JP6609396B1 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き基板の一方に、ディスペンスにより枠状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴をシールパターンの枠内に滴下し、真空下で他方の基板を重ね合わせた後にシール剤を硬化させ、液晶表示素子を作製する。現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
また、近年、液晶表示素子の薄型化が進んでいるが、薄型の液晶表示素子に従来のシール剤を用いた場合、表示不良が生じることがあるという問題があった。
(a)水酸基含有ヒドラジド化合物残基を有する
(b)イソシアネート化合物残基を有する
(c)下記式(1)で表される構造を有する
(d)イソシアネート基を有さない
即ち、本発明は、硬化性樹脂と熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、上記熱硬化剤は、水酸基含有ヒドラジド化合物残基と、イソシアネート化合物残基と、下記式(1)で表される構造とを有し、かつ、イソシアネート基を有さない化合物を含む液晶表示素子用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、本発明の液晶表示素子用シール剤は、極性基を有する液晶分子を含まない従来の液晶に対しては更に相溶性の低いものとなるため、このような従来の液晶を用いた液晶表示素子においても表示不良の発生を抑制できるものとなる。
上記熱硬化剤は、上記特徴(a)、(b)、(c)、及び、(d)を有する化合物(A)(以下、「本発明にかかる熱硬化剤」ともいう)を含む。本発明にかかる熱硬化剤を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、保存安定性及び硬化性に優れ、かつ、薄型の液晶表示素子に用いた場合でも表示不良の発生を抑制できるものとなる。
なお、本明細書において上記「残基」は、原料成分における結合に供される官能基以外の部分の構造を意味する。具体的には、本発明にかかる熱硬化剤の上記特徴(a)における上記「水酸基含有ヒドラジド化合物残基」は、水酸基含有ヒドラジド化合物に由来する構造であって該水酸基含有ヒドラジド化合物におけるヒドラジド基以外の部分の構造、即ち、イソシアネート基と反応せずに残った部分の構造を意味する。また、本発明にかかる熱硬化剤の上記特徴(b)における上記「イソシアネート化合物残基」は、イソシアネート化合物に由来する構造であって該イソシアネート化合物におけるイソシアネート基以外の部分の構造、即ち、ヒドラジド基と反応せずに残った部分の構造を意味する。なお、本発明にかかる熱硬化剤は上記特徴(d)を有する、即ち、イソシアネート基を有さないものであるため、イソシアネート化合物の全てのイソシアネート基が上記式(1)で表される構造の形成に供される。
また、得られる液晶表示素子用シール剤の作業性等の観点から、本発明にかかる熱硬化剤の分子量の好ましい上限は2000である。
なお、本発明にかかる熱硬化剤の分子量は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、重量平均分子量を用いて表す場合がある。また、本明細書において上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
即ち、まず、温度計及び撹拌機を備えた3つ口フラスコ中で上記水酸基含有ヒドラジド化合物をトルエンに溶解させ、60℃で撹拌する。得られた溶液に上記イソシアネート化合物のトルエン溶液を滴下した後、60℃で6時間撹拌して反応させる。得られた反応液を濾過して固形物を分離した後、得られた固形物を水洗し、乾燥することにより、本発明にかかる熱硬化剤を得ることができる。
上記硬化性樹脂は、エポキシ化合物を含むことが好ましい。
上記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱ケミカル社製)、EPICLON EXA−830CRP(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールE型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エポミックR710(三井化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON EXA−1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON EXA−7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON HP−4032、EPICLON EXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON N−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON N−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON HP−7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱ケミカル社製)、EPICLON430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(日鉄ケミカル&マテリアル社製)、EPICLON726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱ケミカル社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、上記(メタ)アクリル化合物は、反応性の観点から1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。また、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3708、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA等が挙げられる。
上記ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260等が挙げられる。
上記根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アートレジンUN−330、アートレジンSH−500B、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−9000H等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6HA、U−6LPA、U−10H、U−15HA、U−108、U−108A、U−122A、U−122P、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4000、UA−4100、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AH−600、AI−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤や加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、具体的には例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−((4−メチルフェニル)メチル)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なお、本明細書において上記「高分子アゾ化合物」とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記高分子アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ開始剤としては、例えば、V−65、V−501(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記シランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを配合した本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記三菱マテリアル社製のチタンブラックとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C等が挙げられる。
上記赤穂化成社製のチタンブラックとしては、例えば、ティラックD等が挙げられる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、極性基を有する液晶分子に対する相溶性が低いため、本発明の液晶表示素子が極性基を有する液晶分子を含む液晶を用いてなるものである場合に、従来のシール剤に比べて表示不良を抑制する効果がより顕著となる。即ち、本発明の液晶表示素子は、極性基を有する液晶分子を含む液晶を用いてなることが好ましい。
上記液晶分子の極性基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、シアノ基等が挙げられる。
また、本発明の液晶表示素子を製造する際の本発明の液晶表示素子用シール剤の塗布幅は1mm以下であることが好ましい。
液晶滴下工法によって本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。
まず、基板に本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により枠状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程を行う。その後、シール剤を加熱して硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。また、シール剤を加熱して硬化させる工程の前にシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程を行ってもよい。
温度計及び撹拌機を備えた3つ口フラスコ中でリンゴ酸ジヒドラジド16.2重量部をトルエン100重量部に溶解させ、60℃で撹拌した。得られた溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネート3.4重量部をトルエン50重量部に溶解させた溶液を5mL/minの滴下速度で滴下した後、60℃で6時間撹拌して反応させた。得られた反応液を濾過して固形物を分離した後、得られた固形物を水洗し、乾燥することにより、本発明にかかる熱硬化剤として化合物Aを得た。
なお、MS及びFT−IRにより、得られた化合物Aは、式(2)で表される化合物(R1はリンゴ酸ジヒドラジド残基、R2はヘキサメチレンジイソシアネート残基)であることを確認した。
リンゴ酸ジヒドラジド16.2重量部を、酒石酸ジヒドラジド17.8重量部に変更したこと以外は上記「(化合物Aの合成)」と同様にして、本発明にかかる熱硬化剤として化合物Bを得た。
なお、MS及びFT−IRにより、得られた化合物Bは、式(2)で表される化合物(R1は酒石酸ジヒドラジド残基、R2はヘキサメチレンジイソシアネート残基)であることを確認した。
ヘキサメチレンジイソシアネート3.4重量部を、イソホロンジイソシアネート4.4重量部に変更したこと以外は上記「(化合物Aの合成)」と同様にして、本発明にかかる熱硬化剤として化合物Cを得た。
なお、MS及びFT−IRにより、得られた化合物Cは、式(2)で表される化合物(R1はリンゴ酸ジヒドラジド残基、R2はイソホロンジイソシアネート残基)であることを確認した。
リンゴ酸ジヒドラジド16.2重量部を、マロン酸ジヒドラジド13.2重量部に変更したこと以外は上記「(化合物Aの合成)」と同様にして、水酸基を有さないヒドラジド化合物残基とイソシアネート化合物残基とを有する化合物である化合物Dを得た。
なお、MS及びFT−IRにより、得られた化合物Dは、式(2)におけるR1に相当する部分がマロン酸ジヒドラジド残基であり、R2に相当する部分がヘキサメチレンジイソシアネート残基である化合物であることを確認した。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜9、比較例1〜4の各液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について、製造直後の初期粘度と、製造後に25℃、50%RHの雰囲気下で48時間保管した後の粘度とを測定した。(保管後の粘度)/(初期粘度)を増粘率とし、増粘率が1.2未満であったものを「○」、1.2以上1.3未満であったものを「△」、1.3以上であったものを「×」として保存安定性を評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1.0rpmの条件で測定した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を2枚の透明基板の一方に点打ちし、もう一方の透明基板を重ね合わせた後、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。その後、120℃で1時間加熱し、液晶表示素子用シール剤を熱硬化させた。透明基板を剥がし、透明基板上に残った硬化物を赤外分光計(Agilent Technologies社製、「UMA600」)を用いて測定し、得られた測定結果と予め測定しておいた硬化前の測定結果とから下記式にて硬化率を計算した。
硬化率(%)=100×(1−(硬化後のエポキシ基のピーク面積)/(硬化前のエポキシ基のピーク面積))
硬化率が90%以上であったものを「○」、70%以上90%未満であったものを「△」、70%未満であったものを「×」として硬化性を評価した。
2枚のラビング済み配向膜及び透明電極付き基板の一方に、実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を正方形の枠を描くようにディスペンサーで塗布してシールパターンを形成した。形成したシールパターンの内側に液晶表示素子用シール剤を点打ちした。
続いて、極性基としてシアノ基を有する液晶分子を含む液晶(東京化成工業社製、「4−ペンチル−4−ビフェニルカルボニトリル」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、真空中にてもう一方の基板を重ね合わせた。真空を解除した後、外枠シール部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。この時、点打ちした液晶表示素子用シール剤には紫外線が照射されないようにマスクをした。その後、液晶アニールを120℃で1時間行い、液晶表示素子用シール剤を熱硬化させて液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子について、60℃、90%RHの環境下で500時間電圧印加状態とした後、点打ちした液晶表示素子用シール剤周辺の液晶配向乱れ(表示むら)を通電状態で目視によって確認した。
表示むらが発生しなかった場合を「◎」、表示むらが発生したが発生直後に消えた場合を「○」、シール際からの距離が1mm以下の表示むらが残った場合を「△」、シール際からの距離が1mmを超える表示むらが残った場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。
Claims (5)
- 前記特徴(a)における水酸基含有ヒドラジド化合物残基の由来となる水酸基含有ヒドラジド化合物は、1分子中に水酸基と2つ以上のヒドラジド基とを有する化合物であり、かつ、
前記特徴(b)におけるイソシアネート化合物残基の由来となるイソシアネート化合物は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。 - 前記硬化性樹脂100重量部中における前記化合物(A)の含有量が0.1重量部以上20重量部以下である請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料。
- 請求項1、2若しくは3記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項4記載の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子。
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