となるため望ましい。
また、図23では、熱放射分布計測装置2201は、部屋101内に単独で設置されているが、照明機器に搭載されていてもよい。また、熱放射分布計測装置2201が発光部を備えていてもよい。これにより、熱放射分布計測装置2201にて、位置が把握できていない機器がユーザにとって明らかとなるため、熱放射分布計測装置2201にて機器の位置が把握できる位置に機器を移動させることが可能となる。つまり、照明機器から発せられた光が届いていない、すなわち影で覆われている機器は、ユーザが把握できるため、照明機器からの光が届く位置に機器を移動させることで、機器の位置を把握することが可能となる。これにより、同室内のより多くの機器を把握することが可能となる。
また、同室内の異なる位置に複数の熱放射分布計測装置2201が設置されていてもよい。これによって、部屋内の各機器の位置をより正確に、立体的に把握することが可能となる。
また、上記のように複数の熱放射分布計測装置2201が配置される場合、複数の熱放射分布計測装置2201は、互いの位置関係を把握することが望ましい。このため、少なくとも一の熱放射分布計測装置の計測エリア内に他の熱放射分布計測装置が設置されていることが望ましい。これにより、より正確に各機器の位置が把握できる。また、熱放射分布計測装置同士の位置関係を把握する場合も、少なくとも一の熱放射分布計測装置が熱放射量推定部を備え、上記の機器の位置関係を把握する方法を応用することができる。
また、熱放射分布計測装置2201はエアコンに搭載されていてもよい。また、熱放射分布計測装置2201は、特定の方向に対して冷風又は温風の少なくとも一方を生成する送風部を備えてもよい。例えば、ある機器Aについて、正確な位置情報が得られていない場合、送風部は、部屋内の各位置に向けて冷風(又は温風)を送風し、機器Aの温度計測部の変化がモニタリングされる。すなわち、送風部は、任意の機器Aに向けて、室温と異なる温度の空気を送風する。これにより、機器Aの位置をより正確に把握することが可能となる。
また、熱放射分布計測装置2201は、火災を検知し、警報を発報する機能を備えてもよい。これにより、熱感知型又は煙感知型の火災報知器より早くユーザに火災の予兆を通知することが可能となる。また、熱放射分布計測装置2201は、警報を発報する警報発報装置にネットワーク1000を介して接続されていてもよく、火災検知時に警報発報装置に警報の発報を指示する信号を送信してもよい。
また、熱放射分布計測装置2201は、通信部を備えた火災報知器に搭載されてもよい。
また、一つの熱放射分布計測部によって奥行き方向の位置情報を把握するため、熱放射分布計測装置2201は、奥行き方向の位置情報を取得する奥行き位置情報取得部を備えてもよい。奥行き位置情報取得部としては、例えば、レンズ又は赤外センサアレイの位置を変えることで、フォーカス位置を変える単眼3D赤外線カメラ、又は異なる複数の位置に設置された赤外センサアレイを用いて奥行きを判断する複眼3D赤外線カメラが用いられる。
複眼3D赤外線カメラと同様の構成を1つの機器で実現するため、例えば、テレビ又はエアコンなど、家庭内で横方向のサイズが大きい家電製品の両端に熱画像分布計測装置が設けられていることが望ましい。
これにより、より高精度に奥行き方向の位置情報が取得できるため、家庭内の各機器の配置をより高精度に把握することが可能となる。
以上、可視光(撮像装置1701)又は熱放射(熱放射分布計測装置2201)を用いて、各機器の位置を把握する方法を示したが、各機器が固有の超音波信号を発信し、アレイ状の超音波計測装置が各機器から出た超音波信号を受信することにより、機器位置検出部が各機器の位置を検出してもよい。
可視光又は熱放射を用いる方法は低コストの点で望ましいが、超音波を用いる方法は、障子などの光又は熱放射を遮断する部材、又は煙などの光散乱物質を透過することが可能となるため、これらの障害物が設置された部屋でも、より多くの機器の位置を把握することが可能となる点において望ましい。
また、部屋内の特定の機器(エアコン又は照明機器など)に搭載された撮像装置又は熱放射分布計測装置は、任意のタイミングで本発明の効果を発揮し、各機器の位置を把握することを可能とするため、搭載されるエアコン又は照明機器が停止している間も部屋内を撮像する又は部屋内の熱放射分布を計測することが望ましい。
また、撮像装置又は熱放射分布計測装置は、上述の部屋の位置関係を検出する方法により、設置されている部屋の位置関係を把握するための機能を備えてもよい。これにより、家庭内の部屋内の各機器の位置関係を把握することで可能な機器制御が可能となる。
また、機器位置検出部2003aは、より短時間で各機器の位置把握が可能なため望ましく、機器位置検出部2003bは、光源を備えていない機器の位置把握も可能となるため望ましい。
(ユーザ位置検出部2004)
最後に、各部屋内のユーザと各機器との位置関係を識別する方法について以下に説明する。同じ部屋に設置されている機器群を把握し、家庭内の各部屋の位置関係を把握し、各部屋内の各機器の位置を把握するだけではなく、各ユーザの位置を把握することで、各機器の使用者を把握することが可能となる。使用者を把握することにより、よりユーザに適した機器制御が可能となる。ここでは、部屋101内の人の位置を検出する方法に関して説明する。
図26は、クラウドサーバ104の制御部321がユーザ位置検出部2004を備える場合における情報提供システムの構成を示す図である。
制御部321が機器位置検出部2003aを備える場合と同様に、部屋101には、撮像装置1701が配置されている。撮像装置1701は、部屋の端又は天井などの部屋101内の大部分を観察(撮像)できる位置に設置されることが望ましい。また、撮像装置1701は、ネットワーク1000に接続されていることが望ましい。
図27は、撮像装置1701を有する部屋101の一例を示す図である。図27に示すように、撮像装置1701を用いて部屋101内が撮像され、撮像エリアにいるユーザ2601及びユーザ2602が、撮像された画像から個人識別される。
各部屋内の各機器の位置と、ユーザの位置とを把握することにより、各機器を操作しているユーザが誰なのかを把握することが可能となる。例えば、ユーザ位置検出部2004は、機器に最も近いユーザを当該機器の使用者に特定する。これにより、実施の形態2以降に示すように、より個人に適した機器制御又は情報提供が可能となる。
このように、クラウドサーバ104の通信部311は、ネットワークを介して、所定の部屋内における複数の機器の位置を特定するとともに部屋内におけるユーザの位置を特定するための位置特定情報を受信する。機器位置検出部2003は、受信した位置特定情報に基づいて、部屋内における複数の機器の位置を特定する。ユーザ位置検出部2004は、受信した位置特定情報に基づいて、部屋内におけるユーザの位置を特定する。
なお、位置特定情報は、撮像装置1701によって撮像された部屋内の画像である。機器位置検出部2003は、撮像された画像に基づいて、部屋内における複数の機器の位置を特定する。ユーザ位置検出部2004は、撮像された画像に基づいて、部屋内におけるユーザの位置を特定する。
また、ユーザ位置検出部2004は、特定した複数の機器の位置及びユーザの位置に基づいて、部屋内における複数の機器のうちの一又は複数の機器を使用しているユーザを特定する。なお、ユーザが一又は複数の機器を使用しているか否かは、機器の動作情報を受信することにより判断することができる。また、クラウドサーバ104の通信部311は、特定したユーザ及びユーザの家族に任意のサービスを提供するサービス提供装置に、ユーザに関する情報を提供する。なお、サービス提供装置は、例えばサービスプロバイダ120が運営するサーバ121である。
ここで、画像を基にした個人識別方法としては、顔、身長又は体型などの個人の特徴を基にした個人識別方法が用いられる。
このため、クラウドサーバ104は、予め、撮像装置1701が設置された家の住人の顔画像をメインメモリ331に予め記憶していることが望ましい。これにより、より正確な個人識別が可能となる。
撮像部1700によって撮像された画像から、ユーザ2601,2602の身長又は横幅を基に、個人を識別する場合、家庭内の各ユーザの身長又はウエストなどの体型情報が登録されたデータベースが、ネットワーク1000に接続されたクラウドサーバ104のメインメモリ331に予め記憶されていることが望ましい。ユーザ位置検出部2004は、データベースを参照することにより、撮像部1700で得られた画像に含まれるユーザが誰なのかをより正確に判断できる。
また、情報提供システムは、ユーザの体型を計測する体型計測装置を備えてもよい。体型計測装置は、家庭(建物)内に設置され、ネットワーク1000に接続するための通信部を備えることが望ましい。体型計測装置は、例えば体組成計又は体重計で構成される。
また、体型計測装置は、個人を識別し、体型の計測結果を記憶する機能を備えることが望ましい。これにより、例えば、個人名(または、個人識別ID)と、身長又は体重などの体型とが関連付けられた情報が得られる。そのため、ユーザが体型を初期登録することなく、撮像装置1701にて撮像されたユーザ2601が誰なのかが明らかとなる。体型計測装置によって計測された体型と、個人名又は個人識別IDとが関連付けられる。
すなわち、クラウドサーバ104の通信部311は、体型計測装置によって計測されたユーザの体型に関する情報を受信する。そして、ユーザ位置検出部2004は、ユーザの体型に関する情報、複数の機器の位置及びユーザの位置に基づいて、部屋内における複数の機器のうちの一又は複数の機器を使用しているユーザを特定する。
また、顔認識を基に個人を識別する場合、クラウドサーバ104は、ユーザ一人ひとりの顔画像のデータを初期登録してもよい。これにより、より正確に部屋内のユーザを識別することが可能となる。
また、情報提供システムは、ユーザによって携帯され、ユーザの歩数を計測する歩数計測装置を備えてもよい。歩数計測装置は、ネットワーク1000に接続するための通信部を備えることが望ましい。これにより、ユーザ位置検出部2004は、撮像装置1701によって検知されたユーザ2601,2602の移動と、歩数計測装置によって計測された累計歩数が増加した時間とを比較することで、ユーザ2601,2602が誰なのかをより正確に特定することができる。そのため、クラウドサーバ104は、歩数計測装置の使用者が誰なのか、予め登録することが望ましい。また、言うまでもなく、情報提供システムは、歩数計測装置の代わりに活動量計など、加速度の変化を計測する装置を備えてもよい。
また、情報提供システムは、歩数計測装置の代わりに、使用者が特定されており、ネットワーク1000に接続するための通信部を備え、且つ、ユーザの心拍数(脈拍数)、呼吸数及び体温を計測する装置を備えてもよい。
ユーザの活動が増加するタイミングで、心拍数、呼吸数及び体温が増加することを利用し、ユーザ位置検出部2004は、心拍数、呼吸数及び体温が増加したタイミングと、撮像装置1701によって撮影されたユーザの移動のタイミングとを比較することにより、より正確にユーザ2601、2602が誰なのかを特定することができる。
また、情報提供システムは、使用者が特定されている携帯端末を備えてもよい。携帯端末は、ネットワーク1000に接続するための通信部、及びGPS又はWi−Fiアクセスポイントなどの情報を基に現在位置を取得する情報取得部を備える。このとき、クラウドサーバ104は、現在、宅内にいるユーザの個人名(個人識別ID)を記憶していることが望ましい。携帯端末は、例えばスマートフォン又は活動量計で構成される。
これにより、家庭内に居るユーザが特定されるため、撮像装置1701を用いて、より正確に、且つ、短時間で各ユーザが誰なのかを識別することが可能となる。
また、同様に、通信部を備えたドアホンが、家に出入りする人物を識別してもよい。
以上、撮像装置1701を用いて部屋内のユーザを識別する方法について示したが、同様に、熱放射分布計測装置を用いて部屋内のユーザを識別してもよい。
すなわち、位置特定情報は、熱放射分布計測装置によって計測された部屋内の熱放射分布であってもよい。この場合、機器位置検出部2003は、計測した熱放射分布に基づいて、部屋内における複数の機器の位置を特定する。また、ユーザ位置検出部2004は、計測した熱放射分布に基づいて、部屋内におけるユーザの位置を特定する。
熱放射分布計測装置を用いた場合においても、撮像装置1701を用いた場合と同様に、ユーザ位置検出部2004は、顔、身長又は体型を基に各ユーザを識別し、各機器の使用者を識別することが可能となる。
また、熱放射分布計測装置を用いる方法は、より遠方のユーザも漏れなく検出することができる点で望ましく、撮像装置を用いる方法は、近くのユーザをより正確に識別できる点で望ましい。
また、撮像装置及び熱放射分布計測装置の両方を併用することがより望ましく、熱放射分布計測装置にて検出したユーザ位置情報を基に、撮像装置のフォーカス位置を調節することで、部屋内の各位置にいるユーザを、より正確に識別することが可能となる。
また、ユーザ位置検出部2004は、撮像装置及び熱放射分布計測装置を用いて、ユーザを識別し、ユーザの姿勢及び移動情報の履歴を基に、一定時間以上、ユーザが横たわった状態で動きがない場合は、寝ている状態であることを判断してもよい。
また、撮像装置及び熱放射分布計測装置は、ユーザの顔の向き、又はユーザの手の位置を検出することが望ましい。これにより、どのユーザがどの機器を操作しているかを判断することが、可能となるため望ましい。
また、撮像装置1701は、テレビに搭載されていることが望ましい。テレビに映る人が家庭内のユーザとして認識されることを避けるため、撮像範囲内にテレビが設置されていないことが望ましい。撮像装置1101がテレビに搭載されることにより、テレビに映る人物が誤って検知されることを防止することが可能となる。これにより、より正確に部屋内のユーザを認識することが可能となる。
また、情報提供システムは、撮像装置と共に熱放射分布計測装置を備えることが望ましい。テレビに映し出される人物の熱放射は、画面内の周囲と同じであり、実在する人物の熱放射は、周囲と異なる。そのため、熱放射分布計測装置と撮像装置とを併用することにより、より正確に個人を識別することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1に記載した情報提供システムにおいて検知した情報を用いて、各機器を使用するユーザに提供するサービスの例に関して説明する。なお、本実施の形態2は一例であり、実施の形態1に記載した情報提供システムにおけるサービスを限定するものではない。
実施の形態1に示した機器識別部2001、部屋位置検出部2002、機器位置検出部2003及びユーザ位置検出部2004により、(1)同室機器リスト情報(第1の情報)、(2)部屋の位置関係情報(第2の情報)、(3)部屋内の機器位置情報(第3の情報)及び(4)ユーザの位置情報(第4の情報)が得られる。また、機器位置情報とユーザの位置情報とを基に、(5)各機器の使用者情報(第5の情報)が得られる。これらの情報を用いた宅内機器の遠隔制御サービスとして、以下の形態が考えられる。
なお、以下では、第1の情報、第2の情報、第3の情報、第4の情報及び第5の情報の少なくとも一つを含む情報を用いたサービス形態について説明する。
図28は、サービスプロバイダから提供される情報を端末が受信し、ユーザが端末を介して宅内機器を制御する第1のサービス形態を示す図である。第1のサービス形態では、サービスプロバイダ120から提供される第1の情報〜第5の情報を端末105が受信し、ユーザが端末105を介して宅内機器101a〜101cを制御する。なお、図1に示すように、クラウドサーバ104を管理する会社としてデータセンタ運営会社110が存在してもよいし、サービスプロバイダ120自身がクラウドサーバ104を管理してもよい。本実施の形態では、どの会社又は個人がどの機能を担っているかについてのサービスの類型については特に限定していない。複数のサービスの類型に関しては、後述する。
図28に示すように、第1のサービス形態では、端末105を利用して情報を提供することが望ましいが、これに限られない。また、端末105は、機器101a〜101cのような部屋に存在する機器のうちの一つの機器でもよい。
図29は、サービスプロバイダが、受信した情報と動作情報とに基づいて、宅内機器の制御内容を決定し、宅内機器を制御する第2のサービス形態を示す図である。第2のサービスプロバイダ130は、第1のサービスプロバイダ120から第1の情報〜第5の情報を受信する。さらに、第2のサービスプロバイダ130は、宅内機器101a〜101cから動作情報を受信する。第2のサービス形態では、第2のサービスプロバイダ130は、受信した第1の情報〜第5の情報と、動作情報とに基づいて、宅内機器101a〜101cの制御内容を決定し、宅内機器101a〜101cを制御する。
なお、図29では、第1のサービスプロバイダ120が利用する第1のクラウドサーバ104aと、第2のサービスプロバイダ130が利用する第2のクラウドサーバ104bとはそれぞれ別に図示しているが、第1のサービスプロバイダ120及び第2のサービスプロバイダ130は、同じクラウドサーバを利用してもよい。また、図1に示すように、第1のクラウドサーバ104a及び第2のクラウドサーバ104bを管理する会社としてデータセンタ運営会社110が存在してもよいし、第1のサービスプロバイダ120及び第2のサービスプロバイダ130自身が第1のクラウドサーバ104a及び第2のクラウドサーバ104bを管理してもよい。本実施の形態では、どの会社又は個人がどの機能を担っているかについてのサービスの類型については特に限定していない。複数のサービスの類型に関しては、後述する。
図30は、図29に示す2つのサービスプロバイダの処理を、1つのサービスプロバイダで実施する第3のサービス形態を示す図である。第3のサービス形態では、前述した第2のサービス形態における第1のサービスプロバイダ120と第2のサービスプロバイダ130との処理を、一つのサービスプロバイダ120で実施する。なお、図1に示すように、クラウドサーバ104を管理する会社としてデータセンタ運営会社110が存在してもよいし、サービスプロバイダ120自身がクラウドサーバ104を管理してもよい。本実施の形態では、どの会社又は個人がどの機能を担っているかについてのサービスの類型については特に限定していない。複数のサービスの類型に関しては、後述する。
以下に、第1〜第3のサービス形態の具体的な例について説明する。
なお、上記において、第3の情報、第4の情報及び第5の情報を取得するため、図2〜図4には図示していないが、第1のサービスプロバイダ120又は第2のサービスプロバイダ130は、撮像装置又は熱放射分布計測装置で得られた画像情報を基に、ユーザの位置情報も受信することが望ましい。
(第1のサービス形態に関する例)
サービスプロバイダ120から提供される第1の情報〜第5の情報を端末105が受信し、ユーザが端末105を介して宅内機器101a〜101cを制御する第1のサービス形態について説明する。
図31は、実施の形態1に示す情報提供システムにおける機器識別部2001aを用いて取得した情報を用いて、端末105に情報を提供する動作を示すシーケンス図である。なお、機器識別部2001aに限られず、実施の形態1に示す情報提供システムにおいて記載した他の手段も適用することができる。
ステップS610〜ステップS630の処理は、実施の形態1の機器識別部2001aにおいて説明したので、説明を省略する。
ステップS3100において、クラウドサーバ104は、部屋ごとに特定した各機器に関する情報を端末105に送信する。
図32(A)は、クラウドサーバ104から端末105に送信する情報の一例を示す図であり、図32(B)は、クラウドサーバ104から端末105に送信する情報の他の例を示す図である。図32(A)に示すように、クラウドサーバ104は、各機器を識別する情報、各機器が配置されている部屋番号に関する部屋情報、及び端末側で表示する際の表示領域に関する情報の全てを端末105に送信してもよい。また、図32(B)に示すように、クラウドサーバ104は、各機器を識別する情報、及び各機器が配置されている部屋番号に関する部屋情報だけを送信してもよい。
次に、ステップS3101において、端末105は、クラウドサーバ104から受信した情報に基づいて各機器に関する情報を部屋領域ごとに表示する。ここで、図32(A)に示す情報が送られた場合、端末105の制御部320は、指定された表示領域へ各機器に関する情報を表示するように表示部350を制御する。また、図32(B)に示す情報が送られた場合、端末105の制御部320は、各部屋の機器ごとに表示部350の表示領域を決定し、決定した表示領域へ各機器に関する情報を表示するように表示部350を制御する。
図33は、図31のステップS3101において、端末105の表示部350に表示される表示画面の一例を示す図である。各機器の表示領域として部屋毎に分けられた部屋枠3303a,3303bが表示されている。なお、図33では、部屋101の識別表示名は、“101”と表示されている。また、部屋内の各機器を表す機器枠3304が表示される。なお、図33では、機器101aの識別表示名は、“101a”と表示されている。ここで、図33に示すように、機器101a,101b,101cは、ステップS630において同室内の機器であると識別されているので、同一表示領域である部屋枠3303a内にそれぞれの機器枠3304が表示されている。同様に、機器102a,102bは、ステップS630において同室内の機器であると識別されているので、同一表示領域である部屋枠3303b内にそれぞれの機器枠3304が表示されている。
なお、端末105において、各機器を示す識別表示名を表示する機器枠3304は、複数の色又は模様でグループ化することが望ましい。図33の例では、機器101bを示す機器枠3304と機器102aを示す機器枠3304とが、同じ色及び模様でグループ化されている。また、機器101aを示す機器枠3304と機器102bを示す機器枠3304とが、同じ色でグループ化されている。
例えば、エアコン又は照明機器など機器の役割ごとに同様の色又は模様でグループ化することで、各部屋に設置された機器の種類が容易に把握できるため望ましい。
このように、クラウドサーバ104の機器識別部2001は、受信した環境情報に基づいて、複数の機器のうち、第1の部屋101内に設置されている一又は複数の機器を決定する。また、機器識別部2001は、受信した環境情報に基づいて、複数の機器のうち、第1の部屋101とは異なる第2の部屋102内に設置されている一又は複数の機器を決定する。クラウドサーバ104の通信部311は、決定された第1の部屋101内に設置されている一又は複数の機器に関する第1の情報と、決定された第2の部屋102内に設置されている一又は複数の機器に関する第2の情報とを、複数の機器のうち特定の機器又は複数の機器以外の端末105が備える表示部の異なる表示領域にそれぞれ表示させるコマンドを送信する。端末105は、第1の情報及び第2の情報を、表示部の異なる表示領域(部屋枠3303a,3303b)にそれぞれ表示させる。
また、ユーザは、端末105を用いて、家庭内の機器を確認し、表示された情報に誤りがあれば、訂正することが望ましい。これにより、より正確に同家庭内及び同室内の機器を識別することが可能となる。
また、端末105は、駆動中の機器と待機中の機器とを異なる色又は模様で表示することが好ましい。これにより、ユーザが電源を切り忘れている機器が分かりやすく表示されるため望ましい。
また、電源を切り忘れている機器については、端末105を用いて、電源をOFFにする制御ができることが望ましい。これにより、切り忘れ防止による節電が可能となる。
また、各部屋にユーザを検知する人感センサが設置され、端末105は、ユーザが在室している場合、ユーザが在室していることを示す表示マーク3301を表示することが望ましい。ここで、人の在室の有無、又は人の位置に関する情報は、実施の形態1におけるユーザ位置検出部2004を利用して取得してもよい。ユーザの在室の有無を基に、他のユーザが電源を切り忘れているか否かの判断が可能となる。そのため、より適切な節電が可能となる。
なお、人感センサは、焦電センサ、実施の形態1で示した撮像装置、又は実施の形態1で示した熱放射分布計測装置で構成される。
また、端末105は、個人識別されたユーザ位置情報を基に、表示マーク3301に個人名又は個人IDを添え字で表示することが望ましい。これにより、よりユーザごとに合った機器制御が可能となる。例えば、子供がテレビを長時間視聴するのを遠隔操作で親が防止することも可能となる。
また、端末105は、ユーザ位置情報を基に、部屋枠3303a,3303b内で、表示マーク3301の表示位置を変えることが望ましい。これによって、より機器使用者が明確となる。
また、端末105は、各部屋に設置された人感センサを用いて、人が在室しており且つ睡眠中(又は、倒れている状態)であることが検出された場合、人が在室しており且つ睡眠中(又は、倒れている状態)であることを示す表示マーク3305を表示することが望ましい。人が睡眠中であることを示す情報を基に、機器の電源を切り忘れているか否かの判断が可能となるため、より適切な節電が可能となる。
また、端末105は、実施の形態1で示した部屋位置検出部2002を利用して、各部屋内の各機器の位置に関する情報を表示してもよい。
また、端末105は、各部屋内に設置された熱源感知型の火災報知器などを用いて、熱源が部屋内に存在することが検知された場合、熱源が部屋内に存在することを示す表示マーク3307を表示することが望ましい。人の状態又は人の有無と、熱源との両方の情報を基に、火災を防止することが可能となる。
また、火災については、熱放射分布計測装置又は撮像装置を用いて検知してもよい。
また、室内に浮遊している花粉、埃又はカビの菌などの有害物質を検知する有害物質検知装置が各部屋に設置されてもよく、端末105は、有害物質検知装置によって検知された有害物質の量に応じて、表示マーク3306を表示することが望ましい。これによって、各部屋に設置されている換気装置又は空気清浄機の動作の調整が可能となる。
また、端末105は、各部屋に設置されている空気清浄機の動作開始の指示を受け付けてもよい。
また、端末105は、家庭内で火事が発生した場合、火事が発生した部屋内に火事を示す表示マーク(図示せず)を表示すことが望ましい。これにより、より迅速な非難及び消火活動が可能となる。
また、端末105は、いずれの部屋に設置されているか不明の機器がある場合、部屋枠3303a,3303bの外に、設置位置が不明の機器を示す機器枠3302を表示してもよい。これにより、設置位置が不明の機器が設置された部屋をユーザが知っていれば、情報を修正することが可能となる。
また、実施の形態1で示すように、本実施の形態2の情報提供システムは、通信部を備えた体脂肪計と、通信部を備えた熱放射分布計測装置との両方を備えることが望ましい。このため、端末105は、少なくとも体脂肪計と熱放射分布計測装置とを示すマークを表示することが望ましい。これにより、よりユーザを正確に把握することが可能となる。
また、同様に、実施の形態1で示したように、本実施の形態2の情報提供システムは、通信部を備えたテレビ又は通信部を備えた照明機器を備えることが望ましい。このため、端末105は、テレビ又は照明機器を示すマークを表示することが望ましい。これにより、同室内の機器の位置を検出する精度及びユーザの位置を検出する精度を高めることが可能となる。
また、撮像装置又は熱放射分布計測装置が、別の目的を備えた機器(照明機器、テレビ又はエアコンなど)に設置されている場合、端末105は、撮像装置又は熱放射分布計測装置を備えた機器を表す機器枠3304に星形状の表示マーク3308を表示することが望ましい。これにより、機器の位置を検出することが可能な部屋及びユーザの位置を検出することが可能な部屋が明確となる。
また、ユーザによって表示マーク3308が選択(クリック)されることで、端末105は、図34に示すように、熱放射分布計測装置において計測された熱放射分布画像3401を表示することが望ましい。図34は、熱放射分布計測装置によって計測された熱放射分布画像の表示例を示す図である。これにより、ユーザは、部屋内の温度分布を把握することが可能となる。例えば、暖房時に部屋内の冷えている部分を把握し、断熱などの対策による節電が可能となる。
また、ここでは、端末105が熱放射分布画像を表示しているが、熱放射分布計測装置が、熱放射分布画像を表示する表示部を備えてもよい。
また、熱放射分布画像によって、部屋内において異常に発熱した箇所が明らかとなる。例えば、コンセント部分の異常な発熱が事前に把握できるため、トラッキング現象を予測し防止することが可能となる。
また、部屋枠3303a,3303bは、実際の部屋の位置関係に併せてレイアウトされていることが望ましい。これによって、よりユーザに理解しやすい表示となる。ここで実際の部屋の位置関係に関する情報は、実施の形態1にて示した部屋位置検出部2002を利用して取得してもよい。
図35は、図31のステップS3101において、端末105の表示部350に表示される表示画面の他の例を示す図である。
図35に示すように、端末105の表示画面1051上には、家庭内の部屋の間取り図500が表示されてもよい。なお、間取り図500は、予め端末105内に記憶されていてもよいし、部屋の位置関係情報(第2の情報)に基づいて予め端末105によって作成されてもよい。
端末105は、間取り図500上の各部屋を表す領域に、機器を表すアイコン501を表示する。端末105は、同室機器リスト情報(第1の情報)及び部屋内の機器位置情報(第3の情報)に基づいてアイコン501を表示する。また、端末105は、機器の種類に応じて異なるアイコン501を表示する。
このように、建物内の間取り図とともに機器が設置されている位置が表示されることにより、ユーザは直感的に機器の位置を把握することができる。
以上、端末105を用いて第1の情報〜第5の情報を表示するための表示方法を示した。
端末105において、第1の情報〜第5の情報に誤りがあった場合に最終的にユーザ自身が修正する場合であっても、本実施の形態2にて示したように、同室内に設置される機器及び機器が設置されている部屋の位置を自動で検知して表示する方法を用いることにより、ユーザの設定の手間を軽減することが可能となる。
また、頻繁に設置される部屋が変わる機器については、本実施の形態2に示す方法により、機器が設置されている部屋の情報をユーザが頻繁に更新する手間を軽減することが可能となる。
また、端末105が、所定時間以上、家庭(自宅の建物)外に存在する場合、ユーザの端末105への操作ができなくなることが望ましい。これにより、家庭外にいるユーザが家庭内の機器を操作することを防止することが可能となる。
また、実施の形態1に示す部屋の位置関係を検出する方法が用いられることが望ましく、これにより、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態2により、宅外から、宅内の機器の制御が容易となるだけでなく、同一の宅内の機器同士の連携によるユーザへのサービスの提供も可能となる。
(第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第1の例)
サービスプロバイダを介して宅内機器を制御する第2のサービス形態及び第3のサービス形態において、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供する情報提供システム及び情報提供方法について説明する。
図36を用いて本実施の形態の情報提供システムについて説明する。図36は、第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第1の例における情報提供システムの構成を示す図である。
図36に示す情報提供システムは、通信機能を備えたAV(Audio Visual)機器3501と、通信機能を備えた食器洗い機3502と、クラウドサーバ104とを少なくとも備える。本情報提供システムでは、ユーザによりAV機器3501の電源がONにされた場合に、自動的に、食器洗い機3502が一時停止される。これにより、ユーザは静かな環境でAV機器3501を使用することが可能となり、より高音質の音をユーザに提供することが可能となる。なお、AV機器3501は、例えば、テレビ、光ディスクレコーダ又は光ディスクプレーヤなどを含む。
本情報提供システムでは、例えば、AV機器3501は、電源がONになったことを、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に送信する。クラウドサーバ104は、保持している機器連携動作データベースに基づいて、AV機器3501の電源がONされたことに連携して動作する食器洗い機3502の動作(電源をOFFにする)を決定する。そして、クラウドサーバ104は、食器洗い機3502に電源をOFFにする指示信号を送信する。これにより、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供することが可能となる。また、AV機器3501は、ネットワーク1000を介して直接、食器洗い機3502に電源をOFFする指示信号を送信してもよい。
なお、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す同室内の機器を検出する方法により、AV機器3501と食器洗い機3502とが同室内にあることを識別することが望ましい。これにより、より必要な場合のみ、食器洗い機3502を停止させることが可能となる。
なお、クラウドサーバ104は、食器洗い機3502の電源をOFFするのではなく、食器洗い機3502の動作を一時停止してもよい。
また、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す部屋の位置関係を検出する方法により、互いに隣接する部屋のそれぞれにAV機器3501と食器洗い機3502とが存在することを識別することが望ましい。これにより、隣接する部屋に配置された食器洗い機3502を停止させて、AV機器3501からの高音質な音をユーザに提供することが可能となる。
また、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示すユーザの位置を検出する方法により、AV機器3501を使用しているユーザを識別しておくことが望ましい。例えば、クラウドサーバ104は、ユーザがAV機器3501の近傍にいる場合、食器洗い機3502の運転を停止させ、ユーザがAV機器3501から所定の距離だけ離れた位置にいる場合、食器洗い機3502の運転を継続させる。これにより、AV機器3501が使用される時に、食器洗い機3502を停止させるか否かを、ユーザごとに設定することが可能となる。
このように、クラウドサーバ104の制御部321は、決定された同一の部屋内に設置されている一又は複数の機器のリスト(同室機器リスト情報)を生成する。クラウドサーバ104の通信部311は、生成したリストに含まれる第1の機器の動作情報を受信する。クラウドサーバ104の制御部321は、複数の機器のうちの一の機器の動作と一の機器に連携して動作する他の機器の動作とを対応付けて記憶する連携動作データベースに基づいて、リストに含まれ、第1の機器と連携して動作する第2の機器の制御内容を決定する。クラウドサーバ104の通信部311は、決定した制御内容で第2の機器を制御するための制御信号を第2の機器に送信する。
(第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第2の例)
図37を用いて本実施の形態の情報提供システムについて説明する。図37は、第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第2の例における情報提供システムの構成を示す図である。
図37に示す情報提供システムは、通信機能を備えた電話機3601と、通信機能を備えたAV機器3602と、通信機能を備えた食器洗い機3603と、クラウドサーバ104とを少なくとも備える。本情報提供システムでは、電話機3601を用いてユーザが通話を開始した場合に、自動的に、AV機器3602の音量が下げられ、食器洗い機3603が一時停止される。これにより、ユーザは静かな環境で通話をすることが可能となる。
本情報提供システムでは、例えば、電話機3601は、通話が開始されるタイミングでネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に検知信号を送信する。クラウドサーバ104は、保持している機器連携動作データベースに基づいて、電話機3601の通話の開始に連携して動作するAV機器3602の動作(音量を下げる)と食器洗い機3603の動作(一時停止する)とを決定する。そして、クラウドサーバ104は、AV機器3602に音量を下げる指示信号を送信し、食器洗い機3603に動作を一時停止する指示信号を送信する。これにより、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供することが可能となる。
また、電話機3601は、ネットワーク1000を介して直接、AV機器3602と食器洗い機3603とに指示信号を送信してもよい。
なお、クラウドサーバ104は、食器洗い機3502の動作を一時停止するのではなく、食器洗い機3502の電源をOFFしてもよい。
なお、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す同室内の機器を識別する方法により、電話機3601とAV機器3602と食器洗い機3603とが同室内にあることを識別することが望ましい。これにより、より必要な場合のみに、AV機器3602の音量を下げ、食器洗い機3603を一時停止させることが可能となる。
また、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す部屋の位置関係を検出する方法により、互いに隣接する部屋のそれぞれに電話機3601とAV機器3602と食器洗い機3603とが存在することを識別することが望ましい。これにより、隣接する部屋に配置されたAV機器3602の音量を下げ、隣接する部屋に配置された食器洗い機3603を一時停止させることで、電話機3601にて通話しやすい環境をユーザに提供することが可能となる。
また、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示すユーザの位置を検出する方法により、電話機3601を使用しているユーザを識別することが望ましい。例えば、クラウドサーバ104は、ユーザがAV機器3602の近傍にいる場合、AV機器3602の音量を下げ、ユーザが食器洗い機3603の近傍にいる場合、食器洗い機3603の運転を一時停止させ、ユーザがAV機器3602から所定の距離だけ離れた位置にいる場合、AV機器3602の現在の音量を維持し、ユーザが食器洗い機3603から所定の距離だけ離れた位置にいる場合、食器洗い機3502の運転を継続させる。これにより、電話機3601が使用される時に、食器洗い機3603を一時停止させるか否か、及びAV機器3602の音量を下げるか否かを、ユーザごとに設定することが可能となる。
(第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第3の例)
図38を用いて本実施の形態の情報提供システムについて説明する。図38は、第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第3の例における情報提供システムの構成を示す図である。
図38に示す情報提供システムは、通信機能を備えた火災報知器3701と、通信機能を備えた換気扇3702と、通信機能を備えた窓3703と、クラウドサーバ104とを少なくとも備える。本情報提供システムでは、火災報知器3701を用いて煙が感知された場合に、自動的に、換気扇3702の電源がONにされて換気が開始される。これにより、ユーザの手間を軽減し家庭内の煙を排出することが可能となる。
本情報提供システムでは、例えば、火災報知器3701は、煙を感知したタイミングでネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に検知信号を送信する。クラウドサーバ104は、保持している機器連携動作データベースに基づいて、火災報知器3701が煙を感知する動作に連携して動作する換気扇3702の動作(換気を開始する)を決定する。そして、クラウドサーバ104は、換気扇3702に、換気を開始する指示信号を送信する。これにより、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供することが可能となる。
また、火災報知器3701は、ネットワーク1000を介して直接、換気扇3702に指示信号を送信してもよい。
火災報知器3701には、火災が発生したと判断する煙の濃度と、換気扇3702により換気を開始する煙の濃度とが予め設定されており、本来の役割である火災報知の機能も問題なく機能する。
ここで、火災報知器3701は、煙感知型の火災報知器であることが望ましい。これによって、より正確に換気扇3702により換気することができる。
また、本実施の形態の情報提供システムは、ネットワーク1000に接続され、自動開閉機能を備える窓3703を備える。情報提供システムは、火災報知器3701によって煙が感知された場合、換気扇3702により換気を開始すると共に、窓3703を開けることが望ましい。これにより、排出する煙の量をより増やし、室内の煙を減らすことが可能となる。
また、ここでは、火災報知器3701にて煙の濃度を検知し、換気扇3702により換気を開始する例について示したが、情報提供システムは、同室内の空気清浄機にて計測された部屋の湿度が予め設定した閾値を越えた場合に、換気扇3702により換気を開始してもよい。これにより、カビの発生を抑制することが可能となる。
また、情報提供システムが、同一の家庭内の複数の部屋に吸気口となる自動開閉機能を備えた窓3703を備える場合、クラウドサーバ104は、各部屋の湿度、各部屋の温度、外気温度、住人の有無、室内外の花粉の濃度、浮遊しているカビ菌の濃度、煙の濃度、又は埃の濃度などの情報を基に、排気を行う換気扇3702と、吸気を行う窓3703とを選択し、換気扇3702の羽の回転数も変えることが望ましい。これにより、より効率的な換気が可能となる。
例えば、夏又は冬などエアコン使用時は、クラウドサーバ104は、花粉、カビ菌、煙又は埃の濃度が高い部屋に配置された換気扇3702から排気し、ユーザが不在である部屋の窓3703から吸気する。これにより、エアコンの消費電力を抑えて花粉、カビ菌、煙又は埃の排気が可能となる。
また、例えば、冬に外気温が高い側に面する部屋の窓3703から吸気し、湿度が高い部屋に配置された換気扇3702から排気することにより、室内の温度低下を軽減し、効率的にカビの発生を防止することが可能となる。
また、火災報知器3701は電源供給部を備えていることが望ましい。これにより、バッテリーを備えず、安価で、より長期間交換が不要である火災報知器3701を実現することが可能となる。
また、火災報知器3701は、照明機器と一体型であることが望ましい。これにより、電源供給のための新たな配線工事が不要となる。
なお、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す同室内の機器を識別する方法により、火災報知器3701と換気扇3702とが同室内にあることを識別することが望ましい。これにより、より必要な場合のみに、換気扇3702を動作させることが可能となる。
また、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す部屋の位置関係を検出する方法により、互いに隣接する部屋のそれぞれに火災報知器3701と換気扇3702とが存在することを識別することが望ましい。これにより、隣接する部屋に配置された換気扇3702からも換気することが可能となる。
(第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第4の例)
図39を用いて本実施の形態の情報提供システムについて説明する。図39は、第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第4の例における情報提供システムの構成を示す図である。
図39に示す情報提供システムは、通信機能を備えたドアホン3801と、通信機能を備えた換気扇3802と、クラウドサーバ104とを少なくとも備える。本情報提供システムでは、ドアホン3801によって来客者が感知された場合に、自動的に、換気扇3802の電源がONにされて換気が開始される。これにより、ドアの開閉時に室内の気圧が室外の気圧より低い状態を実現することが可能となり、ドアを開けた際に空気が家の外から中に流れる。つまり、ドアを開けた時に来客者が室内の匂いを嗅ぐことを軽減することが可能となり、玄関の匂いを気にする住人の懸念を軽減することが可能となる。
本情報提供システムでは、例えば、ドアホン3801は、来客者がドアホン3801の呼び鈴を鳴らしたタイミングでネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に検知信号を送信する。クラウドサーバ104は、保持している機器連携動作データベースに基づいて、ドアホン3801の呼び鈴が鳴る動作に連携して動作する換気扇3802の動作(換気を開始する)を決定する。そして、クラウドサーバ104は、換気扇3802に、換気を開始する指示信号を送信する。これにより、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供することが可能となる。
また、ドアホン3801は、室内に設けられたインターホンを介して直接、換気扇3802に指示信号を送信してもよい。なお、インターホンは、ドアホン3801と接続されており、ドアホン3801で取得した来客者の画像及び音声を出力する。また、インターホンは、ネットワーク1000を介してクラウドサーバ104と通信可能に接続されている。
ここで、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す部屋の位置関係を検出する方法により、換気扇3802が配置されている部屋の位置関係を把握し、どの換気扇3802を動作させるかを決定することで、ユーザにとってより利便性の高いサービスを提供することができる。
例えば、玄関の空気を積極的に換気したい場合は、クラウドサーバ104は、玄関のドアから近い部屋に設けられた換気扇3802を動作させる。また、クラウドサーバ104は、来客者に換気扇3802の音を聞かせたくない場合は、玄関のドアから遠い部屋に設けられた換気扇3802を動作させる。
(第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第5の例)
図40を用いて本実施の形態の情報提供システムについて説明する。図40は、第2のサービス形態及び第3のサービス形態に関する第5の例における情報提供システムの構成を示す図である。
図40に示す情報提供システムは、通信機能を備えた火災報知器3902と、通信機能を備えた照明機器3901と、クラウドサーバ104とを少なくとも備える。本情報提供システムでは、火災報知器3902にて人が検知された場合に、自動的に、照明機器3901の電源がONにされる。これにより、人が居る部屋のみの照明機器3901を自動的に点灯させるため、ユーザの手間なく節電が可能となる。
本情報提供システムでは、例えば、熱感知型の火災報知器3902は、人を感知したタイミングでネットワーク1000を介してクラウドサーバ104に検知信号を送信する。クラウドサーバ104は、保持している機器連携動作データベースに基づいて、火災報知器3902が人を感知する動作に連携して動作する照明機器3901の動作(点灯を開始する)を決定する。そして、クラウドサーバ104は、照明機器3901に、点灯を開始する指示信号を送信する。これにより、ネットワークに接続された複数の機器が連携し、ユーザに価値を提供することが可能となる。
また、火災報知器3701は、ネットワーク1000を介して直接、照明機器3901に点灯の指示信号を送信してもよい。
また、火災報知器3902によって部屋に人が居ないことが検知された場合、クラウドサーバ104は、照明機器3901を消灯することが望ましい。これにより、住民の不在時における照明機器の切り忘れを防止することが可能となり、節電が可能となる。
また、火災報知器3902によって住人が寝ていることが検知された場合も同様に、クラウドサーバ104は、照明機器3901を消灯することが望ましい。これにより、住民の転寝時における照明機器の切り忘れを防止することが可能となり、節電が可能となる。
また、上記のように、住民の不在時又は住民の転寝時において、部屋の照明機器が消灯される際、クラウドサーバ104は、テレビ又はエアコンなどの他の機器の電源もOFFにするなど節電状態に切り替えることが望ましい。これにより、より効果的な節電が可能となる。
また、ここでは、火災報知器3902を用いて人が不在であること又は人が睡眠中であることを検知しているが、エアコン又は照明機器に搭載された人感センサを用いて検知してもよく、その他の手段を用いて検知してもよい。
また、必ずしも人感センサを用いる必要は無く、例えば、クラウドサーバ104は、ユーザが操作することなくテレビの電源がOFF状態となったことを受けて、同室内のエアコン又は照明機器などの他の機器の電源をOFFにしてもよい。この場合、電源のOFF状態を判断するまでの時間的遅れが生じるが、より安価に構築可能なシステムとなる。
また、火災報知器3902は電源供給部を備えていることが望ましい。これにより、バッテリーを備えず、安価で、より長期間交換が不要である火災報知器3902を実現することが可能となる。
また、火災報知器3902は、照明機器と一体型であることが望ましい。これにより、電源供給のための新たな配線工事が不要となる。
なお、本実施の形態では、クラウドサーバ104は、実施の形態1に示す同室内の機器を識別する方法により、照明機器3901と火災報知器3902とが同室内にあることを識別することが望ましい。これにより、必要な部屋の照明機器のみを、必要に応じて点灯させることが可能となるため、節電が可能となる。
以上、本実施の形態における情報提供システム及び情報提供方法について説明したが、本明細書にて示した構成は一例であって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であることは言うまでもない。
また、各実施の形態において、情報提供システムは、ネットワーク1000に接続された情報端末を備えることが望ましい。すなわち、クラウドサーバ104の通信部311は、第1の機器と連携して動作する第2の機器に対して制御信号を送信する前に、ユーザの携帯端末にユーザの意思を確認するための情報を送信する。例えば、ある機器の動作状況に応じて、別の機器を制御する場合に、ユーザ自身に別の機器の制御の許可を得ることが可能となり、よりユーザの希望に沿った機器制御が行える。例えば、実施の形態2の場合では、AV機器の電源ONを受けて食器洗い機を一時停止する前に、ユーザ自身に食器洗い機を一時停止してもよいかを(情報端末を用いて)確認することが可能となる。
また、情報提供システムは、各機器同士を連携して動作させるか否かを、情報端末を用いた初期設定などにより、予め設定可能であることが望ましい。これにより、ある機器の動作状況に応じて別の機器を制御するたびにユーザに確認することが不要となる。
また、情報提供システムは、初期設定の有無にかかわらず、予め、情報端末を用いたユーザへの確認プロセスを実施するか否かについて、ユーザが設定可能であることがより望ましい。これによって、更に、ユーザにとって手間の少ない機器制御が可能となる。
また、機器同士を連携して動作させるか否かの設定については、ユーザごとに異なる設定が可能であるとともに、実施の形態1に示すようにユーザの位置検知が可能であることが好ましい。これにより、各ユーザの希望に沿った機器制御が可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態1に記載した情報提供システムにおいて検知した情報を用いて、各機器を使用するユーザに提供するサービスの例に関して説明する。なお、本実施の形態3は一例であり、実施の形態1に記載した情報提供システムにおけるサービスを限定するものではない。
実施の形態1に記載した機器位置検出部2003及びユーザ位置検出部2004により、各機器の使用者に関する機器使用者情報(第5の情報)が得られる。
図41は、サービスプロバイダが、撮像装置から画像情報を受信し、同一の部屋に設置された各機器から機器動作情報及び間欠パターン情報を受信するサービス形態を示す図である。図41に示すように、第1のサービスプロバイダ120は、撮像装置1701から画像情報を受信し、同一の部屋に設置された各機器101a,101bから、機器の動作状態を示す機器動作情報及び光源の間欠点灯パターンを示す間欠パターン情報を受信する。第1のサービスプロバイダ120は、受信した画像情報と間欠パターン情報とに基づいて、機器使用者を決定し、決定した機器使用者情報と受信した機器動作情報とをユーザ又は第2のサービスプロバイダ130に提供する。
また、機器使用者情報は、実施の形態1に示したように、撮像装置の替わりに熱放射分布計測装置を用いて取得してもよい。
また、図示していないが、第1のサービスプロバイダ120と第2のサービスプロバイダ130との役割を一つのサービスプロバイダが担うサービス形態であってもいい。
第2のサービスプロバイダ130及びユーザは、機器使用者情報を取得し、ディスプレイなどの表示デバイスを介して機器使用者情報を確認してもよい。また、表示デバイスを備えた端末としては、スマートフォン又はPCを用いてもよい。
ここで、第2のサービスプロバイダ130は、機器動作情報と機器使用者情報とに基づいて、下記に示すようなサービスを機器使用者に提供することができる。
(1)ユーザAが炊飯器をお粥モードで使用した場合、第2のサービスプロバイダ130(製薬メーカーA)は、ユーザAに対して、例えば、風邪薬の広告を配信する。これにより、ユーザAは、より必要な広告を受信することが可能となる。ここで、機器101aは炊飯器であり、機器動作情報はお粥モードであり、機器の使用者はユーザAであり、第2のサービスプロバイダ130は製薬メーカーAである。
(2)ユーザBのコーヒーメーカーを使用する頻度が高い場合、第2のサービスプロバイダ130(食品スーパーマーケットA)は、ユーザBに対して、コーヒー豆の広告を配信する。これにより、ユーザBは、より関心の高い広告を受信することが可能となる。ここで、機器101aはコーヒーメーカーであり、機器動作情報は機器使用履歴(機器使用頻度)であり、機器の使用者はユーザBであり、第2のサービスプロバイダ130は食品スーパーマーケットAである。
上記の場合、第1のサービスプロバイダ120から機器使用情報を第2のサービスプロバイダ130に提供して第2のサービスプロバイダ130から各種サービスを受けるか否かについて、各ユーザは選択可能であることが望ましい。これによって、各ユーザは、より自分自身に必要なサービスを受けることが可能となる。
また、第2のサービスプロバイダ130は、機器動作情報と機器使用者情報とに基づいて、下記に示すようなサービスを機器使用者の家族に提供することができる。
(3)ユーザCがテレビでアニメ番組Aを好んで見ている場合、第2のサービスプロバイダ130(アニメ番組Aの関連グッズ製造会社)は、ユーザCの家族であるユーザDに対して、ユーザCにアニメ番組Aの関連グッズをプレゼントすることを提案する。これにより、ユーザDはユーザCを喜ばせることができる。ここで、機器101aはテレビであり、機器動作情報は視聴番組情報(アニメ番組A)であり、機器使用者はユーザCであり、第2のサービスプロバイダ130はアニメ番組Aの関連グッズ製造会社である。
(4)ユーザEが炊飯器をお粥モードで使用した場合、第2のサービスプロバイダ130(病院A)は、ユーザEの家族であるユーザFが診察に訪れた際に、家族に病人がいるという情報を考慮してユーザFの診察を行う。これにより、ユーザFは、より適切な診察が受けられる。ここで、機器101aは炊飯器であり、機器動作情報はお粥モードであり、機器の使用者はユーザEであり、第2のサービスプロバイダ130は病院Aである。
また、上記(3)の例の場合、ユーザDは、第2のサービスプロバイダ130を介さず、第1のサービスプロバイダ120から直接、ユーザCの機器使用情報を受けとってもよい。
また、ユーザCは、家族の誰に、自身のどの機器使用情報を提供するのか、選択可能であることが望ましい。これにより、家族内でのプライバシー保護に優れた情報提供方法となる。
また、第2のサービスプロバイダ130からのサービス(プレゼントの提案又は適切な診断)のみがユーザD又はユーザFに提供され、機器使用情報(視聴番組情報又はお粥モード)はユーザD又はユーザFに開示されないことが望ましい。これにより、より家族内でのプライバシー保護に優れた情報提供方法となる。
また、機器使用情報は、ユーザD又はユーザFに開示してもよく、ユーザD又はユーザFは、より多様に家族の機器使用情報を活用することが可能となる。
本実施の形態に示すように、家庭内の機器使用者と機器動作情報とを併せて、第2のサービスプロバイダ130に提供することによって、機器使用者(ユーザ)及び機器使用者の家族は、より望ましいサービスを享受することが可能となる。
(サービスの類型に関して)
上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現されるクラウドサービスの類型はこれに限られるものでない。
(サービスの類型1:自社データセンタ型クラウドサービス)
図42は、サービスの類型1(自社データセンタ型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。本類型では、サービスプロバイダ120がグループ100から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する。本類型では、サービスプロバイダ120が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ111を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
本類型では、サービスプロバイダ120は、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、オペレーティングシステム(OS)202及びアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型2:IaaS利用型クラウドサービス)
図43は、サービスの類型2(IaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築及び稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110が、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS202及びアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型3:PaaS利用型クラウドサービス)
図44は、サービスの類型3(PaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築及び稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110は、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、アプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202及びサービスプロバイダ120が管理するアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型4:SaaS利用型クラウドサービス)
図45は、サービスの類型4(SaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。SaaS利用型クラウドサービスは、例えば、データセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社又は個人などの利用者がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110は、アプリケーション201を管理し、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
以上、いずれのクラウドサービスの類型においても、サービスプロバイダ120がサービスを提供する。また、例えば、サービスプロバイダ又はデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション又はビックデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。